説明

インプリントによる構造体の製造方法

【課題】隣接するショット間のパターン同士を精度良くつなぐことが可能となる構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】インプリントによる構造体の製造方法であって、
基板上に第一の樹脂を塗布して樹脂層を形成し、該樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写する第一のインプリント工程と、
前記第一のインプリント工程で形成された前記第一の樹脂による樹脂層の上と、該樹脂層に隣接する前記基板上の領域の上に第二の樹脂を塗布して樹脂層を形成し、該樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写する第二のインプリント工程と、
前記モールドのパターンが転写された前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングしてパターンを形成する工程と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールドが有するパターンを樹脂層に転写するインプリント方法を用いて構造体を作製するインプリントによる構造体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、モールド上の微細な構造を樹脂や金属等の被加工部材に転写する微細加工技術が開発され、注目を集めている(非特許文献1)。
この技術は、ナノインプリントあるいはナノエンボッシングなどと呼ばれ、数nmオーダーの分解能を持つため、ステッパ、スキャナ等の光露光機に代わる次世代の半導体製造技術としての期待が高まっている。
さらに、立体構造をウエハレベルで一括加工可能なため、フォトニッククリスタル等の光学素子、μ−TAS(Micro Total Analysis System)などのバイオチップの製造技術、等として幅広い分野への応用が期待されている。
【0003】
このような加工技術は、例えば半導体製造技術に適用する場合には以下のように行われる。
基板(例えば半導体ウエハ)上に光硬化型の樹脂層を有するワークと、当該樹脂に所望の凹凸パターンが形成されたモールドを合わせて、両者の間に樹脂を充填させ、紫外光を照射することで樹脂を硬化させる。
これにより、樹脂層に上記パターンが転写されるので、この樹脂層をマスク層としてエッチング等を行い、基板へのパターン形成が行われる。
【0004】
このようなインプリントにおいて、半導体のリソグラフィーに適した方式として、基板の大きさより小さいモールドを用いて、基板上を逐次転写するステップアンドリピート方式が知られている(特許文献1)。
この方式によると、モールドサイズを基板サイズより小さくすることで、サイズの増加に伴うモールドパターン描画時の積算誤差を減少させることができ、また、モールド作製のコストを削減することができる。
また、ステップアンドリピート方式における樹脂層の形成方法に適した方式として、ショット毎に樹脂を塗布するドロップオンデマンド方式が知られている(特許文献2)。
この方式によると、モールドのパターン密度や形状に合わせて局所的に樹脂量を調整することにより、インプリントした際の樹脂層膜厚を均一にすることができ、転写精度を向上させることができる。
【非特許文献1】Stephan Y. Chou et. al., Appl.Phys.Lett, Vol. 67, Issue 21, pp. 3114−3116 (1995).
【特許文献1】米国特許第7077992号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0270312号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したステップアンドリピート方式によってインプリントを行う場合、ショット間の幅はなるべく狭く、理想的には完全につながっていることが望ましい。これにより、余分な領域を極力減らすことで、1枚の基板から取れるチップの個数を多くすることができ、1チップ当たりのコストを下げることが可能となるからである。
更には、同様のパターンを周期的に形成する場合、その一部のパターンを有するモールドを用いて繰り返しインプリントする方が、モールドの作製も含めた総合的なコスト面で有利となる場合がある。
特に、大面積のデバイスを作製する際などにおいては、パターン描画時の積算誤差を軽減することができ、寸法や位置の精度の向上を図ることが可能となる。
しかしながら、樹脂層の形成にドロップオンデマンド方式を適用したステップアンドリピート方式によってインプリントを行う場合、隣接するショットの間を極限まで近付けようとすると、樹脂層領域同士が干渉してしまうという問題が生じる。
【0006】
上記した課題を説明する事例として、例えば、周期的なドットパターンをインプリントする例を図8(a)に示す。
201は各インプリントショットによって形成された樹脂層、Xはドットパターンの周期的な幅、Yはショット(モールドにより転写できる範囲)間の幅である。
図8(b)は、このインプリントパターンによって基板上に加工されたドットパターン202を示す。
一般的に、モールド作製時にモールド端部までパターンを形成することが困難である。
また、仮にモールド端部までパターンを形成することが出来たとしても、樹脂層をモールドの端で理想的に制御するのは難しく、モールド表面の外側にも樹脂層201が形成されてしまう場合がある。
例えば、図8(a)に示すように、樹脂層201端部がパターンの周期的な幅以上に樹脂層の端部がうねったりして余計な領域が生じてしまい、これらが互いに干渉して所望の距離まで近付けることが困難となる場合がある。
即ち、ショット間の距離Yが、ドットパターンの周期的な幅Xよりも大きくなってしまい、理想的な周期構造にならないような場合である。
