説明

インクジェットプリンターのフラッシング制御方法およびインクジェットプリンター

【課題】キャリッジに搭載された2つのインクジェットヘッドのフラッシングを適切な形態で行うことのできるインクジェットプリンターを提案すること。
【解決手段】インクジェットプリンター1は、印刷データを受信すると、印刷開始前に第1インクジェットヘッド13Aのフラッシングを行い(ステップST1)、印刷が終了してキャリッジ14が印刷領域CからホームポジションAに戻る間に、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行う(ステップST2、ST3)。この結果、印刷開始前にキャリッジ14をホームポジションAから移動させないので、印刷開始が遅延しない。また、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングの後に、キャリッジ14の移動方向が変化することがないので、キャリッジ14はホームポジションAに迅速に戻る。よって、次の印刷データの印刷開始が遅延しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリッジに搭載された2つのインクジェットヘッドのフラッシングを適切な形態で行うことのできるインクジェットプリンターのフラッシング制御方法、およびインクジェットプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターでは、インクジェットヘッドの各ノズルがノズル内に残っているインクの増粘などによって目詰まり状態になり、十分な量のインクを吐出できない吐出不良状態に陥ることがある。また、このような状態に陥ったノズルが含まれているインクジェットヘッドで印刷を行うとドット抜けなどが発生して印刷品位が低下するおそれがある。そこで、インクジェットプリンターでは、定期的に、あるいは所定のタイミングで、インクジェットヘッドを搭載するキャリッジを印刷領域から外れたホームポジションへ移動させ、インク吸収材を備えたメンテナンス用ヘッドキャップをインクジェットヘッドのノズル面に対峙させて、各ノズルから一定量のインクを吐出させるフラッシングを行なうようになっている。
【0003】
フラッシングを行うインクジェットプリンターは、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1では、キャリッジがホームポジションに停止している間にメンテナンス用ヘッドキャップがインクジェットヘッドをキャッピングしている経過時間を計測しており、この経過時間に基づいてフラッシングを定期的に行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−146993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インクジェットプリンターが、第1、第2インクジェットヘッドと、これら第1、第2インクジェットヘッドをキャリッジ走査方向の隣接位置に搭載するキャリッジと、このキャリッジをキャリッジ走査方向に往復駆動するキャリッジ駆動機構とを備えるように構成されている場合には、2つのインクジェットヘッドをメンテナンスするために、2つのメンテナンス用ヘッドキャップを設けることが考えられる。しかし、メンテナンス用ヘッドキャップには、一般的に、インク吸収材と共に、各ノズルからインクを吸引するための吸引機構などが搭載されるので、メンテナンス用ヘッドキャップを2つ設けると吸引機構などが2系統必要になり、構造が複雑化してしまう。
【0006】
そこで、キャリッジがホームポジションにあるときに第1、第2インクジェットヘッドのうち印刷領域側に配置されている第1インクジェットヘッドと対峙するメンテナンス位置に1つのメンテナンス用ヘッドキャップを設けておき、フラッシングを行う時には、キャリッジを走査して、各インクジェットヘッドをメンテナンス位置と対峙するように順番に移動させて、順番にフラッシングを行うことが考えられる。
【0007】
しかし、このようなメンテナンス位置で印刷領域から離れている側に配置されている第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うと、キャリッジがホームポジションから印刷領域側に移動して、第1インクジェットヘッドが印刷領域の側にはみ出した状態となってしまう。このため、印刷開始前に第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うと、フラッシングの後にキャリッジを一旦ホームポジションに戻さなければ印刷を開始することができなくなり、印刷開始が遅延してしまうという問題がある。また、印刷開始の遅延を避けるために第2インクジェットヘッドのフラッシングを行なわないとすれば、ドット抜けなどが発生して印刷品位が低下してしまうという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、キャリッジに搭載された2つのインクジェットヘッドのフラッシングを印刷開始を遅延させることなく行うことができるインクジェットプリンターのフラッシング制御方法、およびインクジェットプリンターを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、隣接配置されている第1、第2インクジェットヘッドを印刷領域に沿って往復移動させて当該印刷領域を通過する記録媒体に印刷を行い、印刷終了後は前記印刷領域から外れたホームポジションに前記第1、第2インクジェットヘッドを移動させ、前記印刷領域の側に位置する前記第1インクジェットヘッドをインク吸収材を備えているフラッシング用ヘッドキャップと対峙させるインクジェットプリンターのフラッシング制御方法であって、
