インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置
【課題】本発明はインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置に関する。
【解決手段】本発明によるインクジェットヘッドは、内部に形成されるインクチャンバ及び上記インクチャンバと隣接した表面に形成される電極部を含むヘッドの胴体と、上記電極部と電気的に連結されるように上記ヘッドの胴体に装着される圧電アクチュエータと、ボンディングツールにより加圧され相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤により電気的に連結される基板部と、を含むことができる。
【解決手段】本発明によるインクジェットヘッドは、内部に形成されるインクチャンバ及び上記インクチャンバと隣接した表面に形成される電極部を含むヘッドの胴体と、上記電極部と電気的に連結されるように上記ヘッドの胴体に装着される圧電アクチュエータと、ボンディングツールにより加圧され相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤により電気的に連結される基板部と、を含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置に関するもので、より詳細には、電気接続が容易なインクジェットヘッド、上記インクジェットヘッドを製造する製造方法及び、ヘッドの胴体にアクチュエータを電気的に接続させるためのインクジェットヘッド用電気接続装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的にインクジェットヘッドは、電気信号を物理的な力に変換し、小さいノズルを通じてインクが液滴の形態で吐出されるようにする構造体である。
【０００３】
最近、圧電方式のインクジェットヘッドは、産業用インクジェットプリンターにおいても使用されている。例えば、印刷回路基板（ＰＣＢ）上に金、銀等の金属を溶かして作ったインクを噴射して回路パターンを直接形成したり、産業グラフィックや液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）の製造、太陽電池等に使用される。
【０００４】
このようなインクジェットプリンターのインクジェットヘッド内には、カートリッジでインクを流入及び流出する流入口と流出口、流入されるインクを保存するリザーバ、そして上記リザーバ内のインクをノズルに移動させるためにアクチュエータの駆動力を伝達するチャンバ等が形成される。
【０００５】
しかし、従来のインクジェットヘッドは、アクチュエータの上部電極と基板の電極の間にワイヤーボンディングを通じてアクチュエータが接続されるが、１つのインクジェットヘッドにノズルの数が増えるに従ってアクチュエータを 接続するためのワイヤーボンディングの作業時間が多くかかる。
【０００６】
また、従来のインクジェットヘッドは、このようなワイヤーボンディングを通じてインクジェットヘッドにアクチュエータを電気的に連結させる方法以外 に、別途のソルダリング作業を通じて電気的に連結させる方法を使用することもできるが、それによる作業時間も多くかかるという問題点があるため、このような問題点を解決する技術が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、上述された従来技術の問題を解決するためのもので、その目的は１回の工程で簡単にアクチュエータをヘッドの胴体に電気的に連結することができるインクジェットヘッド、このようなインクジェットヘッドを製造するインクジェットヘッドの製造方法及び、このようなヘッドの胴体に圧電アクチュエータを電気的に連結させるインクジェットヘッド用接続装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明によるインクジェットヘッドは、内部に形成されるインクチャンバ及び上記インクチャンバと隣接した表面に形成される電極部を含むヘッドの胴体と、上記電極部と電気的に連結されるように上記ヘッドの胴体の表面に形成される圧電アクチュエータと、ボンディングツールにより加圧され相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤で接着されて電気的に連結される基板部と、を含むことができる。
【０００９】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記伝導性接着剤は、上記圧電アクチュエータ及び上記基板部の間に配置され、上記ボンディングツールにより上記基板部を加圧する際、上記圧電アクチュエータの表面及び側面に沿って密着するように端部が折り曲げられた形状で形成されることを特徴とすることができる。
【００１０】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記電極部と接触する上記圧電アクチュエータの一面の反対面に電気的に連結されるアクチュエータ接続部及び、上記電極部と電気的に連結される電極接続部を含むことができる。
【００１１】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記アクチュエータ接続部及び上記電極接続部の間が離隔されるように形成されることを特徴とすることができる。
【００１２】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を全体的に覆うように形成されることを特徴とすることができる。
【００１３】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を部分的に覆うように形成されることを特徴とすることができる。
【００１４】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法は、ステージに電極部が形成されたヘッドの胴体を配置させる段階と、上記ヘッドの胴体に圧電アクチュエータを電気的に連結させるように配置し、上記圧電アクチュエータの上部に基板部を位置させる段階と、上記基板部が上記圧電アクチュエータと上記電極部に電気的に連結されるようにボンディングツールを移動させて上記基板部を加圧する段階と、を含むことができる。
【００１５】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法の上記伝導性接着剤を位置させる段階は、基板部が上記電極部及び上記圧電アクチュエータと夫々電気的に連結させるために上記伝導性接着剤の上部に上記基板部を配置させる段階を含むことを特徴とすることができる。
【００１６】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法は、上記基板と上記ボンディングツールの間にダンパを配置させる段階を含むことを特徴とすることができる。
【００１７】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法の上記伝導性接着剤はフィルム型接着剤を使用することを特徴とすることができる。