このような課題は、ドットパターンに限るものではなく、他の周期的なパターン、ラインアンドスペースのような連続的なパターン、自由パターンにも当てはまる課題である。
このため、ステップアンドリピート方式を用いて、隣接するショットのパターンをつなぎ合わせてより大きなデバイスを製造するに際しては、上記した課題を解決することが望まれる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、隣接するショット間のパターン同士を精度良くつなぐことが可能となるインプリントによる構造体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次のように構成したインプリントによる構造体の製造方法を提供するものである。
本発明は、インプリントによる構造体の製造方法であって、
基板上に第一の樹脂を塗布して樹脂層を形成し、該樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写する第一のインプリント工程と、
前記第一のインプリント工程で形成された前記第一の樹脂による樹脂層の上と、該樹脂層に隣接する前記基板上の領域の上に第二の樹脂を塗布して樹脂層を形成し、該樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写する第二のインプリント工程と、
前記モールドのパターンが転写された前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングしてパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングすることにより形成されたパターンをマスクとして、前記基板をエッチングする工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記モールドのパターンが転写された前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングしてパターンを形成するに際し、
前記第一の樹脂と前記第二の樹脂とを異なった材料で形成し、該第一の樹脂と選択比のある条件で、該第二の樹脂をエッチングする第一のエッチング工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記モールドのパターンが転写された前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングしてパターンを形成するに際し、
前記第一のエッチング工程に加え、更に、
前記第一の樹脂と前記第二の樹脂を、前記第一のエッチング工程でおこなったエッチング条件よりも選択比の低い条件でエッチングする第二のエッチング工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第一のエッチング工程において、前記第二の樹脂による樹脂層が所定の膜厚までエッチングされた後、前記第二のエッチング工程を行うことを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第二のエッチング工程において、前記第一の樹脂による樹脂層が所定の膜厚までエッチングされた後、前記第一のエッチング工程を行うことを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第一のエッチング工程において、前記第一の樹脂による樹脂層に形成された前記パターンの凹部と、前記第二の樹脂による樹脂層に形成された前記パターンの凹部とが、同じ高さになるまで行うことを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第一の樹脂が、シリコン含有樹脂、あるいは酸化シリコン化合物で形成され、前記第二の樹脂が、非シリコン系の材料で形成されることを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第一のエッチング工程において、前記第二の樹脂と前記第一の樹脂のエッチング選択比が5以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、
前記基板表面と、前記第一の樹脂が形成される面との間に、下層側に第四の材料層を上層側に第三の材料層を形成する工程と、
前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングすることにより形成されたパターンをマスクとして、前記第三の材料層をエッチングし第一のパターンを形成する工程と、
前記第一のパターンをマスクとして、前記第四の材料層をエッチングし第二のパターンを形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第二のパターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、
前記第一のインプリント工程により、前記モールドのパターンが転写された前記第一の樹脂による樹脂層の上に、第一の反転層を形成する工程と、
前記第二のインプリント工程により、前記モールドのパターンが転写された前記第二の樹脂による樹脂層の上に、第二の反転層を形成する工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、
前記第二の反転層を、前記第二の樹脂による樹脂層の凸部が露出するまで除去加工する工程と、
前記第二の反転層をマスクとして、前記第二の樹脂による樹脂層をエッチングし第一の反転パターンを形成する工程と、
前記第一の反転パターンをマスクとして、前記第一の反転層をエッチングし第二の反転パターンを形成する工程と、
前記第二の反転パターンをマスクとして、前記第一の樹脂による樹脂層をエッチングし第三の反転パターンを形成する工程と、
