説明

インクジェットヘッドの駆動方法および駆動装置

【課題】駆動ノズルと、駆動ノズル以外の非駆動ノズルとの温度差を極力少なくすることができ、描画処理中のインクジェットヘッドの温度変化を抑えることができる。
【解決手段】複数の吐出ノズル46に連なるインク吐出のための圧電素子部への駆動波形の印加に伴って発熱する性質を有するインクジェットヘッドの駆動方法であって、描画データに基づいて、インク吐出する吐出ノズル46である駆動ノズルに対し、所定の駆動周期で、インク吐出を伴う駆動波形である吐出波形を印加し、駆動ノズル以外の吐出ノズル46である非駆動ノズルに対し、上記駆動周期で、インク吐出を伴わない駆動波形である不吐出波形を印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画データに基づいて、複数の吐出ノズルからインクを選択的に吐出して記録を行うインクジェットヘッドの駆動方法および駆動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドの駆動装置として、複数の吐出ノズルから液滴を吐出するための駆動波形を生成する駆動信号生成部と、各吐出ノズルの吐出の有無を示したデータ列を保持するデータ保持部と、データ列に基づいて、吐出波形を印加する駆動ノズルを選択するセレクターと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。各吐出ノズルは、ノズル駆動部を有しており、当該ノズル駆動部に吐出波形が印加されることで、液滴を吐出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−262057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インクジェットヘッドでは、吐出ノズルのノズル駆動部に駆動波形を印加した際、ノズル駆動部の駆動に伴って熱が発生し、吐出ノズル周りの温度が上昇する。そのため、駆動波形を印加し駆動した吐出ノズルと、駆動波形を印加せず駆動しなかった吐出ノズルとでは、温度に差が生じてしまうという問題があった。吐出ノズルの温度に伴って、吐出するインクの粘度が変化するため、温度差によって吐出量に差が生じてしまい、精度良く描画処理を行うことができない。
また、描画処理を継続しているとノズル駆動部の駆動に伴って発生する熱の蓄積により、インクジェットヘッドの温度は描画処理開始時と比較して上昇していく。さらに、インクジェットヘッドの温度が変化することにより、インクジェットヘッド内のインクの温度も変化し、インクの粘度も変化してしまう。そのため、描画処理開始時と継続描画処理中では、吐出量に差が生じてしまい、濃度の違いが発生し、品質が安定しない。
【0005】
本発明は、駆動ノズルと、駆動ノズル以外の非駆動ノズルとの温度差を極力少なくすることができ、描画処理中のインクジェットヘッドの温度変化を抑えることができるインクジェットヘッドの駆動方法および駆動装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインクジェットヘッドの駆動方法は、複数の吐出ノズルを有し、各吐出ノズルに連なる圧電素子部への駆動波形の印加に伴って発熱する性質を有するインクジェットヘッドの駆動方法であって、描画データに基づいて、インク吐出する吐出ノズルである駆動ノズルに対し、所定の駆動周期で、インク吐出を伴う駆動波形である吐出波形を印加し、駆動ノズル以外の吐出ノズルである非駆動ノズルに対し、駆動周期で、インク吐出を伴わない駆動波形である不吐出波形を印加し、複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートの任意の箇所の温度が描画処理中において一定となるように圧電素子部へ駆動波形を印加することを特徴とする。
【0007】
この場合、前記描画処理中において前記ノズルプレートの任意の箇所の温度が一定となるように、吐出開始時に予め前記インクジェットヘッドの温度を上昇させることが好ましい。
【0008】
この場合、上記同一熱量となるように、不吐出波形を、1の駆動周期を分周して複数パルス印加することが好ましい。
【0009】
本発明のインクジェットヘッドの駆動装置は、複数の吐出ノズルを有し、各吐出ノズルに連なる圧電素子部への駆動波形の印加に伴って発熱する性質を有するインクジェットヘッドの駆動装置であって、インク吐出を伴う駆動波形である吐出波形と、インク吐出を伴わない駆動波形である不吐出波形とを生成する駆動波形生成部と、生成した吐出波形および生成した不吐出波形を、所定の駆動周期で圧電素子部に印加する印加制御部と、を備え、印加制御部は、描画データに基づいて、インク吐出する吐出ノズルである駆動ノズルに対し、吐出波形を印加し、駆動ノズル以外の吐出ノズルである非駆動ノズルに対し、不吐出波形を印加し、複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートの任意の箇所の温度が描画処理中において一定となるように前記圧電素子部へ前記駆動波形を印加することを特徴とする。
