説明

エッチング装置及び方法

【課題】対象物を均一な厚さにエッチングして製品の収率を向上させることができるエッチング装置及びこの装置を利用して対象物をエッチングする方法を提供すること。
【解決手段】エッチング装置は対象物の厚さを薄くエッチングする過程において対象物に加えられる圧力を最小化し、エッチング溶液を対象物の全領域に均一の圧力でエッチング溶液を提供する。これによって、エッチング過程において、対象物の破損を防止し、対象物の厚さを均一にエッチングすることができるため、対象物の厚さを最小化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエッチング装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、液晶表示装置の薄型化及びスリム化のために液晶表示パネルの厚さ及び重さを減少させる技術が開発されている。液晶表示パネルの厚さを減少させるための方法では液晶表示パネルを形成するためのガラス母基板をエッチングして液晶表示パネルの厚さを最小化する方法がある。
一般的に、ガラス母基板をエッチングする方法ではガラス母基板をエッチング溶液に浸すディッピング(Dipping)方法及びガラス母基板の表面にエッチング溶液を噴射するスプレー(Spray)方法が広く利用されている。
【特許文献1】韓国公開特許2000-19079号公報
【特許文献2】韓国公開特許2002-56049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ディッピング方法はエッチング槽にエッチング溶液を満たした後、エッチング溶液にガラス母基板を所定の時間の間つけてガラス母基板をエッチングする。エッチング槽の内部には気泡を発生させてエッチング時間を短縮させるエアチューブ及びバブル板が具備される。このようなディッピング方法は気泡がガラス母基板に均一に提供されなければ、ガラス母基板が不均一にエッチングされる。これを防止するため、気泡を均一に提供しなければならないが、気泡の量と大きさを調節しにくい。
【0004】
一方、スプレー方法はノズルを通じてエッチング溶液をガラス母基板に噴射してガラス母基板をエッチングする。このようなスプレー方法はノズルからエッチング溶液が噴射されることから、ノズルの噴射圧力によってガラス母基板が割れる恐れがある。すなわち、ガラス母基板がノズルの噴射圧力が耐えられない厚さにエッチングされれば、ガラス母基板がノズルの噴射圧力を耐えることができずに割れてしまう。
【0005】
そこで、本発明の目的は、対象物を均一の厚さにエッチングして製品の収率を向上させることができるエッチング装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、上述したエッチング装置を利用して対象物をエッチングする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した本発明の目的を実現するための発明1の特徴によるエッチング装置は、エッチングレール及び溶液供給部からなる。
エッチングレールは内部に少なくとも一つの対象物が移動することができる移動空間が形成され、前記移動空間に対象物をエッチングするためのエッチング溶液を収容し、地面に対して勾配が調節される。溶液供給部は前記エッチング溶液を前記エッチングレールに提供する。
【0007】
このとき、エッチングレールにより地面に対する勾配が調節されることで、対象物のエッチング時間及びエッチング程度が調節される。また、対象物は、エッチングレールが傾いた方向に水平移動する。このような場合、対象物とエッチング溶液との間に摩擦が発生するため、対象物のエッチングが促進される。
このように対象物がエッチング溶液が収容されたエッチングレール内部で水平移動されることで、エッチング過程において対象物に加えられる圧力を最小化し、対象物の全領域に均一な圧力をかけることができる。したがって、対象物の破損を防止し、対象物を均一にエッチングすることができるため、対象物の厚さを最小化することができる。
【0008】
また、エッチングレールにより勾配が調節されることで、エッチング溶液を外部に排出して対象物とエッチング溶液とが反応して形成されるスラッジ(Sludge)がエッチングレールの内部に沈殿することを防止することができる。
発明2は、発明1において、前記エッチングレールは、底面、及び前記底面のエッジから延長されて前記移動空間を形成する側壁を含む。
【0009】
発明3は、発明2において、前記エッチングレールは、前記対象物の端部を支持して前記対象物を前記底面から所定の距離に離隔させ、前記対象物の移動経路をガイドするガイド部材をさらに含むことができる。これによって、移動空間に収容されたエッチング溶液が対象物の全領域に均一に提供されるため、対象物の厚さを均一にエッチングすることができる。
【0010】
発明4は、発明3において、前記ガイド部材は、前記対象物の第1端部を支持する第1ガイド部材と、前記第1端部と向き合う前記対象物の第2端部を支持する第2ガイド部材とを含むことを特徴とする。第1及び第2ガイド部材により、対象物を底面から離隔し、エッチング溶液を対象物の全領域に均一に提供し、対象物の厚さを均一にエッチングすることができる。
