説明

インバータ一体型電動圧縮機

【課題】インバータ装置の組み込みを容易化し、生産性を向上するとともに、インバータ収容部の防水性を高めることが可能なインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】インバータ装置13に対しグロメット28を介して配線ケーブル26が接続されているインバータ一体型電動圧縮機1において、インバータ収容部10にその上縁にかかるように設けられたグロメット設置部27と、配線ケーブル26が貫通される複数個の貫通孔29が一端側から他端側にかけて設けられるスリット30により2分可能に切断されているグロメット28と、を備え、グロメット28を貫通孔29に配線ケーブル26が挿通された状態でその外周をグロメット設置部27に密着させて設置し、カバー部材12を介して締め付け変形させることにより、配線ケーブル26のインバータ収容部10への導入部をシールしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングの外周にインバータ装置が一体に組込まれている車載空調装置用のインバータ一体型電動圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載される空調装置用の圧縮機として、インバータ装置が一体に組込まれている電動圧縮機が用いられている。このインバータ一体型電動圧縮機は、電動モータと圧縮機構とが内蔵されるハウジングの外周にインバータ収容部(インバータボックス)が設けられ、その内部に高電圧電源ユニットから供給される直流電力を三相交流電力に変換し、ガラス密封端子を介して電動モータに給電するインバータ装置が組込まれた構成とされている。
【0003】
インバータ装置は、一般に高電圧電源ラインに設けられる平滑コンデンサやノーマルモードコイル、コモンモードコイル等の高電圧系部品と、IGBT等の半導体スイッチング素子により構成されるスイッチング回路が実装されているパワー系基板と、CPU等の低電圧で動作する素子により構成される制御通信回路が実装されているCPU基板等とを備えており、これが電動圧縮機のハウジング外周に設けられているインバータ収容部内に組込まれることにより一体化されている。
【0004】
CPU基板に設けられている制御通信回路は、車両側の上位制御装置、すなわち車両側ECU(Electric Control Unit)と配線ケーブルを介して接続されている。また、インバータ装置は、防湿/防水が必要であり、一部の電装品を樹脂封入したり、インバータ収容部内にゲル材を充填したりするとともに、インバータ収容部をカバー部材によって密閉シールし、防水構造としている。このため、インバータ装置に接続される配線ケーブルは、グロメットを介してインバータ収容部内に貫通されている。
【0005】
一方、グロメットや防水パッキンを用いた配線ケーブル貫通部の防水構造の例が、特許文献1,2に示されている。これら特許文献1,2には、ケーブルを通す貫通孔を備えた防水パッキンにスリットを設け、このスリットを介して貫通孔にケーブルを挿通することによりコネクタを備えたケーブルのパッキンへの挿通を容易化するとともに、防水パッキンをテーパ面に対して締め付け圧縮変形させて貫通孔を縮径することにより防水性を確保するようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2874690号公報
【特許文献2】実用新案登録第2560549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、インバータ一体型電動圧縮機において、インバータ装置に接続される配線ケーブルの本数は、少なくても3本、多いものでは例えば8本というように、車両メーカーや車種等によって異なることが多い。このため、特許文献1,2に示されるように、複数個の貫通孔毎に個々にスリットを設け、個々に貫通孔にケーブルを挿通するようにしたものでは、ケーブル本数が多くなるほど作業効率が低下し、必ずしも組立ての容易化や生産性の向上には繋がらないという問題があった。また、スリット数が多くなるほど、防水性低下のリスクが高くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、配線ケーブルの挿通を含むインバータ装置の組込みを容易化し、生産性を向上するとともに、インバータ収容部の防水性を高めることが可能なインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、ハウジングの外周に開口部がカバー部材により密閉可能とされたインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部内にインバータ装置が収容設置されてとともに、該インバータ装置に対しグロメットを介して前記インバータ収容部を貫通された配線ケーブルが接続されているインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータ収容部にその上縁にかかるように設けられたグロメット設置部と、前記配線ケーブルが貫通される複数個の貫通孔が一端側から他端側にかけて設けられるスリットにより2分可能に