前記第三の反転パターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第二の反転パターンを形成する工程において、前記第二の反転層と、前記第一の反転層を、前記第一の樹脂による樹脂層の凸部が露出するまで除去加工する工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第一の反転パターンを形成する工程、及び前記第三の反転パターンを形成する工程において、
第二の樹脂と第二の反転層、あるいは第一の樹脂と第一の反転層のエッチング選択比が5以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、
前記基板表面と、前記第一の樹脂が形成される面との間に、第四の材料層を形成する工程と、
前記第三の反転パターンをマスクとして、第四の材料層をエッチングし第四の反転パターンを形成する工程と、
前記第四の反転パターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、
前記基板表面と、前記第一の樹脂が形成される面との間に、下層側に第四の材料層を上層側に第三の材料層を形成する工程と、
前記第三の反転パターンをマスクとして、前記第三の材料層をエッチングし第五の反転パターンを形成する工程と、
前記第五の反転パターンをマスクとして、前記第四の材料層をエッチングし第六の反転パターンを形成する工程と、
前記第六の反転パターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第三の材料層が、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンを含有した樹脂系、酸化シリコン化合物、メタル材料のいずれかの材料であることを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、前記第四の材料層が、炭化水素化合物、炭素化合物のいずれかの材料であることを特徴とする。
また、本発明のインプリントによる構造体の製造方法は、第一の反転層、及び第二の反転層が、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンを含有した樹脂系、酸化シリコン化合物、メタル材料のうちの、いずれかの材料であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、隣接するショット間のパターン同士を精度良くつなぐことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態においては、本発明を適用し樹脂にモールドのパターンを転写するインプリント方法を用い、つぎのように基板を加工する。
樹脂にモールドのパターンを転写するインプリントによる構造体の製造方法において、インプリント工程を2回に分割し、2回目のインプリントは、1回目のインプリントと基板表面からの距離の異なる別の面に行う。
その際、1回目のインプリントによって形成された樹脂層の上側に、一部分が重なり合うようにして2回目のインプリントによる樹脂層を形成し、エッチングは2回分のインプリントパターンを用いて1回の工程で行う。
すなわち、1回目のインプリント領域の一部と2回目のインプリント領域の一部が、基板上部から観察すると重なっているように配置することにより、隣接するショットのパターンをつなぐことが出来る。
なお、本発明における基板とは、シリコンウエハなどの単一材料の基板のみならず、面上に多層の膜が形成されている基板等も含む、被加工部材全体を意味する。
【実施例】
【0011】
以下に、本発明の実施例について、図を用いて説明する。
なお、以下の各図において、同一または対応する部分には同一の符号が付されている。
[実施例1]
実施例1では、本発明を適用した構造体の製造方法について説明する。
図1に、本実施例におけるインプリント方法を用いた構造体の製造方法について説明する図を示す。
(1)第一のインプリント工程において、基板101上に第一の樹脂を塗布して樹脂層102を形成し、該樹脂層102にモールドの凹凸パターンを形成する(図1(a))。
インプリントにおいては、樹脂層に形成されるパターンの凹部と基板間において樹脂の膜厚を完全に無くすことは難しい。
そのため、図1(a)に示すように、第一の樹脂による樹脂層102に形成されたパターンの凹部と基板間に残膜103を生じる。
(2)第二のインプリント工程において、基板101上に第二の樹脂を塗布して樹脂層104を形成し、該樹脂層104にモールドの凹凸パターンを形成する(図1(b))。
この時においても、図1(b)に示すように、残膜を105を生じる。
本実施例においては、残膜103の高さ(基板表面から第一の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)と残膜105の高さ(基板表面から第二の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)とは、異なる高さに形成される。
また、樹脂層102と樹脂層104は、領域106において、基板表面の法線方向から見た時に、互いに重なる部分を有するように形成される。
(3)第一のエッチング工程において、樹脂層102と比較して樹脂層104を選択的にエッチング出来る条件にて、樹脂層104を、基板と垂直な方向に全面均等にエッチングする(図1(c))。以下、これをエッチバックと記す。
樹脂層102と樹脂層104の、それぞれの樹脂層の基板からの高さが同程度になるまでエッチングを行う(図1(d))。
(4)第二のエッチング工程においては、上記第一のエッチング工程でそれぞれの樹脂層の基板からの高さが所定の高さとされた後、