【００１８】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置は、圧電アクチュエータが電気的に連結された電極部を含むヘッドの胴体が配置されるステージと、上記圧電アクチュエータの屈曲した面に伝導性接着剤が密着するように上部から加圧する上記ボンディングツールと、を含むことができる。
【００１９】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ボンディングツールは、上記伝導性接着剤の間に配置されるダンパをさらに含むことを特徴とすることができる。
【００２０】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ダンパは、上記ボンディングツールと一体に形成されることを特徴とすることができる。
【００２１】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ダンパは、上記ボンディングツールと分離されるように形成されることを特徴とすることができる。
【００２２】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ボンディングツールは、上記圧電アクチュエータの側面に沿って移動する折り曲げ部を含むことを特徴とすることができる。
【００２３】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ステージは、内部に収容された上記ヘッドの胴体が固定されるようにするストッパーを含むことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【００２４】
本発明によるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置は、ボンディングツールにより基板部を加圧し、高さが異なる電極部及び圧電アクチュエータを同時に電気的に連結するため非常に簡単にインクジェットヘッドを製造し、作業工程を簡単にすることができ、電気的な接合不良も減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明の第１実施例によるインクジェットヘッドを説明するための概略的な斜視図である。
【図２】図１のインクジェットヘッドを説明するための断面図である。
【図３】図１のインクジェットヘッドを説明するための上面図である。
【図４】図３のインクジェットヘッドの側断面図である。
【図５】図３のインクジェットヘッドの側断面図である。
【図６】本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置を説明するための分解断面図である。
【図７】図６のインクジェットヘッド用電気接続装置の動作を説明するための部分断面図である。
【図８】図６のインクジェットヘッド用電気接続装置により完成されるインクジェットヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【図９】本発明の他の実施例によるインクジェットヘッドを説明するための上面図である。
【図１０】図９のインクジェットヘッドを説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２６】
本発明によるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置に関して、図１から図８を参照しさらに具体的に説明する。以下では図面を参照し本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【００２７】
但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内において他の構成要素を追加、変更、削除等を通じ、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができるが、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
【００２８】
図１は、本発明の第１実施例によるインクジェットヘッドを説明するための概略的な斜視図であり、図２は、図１のインクジェットヘッドを説明するための断面図であり、図３は、図１のインクジェットヘッドを説明するための上面図であり、図４及び図５は、図３のインクジェットヘッドの側断面図である。
【００２９】
図１から図５を参照すると、インクジェットヘッド１００は、ヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０、基板部１３０及び伝導性接着剤１４０を含むことができる。
【００３０】
図２で図示されたように、ヘッドの胴体１１０は、圧電アクチュエータ１２０の駆動により内部のインクを外部に吐出させる。この時ヘッドの胴体１１０は流路プレート１１２、中間プレート１１４及びノズルプレート１１６を含むことができる。
【００３１】
流路プレート１１２には複数のインクチャンバ１０が形成され、インクが流入されるためのインク導入口２０が備えられる。この時、インク導入口２０はマニホールド３０と直接連結されるように提供され、マニホールド３０はレストリクタ４０を通じてインクチャンバ１０にインクを供給する役割をする。
【００３２】
インクチャンバ１０は、圧電アクチュエータ１２０が装着される位置の下部に設けられる。この時、流路プレート１１２においてインクチャンバ１０の天井を成す部分は振動板の役割をする。
【００３３】
従って、インクを吐出するために圧電アクチュエータ１２０に駆動信号を印加すると、圧電アクチュエータ１２０と共にその下の振動板が変形しながらインクチャンバ１０の体積が減少するようになる。
【００３４】
これによるインクチャンバ１０内の圧力の増加により、インクチャンバ１０内のインクIはダンパ５０とノズル６０を通じて外部に吐出され、ペーパーＰ等に印刷されることができる。
【００３５】
そして、中間プレート１１４には、長さ方向に長く形成されるマニホールド３０及びノズル６０とインクチャンバ１０を連結するダンパ５０を含むことができる。
【００３６】
マニホールド３０はインク導入口２０からインクの供給を受け、インクチャンバ１０にインクを供給するが、マニホールド３０及びインクチャンバ１０はレストリクタ４０により連結される。
【００３７】
この時、マニホールド３０は１つの大きい空間に形成され複数のインクチャンバ１０に連結されることもできるが、これに限定されず、各インクチャンバ１０に対応されるように複数形成されることができる。
【００３８】
そして、ダンパ５０は、インクチャンバ１０から圧電アクチュエータ１２０により吐出されるインクの伝達を受け、ノズル６０を通じて外部に吐出させる。
【００３９】
この時、上記ダンパ５０は選択事項としてこれを削除することもでき、このような場合は、流路プレート１１２とノズルプレート１１６のみでもインクジェットヘッドを構成することができる。
【００４０】
ノズルプレート１１６は、各インクチャンバ１０と対応されるように形成され、ダンパ５０を通過するインクがノズル６０を通じて外部に吐出される。そして、ノズルプレート１１６は中間プレート１１４の下部に接着される。
【００４１】
ノズル６０は、上記インクジェットヘッド内に形成された流路を通じて移動するインクを液滴で噴射させる。
【００４２】
この時、流路プレート１１２、中間プレート１１４及びノズルプレート１１６は、半導体直接回路に広く使用されるシリコン基板が使用されることができる。