切断されているグロメットと、を備え、前記グロメットを前記貫通孔に前記配線ケーブルが挿通された状態でその外周を前記グロメット設置部に密着させて設置し、前記カバー部材を介して締め付け変形させることにより、前記配線ケーブルの前記インバータ収容部への導入部がシールされていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、インバータ収容部にその上縁にかかるように設けられたグロメット設置部と、配線ケーブルが貫通される複数個の貫通孔が一端側から他端側にかけて設けられるスリットにより2分可能に切断されているグロメットと、を備え、グロメットを貫通孔に配線ケーブルが挿通された状態でその外周をグロメット設置部に密着させて設置し、カバー部材を介して締め付け変形させることにより、配線ケーブルのインバータ収容部への導入部がシールされているため、配線ケーブルを1本ずつグロメットの貫通孔に挿通する必要がなく、スリットを介して複数本同時に貫通孔に挿通することができ、このグロメットをインバータ収容部のグロメット設置部に外周部を密着させて設置し、インバータ収容部を密閉するカバー部材を介して締め付け変形させることにより、貫通孔を縮径して配線ケーブルの導入部を水密にシールすることができる。従って、複数本の配線ケーブルの挿通を含むインバータ装置のインバータ収容部への組込みを容易化し、生産性を向上することができるとともに、インバータ収容部への配線ケーブル導入部を確実にシールし、防水性を高めることができる。また、インバータ収容部に固定されるカバー部材を介してグロメットを締め付けるようにしているため、締め付け用の部材を不要とし構成の簡素化を図ることができる。
【0011】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記グロメットは、前記グロメット設置部との間に設けられる凹凸またはOリングを介して前記グロメット設置部に密着されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、グロメットがグロメット設置部との間に設けられる凹凸またはOリングを介してグロメット設置部に密着されているため、カバー部材を介してグロメットを締め付けることにより、グロメットとインバータ収容部のグロメット設置部との間についても確実に水密にシールすることができる。従って、インバータ収容部の防水性に対する信頼性を一段と高めることができる。
【0013】
さらに、本発明にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、ハウジングの外周に開口部がカバー部材により密閉可能とされたインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部内にインバータ装置が収容設置されているとともに、該インバータ装置に対しグロメットを介して前記インバータ収容部を貫通された配線ケーブルが接続されているインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータ収容部に設けられたグロメット設置孔と、該グロメット設置孔に嵌入可能で先端に向ってテーパ状とされている筒部およびその基端に設けられている締め付け用鍔部を有し、前記配線ケーブルが貫通される複数個の貫通孔が一端側から他端側にかけて設けられるスリットにより2分可能に切断されているグロメットと、該グロメットの前記締め付け用鍔部の外面側を覆い、該締め付け用鍔部を前記インバータ収容部に対して締め付け固定するカバーと、を備え、前記グロメットを前記貫通孔に前記配線ケーブルが挿通された状態で前記グロメット設置孔に嵌入し、前記カバーを介して前記締め付け用鍔部を締め付け変形させることによって、前記配線ケーブルの前記インバータ収容部への導入部がシールされていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、インバータ収容部に設けられたグロメット設置孔と、グロメット設置孔に嵌入可能で先端に向ってテーパ状とされた筒部およびその基端に設けられている締め付け用鍔部を有し、配線ケーブルが貫通される複数個の貫通孔が一端側から他端側にかけて設けられるスリットにより2分可能に切断されているグロメットと、該グロメットの締め付け用鍔部の外周側を覆い、該締め付け用鍔部をインバータ収容部に対して締め付け固定するカバーと、を備え、グロメットを貫通孔に配線ケーブルが挿通された状態でグロメット設置孔に嵌入し、カバーを介して締め付け用鍔部を締め付け変形させることにより、配線ケーブルのインバータ収容部への導入部がシールされているため、配線ケーブルを1本ずつグロメットの貫通孔に挿通する必要がなく、スリットを介して複数本同時に貫通孔に挿通することができ、このグロメットの筒部をインバータ収容部のグロメット設置孔に嵌入し、締め付け用鍔部を外面側からカバーを介して締め付け変形させることにより、貫通孔を縮径して配線ケーブルの導入部を水密にシールすることができる。従って、複数本の配線ケーブルの挿通を含むインバータ装置のインバータ収容部への組込みを容易化し、生産性を向上することができるとともに、インバータ収容部への配線ケーブル導入部を確実にシールし、防水性を高めることができる。さらに、グロメットの締め付け用鍔部を専用のカバーによって締め付けるようにしているため、筒部を均一に精度よく変形することができ、配線ケーブルの導入部およびグロメットとその設置孔との間をそれぞれ確実に水密状態にシールすることができる。