樹脂層102と樹脂層104をほぼ同じ速度でエッチング出来る条件にて、各樹脂パターンの凹部において基板表面が露出するまで、樹脂層102と樹脂層104を全面エッチバックする(図1(e))。すなわち、第一のエッチング工程で行ったエッチング条件よりも選択比の低い条件で樹脂層102と樹脂層104をエッチングする。
これにより形成されたパターンを107とする。
(5)107をマスクとして用いて、基板101をエッチングする(図1(f))。
【0012】
以上の工程により、2回のインプリント工程によって形成され、それぞれの樹脂層の一部が重なったマスクパターンを用いて、1回のエッチング工程によって基板を加工することが出来る。
なお、ここで言う1回のエッチング工程とは、1回の真空チャンバーへの導入で行える処理のことである。
即ち、2回のインプリント工程それぞれの後にエッチングを行う必要はないということを意味する。これは、大幅な工程の削減となるため、コスト的に有利となる。
【0013】
本実施例は、残膜103と残膜105の高さに差を付けることで成り立つプロセスであるが、それは例えば樹脂の塗布量の差により調整することが出来る。
また、本実施例においては、図1(c)の選択エッチング実現のため、樹脂層102と樹脂層104の材料は異なるものでなくてはならない。
例えば、樹脂層102にシリコン含有樹脂(Si含有樹脂)、HSQ等の酸化シリコン化合物を用い、樹脂層104にSi系の材料を含有しない非シリコン系の樹脂等を用いることにより達成することが出来る。
非シリコン系の樹脂としては、一般的な光硬化型樹脂では、アクリル系、エポキシ系、ビニルエーテル系の材料が挙げられる。シリコン含有樹脂とは、これらの非シリコン系の樹脂にシリコンを有する樹脂を添加したものであり、添加材料として、例えばSIA0210.0 ((3-ACRYLOXYPROPYL)TRIS(TRIMETHYLSILOXY)SILANE:Gelest社製)がある。
【0014】
樹脂層104、及び樹脂層102の全面エッチングは、残膜105、及び残膜103を除去し、最終的に各樹脂パターンの凹部において基板表面を露出させるためのプロセスである。
エッチング条件としては、例えば樹脂層104を選択的にエッチングする工程においては、ガス系として、O2、O2/Ar、O2/N2等のO2をベースとしたものや、N2、H2、NH3、これら3ガスの混合系をベースとしたものが利用可能である。
樹脂層104をエッチング中に樹脂層102のパターンの膜厚と形状を保つためには、エッチング選択比は5以上あることが望ましい。
樹脂層102と樹脂層104をほぼ同じ速度でエッチングする工程においては、ガス系として、例えばCF4、CHF3、C26、C38、C48、C58、C46等のフルオロカーボン系をベースとしたものを用いることができる。
【0015】
樹脂層102と樹脂層104が重なる領域106の形態としては、例えば、図2(a)〜(c)のように必要なパターン同士の一部を重ねる場合もある。
また、図2(d)〜(e)のようにそれぞれの端部形成された余計な領域同士を重ねる場合もあり、それらは適宜使い分けることが出来る。
図2において、201は第一の樹脂による樹脂層、202は第二の樹脂による樹脂層、203はパターンである。
また、図2のようなドットパターンの他に、図3のようなラインパターンの接続に関しても、同様の方法を用いることが出来る。図3において、301は第一の樹脂による樹脂層、302は第二の樹脂による樹脂層、303はパターンである。あるいは、上記以外のその他の自由パターンの接続に関しても、同様の方法を用いることが出来る。
そして、図9のように樹脂層102によるパターンと樹脂層104によるパターンを交互に配置されるようにしてインプリントすることにより、大面積のパターンを作製することが出来る。
【0016】
なお、(3)のエッチング条件と(4)のエッチング条件は順序が逆であっても成り立つ。
即ち、樹脂層102と樹脂層104をほぼ同じ速度でエッチングする工程を先に行い、樹脂層104を選択的にエッチングする工程を後に行っても、同じ構造を得ることが出来る。
また、(5)の基板加工の工程を行わず、(4)の状態の樹脂層をそのまま構造体として使用する場合もある。このような形態として、例えばフォトニック結晶、電子デバイスの配線形成のための、埋め込み用配線溝等がある。また、これらの樹脂層を犠牲層としたリフトオフプロセスに用いることも出来る。
【0017】
[実施例2]
実施例2では、実施例1を元にした応用例について説明する。
実施例1では、基板をエッチングするマスク材料が樹脂層102と樹脂層104で異なっている。
これにより、2つの樹脂層間でエッチング特性が異なったり、エッチングプロセスの選択幅を大きく狭めてしまったりする場合がある。
本実施例では、これらを解決するため、例えばインプリント樹脂の下に第四の材料層を導入するように構成し、最終的なマスク材料を面内で均一にするようにした。
【0018】
図4に、本実施例におけるインプリント方法を用いた構造体の製造方法の構成例について説明する図を示す。
(1)基板101上に、第四の材料層401を形成し、更にその上に第三の材料層402を形成する(図4(a))。
(2)第三の材料層402上に、第一の樹脂を塗布して樹脂層102を形成し、該樹脂層102にモールドの凹凸パターンを形成する(図4(b))。その際、残膜103が形成される。
(3)第三の材料層402上に、第二の樹脂を塗布して樹脂層104を形成し、該樹脂層104にモールドの凹凸パターンを形成する(図4(c))。その際、残膜105が形成される。
残膜103の高さ(基板表面から第一の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)と残膜105の高さ(基板表面から第二の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)とは、異なる高さに形成される。
また、樹脂層102と樹脂層104は、領域106において、基板表面の法線方向から見た時に互いに重なる部分を有するように形成される。
