説明

ウエハの接合方法

【課題】ウエハの間に異物が混入することなくウエハを接合することができる生産性が向上されたウエハの接合方法を提供する。
【解決手段】
オリエンテーションフラットとなる側面を二面備えている両主面が円形形状のウエハを接合するウエハの接合方法であって、第一の壁部と第二の壁部貫通孔を供えた平板部ととからなる接合用ジグにオリエンテーションフラットとなる側面が第二の壁部に接触するようにウエハを搭載した状態でエキシマ照射ランプから放射された光をウエハに照射し、平板部の貫通孔から吸引して接合用ジグにウエハを保持した状態で平板部の側面と第一の壁部の側面とが接するように配置しウエハを接触させて接合することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主面の大きさが同じウエハの主面を接合するウエハの接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハの接合方法には、例えば、陽極接合による接合を用いる場合、接着剤による接合を用いる場合、直接接合による接合を用いる場合がある。
特に、直接接合による接合を用いるウエハの接合方法では、陽極接合を用いて接合する場合のようにウエハの間に金属膜を設けることなく接合することができ、接着剤を用いて接合する場合のようにウエハの間に接着剤を設けることなく接合することができるので、光学変換素子の製造方法に多く用いられる。
【0003】
光学変換素子は、入射された光を変換し出射させる特性を有している。
このような光学変換素子は、例えば、二つのウエハから構成されており、この二つのウエハの主面同士が直接接合により接合されている。
【0004】
一方のウエハは、互いに直交するX軸とY軸とZ軸とからなる結晶軸を有している右水晶が用いられ、両主面が四角形状となっている。
また、一方のウエハは、主面がX軸とY軸に平行でかつ厚み方向がZ軸に平行となっている旋光板となっている。
【0005】
他方のウエハは、互いに直交するX軸とY軸とZ軸とからなる結晶軸を有している左水晶が用いられ、両主面が矩形形状となっている。
また、他方のウエハは、主面の大きさが一方のウエハの主面の大きさと同じとなっている。
また、他方のウエハは、主面がX軸とY軸に平行でかつ厚み方向がZ軸に平行となっている旋光板となっている。
【0006】
このような光学部品素子は、一方のウエハの一方の主面と他方のウエハの一方の主面とが直接接合によって接合され、一方のウエハの他方の主面から光が入射された光を変換し他方のウエハの他方の主面から出射させる特性を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
ウエハを直接接合によって接合する接合方法は、例えば、ウエハ搭載工程、照射工程、ウエハ配置工程、貼り合わせ工程、を備えている。
【0008】
(ウエハ搭載工程)
ウエハ搭載工程は、例えば、スペーサーに接合されるウエハを搭載する工程である。
スペーサー210は、例えば、図7(a)及び図7(b)に示すように、矩形形状の平板部となっており、一方の主面に第一の凹部空間211及び第二の凹部空間212が形成されている。
また、スペーサー210は、一方の主面を見た場合、第一の凹部空間211が矩形形状となっており、第二の凹部空間212が第一の凹部空間211の開口部の四つの隅部に円形となるように形成されている。
第一の凹部空間211は、その底面が接合されるウエハの主面と同じ大きさとなっており、第一の凹部空間211の開口部から底面までの長さがウエハの一方の主面から他方の主面までの長さより短くなっている。
第二の凹部空間212は、ピンセットの先端を挿入することができる大きさとなっており、スペーサー210からウエハを取り出す際に用いられる。
ウエハ搭載工程では、接合されるウエハをスペーサー210の第一の凹部空間210内に収納するようにしてスペーサー210に搭載する工程である。
【0009】
(照射工程)
照射工程は、例えば、図8に示すように、スペーサー210に搭載されているウエハWの接合される面にエキシマ照射ランプ120から放射された光を照射する工程である。
照射工程では、エキシマ照射ランプ120から放射された光が照射されることで、ウエハWの面の酸化膜や吸着物が除去され、照射されたウエハWの面が活性化される。
【0010】
(ウエハ配置工程)
ウエハ配置工程は、図9に示すように、スペーサー210から取り出されたウエハWの照射された面同士が対向するように配置する工程である。
ウエハ配置工程では、エキシマ照射ランプ120から放射された光が照射されたウエハWの面同士が対向するように、一方のウエハWの側面をピンセットで挟み保持した状態で2枚のウエハWが配置される。
【0011】
(貼り合わせ工程)
貼り合わせ工程は、一方のウエハWの側面を挟むようにピンセットによって保持した状態でウエハWの照射された面同士が対向するように配置されているウエハWの面を接触させて活性化された面同士を接合する工程である。
【0012】
従って、ウエハの接合方法は、エキシマ照射ランプ120から放射された光をウエハWに照射した後、光が照射された一方のウエハWの面と光が照射された他方のウエハWの面とが対向するようにピンセットで他方のウエハWを挟み保持しウエハWを配置させた後接触させて接合している。
【0013】
また、ウエハの接合方法は、例えば、互いに直交するX軸とY軸とZ軸とからなる結晶軸を有し両主面が矩形形状となっているウエハを用いて一方のウエハの結晶軸と他方のウエハの結晶軸とが所定の角度をなすように接合する場合、光をウエハに照射した後、一方のウエハの照射された面と他方のウエハの照射された面とが対向しつつ、一方のウエハの軸方向と他方のウエハの軸方向が所定の角度となるように、ピンセットで挟み保持した一方のウエハと他方のウエハとを目測で配置させ接触させて接合している。このとき、一方のウエハから他方のウエハを見た場合に、一方のウエハの縁部と他方のウエハの縁部とが重なるように二枚のウエハを目測で配置しつつ接触させている。
また、オリエンテーションフラットとなる側面が二面設けられ略両主面が円形形状となっているウエハを用いる場合には、一方のウエハから他方のウエハを見た場合に、オリエンテーションフラットとなる側面でない曲面状の側面に含まれるウエハの縁部が一致するように、二枚のウエハを目測で配置しつつ接触させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