【0010】
これらの構成によれば、描画データに基づいて、駆動ノズル以外の吐出ノズルである非駆動ノズルに対し、不吐出波形を印加することで、非駆動ノズルも、駆動ノズルと同様に発熱する。そのため、どのような描画データに基づいても、複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートの任意の箇所の温度を描画処理中において一定となるようにすることができる。別の言い方をすると、インクジェットヘッド内のインクの温度を、描画処理中、あまり変動させずに安定させることができる。ひいては、描画処理中に、各吐出ノズルのインクの吐出量や吐出速度を安定させることができる。
【0011】
上記のインクジェットヘッドの駆動方法において、吐出波形の印加電圧に対し、不吐出波形の印加電圧が5%以上80%以下であり、且つ1の駆動周期における不吐出波形の印加パルス数が2以上であることが好ましい。
【0012】
不吐出波形の印加電圧が5%未満であると、1パルスの発熱量が低すぎるため、上記発熱量に必要な印加パルス数が著しく大きくなってしまう。よって、1の駆動周期に収まらなくなるという問題や、圧電素子部に不具合が生じる可能性が高くなるという問題等が発生する。一方、不吐出波形の印加電圧が80%を超えると、インクが吐出されてしまう虞がある。
上記の構成によれば、このような問題を考慮した最適な条件で、不吐出波形を設計することで、非駆動ノズルに対し適切な発熱処理を行うことができる。
【0013】
上記のインクジェットヘッドの駆動方法において、1の駆動周期において、吐出波形と不吐出波形とがタイミングをずらして印加されることが好ましい。
【0014】
吐出波形の駆動と、不吐出波形の駆動とを同一タイミングで実施すると、不吐出波形の駆動による影響が、吐出波形の駆動に出てしまうので、駆動ノズルの駆動を精度良く行うことができないという問題がある。
これに対し、上記の構成によれば、吐出波形と不吐出波形とをタイミングをずらして印加することにより、不吐出波形の駆動による影響が抑制することができ、駆動ノズルの駆動を精度良く行うことができる。また、吐出波形と不吐出波形とを一体に連ねて生成することができるため、単一の駆動波形生成回路により、両吐出波形を生成することができる。なお、吐出波形より不吐出波形を早いタイミングで印加する構成であっても良いし、遅いタイミングで印加する構成であっても良い。
【0015】
上記のインクジェットヘッドの駆動方法において、1の駆動周期において、吐出波形と不吐出波形とがタイミングを合わせて印加されることが好ましい。
【0016】
これらの構成によれば、1の駆動周期において、吐出波形と不吐出波形とを、タイミングを合わせて印加することで、駆動ノズルと非駆動ノズルとで発熱するタイミングが同じタイミングとなる。よって、駆動ノズルと非駆動ノズルとをより同じ状態にすることができ、より厳密に温度の均一状態を維持することができる。また、駆動周期を短くすることができるため、高密度、または単位時間当たりの吐出数を向上することができ、描画処理をより精度良く行うことができる。
【0017】
上記のインクジェットヘッドの駆動装置において、駆動波形生成部は、吐出量「中」の駆動ノズルに印加する第1吐出波形と、吐出量「小」の駆動ノズルに印加する第2吐出波形と、第1吐出波形に対応する第1不吐出波形と、第2吐出波形に対応する第2不吐出波形と、を生成すると共に、各駆動周期において、第1吐出波形と第2不吐出波形とを一体に連ねて生成する第1駆動波形生成回路と、各駆動周期において、第1不吐出波形と第1吐出波形とを一体に連ねて生成する第2駆動波形生成回路と、を有し、1の駆動周期において、第1吐出波形と第1不吐出波形とが、タイミングを合わせて印加され、第2吐出波形と第2不吐出波形とが、タイミングを合わせて印加されることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、吐出量の異なる吐出波形の駆動に合わせて、発熱量の異なる不吐出波形を駆動するため、吐出量を変えても、複数の吐出ノズルにおける温度の均一状態を維持することができる。また、吐出波形と不吐出波形とを、タイミングを合わせて印加することで、発熱するタイミングを同タイミングにすることができると共に、駆動周期を短くすることができるため、高密度、または単位時間当たりの吐出数を向上することができ、描画処理をより精度良く行うことができる。さらに、第1吐出波形および第2不吐出波形、第1不吐出波形および第2吐出波形を一体に連ねて生成することができるため、駆動波形生成部を簡単な構成にすることができる。なお、1の駆動周期において、任意の吐出ノズルの圧電素子部に、吐出量「小」の駆動波形と、吐出量「中」の駆動波形とを印加することで、吐出量「大」の吐出を行う構成であっても良い。すなわち、3段階の吐出量制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係るインクジェット記録装置を示した平面模式図である。