印刷開始時には、前記第1、第2インクジェットヘッドが前記ホームポジションから前記印刷領域の側に移動する前に、前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙している前記第1インクジェットヘッドのフラッシングを行い、
印刷終了後に前記第1、第2インクジェットヘッドが前記印刷領域から前記ホームポジションに移動する際に、前記第2インクジェットヘッドが前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙する時点において、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、印刷開始時には、ホームポジションにおいてフラッシング用ヘッドキャップと対峙している第1インクジェットヘッドのフラッシングが行われる。この結果、印刷開始前にキャリッジをホームポジションから移動させる必要がないので、印刷開始が遅延することがない。また、第2インクジェットヘッドのフラッシングは印刷終了後に行われるので、第2インクジェットヘッドについても、ノズル内に残っているインクの増粘などに起因して吐出不良状態に陥ることを低減あるいは回避できる。さらに、第2インクジェットヘッドのフラッシングは、キャリッジがホームポジションに戻る間に行われるので、第2インクジェットヘッドのフラッシングを行った後に、キャリッジの移動方向を変化させる必要がない。この結果、キャリッジがホームポジションに迅速に戻るので、次の印刷開始が遅延することもない。
【0011】
本発明において、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングは、前記第2インクジェットヘッドを一時的に停止させた状態で行うことが望ましい。キャリッジを停止させた状態でフラッシングを行えば、インクをフラッシング用ヘッドキャップに吐出させることが容易である。
【0012】
本発明において、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングは、前記第2インクジェットヘッドを移動させながら行うようにしてもよい。このようにすれば、キャリッジが遅滞なくホームポジションに戻るので、次の印刷開始が遅延することがない。
【0013】
本発明において、前記ホームポジションに前記第1、第2インクジェットヘッドが停止している間、前記第2インクジェットヘッドを保湿用ヘッドキャップでキャッピングするとともに、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングが前回行われてからの経過時間を計測して、前記経過時間が予め定められた基準時間に達したか否かを監視しており、前記経過時間が前記基準時間に達した場合には、前記第1、第2インクジェットヘッドを前記ホームポジションから前記印刷領域に向かって移動させて前記第2インクジェットヘッドと前記フラッシング用ヘッドキャップとが対峙する位置で停止させ、しかる後に、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うことが望ましい。このようにすれば、キャリッジがホームポジションに停止している状態が長く続いた場合などに、第2インクジェットヘッドのインクが増粘する前に第2インクジェットヘッドのフラッシングが行われる。従って、次の印刷開始時において、第2インクジェットヘッドのノズルがインクの増粘などにより目詰まり状態に陥っていることを回避できる。
【0014】
次に、本発明は、第1、第2インクジェットヘッドと、前記第1、第2インクジェットヘッドを隣接位置に搭載しているキャリッジと、前記キャリッジを印刷領域に沿って往復駆動させるキャリッジ駆動機構と、インク吸収材を備えているフラッシング用ヘッドキャップと、前記キャリッジを往復移動させて前記印刷領域を通過する記録媒体に前記第1、第2インクジェットヘッドによる印刷を行い、印刷終了後は前記キャリッジを前記印刷領域から外れたホームポジションに移動させ、前記印刷領域側に位置している前記第1インクジェットヘッドを前記フラッシング用ヘッドキャップに対峙させる印刷制御手段を備えるインクジェットプリンターにおいて、
印刷開始時に、前記キャリッジを前記ホームポジションから前記印刷領域に移動させる前に、前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙している前記第1インクジェットヘッドのフラッシングを行う第1フラッシング制御手段と、