【００４３】
また、圧電アクチュエータ１２０は、上面及び下面に電気的に連結される電極が形成されることができ、圧電物質であるＰＺＴ（Ｐｌｕｍｂｕｍ Ｚｉｒｃｏｎａｔｅ Ｔｉｔａｎａｔｅ）セラミック材料から成ることができる。
【００４４】
この時、圧電アクチュエータ１２０は、バルク（ｂｕｌｋ）形態で形成されることができ、図１で図示されたように、バルク形態の圧電アクチュエータ１２０には切断線が形成されることができる。
【００４５】
そして、圧電アクチュエータ１２０の上面には、基板部１３０と電気的に連結されるための上部電極１２２が形成され、圧電アクチュエータ１２０の底面にはヘッドの胴体１１０の表面に形成されグラウンド（ｇｒｏｕｎｄ）の役割をする電極部１１８と電気的に連結するための下部電極１２４が形成されることができる。
【００４６】
この時、下部電極１２４は、圧電アクチュエータ１２０に電極物質が蒸着される方法を通じて形成されることもできる。しかし、下部電極１２４が形成される方法はこれに限定されない。
【００４７】
また、図２及び図３で図示されたように、基板部１３０は圧電アクチュエータ１２０にパワーを供給するために上部電極１２２と連結されるアクチュエータ接続部１３２及び、ヘッドの胴体１１０の表面に形成された電極部１１８と電気的に連結される電極接続部１３４を含むことができる。
【００４８】
そして、基板部１３０は、圧電アクチュエータ１２０の側端部に偏って形成されることができる。しかし、基板部１３０の形状はこれに限定されない。
【００４９】
この時、アクチュエータ接続部１３２及び電極接続部１３４は、相互離隔されるように形成されることができる。従って、上部電極１２２と電極部１１８の高さが相互異なるが、上記離隔された構造により基板部１３０の接続を容易にすることができる。
【００５０】
そして、図４で図示されたように、アクチュエータ接続部１３２の底面には伝導性接着剤１４０により圧電アクチュエータ１２０と電気的に連結するためのパッド部１３６が形成される。
【００５１】
また、伝導性接着剤１４０は圧電アクチュエータ１２０及び基板部１３０の間に配置され、ボンディングツールにより基板部１３０を加圧する際、圧電アクチュエータ１２０の表面に沿って密着するように端部が折り曲げられた形状で形成されることができる。
【００５２】
この時、伝導性接着剤１４０は、フィルム形態の接着剤であることができ、異方性導電接着フィルム（ＡＣＦ：Ａｎｉｓｏｔｒｏｆｉｃ Ｃｏｎｄｕｃｔｉｖｅ Ｆｉｌｍ）であることができる。
【００５３】
図５で図示されたように、伝導性接着剤１４０の端部は圧電アクチュエータ１２０の表面及び各側面と密着するように折り曲げて形成されることができる。従って、伝導性接着剤１４０が圧電アクチュエータ１２０を完全に封止する役割をするため、外部の衝撃から保護することができ、また圧電アクチュエータ１２０の振動力がヘッドの胴体１１０に伝達される効果を極大化することができるためインクジェットの信頼性が向上する効果がある。
【００５４】
この時、本実施例は伝導性接着剤１４０及び基板部１３０をボンディングツールを利用し１度に加圧して伝導性接着剤１４０により圧電アクチュエータ１２０及び電極部１１８に電気的に連結させるためいくつもの工程を経る必要が無く、非常に簡単にインクジェットヘッドを製造することができ、これによって作業工程を簡単にすることができる。
【００５５】
また、各圧電アクチュエータ１２０とワイヤーボンディングのように、夫々の電気接続作業をする際にしばしば発生する電気的接合不良も減少させることができる。
【００５６】
図６は、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置を説明するための分解断面図であり、図７は図６のインクジェットヘッド用電気接続装置の動作を説明するための部分断面図であり、図８は図６のインクジェットヘッド用電気接続装置により完成されるインクジェットヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【００５７】
図６から図８を参照すると、インクジェットヘッド用電気接続装置はステージ２１０及びボンディングツール２２０を含むことができる。
【００５８】
ステージ２１０は、電極部１１８が形成されたヘッドの胴体１１０を配置させるための収容空間が提供され、ヘッドの胴体１１０の両端部に形成されるストッパー２１２を含むことができる。この時、ストッパー２１２はヘッドの胴体１１０が流動されないようにそのヘッドの胴体１１０の長さだけ相互離隔されて形成される。
【００５９】
従って、ステージ２１０は、ボンディングツール２２０により加圧されるヘッドの胴体１１０を下部で支持するためヘッドの胴体１１０に伝導性接着剤１４０が容易に付着するようにする。
【００６０】
ボンディングツール２２０は、ステージ２１０の上部に順に形成されたヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０、伝導性接着剤１４０及び基板部１３０の上部に位置し、上下に移動可能である。
【００６１】
そして、ボンディングツール２２０の両端部は下部に向かって垂直に折り曲げられた折り曲げ部２２２を含む。従って、折り曲げ部２２２は圧電アクチュエータ１２０の側面に沿って移動するため伝導性接着剤１４０を加圧し伝導性接着剤１４０が圧電アクチュエータ１２０を完全に覆うようにする。
【００６２】
そして、折り曲げ部２２２の間の空間は圧電アクチュエータ１２０の長さと同一にされることができる。従って、ボンディングツール２２０の内面は圧電アクチュエータ１２０の上面に接触し、折り曲げ部２２２の表面は電極部１１８の表面に接触する。
【００６３】
また、ボンディングツール２２０と基板部１３０の間には弾性シート２３０が配置されることができ、弾性シート２３０によりボンディングツール２２０が加圧される時に基板部１３０及び他の構成が損傷されるのを防止する。
【００６４】
本実施例によるインクジェットヘッドの製造方法は以下のようである。
【００６５】
インクジェットヘッドの製造方法は、ステージ２１０上にヘッドの胴体１１０を配置させ、圧電アクチュエータ１２０の上部に伝導性接着剤１４０を位置させる段階を含むことができる。
【００６６】
この時、ステージ２１０はヘッドの胴体１１０が移動しないようにヘッドの胴体１１０の両端に形成されたストッパー２１２を含むため、ストッパー２１２により形成された収容空間にヘッドの胴体１１０を簡単に配置し容易に作業を行うことができる。
【００６７】
そして、その後には電極部１１８が形成されたヘッドの胴体１１０に圧電アクチュエータ１２０を電気的に連結させるように配置する段階を含むことができる。
【００６８】
この時、圧電アクチュエータ１２０の下部電極１２４を電極部１１８と導通するように接着させるが、このような接着工程で使用される接着剤はエポキシであることができる。しかし、本実施例ではこのような接着剤に限定されない。
【００６９】
そして、上記接着剤の厚さは２〜５μｍで薄く形成されることができ、接着層の厚さがさらに厚くなったり薄くなったりすると電気的損失または機械的信頼性が弱くなることがあるため、上記厚さを維持するように接着剤を塗布する。
【００７０】
次の段階としては圧電アクチュエータ１２０の屈曲した面に沿って伝導性接着剤１４０が密着するようにボンディングツール２２０で伝導性接着剤１４０を加圧する段階を含むことができる。
