説明

イメージセンサおよび画像形成装置

【課題】本発明は、発光素子に伝わる熱を全長に亘って均等に拡散させることができ、EL発光素子の輝度分布のばらつきを解消できるイメージセンサを得ることにある。
【解決手段】イメージセンサ10は、回路板53の熱を受けるハウジング11と、ハウジング11に支持されるとともに原稿2に向けて光を照射する光源と、を備えている。光源は、有機エレクトロルミネセンスにより発光する発光部37を有するEL発光素子24, 25である。EL発光素子24, 25は、走査方向に沿ってライン状に延びるとともに、このEL発光素子24, 25とハウジング11との間に熱拡散層48が介在されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネセンスにより発光するEL発光素子を光源とするイメージセンサに関する。さらに、本発明は、EL発光素子を光源とするイメージセンサを搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スキャナ機能、印刷機能、複写機能およびネットワーク接続機能等を有する、いわゆるマルチファンクション・ペリフェラルズ(MFP)と称する多機能形の画像形成装置は、原稿のような読み取り対象物から文字や画像等の情報を光学的に読み取るライン走査型のイメージセンサを搭載している。
【0003】
この種のイメージセンサは、読み取り対象物に光を照射する光源を備えている。この光源としては、LED発光素子が広く用いられているが、近年では、LED発光素子に代えて特許文献1に見られるようなEL発光素子を用いることが試されている。
【0004】
EL発光素子は、走査方向に延びるライン状のガラス基板と、このガラス基板の表面に形成された発光部とを備えている。発光部は、電界を与えた際のエレクトロルミネセンスにより発光するものであり、ガラス基板の端部に形成された電極に電気的に接続されている。
【0005】
EL発光素子は、このEL発光素子を駆動する回路板と一緒に合成樹脂製のケースに支持されている。回路板は、動作中に発熱するLSIを含む複数の回路部品を備えている。
【0006】
EL発光素子を発光させると、それ自体が自己発熱するとともに、LSIの熱が回路板からハウジングを通じてEL発光素子に伝わるのを避けられない。すると、EL発光素子は、走査方向に延びる細長い形状を有するために、全長に亘って均等に加熱されるわけではなく、特に高温となるLSIに近い部分が局部的に加熱される。そのため、EL発光素子の長手方向に沿う温度分布が不均一となり、EL発光素子に温度差が生じる。
【0007】
EL発光素子では、温度差が生じた場合に、電流分布が変化して高温の部分に電流が多く流れる傾向にある。このため、EL発光素子は、温度の高い箇所の輝度が高くなり、逆に温度の低い箇所の輝度が低くなるという特性を有し、EL発光素子の長手方向に沿う輝度分布にばらつきが生じる。
【0008】
このことから、EL発光素子を光源とするイメージセンサでは、読み取り対象物に光が照射された時に、読み取り対象物の光照射面上の照度が走査方向に沿って不均一なものとなる。読み取り対象物上の画像情報は、光の濃淡情報となってCCDのような受光素子に導かれるので、読み取り対象物の光照射面に照度差が生じると、イメージセンサの出力として、照度の低い箇所の画質が照度の高い箇所の画質に対して劣化するといった問題が生じてくる。
【0009】
一方、CCDを用いたイメージセンサにおいて、画像の画質を改善するため、CCDの放熱性を高める方法が特許文献2に開示されている。この特許文献2では、発熱するCCDと画像読取装置の筐体との間を、熱伝導体を介して熱的に接続し、CCDが発する熱を熱伝導体から筐体に移送することで、この筐体の外面から大気中に放出している。
【特許文献1】特開2003−87502号公報
【特許文献2】特開2006−197012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献2は、あくまでCCDの放熱性を高める提案であり、CCDが外部からの熱影響を受けた時に、CCDに温度差が生じるのを防ぐためのものではない。言い換えると、特許文献2では、CCDの熱を筐体に逃すことはできても、CCDと熱伝導体との位置関係によっては、CCDに温度の高い部分と低い部分が生じる虞があり得る。
【0011】
このため、特許文献2に開示された放熱技術を、長尺なライン状のEL発光素子に適用したところで、EL発光素子に温度差が生じるのを避けられない。よって、EL発光素子の輝度分布のばらつきを解消するための有効な解決策とはなり得ない。
【0012】
本発明の目的は、ライン状のEL発光素子が熱影響を受けた時に、EL発光素子に伝わる熱を全長に亘って均等に拡散させることができ、EL発光素子の輝度分布のばらつきを解消できるイメージセンサを得ることにある。
【0013】