(4)樹脂層102と比較して樹脂層104を選択的にエッチング出来る条件にて、樹脂層104を全面エッチバックする(図4(d))。
樹脂層102と樹脂層104の、それぞれの樹脂層の基板からの高さが同程度になるまでエッチングを行う(図4(e))。
(5)樹脂層102と樹脂層104をほぼ同じ速度でエッチング出来る条件にて、各樹脂層の凹部において第三の材料層402の表面が露出するまで、樹脂層102と樹脂層104を全面エッチバックする(図4(f))。
これによりパターン107を形成する。
(6)107をマスクとして用いて、第三の材料層402をエッチングする(図4(g))。これにより第一のパターンであるパターン403を形成する。
(7)パターン403をマスクとして用いて、第四の材料層401をエッチングする(図4(h))。これにより第二のパターンであるパターン404を形成する。
(8)パターン404をマスクとして用いて、基板101をエッチングする(図4(i))。
【0019】
以上の工程により、樹脂層102と樹脂層104という異なる材料によるパターンを、第四の材料層401と第三の材料層402に置き換えることで、基板をエッチングするマスク材料を面内で均一にすることが出来る。
第三の材料層402としては、例えば二酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)等のシリコン系、シリコンを含有した樹脂系、酸化シリコン化合物、メタル材料等の中から選ぶことができる。
第四の材料層401としては、例えば一般的なレジスト材料、有機反射防止膜(BARC)等の炭化水素化合物、SOC(Spin on Carbon)、蒸着カーボン膜等の炭素化合物の中から選ぶことが出来る。
【0020】
第三の材料層402のエッチング工程においては、例えばSiO2を選択した場合、ガス系として、CF4、CHF3、C26、C38、C48、C58、C46等のフルオロカーボン系をベースとしたものを用いることができる。
第四の材料層401のエッチング工程においては、ガス系として、O2、O2/Ar、O2/N2等のO2をベースとしたものや、N2、H2、NH3、これら3ガスの混合系をベースとしたものが利用可能である。
この時、第四の材料層401と第三の材料層402のエッチング選択比は、例えば5以上あることが望ましい。
【0021】
なお、第三の材料層402のエッチングは、樹脂層102と樹脂層104という異なる材料によるマスクパターンを用いることになる。
しかし、第三の材料層402は非常に薄いため、基板のエッチングと比較すると、異種材料をマスクとした際のエッチング特性の差が及ぼす影響を抑えることが可能である。
【0022】
[実施例3]
実施例3では、本発明を適用した構造体の製造方法の、別の形態について説明する。
実施例1及び実施例2では、残膜の除去を、基板と垂直な方向に樹脂層を全面均等にエッチングするエッチバックと呼ばれる方法によって行っている。
しかし、この方法ではエッチング中にマスクのエッジが侵食され、基板エッチングにおける寸法精度や形状の垂直性が悪化してしまう場合がある。
【0023】
本実施例のインプリントによる構造体の製造方法においては、図5に示すように、これらを解決する手段を盛り込んだものである。
(1)基板101上に、第一の樹脂を塗布して樹脂層102を形成し、該樹脂層102にモールドの凹凸パターンを形成する(図5(a))。その際、残膜を103が形成される。
(2)樹脂層102の上、及び基板101の露出部に、第一の反転層である反転層501を形成する(図5(b))。
(3)反転層501上に、第二の樹脂を塗布して樹脂層104を形成し、該樹脂層104にモールドの凹凸パターンを形成する(図5(c))。その際、残膜105が形成される。
残膜103の高さ(基板表面から第一の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)と残膜105の高さ(基板表面から第二の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)とは、異なる高さに形成される。
また、樹脂層102と樹脂層104は、領域106において、基板表面の法線方向から見た時に互いに重なる部分を有するように形成される。
(4)樹脂層104の上、及び反転層501の露出部に、第二の反転層である反転層502を形成する(図5(d))。
(5)反転層502を、樹脂層104の凸部が露出するまで除去加工する(図5(e))。この除去加工は、エッチング、CMP、機械的研磨等から選ぶことが出来る。
(6)反転層502をマスクとして用いて、樹脂層104をエッチングする(図5(f))。これにより第一の反転パターンであるパターン503を形成する。
(7)反転層502を除去加工し、その後反転層501を、樹脂層102の凸部が露出するまでエッチングする(図5(g))。
この時、同時に503をマスクとして樹脂層104下の反転層501がエッチングされる。これにより第二の反転パターンであるパターン504を形成する。
(8)反転層501をマスクとして、樹脂層102をエッチングする(図5(h))。これにより第三の反転パターンであるパターン505を形成する。
(9)上記したパターン504、505をマスクとして、基板101をエッチングする(図5(i))。
【0024】
反転層を用いて樹脂のパターンを正反反転するこのプロセスは、反転層と樹脂層でエッチング選択比を得られる材料の組み合わせを選ぶことにより、エッジの侵食の極めて少ない、垂直なマスク形状を得ることが可能となる。
反転層501、502としては、例えばSiO2、SiN等のシリコン系、シリコンを含有した樹脂系、酸化シリコン化合物、メタル材料等の中から選ぶことができる。
反転層501、502は、同じ材料であっても構わない。形成方法としては、スピン塗布、蒸着、CVD等から適宜選択される。
また、樹脂層102、104の材料も、相互に同じであっても構わない。