【0011】
発明5は、発明3において、前記移動空間は多数の対象物を収容する大きさを有し、前記多数の対象物は前記移動空間内で前記エッチングレールの長さ方向と直交する方向に連続して配置されることを特徴とする。
発明6は、発明5において、前記多数の対象物は、第1及び第2対象物を含み、前記ガイド部材は、前記第1対象物の互いに向き合う両端部をそれぞれ支持する第1及び第2ガイド部材と、前記第2対象物の互いに向き合う両端部をそれぞれ支持する第3及び第4ガイド部材とを含むことを特徴とする。
【0012】
発明7は、発明2において、前記エッチングレールは前記底面と向き合う上面をさらに含むことを特徴とする。
発明8は、発明1において、前記エッチングレールから排出されたエッチング溶液を貯蔵する溶液回収部と、前記溶液回収部に貯蔵されたエッチング溶液を前記溶液供給部に提供するポンプ部とをさらに含むことを特徴とする。
【0013】
また、上記した本発明の目的を実現するための発明9の特徴によるエッチング方法は次のとおりである。
まず、エッチングレールの内部に対象物をエッチングするエッチング溶液を供給する。地面に対する前記エッチングレールの勾配を調節した後、前記エッチングレールの内部に前記対象物を引入させて前記対象物をエッチングする。このエッチング方法によれば、発明1と同様の作用効果を得ることができる。
【0014】
発明10は、発明9において、前記エッチングレールの勾配を調節する段階に続いて、前記エッチングレールに貯蔵されたエッチング溶液を持続的に排出させ、前記エッチングレールに前記エッチング溶液を持続的に供給して前記エッチングレール内部のエッチング溶液を循環させる段階をさらに含むことを特徴とする。
ここで、前記エッチングレールの勾配が調節されれば、前記エッチングレールに貯蔵されたエッチング溶液が排出されるため、前記エッチングレールに前記エッチング溶液を供給する。これによって、前記エッチングレール内部のエッチング溶液が循環される。これにより、常にエッチングレール内部にエッチング溶液を供給することができ、またスラッジを除去ずることができる。
【0015】
また、上記した本発明の目的を実現するための発明11の特徴によるエッチング装置は、固定部材及びノズル部からなる。
固定部材は対象物を地面に対して垂直方向に立てる。ノズル部は溶液貯蔵部及びボディー部を具備する。溶液貯蔵部は前記対象物の上部に具備され、前記対象物をエッチングするエッチング溶液が供給されて貯蔵される。ボディー部は前記対象物と隣接して位置し、内部に前記溶液貯蔵部を収納する収納空間を有し、前記溶液貯蔵部から漏洩したエッチング溶液を外部に排出して前記対象物に提供する排出口が形成される。
【0016】
漏洩したエッチング溶液は対象物に滴下される。したがって、対象物に加えられる圧力を最小化し、対象物に均一な圧力をかけることができる。これによって、対象物の破損を防止し、対象物を均一にエッチングすることができるため、対象物の厚さを最小化することができる。
発明12は、発明11において、前記ボディー部は、上面、前記上面から延長されて前記収納空間を形成する側壁、及び開口されて前記排出口が形成された下面を具備する。
【0017】
発明13は、発明12において、前記側壁は前記エッチング溶液が前記排出口を通じて外部に排出されるように前記上面から下に近接するほど狭くなる。
発明14は、発明11において、前記排出口は前記対象物と対応するように位置することを特徴とする。
発明15は、発明11において、前記固定部材は、内部に前記対象物を挿入する挿入空間が形成され、前記エッチング溶液が前記対象物に提供されるように前記ノズル部と隣接した上面が開口され、前記対象物の表面に沿って前記挿入空間内に流入された前記エッチング溶液を排出するように下面が開口された収納部と、前記収納部と結合し、前記対象物の端部を部分的に支持して前記対象物が前記収納部から離脱されることを防止する少なくとも一つの支持部と、前記収納部と結合し、前記収納部を前記地面に対して垂直に立てるピックアップ部とを具備することを特徴とする。
【0018】
発明16は、発明15において、前記収納部は、第1側板と、前記第1側板の第1端部から延長された第1フレームと、前記第1側板の第2端部から前記第1フレームと向き合うように延長され、前記第1フレームから所定の距離に離隔された第2フレームと、前記第1側板と向き合い、前記第1及び第2フレームと連結された第2側板とを含み、前記対象物は、前記第1フレームと前記第2フレームとの間に介在されたことを特徴とする。
【0019】
発明17は、発明16において、前記収納部は、前記第1フレームから突き出されて前記対象物と前記第1フレームとの間の間隔を維持する少なくとも1つの第1離隔部と、前記第2フレームから突き出されて前記対象物と前記第2フレームとの間の間隔を維持する少なくとも1つの第2離隔部とをさらに含むことを特徴とする。これによって、対象物に提供されたエッチング溶液が対象物の表面に沿って均一に流れることができるため、対象物が均一にエッチングされる。
【0020】
