説明

ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置

【課題】長期にわたって、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部にグリースを供給して、潤滑不良を防止することができるウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ハウジング11と、ハウジング11により軸受を介して支持されるウォーム20と、ウォーム20に噛み合うウォームホイール21とを備え、ウォーム20とウォームホイール21の噛み合い部Aは、ハウジング11内に充填されたグリースにより潤滑されるウォーム減速機14において、ウォームホイール21の重力方向上側に少なくとも1個の攪拌体Bを配置し、ウォームホイール21が回転することにより、攪拌体Bは、ハウジング11内のグリースを攪拌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウォーム減速機は、ウォームとウォームホイールを螺合させて、電動モータを駆動させると、ウォームとウォームホイールの歯数の違いにより、電動モータの回転を減速するとともに出力を増幅するものである。例えば、自動車用のコラム型電動パワーステアリング装置では、電動モータの回転を、ウォーム減速機により、ウォームからウォームホイールに伝えることで、減速するとともに出力を増幅した後、操舵軸に付与することで、ステアリング操作をトルクアシストしている。このウォームとウォームホイールの噛み合い部は、ハウジング内に供給されるグリースにより潤滑されている。
【0003】
ウォームとウォームホイールの噛み合いにおいて、ウォームの歯は螺旋方向に沿うため、ウォームの回転にともない、グリースがウォームの端部に向かい流動する。これにより、ウォームを支持する軸受近傍にグリースが滞留し、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部のグリースが不足し、潤滑不良を生じるという問題があった。
【0004】
例えば、特許文献1に記載された従来技術では、ウォームの回転にともないウォームの端部に向かって流動するグリースの流動方向を、ウォームホイールの外周に導くように変更する案内部材が設けられている。この案内部材は、ウォームを囲む周壁を有する筒形状となっており、一端が周壁の内部に対向し、他端がウォームホイールの外周に対向するグリース流路が形成されている。この構成により、グリース流路を介して、ウォームの端部に向かって流動するグリースを、ウォームホイールの外周に導かれるようにして滞留を防ぎ、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部のグリースが不足するのを防止している。(特許文献1の図2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−29057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ウォームとウォームホイールとの噛み合いにおいて、グリースはウォームを支持する軸受近傍に滞留するだけでなく、ウォームホイールの上下方向にも掻き出されて滞留している。これは、グリースがウォームホイールの下方向に掻き出された場合、重力によりハウジング内に落下することにより、循環して再使用されるが、ウォームホイールの上方向に掻き出された場合、ウォームホイールの上端面及びウォームホイール上端面に対向する軸受側面に滞留するためである。これにより、長期にわたる使用において、循環されずに滞留するグリース量が増加することで、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部のグリースが不足し、潤滑不良を生じるという問題があった。このような潤滑不良は、ウォーム及びウォームホイールの焼き付きによる破損等、耐久性を低下させる。また、電動パワーステアリング装置においては、円滑なトルクアシストを阻害するために操舵フィーリングを低下させる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、長期にわたって、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部にグリースを供給して、潤滑不良を防止することができるウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために提供される請求項1に記載の発明は、ハウジングと、前記ハウジングにより軸受を介して支持されるウォームと、前記ウォームに噛み合うウォームホイールとを備え、前記ウォームと前記ウォームホイールの噛み合い部は、前記ハウジング内に充填されたグリースにより潤滑されるウォーム減速機において、前記ウォームホイールの重力方向上側に少なくとも1個の攪拌体を配置し、前記ウォームホイールが回転することにより、前記攪拌体は、前記ハウジング内の前記グリースを攪拌することを特徴とする。
【0009】
本請求項のウォーム減速機は、ウォームホイールが回転すると、ウォームホイール上端面を攪拌体が移動するので、ウォームホイール上端面及びウォームホイール上端面に対向する軸受側面に滞留したグリースを攪拌することができる。
【0010】
上記問題点を解決するために提供される請求項2に記載の発明は、請求項1記載のウォーム減速機において、前記攪拌体は球形状であることを特徴とする。
【0011】