【００７１】
具体的に、図７及び図８で図示されたように、ボンディングツール２２０が下部に向かって移動する時（ａ）、ボンディングツール２２０の折り曲げ部２２２は圧電アクチュエータ１２０の側面に密着するため伝導性接着剤１４０が圧電アクチュエータ１２０を完全に密閉させるように圧電アクチュエータ１２０に接着される。
【００７２】
また、ボンディングツール２２０の折り曲げ部２２２の間の空間には、圧電アクチュエータ１２０の上部電極が接触し、折り曲げ部２２２により加圧される電極接続部１３４は上部電極より高さが低い電極部１１８に接触する。
【００７３】
従って、本実施例によるインクジェットヘッド用電気接続装置は、ボンディングツール２２０を利用し１度にアクチュエータ接続部１３２及び電極接続部１３４が高さが、相互異なる上部電極１２２及び電極部１１８と夫々電気的に連結するため、非常に簡単にインクジェットヘッドの電気接続を完成することができ、これによって作業工程を簡単にすることができる。
【００７４】
図９は、本発明の他の実施例によるインクジェットヘッドを説明するための上面図であり、図１０は図９のインクジェットヘッドを説明するための断面図である。
【００７５】
図９及び図１０を参照すると、インクジェットヘッド３００はヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０、基板部３３０及び伝導性接着剤１４０を含むことができる。
【００７６】
この時、ヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０及び伝導性接着剤１４０は実質的に先の実施例の構成と同一であるため、その具体的な説明は省略する。
【００７７】
基板部３３０は、圧電アクチュエータ１２０にパワーを供給するために上部電極１２２と連結されるアクチュエータ接続部３３２及び、ヘッドの胴体１１０の表面に形成された電極部１１８と電気的に連結される電極接続部３３４を含むことができる。この時、図１０で図示されたように、各接続部にはパッド部３３６が形成され、上記パッド部３３６が上部電極１２２と全体的に接触するため電気的に連結される。
【００７８】
従って、基板部３３０は圧電アクチュエータ１２０の上端部を全体的に覆うように接着するため外部の衝撃に対してもより安定して圧電アクチュエータ１２０及び電極部１１８に連結されることができる。
【符号の説明】
【００７９】
１１０ ヘッドの胴体
１２０ 圧電アクチュエータ
１３０ 基板部
１４０ 伝導性接着剤
２１０ ステージ
２２０ ボンディングツール
２３０ 弾性シート
１１２ 流路プレート
１１４ 中間プレート
１１６ ノズルプレート
【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置に関するもので、より詳細には、電気接続が容易なインクジェットヘッド、上記インクジェットヘッドを製造する製造方法及び、ヘッドの胴体にアクチュエータを電気的に接続させるためのインクジェットヘッド用電気接続装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的にインクジェットヘッドは、電気信号を物理的な力に変換し、小さいノズルを通じてインクが液滴の形態で吐出されるようにする構造体である。
【０００３】
最近、圧電方式のインクジェットヘッドは、産業用インクジェットプリンターにおいても使用されている。例えば、印刷回路基板（ＰＣＢ）上に金、銀等の金属を溶かして作ったインクを噴射して回路パターンを直接形成したり、産業グラフィックや液晶ディスプレイ（ＬＣＤ）、有機発光ダイオード（ＯＬＥＤ）の製造、太陽電池等に使用される。
【０００４】
このようなインクジェットプリンターのインクジェットヘッド内には、カートリッジでインクを流入及び流出する流入口と流出口、流入されるインクを保存するリザーバ、そして上記リザーバ内のインクをノズルに移動させるためにアクチュエータの駆動力を伝達するチャンバ等が形成される。
【０００５】
しかし、従来のインクジェットヘッドは、アクチュエータの上部電極と基板の電極の間にワイヤーボンディングを通じてアクチュエータが接続されるが、１つのインクジェットヘッドにノズルの数が増えるに従ってアクチュエータを 接続するためのワイヤーボンディングの作業時間が多くかかる。
【０００６】
また、従来のインクジェットヘッドは、このようなワイヤーボンディングを通じてインクジェットヘッドにアクチュエータを電気的に連結させる方法以外 に、別途のソルダリング作業を通じて電気的に連結させる方法を使用することもできるが、それによる作業時間も多くかかるという問題点があるため、このような問題点を解決する技術が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、上述された従来技術の問題を解決するためのもので、その目的は１回の工程で簡単にアクチュエータをヘッドの胴体に電気的に連結することができるインクジェットヘッド、このようなインクジェットヘッドを製造するインクジェットヘッドの製造方法及び、このようなヘッドの胴体に圧電アクチュエータを電気的に連結させるインクジェットヘッド用接続装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明によるインクジェットヘッドは、内部に形成されるインクチャンバ及び上記インクチャンバと隣接した表面に形成される電極部を含むヘッドの胴体と、上記電極部と電気的に連結されるように上記ヘッドの胴体の表面に形成される圧電アクチュエータと、ボンディングツールにより加圧され相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤で接着されて電気的に連結される基板部と、を含むことができる。
【０００９】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記伝導性接着剤は、上記圧電アクチュエータ及び上記基板部の間に配置され、上記ボンディングツールにより上記基板部を加圧する際、上記圧電アクチュエータの表面及び側面に沿って密着するように端部が折り曲げられた形状で形成されることを特徴とすることができる。
【００１０】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記電極部と接触する上記圧電アクチュエータの一面の反対面に電気的に連結されるアクチュエータ接続部及び、上記電極部と電気的に連結される電極接続部を含むことができる。
【００１１】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記アクチュエータ接続部及び上記電極接続部の間が離隔されるように形成されることを特徴とすることができる。
【００１２】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を全体的に覆うように形成されることを特徴とすることができる。
【００１３】
また、本発明によるインクジェットヘッドの上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を部分的に覆うように形成されることを特徴とすることができる。