印刷終了後に、前記キャリッジが前記印刷領域から前記ホームポジションに移動する際に、前記第2インクジェットヘッドが前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙する時点において、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行う第2フラッシング制御手段とを有していることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、第1フラッシング制御手段は、印刷開始前に、ホームポジションにおいてフラッシング用ヘッドキャップと対峙している第1インクジェットヘッドのフラッシングを行う。この結果、印刷開始前にキャリッジをホームポジションから移動させる必要がないので、印刷動作の開始が遅延することがない。また、第2フラッシング制御手段は、印刷終了後に第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うので、第2インクジェットヘッドについてもノズル内に残っているインクの増粘などに起因して吐出不良状態に陥ることを低減あるいは回避できる。さらに、第2フラッシング制御手段は、印刷が終了してキャリッジがホームポジションに戻る間に第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うので、第2インクジェットヘッドのフラッシングを行った後に、キャリッジの移動方向を変化させる必要がない。この結果、キャリッジが迅速にホームポジションに戻るので、次の印刷開始が遅延することがない。
【0016】
本発明において、前記第2フラッシング制御手段は、前記キャリッジを一時的に停止させた状態で、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うことが望ましい。キャリッジを停止させた状態でフラッシングを行えば、インクをフラッシング用ヘッドキャップに吐出させることが容易である。
【0017】
本発明において、前記第2フラッシング制御手段は、前記キャリッジを移動させながら、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うようにすることもできる。このようにすれば、キャリッジが遅滞なくホームポジションに戻るので、次の印刷開始が遅延することがない。
【0018】
本発明において、前記第2インクジェットヘッドをキャッピングすることが可能な保湿用ヘッドキャップと、前記キャリッジが前記ホームポジションに停止している間、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングが前回行われてからの経過時間を計測して、前記経過時間が予め定められた基準時間に達したか否かを監視している経過時間監視手段と、前記経過時間が前記基準時間に達した場合には、前記キャリッジを前記ホームポジションから前記印刷領域側に向かって移動させ、前記第2インクジェットヘッドと前記フラッシング用ヘッドキャップとを対峙させ、しかる後に、前記第2インクジェットヘッドからの前記フラッシングを行う第3フラッシング制御手段とを有しており、前記印刷制御手段は、前記キャリッジが前記ホームポジションに停止している間、前記第2インクジェットヘッドを前記保湿用ヘッドキャップでキャッピングすることが望ましい。このようにすれば、キャリッジがホームポジションに停止している状態が長く続いた場合などに、第2インクジェットヘッドのインクが増粘する前に第3フラッシング制御手段により第2インクジェットヘッドのフラッシングが行われるので、印刷開始時において、第2インクジェットヘッドのノズルがインクの増粘などにより目詰まり状態に陥っていることを回避できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、印刷開始時には、ホームポジションにおいてフラッシング用ヘッドキャップと対峙している第1インクジェットヘッドのフラッシングが行われる。この結果、印刷開始前にキャリッジをホームポジションから移動させる必要がないので、印刷開始が遅延することがない。また、第2インクジェットヘッドのフラッシングは、印刷終了後に行われるので、第2インクジェットヘッドについても、ノズル内に残っているインクの増粘などに起因して吐出不良状態に陥ることを低減あるいは回避できる。さらに、第2インクジェットヘッドのフラッシングは、キャリッジがホームポジションに戻る間に行われるので、第2インクジェットヘッドのフラッシングを行った後に、キャリッジの移動方向を変化させる必要がない。この結果、キャリッジがホームポジションに迅速に戻るので、次の印刷開始が遅延することもない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を適用したインクジェットプリンターの外観斜視図である。
【図2】プリンター機構部の概略斜視図である。
【図3】インクジェットプリンターのインク供給系の概略構成を示す説明図である。
【図4】ヘッドメンテナンスユニットの斜視図である。
【図5】インクジェットプリンターの制御系を示す概略ブロック図である。
【図6】インクジェットヘッドのフラッシング動作を示すフローチャートである。
【図7】図6のフラッシング動作において、インクジェットヘッドと吸引用ヘッドキャップおよび保湿用ヘッドキャップの動作位置を示す説明図である。
【図8】第2インクジェットヘッドのフラッシング動作を示すフローチャートである。
【図9】図8のフラッシング動作において、インクジェットヘッドと吸引用ヘッドキャップおよび保湿用ヘッドキャップの動作位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態であるインクジェットプリンターを説明する。
【0022】
(全体構成)
図1はインクジェットプリンターの外観斜視図である。インクジェットプリンター1は、複数種類のカラーインクを用いてロール紙から繰り出される長尺状の記録紙にカラー印刷を行うものであり、全体として直方体形状をしたプリンターケース2を備え、このプリンターケース2の前面中央部分にはロール紙装着用の開口部3が形成されている。開口部3は上端に記録紙排出ガイド4が取り付けられた開閉蓋5によって封鎖されている。記録紙排出ガイド4とプリンターケース2の開口部3の上縁部分との間に記録紙排出口6が形成されている。不図示のロックを解除して記録紙排出ガイド4に指を掛けて手前に引くと、開閉蓋5を、図示の閉じ位置から、下端を中心として前方に倒れた開き位置まで開けることができる。