【0025】
反転層501、502の除去加工をエッチングによって行う場合は、ガス系として、CF4、CHF3、C26、C38、C48、C58、C46等のフルオロカーボン系をベースとしたものを用いることができる。
樹脂層102、104のエッチング工程においては、ガス系として、O2、O2/Ar、O2/N2等のO2をベースとしたものや、N2、H2、NH3、これら3ガスの混合系をベースとしたものが利用可能である。
この時、樹脂層102、104と反転層501、502のエッチング選択比は、例えば5以上あることが望ましい。
【0026】
[実施例4]
実施例4では、実施例3を元にした一つの応用例について説明する。
実施例3は、実施例1と同様に、基板をエッチングするマスク材料が504と505で異なっている。
これを解決するため、インプリント樹脂の下に第四の材料層を導入し、最終的なマスク材料を面内で均一になるようにしている。
【0027】
図6に、本実施例におけるインプリント方法を用いた構造体の製造方法について説明する図を示す。
(1)基板101上に、第四の材料層401を形成する(図6(a))。
(2)第四の材料層401上に、第一の樹脂を塗布して樹脂層102を形成し、該樹脂層102にモールドの凹凸パターンを形成する(図6(b))。その際、残膜103が形成される。
(3)樹脂層102の上、及び第四の材料層401の露出部に、反転層501を形成する(図6(c))。
(4)反転層501上に、第二の樹脂を塗布して樹脂層104を形成し、該樹脂層104にモールドの凹凸パターンを形成する(図6(d))。その際、残膜105が形成される。
残膜103の高さ(基板表面から第一の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)と残膜105の高さ(基板表面から第二の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)とは、異なる高さに形成される。
また、樹脂層102と樹脂層104は、領域106において、基板表面の法線方向から見た時に互いに重なる部分を有するように形成される。
(5)樹脂層104の上、及び反転層501の露出部に、反転層502を形成する(図6(e))。
(6)反転層502を、樹脂層104の凸部が露出するまで除去加工する(図6(f))。
この除去加工は、エッチング、CMP、機械的研磨等から選ぶことが出来る。
(7)反転層502をマスクとして用いて、樹脂層104をエッチングする(図6(g))。これにより第一の反転パターンであるパターン503を形成する。
(8)反転層502を除去加工し、その後反転層501を、樹脂層102の凸部が露出するまでエッチングする(図6(h))。
この時、同時に503をマスクとして樹脂層104下の反転層501がエッチングされる。これにより第二の反転パターンであるパターン504を形成する。
(9)反転層501をマスクとして、樹脂層102をエッチングする(図6(i))。これにより第三の反転パターンであるパターン505を形成する。
(10)上記したパターン504、505をマスクとして、第四の材料層401をエッチングする(図6(j))。これにより第四の反転パターンであるパターン601を形成する。
(11)パターンを601をマスクとして、基板101をエッチングする(図6(k))。
材料、及びエッチング条件の選択は、樹脂層、反転層については実施例3に、第四の材料層については実施例2に準ずる。
【0028】
また、第一の樹脂が形成される面との間に、下層側に第四の材料層を上層側に第三の材料層を形成するように構成してもよい。
例えば、図7に示すように、図6の構成から第四の材料層401の上に第三の材料層402を形成する方法も可能である。
(1)基板101上に、第四の材料層401、第三の材料層402を形成する(図7(a))。
(2)第三の材料層402上に、第一の樹脂を塗布して樹脂層102を形成し、該樹脂層102にモールドの凹凸パターンを形成する(図7(b))。その際、残膜103が形成される。
(3)樹脂層102の上、及び第三の材料層402の露出部に、反転層501を形成する(図7(c))。
(4)反転層501上に、第二の樹脂を塗布して樹脂層104を形成し、該樹脂層104にモールドの凹凸パターンを形成する(図7(d))。その際、残膜105が形成される。
残膜103の高さ(基板表面から第一の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)と残膜105の高さ(基板表面から第二の樹脂による樹脂層の凹部までの高さ)とは、異なる高さに形成される。
また、樹脂層102と樹脂層104は、領域106において、基板表面の法線方向から見た時に互いに重なる部分を有するように形成される。
(5)樹脂層104の上、及び反転層501の露出部に、反転層502を形成する(図7(e))。
(6)反転層502を、樹脂層104の凸部が露出するまで除去加工する(図7(f))。
この除去加工は、エッチング、CMP、機械的研磨等から選ぶことが出来る。
(7)反転層502をマスクとして用いて、樹脂層104をエッチングする(図7(g))。これにより第一の反転パターンであるパターン503を形成する。
(8)反転層502を除去加工し、その後反転層501を、樹脂層102の凸部が露出するまでエッチングする(図7(h))。
この時、同時に503をマスクとして樹脂層104下の反転層501がエッチングされる。これにより第二の反転パターンであるパターン504を形成する。
(9)反転層501をマスクとして、樹脂層102をエッチングする(図7(i))。これにより第三の反転パターンであるパターン505を形成する。
(10)上記したパターン504、505をマスクとして、第三の材料層402をエッチングする(図7(j))。これにより第五の反転パターンであるパターン701を形成する。