【００１４】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法は、ステージに電極部が形成されたヘッドの胴体を配置させる段階と、上記ヘッドの胴体に圧電アクチュエータを電気的に連結させるように配置し、上記圧電アクチュエータの上部に基板部を位置させる段階と、上記基板部が上記圧電アクチュエータと上記電極部に電気的に連結されるようにボンディングツールを移動させて上記基板部を加圧する段階と、を含むことができる。
【００１５】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法の上記伝導性接着剤を位置させる段階は、基板部が上記電極部及び上記圧電アクチュエータと夫々電気的に連結させるために上記伝導性接着剤の上部に上記基板部を配置させる段階を含むことを特徴とすることができる。
【００１６】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法は、上記基板と上記ボンディングツールの間にダンパを配置させる段階を含むことを特徴とすることができる。
【００１７】
また、本発明によるインクジェットヘッドの製造方法の上記伝導性接着剤はフィルム型接着剤を使用することを特徴とすることができる。
【００１８】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置は、圧電アクチュエータが電気的に連結された電極部を含むヘッドの胴体が配置されるステージと、上記圧電アクチュエータの屈曲した面に伝導性接着剤が密着するように上部から加圧する上記ボンディングツールと、を含むことができる。
【００１９】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ボンディングツールは、上記伝導性接着剤の間に配置されるダンパをさらに含むことを特徴とすることができる。
【００２０】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ダンパは、上記ボンディングツールと一体に形成されることを特徴とすることができる。
【００２１】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ダンパは、上記ボンディングツールと分離されるように形成されることを特徴とすることができる。
【００２２】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ボンディングツールは、上記圧電アクチュエータの側面に沿って移動する折り曲げ部を含むことを特徴とすることができる。
【００２３】
また、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置の上記ステージは、内部に収容された上記ヘッドの胴体が固定されるようにするストッパーを含むことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【００２４】
本発明によるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置は、ボンディングツールにより基板部を加圧し、高さが異なる電極部及び圧電アクチュエータを同時に電気的に連結するため非常に簡単にインクジェットヘッドを製造し、作業工程を簡単にすることができ、電気的な接合不良も減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００２５】
【図１】本発明の第１実施例によるインクジェットヘッドを説明するための概略的な斜視図である。
【図２】図１のインクジェットヘッドを説明するための断面図である。
【図３】図１のインクジェットヘッドを説明するための上面図である。
【図４】図３のインクジェットヘッドの側断面図である。
【図５】図３のインクジェットヘッドの側断面図である。
【図６】本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置を説明するための分解断面図である。
【図７】図６のインクジェットヘッド用電気接続装置の動作を説明するための部分断面図である。
【図８】図６のインクジェットヘッド用電気接続装置により完成されるインクジェットヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【図９】本発明の他の実施例によるインクジェットヘッドを説明するための上面図である。
【図１０】図９のインクジェットヘッドを説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２６】
本発明によるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法及びインクジェットヘッド用電気接続装置に関して、図１から図８を参照しさらに具体的に説明する。以下では図面を参照し本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【００２７】
但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一の思想の範囲内において他の構成要素を追加、変更、削除等を通じ、退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案することができるが、これも本願発明の思想の範囲内に含まれる。
【００２８】
図１は、本発明の第１実施例によるインクジェットヘッドを説明するための概略的な斜視図であり、図２は、図１のインクジェットヘッドを説明するための断面図であり、図３は、図１のインクジェットヘッドを説明するための上面図であり、図４及び図５は、図３のインクジェットヘッドの側断面図である。
【００２９】
図１から図５を参照すると、インクジェットヘッド１００は、ヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０、基板部１３０及び伝導性接着剤１４０を含むことができる。
【００３０】
図２で図示されたように、ヘッドの胴体１１０は、圧電アクチュエータ１２０の駆動により内部のインクを外部に吐出させる。この時ヘッドの胴体１１０は流路プレート１１２、中間プレート１１４及びノズルプレート１１６を含むことができる。
【００３１】
流路プレート１１２には複数のインクチャンバ１０が形成され、インクが流入されるためのインク導入口２０が備えられる。この時、インク導入口２０はマニホールド３０と直接連結されるように提供され、マニホールド３０はレストリクタ４０を通じてインクチャンバ１０にインクを供給する役割をする。
【００３２】
インクチャンバ１０は、圧電アクチュエータ１２０が装着される位置の下部に設けられる。この時、流路プレート１１２においてインクチャンバ１０の天井を成す部分は振動板の役割をする。
【００３３】
従って、インクを吐出するために圧電アクチュエータ１２０に駆動信号を印加すると、圧電アクチュエータ１２０と共にその下の振動板が変形しながらインクチャンバ１０の体積が減少するようになる。
【００３４】
これによるインクチャンバ１０内の圧力の増加により、インクチャンバ１０内のインクIはダンパ５０とノズル６０を通じて外部に吐出され、ペーパーＰ等に印刷されることができる。
【００３５】