本発明の他の目的は、EL発光素子の輝度分布のばらつきを解消でき、EL発光素子から読み取り対象物に光が照射された時に、読み取り対象物上の照度差を少なく抑えて画質の劣化を防止できる画像形成装置を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るイメージセンサは、発熱体の熱を受けるハウジングと、上記ハウジングに支持され、読み取り対象物に向けて光を照射する光源と、を備えている。上記光源は、有機エレクトロルミネセンスにより発光する発光部を有するEL発光素子であり、このEL発光素子は走査方向に沿ってライン状に延びるとともに、上記EL発光素子と上記ハウジングとの間に熱拡散層が介在されていることを特徴としている。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る画像形成装置は、読み取り対象物を搬送する搬送路と、上記搬送路に設置され、上記読み取り対象物から画像情報を光学的に読み取るイメージセンサと、を備えている。上記イメージサンサは、発熱体の熱を受けるハウジングと、上記ハウジングに支持されて、上記読み取り対象物に向けて光を照射する光源と、を含み、上記光源は、有機エレクトロルミネセンスにより発光する発光部を有するEL発光素子であり、このEL発光素子は走査方向に沿ってライン状に延びるとともに、上記EL発光素子と上記ハウジングとの間に熱拡散層が介在されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明のイメージセンサによれば、ハウジングが熱を受けると、この熱は熱拡散層を介してEL発光素子の全長に亘って広範囲に拡散された後にEL発光素子に伝わる。このため、EL発光素子がハウジングから熱影響を受けてもEL発光素子の温度分布を均等化することができ、EL発光素子の長手方向に沿う輝度のばらつきを解消することができる。
【0017】
さらに、上記イメージセンサを用いた画像形成装置によれば、EL発光素子から読み取り対象物に光が照射された時に、読み取り対象物上の照度差を少なく抑えることができる。よって、画質の劣化を防止でき、読み取り対象物から画像情報を光学的に読み取る上での信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下本発明の第1の実施形態を、図1乃至図12にもとづいて説明する。
【0019】
図1は、画像形成装置1の概略を直線状に展開して示している。画像形成装置1は、読み取り対象物としての原稿2を載置するホッパーテーブル3を備えている。ホッパーテーブル3に載置された原稿2は、給紙ローラ4を介して搬送路5に送り込まれるようになっている。搬送路5は、ホッパーテーブル3と図示しないスタッカーとの間を結んでいる。
【0020】
搬送路5の上に複数のローラ6が配置されている。ローラ6は、原稿2の送り方向に間隔を存して配置されているとともに、互いに同期して回転するようになっている。このローラ6の回転により、原稿2が搬送路5の始端から終端に向けて順次搬送される。
【0021】
搬送路5の途中に、例えば密着型イメージセンサ10が配置されている。密着型イメージセンサ10は、搬送路5に沿って搬送される原稿2から文字や画像等の情報を光学的に読み取るためのものであって、搬送路5の下方に設置されている。
【0022】
図2乃至図4に示すように、密着型イメージセンサ10は、合成樹脂製のハウジング11を有している。ハウジング11は、走査方向に沿う細長い棒状をなしており、原稿2の搬送方向に対し直交する方向に延びている。ハウジング11の上面に第1の凹部12が形成されている。第1の凹部12は、ハウジング11の長手方向に延びている。第1の凹部12は、ハウジング10の上面に開口する開口部13と、この開口部13と向かい合う底面14とを有している。開口部13は、透明なガラス板15によって塞がれている。ガラス板15は搬送路5に露出しており、このガラス板15の上を原稿2が通過するようになっている。
【0023】
ハウジング11の底面に第2の凹部16が形成されている。第2の凹部16は、ハウジング11の長手方向に延びている。第2の凹部16は、ハウジング11の内部に形成した連通孔17を通じて第1の凹部12に通じている。連通孔17は、ハウジング11の幅方向に沿う中央部に位置するとともに、ハウジング11の長手方向に延びている。
【0024】
連通孔17の内部にレンズユニット18が保持されている。レンズユニット18は、ハウジング11の長手方向に延びており、その上端部が第1の凹部12の内部に突出している。レンズユニット18は、走査方向と直交するように起立する中心軸線O1を有している。
【0025】
第2の凹部16にセンサ基板19が取り付けられている。センサ基板19は、第2の凹部16を閉塞するようにハウジング11の長手方向に延びている。センサ基板19の上面に複数のCCDセンサのような受光素子20が実装されている。受光素子20は、ハウジング11の長手方向に間隔を存して一列に並んでいるとともに、レンズユニット18の中心軸線O1上に位置している。
【0026】
ハウジング11の第1の凹部12は、図6に示すような有機EL光源ユニット22を収容している。本実施形態の有機EL光源ユニット22は、リジッドなプリント配線板23と、プリント配線板23に貼り付けられた一対のEL発光素子24,25と、EL発光素子24,25の両端に設けられた四つのフレキシブル配線板26と、を備えている。
【0027】
図3および図5に示すように、プリント配線板23は、一対のEL支持部27a,27bを有している。EL支持部27a,27bは、走査方向に沿うようにハウジング11の長手方向にライン状に延びている。EL支持部27a,27bは、夫々その長手方向に沿う一端に位置する第1の端部28と、長手方向に沿う他端に位置する第2の端部29とを有している、
一方のEL支持部27aの第1の端部28と他方のEL支持部27bの第1の端部28とは、ブリッジ部30を介して互いに連結されている。同様に、一方のEL支持部27aの第2の端部29と他方のEL支持部27bの第2の端部29とは、他のブリッジ部31を介して互いに連結されている。このため、プリント配線板23のEL支持部27a,27bは、互いに間隔を存して平行に配置されている。
【0028】