特開2007−114520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来のウエハの接合方法は、接合されるウエハが互いに直交するX軸とY軸とZ軸とからなる結晶軸を有し一方のウエハの軸方向と他方のウエハの軸方向とが所定の角度をなすように接合する場合、光をウエハに照射した後、一方のウエハの照射された面と他方のウエハの照射された面とが対向しつつ、一方のウエハの軸方向と他方のウエハの軸方向が所定の角度となるように、ピンセットで挟み保持した一方のウエハと他方のウエハとを配置させ接触させて接合しているので、一方のウエハの軸方向と他方のウエハの軸方向とが所定の角度をなさないといった接合ずれが生じてしまう恐れがある。
このため、従来のウエハの接合方法では、接合ずれが生じた場合に、接合ずれの生じたウエハを洗浄し、再び、接合しなければならず、手間と時間を要し、生産性が低減する恐れがある。
【0016】
また、従来のウエハの接合方法は、エキシマ照射ランプから放射された光を接合したいウエハに照射し、一方のウエハの照射された面と他方のウエハの照射された面とが対向するように、ピンセットで他方のウエハを挟み保持し二つのウエハを配置させた後接触させ接合しているので、ピンセットに付着していた付着物が接合されるウエハの面に付着し接合されウエハの間に異物として混入する恐れがある。また、接合されるウエハの面の縁部がピンセットによって欠損し、この欠損した部分がウエハの間に異物として混入する恐れがある。
このため、従来のウエハの接合方法によれば、接合されるウエハの間に異物が混入し、
接合後の生産性が低減する恐れがある。
接合されている一方のウエハから他方のウエハに向かう向きに光を入射させる場合、
従来のウエハの接合方法では、接合されているウエハの間に混入した異物により干渉縞が生じるといった外観不良が発生し生産性が低減する恐れがある。
【0017】
本発明は、ウエハの接合ずれがなくウエハの間に異物が混入することなくウエハを接合することができる生産性が向上されたウエハの接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題を解決するため、オリエンテーションフラットとなる側面が二面設けられている両主面が略円形形状の二枚のウエハの主面同士を接合するウエハの接合方法であって、両主面が矩形形状に形成され一方の主面から他方の主面にかけて貫通孔が形成されている平板部と、前記平板部の一方の主面の辺であって互いに一端が接している所定の二辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部と、前記平板部の一方の主面であって前記第一の壁部の側面に沿って接する位置に設けられている第二の壁部と、からなる接合用ジグに、前記第一の壁部及び前記第二の壁部が設けられている前記平板部の面に前記ウエハの一方の主面が接触しつつ、前記第一の壁部に接する面に対向する前記第二の壁部の面に前記ウエハのオリエンテーションフラットとなる二つの側面が接触するように、前記ウエハを搭載するウエハ搭載工程と、前記接合用ジグに搭載されている前記ウエハの面であって前記平板部に接する面に対向する前記ウエハの面に、エキシマ照射ランプから放射された光を照射する照射工程と、前記ウエハの一方の主面が前記ウエハの前記平板部に接触したままとなるように前記平板部の他方の主面側の前記貫通孔の開口部から吸引し前記ウエハを前記接合用ジグに保持した状態で、前記平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む前記平板部の側面が前記第二の壁部が接している前記第一の壁部の面に接触するように、前記ウエハが搭載されている前記接合用ジグを配置する接合用ジグ配置工程と、配置された二つの前記接合用ジグに保持されている前記ウエハを接触させ前記ウエハを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記接合用ジグから貼り合わせた前記ウエハを取り外す取り外し工程と、を備え、前記第二の壁部が接している前記第一の壁部の面から前記平板部の所定の他の二辺を含む側面までの長さが前記ウエハの主面の直径の長さと同じ長さとなっており、前記第一の壁部に接している前記第二の壁部の面に対向する前記第二の壁部の面から前記平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面までの長さが前記ウエハのオリエンテーションフラットとなる側面からこの面に平行な面であって前記ウエハの曲線状の側面に接する接線までの前記ウエハのオリエンテーションフラットとなる側面に垂直な向きの長さと同じ長さとなっており、前記平板部に接している前記第一の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第一の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さの2倍の長さとなっており、前記平板部に接している前記第二の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さと同じ長さとなっていることを特徴とする。
【0019】
また、前記課題を解決するため、両主面が矩形形状となっている二枚のウエハの主面同士を接合するウエハの接合方法であって、両主面が矩形形状に形成され一方の主面から他方の主面にかけて貫通孔が形成されている平板部と、前記平板部の一方の主面の所定の二辺に縁部に沿って設けられている第一の壁部と、前記第一の壁部の側面に沿って前記平板部の一方の主面に設けられている第二の壁部と、からなる接合用ジグに、前記第一の壁部及び前記第二の壁部が設けられている前記平板部の面に前記ウエハの一方の主面を接触させつつ、前記第一の壁部に接する面に対向する前記第二の壁部の面に前記ウエハの隣り合う二つの側面を接触させるように前記ウエハを搭載するウエハ搭載工程と、前記接合用ジグに搭載されている前記ウエハの面であって前記平板部に接する面に対向する前記ウエハの面に、エキシマ照射ランプから放射された光を照射する照射工程と、前記ウエハの一方の主面が前記ウエハの前記平板部に接触したままとなるように前記平板部の他方の主面側の前記貫通孔の開口部から吸引し前記ウエハを前記接合用ジグに保持した状態で、前記平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む前記平板部の側面が前記第二の壁部が接している前記第一の壁部に接触するように、前記ウエハが搭載されている前記接合用ジグを配置する接合用ジグ配置工程と、配置された二つの前記接合用ジグに保持されている前記ウエハを接触させ前記ウエハを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記接合用ジグから貼り合わせた前記ウエハを取り外す取り外し工程と、を備え、前記平板部の一方の主面の所定の二辺であって一方の辺の縁部に沿って設けられている前記第一の壁部に接している前記第二の壁部の面からこの面