発明18は、発明15において、前記支持部は、前記対象物の下端部を部分的に支持する第1板と、前記第1板の端部から延長されて前記収納部と結合する第2板と、前記第1板から突き出されて前記収納部と前記対象物との間の間隔を維持する突起とを含むことを特徴とする。
また、上記した前記本発明の目的を実現するための発明19の特徴によるエッチング方法は次のとおりである。
【0021】
まず、対象物を地面に対して垂直に立てる。溶液貯蔵部の下に前記対象物を配置し、溶液貯蔵部に前記エッチング溶液を供給して前記溶液貯蔵部から前記エッチング溶液を漏洩させる。前記溶液貯蔵部から漏洩したエッチング溶液をガイドして前記対象物の上端部に提供する。このエッチング方法によれば、発明11と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、対象物を均一の厚さにエッチングして製品の収率を向上させることができるエッチング装置を提供することができる。
また、本発明によれば、上述したエッチング装置を利用して対象物をエッチングする方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付の図を参照して、本発明をより詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るエッチング装置を示した図である。
図1は参照すれば、エッチング装置100はガラス母基板10をエッチングするエッチングレール110、及び前記ガラス母基板10をエッチングするエッチング溶液を貯蔵する溶液供給部120を含む。
【0024】
図2は図1に示したエッチングレールを示した分解斜視図であり、図3は図2の切断線I−I'に沿って切断した断面図であり、図4は図2の切断線II−II'に沿って切断した断面図である。
図2及び図3を参照すれば、前記エッチングレール110は内部に前記ガラス母基板10が移動することができる移動空間MSを有し、前記移動空間MSには前記エッチング溶液が収容される。
【0025】
具体的に、前記エッチングレール110は底面111、前記底面111から延長されて前記移動空間MSを形成する側壁112及び前記底面111と向き合う上面113を具備する。
前記側壁112には、一部分が除去されて互いに向き合う第1及び第2開口部112a、112bが形成される。前記ガラス母基板10は前記第1開口部112aを通じて前記移動空間MSの中に引入れられ、前記第2開口部112bを通じて引き出される。
【0026】
この実施形態において、前記エッチングレール110は前記第1及び第2開口部112a、112bが形成されて両端部が開口される。しかし、前記エッチングレール110には、前記第1及び第2開口部112a、112bを開閉することができる開閉部材をさらに具備して前記移動空間MSを密閉することもできる。すなわち、前記ガラス母基板10が前記移動空間MSの中に収納されれば、前記開閉部材を前記エッチングレール110に結合して前記移動空間MSを密閉する。そして、前記ガラス母基板10を前記エッチングレール110に引入れまたは引き出す時は前記開閉部材を前記エッチングレール110から分離する。
【0027】
前記底面111には、一部分が除去されて前記エッチング溶液を排出する排出口111aが形成され、前記排出口111aは前記第2開口部112bと隣接して位置する。
前記上面113は前記側壁112と結合し、一部分が除去されて前記エッチング溶液が供給される流入口113aが形成される。前記流入口113aは前記第1開口部112aと隣接して位置し、前記エッチング溶液は前記流入口113aを通じて前記移動空間MSの中に流入される。
【0028】
図3及び図4を参照すれば、前記エッチングレール110は前記ガラス母基板10の位置をガイドするガイド部材をさらに含む。
前記ガイド部材は第1及び第2ガイド部材114、115からなる。前記第1及び第2ガイド部材114は前記移動空間MSに具備され、前記ガラス母基板10を前記底面111から所定の距離に離隔する。
【0029】
すなわち、前記第1ガイド部材114は前記ガラス母基板10の第1端部を支持する。前記第2ガイド部材115は前記第1ガイド部材114と向き合い、前記ガラス母基板10の第2端部を支持する。
この実施形態において、前記第1及び第2ガイド部材114、115は、図4に示すように横向きの‘U’字形状を有するが、前記第1及び第2ガイド部材114、115は‘L’字形状または棒形状を有してもよい。
【0030】
前記第1及び第2ガイド部材114、115は前記ガラス母基板10を前記底面111及び前記上面113から離隔する。これによって、前記移動空間MSに収容されたエッチング溶液30が前記ガラス母基板10の全領域に均一に提供されるため、前記ガラス母基板10の厚さを均一にエッチングすることができる。
特に、前記エッチングレール110は前記底面111が地面と向き合うように配置され、前記地面に対して勾配が調節される。前記エッチングレール110は前記地面に対する勾配を調節して前記ガラス母基板10のエッチング時間及びエッチング程度を調節する。
【0031】