図8に示すように、各EL支持部27a,27bは、第1の面32と、この第1の面32の反対側に位置する第2の面33とを有している。第1の面32は、ガラス板15の方向を向いている。第1の面32のうち第1の端部28および第2の端部29に対応する位置に夫々一対の第1の電極34が形成されている。図5に示すように、第1の電極34は、EL支持部27a,27bの幅方向に並んでいるとともに、EL支持部27a,27bの長手方向に離れている。このため、EL支持部27a,27bは、夫々四つの第1の電極34を有している。
【0029】
図4に示すように、EL支持部27a,27bの第2の面33は、ハウジング11の第1の凹部12の底面14の方向を向いている。第2の面33のうち、第1の端部28に対応する位置に一対の第2の電極35(一方のみを図示)が形成されている。第2の電極35は、プリント配線板23に形成した図示しない導体層を介して第1の電極34に電気的に接続されている。
【0030】
EL発光素子24,25は、EL支持部27a,27bの第1の面32に実装されている。EL発光素子24,25は、夫々透明なガラス基板36と発光部37とを備えている。ガラス基板36は、走査方向に沿うようにライン状に延びている。ガラス基板36は、その長手方向に沿う一端に位置する第1の端部38と、長手方向に沿う他端に位置する第2の端部39とを有している。
【0031】
ガラス基板36の第1および第2の端部38,39に、夫々一対の第3の電極41が形成されている。第3の電極41は、例えばインジウムと錫の酸化膜からなるITO(Indium Tin Oxide)電極であって、ガラス基板36の幅方向に並んでいる。
【0032】
発光部37は、ガラス基板36の下面に形成されて、ガラス基板36の長手方向に延びている。発光部37は、電界を与えた際のエレクトロルミネセンスにより発光するものであり、その長手方向に沿う一端および他端が第3の電極41に電気的に接続されている。このため、発光部37は、その長手方向に沿う両端に電圧を印加することで電界が与えられるようになっている。
【0033】
EL発光素子24,25のガラス基板36は、例えば両面接着テープ42を介してプリント配線板23のEL支持部27a,27bの第1の面32に接着されている。この接着により、EL発光素子24,25がプリント配線板23と一体化されている。
【0034】
図8に示すように、両側のフレキシブル配線板26は、第4の電極43と第5の電極44とを有している。第4の電極43は、プリント配線板23の第1の電極34に対応するものであり、フレキシブル配線板26の一端に位置している。第5の電極44は、ガラス基板36の第3の電極41に対応するものであり、フレキシブル配線板26の他端に位置している。
【0035】
フレキシブル配線板26の第4の電極43は、プリント配線板23の第1の電極34に熱圧着されている。同様に、フレキシブル配線板26の第5の電極44は、ガラス基板36の第3の電極41に熱圧着されている。
【0036】
したがって、フレキシブル配線板26は、プリント配線板23とEL発光素子24,25との間を電気的に接続している。
【0037】
図3および図4に示すように、EL発光素子24,25と第1の凹部12の底面14との間に熱拡散層48が介在されている。熱拡散層48としては、例えば厚みが0.6mmの銅板49を使用している。銅板49は、金属板の一例であって、ハウジング11よりも熱伝導率が大きい。この銅板49の表面には、例えばニッケルメッキが施されている。銅板49は、EL支持部27a,27bの第1の端部28と第2の端部29との間に跨るような帯状をなしている。そのため、銅板49は、EL発光素子24,25の発光部37の全長に亘るような長さ寸法を有するとともに、その幅寸法が全長に亘って一定となっている。
【0038】
さらに、銅板49は、EL支持部27a,27bの第2の面33に積層されており、この第2の面33と銅板49との間には、絶縁テープ50が挟み込まれている。第2の面33の上に位置する第2の電極35は、銅板49や絶縁テープ50で覆われることなく第1の凹部12の内部に露出している。
【0039】
図3および図4に示すように、銅板49は、両面接着テープ51を介して第1の凹部12の底面14に固定されている。この固定により、銅板49がハウジング11とEL発光素子24,25との間に介在されて、これら両者に熱的に接続されている。
【0040】
EL発光素子24,25を第1の凹部12に固定した状態では、EL発光素子24,25の発光部37がレンズユニット18を間に挟んで二列に並んでいる。
【0041】
図3および図9に示すように、ハウジング11にEL発光素子24,25の駆動を司る回路板53が支持されている。回路板53は、ハウジング11の長手方向に延びる長方形状をなしており、その長手方向に沿う複数個所がハウジング11の側面から突出するボス部54にリベット55を介して固定されている。さらに、回路板53は、センサ基板19の下面に積層されて、このセンサ基板19に電気的に接続されている。
【0042】
回路板53の下面には、CCDセンサを駆動する駆動回路等を構成する複数の電子回路部品56が実装されている。電子回路部品56は、動作中に発熱するLSI57を含んでいる。LSI57は、発熱体の一例であって、EL発光素子24,25の長手方向に沿う中間部に位置している。回路板53は、LSI57からの熱影響を受けることにより発熱を伴う。
【0043】
LSI57が発する熱は、回路板53からセンサ基板19およびリベット55を通じてハウジング11に伝わるとともに、このハウジング11から銅板49を介してEL発光素子24,25に伝わる。
【0044】
図9に示すように、回路板53は、二本のケーブル58を介して有機EL光源ユニット22のプリント配線板23に電気的に接続されている。ケーブル58は、ハウジング11に形成したケーブル通路60およびセンサ基板19に開けた貫通孔61を通じて配線されている。