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面の長辺の長さと同じ長さとなっており、前記平板部の一方の主面の所定の二辺であって他方の辺の縁部に沿って設けられている前記第一の壁部に接している前記第二の壁部の面からこの面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面の短辺の辺の長さと同じ長さとなっており、前記平板部に接している前記第一の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第一の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さの2倍の長さとなっており、前記平板部に接している前記第二の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さと同じ長さとなっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
このようなウエハの接合方法によれば、オリエンテーションフラットとなる側面が二面設けられている両主面が円形形状の二枚のウエWを接合する場合、第一の壁部に接する面に対向する第二の壁部の面から平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面までの長さが同じ長さがウエハのオリエンテーションフラットとなる側面からこの面に平行な線とウエハの曲線状の側面との接点までのウエハのオリエンテーションフラットとなる側面に垂直な方向の長さまでの長さが同じなので、接合用ジグであって、ウエハの一方の主面を平板部の一方の主面に接触させつつウエハのオリエンテーションフラットとなる側面を第一の壁部に接している面に対向する第二の壁部の面に接触させるようにウエハを搭載しているので、ウエハのオリエンテーションフラットとなる側面に平行な面であってウエハの曲線状の側面に接する接線が平板部の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置するようにウエハを容易に搭載することができる。
このため、このようなウエハの接合方法によれば、平板部の貫通孔の開口部から吸引しウエハを接合用ジグに保持した状態で、平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む平板部の側面が第二の壁部が接している第一の壁部に接触するように、ウエハが搭載されている接合用ジグを配置しているので、一方のウエハの結晶軸と他方のウエハの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプから放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させることができる。
従って、このようなウエハの接合方法によれば、一方のウエハの結晶軸と他方のウエハの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプから放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させた状態で容易に接合することができ、接合後の生産性を向上させることができる。
【0021】
また、このようなウエハの接合方法によれば、両主面が矩形形状となっている二枚のウエハの主面同士を接合する場合、貫通孔を有した平板部と平板部の一方の主面の所定の二辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部と第一の壁部の側面に接触しつつ平板部の一方の主面に接するように設けられている第二の壁部とからなり、平板部の一方の主面の所定の二辺であって一方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部に接している第二の壁部の面からこの面に対向する第二の壁部の面までの長さがウエハの一方の主面の長辺の長さと同じ長さとなっており、平板部の一方の主面の所定の二辺であって他方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部に接している第二の壁部の面からこの面に対向する第二の壁部の面までの長さがウエハの一方の主面の短辺の辺の長さと同じ長さとなっている
接合用ジグに平板部の一方の主面にウエハの一方の主面を接触させつつ第一の壁部に接する面に対向する第二の壁部の面にウエハの側面を接触させるようにウエハを搭載しているので、第二の壁部に接する面に対向するウエハの側面を平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置するように、ウエハを搭載することができる。
このため、このようなウエハの接合方法によれば、平板部の他方の主面の貫通孔の開口部から吸引し接合用ジグに保持した状態で、平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む平板部の側面が第二の壁部が接している第一の壁部に接触するように、ウエハが搭載されている接合用ジグを配置しているので、一方のウエハの結晶軸と他方のウエハの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプから放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させることができる。
従って、このようなウエハの接合方法によれば、一方のウエハの結晶軸と他方のウエハの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプから放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させた状態で容易に接合することができ、接合後の生産性を向上させることができる。
【0022】
また、このようなウエハの接合方法によれば、接合用ジグにウエハを搭載した状態でウエハにエキシマ照射ランプから放射された光を照射し、貫通孔から吸引しウエハを接合用ジグに保持し接合用ジグを配置し、光が照射されたウエハの面を貼り合わせて接合しているので、ウエハの側面をピンセットで挟むことなくウエハを接合することができる。
このため、このようなウエハの接合方法によれば、従来のウエハの接合方法と比較して接合されているウエハの主面の間に異物が混入するのを抑えることができ、接合後の生産性を向上させることができる。