【0023】
プリンターケース2の前面における開閉蓋5の右側部分には電源スイッチ7a、紙送りスイッチ7b、複数個の動作状態表示ランプ7cなどが配列されている。プリンターケース2の前面における開閉蓋5の左側部分には、プリンター前後方向に延びる縦長の長方形断面のインクカートリッジ装着部8の装着口8aが開口しており、このインクカートリッジ装着部8にインクカートリッジ9が装着されている。不図示のボタンを操作すると、ロックが解除されてインクカートリッジ9がばね力によって前方に押し出され、インクカートリッジ9を引き抜くことが可能となっている。
【0024】
図2はインクジェットプリンターにおけるプリンターケースで覆われているプリンター機構部を示す概略斜視図である。図3はインクジェットプリンターのインク供給系の概略構成を示す説明図である。
【0025】
図2に示すように、プリンター機構部10の内部中央にはロール紙収納部が形成されており、開閉蓋5を開けると、このロール紙収納部が前方に開口し、ロール紙の交換などを行うことができる。ロール紙収納部の上側には、印刷領域Cを規定しているプラテン12がプリンター幅方向に架け渡されている。
【0026】
プラテン12の上側には、ノズル面を下向きにしたインクジェットヘッド13を搭載したキャリッジ14が配置されている。キャリッジ14の後側には、キャリッジガイド軸14aがプリンター幅方向にプラテン12と平行に架け渡されており、キャリッジガイド軸14aの後側には、キャリッジモーター14bが配置されている。キャリッジモーター14bは、キャリッジ14をキャリッジガイド軸に沿ったキャリッジ走査方向に往復移動するキャリッジ駆動機構15の駆動源となっている。キャリッジ14は、キャリッジ駆動機構15により印刷領域から右側に外れたホームポジションA(図2において実線で示す位置、および図3の位置)から、プラテン12から左側に外れた左端位置B(図2において想像線で示す位置)までの間を往復移動させられる。
【0027】
図3に示すように、インクジェットヘッド13は、一対の第1インクジェットヘッド13Aと第2インクジェットヘッド13Bを備えており、これらはキャリッジ走査方向に隣接配置された状態でキャリッジ14に搭載されている。キャリッジ14がホームポジションAにあるときに、第1インクジェットヘッド13Aはプラテン12により規定されている印刷領域C側に位置しており、第2インクジェットヘッド13Bは印刷領域Cから離れたプリンター幅方向の右端側に位置している。
【0028】
ここで、キャリッジ14がホームポジションAにあるときに第1インクジェットヘッド13Aのノズル面13aと狭い間隔を開けて対峙している領域はフラッシング領域Dとされている。フラッシング領域Dには、後述するヘッドメンテナンスユニット20の吸引用ヘッドキャップ(フラッシング用ヘッドキャップ)22が位置しており、フラッシング領域Dに対して、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングが行われる。
【0029】
キャリッジ14には、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクのそれぞれを貯留するサブタンク16a〜16dを備えるダイヤフラムポンプユニット17が搭載されている。ダイヤフラムポンプユニット17は、図3に示すように、各サブタンク16a〜16dの上部に揺動可能に取り付けられた吸引用レバー17a〜17dを備えている。各吸引用レバー17a〜17dは、その一端がダイヤフラムポンプユニット17のホームポジションA側に設けられており、もう一端がバネを介して各サブタンク16a〜16dのダイヤフラムに連結されている。キャリッジ14がホームポジションAに戻ると、各吸引用レバー17a〜17dは、プリンターケース2の内壁面によって一端が押圧されて揺動し、これに伴って各吸引用レバー17a〜17dのもう一端に連結されたダイヤフラムが作動して各サブタンク16a〜16dに負圧が形成される。この負圧により、可撓性インクチューブ18a〜18d側から各サブタンク内にインクが吸引される構成となっている。各サブタンク16a〜16d内に貯留されたインクは、その後、第1、第2インクジェットヘッド13A、13Bのインクジェットヘッド内流路に供給される。
【0030】
各サブタンク16a〜16dには可撓性インクチューブ18a〜18dの一端がそれぞれに接続されている。可撓性インクチューブ18a〜18dの他端はインクカートリッジ装着部8の後端側の部位に配置されている上下方向に延びる4本のインク供給路(図示せず)のそれぞれに接続されている。インク供給路のそれぞれはインクカートリッジ装着部8に装着されているインクカートリッジ9の側に連通している。
【0031】
インクジェットプリンター1は、印刷データを受信すると、不図示の記録紙搬送機構によりロール紙から繰り出した記録紙をプラテン12の表面に沿って搬送し、この搬送動作と連動してキャリッジ14を走査しながら記録紙に向けてインクジェットヘッド13からインクを吐出することにより、記録紙への印刷を行う。
【0032】
(ヘッドメンテナンスユニット)