【0045】
図4に示すように、ケーブル58の一端は、ケーブル通路60からプリント配線板23と第1の凹部12の底面14との間に導かれるとともに、プリント配線板23の第2の電極35に半田付けされている。
【0046】
ケーブル58は、ケーブル通路60から貫通孔61を通じてハウジング11の外に引き出されている。ケーブル58の他端は、回路板53の下面に沿うように引き回された後、この回路板53の下面に形成した一対のパッド62に半田付けされている。
【0047】
上記第1の実施形態では、有機EL光源ユニット22と回路板53との間を、ケーブル58を介して電気的に接続している。この接続方法によれば、例えば有機EL光源ユニット22と回路板53との間を、ハウジング11を貫通する金属製のピン端子で直接接続する場合との比較において、回路板53の熱が回路板53から有機EL光源ユニット22に伝わり難くなる。そのため、EL発光素子24,25に対する回路板53の熱影響を極力抑えることができる。
【0048】
上記構成を有する有機EL光源ユニット22を動作させると、EL発光素子24,25の発光部37が発光する。発光部37からの光は、ガラス板15を通じて原稿2に照射される。原稿2に照射された光は、原稿2の下面で反射した後、レンズユニット18を介して受光素子20に導かれる。受光素子20は、受光量に応じたレベルの信号を出力する。これにより、原稿2に描かれた文字や画像のような情報が光学的に読み取られる。
【0049】
有機EL光源ユニット22の動作中においては、LSI57を含む電子回路部品56が発熱する。電子回路部品56やLSI57が発する熱は、回路板53を経由してハウジング11に伝わるとともに、このハウジング11からEL発光素子24,25に伝わろうとする。特に、発熱量の大きなLSI57は、EL発光素子24,25の長手方向に沿う中間部に位置するので、このEL発光素子24,25の中間部が第1および第2の端部38,39よりも大きな熱影響を受ける懸念がある。
【0050】
しかるに、上記第1の実施形態では、ハウジング11とEL発光素子24,25を支持するプリント配線板23との間に、ハウジング11よりも熱伝導率が高い銅板49を介在させる構成としている。この銅板49は、ハウジング11およびプリント配線板23に熱的に接続された状態で、発光部37の全長に亘って延びている。
【0051】
このため、電子回路部品56やLSI57からハウジング11に伝えられた熱は、銅板49への熱伝達により銅板49の全長に亘って広範囲に亘って拡散された後、この銅板49からプリント配線板23を介してEL発光素子24,25に伝わる。
【0052】
したがって、電子回路部品56やLSI57からの熱は、銅板49によって分散された状態でEL発光素子24,25に伝わることになり、EL発光素子24,25の温度が局部的に高くなるのを防止できる。よって、EL発光素子24,25の温度分布を極力均等化することができ、EL発光素子24,25の長手方向(走査方向)に沿う輝度のばらつきを解消することができる。
【0053】
このことから、EL発光素子24,25から原稿2に光が照射された時に、原稿2の照射面上の照度差を少なく抑えることができる。よって、画質の劣化を防止でき、原稿2から情報を光学的に読み取る上での信頼性が向上するといった利点がある。
【0054】
図10は、厚さが0.6mmの銅板49を用いた密着型イメージセンサ10において、その出力が劣化する割合を動作開始から30分間測定した結果を示している。この測定に当っては、出力の測定位置を密着型イメージセンサ10の走査方向に沿って16等分し、各測定位置における出力の劣化量を測定している。この劣化量は、密着型イメージセンサ10が動作を開始した時の出力を初期値とするとともに、動作を開始してから所定の時間を経過した時の出力を上記初期出力を基準とする割合で示している。
【0055】
図10において、特性Aは、動作前の初期出力を示し、特性B、C、D、Eは、夫々動作開始から1分、5分、10分、30分経過後の出力を示している。図10から明らかなように、密着型イメージセンサ10の動作開始直後から出力は徐々に劣化するものの、5分経過した時点では、測定位置1から測定位置16までの出力の劣化量は、略均等となっている。
【0056】
さらに、30分経過した時点でも、LSI57に近い密着型イメージセンサ10の中間部に対応する測定位置8および9では、出力の劣化は認められないとともに、出力が初期出力を上回ることもない。加えて、密着型イメージセンサ10の両端部にしても、劣化量が略4%に抑えられている。
【0057】
この結果から、銅板49を用いることで、EL発光素子24,25の温度分布が均等化され、EL発光素子24,25の輝度分布のばらつきが抑えられていることが分かる。
【0058】
図11は、EL発光素子24,25が熱影響を受けた時の発光部37の輝度分布を密着型イメージセンサ10の出力で示した特性図である。この図11において、特性Aは、密着型イメージセンサ10が動作を開始した時の出力を示し、特性Bは、銅板49を省略した密着型イメージセンサの出力を示し、特性Cは、銅板49を用いた密着型イメージセンサ10の出力を示している。
【0059】
密着型イメージセンサ10が動作を開始した時は、電子回路部品56やLSI57の温度上昇が少ないので、EL発光素子24,25の走査方向の温度分布は均一となっている。そのため、図11では、密着型イメージセンサ10の動作開始時の出力を初期値とするとともに、密着型イメージセンサ10が動作を開始してから30分経過した時の出力を、上記初期値を基準とする割合で示している。
