説明

インクジェットヘッド

【課題】印刷領域全体にわたってノズルを配置するとともに、高解像度を実現できるインクジェットヘッドを得る。
【解決手段】本発明のインクジェットヘッド11は、基板12、共通液室14、枠部材13、第1から第3の駆動素子列21、22、23、第1から第3のノズル列31、32、33、を具備する。第1の駆動素子列21の一部は、第2の駆動素子列22の一部とオーバラップし、この領域において、第1のノズル列31と、第2のノズル列32とが千鳥状に配置する。第2の駆動素子列22の一部は、第3の駆動素子列23の一部とオーバラップし、この領域において、第2のノズル列32と第3のノズル列33とが千鳥状に配置する。第3の駆動素子列23の一部は、第1の駆動素子列21の一部とオーバラップし、この領域において、第3のノズル列33と第1のノズル列31とが千鳥状に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット方式のプリンタに用いられるインクジェットヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、印刷領域全体にわたってノズルを配置したライン式の複合ヘッドがある。この複合ヘッドでは、複数の印字ヘッドと、これら複数の印字ヘッドが搭載される基台とを有している。この複合ヘッドでは、基台状に各印字ヘッドを3列に並べるとともに、各印字ヘッドが千鳥状になるように配置して、印刷領域全体にわたって延びた長い複合ヘッドを構成している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この複合ヘッドの製造方法については、上記文献中に開示されていないが、少なくとも隣接する印字ヘッド同士は、連続したノズル列を構成する必要がある。このため、これら印字ヘッド同士は、ノズルピッチと同等のオーダー、すなわち10μm単位で、さらに高精度が必要となる場合は1μm単位で、位置合わせを行う必要がある。
【0004】
一方、印刷領域の全長と同等の長さを有する圧電部材を用いて、ライン式のインクジェットヘッドを1個のインクジェットヘッドで構成することも考えうる。
【特許文献1】特開2000−343716号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の複合ヘッドでは、各印字ヘッド同士を位置合わせする際に、顕微鏡下で確認しながら作業する必要があり、位置合わせに労力がかかる問題があった。また、各印字ヘッドの位置合わせには、専用の治具を用いる必要があり、コスト高にもつながる問題があった。一方、圧電部材は、機械的な強度が弱く、壊れ易いことが知られている。このため、後者の例のように印刷領域の全長と同じ長さの圧電部材を用いると、ハンドリング性が悪く、量産性においても劣るという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、印刷領域全体にわたってノズルを配置するとともに、高解像度を実現できるインクジェットヘッドを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの形態に係るインクジェットヘッドは、基板と、前記基板に固定された枠部材と、前記枠部材の内側に位置する共通液室と、前記共通液室内に設けられるとともに、主走査方向と直交する方向にそれぞれ延びる第1から第3の駆動素子列と、前記第1の駆動素子列に対応する第1のノズル列と、前記第2の駆動素子列に対応する第2のノズル列と、前記第3の駆動素子列に対応する第3のノズル列と、を具備し、前記第1の駆動素子列の一部は、前記主走査方向と直交する方向において、前記第2の駆動素子列の一部とオーバラップするとともに、このオーバラップした領域において、前記第1のノズル列と、前記第2のノズル列とが千鳥状に配置し、前記第2の駆動素子列の一部は、前記主走査方向と直交する方向において、前記第3の駆動素子列の一部とオーバラップするとともに、このオーバラップした領域において、前記第2のノズル列と、前記第3のノズル列とが千鳥状に配置し、前記第3の駆動素子列の一部は、前記主走査方向と直交する方向において、前記第1の駆動素子列の一部とオーバラップするとともに、このオーバラップした領域において、前記第3のノズル列と、前記第1のノズル列とが千鳥状に配置する。
【0008】