【0015】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記グロメットのテーパ状とされた前記筒部には、その基端から所定寸法位置に段差部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、グロメットのテーパ状とされた筒部の基端から所定寸法位置に段差部が設けられているため、インバータ収容部のグロメット設置孔に段差部を挿通し、その内面側に段差部を密着させた状態でグロメットを変形させて設置することができる。これによって、グロメットによる防水機能を一段と向上することができる。
【0017】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記貫通孔は、複数個毎に複数列に設けられ、各列の複数個の前記貫通孔は、それぞれ前記スリットを介して2分可能に切断されていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、貫通孔が、複数個毎に複数列に設けられ、各列の複数個の貫通孔がそれぞれスリットを介して2分可能に切断されているため、配線ケーブルの本数が多い場合には、貫通孔を複数列に設けたグロメットを用いることにより対応することができ、各列の貫通孔に対しては、それぞれ配線ケーブルを一端からスリットを介して複数本同時に挿通することができる。従って、車両側の制御装置の仕様により配線ケーブルの本数が異なる場合でも、グロメットの交換のみで容易に対応することができる。
【0019】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記カバーは、樹脂製カバーまたは金属製カバーのいずれかとされていることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、カバーが、樹脂製カバーまたは金属製カバーのいずれかとされているため、電動圧縮機の車両への搭載環境により、締め付け強度、耐熱温度、ノイズ遮蔽、コスト等の条件を考慮して樹脂製カバーまたは金属製カバーのいずれかを選択することができる。従って、金属製カバーの選択により樹脂製カバーに対して強度、耐熱温度、ノイズ遮蔽の何れにおいても高い効果を得ることができ、一方、樹脂製カバーを選択することにより金属製カバーに対して、コスト低減効果を得ることができる。
【0021】
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記カバーには、前記締め付け用鍔部を締め付ける面とは反対側の外面に、外方に向って漸次縮小されるように筒状に突出された前記配線ケーブルに対する振れ止め部が設けられていることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、カバーの締め付け用鍔部を締め付ける面とは反対側の外面に、外方に向って漸次縮小されるように筒状に突出された配線ケーブルに対する振れ止め部が設けられているため、グロメットに貫通されている配線ケーブルの振動による振れをカバーに設けられている振れ止め部によって抑制することができる。従って、配線ケーブルの振れによる防水性の低下を防止することができるとともに、筒状の振れ止め部が外方に向って漸次縮小されているため、カバーによるノイズ遮蔽効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のインバータ一体型電動圧縮機によると、配線ケーブルを1本ずつグロメットの貫通孔に挿通する必要がなく、スリットを介して複数本同時に貫通孔に挿通することができ、このグロメットをインバータ収容部のグロメット設置部に外周部を密着させて設置し、インバータ収容部を密閉するカバー部材を介して締め付け変形させることにより、貫通孔を縮径して配線ケーブルの導入部を水密にシールすることができるため、複数本の配線ケーブルの挿通を含むインバータ装置のインバータ収容部への組込みを容易化し、生産性を向上することができるとともに、インバータ収容部への配線ケーブル導入部を確実にシールし、防水性を高めることができる。また、インバータ収容部に固定されるカバー部材を介してグロメットを締め付けるようにしているため、締め付け用の部材を不要とし構成の簡素化を図ることができる。
【0024】
また、本発明のインバータ一体型電動圧縮機によると、配線ケーブルを1本ずつグロメットの貫通孔に挿通する必要がなく、スリットを介して複数本同時に貫通孔に挿通することができ、このグロメットの筒部をインバータ収容部のグロメット設置孔に嵌入し、締め付け用鍔部を外面側からカバーを介して締め付け変形させることにより、貫通孔を縮径して配線ケーブルの導入部を水密にシールすることができるため、複数本の配線ケーブルの挿通を含むインバータ装置のインバータ収容部への組込みを容易化し、生産性を向上することができるとともに、インバータ収容部への配線ケーブル導入部を確実にシールし、防水性を高めることができる。さらに、グロメットの締め付け用鍔部を専用のカバーによって締め付けるようにしているため、筒部を均一に精度よく変形することができ、配線ケーブルの導入部およびグロメットとその設置孔との間をそれぞれ確実に水密状態にシールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機の側面図である。