【図2】インクジェットヘッドを示した斜視図である。
【図3】インクジェットヘッドの内部構造を示した模式図である。
【図4】第1実施形態の制御装置を示した制御ブロック図である。
【図5】(a)は、第1実施形態の駆動波形および分割信号を示した図である。(b)は、第2実施形態の駆動波形を示した図である。(c)は、第3実施形態の駆動波形および分割信号を示した図である。
【図6】第2実施形態の制御装置を示した制御ブロック図である。
【図7】第3実施形態の制御装置を示した制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドの駆動方法を適用したインクジェット記録装置1について説明する。このインクジェット記録装置1は、描画データに基づいて、複数の吐出ノズル46から所定の駆動周期でインクを選択的に吐出して描画(記録)を行う装置である。図1に示すように、インクジェット記録装置1は、機台2と、機台2上の全域に広く載置され、インクジェットヘッド11を搭載した描画装置3と、機台2上で描画装置3に添設されたメンテナンス装置4と、各部を制御する制御装置(インクジェットヘッドの駆動装置)5(図4参照)と、を備えている。インクジェット記録装置1は、メンテナンス装置4によりインクジェットヘッド11のメンテナンス処理(機能維持・回復)を行うと共に、描画装置3によりワークW(記録媒体)上にインクを吐出させる描画動作を行うようにしている。なお、本発明は、特に、温度によって粘度や体積が変化するインクに対して有効である。このようなインクとしては、紫外線で硬化するUVインクや、各種溶媒中に染料、顔料、または、機能性材料などが含まれたインク等が挙げられる。
【0021】
描画装置3は、機台2上に配設され、ワークWをX軸方向に移動自在に載置するX軸テーブル22と、一対の支柱29を介してX軸テーブル22を跨ぐように架け渡され、X軸方向に直交するY軸方向に延在したY軸テーブル23と、Y軸テーブル23にY軸方向に移動自在に吊設されたキャリッジユニット15と、を有している。キャリッジユニット15は、キャリッジプレート15aと、キャリッジプレート15aに下向きに搭載したインクジェットヘッド11と、を備えている。本実施形態のインクジェットヘッド11には、常温で粘度の高いインクが導入される。
【0022】
X軸テーブル22は、X軸方向の駆動系を構成するモーター駆動のX軸スライダー24を有し、これに吸着テーブル26およびθテーブル27等から成るセットテーブル25を移動自在に搭載して構成されている。同様に、Y軸テーブル23は、Y軸方向の駆動系を構成するモーター駆動のY軸スライダー28を有し、これに上記のキャリッジユニット15を移動自在に搭載して構成されている。そして、Y軸テーブル23は、これに搭載したキャリッジユニット15を、X軸テーブル22の直上部に位置する描画エリア31と、メンテナンス装置4の直上部に位置するメンテナンスエリア32との相互間で、適宜移動させる。また、Y軸テーブル23は、描画エリア31上のワークWにインクジェットヘッド11を臨ませて、インクジェットヘッド11を主走査する。
【0023】
このように構成されたインクジェット記録装置1は、メンテナンス装置4によりインクジェットヘッド11に対し適宜メンテナンス処理を行うと共に、描画装置3によりワークWに描画動作を行うようにしている。すなわち、描画装置3は、制御装置5による制御を受けながら、ワークWをX軸テーブル22によりX軸方向に間欠的に送り(副走査)、これに同期してY軸テーブル23によりインクジェットヘッド11をY軸方向に往復動させる(主走査)と共に、描画データに基づいて、インクジェットヘッド11を所定の駆動周期でインクを選択的に駆動して、ワークWに描画を行うようになっている。
【0024】
図2に示すように、インクジェットヘッド11は、複数の接続針を有するインク導入部41と、インク導入部41に連なるヘッド基板42と、ヘッド基板42に連なるポンプ部43と、ポンプ部43に連なるノズルプレート45と、を備えている。ノズルプレート45のノズル面NFには、複数列のノズル列NLが相互に平行に列設されており、各ノズル列NLは、等ピッチで並べた180個の吐出ノズル46で構成されている。
【0025】