(11)第三の材料層402をマスクとして、第四の材料層401をエッチングする(図7(k))。これにより第六の反転パターンであるパターン702を形成する。
(12)パターンを702をマスクとして、基板101をエッチングする(図7(l))。
材料、及びエッチング条件の選択は、樹脂層、反転層については実施例3に、第四の材料層については実施例2に準ずる。
【0029】
図6の構成では、マスクパターンの高さが一定にならないためマイクロローディング効果によりエッチングの特性がばらついてしまう場合がある。
マイクロローディング効果とは、マスク、あるいはパターンの幅やアスペクト比により、エッチングレートや側壁形状にばらつきが生じる現象のことである。
図7の構成では、それを軽減、あるいは克服できる。即ち、図7(i)のステップにおいて、第三の材料層402のエッチングの量を十分に取れば、反転層503の膜厚の低減、あるいは除去が可能となるためである。
これにより、図7(k)に示すように、マスクパターン702の高さをほぼ一定にすることが出来る。
これらの基板の作製方法を用いることにより、隣接するショット間のパターンを隙間無く接続することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための上面図である。
【図3】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための上面図である。
【図4】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明に係る構造体の製造方法の従来例を説明するための上面図である。
【図9】本発明に係る構造体の製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0031】
101:基板
102:第一の樹脂による樹脂層
103:第一の樹脂による樹脂層の残膜
104:第二の樹脂による樹脂層
105:第二の樹脂による樹脂層の残膜
106:第一と第二の樹脂による樹脂層の重なり部分
107:パターン
201:第一の樹脂による樹脂層
202:第二の樹脂による樹脂層
203:パターン
301:第一の樹脂による樹脂層
302:第二の樹脂による樹脂層
303:パターン
401:第四の材料層
402:第三の材料層
403:第一のパターン
404:第二のパターン
501:第一の反転層
502:第二の反転層
503:第一の反転パターン
504:第二の反転パターン
505:第三の反転パターン
601:第四の反転パターン
701:第五の反転パターン
702:第六の反転パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプリントによる構造体の製造方法であって、
基板上に第一の樹脂を塗布して樹脂層を形成し、該樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写する第一のインプリント工程と、
前記第一のインプリント工程で形成された前記第一の樹脂による樹脂層の上と、該樹脂層に隣接する前記基板上の領域の上に第二の樹脂を塗布して樹脂層を形成し、該樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写する第二のインプリント工程と、
前記モールドのパターンが転写された前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングしてパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とするインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項2】
前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングすることにより形成されたパターンをマスクとして、前記基板をエッチングする工程を有することを特徴とする請求項1に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項3】
前記モールドのパターンが転写された前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングしてパターンを形成するに際し、
前記第一の樹脂と前記第二の樹脂とを異なった材料で形成し、該第一の樹脂と選択比のある条件で、該第二の樹脂をエッチングする第一のエッチング工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項4】
前記モールドのパターンが転写された前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングしてパターンを形成するに際し、
前記第一のエッチング工程に加え、更に、
前記第一の樹脂と前記第二の樹脂を、前記第一のエッチング工程でおこなったエッチング条件よりも選択比の低い条件でエッチングする第二のエッチング工程を有することを特徴とする請求項3に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項5】
前記第一のエッチング工程において、前記第二の樹脂による樹脂層が所定の膜厚までエッチングされた後、前記第二のエッチング工程を行うことを特徴とする請求項4に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項6】
前記第二のエッチング工程において、前記第一の樹脂による樹脂層が所定の膜厚までエッチングされた後、前記第一のエッチング工程を行うことを特徴とする請求項4に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項7】