【図2】図1に示すインバータ一体型電動圧縮機のインバータ収容部の部分平面図である。
【図3】図1に示すインバータ一体型電動圧縮機のインバータ装置の斜視図である。
【図4】図3に示すインバータ装置に接続される配線ケーブルを配線するグロメットのスリットを開いた状態の構成図(A)と閉じた状態の構成図(B)である。
【図5】図3に示すインバータ装置に接続される配線ケーブルを配線するグロメットの他例の構成図である。
【図6】図4、図5に示すグロメットの2つの設置状態を示す横断面図(A)および(B)である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機のグロメット設置部の側面図(A)とその縦断面図(B)である。
【図8】図7に示す第2実施形態に係るグロメット設置部の変形例の側面図(A)とその縦断面図(B)である。
【図9】本発明の第3実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機のグロメット設置部の縦断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機のグロメット設置部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機の外観側面図が示され、図2には、そのインバータ収容部の部分平面図が示され、図3には、インバータ装置の概略斜視図が示されている。
【0027】
車両用空調装置に適用されるインバータ一体型電動圧縮機1は、その外殻を構成する耐圧構造のハウジング2を備えている。この耐圧構造のハウジング2は、図示省略の電動モータが収容されるモータハウジング3と、図示省略の圧縮機構が収容される圧縮機ハウジング4とをボルト5で一体に締め付け固定することによって構成される。このモータハウジング3および圧縮機ハウジング4は、耐圧容器として十分強度を確保できるようにアルミダイカスト製とされている。
【0028】
ハウジング2内に内蔵される図示省略の電動モータおよび圧縮機構は、図示省略のモータ軸を介して連結され、電動モータの回転によって圧縮機構が駆動されるように構成されている。モータハウジング3の一端側(図1の左側)には、冷媒吸入ポート6が設けられており、この冷媒吸入ポート6からモータハウジング3内に吸入された低温低圧の冷媒ガスは、電動モータの周囲をモータ軸線L方向に沿って流通後、圧縮機構に吸い込まれて圧縮される。圧縮機構により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、圧縮機ハウジング4内に吐き出された後、圧縮機ハウジング4の一端側(図1の右側)に設けられている吐出ポート7から外部へと送出されるように構成されている。
【0029】
ハウジング2には、モータハウジング3の一端側(図1の左側)の下部および圧縮機ハウジング4の下部側の2箇所と、圧縮機ハウジング4の上部側の1箇所との計3箇所に取り付け脚8A,8B,8Cが設けられている。インバータ一体型電動圧縮機1は、この取り付け脚8A,8B,8Cが車両のエンジンルーム内に設置されている走行用原動機の側壁等にブラケットおよびボルトを介して固定設置されることにより搭載されるようになっている。一般にインバータ一体型電動圧縮機1は、固定ブラケットを介してそのモータ軸線L方向が車両の前後方向または左右方向に向けられ、上下3点もしくは4点で片持ち状態に支持されることが多い。
【0030】
また、モータハウジング3の外周部には、その上方部にインバータ収容部10が一体に成形されている。インバータ収容部10は、上面が開放された所定高さの周囲壁により囲われたボックス構造とされており、その上面開口部は、図示省略のシール材を介してビス11等でビス止めされるカバー部材12により水密状態に密閉シールされている。インバータ収容部10の内部には、高電圧電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換して電動モータに給電するインバータ装置13が組み込まれ、空調負荷に応じて電動圧縮機の回転数を可変制御できるように構成されている。インバータ装置13は、高電圧電源ラインに設けられる図示省略の平滑コンデンサやノーマルモードコイル、コモンモードコイル等の高電圧系部品と、インバータモジュール14とを備えている。
【0031】
インバータモジュール14は、図3に示されるように、図示省略されたIGBT等の複数個の半導体スイッチング素子により構成される公知のスイッチング回路が実装されているアルミ板材からなるパワー系基板(図示省略)と、樹脂製ケース15とがインサート成形により一体化されたパワーモジュール16を備えている。樹脂製ケース15には、パワー系基板の他、高電圧電源ラインが接続されるP−N端子17やガラス密封端子18(図1参照)を介して電動モータに三相交流電力を給電するU−V−W端子19、アース20およびアース端子21、パワー系基板と後述するCPU基板24との間を接続する多数の接続端子22等が一体にインサート成形されている。