図3に模式的に示すように、ポンプ部43は、接着フィルム43a上に設置され、各吐出ノズル46に連なるインク吐出のための各圧電素子(圧電素子部)43bと、接着フィルム43aとノズルプレート45とを接合して、各吐出ノズル46に対応する圧力室43dを構成する各シリコンキャビティ43cと、で構成されている。また、ポンプ部43には、圧力室43dに供給するためのインクを溜めると共に各接続針に連通する共通室43eと、各圧力室43dと共通室43eとをつなぐ供給路43fと、が形成されている。そして、各圧力室43dは、各吐出ノズル46(圧電素子43b)に対応し、各吐出ノズル46に連通している。
【0026】
図2に示すように、ヘッド基板42には、制御装置5に連なるフレキシブルフラットケーブル(図示省略)が接続されている。そして、制御装置5から出力された駆動波形(厳密には、後述の吐出波形)が各ポンプ部43(各圧電素子43b)に印加されることで、各吐出ノズル46からインクが吐出される。なお、圧電素子43bは、駆動波形の印加に伴って発熱する性質を有している。詳細は後述するが、これに対し、本インクジェット記録装置1では、インク吐出する駆動ノズル以外の吐出ノズル46(非駆動ノズル)の圧電素子43bにも、駆動波形(後述の不吐出波形)を印加することで、駆動ノズルと非駆動ノズルとの発熱量の相違を極力なくするように、構成されている。
【0027】
また、駆動波形の印加に伴って圧電素子43bが発熱すると、インクジェットヘッド11の温度が上昇することとなる。しかし、インクジェットヘッド11は、同時に、インクジェットヘッド11を支持している部材等への熱伝導、周囲環境への放熱、または、インク吐出により吐出されたインクが奪っていく熱、等により損失する熱もある。描画処理を継続していると、描画処理開始時と比べて描画処理継続中のインクジェットヘッド11の温度は上昇するが、インクジェットヘッド11の温度が上昇するほど、インクジェットヘッド11と周囲等との温度勾配が大きくなり、インクジェットヘッド11から周囲等へ熱が移る速度も速くなる。そのため、単位時間当たりの発熱量が一定の状態に対して、単位時間当たりの熱損失量が増加し、インクジェットヘッド11は、ある温度以降、発熱量と熱損失量が略等しくなる。結果として、インクジェットヘッド11の温度は、上昇せずに一定となる。
【0028】
次に図4を参照して、制御装置5について説明する。制御装置5は、描画データ生成部51と、タイミング生成部52と、駆動波形生成部53と、波形選択出力部54と、スイッチ群56と、を有している。なお、請求項にいう「印加制御部」は、波形選択出力部54およびスイッチ群56により、構成されている。
【0029】
描画データ生成部51は、主走査移動時の各駆動周期における各吐出ノズル46の吐出の有無を示した描画データを記憶する。厳密には、描画データは、180個の吐出ノズル46毎の、主走査移動における各駆動周期に対する吐出の有無を示す有無データを含んでいる。すなわち、有無データを各着弾位置に対応して配列したデータであり、X軸を吐出ノズル46(ノズル番号)に対応付け、Y軸を駆動周期に対応づけたデータとなっている。なお、駆動周期は、主走査移動の往動もしくは復動を複数個に分割して構成した周期であり、吐出ノズル46の駆動タイミングを示すためのものである。
【0030】
タイミング生成部52は、Y軸テーブル23に搭載されたリニアエンコーダー59からのエンコーダー信号(パルス信号)を受けて、ラッチ信号を出力する。タイミング生成部52が出力した複数のラッチ信号の各間隔が各駆動周期となる。例えば、エンコーダー信号の所定パルス数毎に1のラッチ信号を出力する。エンコーダー信号のパルス数は、キャリッジユニット15の初期位置からの移動量(移動位置)に対応するものであるため、キャリッジユニット15の移動量に対応して、ラッチ信号を出力することができる。
【0031】
駆動波形生成部53は、吐出ノズル46の圧電素子43bに印加する駆動波形を生成する。具体的には、駆動波形生成部53は、駆動波形を生成し出力する駆動波形生成回路61と、駆動周期を分割した分割信号を生成し出力する分割信号生成回路62と、を有している。ここで図5(a)を参照して、駆動波形および分割信号について詳しく説明する。図5(a)は、1の駆動周期における駆動波形および分割信号を示した図である。図5(a)に示すように、駆動波形生成回路61は、1の駆動周期単位の駆動波形として、駆動ノズルに印加するインク吐出を伴う駆動波形である吐出波形と、非駆動ノズルに印加するインク吐出を伴わない駆動波形である不吐出波形(発熱波形)と、を一体に連ねて生成する。すなわち、1の駆動周期において、吐出波形と不吐出波形とがタイミングをずらして生成される。そのため、圧電素子43bには、吐出波形と不吐出波形とがタイミングをずらして印加される。一方、分割信号生成回路62は、1の駆動周期を2分し、吐出波形と不吐出波形とを分割するタイミングで分割信号を生成する。駆動波形生成回路61は、ラッチ信号を受けて、駆動周期毎に上記一連の駆動波形を生成し、圧電素子43bに出力する。一方、分割信号生成回路62は、ラッチ信号を受けて、駆動周期毎に上記分割信号を生成し、スイッチ群56に出力する。