【0060】
この図11から分かるように、銅板49を持たない密着型イメージセンサでは、EL発光素子24,25のうちLSI57に対応する中間部の輝度が第1および第2の端部38,39よりも高くなっている。この主な原因は、EL発光素子24,25の中間部の温度がLSI57の熱影響を受けて第1および第2の端部38,39よりも高くなり、EL発光素子24,25の走査方向に沿う温度分布がばらついているためである。
【0061】
これに対し、ハウジング11とEL発光素子24,25との間に銅板49を介在させた本発明の密着型イメージセンサでは、特性Bとの比較において、EL発光素子24,25のうちLSI57に対応する中間部の輝度が低下するとともに、第1および第2の端部38,39の輝度が逆に高くなっている。
【0062】
このことから、銅板49の存在により、EL発光素子24,25の走査方向に沿う温度分布のばらつきが抑えられ、EL発光素子24,25の長手方向に沿う輝度の変化割合を少なく抑えることができる。
【0063】
図12は、密着型イメージセンサ10の動作時間の経過に伴って、EL発光素子24,25の輝度が変化する様子を示している。この図12では、EL発光素子24,25の輝度の変化を、輝度の最大値と最小値との差で示しており、特性Dは、銅板49を省略した密着型イメージセンサの輝度の変化差を示し、特性Eは、銅板49を用いた本発明の密着型イメージセンサ10の輝度の変化差を示している。
【0064】
この図12から分かるように、銅板49を用いることで、EL発光素子24,25の輝度の変化差が少なくなっている。これは、電子回路部品56やLSI57の熱が銅板49によってEL発光素子24,25の広範囲に亘って分散され、EL発光素子24,25の温度分布が均等化されているからである。
【0065】
本発明において、熱拡散層48の構成は上記第1の実施形態に特定されるものではなく、種々変形して実施可能である。
【0066】
第1の実施形態では、熱拡散層48を走査方向に沿ってライン状に延びるプリント配線板23のEL発光素子24,25とは反対側の面に設ける構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば図7に二点鎖線で示すように、プリント配線板23のEL発光素子24,25と対向する面に熱拡散層48を設けても良い。
【0067】
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態に係る熱拡散層70を有する密着型イメージセンサ10の概略を示している。熱拡散層70は、例えば厚みが0.8mmの銅板71によって構成されている。銅板71は、プリント配線板23の第1および第2の端部28,29から中央部の方向に進むに従い、その幅寸法が次第に狭くなっている。
【0068】
そのため、発熱量の大きなLSI57に対応する銅板71の中間部では、プリント配線板23と銅板71との接触面積が少なく、逆に銅板71の両端部では、プリント配線板23と銅板71との接触面積が大きくなっている。
【0069】
したがって、プリント配線板23の第1および第2の端部28,29では、プリント配線板23の中間部に比べてハウジング11の熱がプリント配線板23ひいてはEL発光素子に伝わり易くなっている。
【0070】
(第3の実施形態)
図14は、本発明の第3の実施形態に係る熱拡散層80を有する密着型イメージセンサ10の概略を示している。熱拡散層80は、例えば厚みが0.8mmのアルミニウム板81によって構成されている。アルミニウム板81は、金属板の一例であり、プリント配線板23の第1および第2の端部28,29から中間部の方向に進むに従い、その幅寸法が次第に狭くなっている。
【0071】
そのため、発熱量の大きなLSI57に対応するアルミニウム板81の中間部では、プリント配線板23とアルミニウム板81との接触面積が少なく、逆にアルミニウム板81の両端部では、プリント配線板23とアルミニウム板81との接触面積が大きくなっている。
【0072】
したがって、上記第2の実施形態と同様に、プリント配線板23の第1および第2の端部28,29では、プリント配線板23の中間部に比べてハウジング11の熱がプリント配線板23ひいてはEL発光素子に伝わり易くなっている。
【0073】
(第4の実施形態)
図15は、本発明の第4の実施形態に係る熱拡散層90を有する密着型イメージセンサ10の概略を示している。熱拡散層90は、例えば厚みが0.8mmのアルミニウム板91と、厚みが0.1mmの異方性熱伝導シート92とによって構成されている。
【0074】
アルミニウム板91および異方性熱伝導シート92は、夫々プリント配線板23の全長に亘るような帯状をなすとともに、その幅寸法が全長に亘って一定となっている。アルミニウム板91と異方性熱伝導シート92とは、互いに積層されている。異方性熱伝導シート92は、カーボンを主成分とするもので、熱拡散性を有している。異方性熱伝導シート92は、アルミニウム板91とハウジング11との間に介在されて、ハウジング11とアルミニウム板91との間を熱的に接続している。
【0075】
(第5の実施形態)
図16は、本発明の第5の実施形態に係る熱拡散層100を有する密着型イメージセンサ10の概略を示している。熱拡散層100は、例えば厚みが0.8mmのアルミニウム板101によって構成されている。アルミニウム板101は、プリント配線板23の全長に亘るような帯状をなすとともに、その幅寸法が全長に亘って一定となっている。
【0076】
(第6の実施形態)