【0032】
樹脂製ケース15は、矩形形状とされており、インバータ収容部10の電源ケーブル取り出し口が設けられている側面に沿う一辺にP−N端子17が突出され、これに隣接する圧縮機ハウジング4側に近い一辺にU−V−W端子19が突出されている。また、樹脂製ケース15の各コーナー部分には、インバータ収容部10の底面にボルトを介して締め付け固定される固定脚部23が一体に成形されている。この固定脚部23にボルトが貫通可能なアース端子21が設けられており、ボルトを介して樹脂製ケース15をインバータ収容部9の底面に固定することによって、パワー系基板および後述のCPU基板24のグランドが筐体接地されるように構成されている。
【0033】
パワーモジュール16を構成する樹脂製ケース15の上面には、樹脂製ケース15と同等の外形寸法を有するCPU基板(プリント基板)24が、多数の接続端子22およびアース20と接続された状態で配設されている。CPU基板24には、CPU等の低電圧で動作する素子により構成される公知の制御通信回路が実装されており、車両側の上位制御装置25、すなわち車両側ECU(Electric Control Unit)からの指令に基づいてパワー系基板に実装されているパワー系回路(スイッチング回路)を制御するように構成されている。
【0034】
CPU基板24の制御通信回路と上位制御装置25とは、低電圧電線および通信線からなる複数本(3本ないし8本)の配線ケーブル26を介して接続されている。この配線ケーブル26は、密閉構造のインバータ収容部10内に設置されているインバータ装置13に外部から配線されるため、グロメット28を介してインバータ収容部10内に貫通されている。グロメット28は、カバー部材12で密閉されるインバータ収容部10にその上縁にかかるように設けられているグロメット設置部27に設置され、カバー部材12により押圧されるようになっている。
【0035】
グロメット28は、図4および図5に示されるように、配線ケーブル26の本数が、例えば8本の場合には、8つの貫通孔29を備えたグロメット28Aが用いられ、3本の場合には、3つの貫通孔29を備えたグロメット28Bが用いられることになる。これらグロメット28A,28Bの配線ケーブル26が貫通される複数個の貫通孔29は、一端側から他端側にかけて設けられるスリット30により2分可能に切断されており、貫通孔29に配線ケーブル26を挿通する際、スリット30を開いて一端側から配線ケーブル26を順次挿入し、複数個の貫通孔29に対して配線ケーブル26を複数本同時に挿通できるようにされている。なお、スリット30は、図4(A)に示されるように、グロメット28A,28Bの他端側が切り離されないように設けられている。
【0036】
また、貫通孔29の個数が多くなる場合は、図4に示されているように、複数個毎に複数列(2列あるいは2段)に分け、各列の複数個の貫通孔29をそれぞれスリット30により2分可能に切断するようにすればよい。更に、グロメット28は、外周に溝(凹部)31が形成されており、図2および図6に示されるように、グロメット設置部27側の凸部32が嵌合されるか、もしくはOリング33が嵌合されるように構成されている。
【0037】
グロメット28は、配線ケーブル26が挿通された状態でグロメット設置部27に嵌合設置され、カバー部材12を固定する時の締め付けにより押圧されて変形されるようになっている。このグロメット28の変形により貫通孔29が縮径されるとともに、スリット30が密接され、配線ケーブル26のインバータ収容部10内への導入部分が水密状態にシールされるようになっている。
【0038】
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
インバータ一体型電動圧縮機1のインバータ装置13には、高電圧電源から電源ケーブル(図示省略)を介して高電圧の直流電力が供給される。この直流電力は平滑コンデンサ等の高電圧系部品によりノイズ低減された後、パワーモジュール16のP−N端子に入力され、パワー系基板のスイッチング回路により制御指令に基づく所定周波数の三相交流電力に変換される。この三相交流電力は、U−V−W端子19よりガラス密封端子18を介して電動モータに給電され、電動モータを回転駆動して圧縮機構を作動させる。
【0039】
圧縮機構の作動により、冷媒吸入ポート6からモータハウジング3内に吸入された低温低圧の冷媒ガスは、電動モータの周囲をモータ軸線L方向に沿って流通後、圧縮機構に吸い込まれて圧縮される。圧縮機構により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、圧縮機ハウジング4内に吐き出された後、吐出ポート7から外部へと送出される。モータハウジング3内をモータ軸線L方向へと流通される低温低圧の冷媒ガスは、その間に電動モータを冷却するとともに、モータハウジング3の壁面を介してインバータ収容部10の底面に設置されているインバータ装置13のパワー系基板上に実装されている半導体スイッチング素子等の発熱部品を冷却する。