前記第一のエッチング工程において、前記第一の樹脂による樹脂層に形成された前記パターンの凹部と、前記第二の樹脂による樹脂層に形成された前記パターンの凹部とが、同じ高さになるまで行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項8】
前記第一の樹脂が、シリコン含有樹脂、あるいは酸化シリコン化合物で形成され、前記第二の樹脂が、非シリコン系の材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項9】
前記第一のエッチング工程において、前記第二の樹脂と前記第一の樹脂のエッチング選択比が5以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項10】
前記基板表面と、前記第一の樹脂が形成される面との間に、下層側に第四の材料層を上層側に第三の材料層を形成する工程と、
前記第一と第二の樹脂による樹脂層をエッチングすることにより形成されたパターンをマスクとして、前記第三の材料層をエッチングし第一のパターンを形成する工程と、
前記第一のパターンをマスクとして、前記第四の材料層をエッチングし第二のパターンを形成する工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項11】
前記第二のパターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする請求項10に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項12】
前記第一のインプリント工程により、前記モールドのパターンが転写された前記第一の樹脂による樹脂層の上に、第一の反転層を形成する工程と、
前記第二のインプリント工程により、前記モールドのパターンが転写された前記第二の樹脂による樹脂層の上に、第二の反転層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項13】
前記第二の反転層を、前記第二の樹脂による樹脂層の凸部が露出するまで除去加工する工程と、
前記第二の反転層をマスクとして、前記第二の樹脂による樹脂層をエッチングし第一の反転パターンを形成する工程と、
前記第一の反転パターンをマスクとして、前記第一の反転層をエッチングし第二の反転パターンを形成する工程と、
前記第二の反転パターンをマスクとして、前記第一の樹脂による樹脂層をエッチングし第三の反転パターンを形成する工程と、
前記第三の反転パターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする請求項12に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項14】
前記第二の反転パターンを形成する工程において、前記第二の反転層と、前記第一の反転層を、前記第一の樹脂による樹脂層の凸部が露出するまで除去加工する工程を有することを特徴とする請求項13に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項15】
前記第一の反転パターンを形成する工程、及び前記第三の反転パターンを形成する工程において、
第二の樹脂と第二の反転層、あるいは第一の樹脂と第一の反転層のエッチング選択比が5以上であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項16】
前記基板表面と、前記第一の樹脂が形成される面との間に、第四の材料層を形成する工程と、
前記第三の反転パターンをマスクとして、第四の材料層をエッチングし第四の反転パターンを形成する工程と、
前記第四の反転パターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項17】
前記基板表面と、前記第一の樹脂が形成される面との間に、下層側に第四の材料層を上層側に第三の材料層を形成する工程と、
前記第三の反転パターンをマスクとして、前記第三の材料層をエッチングし第五の反転パターンを形成する工程と、
前記第五の反転パターンをマスクとして、前記第四の材料層をエッチングし第六の反転パターンを形成する工程と、
前記第六の反転パターンをマスクとして、前記基板をエッチングにより加工する工程を有することを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項18】
前記第三の材料層が、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンを含有した樹脂系、酸化シリコン化合物、メタル材料のいずれかの材料であることを特徴とする請求項10または請求項17に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項19】
前記第四の材料層が、炭化水素化合物、炭素化合物のいずれかの材料であることを特徴とする請求項10、請求項16、請求項17のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。
【請求項20】
第一の反転層、及び第二の反転層が、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンを含有した樹脂系、酸化シリコン化合物、メタル材料のうちの、いずれかの材料であることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載のインプリントによる構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−182075(P2009−182075A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18635(P2008−18635)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】