すなわち、前記エッチングレール110が前記地面に対して一方向に傾けば、前記移動空間MSに具備された前記ガラス母基板10は前記エッチングレール110が傾いた方向に移動する。このような場合、前記ガラス母基板10と前記エッチング溶液30との間に摩擦が発生するため、前記ガラス母基板10のエッチングが促進される。
ここで、前記エッチングレール110は前記エッチングレール110の長さ方向に傾き、前記ガラス母基板10は前記移動空間MS内で水平移動する。すなわち、前記ガラス母基板10は前記エッチングレール110の中で前記底面111と平行に配置され、前記エッチングレール110が傾けば、前記移動空間MSの中で水平移動される。これによって、前記エッチングレール110は前記ガラス母基板10に加えられる圧力を最小化することができ、前記ガラス母基板10に均一な圧力をかけることができるため、前記ガラス母基板10の破損を防止し、前記ガラス母基板10を均一にエッチングすることができる。
【0032】
再び図1、図3及び図4を参照すれば、前記エッチングレール110の上部には前記溶液供給部120が具備される。前記溶液供給部120は前記エッチング溶液を貯蔵し、前記エッチング溶液を前記エッチングレール110に提供する。
前記エッチングレール110が前記地面に対して一方向に傾けば、前記移動空間MSに収容されたエッチング溶液30も前記ガラス母基板10とともに前記エッチングレール110が傾いた方向に移動する。ここで、前記第1開口部112aに位置する第1端部111bが上に上がり、前記第2開口部112bが位置する第2端部111cが下に下がるように前記底面111が傾けば、前記エッチングレール110に収容されたエッチング溶液30が前記第2開口部112bに移動し、前記エッチング溶液30が前記排出口111aを通じて外部に排出される。
【0033】
前記エッチングレール110に収容されたエッチング溶液30が排出されれば、前記エッチングレール110は前記溶液供給部120から前記エッチング溶液が排出された量だけ前記エッチング溶液が再び供給される。すなわち、前記エッチングレール110は持続的に前記エッチング溶液を排出し、前記溶液供給部120から持続的に前記エッチング溶液が供給されるため、前記移動空間MSは常に前記エッチング溶液で満たされる。
【0034】
このように、前記エッチングレール110は勾配を調節して前記ガラス母基板10を均一にエッチングし、前記エッチング溶液を外部に排出して前記ガラス母基板10と前記エッチング溶液が反応して形成されたスラッジ(Sludge)が前記エッチングレール110の内部に沈殿することを防止することができる。
一方、前記エッチング装置100は前記エッチングレール110から排出されたエッチング溶液を回収する溶液回収部130、前記溶液回収部130に貯蔵されたエッチング溶液を前記溶液供給部120に提供するポンプ部140、及び第1、第2、第3及び第4連結管151、152、153、154をさらに含む。
【0035】
前記溶液回収部130は前記エッチングレール110から排出されたエッチング溶液を貯蔵する。また、溶液回収部130は、スラッジを除去してポンプ部140にエッチング溶液を供給する。
前記ポンプ部140は前記溶液回収部130に貯蔵されたエッチング溶液を前記溶液供給部120に提供する。
【0036】
前記第1、第2、第3及び第4連結管151、152、153、154は前記エッチング溶液が移動する移動通路を提供する。
すなわち、前記第1連結管151は前記エッチングレール110及び前記溶液供給部120と連結され、前記溶液供給部120から排出されたエッチング溶液を前記エッチングレール110に提供する。ここで、前記第1連結管151は一端部が前記エッチングレール110に形成された前記流入口113a(図2参照)に挿入される。
【0037】
前記第2連結管152は前記エッチングレール110及び前記溶液回収部130と連結され、前記エッチングレール110から排出されたエッチング溶液を前記溶液回収部130に提供する。
前記第3連結管153は前記溶液回収部130及び前記ポンプ部140と連結され、前記溶液回収部130から排出されたエッチング溶液を前記ポンプ部140に提供する。
【0038】
前記第4連結管154は前記溶液供給部120及び前記ポンプ部140と連結され、前記ポンプ部140から排出されたエッチング溶液を前記溶液供給部120に提供する。
このように、前記第1、第2、第3及び第4連結管151、152、153、154は前記エッチングレール110、前記溶液供給部120、前記溶液回収部130及び前記ポンプ部140を連結して前記エッチング溶液が供給及び回収される経路を提供する。
【0039】
図5A乃至図5Cは図4に示したエッチングレールの他の一例を示した断面図である。
図5Aに示したエッチングレール160はガイド部材を除いては図4に示したエッチングレール110と同一の構成を有する。したがって、以下、前記エッチングレール160に対する具体的な説明において、図4に示したエッチングレール110と同一の構成要素に対しては参照番号を併記し、それに対する具体的な説明は略する。
【0040】
図5Aを参照すれば、前記エッチングレール160は底面111、側壁112、上面113及びガイド部材を含み、ガラス母基板10、20が移動することができる移動空間MSを有する。前記移動空間MSは多数のガラス母基板10、20を収容することができる大きさを有する。