図17は、本発明の第6の実施形態に係る熱拡散層110を有する密着型イメージセンサ10の概略を示している。熱拡散層110は、例えば厚みが0.8mmの第1および第2のアルミニウム板111,112と、厚みが0.1mmの異方性熱伝導シート113とによって構成されている。
【0077】
第1のアルミニウム板111は、プリント配線板23の第1の端部28に対応する長さの帯状をなすとともに、その幅寸法が全長に亘って一定となっている。同様に、第2のアルミニウム板112は、プリント配線板23の第2の端部29に対応する長さの帯状なすとともに、その幅寸法が全長に亘って一定となっている。そのため、第1のアルミニウム板111と第2のアルミニウム板112とは、プリント配線板23の長手方向に互いに離れている。
【0078】
異方性熱伝導シート113は、カーボンを主成分とするもので、熱伝導性を有している。異方性熱伝導シート113は、プリント配線板23の全長に亘るような帯状をなすとともに、その幅寸法が全長に亘って一定となっている。異方性熱伝導シート113と第1のアルミニウム板111、および異方性熱伝導シート113と第2のアルミニウム板112とは、互いに積層されている。さらに、異方性熱伝導シート113は、第1および第2のアルミニウム板111,112とハウジング11との間に介在されて、ハウジング11と第1および第2のアルミニウム板111,112との間を熱的に接続している。
【0079】
異方性熱伝導シート113の長手方向に沿う中間部は、第1のアルミニウム板111と第2のアルミニウム板112との間でプリント配線板23の下面を覆う絶縁テープ50と向かい合っている。異方性熱伝導シート113の中間部と絶縁テープ50との間に空気層114が形成されている。異方性熱伝導シート113の中間部と絶縁テープ50との間に、これら両者間の間隔を維持するスペーサ115が介在されている。
【0080】
ところで、本発明に携わる発明者は、上記第1乃至第6の実施形態に係る密着型イメージセンサ10の夫々において、その出力が劣化する様子を動作開始から30分間測定する実験を行い、図18に示すような結果を得た。
【0081】
この実験では、密着型イメージセンサ10が動作を開始した時の初期出力の最大値と最小値との差を初期値とするとともに、動作を開始してから所定の時間が経過した時の出力を上記初期値を基準とする割合で示している。
【0082】
図18において、特性Aは第1の実施形態に係る密着型イメージセンサ10の出力を示し、特性Bは第2の実施形態に係る密着型イメージセンサ10の出力を示し、特性Cは第3の実施形態に係る密着型イメージセンサ10の出力を示し、特性Dは第4の実施形態に係る密着型イメージセンサ10の出力を示し、特性Eは第5の実施形態に係る密着型イメージセンサ10の出力を示し、特性Fは第6の実施形態に係る密着型イメージセンサ10の出力を示している。
【0083】
また、図18において特性Xは、熱拡散層を持たない密着型イメージセンサの出力を示し、特性Yは、光源にLEDを用いた従来の密着型イメージセンサの出力を示している。
【0084】
この実験結果によれば、ハウジング11とプリント配線板23との間に熱拡散層48,70,80,90,100,110を介在させた密着型イメージセンサ10では、動作開始から30分経過後の出力の劣化量が最大でも7.5%程度に抑えられていることが分かる。
【0085】
これに対し、熱拡散層を持たない密着型イメージセンサでは、動作開始から30分経過後の出力の劣化量が13%を上回っている。このことから、熱拡散層48,70,80,90,100,110は、密着型イメージセンサ10の出力の劣化量を抑える上で有効に寄与している。
【0086】
特に熱拡散層48,70として銅板49,71を用いた場合は、動作開始から30分経過後の出力の劣化量が夫々4.5%および4.9%に抑えられている。そのため、密着型イメージセンサ10の出力の劣化量を少なく抑えるためには、アルミニウムよりも熱伝導性に優れた銅を用いることが望ましいものとなる。
【0087】
さらに、本発明者は、上記第1の実施形態の銅板49の厚みを0.6mmから0.8mmに変更して同様の実験を行ったところ、動作開始から30分経過後の出力の劣化量が4.1%に抑えられることが明らかとなった。
【0088】
一方、本発明者は、銅やアルミニウムのような金属板を用いた熱拡散層48,70,80,90,100,110の優位性を確認するため、比較例として金属板を用いない熱拡散層を有する密着型イメージセンサを作成し、上記と同様の実験を行った。
【0089】
図19は、第1の比較例としての熱拡散層200を有する密着型イメージセンサ201の概略を示している。熱拡散層200は、厚さが0.8mmの空気層202によって構成されている。空気層202は、プリント配線板23とハウジング11との間に複数の合成樹脂製のスペーサ203を介在させることによって形成されている。
【0090】
図20は、第2の比較例としての熱拡散層300を有する密着型イメージセンサ301の概略を示している。熱拡散層300は、厚みが0.025mmの異方性熱伝導シート301によって構成されている。異方性熱伝導シート301は、カーボンを主成分とするもので、熱伝導性を有している。異方性熱伝導シート301は、プリント配線板23の全長に亘るような帯状をなすとともに、その幅寸法が全長に亘って一定となっている。
【0091】
図21は、第3の比較例としての熱拡散層400を有する密着型イメージセンサ401の概略を示している。熱拡散層400は、厚みが0.1mmの異方性熱伝導シート401と厚みが0.5mmのゴムシート402とで構成されている。異方性熱伝導シート401とゴムシート402とは、互いに積層されている。異方性熱伝導シート401は、カーボンを主成分とするもので、熱拡散性を有している。異方性熱伝導シート401は、ハウジング11の側に位置するとともに、ゴムシート402は、プリント配線板23の側に位置している。