接合されている一方のウエハから他方のウエハに向かう向きに光を入射させる場合、このようなウエハの接合方法によれば、従来のウエハの接合方法と比較して異物の混入を抑えることができるので、従来のウエハの接合方法と比較して異物の混入により干渉縞による外観不良を抑えることができ、従来のウエハの製造方法と比較して生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法で用いるウエハの状態の一例を示す平面図である。
【図2】(a)は、本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法で用いる接合用ジグの状態の一例を示す斜視図であり、(b)は、本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法で用いる接合用ジグの状態の一例を示す平面図である。
【図3】(a)は、本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法のウエハの搭載工程の状態の一例を示す平面図であり、(b)は、本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法のウエハの搭載工程の状態の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法における照射工程の状態の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法における接合用ジグ配置工程の状態の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法における貼り合わせ工程の状態の一例を示す断面図である。
【図7】(a)は、従来のウエハの接合方法で用いるスペーサーの状態の一例を示す斜視図であり、(b)は、従来のウエハの接合方法で用いるスペーサーの状態の一例を示す断面図である。
【図8】従来のウエハの接合方法における照射工程の状態の一例を示す断面図である。
【図9】従来のウエハの接合方法におけるウエハ配置工程の状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において各構成要素の状態を分かりやすくするために誇張して図示している。
【0025】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法では、オリエンテーションフラットとなる側面が二面設けられ両主面が略円形形状となっている二つのウエハの主面同士を直接接合により接合している。
【0026】
本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法で用いるウエハWは、図1に示すように、互いに直交するX軸とY軸とZ軸とからなる結晶軸とを有しており、両主面がX軸及びY軸に平行となっている。
また、ウエハWは、図1に示すように、円形形状の両主面に、オリエンテーションフラットとなる側面を有した略円形形状となっている。
【0027】
ここで、オリエンテーションフラットとなる側面とは、ウエハWの軸方向を示すために設けられている面である。
【0028】
また、ウエハWは、例えば、図1に示すように、オリエンテーションフラットとなる側面が二つ設けられており、一方のオリエンテーションフラットとなる側面がX軸及びZ軸に平行な平面となっており、他方のオリエンテーションフラットとなる側面がY軸及びZ軸に平行な平面となっている。
従って、ウエハWは、例えば、図1に示すように、オリエンテーションフラットとなる側面と曲線状となっている側面とを有している。
【0029】
ここで、曲線状となっている側面を第一の側面とし、一方のオリエンテーションフラットとなる側面を第二の側面とし、他方のオリエンテーションフラットとなる側面を第三の側面とする。
【0030】
また、ウエハWは、第二の側面に平行な面であって第一の側面に接する接線から第二の側面までの第二の側面に垂直な向きの長さを第二の距離W2としたとき、第二の距離W2がウエハWの直径W1より短くなっている。
また、ウエハWは、第三の側面に平行な面であって第一の側面に接する接線から第三の側面までの第三の側面に垂直な向きの長さを第三の距離W3としたとき、第三の距離W3がウエハWの直径W1より短くなっている。
また、ウエハWは、例えば、図1に示すように、第二の距離W2が第三の距離W3よりも短くなっており、第二の距離W2と第三の距離W3によって二つの軸方向を判断することができる構成となっている。
【0031】
つまり、ウエハWは、図1に示すように、ウエハWの一方の主面を見た場合、第二の側面を含む辺H2から第二の側面を含む辺H2に平行な線と第一の側面を含む曲線状の辺との接点までの第二の側面を含む辺H2に垂直な距離を第二の距離W2とし、第三の側面を含むH3から第三の側面を含むH3に平行な線と第一の側面を含む曲線状の辺との接点までの第三の側面を含む辺H3に垂直な距離を第三の距離W3としている。
また、ウエハWは、第一の距離W1が第二の距離W2及び第三の距離W3より長く、第二の距離W2が第三の距離W3より長くなっており、異なる二つの方向を判断することができる構成となっている。
【0032】
本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法では、例えば、一方のウエハWのX軸と他方のウエハWのX軸とが90度の角度をなし、一方のウエハWのY軸と他方のウエハWのY軸とが90度の角度をなすように、オリエンテーションフラットとなる側面を有したウエハが接合される。
【0033】
このような本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法は、例えば、ウエハ搭載工程、照射工程、接合用ジグ配置工程、貼り合わせ工程、取り外し工程、を備えている。
【0034】
(ウエハ搭載工程)
ウエハ搭載工程は、図3(a)及び図3(b)に示すように、両主面が矩形形状に形成され一方の主面から他方の主面にかけて貫通孔112(図2(a)及び図2(b)参照)が形成されている平板部111と、前記平板部111の一方の主面の辺であって互いに一端が接している所定の二辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部113aと、前記平板部111の一方の主面であって前記第一の壁部113aの側面に沿って接する位置に設けられている第二の壁部113bと、からなる接合用ジグ110に、前記第一の壁部113a及び前記第二の壁部113bが設けられている前記平板部111の面に前記ウエハWの一方の主面が接触しつつ、前記第一の壁部113aに接する面に対向する前記第二の壁部113bの面に前記ウエハWのオリエンテーションフラットとなる二つの側面が接触するように、前記ウエハWを搭載する工程である。
【0035】
接合用ジグ110は、図2(a)及び図2(b)に示すように、第一の壁部113a及び第二の壁部113bからなる壁部113と、平板部111とから構成されている。