本請求項のウォーム減速機は、球形状をした攪拌体が、重力方向上側となるウォームホイール上端面を転がりながら軌道を変えて接触することによって、ウォームホイールの上端側面に掻き出され、滞留状態となったグリースを、効率的に攪拌することができる。
【0012】
上記問題点を解決するために提供される請求項3に記載の発明は、請求項2記載のウォーム減速機において、前記攪拌体の表面には、窪み又は溝が形成されていることを特徴とする。
【0013】
本請求項のウォーム減速機は、球形状をした攪拌体の表面に、窪み又は溝が形成されているので、ウォームホイールの上端面を攪拌体が転がるときに、表面に付着させるグリース量を大きくして、より効率的にグリースを攪拌することができる。
【0014】
上記問題点を解決するために提供される請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のウォーム減速機において、前記ウォームホイールの重力方向上側に少なくとも1個の突起部を有しており、前記ウォームホイールが回転することにより、前記突起部は前記ウォームホイール上の前記攪拌体を移動させることを特徴とする。
【0015】
本請求項のウォーム減速機は、ウォームホイールの回転により、突起部が攪拌体を押し出して、攪拌体の転がる軌道を変えることができるので、攪拌体をウォームホイールの上端面にくまなく接触させて、より効率的にグリースを攪拌することができる。
【0016】
上記問題点を解決するために提供される請求項5に記載の発明は、電動モータの動力を、請求項1〜4のいずれか一項に記載のウォーム減速機を介して操舵機構に伝達することを特徴とする。
【0017】
本請求項の電動パワーステアリング装置は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のウォーム減速機を備えているので、長期にわたって、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部にグリースを供給して、潤滑不良を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、長期にわたって、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部にグリースを供給して、潤滑不良を防止することができるウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態のウォーム減速機が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図。
【図2】図1のII‐II線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るウォーム減速機が適用された電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図2は、図1のII‐II線に沿う断面図である。
【0021】
図1に示すように、電動パワーステアリング装置1では、ステアリングホイール等の操舵部材2を取り付けている第1操舵軸3と、ピニオン軸4に連結される第2操舵軸5とが、トーションバー6を介して同軸的に連結されている。ピニオン軸4の端部近傍に形成されたピニオン歯4aに、車両の左右方向に延びる転蛇軸としてのラックバー7のラック歯7aが噛み合っており、ピニオン軸4及びラックバー7からなるラックアンドピニオン機構によって操舵機構が構成されている。
【0022】
ラックバー7は、車体に固定されるハウジング(図示せず)内に直線往復動自在に支持されていて、ハウジング(図示せず)の外側に突出するラックバー7の両端部にはそれぞれタイロッド8が結合されている。各タイロッド8、は対応するナックルアーム9を介して、対応する操向輪10に連結されている。第1及び第2操舵軸3、5を支持するハウジング11は、例えば、アルミニウム合金からなり、車体(図示せず)に取り付けられている。ハウジング11は、互いに嵌め合わされるセンサハウジング12と、筒状のギヤハウジング13とにより構成されている。具体的には、ギヤハウジング13の上端13aが、センサハウジング12の外周の環状段部12aに嵌め合わされている。ギヤハウジング13は、ウォームギヤ機構からなるウォームギヤ減速機14を収容し、センサハウジング12はトルクセンサ15及び制御基板16等を収容している。
【0023】
ウォーム減速機14は、第2操舵軸5の軸方向中間部に、一体回転可能でかつ軸方向移動を不能に連結されたウォームホイール21と、図2に示すように、電動モータMの回転軸17に、例えば、スプライン継手18等の継手機構を介して、一体回転可能に連結されたウォーム20とを備える。ギヤハウジング13内において、ウォーム20およびウォームホイール21は、噛み合い領域Aにて噛み合っている。
【0024】
ウォームホイール21は、第2操舵軸5に相対回転不能に結合される環状の芯金21aと、芯金21aの周囲を取り囲んで芯金21aに一体回転可能かつ相対回転不能に結合され、かつ外周に複数の歯(図示せず)が形成された合成樹脂部材21bとを備える。芯金21aは、例えば、合成樹脂部材21bの樹脂成形時に金型内にインサートされるものである。
【0025】
第2操舵軸5は、ウォームホイール21を軸方向の上下に挟んで配置される第1及び第2転がり軸受22、23により回転自在に支持されている。第1転がり軸受22の外輪24は、センサハウジング12下端の筒状突起12b内に設けられた軸受保持孔25に嵌め入れられて保持されている。また、外輪24の上端面は環状の段部26に当接しており、外輪24は、センサハウジング12に対する軸方向上方への移動が規制されている。