この場合、前記第1から第3の駆動素子列は、それぞれ複数の駆動素子を含み、前記第1から第3の駆動素子列の前記駆動素子は、前記基板に固定された圧電部材に対して、機械加工を行うことにより形成されることが好ましい。この機械加工は、溝加工であり、前記前記第1から第3の駆動素子列の前記駆動素子は、シェアモード型である。また、前記第1のノズル列と、前記第2のノズル列と、前記第3のノズル列と、が形成されるノズルプレートを具備し、前記第1から第3のノズル列は、複数のノズルを含み、第1から第3のノズル列の前記ノズルは、前記枠部材に固定された状態で前記ノズルプレートに加工することにより形成されるとよい。この場合、前記ノズルは、レーザ加工により形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1の駆動素子列は第2の駆動素子列にオーバラップし、第2の駆動素子列は第3の駆動素子列にオーバラップするとともに、第3の駆動素子列は第1の駆動素子列にオーバラップしている。このため、主走査方向と直交する方向において、切れ目のない長尺のインクジェットヘッドを構成できる。また、前記第1のノズル列の前記ノズルと、前記第2のノズル列の前記ノズルとが千鳥状に配置し、前記第2のノズル列の前記ノズルと、前記第3のノズル列の前記ノズルとが千鳥状に配置し、第3のノズル列の前記ノズルと、前記第1のノズル列の前記ノズルとが千鳥状に配置しているため、通常のインクジェットヘッドに対して解像度を2倍にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1と図2に示すように、インクジェットヘッド11は、いわゆるシェアモードシェアウォール型のヘッドであり、インク循環式のもので構成されている。インクジェットヘッド11は、基板12と、基板12に固定された枠部材13と、枠部材13の内側に位置する共通液室14と、枠部材13に固定されるとともに、共通液室14の一の面をなしているノズルプレート15と、共通液室14内に設けられた第1から第3の駆動素子列21、22、23と、を備えている。基板12は、例えばセラミックスで構成され、インクの供給口24および排出口25を有している。
【0011】
ノズルプレート15は、枠部材13と、第1から第3の駆動素子列21、22、23とに固定されている。ノズルプレート15は、第1のノズル列31と、第2のノズル列32と、第3のノズル列33と、を備えている。第1のノズル列31は、第1の駆動素子列21に対応している。第2のノズル列32は、第2の駆動素子列22に対応している。第3のノズル列33は、第3の駆動素子列23に対応している。第1から第3のノズル列31、32、33は、それぞれ複数のノズル34を含んでいる。
【0012】
図3と図5に示すように、第1から第3の駆動素子列21、22、23は、主走査方向D1において所定の間隔で分離して配置している。第1から第3の駆動素子列21、22、23は、主走査方向と直交する方向D2にそれぞれ延びている。第1の駆動素子列21は、例えば、第1の駆動ブロックA1、第2の駆動ブロックA2、および第3の駆動ブロックA3を有している。第2の駆動素子列22は、例えば、第1の駆動ブロックB1、第2の駆動ブロックB2、および第3の駆動ブロックB3を有している。第3の駆動素子列23は、例えば、第1の駆動ブロックC1、第2の駆動ブロックC2、および第3の駆動ブロックC3を有している。もっとも、第1から第3の駆動素子列21、22、23に含まれる各駆動ブロックA1〜A3、B1〜B3、C1〜C3の数は、3個に限られるものではなく、2個以下であってもよいし、4個以上であってもよい。また、図5に示すように、インクジェットヘッド11は、第1の駆動ブロックA1,B1,C1、第2の駆動ブロックA2,B2,C2、第3の駆動ブロックA3,B3,C3にそれぞれ接続された電気配線35を備えている。
【0013】
図2から図4に示すように、第1の駆動ブロックA1、B1、C1、第2の駆動ブロックA2、B2、C2、第3の駆動ブロックA3、B3、C3は、それぞれPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)製の2枚の圧電部材36a,36bを互いに分極方向が対向するように張り合わせて形成されている。第1の駆動ブロックA1、B1、C1、第2の駆動ブロックA2、B2、C2、第3の駆動ブロックA3、B3、C3は、それぞれ断面台形状をなしている。図4に示すように、第1の駆動ブロックA1、B1、C1、第2の駆動ブロックA2、B2、C2、第3の駆動ブロックA3、B3、C3は、ノズル34に連なる圧力室37と、圧力室37の両側部に設けられる駆動素子である支柱38と、支柱38の側面および圧力室37の底部に設けられる電極41と、をそれぞれ複数備えている。駆動素子である支柱38は、シェアモード型の吐出駆動方式を採用している。
【0014】
図5に示すように、第1の駆動素子列21の第1の駆動ブロックA1の一部は、主走査方向と直交する方向D2において、第2の駆動素子列22の第1の駆動ブロックB1の一部とオーバラップしている。同様に、第2の駆動素子列22の第1の駆動ブロックB1の一部は、主走査方向と直交する方向D2において、第3の駆動素子列23の第1の駆動ブロックC1の一部とオーバラップしている。さらに、第3の駆動素子列23の第1の駆動ブロックC1の一部は、主走査方向と直交する方向D2において、第1の駆動素子列21の第2の駆動ブロックA2の一部とオーバラップしている。