【0036】
平板部111は、図2(a)及び図2(b)に示すように、両主面が矩形形状に形成されている。
また、平板部111は、図2(a)及び図2(b)に示すように、一方の主面か他方の主面にかけて貫通孔が形成されている。
また、平板部111は、図2(a)及び図2(b)に示すように、一方の主面に壁部113が設けられている。
【0037】
壁部113は、図2(a)及び図2(b)に示すように、第一の壁部113aと第二の壁部113bとから構成されている。
【0038】
第一の壁部113aは、図2(a)及び図2(b)に示すように、平板部111の一方の主面の辺であって互いに一端が接触している所定の二辺の縁部に沿って設けられている。
従って、第一の壁部113aは、図2(b)に示すように、第一の壁部113a側から平板部111の一方の主面側を見た場合、L字形状となっている。
【0039】
また、第一の壁部113aは、平板部111に接している面からこの面に対向する第一の壁部113bの面まで長さ、つまり、第一の壁部113aの高さが、ウエハWの一方の主面からウエハWの他方の主面までの長さ、つまり、ウエハWの板厚の2倍以上の長さとなっている。
【0040】
また、第一の壁部113aは、後述する第二の壁部113bに接する面から平板部111の一方の主面の辺であって所定の他の二辺を含む側面までの長さがウエハWの直径W1の長さと同じ長さとなっている。
【0041】
第二の壁部113bは、図2(a)及び図2(b)に示すように、平板部111の一方の主面であって第一の壁部113aの側面に沿って接する位置に設けられている。
このとき、第二の壁部113bは、第一の壁部113aが平板部111の一方の主面の所定の二辺の縁部に沿って設けられているので、平板部111の一方の主面の所定の他の二辺側を向く第一の壁部113aの側面に沿って設けられている。
ここで、第一の壁部113aの側面は、平板部111に接する第一の壁部113aの面とこの面に対向する第一の壁部113aの面とに接する面である。
従って、第二の壁部113bは、図2(b)に示すように、第二の壁部113b側から平板部111の一方の主面側を見た場合、L字形状となっている。
【0042】
また、第二の壁部113bは、平板部111に接している面からこの面に対向する第二の壁部113bまでの長さ、つまり、第二の壁部113bの高さが、ウエハWの一方の主面からウエハWの他方の主面までの長さ、つまり、ウエハの板厚と同じ長さとなっている。
【0043】
また、第二の壁部113bは、平板部111の一方の主面の所定の二辺であって一方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部113aに接している面に対向する第二の壁部113bの面から一方の辺に対向する平板部111の一方の主面の辺を含む側面までの長さが第二の距離W2と同じ長さとなっている。
また、第二の壁部113bは、平板部111の一方の主面の所定の二辺であって他方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部113aに接している面に対向する第二の壁部113の面から他方の辺に対向する平板部111の一方の主面の辺を含む側面までの長さが第三の距離W3と同じ長さとなっている。
【0044】
このため、接合用ジグ110は、ウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面を第一の壁部113aに接する面に対向する第二の壁部113bの面に接触させると、ウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面に平行な面であってウエハWの曲線状の側面に接する接線を平板部111の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置させることができる構成となっている。
【0045】
ウエハ搭載工程では、図3(b)に示すように、ウエハWの一方の主面が第一の壁部113a及び第二の壁部113bが設けられている平板部111の面に接触する位置に接合用ジグ110にウエハWが配置される。
また、ウエハ搭載工程では、図3(a)及び図3(b)に示すように、ウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面が第一の壁部113aに接している面に対向する第二の壁部113bの面に接触するように接合用ジグ110にウエハWが配置される。
このとき、図3(b)に示すように、ウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面に平行な面であってウエハWの曲線状の側面に接する接線が平板部111の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置している。
【0046】
(照射工程)
照射工程は、図4に示すように、前記接合用ジグ110に搭載されている前記ウエハWの面であって前記平板部111に接する面に対向する前記ウエハWの面に、エキシマ照射ランプ120から放射された光を照射する工程である。
照射工程では、エキシマ照射ランプ120から放射された光がウエハWに照射されることで、ウエハWの面の酸化膜や吸着物や汚染物が除去され、ウエハWの面が活性化される。
【0047】
(接合用ジグ配置工程)
接合用ジグ配置工程は、図5に示すように、前記ウエハWの一方の主面が前記ウエハWの前記平板部111に接触したままとなるように前記平板部111の他方の主面側の前記貫通孔112の開口部から吸引し前記ウエハWを前記接合用ジグ110に保持した状態で、前記平板部111の一方の主面の所定の他の二辺を含む前記平板部111の側面が前記第二の壁部113bが接している前記第一の壁部113aの面に接触するように、前記ウエハWが搭載されている前記接合用ジグ110を配置する工程である。
【0048】
接合用ジグ配置工程では、まず、平板部111の他方の主面側の貫通孔112の開口部から吸引手段(図示せず)によって吸引してウエハWを接合用ジグ110の一方の平板部111の一方の主面側に保持している。
接合用ジグ配置工程では、次に、図5に示すように、それぞれの接合用ジグ110にウエハWを保持した状態で、一方のウエハWが搭載されている接合用ジグ110の第二の壁部113bが接している第一の壁部113aの面他方のウエハWが搭載されている接合用ジグ110の平板部111の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面が接触しつつ、一方のウエハWが搭載されている接合用ジグ110の平板部111の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面他方のウエハWが搭載されている接合用ジグ110の第二の壁部113bが接している第一の壁部113aの面が接触するようにそれぞれウエハWが搭載されている接合用ジグ110が配置される。