【0026】
一方、第1転がり軸受22の内輪27は、第2操舵軸5に締まりばめにより嵌め合わされている。また、内輪27の下端面は、ウォームホイール21の芯金21aの上端面に当接している。第2転がり軸受23の外輪28は、ギヤハウジング13の軸受保持孔29に嵌め入れられている。外輪28の下端面は、環状の段部30に当接し、外輪28は、ギヤハウジング13に対する軸方向下方への移動が規制されている。
【0027】
一方、第2転がり軸受23の内輪31は、第2操舵軸5に一体回転可能で、かつ第2操舵軸5に対する軸方向移動を規制された状態に取り付けられている。また、内輪31は、第2操舵軸5の段部32と、第2操舵軸5のねじ部に締めこまれるナット33との間に挟持されている。トーションバー6は、第1及び第2操舵軸3、5を貫通している。トーションバー6の上端6aは、連結ピン34により、第1の操舵軸3と一体回転可能に連結され、下端6bは、連結ピン35により、第2操舵軸5と一体回転可能に連結されている。第2操舵軸5の下端は、中間軸(図示せず)を介して、ピニオン軸4に連結されている。
【0028】
上記の連結ピン34は、第1操舵軸3と同軸に配置される第3の操舵軸36を、第1の操舵軸3と一体回転可能に連結している。第3操舵軸36は、ステアリングコラムを構成するチューブ37内を貫通している。第1操舵軸3の上部は、例えば、針状ころ軸受からなる第3転がり軸受38を介してセンサハウジング12に回転自在に支持されている。第1操舵軸3の下部の縮径部39と、第2操舵軸5の上部の孔40とは、第1及び第2操舵軸3、5の相対回転を所定の範囲に規制するように、回転方向に所定の遊びを設けて嵌め合わされている。
【0029】
なお、電動パワーステアリング装置1は、車体に取り付けられた状態において、ウォームギヤ減速機14は、ウォーム20及び電動モータM部分を重力方向下側にして、第1操舵軸3を上方に、第2操舵軸5を下方にして斜め方向に配置されている。
【0030】
次に、図2に示すように、ウォーム20は、ギヤハウジング13により保持される第4及び第5転がり軸受43、44により、それぞれ回転自在に支持されている。第4及び第5転がり軸受43、44の内輪45、46は、ウォーム20の対応するくびれ部に嵌合されている。また、外輪47、48は、ギヤハウジング13の軸受保持孔49、50に、それぞれ保持されている。
【0031】
ギヤハウジング13は、ウォーム20の周面の一部に対して径方向に対向する部分13bを含んでいる。(以下、この部分をウォームケース13cという)また、ウォーム20の一端部20aを支持する第4転がり軸受43の外輪47は、ギヤハウジング13の段部51に当接して位置決めされている。一方、内輪45は、ウォーム20の位置決め段部52に当接することによって、他端部20b側への移動が規制されている。
【0032】
また、ウォーム20の他端部20b(継手側端部)の近傍を支持する第5転がり軸受44の内輪46は、ウォーム20の位置決め段部54に当接することによって、一端部20a側への移動が規制されている。また、外輪48は、予圧調整用のねじ部材55により、第4転がり軸受43側へ付勢されている。ねじ部材55は、ギヤハウジング13に形成されるねじ孔56にねじ込まれることにより、一対の転がり軸受43、44に予圧を付与するとともに、ウォーム20を軸方向に位置決めしている。予圧調整後のねじ部材55を固定するために、ねじ部材55にロックナット57が係合されている。
【0033】
ギヤハウジング13内において、ウォーム20及びウォームホイール21の噛み合い領域Aを含む領域に、グリースが充填されている。そして、第1転がり軸受22の側面を構成する外輪24と内輪27の下端面と、ウォームホイール21の芯金21aの上端面とに囲まれ、外周に、環状の段部26と、ウォームホイール21外周の複数の歯が形成された合成樹脂部材21bの上端部との間の開口部を有した環状の空隙部が形成されている。ウォームホイール21の芯金21aの上端面には、半球形状の突起部Tが3箇所に設けられている。
【0034】
上記空隙部内には、焼結合金からなる、球形状の攪拌体Bが配置されている。攪拌体Bの直径は、第1転がり軸受22の側面を構成する外輪24と内輪27の下端面と、ウォームホイール21の芯金21aの上端面の高さよりも小さく、段部26とウォームホイール21外周の複数の歯が形成された合成樹脂部材21bの上端部との間の開口部の高さよりも大きい。このため、攪拌体Bは、この空隙部内を転がることができるとともに、空隙部外へ飛び出すことはない。
【0035】
上記構成によれば、操舵によりウォームホイール21は回転し、この回転にともない、ウォーム20とウォームホイール21とが噛み合い、グリースはウォームホイールの上下方向に掻き出される。ウォームホイール21の下方向に掻き出されたグリースは、重力によりハウジング11内に落下し、ウォームケース13c内に溜ることにより、循環して再使用される。ウォームホイール21の上方向に掻き出されたグリースは、ウォームホイール21の上端面及びウォームホイール21上端面に対向する第1転がり軸受22側面に滞留する。
【0036】