この実施形態において、前記多数のガラス母基板10、20は第1及び第2ガラス母基板10、20を含むが、前記ガラス母基板の個数は前記移動空間MSの大きさに応じて増加することもできる。
【0041】
前記ガイド部材は第1、第2、第3及び第4ガイド部材161、162、163、164からなる。
この実施形態において、前記エッチングレール160は4つのガイド部材161、162、163、164を具備するが、前記ガイド部材の個数は前記移動空間MSの大きさ及び前記ガラス母基板10、20の大きさに応じて増加、または減少することができる。
【0042】
前記第1、第2、第3及び第4ガイド部材161、162、163、164は前記エッチングレール160の幅方向に沿って順次に配置される。前記第1及び第2ガイド部材161、162は前記第1ガラス母基板10の両端部を支持し、前記第3及び第4ガイド部材163、164は前記第2ガラス母基板20の両端部を支持する。
一方、図5Bに示したエッチングレール170はガイド部材を除いては図4に示したエッチングレール110と同一の構成を有する。したがって、以下、前記エッチングレール170に対する具体的な説明において、図4に示したエッチングレール110と同一の構成要素に対しては参照番号を併記し、それに対する具体的な説明は略する。
【0043】
図5Bを参照すれば、前記エッチングレール170は底面111、側壁112、上面113及びガイド部材を含み、ガラス母基板10、20が移動することができる移動空間MSを有する。前記移動空間MSは多数のガラス母基板10、20を収容することができる大きさを有する。
この実施形態において、前記多数のガラス母基板10、20は第1及び第2ガラス母基板10、20を含むが、前記ガラス母基板の個数は前記移動空間MSの大きさに応じて増加することもできる。
【0044】
前記ガイド部材は第1、第2、第3及び第4ガイド部材171、172、173、174からなる。
この実施形態において、前記エッチングレール170は4つのガイド部材171、172、173、174を具備するが、前記ガイド部材の個数は前記移動空間MSの大きさ及び前記ガラス母基板10、20の大きさに応じて増加、または減少してもよい。
【0045】
前記第1及び第2ガイド部材171、172は互いに向き合い、前記第1ガラス母基板10の両端部を支持する。前記第3ガイド部材173は前記第1ガイド部材171の上部に位置し、前記第4ガイド部材174は前記第2ガイド部材172の上部に位置する。前記第3及び第4ガイド部材173、174は互いに向き合い、前記第2ガラス母基板20の両端部を支持する。これによって、前記第1ガラス母基板10の上部に前記第2ガラス母基板20が配置される。
【0046】
図5A及び図5Bのようにガイド部材を複数組設けることで、複数枚のガラス母基板を処理することができる。よって、ガラス母基板の製造コストを下げ、製造スピードを向上することができる。
一方、図5Cに示したエッチングレール180は上面を除いては図4に示したエッチングレール110と同一の構成を有する。したがって、以下、前記エッチングレール180に対する具体的な説明において、図4に示したエッチングレール110と同一の構成要素に対しては参照番号を併記し、それに対する具体的な説明は略する。
【0047】
図5Cを参照すれば、前記エッチングレール180は底面111、前記底面111のエッジから延長されてガラス母基板10が移動することができる移動空間MSを形成する側壁112、及び第1及び第2ガイド部材114、115を含む。
前記エッチングレール180は上部が開口されて前記ガラス母基板10の引き入れ及び引き出しが容易である。前記第1及び第2ガイド部材114、115は前記ガラス母基板10の位置をガイドし、前記ガラス母基板10が前記エッチングレール180から離脱されることを防止する。
【0048】
この実施形態において、前記エッチングレール180は2つのガイド部材114、115を具備するが、前記ガイド部材114、115の個数は前記移動空間MSの大きさ及び前記ガラス母基板10の大きさに応じて増加してもよい。
以下、図面を参照して前記エッチングレール100が前記ガラス母基板10をエッチングする過程を具体的に説明する。
【0049】
図6は本発明の一実施形態に係るガラス母基板をエッチングする方法を示したフローチャートであり、図7は図1に示したエッチングレールにおいてガラス母基板をエッチングする過程を示した断面図である。
図1、図6及び図7を参照すれば、まず、前記溶液供給部120は前記第1連結管151を通じて前記エッチング溶液を前記エッチングレール110に提供し、前記エッチングレール110の前記移動空間MSはエッチング溶液30を収容する(段階S110)。
【0050】
前記エッチングレール110は前記地面に対する勾配を調節して前記地面に対して所定の角度で傾く(段階S120)。ここで、前記エッチング装置100において前記エッチングレール110は前記勾配を調節して前記ガラス母基板10のエッチング程度を決める。