【0092】
図22は、上記第1乃至第3の比較例に係る密着型イメージセンサ201,301.401の夫々において、その出力が劣化する様子を動作開始から30分間に亘って測定した結果を示している。この測定では、イメージセンサが動作を開始した時の初期出力の最大値と最小値との差を初期値とするとともに、動作を開始してから所定の時間が経過した時の出力を上記初期値を基準とする割合で示している。
【0093】
図22において、特性R1は第1の比較例の密着型イメージセンサ201の出力を示し、特性R2は第2の比較例の密着型イメージセンサ301の出力を示し、特性Cは第3の比較例の密着型イメージセンサ401の出力を示している。
【0094】
また、図22において特性Xは、熱拡散層を持たない密着型イメージセンサの出力を示し、特性Yは、光源にLEDを用いた従来の密着型イメージセンサの出力を示している。
【0095】
この実験結果によれば、第1乃至第3の比較例の密着型イメージセンサ201,301.401では、動作開始から30分経過後の出力の劣化量が8%〜10%の範囲内にあり、本発明の第1乃至第6の実施形態との比較において出力の劣化量が大きいことが分かる。
【0096】
このことから、金属板を持たない熱拡散層200,300,400では、ハウジング11からEL発光素子に伝わる熱を十分に拡散させることができず、それ故、EL発光素子の温度分布にばらつきが生じて、密着型イメージセンサの出力の劣化量が大きくなる。
【0097】
したがって、密着型イメージセンサ10の熱拡散層48,70,80,90,100,110としては、例えば銅やアルミニウムのような熱伝導性に優れた金属板を用いることが望ましい。
【0098】
なお、本発明に係るイメージセンサは、密着型に限らず、縮小結像型のイメージセンサにも同様に適用できる。この場合、縮小結像型のイメージセンサでは、EL発光素子は発光部の光源として使用することができる。
【0099】
さらに、本発明において、ハウジングに熱を伝える発熱体は回路板に限らない。例えば、イメージセンサを画像形成装置の筐体に収容した時に、ハウジングの近くにローラを駆動するモータが位置するような場合は、このモータがハウジウングに熱を伝える発熱体となる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概略を示す側面図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る密着型イメージセンサの斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る密着型イメージセンサの断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る密着型イメージセンサの第1の端部の断面図。
【図5】本発明の第1の実施形態において、プリント配線板とEL発光素子との接続部分を拡大して示す密着型イメージセンサの平面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る有機EL光源ユニットの平面図。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る有機EL光源ユニットの断面図。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る有機EL光源ユニットの断面図。
【図9】本発明の第1の実施形態において、ハウジングに支持された回路板とケーブルとの接続部分の構造を示す密着型イメージセンサの斜視図。
【図10】本発明の第1の実施形態において、厚さが0.6mmの銅板を用いた密着型イメージセンサにおいて、その出力が劣化する割合を動作開始から30分間測定した結果を示す特性図。
【図11】本発明の第1の実施形態において、EL発光素子が回路素子の熱影響を受けた時の輝度分布を密着型イメージセンサの出力で示す特性図。
【図12】本発明の第1の実施形態において、密着型イメージセンサの動作時間の経過に伴って輝度が変化する様子を示す特性図。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図16】本発明の第5の実施形態に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図17】本発明の第6の実施形態に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図18】本発明の第1乃至第6の実施形態に係る密着型イメージセンサにおいて、夫々の出力が劣化する様子を動作開始から30分間測定した結果を示す特性図。
【図19】第1の比較例に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図20】第2の比較例に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図21】第3の比較例に係る密着型イメージセンサを概略的に示す断面図。
【図22】第1乃至第3の比較例に係る密着型イメージセンサにおいて、夫々の出力が劣化する様子を動作開始から30分間測定した結果を示す特性図。
【符号の説明】
【0101】
2…読み取り対象物(原稿)、5…搬送路、10…イメージセンサ(密着型イメージセンサ)、11…ハウジング、24,25…EL発光素子、48,70,80,90,100,110…熱拡散層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体の熱を受けるハウジングと、