ホームホジションAの下側の部位には、ヘッドメンテナンスユニット20が配置されている。図4はヘッドメンテナンスユニットを取り出して示す斜視図である。ヘッドメンテナンスユニット20は、全体としてプリンター前後方向に細長い直方体形状をしたユニットケース21を備えている。このユニットケース21の前側部分の上端には吸引用ヘッドキャップ(フラッシング用ヘッドキャップ)22および保湿用ヘッドキャップ23を備えたヘッドキャップユニット24が配置されている。
【0033】
吸引用ヘッドキャップ22および保湿用ヘッドキャップ23は、プリンター幅方向、すなわちキャリッジ14の走査方向に隣接配置されており、それぞれ上方に開口している。キャリッジ14がホームポジションAにあるときに、吸引用ヘッドキャップ22は第1インクジェットヘッド13Aの下方に位置し、保湿用ヘッドキャップ23は第2インクジェットヘッド13Bの下方に位置している。ヘッドキャップユニット24の下側には、これらを一体に昇降させる不図示のヘッドキャップ昇降機構が組み込まれている。ユニットケース21の後側の部分には、不図示のチューブポンプおよびチューブポンプ駆動用のモーターが組み込まれている。
【0034】
吸引用ヘッドキャップ22は、フラッシング領域Dが吸引用ヘッドキャップ22の内側に位置するように構成されており、この内側にインク吸収材25を備えている。従って、吸引用ヘッドキャップ22はフラッシング領域Dにフラッシングされるインクを吸収可能となっている。
【0035】
また、吸引用ヘッドキャップ22には、チューブポンプおよび廃インクチューブ26が接続されている。従って、キャリッジ14を走査することにより吸引用ヘッドキャップ22と対峙した位置に第1インクジェットヘッド13Aまたは第2インクジェットヘッド13Bを移動させた後に、吸引用ヘッドキャップ22をヘッドキャップ昇降機構により上昇させて第1インクジェットヘッド13Aまたは第2インクジェットヘッド13Bをキャッピングし、この状態でチューブポンプを駆動すれば、キャッピングした第1インクジェットヘッド13Aまたは第2インクジェットヘッド13Bからインクを吸引するクリーニングを行うことができる。
【0036】
保湿用ヘッドキャップ23は、内部にインク吸収材25を備えておらず、チューブポンプおよび廃インクチューブ26も接続されていない。吸引用ヘッドキャップ22は、キャリッジ14がホームポジションAにあるときにヘッドキャップ昇降機構により上昇させられることにより、第2インクジェットヘッド13Bのノズル面13bを密封して、保湿する。
【0037】
(制御系)
図5はインクジェットプリンターの制御系を示す概略ブロック図である。インクジェットプリンター1の制御系は、CPUおよびROM、RAMなどを備えた制御部30を中心に構成されている。制御部30はホスト装置31などと接続されており、ホスト装置31から受信する印刷データやコマンドに基づいてインクジェットプリンター1の各部を制御する。
【0038】
制御部(印刷制御手段)30は、受信した印刷データに基づいて、ロール紙から繰り出した記録紙をプラテン12の表面に沿って搬送し、この搬送動作と連動してキャリッジ駆動機構15を駆動してキャリッジ14を走査しながら記録紙に向けてインクジェットヘッド13A、13Bからインクを吐出することにより、記録紙への印刷を行う。また、制御部30は、印刷終了後は、キャリッジ14をホームポジションAに移動させ、第1インクジェットヘッド13Aを吸引用ヘッドキャップ22と対峙させた状態で待機させる。さらに、制御部30は、キャリッジ14をホームポジションAで待機させているときに、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bを保湿するために、吸引用ヘッドキャップ22および保湿用ヘッドキャップ23で、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bをそれぞれキャッピングする。
【0039】
また、制御部30は、印刷データを受信すると、この印刷データの印刷開始前に、吸引用ヘッドキャップ22と対峙している第1インクジェットヘッド13Aのフラッシングを行なう第1フラッシング制御手段32と、この印刷データの印刷が終了してキャリッジ14が印刷領域CからホームポジションAに戻る際に、第2インクジェットヘッド13Bが吸引用ヘッドキャップ22と対峙する時点において、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行なう第2フラッシング制御手段33を有している。
【0040】
さらに、制御部30は、キャリッジ14がホームポジションAに停止している間、第2インクジェットヘッド13Bによるフラッシングが前回行われてからの経過時間を計測して、この経過時間が予め定められた基準時間を超えたか否かを監視している経過時間監視手段34と、この経過時間が予め定められた基準時間を超えた場合には、キャリッジ14をホームポジションAから印刷領域C側に向かって移動させ、第2インクジェットヘッド13Bと吸引用ヘッドキャップ22とを対峙させた位置でキャリッジ14を停止させ、しかる後に、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行う第3フラッシング制御手段35を有している。
【0041】
(フラッシング動作)
図6は、印刷データを受信することにより行われる第1インクジェットヘッドおよび第2インクジェットヘッドのフラッシング動作を示すフローチャートである。図7は、図6のフラッシング動作において、プリンター前面側から見たインクジェットヘッドと吸引用ヘッドキャップおよび保湿用ヘッドキャップの動作位置を示す説明図である。