【0032】
吐出波形は、インクを吐出するための駆動波形であり、台形波で構成されている。一方、不吐出波形は、インクを吐出せずに、圧電素子43bを発熱するための駆動波形であり、1の駆動周期内で複数パルスに分周して生成されている。さらに、不吐出波形は、印加による圧電素子43bの発熱量が、吐出波形の印加による圧電素子43bの発熱量と、吐出ノズル46から吐出される液滴によって奪われる熱分を引いて同一熱量のとなるように設計されている。すなわち、インクジェットヘッド11の全ての吐出ノズル46の圧電素子43bに、吐出波形を印加して、インクを吐出した時の発熱量(上昇温度)を予め測定しておき、この測定した発熱量(上昇温度)となるように、不吐出波形が設計される。また、不吐出波形は、印加条件として、吐出波形の印加電圧に対し、当該不吐出波形の印加電圧が5%以上80%以下とし、1の駆動周期における当該不吐出波形の印加パルス数が2以上とする。
なお、インクジェットヘッド11の温度は、圧電素子43bが発する熱の他に、圧電素子を駆動させるための回路等が発する熱の影響も受ける。そのため、インクジェットヘッド11に係わる発熱量は、回路等が発する熱を含めて調整することが好ましい。
【0033】
波形選択出力部54は、駆動周期毎に描画データをデコードして、駆動周期単位の有無データを抽出し、さらに各吐出ノズル46の有無データに基づいて、スイッチ群56に波形ポジション選択データを出力する。波形ポジション選択データは、任意の吐出ノズル46に対し、1の駆動周期において、先後どちらの駆動波形を印加するかを示すデータである。波形選択出力部54は、任意の吐出ノズル46の有無データが、吐出「有」である場合(吐出ノズル46が駆動ノズルである場合)には、当該吐出ノズル46に対し、先側の駆動波形(吐出波形)を印加する旨の情報を出力し、任意の吐出ノズル46の有無データが、吐出「無」である場合(吐出ノズル46が非駆動ノズルである場合)には、当該吐出ノズル46に対し、後側の駆動波形(不吐出波形)を印加する旨の情報を出力する。
【0034】
スイッチ群56は、波形ポジション選択データ、ラッチ信号および分割信号に基づいて、各圧電素子43b(各吐出ノズル46)に対する駆動波形の転送のON/OFFを切り替える。すなわち、任意の吐出ノズル46における波形ポジション選択データが、先側の駆動波形を印加する旨の情報を有している場合には、ラッチ信号を受けて、当該吐出ノズル46に対する転送をONにし、その後分割信号を受けて、当該吐出ノズル46に対する転送をOFFにする。すなわち、先側の駆動波形(吐出波形)のみを圧電素子43bに印加する。一方、任意の吐出ノズル46における波形ポジション選択データが、後側の駆動波形を印加する旨の情報を有している場合には、ラッチ信号を受けて、当該吐出ノズル46に対する転送をOFFにし、その後分割信号を受けて、当該吐出ノズル46に対する転送をONにする。すなわち、後側の駆動波形のみを圧電素子43bに印加する。
【0035】
描画処理では、主走査に伴って駆動周期毎に、駆動波形生成部53により、駆動波形が出力すると共に、波形選択出力部54により、描画データに基づいて、スイッチ群56に各吐出ノズル46に対する波形ポジション選択データを出力する。これを受けたスイッチ群56は、波形ポジション選択データに基づいて、先後の駆動波形を選択することで、駆動ノズルに対して吐出波形を印加し、非駆動ノズルに対し不吐出波形を印加する。
【0036】
また、描画データは、様々な吐出パターンに基づいている場合があり、各駆動周期で吐出ノズル46の有無データは、吐出「有」と吐出「無」の割合が大きく変動することがある。このような場合に、少なくとも吐出可能な全ての駆動周期毎に、吐出波形または不吐出波形を印加することが好ましい。極端な例では、吐出に使用している全ての吐出ノズル46に対する有無データが吐出「無」である場合に、吐出に使用している全ての吐出ノズル46に対して、不吐出波形を印加する。これにより、どのような描画データに基づいて吐出しても、駆動周期毎の発熱量が一定となり、描画処理中において、インクジェットヘッド11の温度は、安定した状態を保つことができる。
【0037】
なお、予め描画処理開始時に、インクジェットヘッド11の温度を、発熱量と熱損失量が一定となる温度に上昇させておくと良い。これにより、描画処理中のインクジェットヘッド11の温度は、常に一定となるため、インクの粘度が変化せず、吐出量が安定し、描画処理開始時と継続描画処理中で、濃度差も生じないので、品質が安定する。