上記ハウジングに支持され、読み取り対象物に向けて光を照射する光源と、を具備するイメージセンサであって、
上記光源は、有機エレクトロルミネセンスにより発光する発光部を有するEL発光素子であり、このEL発光素子は走査方向に沿ってライン状に延びるとともに、上記EL発光素子と上記ハウジングとの間に熱拡散層が介在されていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
請求項1の記載において、上記熱拡散層は、上記EL発光素子の全長に亘って設けられることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の記載において、上記EL発光素子は、走査方向に沿ってライン状に延びるプリント配線板に支持されており、このプリント配線板の上記EL発光素子とは反対側の面に上記熱拡散層が熱的に接続されていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項4】
請求項1又は請求項2の記載において、上記EL発光素子は、走査方向に沿ってライン状に延びるプリント配線板に支持されており、このプリント配線板の上記EL発光素子と対向する面に上記熱拡散層が熱的に接続されていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項の記載において、上記熱拡散層は、上記ハウジングよりも熱伝導率が大きいことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項6】
請求項5の記載において、上記熱拡散層は、上記ハウジングおよび上記EL発光素子に熱的に接続されていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項7】
エレクトロルミネセンスにより発光する発光部を有し、読み取り対象物に向けて光を照射するとともに、走査方向に沿ってライン状に延びるEL発光素子と、
上記EL発光素子を支持するハウジングと、
上記ハウジングに支持され、動作中に発熱を伴う回路板と、
上記EL発光素子と上記ハウジングとの間に介在された熱拡散層と、を具備することを特徴とするイメージセンサ。
【請求項8】
請求項7の記載において、上記ハウジングは、上記回路板に熱的に接続されているとともに、上記EL発光素子は、ケーブルを介して上記回路板に電気的に接続されていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項9】
請求項7の記載において、上記熱拡散層は、上記EL発光素子の全長に亘って設けられることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項10】
請求項9の記載において、上記回路板は、動作中に発熱する回路部品を含み、上記回路部品は、上記EL発光素子の長手方向に沿う中間部に位置することを特徴とするイメージセンサ。
【請求項11】
請求項7乃至請求項10のいずれか1項の記載において、上記熱拡散層は、上記ハウジングよりも熱伝導率が大きいことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項12】
請求項11の記載において、上記熱拡散層は、上記ハウジングおよび上記EL発光素子に熱的に接続されていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項13】
請求項11の記載において、上記熱拡散層は、金属板と、この金属板に積層された熱拡散シートとを含み、上記熱拡散シートは上記金属板と上記ハウジングとの間に介在されていることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項14】
読み取り対象物を搬送する搬送路と、
上記搬送路に設置され、上記読み取り対象物から画像情報を光学的に読み取るイメージセンサと、を具備し、
上記イメージサンサは、
発熱体の熱を受けるハウジングと、
上記ハウジングに支持され、上記読み取り対象物に向けて光を照射する光源と、を含み、
上記光源は、有機エレクトロルミネセンスにより発光する発光部を有するEL発光素子であり、このEL発光素子は走査方向に沿ってライン状に延びるとともに、上記EL発光素子と上記ハウジングとの間に熱拡散層が介在されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
読み取り対象物を搬送する搬送路と、
上記搬送路に設置され、上記読み取り対象物から画像情報を光学的に読み取るイメージセンサと、を具備し、
上記イメージセンサは、
(1)エレクトロルミネセンスにより発光する発光部を有し、上記読み取り対象物に向けて光を照射するとともに、走査方向に沿ってライン状に延びるEL発光素子と、
(2)上記EL発光素子を支持するハウジングと、
(3)上記ハウジングに支持され、動作中に発熱を伴う回路板と、
(4)上記EL発光素子と上記ハウジングとの間に介在された熱拡散層と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−141404(P2008−141404A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324663(P2006−324663)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(504426126)東芝ディーエムエス株式会社 (21)
【Fターム(参考)】