このため、接合用ジグ配置工程では、ウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面に平行な面であってウエハWの曲線状の側面に接する接線が平板部111の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置した状態でウエハWが接合用ジグ110に搭載されているので、一方のウエハWのX軸と他方のウエハWのX軸とが90度の角度をなし、一方のウエハWのY軸と他方のウエハWのY軸とが90度の角度をなしている状態で、エキシマ照射ランプ120から放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させることができる。
【0049】
(貼り合わせ工程)
貼り合わせ工程は、図6に示すように、配置された二つの前記接合用ジグ110に保持されている前記ウエハWを接触させ前記ウエハWを貼り合わせる工程である。
貼り合わせ工程では、一方のウエハWの活性化されている主面と他方のウエハWの活性化されている主面とが接触されることで、一方のウエハWと他方のウエハWとが直接接合により接合される。
【0050】
(取り外し工程)
取り外し工程は、前記接合用ジグ110から貼り合わせた前記ウエハWを取り外す工程である。
【0051】
このような本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法によれば、オリエンテーションフラットとなる側面が二面設けられている両主面が円形形状の二枚のウエWを接合する場合、第一の壁部113aに接する面に対向する第二の壁部113bの面から平板部111の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面までの長さが同じ長さがウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面からこの面に平行な線とウエハWの曲線状の側面との接点までのウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面に垂直な方向の長さまでの長さが同じなので、接合用ジグ110であって、ウエハWの一方の主面を平板部の一方の主面に接触させつつウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面を第一の壁部113aに接している面に対向する第二の壁部113bの面に接触させるようにウエハWを搭載しているので、ウエハWのオリエンテーションフラットとなる側面に平行な面であってウエハWの曲線状の側面に接する接線が平板部111の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置するようにウエハWを容易に搭載することができる。
このため、このような本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法によれば、平板部111の貫通孔112の開口部から吸引しウエハWを接合用ジグ110に保持した状態で、平板部111の一方の主面の所定の他の二辺を含む平板部111の側面が第二の壁部113bが接している第一の壁部113aに接触するように、ウエハWが搭載されている接合用ジグを配置しているので、一方のウエハWの結晶軸と他方のウエハWの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプ120から放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させることができる。
従って、このようなウエハの接合方法によれば、一方のウエハwの結晶軸と他方のウエハWの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプ120から放射された光が照射されたウエハWの面同士を容易に対向させた状態で容易に接合することができ、接合後の生産性を向上させることができる。
【0052】
また、このような本発明の第一の実施形態に係る実施形態に係るウエハの接合方法によれば、接合用ジグ110にウエハWを搭載した状態でウエハWにエキシマ照射ランプ120から放射された光を照射し、貫通孔112から吸引しウエハWを接合用ジグ110に保持し接合用ジグ110を配置し、光が照射されたウエハWの面を貼り合わせて接合しているので、ウエハWの側面をピンセットで挟むことなくウエハWを接合することができる。
このため、このような本発明の実施形態に係るウエハの接合方法によれば、従来のウエハの接合方法と比較して接合されているウエハWの主面の間に異物が混入するのを抑えることができ、接合後の生産性を向上させることができる。
接合されている一方のウエハWから他方のウエハWに向かう向きに光を入射させる場合、このような本発明の第一の実施形態に係るウエハの接合方法によれば、従来のウエハWの接合方法と比較して異物の混入を抑えることができるので、従来のウエハの接合方法と比較して異物の混入により干渉縞による外観不良を抑えることができ、従来のウエハの製造方法と比較して生産性を向上させることができる。
【0053】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態に係るウエハの接合方法は、接合されるウエハの主面が矩形形状となっているウエハを用いている点で第一の実施形態と異なる。
【0054】
本発明の第二の実施形態に係るウエハの接合方法で用いるウエハは、例えば、両主面が矩形形状となっており、一方の主面又は他方の主面を見た場合、対向しあう二辺が同じ長さとなっており、互いに一端が接している辺の長さが異なっている。
【0055】
(ウエハ搭載工程)
ウエハ搭載工程は、両主面が矩形形状に形成され一方の主面から他方の主面にかけて貫通孔が形成されている平板部と、前記平板部の一方の主面の所定の二辺に縁部に沿って設けられている第一の壁部と、前記第一の壁部の側面に沿って前記平板部の一方の主面に設けられている第二の壁部と、からなる接合用ジグに、前記第一の壁部及び前記第二の壁部が設けられている前記平板部の面に前記ウエハの一方の主面を接触させつつ、前記第一の壁部に接する面に対向する前記第二の壁部の面に前記ウエハの隣り合う二つの側面を接触させるように前記ウエハを搭載する工程である。
【0056】
接合用ジグは、平板部と第一の壁部と第二の壁部とから構成されている。
【0057】
平板部は、両主面が矩形形状となっており、両主面の形状が接合されるウエハの主面の形状より大きくなっている。
