説明

インモールド成形方法

【課題】 トリミングラインのずれ、腐蝕、剥離等の問題を生じることなく、部分的なフィルムインサート成形による材質感や色調の切り替えを可能とするとともに、相互に接着性が乏しい2種以上の樹脂材料を使用した二色成形を可能とし、要求される機能および製品コストに応じた多種多様な材料選択を可能とするインモールド成形方法を提供する。
【解決手段】 スライド型(23、24)を備え、該スライド型の位置に応じて一次成形部(21a、22a)および該一次成形部に隣接した二次成形部(22b、23b)を画成可能な金型(21、22)を使用し、前記一次成形部に予備成形したフィルム(10)をインサートした状態で第1の樹脂材料を射出し第1部分(11)を成形した後、前記第1部分の前記フィルム表面の一部を接合面(10a)として含む二次成形部(22b、23bおよび23a、24a)に第2の樹脂材料を射出することによって、前記第1部分と前記接合面を介して接合された第2部分(12a、12)を成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インモールド成形方法に関し、さらに詳しくは、フィルムインサート成形と二色成形を組合せた複合成形方法に係わるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の内外装部品、例えば、ガーニッシュ、グリル、インストルメントパネル、トリム、ベゼル、カバー、ランプハウスなどには、軽量かつ高強度で耐久性に優れた樹脂成形品が多用されている。これらの樹脂成形品単体で2種以上の材質感(金属、木目)や色調を表現する場合、塗装やメッキ等の後処理によることもできるが、製造コストや耐久性の点では、成形プロセスを利用したインサート成形や二色成形などのインモールド成形が有利である。二色成形には、一次成形後に金型または成形部を回転移動して二次成形を行うロータリー方式(特許文献1参照)、スライドコアで成形部内を堰き止めて一次成形を行った後にスライドコアを後退させて二次成形を行うコアバック方式(特許文献2〜5参照)がある。
【0003】
これらの成形方法において、各部分は、相互に形状的に一体化されるか、または、樹脂材相互の接着性(相溶性)によって一体化される必要がある。例えば、多色化を目的とした二色成形の場合には、通常、同種の樹脂材料を用いて接合強度を確保することが有利である。しかし、成形品の形状的な制約によって境界部の一体化形状を設定できない場合や、接合面積を充分に確保できない場合もあり、さらに、各部分に材質的な要請、例えば機能的な要請や価格的な要請があって、相互に接着性が乏しい異種材料の組合せが望まれるような場合には、二色成形は困難である。
【0004】
一方、部材表面の加飾を目的として、フィルムインサート成形が行われる場合がある(特許文献6〜8参照)。フィルムインサート成形では、多層構造をなすフィルム各層の素材選択により、所望する接着性が得られ、例えば、透明フィルムを印刷や金属蒸着等により加飾し、その表面側に耐候性の保護用フィルムを、裏面側に接合用フィルムを、それぞれ接着した三層構造のフィルムを用い、インサート成形することでベースとなる樹脂材と一体化する。
【0005】
上記インサートフィルムは、金型内にセットするために予備成形が必要であり、また、成形後、外観に現れる縁端部はトリミングが必要である。しかし、通常のインサート成形と異なり、フィルムインサート成形では、成形時における樹脂の流動とフィルム自体の熱収縮によりトリミングラインがずれ易い問題がある。さらに、トリミングラインでは、フィルム中層の金属層が露出するため、自動車の外装部品などに用いる場合、腐蝕や剥離の原因となる問題がある。これらの理由から、フィルムインサート成形では意匠面内にトリミングラインが設定されることは無く、インサートフィルムの加飾層内で材質感や色調が切り替わる場合も含めて、部材全体をインサートフィルムで覆うのが一般的であり、通常のインサート成形や二色成形のように、樹脂成形品単体で2種以上の材質感や色調を表現する目的で利用されることは無かった。
【0006】
【特許文献1】特公昭45−6947号公報
【特許文献2】特許第3203870号公報
【特許文献3】特許第3267230号公報
【特許文献4】特開2000−210978号公報
【特許文献5】特開平11−207782号公報
【特許文献6】特開2000−52416号公報
【特許文献7】特開2003−220623号公報