前記エッチングレール110の前記移動空間MSに前記ガラス母基板10を引き入れ、前記ガラス母基板10は前記エッチングレール110の傾いた方向に沿って移動する(段階S130)。
【0051】
このように、前記ガラス母基板10が前記エッチングレール110の前記移動空間MSの中で水平移動しながらエッチングされるため、均一にエッチングされる。また、エッチング過程において、前記ガラス母基板10に加えられる圧力を最小化することができるため、前記ガラス母基板10の破損を防止することができ、前記ガラス母基板10の厚さを最小化することができる。
【0052】
前記エッチングレール110が前記地面に対して所定の角度で傾けば、前記エッチングレール110が傾いた方向に沿って前記移動空間MSに収容されたエッチング溶液30が循環される(段階S140)。
すなわち、前記エッチングレール110が傾けば、前記移動空間MSに収容されたエッチング溶液30も前記エッチングレール110が傾いた方向に移動する。前記移動空間MSに収容された前記エッチング溶液30は、前記エッチングレール110の前記第2端部111c(図3参照)が下に傾けば、前記排出口111aを通じて外部に排出される。前記エッチング溶液が排出されると同時に前記エッチングレール110には前記溶液供給部120から前記エッチング溶液が供給される。外部に排出されたエッチング溶液30は前記第2連結管152を通じて前記溶液回収部130に貯蔵され、前記溶液回収部130に貯蔵されたエッチング溶液は前記第3連結管153を通じて前記ポンプ部140に供給される。前記ポンプ部140は前記エッチング溶液を前記第4連結管154を通じて前記溶液供給部120に提供する。
【0053】
この実施形態において、前記エッチングレール110は前記ガラス母基板10をエッチングする間に前記エッチング溶液を持続的に排出し、前記溶液供給部120から前記エッチング溶液が持続的に供給される。
しかし、前記エッチングレール110は前記ガラス母基板10をエッチングする間に前記エッチング溶液が持続的に排出及び供給されない場合もある。このような場合、前記エッチングレール110は前記ガラス母基板10が引入れられると、前記ガラス母基板10の離脱を防止するために前記移動空間MSが密閉される。密閉されたエッチングレール110は、図7に示すように前記底面111の第1端部111bが下に下るように傾き、また反対に前記底面111の第2端部111cが下に下るように傾く。前記エッチングレール110はこのような過程を繰り返して前記ガラス母基板10をエッチングする。ここで、前記エッチングレール110を傾斜させる回数は前記ガラス母基板10のエッチング量によって決められる。
【0054】
図8は本発明の他の実施形態に係るエッチング装置を示した図である。
図8を参照すれば、エッチング装置700はガラス母基板10を固定する固定部材200、前記固定部材200を移送する移送ローラ310、320、前記ガラス母基板10にエッチング溶液を提供するノズル部400、前記エッチング溶液を貯蔵する溶液供給部500、及び前記エッチング溶液が移動する導管部600を含む。
【0055】
前記固定部材200は前記ガラス母基板10を収納し、前記ガラス母基板10を地面に対して垂直に立てる。
図9は図8に示した固定部材を示した斜視図であり、図10は図9の切断線III−III'に沿って切断した断面図である。
図9及び図10を参照すれば、前記固定部材200は前記ガラス母基板10を収納する収納部210、前記ガラス母基板10を前記収納部210に固定する多数の支持部、前記収納部210を前記地面に対して垂直に立てる第1及び第2ピックアップローラ部231、232、及び第1及び第2ピックアップローラ部231、232と結合する多数の挿入部を含む。
【0056】
前記収納部210は上面及び下面が開口され、内部に前記ガラス母基板10が収納される挿入空間ISが形成される。具体的に、前記収納部210は第1フレーム211、前記第1フレーム211と向き合う第2フレーム212、前記第1及び第1フレーム211、212と連結された第1及び第2側板213、214を含む。
この実施形態において、前記第1及び第2フレーム211、212は中央部が除去されて‘U’字形状を有し、これによって、前記収納部210の全体重さを減少させることができる。しかし、前記第1及び第2フレーム211、212は中央部が除去されないこともできる。
【0057】
前記第1側壁213は前記第1フレーム211の第1端部から延長されて前記第2フレーム212と連結される。前記第2側壁214は前記第1側壁213と向き合い、前記第1フレーム211の第2端部から延長されて前記第2フレーム212と連結される。
ここで、前記挿入空間ISは前記第1及び第2フレーム211、212と前記第1及び第2側壁213、214によって定義される。前記ガラス母基板10が前記挿入空間ISに挿入されれば、前記第1及び第2フレーム211、212は前記ガラス母基板10と向き合う。
【0058】
図11は図9に示した‘A’部分を拡大して示した斜視図であり、図12は図9に示した‘A’部分を拡大して示した平面図である。