そして、中間プレート１１４には、長さ方向に長く形成されるマニホールド３０及びノズル６０とインクチャンバ１０を連結するダンパ５０を含むことができる。
【００３６】
マニホールド３０はインク導入口２０からインクの供給を受け、インクチャンバ１０にインクを供給するが、マニホールド３０及びインクチャンバ１０はレストリクタ４０により連結される。
【００３７】
この時、マニホールド３０は１つの大きい空間に形成され複数のインクチャンバ１０に連結されることもできるが、これに限定されず、各インクチャンバ１０に対応されるように複数形成されることができる。
【００３８】
そして、ダンパ５０は、インクチャンバ１０から圧電アクチュエータ１２０により吐出されるインクの伝達を受け、ノズル６０を通じて外部に吐出させる。
【００３９】
この時、上記ダンパ５０は選択事項としてこれを削除することもでき、このような場合は、流路プレート１１２とノズルプレート１１６のみでもインクジェットヘッドを構成することができる。
【００４０】
ノズルプレート１１６は、各インクチャンバ１０と対応されるように形成され、ダンパ５０を通過するインクがノズル６０を通じて外部に吐出される。そして、ノズルプレート１１６は中間プレート１１４の下部に接着される。
【００４１】
ノズル６０は、上記インクジェットヘッド内に形成された流路を通じて移動するインクを液滴で噴射させる。
【００４２】
この時、流路プレート１１２、中間プレート１１４及びノズルプレート１１６は、半導体直接回路に広く使用されるシリコン基板が使用されることができる。
【００４３】
また、圧電アクチュエータ１２０は、上面及び下面に電気的に連結される電極が形成されることができ、圧電物質であるＰＺＴ（Ｐｌｕｍｂｕｍ Ｚｉｒｃｏｎａｔｅ Ｔｉｔａｎａｔｅ）セラミック材料から成ることができる。
【００４４】
この時、圧電アクチュエータ１２０は、バルク（ｂｕｌｋ）形態で形成されることができ、図１で図示されたように、バルク形態の圧電アクチュエータ１２０には切断線が形成されることができる。
【００４５】
そして、圧電アクチュエータ１２０の上面には、基板部１３０と電気的に連結されるための上部電極１２２が形成され、圧電アクチュエータ１２０の底面にはヘッドの胴体１１０の表面に形成されグラウンド（ｇｒｏｕｎｄ）の役割をする電極部１１８と電気的に連結するための下部電極１２４が形成されることができる。
【００４６】
この時、下部電極１２４は、圧電アクチュエータ１２０に電極物質が蒸着される方法を通じて形成されることもできる。しかし、下部電極１２４が形成される方法はこれに限定されない。
【００４７】
また、図２及び図３で図示されたように、基板部１３０は圧電アクチュエータ１２０にパワーを供給するために上部電極１２２と連結されるアクチュエータ接続部１３２及び、ヘッドの胴体１１０の表面に形成された電極部１１８と電気的に連結される電極接続部１３４を含むことができる。
【００４８】
そして、基板部１３０は、圧電アクチュエータ１２０の側端部に偏って形成されることができる。しかし、基板部１３０の形状はこれに限定されない。
【００４９】
この時、アクチュエータ接続部１３２及び電極接続部１３４は、相互離隔されるように形成されることができる。従って、上部電極１２２と電極部１１８の高さが相互異なるが、上記離隔された構造により基板部１３０の接続を容易にすることができる。
【００５０】
そして、図４で図示されたように、アクチュエータ接続部１３２の底面には伝導性接着剤１４０により圧電アクチュエータ１２０と電気的に連結するためのパッド部１３６が形成される。
【００５１】
また、伝導性接着剤１４０は圧電アクチュエータ１２０及び基板部１３０の間に配置され、ボンディングツールにより基板部１３０を加圧する際、圧電アクチュエータ１２０の表面に沿って密着するように端部が折り曲げられた形状で形成されることができる。
【００５２】
この時、伝導性接着剤１４０は、フィルム形態の接着剤であることができ、異方性導電接着フィルム（ＡＣＦ：Ａｎｉｓｏｔｒｏｆｉｃ Ｃｏｎｄｕｃｔｉｖｅ Ｆｉｌｍ）であることができる。
【００５３】
図５で図示されたように、伝導性接着剤１４０の端部は圧電アクチュエータ１２０の表面及び各側面と密着するように折り曲げて形成されることができる。従って、伝導性接着剤１４０が圧電アクチュエータ１２０を完全に封止する役割をするため、外部の衝撃から保護することができ、また圧電アクチュエータ１２０の振動力がヘッドの胴体１１０に伝達される効果を極大化することができるためインクジェットの信頼性が向上する効果がある。
【００５４】
この時、本実施例は伝導性接着剤１４０及び基板部１３０をボンディングツールを利用し１度に加圧して伝導性接着剤１４０により圧電アクチュエータ１２０及び電極部１１８に電気的に連結させるためいくつもの工程を経る必要が無く、非常に簡単にインクジェットヘッドを製造することができ、これによって作業工程を簡単にすることができる。
【００５５】
また、各圧電アクチュエータ１２０とワイヤーボンディングのように、夫々の電気接続作業をする際にしばしば発生する電気的接合不良も減少させることができる。
【００５６】
図６は、本発明によるインクジェットヘッド用電気接続装置を説明するための分解断面図であり、図７は図６のインクジェットヘッド用電気接続装置の動作を説明するための部分断面図であり、図８は図６のインクジェットヘッド用電気接続装置により完成されるインクジェットヘッドを説明するための概略的な断面図である。
【００５７】
図６から図８を参照すると、インクジェットヘッド用電気接続装置はステージ２１０及びボンディングツール２２０を含むことができる。
【００５８】
ステージ２１０は、電極部１１８が形成されたヘッドの胴体１１０を配置させるための収容空間が提供され、ヘッドの胴体１１０の両端部に形成されるストッパー２１２を含むことができる。この時、ストッパー２１２はヘッドの胴体１１０が流動されないようにそのヘッドの胴体１１０の長さだけ相互離隔されて形成される。
【００５９】
従って、ステージ２１０は、ボンディングツール２２０により加圧されるヘッドの胴体１１０を下部で支持するためヘッドの胴体１１０に伝導性接着剤１４０が容易に付着するようにする。
【００６０】
ボンディングツール２２０は、ステージ２１０の上部に順に形成されたヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０、伝導性接着剤１４０及び基板部１３０の上部に位置し、上下に移動可能である。
【００６１】
そして、ボンディングツール２２０の両端部は下部に向かって垂直に折り曲げられた折り曲げ部２２２を含む。従って、折り曲げ部２２２は圧電アクチュエータ１２０の側面に沿って移動するため伝導性接着剤１４０を加圧し伝導性接着剤１４０が圧電アクチュエータ１２０を完全に覆うようにする。
【００６２】
そして、折り曲げ部２２２の間の空間は圧電アクチュエータ１２０の長さと同一にされることができる。従って、ボンディングツール２２０の内面は圧電アクチュエータ１２０の上面に接触し、折り曲げ部２２２の表面は電極部１１８の表面に接触する。
【００６３】
また、ボンディングツール２２０と基板部１３０の間には弾性シート２３０が配置されることができ、弾性シート２３０によりボンディングツール２２０が加圧される時に基板部１３０及び他の構成が損傷されるのを防止する。
【００６４】
本実施例によるインクジェットヘッドの製造方法は以下のようである。