【特許文献8】特開2000−263599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、トリミングラインのずれ、腐蝕、剥離等の問題を生じることなく、部分的なフィルムインサート成形による材質感や色調の切り替えを可能とするとともに、相互に接着性が乏しい2種以上の樹脂材料を使用した二色成形を可能とし、要求される機能および製品コストに応じた多種多様な材料選択を可能とするインモールド成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来技術の有する課題を解決するため鋭意検討した結果、従来異なる目的で利用されていたフィルムインサート成形と二色成形を組合せることで、それぞれの問題点を相互補完的に解消できるという知見を得て本発明に想到した。
すなわち、本発明のインモールド成形方法は、スライド型を備え、該スライド型の位置に応じて一次成形部および該一次成形部に隣接した二次成形部を画成可能な金型を使用し、前記一次成形部に予備成形したフィルムをインサートした状態で第1の樹脂材料を射出し第1部分を成形した後、前記第1部分の前記フィルム表面の一部を接合面として含む二次成形部に第2の樹脂材料を射出することによって、前記第1部分と前記接合面を介して接合された第2部分を成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上述のようなインモールド成形方法を採用したことにより、フィルムインサートされた第1部分の表面と、第2の樹脂材料からなる第2部分の表面とで、異なった材質感や色調が得られ、しかも、第1部分と第2部分の境界部においてフィルム端面が表面側に露出せず、トリミングラインのずれや端面の腐蝕、剥離等の問題を生じることがなく、また、第1部分の表面はフィルムインサートで覆われるため、第1の樹脂材料には、材質感や色調と関係なく、強度、耐久性、価格など、他の要件に基づいた材料選択が可能となる。また、第1および第2の樹脂材料の相溶性が乏しい場合にも、フィルムとの相溶性があれば成形可能となる。
【0010】
上記インモールド成形方法において、前記フィルムとして、前記第1の樹脂材料と相溶性を有する裏面層と、前記第2の樹脂材料と相溶性を有する表面層とを含む多層フィルムを用いることにより、前記第1の樹脂材料と前記第2の樹脂材料とが相溶性を有さない場合にも実施可能となる。
【0011】
また、上記インモールド成形方法において、前記フィルムの前記接合面における端面を、前記第1部分と前記第2部分との接合部分で覆うことにより、換言すれば、前記フィルムの前記接合面における端面が、前記第1部分と前記第2部分との接合部分の中間部で終端するようにすることにより、フィルム端面が成形と同時に処理され、製造コスト面で有利であるとともに、裏面側を含めた外観および耐候性に優れた成形品が得られる。
【0012】
さらに、上記インモールド成形方法において、前記金型が、固定型と該固定型に対して進退可能に設けた可動型とで構成され、前記スライド型が、前記固定型に対してスライド可能な固定側スライド型と、前記可動型に対してスライド可能な可動側スライド型とで構成され、前記金型が閉鎖した状態で、前記固定側スライド型と前記可動側スライド型とが一体となって、前記金型内に前記一次成形部を画成する第1位置と、前記一次成形部に隣接して前記固定側スライド型と前記可動側スライド型との間に前記二次成形部を画成する第2位置とに移動可能であり、
前記固定型に前記予備成形したフィルムをインサートした後、前記固定型と前記可動型を閉鎖し、前記固定側スライド型および前記可動側スライド型を前記第1位置に位置させ、前記一次成形部に前記第1の樹脂材料を射出して前記第1部分を成形した後、前記固定側スライド型および前記可動側スライド型を前記第2位置に位置させ、前記二次成形部に前記第2の樹脂材料を射出して前記第2部分を成形するので、金型内を堰き止めて一次成形部を画成するための専用のスライドコアが不要となり、二次成形部を画成する固定側スライド型および可動側スライド型で代用されるため、第1部分と第2部分との境界部に、前記専用スライドコアが進退する空間(部材の厚さ)が確保できない場合や、第2部分が透孔を有するような場合にも実施可能となる。また、専用スライドコアとの当接によるモールド面の損傷等の問題が生じることもない。さらに、二次成形部を画成する固定側スライド型および可動側スライド型が接合面におけるフィルムのガイドとなり、フィルムを容易かつ確実にセットでき、一次成形部の形状如何に係わらず、フィルム位置決めのためのピン等が不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるインモールド成形方法による成形品の実施例を示す斜視図であり、図2はその要部拡大図である。成形品1は、自動車のラジエータグリルを想定したもので、各図にはその1つのコーナー部分のみが示されている。図において、成形品1は、外周に沿って形成された枠部11と、中央のメッシュ部12から構成され、それらは、境界部13に沿って接合されている。メッシュ部12は、境界部13に沿った周縁部12aの内側に多数の透孔14を画成する斜格子状に形成されており、その裏面側には、後述する離型時における取られ防止用のリブ12bが突設されている。