【0015】
図6に示すように、第1のノズル列31は、第2、第3の駆動ブロックA2、A3に対応する位置に、それぞれ例えば100個のノズル34を配置している。第1のノズル列31は、第1の駆動ブロックA1に対応する位置に、例えば50個のノズル34を配置している。第2のノズル列32は、第1から第3の駆動ブロックB1〜B3に対応する位置に、それぞれ例えば100個のノズル34を配置している。第3のノズル列33は、第1、第2の駆動ブロックC1、C2に対応する位置に、それぞれ例えば100個のノズル34を配置している。第3のノズル列33は、第3の駆動ブロックC3に対応する位置に、例えば、50個のノズル34を配置している。
【0016】
第1のノズル列31のノズル34と、第2のノズル列32のノズル34とは、第1の駆動ブロックA1と第1の駆動ブロックB1とがオーバラップした領域において、千鳥状、すなわち主走査方向と直交する方向D2において交互に配置している。より具体的には、例えば、第1の駆動ブロックA1の上側には、1番、3番、97番、99番といった奇数番のノズル34が一列に並び、第1の駆動ブロックB1の上側には、2番、4番、98番、100番といった偶数番のノズル34が一列に並んでいる。これによって、当該オーバラップ領域において、通常のシェアモード型のインクジェットヘッド11のノズルピッチに比して2倍の解像度を実現している。
【0017】
第1の駆動ブロックB1と第1の駆動ブロックC1とがオーバラップした領域において、第2のノズル列32のノズル34と、第3のノズル列33のノズル34とが千鳥状、すなわち主走査方向と直交する方向D2において交互に配置している。より具体的には、例えば、第1の駆動ブロックB1の上側には、102番、104番、198番、200番といった偶数番のノズル34が一列に並び、第1の駆動ブロックC1の上側には、101番、103番、199番、201番といった奇数番のノズル34が一列に並んでいる。これによって、当該オーバラップ領域において、2倍の解像度が実現される。
【0018】
第1の駆動ブロックC1と第2の駆動ブロックA2とがオーバラップした領域において、第3のノズル列33のノズル34と、第1のノズル列31のノズル34とが千鳥状、すなわち主走査方向と直交する方向D2において交互に配置している。この場合も、例えば、第1の駆動ブロックC1の上側には、201番、203番といった奇数番のノズル34が一列に並び、第2の駆動ブロックA2の上側には、202番、204番といった偶数番のノズル34が一列に並んでいる。これにより、当該オーバラップ領域で2倍の解像度が実現される。
【0019】
以下同様に、第2の駆動ブロックA2と第2の駆動ブロックB2とがオーバラップした領域、第2の駆動ブロックB2と第2の駆動ブロックC2とがオーバラップした領域、第2の駆動ブロックC2と第3の駆動ブロックA3とがオーバラップした領域、第3の駆動ブロックA3と第3の駆動ブロックB3とがオーバラップした領域、および第3の駆動ブロックB3と第3の駆動ブロックC3とがオーバラップした領域においても、各ノズル34が千鳥状に並び、高解像度のインクジェットヘッド11が実現されている。
【0020】
このインクジェットヘッド11では、図5に示すように、解像度が2倍になっている領域を使用領域としている。すなわち、本実施形態では、第1の駆動ブロックB1の端部から、第3の駆動ブロックB3の端部に至る領域を使用領域としている。
【0021】
ここで、インクジェットヘッド11の動作について説明する。上記構成のインクジェットヘッド11をプリンタに搭載して、このプリンタで印刷処理を行うには、プリンタのインクタンクからインクジェットヘッド11にインクを供給する必要がある。インクの供給は、供給口24を介して行われ、インクタンクから流出したインクは、供給口24を経由して圧力室37内に満たされる。圧力室37内で使用されなかったインクは、排出口25によってインクタンクに回収される。
【0022】
この状態で、ユーザがプリンタに対して印刷を指示すると、プリンタの制御部は、インクジェットヘッド11に対して印字信号をドライバICに出力する。印刷信号を受けたドライバICは、電気配線35を介して駆動パルス電圧を支柱38に印加する。これにより、図4に示すように、左右一対の支柱38は、シェアモード変形を行って湾曲するように離反する。そして、これらを初期位置に復帰させて圧力室37のインクを加圧することで、ノズル34からインク滴が勢い良く吐出される。
【0023】