図9、図11及び図12を参照すれば、第1及び第2フレーム211、212の離隔距離D1は前記ガラス母基板10の厚さD2よりさらに大きい。これによって、前記収納部210は前記ノズル部400から提供されたエッチング溶液が前記ガラス母基板10の表面に沿って流れることができる十分な空間を確保することができる。
【0059】
このように、前記第1及び第2フレーム211、212の離隔距離D1が前記ガラス母基板10の厚さD2より大きくて、前記ガラス母基板10が前記挿入空間IS内で流動される。前記ガラス母基板10が流動されれば、前記第1及び第2フレーム211、212のうちのいずれか一つと前記ガラス母基板10が密着されるため、前記エッチング溶液が前記ガラス母基板10の表面に沿って均一に流れることができない。
【0060】
これを防止するため、前記収納部210は第1、第2、第3及び第4離隔部215a、215b、215c、215dをさらに含む。
この実施形態において、前記収納部210は4つの離隔部215a、215b、215c、215dを具備するが、前記離隔部の個数は前記収納部210の大きさに応じて増加、または減少してもよい。
【0061】
前記第1、第2、第3及び第4離隔部215a、215b、215c、215dは前記ガラス母基板10の上端部を支持する。すなわち、前記第1及び第3離隔部215a、215cは前記第1フレーム211から突き出されて前記挿入空間IS内に位置する。前記第2及び第4離隔部215b、215dは前記第2フレーム212から突き出されて前記挿入空間IS内に位置する。
【0062】
前記第1離隔部215aは前記第3離隔部215cと互いに対向して位置し、前記第2離隔部215aと215bとは互いに隣接して位置する。
この実施形態において、前記第1離隔部215aと前記第2離隔部215bは互いにずれた位置で対向しているが、前記第1及び第2離隔部215a、215bが互いに向い合って位置してもよい。
【0063】
前記第1離隔部215aは前記ガラス母基板10を前記第1フレーム211から適正距離に離隔して前記ガラス母基板10と前記第1フレーム211が密着されることを防止する。第3離隔部215cも第1離隔部215aと同様に作用する。
前記第2離隔部215bは前記ガラス母基板10を前記第2フレーム212から適正距離に離隔して前記ガラス母基板10と前記第1フレーム211が密着されることを防止する。第4離隔部215dも第2離隔部215bと同様に作用する。
【0064】
この実施形態において、前記第3及び第4離隔部215c、215dの配置関係は前記第1及び第2離隔部215a、215bの配置関係と同一であり、前記第3及び第4離隔部215c、215dの機能が前記第1及び第2離隔部215a、215bと同一であるため、以下、前記第3及び第4離隔部215c、215dに対する具体的な説明は略する。
【0065】
このように、前記第1、第2、第3及び第4離隔部215a、215b、215c、215dは前記第1及び第2フレーム211、212から前記ガラス母基板10を離隔する。これによって、前記ガラス母基板10に提供されたエッチング溶液が前記ガラス母基板10の表面に沿って均一に流れることができるため、前記ガラス母基板10が均一にエッチングされる。
【0066】
再び、図9を参照すれば、前記収納部210は下面が開口されるため、前記ガラス母基板10が前記収納部210から離脱されることができる。前記多数の支持部は前記収納部210と結合して前記ガラス母基板10が前記収納部210から離脱されることを防止する。
すなわち、前記多数の支持部は第1、第2、第3、第4、第5及び第6支持部221、222、223、224、225、226からなり、前記ガラス母基板10の側部を支持する。
【0067】
この実施形態において、前記固定部材200は6個の支持部221、222、223、224、225、226からなるが、前記支持部の個数は前記ガラス母基板10の大きさに応じて増加、または減少してもよい。
前記第1、第3及び第5支持部221、223、225は前記第1フレーム211と結合し、所定の距離に離隔されて位置する。前記第2、第4及び第6支持部222、224、226は前記第2フレーム212と結合し、所定の距離に離隔されて位置する。
【0068】
前記第1、第3及び第5支持部221、223、225は前記第2、第4及び第6支持部222、224、226とそれぞれ向き合う。
この実施形態において、前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6支持部221、222、223、224、225、226は互いに同一の構造を有するため、以下、前記第1支持部221を一例にして前記第1、第2、第3、第4、第5及び第6支持部221、222、223、224、225、226の構造に対して具体的に説明する。
【0069】
図13は図9の切断線IV−IV'に沿って切断した断面図である。
図9及び図13を参照すれば、前記第1支持部221は前記ガラス母基板10の側部を支持する第1枚221a及び前記第1板221aの端部から延長されて前記ガラス母基板10と向き合う第2板221bを具備する。前記第1板221aは前記挿入空間IS(図10参照)に位置し、前記第2板221bは前記ガラス母基板10から所定の距離離隔されて位置する。