【0040】
一方、インバータ装置13のCPU基板24上の制御通信回路には、上位の制御装置25から複数本の配線ケーブル26を介して低電圧電力および制御信号が送電および送信される。この低電圧電力および制御信号により制御通信回路が動作され、インバータ装置13が駆動制御される。インバータ装置13が設置されているインバータ収容部10は、カバー部材12によって密閉され、防水性が確保されており、配線ケーブル26の導入部も水密状態にシールされている。
【0041】
つまり、配線ケーブル26は、インバータ収容部10のグロメット設置部27に溝(凹部)31と凸部32、もしくはOリング33を介して設置されているグロメット28を通してインバータ収容部10内に貫通されており、このグロメット28は、配線ケーブル26が挿通された状態でグロメット設置部27に嵌合設置され、インバータ収容部10に固定されるカバー部材12を介して締め付け変形されることにより、貫通孔29が縮径されるとともに、スリット30が密接され、配線ケーブル26のインバータ収容部10への導入部を水密状態にシールする。
【0042】
また、グロメット28は、配線ケーブル26の本数に対応して設けられている複数の貫通孔29(図4に示されるグロメット28Aは、8個の貫通孔29が4個ずつ上下2列に設けられ、図5に示されるグロメット28Bは、3個の貫通孔29が1列に設けられている。)が、スリット30により2分可能に切断された構成とされているため、コネクタ等が設けられている配線ケーブル26を挿通する際にも、スリット30を開き一端側から配線ケーブル26を順次挿入することにより、複数個の貫通孔29に対して複数本の配線ケーブル26を同時に挿通することができる。
【0043】
このように、本実施形態によれば、複数本の配線ケーブル26を1本ずつグロメット28の貫通孔29に挿通する必要がなく、一端側からスリット30を介して複数本同時に貫通孔29に挿通することができる。そして、このグロメット28をインバータ収容部10のグロメット設置部27に外周部を密着させて設置し、インバータ収容部10に固定されるカバー部材12を介して締め付け変形させることにより、貫通孔29を縮径するとともに、スリット30を密接することができる。このため、配線ケーブル26のインバータ収容部10への導入部を水密状態にシールして配線ケーブル26を配線することができる。
【0044】
従って、配線ケーブル26をグロメット28の貫通孔29に挿通する作業を含むインバータ装置13のインバータ収容部10への組込み作業を容易化し、生産性を向上することができる。また、インバータ収容部10への配線ケーブル26の導入部を確実に水密状態にシールし、防水性を高めることができる。さらに、インバータ収容部10に固定されるカバー部材12を介してグロメット28を締め付けるようにしているため、締め付け用の部材を不要とし構成の簡素化を図ることができる。
【0045】
また、グロメット28は、グロメット設置部27との間に設けられる凹凸、すなわち溝(凹部)31と凸部32、またはOリング33を介してグロメット設置部27に密着されている。このため、カバー部材12を介してグロメット28を締め付けることにより、グロメット28とインバータ収容部10のグロメット設置部27との間についても確実に水密にシールすることができ、従って、インバータ収容部10の防水性に対する信頼性を一段と向上することができる。
【0046】
さらに、配線ケーブル26の本数が多い場合、グロメット28の貫通孔29が、複数個毎に複数列設けられ、各列の複数個の貫通孔29がそれぞれスリット30により2分可能に切断されているグロメット28Aを用いることにより対応することができ、この場合でも、各列の貫通孔29に対しては、それぞれ配線ケーブル26を一端側からスリット30を介して複数本同時に挿通することができる。従って、車両側制御装置の仕様により配線ケーブル26の本数が異なる場合でも、グロメット28の交換のみで容易に対応することが可能となる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図7および図8を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、グロメットおよびそれを締め付け固定するカバーの構成が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態は、インバータ収容部10のグロメット設置部が円形孔(図9のグロメット設置孔51参照)により構成されている場合に適用される。グロメット40は、円筒部41とその基端に設けられた締め付け用鍔部42とを備えている。
【0048】
円筒部41は、基端側から先端側に向って漸次小径となるように数度程度のテーパが付けられており、中央部分に複数個(本例の場合は、8個)の貫通孔43が複数個ずつ3列(3段)に設けられている。この円筒部41の基端に放射方向に拡張された締め付け用鍔部42が設けられており、この締め付け用鍔部42の半径方向に延長された180度対向する2箇所には、締め付け用のボルト貫通孔44が設けられている。このグロメット40の3列に設けられている複数個の貫通孔43に対しては、列毎にそれぞれ一端側から他端側にかけてスリット45が設けられ、このスリット45によって貫通孔43が2分可能に切断されている。