【0042】
図6に示すように、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bのフラッシング動作は、印刷データを受信することにより行われる。
【0043】
まず、印刷データを待っているデータ待ち状態では、図7(a)に示すように、キャリッジ14はホームポジションAにある。また、キャリッジ14がホームポジションAにあるときには、吸引用ヘッドキャップ22および保湿用ヘッドキャップ23はヘッドキャップ昇降機構によりキャッピング位置Eまで上昇させられており、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bをそれぞれキャッピングしている。
【0044】
印刷データを受信すると(ステップST1)、図7(b)に示すように、第1フラッシング制御手段32はヘッドキャップ昇降機構により吸引用ヘッドキャップ22を下降させ、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bと干渉しない退避位置Fに退避させ、第1インクジェットヘッド13Aのノズル面13aと吸引用ヘッドキャップ22との間に僅かな隙間を形成する。そして、キャリッジ14をホームポジションAに停止させた状態のままで、第1インクジェットヘッド13Aのフラッシングを行う(ステップST2)。
【0045】
次に、印刷データの印刷を行う(ステップST3)。すなわち、図7(c)に示すように、制御部30は、受信した印刷データに基づいて、記録紙をプラテン12の表面に沿って搬送し、この搬送動作と連動してキャリッジ14を印刷領域Cで走査しながら記録紙に向けてインクジェットヘッド13A、13Bからインクを吐出することにより、記録紙への印刷を行う。
【0046】
印刷データの印刷が終了すると、図7(d)に示すように、第2フラッシング制御手段33は、キャリッジ14が印刷領域CからホームポジションAに移動する途中で、第2インクジェットヘッド13Bと吸引用ヘッドキャップ22とが対峙するようにして、キャリッジ14を一時的に停止させる。しかる後に、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行う(ステップST4)。フラッシングが終了すると第2フラッシング制御手段33はキャリッジ14の一時停止を解除するので、キャリッジ14はホームポジションAに戻る。そして、図7(a)に示すように、再びデータ待ち状態となる(ステップST5)。
【0047】
このようなフラッシング動作によれば、印刷データの印刷開始前には、ホームポジションAにおいて吸引用ヘッドキャップ22と対峙している第1インクジェットヘッド13Aのフラッシングが行われる。この結果、印刷データの印刷開始前にキャリッジ14をホームポジションAから移動させる必要がないので、印刷データの印刷開始が遅延してしまうことがない。
【0048】
また、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングは、印刷データの印刷終了後に行われるので、第2インクジェットヘッド13Bについても、ノズル内のインクの増粘などに起因して吐出不良状態に陥ることを回避できる。さらに、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングは、キャリッジ14がホームポジションAに戻る間に行われるので、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行った後に、キャリッジ14の移動方向を変化させる必要がない。この結果、キャリッジ14が迅速にホームポジションAに戻るので、次の印刷データの印刷開始が遅延することもない。
【0049】
次に、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングは、上記のフラッシング動作に加えて、前回のフラッシング動作からの経過時間に基づいて行われる場合がある。図8は、前回のフラッシング動作からの経過時間に基づいて行われる第2インクジェットヘッドのフラッシング動作を示すフローチャートである。図9は、図8のフラッシング動作において、プリンター前面側から見たインクジェットヘッドと吸引用ヘッドキャップおよび保湿用ヘッドキャップの動作位置を示す説明図である。
【0050】
初期状態は、例えば、印刷データの印刷終了後に、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングが行われ、キャリッジ14がホームポジションAに戻った状態である。キャリッジ14がホームポジションAにあるときは、図9(a)に示すように、吸引用ヘッドキャップ22および保湿用ヘッドキャップ23はキャッピング位置Eで、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bを保湿している。
【0051】
ここで、経過時間監視手段34は、キャリッジ14がホームポジションAに停止している間、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングが前回行われてからの経過時間を計測するとともに、この経過時間が予め定められた基準時間を超えたか否かを監視している(ステップST11、ステップST12)。フラッシングが前回行われてからの経過時間は、保湿用ヘッドキャップ23によって第2インクジェットヘッド13Bが密封されている状態の継続時間とすることもできる。
【0052】