本実施形態のインクジェットヘッド11の製造工程について説明する。図3と図6に示すように、ステップS1において、基板12に対して、第1から第3の駆動素子列21、22、23に含まれる第1から第3の駆動ブロックA1〜A3、B1〜B3、C1〜C3となる圧電部材36を例えば接着剤等を用いて接着する。圧電部材36は、短冊形の板状をなしている。圧電部材36は、上記した第1から第3の駆動ブロックA1〜A3、B1〜B3、C1〜C3の配置となるように、基板12に対して接着される。
【0024】
本実施形態では、後述するように、基板12に圧電部材36を接着した後にステップS3において圧電部材36に機械加工を加える。このため、圧電部材36の接着位置は、それほど厳密ではなく、0.1mmから1mm程度の誤差は許容される。圧電部材36は、2枚の圧電部材36a、36bを互いの分極方向が対向するように接着して、予め一体になったものを使用する。
【0025】
ステップS2において、圧電部材36に対して、面取り加工を行って、図3に示すように、圧電部材36を断面台形状にする。この面取り加工により、ステップS4で行う金属配線形成の際に、傾斜面に形成された金属膜に対してレーザによって配線パターンを形成できる。
【0026】
ステップS3において、圧電部材36に対して、例えば工作機械により機械加工である溝加工を行って、圧力室37と、圧力室37の両側部に位置して駆動素子となる支柱38とを複数個形成する。溝加工は、例えばダイシングソーによって、圧電部材36に対して切削加工を施して行われる。溝加工により、圧電部材36は、第1から第3の駆動ブロックA1〜A3、B1〜B3、C1〜C3として形成される。
【0027】
ステップS4において、基板12に対して例えば無電解メッキ等を施して、配線用の金属膜を基板12の上面全体に付着させる。金属膜の形成方法は、無電解メッキ法に限られず、例えばスパッタリング法等その他の薄膜形成方法であっても良い。金属膜に対して、レーザ加工を行って、電気配線35のパターンを形成する。このとき、電気配線35は、図5に示すように、基板12の両側に引き出すよう形成する。特に、第2の駆動素子列22に含まれる第1から第3の駆動ブロックB1〜B3は、隣接する第1から第3の駆動ブロックA1〜A3、C1〜C3を迂回して、基板12の両側に引き出すようにする。
【0028】
ステップS5において、第1から第3の駆動素子列21、22、23の周囲を囲むように、基板12に対して枠部材13を接着する。枠部材13により、共通液室14が形成される。ステップS6において、ノズルプレート15を枠部材13と第1から第3の駆動素子列21、22、23とに接着する。枠部材13に接着されたノズルプレート15に対して、ステップS7において、レーザ加工により第1のノズル列31、第2のノズル列32、第3のノズル列33の各ノズル34を形成する。もっとも、ノズルプレート15は、予め各ノズル34が形成されたものを用いても良い。この場合には、枠部材13に対してノズルプレート15を位置合わせして、ノズルプレート15を接着する。
【0029】
最後に、枠部材13よりも外側に引き出された電気配線35に対して、図示しないドライバICと電気的に接続する。電気的な接続は、例えばワイヤボンディング法によって行うようにする。もっとも、電気的な接続方法としてはこれに限定されるものではなく、例えば、TABに接続されたドライバICを基板12に直接実装する方法もとりうる。以上により、インクジェットヘッド11の製造工程が終了する。
【0030】
本実施形態によれば、第1の駆動素子列21は第2の駆動素子列22にオーバラップし、第2の駆動素子列22は第3の駆動素子列23にオーバラップするとともに、第3の駆動素子列23は第1の駆動素子列21にオーバラップしている。このため、主走査方向と直交する方向D2において、切れ目のない長尺のインクジェットヘッド11を構成できる。また、これらのオーバラップ領域において、第1のノズル列31のノズル34と、第2のノズル列32のノズル34とが千鳥状に配置し、第2のノズル列32のノズル34と、第3のノズル列33のノズル34とが千鳥状に配置し、第3のノズル列33のノズル34と、第1のノズル列31のノズル34とが千鳥状に配置する。このため、通常のシェアモード型インクジェットヘッド11に比して、解像度が2倍になった高解像度ヘッドを得ることができる。
【0031】
また、第1から第3の駆動素子列21、22、23に含まれる駆動素子は、基板12上に設けられた短冊状の圧電部材36に対して、機械加工を行うことにより形成される。すなわち、駆動素子は、圧電部材36を基板12に接着した後に機械加工で形成されるため、圧電部材36を基板12に接着する際には、ノズルピッチオーダー、例えば10μm単位や1μm単位での位置決めを必要することなく、例えば、0.1mmから1mm程度の誤差であっても許容することができる。このため、圧電部材36を接着する際に、圧電部材36の位置決めに労力を要することなく、製造コストを削減できる。
【0032】