【0038】
次に、図6および図5(b)を参照して、第2実施形態のインクジェット記録装置1について特に異なる部分のみ説明する。図6に示すように、インクジェット記録装置1の制御装置5において、駆動波形生成部53は、吐出波形を生成し出力する吐出波形生成回路71と、不吐出波形を生成し出力する不吐出波形生成回路72と、を有している。図5(b)に示すように、吐出波形および不吐出波形は、タイミングを合わせて生成され、印加される。
【0039】
また、波形選択出力部54は、波形ポジション選択データに代えて、波形選択データを出力する。波形選択データは、どの波形生成回路71、72からの駆動波形を印加するかを示すデータである。波形選択出力部54は、任意の吐出ノズル46の有無データが、吐出「有」である場合(吐出ノズル46が駆動ノズルである場合)には、当該吐出ノズル46に対し、吐出波形生成回路71の駆動波形(吐出波形)を印加する旨の情報を出力し、任意の吐出ノズル46の有無データが、吐出「無」である場合には、当該吐出ノズル46に対し、不吐出波形生成回路72の駆動波形(不吐出波形)を印加する旨の情報を出力する。
【0040】
これに対し、スイッチ群56は、当該波形選択データと、ラッチ信号とに基づいて、各圧電素子43b(各吐出ノズル46)に対する駆動波形の転送のON/OFFを切り替える。すなわち、任意の吐出ノズル46における波形選択データが、吐出波形生成回路71の駆動波形(吐出波形)を印加する旨の情報を有している場合には、ラッチ信号を受けて、吐出波形生成回路71からの駆動波形における吐出ノズル46に対する転送をONにし、不吐出波形生成回路72の駆動波形における吐出ノズル46に対する転送をOFFにする。すなわち、吐出波形生成回路71からの駆動波形(吐出波形)を、吐出ノズル46に印加する。一方、任意の吐出ノズル46における波形選択データが、不吐出波形生成回路72の駆動波形(不吐出波形)を印加する旨の情報を有している場合には、吐出波形生成回路71からの駆動波形における吐出ノズル46に対する転送をOFFにし、不吐出波形生成回路72の駆動波形における吐出ノズル46に対する転送をONにする。すなわち、不吐出波形生成回路72からの駆動波形(不吐出波形)を、吐出ノズル46に印加する。このように、スイッチ群56は、波形選択データに基づいて、波形生成回路71、72を選択することで、駆動ノズルに対して吐出波形を印加し、非駆動ノズルに対し不吐出波形を印加する。
【0041】
次に図7および図5(c)を参照して、第3実施形態のインクジェット記録装置1について特に異なる部分のみ説明する。図7に示すように、インクジェット記録装置1の制御装置5において、描画データ生成部51は、描画データに、吐出量の大小、発熱量の大小のデータを付与して生成する。具体的には、各吐出ノズル46の有無データに対し、吐出「有」である場合(駆動ノズルである場合)には、吐出量の大小(吐出量「大」、吐出量「中」もしくは吐出量「小」)のデータを付与し、吐出「無」である場合(非駆動ノズルである場合)には、発熱量の大小(発熱量「大」、発熱量「中」もしくは発熱量「小」)のデータを付与する。
【0042】
一方、駆動波形生成部53は、第1駆動波形生成回路73と、第2駆動波形生成回路74と、上記分割信号生成回路62と、を有している。図5(c)に示すように、第1駆動波形生成回路73は、吐出量「中」の駆動ノズルに印加する第1吐出波形と、発熱量「小」の非駆動ノズルに印加する第2不吐出波形と、を一体に連ねて生成する。第2駆動波形生成回路74は、発熱量「中」の非駆動ノズルに印加する第1不吐出波形と、吐出量「小」の駆動ノズルに印加する第2吐出波形と、を一体に連ねて生成する。そして、1の駆動周期におけて、第1吐出波形と第1不吐出波形とは、タイミングを合わせて生成・印加され、第2吐出波形と第2不吐出波形とは、タイミングを合わせて生成・印加される。
【0043】
第1吐出波形は、吐出量「中」に設定された吐出量だけ、インクを吐出するための駆動波形である。第2吐出波形は、吐出量「小」に設定された吐出量だけ、インクを吐出するための駆動波形である。第1不吐出波形は、第1吐出波形の印加による圧電素子43bの発熱量と同一熱量となるように、圧電素子43bを発熱するための駆動波形である。第2不吐出波形は、第2吐出波形の印加による圧電素子43bの発熱量と同一熱量となるように、圧電素子43bを発熱するための駆動波形である。
【0044】