【0049】
グロメット40は、インバータ収容部10のグロメット設置孔51(図9参照)に円筒部41が嵌入され、カバー46A,46Bを介してボルト50により締め付け固定されるようになっている。カバー46Aは、樹脂製のカバーとされ、一方、カバー46Bは、金属製(板金製)のカバーとされている。これらカバー(樹脂製カバー)46Aおよびカバー(金属製カバー)46Bは、グロメット40の締め付け用鍔部42の外形と同一形状に成形されており、それぞれ周囲に折り曲げフランジ部47、中央部に配線ケーブル26が通される貫通孔48、その外側に締め付け用のボルト貫通孔49が設けられている。
【0050】
上記のように構成されたグロメット40および締め付け固定用の樹脂製または金属製カバー46A,46Bを用いることによって、先ず配線ケーブル26をカバー46Aまたは46Bの貫通孔48に貫通し、更にこの配線ケーブル26をスリット45より複数本ずつ順次グロメット40の貫通孔43に挿通した後、グロメット40の円筒部41をインバータ収容部10のグロメット設置孔51(図9参照)にテーパを利用して嵌入する。これによって、配線ケーブル26をインバータ収容部10に対して貫通状態に配線することができる。
【0051】
その後、グロメット40の締め付け用鍔部42の外面側をカバー46Aまたは46Bを介してボルト50で締め付けることによりグロメット40を固定でき、また、このカバー46Aまたは46Bの締め付けによって、グロメット40が変形されるため、貫通孔43が縮径されるとともに、スリット45が密接され、更に円筒部41がグロメット設置孔51(図9参照)の内周に密接される。これによって、インバータ収容部10への配線ケーブル26の導入部分を確実に水密状態にシールすることができる。従って、本実施形態によっても、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施形態では、カバーが、樹脂製カバー46Aまたは金属製カバー46Bのいずれかとされ、電動圧縮機の車両への搭載環境により、締め付け強度、耐熱温度、ノイズ遮蔽、コスト等の条件を考慮して樹脂製カバー46Aまたは金属製カバー46Bのいずれかを選択できるようになっている。従って、金属製カバー46Bの選択により樹脂製カバー46Aに対して、強度、耐熱温度、ノイズ遮蔽の何れにおいても高い効果を得ることができ、一方、樹脂製カバー46Aを選択することにより金属製カバー46Bに対して、コスト低減効果を得ることができる。
【0053】
なお、インバータ収容部10に設けられるグロメット設置孔は、必ずしも円形孔である必要はなく、楕円形、多角形等であってもよく、この場合、グロメット40側の円筒部41もグロメット設置孔の形状に合わせた形状の筒部とされることは云うまでもない。
【0054】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図9を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第2実施形態に対して、グロメット40における円筒部41の構成が異なる。その他の点については、第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図9に示されるように、グロメット40のテーパ状とされている円筒部41に、その基端から所定寸法位置(インバータ収容部10の壁厚さ相当位置)に段差部41Aが設けられた構成とされている。
【0055】
上記のように、グロメット40のテーパ状とされている円筒部41の基端から所定の寸法位置に段差部41Aを設けた構成とすることによって、インバータ収容部10のグロメット設置孔51に段差部41Aを挿通した状態でグロメット40を変形させて設置することができる。これによって、図9に示されるように、段差部41Aがインバータ収容部10の内面側に密着されるため、グロメット40による防水機能を一段と向上することができる。
【0056】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第2および第3実施形態に対して、グロメット40を締め付け固定するカバーの構成が異なっている。その他の点については、第2実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図10に示されるように、カバー46Aまたは46Bにおける締め付け用鍔部42を締め付ける面とは反対側の外面に、外方に向って漸次縮小されるように筒状に突出された配線ケーブル26に対する振れ止め部52が一体に成形された構成とされている。
【0057】