また、平板部は、一方の主面から他方の主面にかけて貫通孔が形成されている。
また、平板部は、一方の主面に第一の壁部及び第二の壁部が設けられている。
【0058】
第一の壁部は、平板部の一方の主面の辺であって互いに一端が接触している所定の二辺の縁部に沿って設けられている。
従って、第一の壁部は、第一の壁部側から平板部の一方の主面側を見た場合、L字形状となっている。
【0059】
また、第一の壁部は、平板部に接している面からこの面に対向する第一の壁部の面まで長さ、つまり、第一の壁部の高さが、ウエハの一方の主面からウエハの他方の主面までの長さ、つまり、ウエハWの板厚の2倍以上の長さとなっている。
【0060】
また、第一の壁部は、後述する第二の壁部に接する面から平板部の一方の主面の辺であって所定の他の二辺を含む側面までの長さがウエハの一方の主面の長辺の長さと同じ長さとなっている。
【0061】
第二の壁部は、平板部の一方の主面であって第一の壁部の側面に沿って接する位置に設けられている。
このとき、第二の壁部は、第一の壁部が平板部の一方の主面の互いに一端が接している所定の二辺の縁部に沿って設けられているので、平板部の一方の主面の所定の他の二辺側を向く第一の壁部の側面に沿って設けられている。
ここで、第一の壁部の側面は、平板部に接する第一の壁部の面とこの面に対向する第一の壁部の面とに接する面である。
従って、第二の壁部は、第二の壁部側から平板部の一方の主面側を見た場合、L字形状となっている。
【0062】
また、第二の壁部は、平板部に接している面からこの面に対向する第二の壁部までの長さ、つまり、第二の壁部の高さが、ウエハの一方の主面からウエハの他方の主面までの長さ、つまり、ウエハの板厚と同じ長さとなっている。
【0063】
また、第二の壁部は、平板部の一方の主面の所定の二辺であって一方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部に接している面に対向する第二の壁部の面から一方の辺に対向する平板部の一方の主面の辺を含む側面までの長さがウエハの一方の主面の短辺と同じ長さとなっている。
また、第二の壁部は、平板部の一方の主面の所定の二辺であって他方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部に接している面に対抗する第二の壁部の面から他方の辺に対向する平板部の一方の主面の辺を含む側面までの長さがウエハの一方の主面の長辺と同じ長さとなっている。
【0064】
このため、接合用ジグは、ウエハの一方の主面を平板部の一方の主面に接触させつつウエハの所定の二つの側面を第一の壁部に接している面に対向する第二の壁部の面に接触させた場合、ウエハの所定の他の二つの側面が平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置させることができる構成となっている。
【0065】
ウエハ搭載工程では、ウエハの一方の主面が第一の壁部及び第二の壁部の設けられている平板部の面に接触するように接合用ジグにウエハが配置される。
また、ウエハ搭載工程では、ウエハの所定の二つの側面が第一の壁部に接している第二の壁部の面に接触するように接合用ジグにウエハが配置される。このとき、ウエハの所定の二つの側面は、互いに隣り合っている。
このとき、ウエハの所定の他の二つの側面が平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置している。
【0066】
また、このような本発明の第二の実施形態に係るウエハの接合方法によれば、両主面が矩形形状となっている二枚のウエハの主面同士を接合する場合、貫通孔を有した平板部と平板部の一方の主面の所定の二辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部と第一の壁部の側面に接触しつつ平板部の一方の主面に接するように設けられている第二の壁部とからなり、平板部の一方の主面の所定の二辺であって一方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部に接している第二の壁部の面からこの面に対向する第二の壁部の面までの長さがウエハの一方の主面の長辺の長さと同じ長さとなっており、平板部の一方の主面の所定の二辺であって他方の辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部に接している第二の壁部の面からこの面に対向する第二の壁部の面までの長さがウエハの一方の主面の短辺の辺の長さと同じ長さとなっている
接合用ジグに平板部の一方の主面にウエハの一方の主面を接触させつつ第一の壁部に接する面に対向する第二の壁部の面にウエハの側面を接触させるようにウエハを搭載しているので、第二の壁部に接する面に対向するウエハの側面を平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面と同一平面上に位置するように、ウエハを搭載することができる。
このため、このようなウエハの接合方法によれば、平板部の他方の主面の貫通孔の開口部から吸引し接合用ジグに保持した状態で、平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む平板部の側面が第二の壁部が接している第一の壁部に接触するように、ウエハが搭載されている接合用ジグを配置しているので、一方のウエハの結晶軸と他方のウエハの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプから放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させることができる。
従って、このようなウエハの接合方法によれば、一方のウエハの結晶軸と他方のウエハの結晶軸とが所定の角度となるようにエキシマ照射ランプから放射された光が照射されたウエハの面同士を容易に対向させた状態で容易に接合することができ、接合後の生産性を向上させることができる。
【0067】
なお、貫通孔が平板部に一つ設けられている場合について説明しているが、平板部の他方の主面側の貫通孔の開口部から吸引手段を用いて吸引しウエハを平板部の一方の主面に保持することができれば、貫通孔を複数形成してもよい。
【0068】
右水晶からなる旋光板と左水晶からなる旋光板とを接合する場合について説明しているが、ウエハの主面を直接接合によって接合していれば、例えば、波長板を貼り合わせてもよい。
【0069】
また、ウエハが水晶からなる場合について説明しているが、ウエハの主面を直接接合によって接合していれば、例えば、ガラスであってもよい。
【0070】