また、第1から第3のノズル列31、32、33のノズル34は、枠部材13に固定されたノズルプレート15に対してレーザ加工を行うことにより形成される。このため、ノズルプレート15を枠部材13に接着する際に、厳密な位置合わせをする必要がない。これにより、ノズルプレート15の接着に際して、労力を要することがなく、インクジェットヘッド11の製造効率の向上及び製造コスト削減を図ることができる。また、機械加工時の精度が完成品のインクジェットヘッド11において維持されているため、高精度なインクジェットヘッド11を得ることができる。
【0033】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではない。このほか、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態に係るインクジェットヘッドを示す斜視図。
【図2】図1に示すF2−F2線の位置でインクジェットヘッドを切断して示す断面図。
【図3】図2に示すインクジェットヘッドの第1から第3の駆動素子列を示す斜視図。
【図4】図1に示すインクジェットヘッドを縦方向に切断して示す断面図。
【図5】図1に示すF5−F5線の位置でインクジェットヘッドを切断して示す断面図。
【図6】図1に示されるインクジェットヘッドの第1から第3の駆動素子列と、第1から第3のノズル列とを示す上面図。
【図7】実施形態のインクジェットヘッドの製造工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0035】
11…インクジェットヘッド、12…基板、13…枠部材、14…共通液室、15…ノズルプレート、21…第1の駆動素子列、22…第2の駆動素子列、23…第3の駆動素子列、31…第1のノズル列、32…第2のノズル列、33…第3のノズル列、34…ノズル、35…電気配線、36…圧電部材、38…支柱、D1…主走査方向、D2…主走査方向と直交する方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に固定された枠部材と、
前記枠部材の内側に位置する共通液室と、
前記共通液室内に設けられるとともに、主走査方向と直交する方向にそれぞれ延びる第1から第3の駆動素子列と、
前記第1の駆動素子列に対応する第1のノズル列と、
前記第2の駆動素子列に対応する第2のノズル列と、
前記第3の駆動素子列に対応する第3のノズル列と、
を具備し、
前記第1の駆動素子列の一部は、前記主走査方向と直交する方向において、前記第2の駆動素子列の一部とオーバラップするとともに、このオーバラップした領域において、前記第1のノズル列と、前記第2のノズル列とが千鳥状に配置し、
前記第2の駆動素子列の一部は、前記主走査方向と直交する方向において、前記第3の駆動素子列の一部とオーバラップするとともに、このオーバラップした領域において、前記第2のノズル列と、前記第3のノズル列とが千鳥状に配置し、
前記第3の駆動素子列の一部は、前記主走査方向と直交する方向において、前記第1の駆動素子列の一部とオーバラップするとともに、このオーバラップした領域において、前記第3のノズル列と、前記第1のノズル列とが千鳥状に配置することを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
前記第1から第3の駆動素子列は、それぞれ複数の駆動素子を含み、
前記第1から第3の駆動素子列の前記駆動素子は、前記基板に固定された圧電部材に対して、機械加工を行うことにより形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
前記機械加工は、溝加工であり、
前記前記第1から第3の駆動素子列の前記駆動素子は、シェアモード型であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【請求項4】
前記第1のノズル列と、前記第2のノズル列と、前記第3のノズル列と、が形成されるノズルプレートを具備し、
前記第1から第3のノズル列は、複数のノズルを含み、
前記第1から第3のノズル列の前記ノズルは、前記枠部材に固定された前記ノズルプレートに対する加工により形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインクジェットヘッド。
【請求項5】
前記ノズルは、レーザ加工により形成されることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−30317(P2008−30317A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206634(P2006−206634)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】