上記のように、カバー46Aまたは46Bの締め付け用鍔部42を締め付ける面とは反対側の外面に、配線ケーブル26に対する筒状の振れ止め部52が一体に設けられているため、グロメット40に貫通されている配線ケーブル26の振動による振れをカバー46Aまたは46Bに一体に設けられている筒状の振れ止め部52によって抑制することができる。従って、配線ケーブル26の振れによる防水性の低下を防止することができるとともに、振れ止め部52が貫通孔43方向の外方に向って漸次縮小されているため、カバー46Aまたは46Bによるノイズ遮蔽効果を高めることができる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、インバータ収容部10をモータハウジング3に一体成形しているが、インバータ収容部10はモータハウジング3と別体で構成してもよい。また、インバータ装置13の構成は、上記実施形態のものに限定されるものではない。さらに、グロメット28,28A,29B,40の外形形状も適宜形状とすることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 インバータ一体型電動圧縮機
2 ハウジング
10 インバータ収容部
12 カバー部材
13 インバータ装置
26 配線ケーブル
27 グロメット設置部
28,28A,28B グロメット
29 貫通孔
30 スリット
31 溝(凹部)
32 凸部
33 Oリング
40 グロメット
41 円筒部
41A 段差部
42 締め付け用鍔部
43 貫通孔
45 スリット
46A カバー(樹脂製カバー)
46B カバー(金属製カバー)
51 グロメット設置孔
52 振れ止め部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの外周に開口部がカバー部材により密閉可能とされたインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部内にインバータ装置が収容設置されるとともに、該インバータ装置に対しグロメットを介して前記インバータ収容部を貫通された配線ケーブルが接続されているインバータ一体型電動圧縮機において、
前記インバータ収容部にその上縁にかかるように設けられたグロメット設置部と、前記配線ケーブルが貫通される複数個の貫通孔が一端側から他端側にかけて設けられるスリットにより2分可能に切断されているグロメットと、を備え、
前記グロメットを前記貫通孔に前記配線ケーブルが挿通された状態でその外周を前記グロメット設置部に密着させて設置し、前記カバー部材を介して締め付け変形させることにより、前記配線ケーブルの前記インバータ収容部への導入部がシールされていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項2】
前記グロメットは、前記グロメット設置部との間に設けられる凹凸またはOリングを介して前記グロメット設置部に密着されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項3】
ハウジングの外周に開口部がカバー部材により密閉可能とされたインバータ収容部が設けられ、該インバータ収容部内にインバータ装置が収容設置されるとともに、該インバータ装置に対しグロメットを介して前記インバータ収容部を貫通された配線ケーブルが接続されているインバータ一体型電動圧縮機において、
前記インバータ収容部に設けられたグロメット設置孔と、該グロメット設置孔に嵌入可能で先端に向ってテーパ状とされている筒部およびその基端に設けられている締め付け用鍔部を有し、前記配線ケーブルが貫通される複数個の貫通孔が一端側から他端側にかけて設けられるスリットにより2分可能に切断されているグロメットと、該グロメットの前記締め付け用鍔部の外面側を覆い、該締め付け用鍔部を前記インバータ収容部に対して締め付け固定するカバーと、を備え、
前記グロメットを前記貫通孔に前記配線ケーブルが挿通された状態で前記グロメット設置孔に嵌入し、前記カバーを介して前記締め付け用鍔部を締め付け変形させることによって、前記配線ケーブルの前記インバータ収容部への導入部がシールされていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項4】
前記グロメットのテーパ状とされた前記筒部には、その基端から所定寸法位置に段差部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項5】
前記貫通孔は、複数個毎に複数列に設けられ、各列の複数個の前記貫通孔は、それぞれ前記スリットを介して2分可能に切断されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項6】
前記カバーは、樹脂製カバーまたは金属製カバーのいずれかとされていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。
【請求項7】
前記カバーには、前記締め付け用鍔部を締め付ける面とは反対側の外面に、外方に向って漸次縮小されるように筒状に突出された前記配線ケーブルに対する振れ止め部が設けられていることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−163957(P2010−163957A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6630(P2009−6630)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】