また、2枚のウエハを接合する場合について説明しているが、例えば、接合されているウエハを一つのウエハとみなして、接合されているウエハ同士をさらに接合してもよい。
【符号の説明】
【0071】
110 接合用ジグ
111 平板部
112 貫通孔
113 柱部
120 エキシマ照射ランプ
W ウエハ
210 スペーサー
211 第一の凹部空間
212 第二の凹部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリエンテーションフラットとなる側面が二面設けられている両主面が略円形形状の二枚のウエハの主面同士を接合するウエハの接合方法であって、
両主面が矩形形状に形成され一方の主面から他方の主面にかけて貫通孔が形成されている平板部と、前記平板部の一方の主面の辺であって互いに一端が接している所定の二辺の縁部に沿って設けられている第一の壁部と、前記平板部の一方の主面であって前記第一の壁部の側面に沿って接する位置に設けられている第二の壁部と、からなる接合用ジグに、前記第一の壁部及び前記第二の壁部が設けられている前記平板部の面に前記ウエハの一方の主面が接触しつつ、前記第一の壁部に接する面に対向する前記第二の壁部の面に前記ウエハのオリエンテーションフラットとなる二つの側面が接触するように、前記ウエハを搭載するウエハ搭載工程と、
前記接合用ジグに搭載されている前記ウエハの面であって前記平板部に接する面に対向する前記ウエハの面に、エキシマ照射ランプから放射された光を照射する照射工程と、
前記ウエハの一方の主面が前記ウエハの前記平板部に接触したままとなるように前記平板部の他方の主面側の前記貫通孔の開口部から吸引し前記ウエハを前記接合用ジグに保持した状態で、前記平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む前記平板部の側面が前記第二の壁部が接している前記第一の壁部の面に接触するように、前記ウエハが搭載されている前記接合用ジグを配置する接合用ジグ配置工程と、
配置された二つの前記接合用ジグに保持されている前記ウエハを接触させ前記ウエハを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記接合用ジグから貼り合わせた前記ウエハを取り外す取り外し工程と、
を備え、
前記第二の壁部が接している前記第一の壁部の面から前記平板部の所定の他の二辺を含む側面までの長さが前記ウエハの主面の直径の長さと同じ長さとなっており、
前記第一の壁部に接している前記第二の壁部の面に対向する前記第二の壁部の面から前記平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む側面までの長さが前記ウエハのオリエンテーションフラットとなる側面からこの面に平行な面であって前記ウエハの曲線状の側面に接する接線までの前記ウエハのオリエンテーションフラットとなる側面に垂直な向きの長さと同じ長さとなっており、
前記平板部に接している前記第一の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第一の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さの2倍の長さとなっており、
前記平板部に接している前記第二の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さと同じ長さとなっている
ことを特徴とするウエハの接合方法。
【請求項2】
両主面が矩形形状となっている二枚のウエハの主面同士を接合するウエハの接合方法であって、
両主面が矩形形状に形成され一方の主面から他方の主面にかけて貫通孔が形成されている平板部と、前記平板部の一方の主面の所定の二辺に縁部に沿って設けられている第一の壁部と、前記第一の壁部の側面に沿って前記平板部の一方の主面に設けられている第二の壁部と、からなる接合用ジグに、前記第一の壁部及び前記第二の壁部が設けられている前記平板部の面に前記ウエハの一方の主面を接触させつつ、前記第一の壁部に接する面に対向する前記第二の壁部の面に前記ウエハの隣り合う二つの側面を接触させるように前記ウエハを搭載するウエハ搭載工程と、
前記接合用ジグに搭載されている前記ウエハの面であって前記平板部に接する面に対向する前記ウエハの面に、エキシマ照射ランプから放射された光を照射する照射工程と、
前記ウエハの一方の主面が前記ウエハの前記平板部に接触したままとなるように前記平板部の他方の主面側の前記貫通孔の開口部から吸引し前記ウエハを前記接合用ジグに保持した状態で、前記平板部の一方の主面の所定の他の二辺を含む前記平板部の側面が前記第二の壁部が接している前記第一の壁部に接触するように、前記ウエハが搭載されている
前記接合用ジグを配置する接合用ジグ配置工程と、
配置された二つの前記接合用ジグに保持されている前記ウエハを接触させ前記ウエハを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
前記接合用ジグから貼り合わせた前記ウエハを取り外す取り外し工程と、
を備え、
前記平板部の一方の主面の所定の二辺であって一方の辺の縁部に沿って設けられている前記第一の壁部に接している前記第二の壁部の面からこの面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面の長辺の長さと同じ長さとなっており、
前記平板部の一方の主面の所定の二辺であって他方の辺の縁部に沿って設けられている前記第一の壁部に接している前記第二の壁部の面からこの面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面の短辺の辺の長さと同じ長さとなっており、
前記平板部に接している前記第一の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第一の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さの2倍の長さとなっており、
前記平板部に接している前記第二の壁部の面から前記平板部に接している面に対向する前記第二の壁部の面までの長さが前記ウエハの一方の主面から前記ウエハの他方の主面までの長さと同じ長さとなっている
ことを特徴とするウエハの接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−4701(P2013−4701A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133788(P2011−133788)
【出願日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(000104722)京セラクリスタルデバイス株式会社 (870)
【Fターム(参考)】