経過時間が基準時間を超えると、図9(b)に示すように、第3フラッシング制御手段35は、ヘッドキャップ昇降機構により吸引用ヘッドキャップ22を下降させ、第1インクジェットヘッド13Aおよび第2インクジェットヘッド13Bと干渉しない退避位置Fに退避させる。
【0053】
次に、第3フラッシング制御手段35は、キャリッジ14をホームポジションAから印刷領域C側に向かって移動させる。そして、図9(c)に示すように、第2インクジェットヘッド13Bと吸引用ヘッドキャップ22とが対峙する位置でキャリッジ14を停止させ、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行う(ステップST13)。フラッシングが終了すると、図9(d)に示すように、キャリッジ14をホームポジションAに戻し、経過時間をリセットする(ステップST14)。その後、図9(a)に示すデータ待ち状態に移行する。
【0054】
このようなフラッシング動作によれば、キャリッジがホームポジションAに停止している状態が長く続いた場合などに、第2インクジェットヘッド13Bのインクが増粘する前に第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングが行われるので、印刷データを受信したときに、第2インクジェットヘッド13Bのノズルがインクの増粘などにより目詰まり状態に陥っていることを回避できる。
【0055】
ここで、キャリッジ14がホームポジションAに待機している間のインクジェットヘッドにおけるインクの増粘には、前回のフラッシングからの経過時間と、インクジェットヘッドを密封しているヘッドキャップが搭載するインク吸収材の保湿材濃度が関係するが、ホームポジションAにおいて第2インクジェットヘッド13Bをキャッピングする保湿用ヘッドキャップ23にはインク吸収材25が搭載されてない。このため、第2インクジェットヘッド13Bにおいてインクの増粘に影響するパラメーターは前回フラッシングからの経過時間のみであり、この経過時間を管理することによってインクの増粘を制御可能な状態となっている。従って、経過時間に基づいて第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行えば、インクの増粘に起因する吐出不良を確実に防止できる。よって、印刷データを印刷する前に、第2インクノズルのフラッシングを行わなくても、第2インクジェットヘッド13Bのインクノズルが吐出不良状態に陥っていることがなく、印刷品位が低下することがない。
【0056】
(その他の実施形態)
第2フラッシング制御手段33は、第2インクジェットヘッド13Bが吸引用ヘッドキャップ22上を通過している間に第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行うようにしてもよい。すなわち、印刷データの印刷が終了したときに、第2インクジェットヘッド13Bが吸引用ヘッドキャップ22と対峙する位置を通過する間に、第2インクジェットヘッド13Bのフラッシングを行う。このようにすれば、キャリッジ14が遅滞なくホームポジションAに戻るので、次の印刷データの印刷開始が遅延することがない。
【符号の説明】
【0057】
1・インクジェットプリンター、2・プリンターケース、3・開口部、4・記録紙排出ガイド、5・開閉蓋、6・記録紙排出口、7a・電源スイッチ、7b・スイッチ、7c・動作状態表示ランプ、8・インクカートリッジ装着部、8a・装着口、9・インクカートリッジ、10・プリンター機構部、12・プラテン、13・インクジェットヘッド、13A・第1インクジェットヘッド、13B・第2インクジェットヘッド、14・キャリッジ、14a・キャリッジガイド軸、15・キャリッジ駆動機構、16a〜16d・サブタンク、17・ダイヤフラムポンプユニット、17a〜17d・吸引用レバー、18a〜18d・可撓性インクチューブ、20・ヘッドメンテナンスユニット、21・ユニットケース、22・吸引用ヘッドキャップ、23・保湿用ヘッドキャップ、24・ヘッドキャップユニット、25・インク吸収材、26・廃インクチューブ、30・制御部、31・ホスト装置、32・第1フラッシング制御手段、33・第2フラッシング制御手段、34・経過時間監視手段、35・第3フラッシング制御手段、A・ホームポジション、B・左端位置、C・印刷領域、D・フラッシング領域、E・キャッピング位置、F・退避位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接配置されている第1、第2インクジェットヘッドを印刷領域に沿って往復移動させて当該印刷領域を通過する記録媒体に印刷を行い、印刷終了後は前記印刷領域から外れたホームポジションに前記第1、第2インクジェットヘッドを移動させ、前記印刷領域の側に位置する前記第1インクジェットヘッドをインク吸収材を備えているフラッシング用ヘッドキャップと対峙させるインクジェットプリンターのフラッシング制御方法であって、
印刷開始時には、前記第1、第2インクジェットヘッドが前記ホームポジションから前記印刷領域の側に移動する前に、前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙している前記第1インクジェットヘッドのフラッシングを行い、