【0014】
枠部11の表層部はフィルム10で被覆されている。フィルム10としては、例えば、図3に示すように、表面層101には耐候性の良好なアクリルフィルム、中間層103には裏面側に金属層104を蒸着等の手段により形成した加飾のためのポリエステルフィルム、裏面層102はABSフィルムで構成され、それらが接着層105、106を介して相互に接合された多層構造をなすフィルムインサート用のフィルムが使用される。
【0015】
このような成形品1(ラジエータグリル)において、表面がフィルム10で覆われた枠部11のベース材料には、外観や耐候性は要求されない安価な樹脂材料(第1の樹脂材料)を使用する一方、高品質が要求されるメッシュ部12には、外観や耐候性に優れた樹脂材料(第2の樹脂材料)を使用することが有利である。そこで、例えば、枠部11に安価なポリプロピレン(PP)を選択し、メッシュ部12にAES樹脂(アクリロニトリル・EPDM・スチレン)を選択した場合、従来の二色成形では境界部13に接合強度が得られず、他の材料への変更を余儀なくされることになる。
【0016】
これに対し、本発明の成形品1では、枠部11とメッシュ部12が境界部13においてフィルム10を介して接合されるため、フィルム10の表面層101(アクリル樹脂)とメッシュ部12(AES樹脂)とに相溶性があれば接合可能となるため、素材選択の自由度が格段に向上することになる。
【0017】
図4〜図6は、本発明に係わる成形品1を成形する成形装置2を示している。各図において、成形装置2は、固定型21と、該固定型21に対して図示しない油圧シリンダ等の型締め手段により進退可能に設けられている可動型22とからなる一対の成形金型(一次成形型)を備え、それらの中央部には、固定型21に対してスライド可能な固定側スライド型23(スライドキャビティ)と、可動型22に対してスライド可能な可動側スライド型24(スライドコア)とで構成される一対の同時スライド型(二次成形型)を有している。なお、各図では、成形品1の向きに合わせて上下方向に固定型21、可動型22が開閉するように示されているが、実際の成形時には、固定型21、可動型22は射出成形機に横向きに搭載され、型開き方向は水平方向となる。
【0018】
固定型21には一次成形部のキャビティ21aが形成され、可動型22には一次成形部のコア22aが形成され、固定型21に可動型22が接合された状態では、前記キャビティ21aとコア22aにより一次成形部(21a、22a)が画成される。また、固定側スライド型23には二次成形部のキャビティ23aが形成されており、固定側スライド型23と可動側スライド型24が接合された状態では、前記キャビティ23aと、可動側スライド型24の成形面24aとにより二次成形部(23a、24a)が画成される。
【0019】
さらに、一次成形型(21、22)と二次成形型(23、24)とが隣接する境界部では、可動型22のコア側面22bと固定側スライド型23のキャビティ23bとで二次成形部の周縁部12a(図2)に対応した二次成形部(22b、23b)が画成される。また、図4〜図6では省略されているが、可動側スライド型24の成形面24aには、取られ防止用リブ12b(図2)に対応したキャビティも形成されている。
【0020】
一対の同時スライド型のうち、固定側スライド型23は、図示しないスプリングにより固定型21に対して突出する方向に付勢され、図4に示す型開き状態では、固定型21に対して突出位置にある。一方、可動側スライド型24は、図示しないスプリングにより、可動型22側に退没する方向に付勢されているが、可動側スライド型24の背面部には、図4に示すように傾斜面を含む階段状をなす係合面24bが形成されており、この係合面24bに係合する階段カム25の前進位置(25′)と後退位置(25)に対応して、図4に2点鎖線で示す前進位置(図6に示す二次成形位置)と、図4に実線で示す後退位置(一次成形位置または堰き止め位置)に移動するように構成されている。
【0021】
階段カム25は、ロッド25aを介して図示しない流体圧シリンダのピストンロッドに接続されており、該流体圧シリンダの作動により、可動型22の内底面に案内されて、可動側スライド型24の摺動方向と直交(または交差)する方向に進退可能に構成され、前進位置(25′)と後退位置(25)に移動可能である。