【００６５】
インクジェットヘッドの製造方法は、ステージ２１０上にヘッドの胴体１１０を配置させ、圧電アクチュエータ１２０の上部に伝導性接着剤１４０を位置させる段階を含むことができる。
【００６６】
この時、ステージ２１０はヘッドの胴体１１０が移動しないようにヘッドの胴体１１０の両端に形成されたストッパー２１２を含むため、ストッパー２１２により形成された収容空間にヘッドの胴体１１０を簡単に配置し容易に作業を行うことができる。
【００６７】
そして、その後には電極部１１８が形成されたヘッドの胴体１１０に圧電アクチュエータ１２０を電気的に連結させるように配置する段階を含むことができる。
【００６８】
この時、圧電アクチュエータ１２０の下部電極１２４を電極部１１８と導通するように接着させるが、このような接着工程で使用される接着剤はエポキシであることができる。しかし、本実施例ではこのような接着剤に限定されない。
【００６９】
そして、上記接着剤の厚さは２〜５μｍで薄く形成されることができ、接着層の厚さがさらに厚くなったり薄くなったりすると電気的損失または機械的信頼性が弱くなることがあるため、上記厚さを維持するように接着剤を塗布する。
【００７０】
次の段階としては圧電アクチュエータ１２０の屈曲した面に沿って伝導性接着剤１４０が密着するようにボンディングツール２２０で伝導性接着剤１４０を加圧する段階を含むことができる。
【００７１】
具体的に、図７及び図８で図示されたように、ボンディングツール２２０が下部に向かって移動する時（ａ）、ボンディングツール２２０の折り曲げ部２２２は圧電アクチュエータ１２０の側面に密着するため伝導性接着剤１４０が圧電アクチュエータ１２０を完全に密閉させるように圧電アクチュエータ１２０に接着される。
【００７２】
また、ボンディングツール２２０の折り曲げ部２２２の間の空間には、圧電アクチュエータ１２０の上部電極が接触し、折り曲げ部２２２により加圧される電極接続部１３４は上部電極より高さが低い電極部１１８に接触する。
【００７３】
従って、本実施例によるインクジェットヘッド用電気接続装置は、ボンディングツール２２０を利用し１度にアクチュエータ接続部１３２及び電極接続部１３４が高さが、相互異なる上部電極１２２及び電極部１１８と夫々電気的に連結するため、非常に簡単にインクジェットヘッドの電気接続を完成することができ、これによって作業工程を簡単にすることができる。
【００７４】
図９は、本発明の他の実施例によるインクジェットヘッドを説明するための上面図であり、図１０は図９のインクジェットヘッドを説明するための断面図である。
【００７５】
図９及び図１０を参照すると、インクジェットヘッド３００はヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０、基板部３３０及び伝導性接着剤１４０を含むことができる。
【００７６】
この時、ヘッドの胴体１１０、圧電アクチュエータ１２０及び伝導性接着剤１４０は実質的に先の実施例の構成と同一であるため、その具体的な説明は省略する。
【００７７】
基板部３３０は、圧電アクチュエータ１２０にパワーを供給するために上部電極１２２と連結されるアクチュエータ接続部３３２及び、ヘッドの胴体１１０の表面に形成された電極部１１８と電気的に連結される電極接続部３３４を含むことができる。この時、図１０で図示されたように、各接続部にはパッド部３３６が形成され、上記パッド部３３６が上部電極１２２と全体的に接触するため電気的に連結される。
【００７８】
従って、基板部３３０は圧電アクチュエータ１２０の上端部を全体的に覆うように接着するため外部の衝撃に対してもより安定して圧電アクチュエータ１２０及び電極部１１８に連結されることができる。
【符号の説明】
【００７９】
１１０ ヘッドの胴体
１２０ 圧電アクチュエータ
１３０ 基板部
１４０ 伝導性接着剤
２１０ ステージ
２２０ ボンディングツール
２３０ 弾性シート
１１２ 流路プレート
１１４ 中間プレート
１１６ ノズルプレート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内部に形成されるインクチャンバ及び上記インクチャンバと隣接した表面に形成される電極部を含むヘッドの胴体と、
上記電極部と電気的に連結されるように上記ヘッドの胴体の表面に装着される圧電アクチュエータと、
ボンディングツールにより加圧され相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤により電気的に連結される基板部と、
を含むインクジェットヘッド。
【請求項２】
上記伝導性接着剤は、
上記圧電アクチュエータ及び上記基板部の間に配置され、上記ボンディングツールにより上記基板部を加圧する際、共に加圧され、上記圧電アクチュエータの表面及び側面に密着するように端部が折り曲げられた形状で形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項３】
上記基板部は、上記電極部と接触する上記圧電アクチュエータの一面の反対面に電気的に連結されるアクチュエータ接続部及び、上記電極部と電気的に連結される電極接続部を含むことを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項４】
上記基板部は、上記アクチュエータ接続部及び上記電極接続部の間が離隔されるように形成されることを特徴とする請求項３に記載のインクジェットヘッド。
【請求項５】
上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を全体的に覆うように形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項６】
上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を部分的に覆うように形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項７】
ステージに電極部が形成されたヘッドの胴体を配置させる段階と、
上記ヘッドの胴体に圧電アクチュエータを電気的に連結させるように配置し、上記圧電アクチュエータの上部に基板部を位置させる段階と、
上記基板部が上記圧電アクチュエータと上記電極部に電気的に連結されるようにボンディングツールを移動させて上記基板部を加圧する段階と、
を含むインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項８】
上記基板部を加圧する段階は、
上記圧電アクチュエータの屈曲した面に沿って伝導性接着剤が密着するように上記基板部の下部に上記伝導性接着剤を配置する段階を含むことを特徴とする請求項７に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項９】
上記基板と上記ボンディングツールの間にダンパを配置させる段階を含むことを特徴とする請求項７に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項１０】
上記伝導性接着剤は、フィルム型接着剤を使用することを特徴とする請求項７に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項１１】