また、波形選択出力部54は、描画データに基づいて、波形ポジション選択データおよび波形選択データを出力する。これに対し、スイッチ群56は、波形ポジション選択データと、波形選択データと、ラッチ信号と、分割信号と、に基づいて、各圧電素子43b(各吐出ノズル46)に対する駆動波形の転送のON/OFFを切り替える。これにより、スイッチ群56は、第1吐出波形、第2吐出波形、第1不吐出波形および第2不吐出波形を選択的に、各圧電素子43bに印加する。具体的には、吐出量「小」の駆動ノズルに対し、第2吐出波形を印加し、吐出量「中」の駆動ノズルに対し、第1吐出波形を印加する。さらに、吐出量「大」の駆動ノズルに対し、第1吐出波形および第2吐出波形を印加する。一方、発熱量「小」の非駆動ノズルに対し、第2不吐出波形を印加し、一方、発熱量「中」の非駆動ノズルに対し、第1不吐出波形を印加する。さらに、発熱量「大」の非駆動ノズルに対し、第1不吐出波形および第2不吐出波形を印加する。
【0045】
以上の各実施形態の構成によれば、描画データに基づいて、非駆動ノズルに対し、不吐出波形を印加することで、駆動ノズルと非駆動ノズルとの間での温度差を極力少なくすることができる。別の言い方をすると、駆動ノズルとの発熱と非駆動ノズルの発熱とを均一化することができる。ひいては、描画処理中に、複数の吐出ノズル46における発熱の均一状態を維持することができ、インクの吐出量や吐出速度を均一化することができる。
【0046】
なお、インクジェットヘッド11は、周辺部に比べて中央部の温度が高くなり易く、ノズルプレート45のノズル面NFの温度を測定すると、ノズル面NFの周辺部より中央部の温度が高くなる傾向である。ノズルプレート45の温度は、比較的に、インクジェットヘッド11内のインクの温度に近いため、中央部のインクの温度の方が周辺部に比べて高いと言える。ただし、各吐出ノズル46に対応する発熱量が一定であれば、場所によって温度差を持つとしても、温度差を持ったまま、継続描画処理中のインクジェットヘッド11の温度は安定するため、各吐出ノズル46からのインクの吐出量も変動が少ない。そのため、ノズルプレート45の温度は、任意の箇所で測定した場合に、描画処理中に亘って一定を保つことが好ましい。
【0047】
また、吐出波形の印加電圧に対し、不吐出波形の印加電圧が5%以上80%以下とし、且つ1の駆動周期における不吐出波形の印加パルス数が2以上とすることで、印加電圧および印加パルス数を最適化することができ、非駆動ノズルに対し適切な発熱処理を行うことができる。
【0048】
また、第1実施形態によれば、吐出波形と不吐出波形とをタイミングをずらして印加することにより、不吐出波形の駆動による影響が抑制することができ、駆動ノズルの駆動を精度良く行うことができる。また、吐出波形と不吐出波形とを一体に連ねて生成することができるため、単一の駆動波形生成回路61により、両吐出波形を生成することができる。
【0049】
さらに、第2実施形態によれば、1の駆動周期において、吐出波形と不吐出波形とを、タイミングを合わせて印加することにより、駆動ノズルと非駆動ノズルとで発熱するタイミングが同じタイミングとなる。よって、駆動ノズルと非駆動ノズルとをより同じ状態にすることができ、より厳密に温度の均一状態を維持することができる。また、駆動周期を短くすることができるため、高密度、または単位時間当たりの吐出数を向上することができ、描画処理をより精度良く行うことができる。
【0050】
またさらに、第3実施形態によれば、吐出量の異なる吐出波形の駆動に合わせて、発熱量の異なる不吐出波形を駆動するため、吐出量を変えても、複数の吐出ノズル46における温度の均一状態を維持することができる。また、吐出波形と不吐出波形とを、タイミングを合わせて印加することで、発熱するタイミングを同タイミングにすることができると共に、駆動周期を短くすることができるため、高密度、または単位時間当たりの吐出数を向上することができ、描画処理をより精度良く行うことができる。さらに、第1吐出波形および第2不吐出波形、第1不吐出波形および第2吐出波形を一体に連ねて生成することができるため、駆動波形生成部53を簡単な構成にすることができる。
【0051】
なお、本実施形態においては、吐出波形および不吐出波形を、台形波で構成したが、これに限るものではなく。例えば、吐出波形のみ台形波とし、不吐出波形を発熱に適した別の形態に設計する構成であっても良い。また、不吐出波形は、吐出波形と同一熱量に発熱可能なものであれば、1の駆動周期で複数パルス分周するものに限らず、1の駆動周期に対し1パルスの不吐出波形を生成・印加する構成であっても良い。
【0052】
また、第3実施形態においては、駆動波形生成回路73、74を2個設け、3段階の吐出量制御を行う構成としたが、駆動波形生成回路73、74の個数を増やし、より多い段階数で吐出量制御を行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0053】