ここで、ウォームホイール21の回転とともに、ウォームホイール21の上端面を、攪拌体Bが転がることによって、ウォームホイール21の上端面に滞留したグリースを、攪拌することができる。また、ウォームホイール21の上端面に形成された3箇所の突起部Tは、ウォームホイール21の回転により、突起部Tが攪拌体Bを押し出して、攪拌体の転がる軌道を変えるので、攪拌体Bをウォームホイール21の上端面にくまなく接触させて、より効率的にグリースを攪拌することができる。
【0037】
攪拌されたグリースは、ハウジング11内に落下して、一旦ウォームケース13c内に溜り、ウォーム20の回転により、ウォーム20の歯面に付着して、ウォーム20とウォームホイール21との噛み合い部に、再度グリースを供給することができる。
【0038】
このように、本発明のウォーム減速機14は、ウォームホイール21上端面及び第1の転がり軸受22側面に付着して滞留状態のグリースが効率的に回収されて、グリースとして再使用されることにより、グリースを切れることなく循環させることができる。このため、本発明のウォーム減速機14は、長期にわたって、ウォーム20とウォームホイール21との噛み合い部にグリースを供給して、潤滑不良を防止することができる。そして、本発明のウォーム減速機14を備えることにより、長期にわたって、円滑な操舵補助力を伝達するとともに、操舵フィーリングを低下させない電動パワーステアリング装置1を作ることができる。
【0039】
なお、本実施形態では、攪拌体の個数が1個としているが、複数個であってもよい。攪拌体を複数個にすることで、グリースの攪拌をより効率的におこなうことができる。また、本実施形態では、攪拌体の形状を球形状としているが、多面体等の形状とすることもできる。
【0040】
本実施形態では、突起部が3箇所としているが、3箇所には限定されない。突起部を複数箇所に設けることで、攪拌体をより広範囲に転がして、グリースの攪拌をより効率的におこなうことができる。また、突起部の形状を半球形状としているが、円柱形状や角柱形状等の形状とすることもできる。
【0041】
さらに、本実施形態では、攪拌体の表面は、攪拌体と同じ金属面としているが、樹脂又はゴム材で覆ってもよい。攪拌体の表面を樹脂又はゴム材で覆うことにより、攪拌体がウォームホイール上端を転がる際に発生する音を小さくして、動作時の騒音を抑制することができる。
【符号の説明】
【0042】
1:電動パワーステアリング装置、
2:操舵部材、 3:第1操舵軸、
4:ピニオン軸(操舵機構)、 4a:ピニオン歯、
5:第2操舵軸、 6:トーションバー、 6a:上端、
7:ラックバー、 7a:ラック歯、 8:タイロッド、
9:ナックルアーム、 10:操向輪、 11:ハウジング、
12:センサハウジング、 13:ギヤハウジング、
13a:上端、 13b:内周面、 13c:ウォームケース、
14:ウォーム減速機、
15:トルクセンサ、 16:制御基板、 17:回転軸、
18:スプライン継手、 20:ウォーム、 20a:一端部、
20b:他端部(継手側端部)、 21:ウォームホイール、
21a:芯金、 21b:合成樹脂部材、
22:第1転がり軸受、 23:第2転がり軸受、
24:外輪、 25:軸受保持孔、 26:段部、 27:内輪、 28:外輪、
29:軸受保持孔、 30:段部、 31:内輪、 32:段部、 33:ナット、
34:連結ピン、 35:連結ピン、 36:第3操舵軸、 37:チューブ、
38:第3転がり軸受、 39:縮径部、 40:孔、
43:第4転がり軸受、 44:第5転がり軸受、
45:内輪、 46:内輪、 48:外輪、 49:軸受保持孔、
50:軸受保持孔、 51:段部、 52:位置決め段部、 54:位置決め段部、
55:ねじ部材、 56:ねじ孔、 57:ロックナット、
A:噛み合い領域、 B:攪拌体、 T:突起部、 M:電動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングにより軸受を介して支持されるウォームと、
前記ウォームに噛み合うウォームホイールとを備え、
前記ウォームと前記ウォームホイールの噛み合い部は、
前記ハウジング内に充填されたグリースにより潤滑されるウォーム減速機において、
前記ウォームホイールの重力方向上側に少なくとも1個の攪拌体を配置し、
前記ウォームホイールが回転することにより、
前記攪拌体は、前記ハウジング内の前記グリースを攪拌する
ことを特徴とするウォーム減速機。
【請求項2】
請求項1記載のウォーム減速機において、
前記攪拌体は球形状である
ことを特徴とするウォーム減速機。
【請求項3】
請求項2記載のウォーム減速機において、
前記攪拌体の表面には、窪み又は溝が形成されている
ことを特徴とするウォーム減速機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のウォーム減速機において、
前記ウォームホイールの重力方向上側に少なくとも1個の突起部を有しており、
前記ウォームホイールが回転することにより、
前記突起部は前記ウォームホイール上の前記攪拌体を移動させる
ことを特徴とするウォーム減速機。
【請求項5】
電動モータの動力を、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のウォーム減速機を介して操舵機構に伝達する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−207700(P2012−207700A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72592(P2011−72592)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】