【0022】
この階段カム25は、平坦な底面と階段部の平坦面とによって、二次成形型(23、24)の型締め圧力を受圧可能であり、図6に示す二次成形位置では、一次成形型(21、22)の型締め圧力が階段カム25を介して可動スライド型24に伝達され、固定型21の内底面に当接して後退位置が規制される固定側スライド型23との間に型締め力を発生可能である。
【0023】
次に、上記実施形態に基づく成形品1の成形過程について、図4〜図6を参照しながら説明する。
【0024】
成形品1の成形に際しては、先ず、フィルム10に枠部11の表面形状に適合した予備成形を行う。この際、境界部13に沿った縁部10aも形成される。次いで、図4に示すように、予備成形したフィルム10を開位置にある固定型21のキャビティ21a内に挿入する。この際、固定型21に対して突出位置にある固定側スライド型23の側面23cで、フィルム10の内側の縁部10aが位置決めされる。この時、階段カム25は後退位置にあり、可動側スライド型24は可動型22側に後退している。
【0025】
この状態から、図5に示すように、一次成形型(21、22)を閉じ、一次成形部(21a、22a)内に第1の樹脂材料を射出して枠部11をインサート成形する。この時、一次成形部(21a、22a)の二次成形部(23a、24a)との境界部は、固定側スライド型23の側面23cによって閉鎖されており、フィルム10の縁部10aの下方まで達した枠部11の縁部11aが形成される。
【0026】
次いで、階段カム25を前進させ、図6に示すように、可動側スライド型24と固定側スライド型23とを同時にスライドさせて、二次成形部(23a、24a)を一次成形部(21a、22a)の接合面(10a、11a)に一致させた状態で、二次成形部(23a、24aおよび23b、22b)内に第2の樹脂材料を射出してメッシュ部12を成形すれば、該メッシュ部12は、前記接合面(10a、11a)に位置したフィルム10の縁部10aに周縁部12aが熱接着(融着)されることによって、枠部11と一体に接合される。その後、可動型22が固定型21から離反すると同時に可動側スライド型24が固定側スライド型23から離反して、成形品1(10、11、12)が排出される。
【0027】
以上のように成形された成形品1は、一次成形時における熱収縮等でフィルム10の縁部10aに多少の変位を生じても、縁部10aが、図2に示すように、枠部11の縁部11aとメッシュ部12の周縁部12aとで覆われることにより、変位が表面に現れることはなく、外観を損ねることもない。したがって、フィルム10の縁部10aにおける厳密なトリミングラインの設定は不要となる。また、縁部10aの端面が外部に露出せず、腐蝕や剥離等の問題を生じることもない。なお、フィルム10の外周側の縁部10bは、ラジエータグリルのような成形品1の場合、フェンダー、フード等の部品に隠れるので、通常のトリミング処理で充分対応できる。
【0028】
実施形態の成形品1では、メッシュ部12が厚さの小さい周縁部12aで枠部11に接合されるため、一次成形部(21a、22a)の境界部を閉鎖する専用のスライドコアが進退するスペースを二次成形部(23a、24a)側に確保できないが、本実施形態の成形装置2では、二次成形部(23a、24a)を構成する固定側スライド型23および可動側スライド型24自体が一体にスライドし、一次成形部(21a、22a)の境界部を閉鎖するので、対応可能であることは勿論、スライドコアの当接による金型の損傷やバリの発生も抑制される利点がある。また、固定側スライド型23および可動側スライド型24が一体となってスライドする際に、一次成形品(10、11)の接合面(10a、11a)に摺接するが、この接合面(10a、11a)は二次成形部(12a)で覆われるため、摺接による傷等が問題となることもない。
【0029】
上記実施形態においては、多層構造のフィルム10を用いる場合を示したが、単層のフィルムであっても、第1、第2の樹脂材料それぞれに相溶性(接着性)を有していれば使用可能であり、また、第1、第2の樹脂材料の両方に相溶性を有するフィルムが無い場合には、その一方、例えば第2の樹脂材料(12)に相溶性を有する単層フィルムを用い、該フィルムの裏面に第1の樹脂材料(11)用のバインド材(接着剤)を印刷等の手段により塗布しておけば、いずれかに相溶性のない単層フィルムであっても使用可能である。さらに、半透明のフィルムを使用して第1の樹脂材料(11)の色調や材質感を変化させることもできる。
【0030】