印刷終了後に前記第1、第2インクジェットヘッドが前記印刷領域から前記ホームポジションに移動する際に、前記第2インクジェットヘッドが前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙する時点において、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うことを特徴とするインクジェットプリンターのフラッシング制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載のインクジェットプリンターのフラッシング制御方法において、
前記第2インクジェットヘッドのフラッシングは、前記第2インクジェットヘッドを一時的に停止させた状態で行うことを特徴とするインクジェットプリンターのフラッシング制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載のインクジェットプリンターのフラッシング制御方法において、
前記第2インクジェットヘッドのフラッシングは、前記第2インクジェットヘッドを移動させながら行うことを特徴とするインクジェットプリンターのフラッシング制御方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載のインクジェットプリンターのフラッシング制御方法において、
前記ホームポジションに前記第1、第2インクジェットヘッドが停止している間、前記第2インクジェットヘッドを保湿用ヘッドキャップでキャッピングするとともに、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングが前回行われてからの経過時間を計測して、前記経過時間が予め定められた基準時間に達したか否かを監視しており、
前記経過時間が前記基準時間に達した場合には、前記第1、第2インクジェットヘッドを前記ホームポジションから前記印刷領域に向かって移動させて前記第2インクジェットヘッドと前記フラッシング用ヘッドキャップとが対峙する位置で停止させ、しかる後に、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うことを特徴とするインクジェットプリンターのフラッシング制御方法。
【請求項5】
第1、第2インクジェットヘッドと、前記第1、第2インクジェットヘッドを隣接位置に搭載しているキャリッジと、前記キャリッジを印刷領域に沿って往復駆動させるキャリッジ駆動機構と、インク吸収材を備えているフラッシング用ヘッドキャップと、前記キャリッジを往復移動させて前記印刷領域を通過する記録媒体に前記第1、第2インクジェットヘッドによる印刷を行い、印刷終了後は前記キャリッジを前記印刷領域から外れたホームポジションに移動させ、前記印刷領域側に位置している前記第1インクジェットヘッドを前記フラッシング用ヘッドキャップに対峙させる印刷制御手段を備えるインクジェットプリンターにおいて、
印刷開始時に、前記キャリッジを前記ホームポジションから前記印刷領域に移動させる前に、前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙している前記第1インクジェットヘッドのフラッシングを行う第1フラッシング制御手段と、
印刷終了後に、前記キャリッジが前記印刷領域から前記ホームポジションに移動する際に、前記第2インクジェットヘッドが前記フラッシング用ヘッドキャップと対峙する時点において、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行う第2フラッシング制御手段とを有していることを特徴とするインクジェットプリンター。
【請求項6】
請求項5に記載のインクジェットプリンターにおいて、
前記第2フラッシング制御手段は、前記キャリッジを一時的に停止させた状態で、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うことを特徴とするインクジェットプリンター。
【請求項7】
請求項5に記載のインクジェットプリンターにおいて、
前記第2フラッシング制御手段は、前記キャリッジを移動させながら、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングを行うことを特徴とするインクジェットプリンター。
【請求項8】
請求項5ないし7のうちのいずれかの項に記載のインクジェットプリンターにおいて、
前記第2インクジェットヘッドをキャッピングすることが可能な保湿用ヘッドキャップと、
前記キャリッジが前記ホームポジションに停止している間、前記第2インクジェットヘッドのフラッシングが前回行われてからの経過時間を計測して、前記経過時間が予め定められた基準時間に達したか否かを監視している経過時間監視手段と、
前記経過時間が前記基準時間に達した場合には、前記キャリッジを前記ホームポジションから前記印刷領域側に向かって移動させ、前記第2インクジェットヘッドと前記フラッシング用ヘッドキャップとを対峙させ、しかる後に、前記第2インクジェットヘッドからの前記フラッシングを行う第3フラッシング制御手段とを有しており、
前記印刷制御手段は、前記キャリッジが前記ホームポジションに停止している間、前記第2インクジェットヘッドを前記保湿用ヘッドキャップでキャッピングすることを特徴とするインクジェットプリンター。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−93177(P2011−93177A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248531(P2009−248531)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】