5:制御装置、 11:インクジェットヘッド、 43b:圧電素子、 46:吐出ノズル、 53:駆動波形生成部、 54:波形選択出力回路、 56:スイッチ群、 61:駆動波形生成回路、 71:吐出波形生成回路、 72:不吐出波形生成回路、 73:第1駆動波形生成回路、 74:第2駆動波形生成回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吐出ノズルを有し、前記各吐出ノズルに連なる圧電素子部への駆動波形の印加に伴って発熱する性質を有するインクジェットヘッドの駆動方法であって、
描画データに基づいて、インク吐出する前記吐出ノズルである駆動ノズルに対し、所定の駆動周期で、インク吐出を伴う前記駆動波形である吐出波形を印加し、前記駆動ノズル以外の前記吐出ノズルである非駆動ノズルに対し、前記駆動周期で、インク吐出を伴わない前記駆動波形である不吐出波形を印加し、
前記複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートの任意の箇所の温度が、描画処理中において一定となるように前記圧電素子部へ前記駆動波形を印加することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
【請求項2】
前記描画処理中において前記ノズルプレートの任意の箇所の温度が一定となるように、吐出開始時に予め前記インクジェットヘッドの温度を上昇させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
【請求項3】
前記描画データは、様々な吐出パターンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
【請求項4】
前記同一熱量となるように、前記不吐出波形を、1の前記駆動周期を分周して複数パルス印加することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
【請求項5】
前記吐出波形の印加電圧に対し、前記不吐出波形の印加電圧が5%以上80%以下であり、
且つ1の前記駆動周期における前記不吐出波形の印加パルス数が2以上であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
【請求項6】
1の前記駆動周期において、前記吐出波形と前記不吐出波形とがタイミングをずらして印加されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
【請求項7】
1の前記駆動周期において、前記吐出波形と前記不吐出波形とがタイミングを合わせて印加されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
【請求項8】
複数の吐出ノズルを有し、前記各吐出ノズルに連なる圧電素子部への駆動波形の印加に伴って発熱する性質を有するインクジェットヘッドの駆動装置であって、
インク吐出を伴う前記駆動波形である吐出波形と、インク吐出を伴わない前記駆動波形である不吐出波形とを生成する駆動波形生成部と、
生成した前記吐出波形および生成した前記不吐出波形を、所定の駆動周期で前記圧電素子部に印加する印加制御部と、を備え、
前記印加制御部は、描画データに基づいて、インク吐出する前記吐出ノズルである駆動ノズルに対し、前記吐出波形を印加し、前記駆動ノズル以外の前記吐出ノズルである非駆動ノズルに対し、前記不吐出波形を印加し、
前記複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートの任意の箇所の温度が、描画処理中において一定となるように前記圧電素子部へ前記駆動波形を印加することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
【請求項9】
前記駆動波形生成部は、吐出量「中」の駆動ノズルに印加する第1吐出波形と、吐出量「小」の駆動ノズルに印加する第2吐出波形と、前記第1吐出波形に対応する第1不吐出波形と、前記第2吐出波形に対応する第2不吐出波形と、を生成すると共に、
前記各駆動周期において、前記第1吐出波形と第2不吐出波形とを一体に連ねて生成する第1駆動波形生成回路と、
前記各駆動周期において、前記第1不吐出波形と第1吐出波形とを一体に連ねて生成する第2駆動波形生成回路と、を有し、
1の前記駆動周期において、前記第1吐出波形と前記第1不吐出波形とが、タイミングを合わせて印加され、前記第2吐出波形と前記第2不吐出波形とが、タイミングを合わせて印加されることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−214018(P2012−214018A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32451(P2012−32451)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】