圧電アクチュエータが電気的に連結された電極部を含むヘッドの胴体が配置されるステージと、
相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤及び基板部が密着するように上部から加圧するボンディングツールと、
を含むインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１２】
上記ボンディングツールは、
上記伝導性接着剤の間に配置されるダンパをさらに含むことを特徴とする請求項１１に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１３】
上記ダンパは、上記ボンディングツールと一体に形成されることを特徴とする請求項１２に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１４】
上記ダンパは、上記ボンディングツールと分離されるように形成されることを特徴とする請求項１２に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１５】
上記ボンディングツールは、
上記圧電アクチュエータの側面に沿って移動する折り曲げ部を含むことを特徴とする請求項１１に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１６】
上記ステージは、
内部に収容された上記ヘッドの胴体が固定されるようにするストッパーを含むことを特徴とする請求項１１に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１】
内部に形成されるインクチャンバ及び上記インクチャンバと隣接した表面に形成される電極部を含むヘッドの胴体と、
上記電極部と電気的に連結されるように上記ヘッドの胴体の表面に装着される圧電アクチュエータと、
ボンディングツールにより加圧され相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤により電気的に連結される基板部と、
を含むインクジェットヘッド。
【請求項２】
上記伝導性接着剤は、
上記圧電アクチュエータ及び上記基板部の間に配置され、上記ボンディングツールにより上記基板部を加圧する際、共に加圧され、上記圧電アクチュエータの表面及び側面に密着するように端部が折り曲げられた形状で形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項３】
上記基板部は、上記電極部と接触する上記圧電アクチュエータの一面の反対面に電気的に連結されるアクチュエータ接続部及び、上記電極部と電気的に連結される電極接続部を含むことを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項４】
上記基板部は、上記アクチュエータ接続部及び上記電極接続部の間が離隔されるように形成されることを特徴とする請求項３に記載のインクジェットヘッド。
【請求項５】
上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を全体的に覆うように形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項６】
上記基板部は、上記圧電アクチュエータの表面を部分的に覆うように形成されることを特徴とする請求項１に記載のインクジェットヘッド。
【請求項７】
ステージに電極部が形成されたヘッドの胴体を配置させる段階と、
上記ヘッドの胴体に圧電アクチュエータを電気的に連結させるように配置し、上記圧電アクチュエータの上部に基板部を位置させる段階と、
上記基板部が上記圧電アクチュエータと上記電極部に電気的に連結されるようにボンディングツールを移動させて上記基板部を加圧する段階と、
を含むインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項８】
上記基板部を加圧する段階は、
上記圧電アクチュエータの屈曲した面に沿って伝導性接着剤が密着するように上記基板部の下部に上記伝導性接着剤を配置する段階を含むことを特徴とする請求項７に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項９】
上記基板と上記ボンディングツールの間にダンパを配置させる段階を含むことを特徴とする請求項７に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項１０】
上記伝導性接着剤は、フィルム型接着剤を使用することを特徴とする請求項７に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【請求項１１】
圧電アクチュエータが電気的に連結された電極部を含むヘッドの胴体が配置されるステージと、
相互高さが異なる上記電極部及び上記圧電アクチュエータに伝導性接着剤及び基板部が密着するように上部から加圧するボンディングツールと、
を含むインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１２】
上記ボンディングツールは、
上記伝導性接着剤の間に配置されるダンパをさらに含むことを特徴とする請求項１１に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１３】
上記ダンパは、上記ボンディングツールと一体に形成されることを特徴とする請求項１２に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１４】
上記ダンパは、上記ボンディングツールと分離されるように形成されることを特徴とする請求項１２に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１５】
上記ボンディングツールは、
上記圧電アクチュエータの側面に沿って移動する折り曲げ部を含むことを特徴とする請求項１１に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【請求項１６】
上記ステージは、
内部に収容された上記ヘッドの胴体が固定されるようにするストッパーを含むことを特徴とする請求項１１に記載のインクジェットヘッド用電気接続装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１１−３１６０４（Ｐ２０１１−３１６０４Ａ）
【公開日】平成２３年２月１７日（２０１１．２．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２８６３３７（Ｐ２００９−２８６３３７）
【出願日】平成２１年１２月１７日（２００９．１２．１７）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年２月１７日（２０１１．２．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１２月１７日（２００９．１２．１７）
【出願人】（５９４０２３７２２）サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド． (1,585)
【Ｆターム（参考）】
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