このように、本発明のインモールド成形方法は、第1、第2の樹脂材料(11、12)とフィルム(10)の組成を組合せることで、材質感、色調、意匠性、耐久性や耐候性、成形性、価格など、使用目的に適合した多種多様な成形品を構成でき、自動車の内外装部品を始め、各種成形品に実施可能である。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらに各種の変形および変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、2つのスライド型(23、24)を備えた成形装置を用いる場合を示したが、透孔14を有さない成形品等では、1つのスライド型のみ備えた成形装置を用いることもできる。また、上記実施形態では、フィルム10をインサートした第1部分(10、11)の内側に第2部分(12)を有する成形品1の場合について示したが、第1部分と第2部分の配置はこれに限定されるものではなく、その逆に、第1部分の外側に第2部分を有する場合や、第1部分と第2部分とが隣接している場合にも、成形型とスライド型のレイアウトを適宜変更することで対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係わるインモールド成形方法による成形品の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の要部拡大斜視図である。
【図3】フィルムインサート用フィルムを示す部分断面図である。
【図4】本発明方法を実施する成形装置にフィルムをセットした状態を示す部分断面図である。
【図5】本発明方法を実施する成形装置による一次成形を示す部分断面図である。
【図6】本発明方法を実施する成形装置による二次成形を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 成形品
2 成形装置
10 フィルム
11 枠部(第1部分)
12 メッシュ部(第2部分)
13 境界部
14 透孔
21 固定型
22 可動型
22a コア
22b コア側面
23 固定側スライド型
24 可動側スライド型
25 階段カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド型を備え、該スライド型の位置に応じて一次成形部および該一次成形部に隣接した二次成形部を画成可能な金型を使用し、前記一次成形部に予備成形したフィルムをインサートした状態で第1の樹脂材料を射出し第1部分を成形した後、前記第1部分の前記フィルム表面の一部を接合面として含む二次成形部に第2の樹脂材料を射出することによって、前記第1部分と前記接合面を介して接合された第2部分を成形することを特徴とするインモールド成形方法。
【請求項2】
前記フィルムとして、前記第1の樹脂材料と相溶性を有する裏面層と、前記第2の樹脂材料と相溶性を有する表面層とを含む多層フィルムを用いることを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形方法。
【請求項3】
前記フィルムの前記接合面における端面を、前記第1部分と前記第2部分との接合部分で覆うことを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形方法。
【請求項4】
前記金型が、固定型と該固定型に対して進退可能に設けた可動型とで構成され、前記スライド型が、前記固定型に対してスライド可能な固定側スライド型と、前記可動型に対してスライド可能な可動側スライド型とで構成され、前記金型が閉鎖した状態で、前記固定側スライド型と前記可動側スライド型とが一体となって、前記金型内に前記一次成形部を画成する第1位置と、前記一次成形部に隣接して前記固定側スライド型と前記可動側スライド型との間に前記二次成形部を画成する第2位置とに移動可能であり、
前記固定型に前記予備成形したフィルムをインサートした後、前記固定型と前記可動型を閉鎖し、前記固定側スライド型および前記可動側スライド型を前記第1位置に位置させ、前記一次成形部に前記第1の樹脂材料を射出して前記第1部分を成形した後、前記固定側スライド型および前記可動側スライド型を前記第2位置に位置させ、前記二次成形部に前記第2の樹脂材料を射出して前記第2部分を成形することを特徴とする請求項1に記載のインモールド成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−51121(P2009−51121A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220983(P2007−220983)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】