【0070】
また、前記第1支持部221は前記第1板221aから突き出されて形成された突起221cをさらに具備する。前記突起221cは前記第2板222bから前記ガラス母基板10を離隔して前記ガラス母基板10と前記第1フレーム211との間の距離を維持する。
前記第2支持部222は前記第1支持部221と互いに向き合う。前記第2支持部222に形成された突起222cは前記ガラス母基板10と前記第2フレーム212との間の距離を維持する。
【0071】
再び図8及び図9を参照すれば、前記第1及び第2ピックアップローラ部231、232は円柱状を有し、前記地面に対して垂直方向に延長される。前記第1及び第2ピックアップローラ部231、232は互いに対向して位置し、前記収納部210が移動する方向に沿って一方向に回転する。
この実施形態において、前記固定部材200は2つのピックアップローラ部231、232を具備するが、前記ピックアップローラ部の個数は前記固定部材200の大きさに応じて増加、または減少してもよい。
【0072】
第1及び第2ピックアップローラ部231、232は前記多数の挿入部に挿入されて前記収納部210と結合する。前記多数の挿入部は第1、第2、第3及び第4挿入部241、242、243、244からなる。
この実施形態において、前記固定部材200は4つの挿入部241、242、243、244を具備するが、前記挿入部の個数は前記収納部210の大きさ及びピックアップローラ部の個数に応じて増加、または減少してもよい。
【0073】
前記第1、第2、第3及び第4挿入部241、242、243、244は前記第1フレーム211と結合し、前記第1フレーム211の各角に隣接して位置する。
前記第1及び第2挿入部241、242には前記第1ピックアップローラ部231を挿入する挿入ホールがそれぞれ形成され、前記第1ピックアップローラ部231は前記第1及び第2挿入部241、242に挿入されて前記収納部210を固定する。
【0074】
前記第3及び第4挿入部243、244には前記第2ピックアップローラ部232を挿入する挿入ホールがそれぞれ形成され、前記第2ピックアップローラ部232は前記第3及び第4挿入部243、244に挿入されて前記収納部210を固定する。
このように、前記収納部210は前記第1及び第2ピックアップローラ部231、232によって前記地面に対して垂直に固定されるため、前記収納部210に収納された前記ガラス母基板10も前記地面に対して垂直に配置される。
【0075】
一方、前記固定部材200は前記第1及び第2移送ローラ310、320の上部に安着され、前記第1及び第2移送ローラ310、320は一方向に回転して前記固定部材200を移送する。
前記固定部材200の上部には前記ノズル部400が具備される。前記ノズル部400は前記ガラス母基板10をエッチングする前記エッチング溶液を前記ガラス母基板10に提供する。
【0076】
以下、図面を参照して前記ノズル部400の構造に対して具体的に説明する。
図14は図8の切断線V−V'に沿って切断した断面図であり、図15は図8に示したボディー部を示した斜視図であり、図16は図14の‘B’部分を拡大して示した断面図である。
図14乃至図16を参照すれば、前記ノズル部400は前記エッチング溶液を収納する溶液貯蔵部410及び内部に前記溶液貯蔵部410を収納するボディー部420を含む。
【0077】
前記溶液貯蔵部410は上面が開口され、前記溶液供給部500(図8参照)から前記エッチング溶液が提供されて貯蔵される。
前記ボディー部420は前記溶液貯蔵部410を貯蔵する収納空間を有し、底面が開口されて排出口423が形成される。前記排出口423は前記溶液貯蔵部410から漏洩したエッチング溶液を排出する。すなわち、前記溶液供給部500(図8参照)から前記エッチング溶液が過多に供給されて前記溶液貯蔵部410に貯蔵されたエッチング溶液40が漏洩する。漏洩したエッチング溶液は前記排出口423を通じて外部に排出され、外部に排出されたエッチング溶液は前記ガラス母基板10の上端部に提供される。
【0078】
具体的に、前記ボディー部420は上面421及び前記上面421の端部から延長されて前記収納空間を形成する側壁422を具備する。前記上面421は一部分が除去されて貫通ホール421aが形成される。前記導管部600は前記貫通ホール421aに挿入されて前記溶液供給部500からのエッチング溶液を前記溶液貯蔵部410に提供する。
前記側壁422は前記上面421から下に接近するほど狭く形成される。すなわち、前記側壁422は前記上面421から前記排出口423に行くほど狭く形成されて前記溶液貯蔵部410から漏洩したエッチング溶液を前記排出口423側にガイドする。
【0079】
前記排出口423を通じて排出されたエッチング溶液は前記ノズル部400の下に配置された前記ガラス母基板10の上端部に滴下され、前記ガラス母基板10の表面に沿って前記ガラス母基板10の下端部に流れる。ここで、前記固定部材200は前記排出口423を通じて滴下されたエッチング溶液から前記ガラス母基板10に加えられる圧力を最小化するために前記ノズル部400と隣接するように配置される。
【0080】
このように、前記エッチング溶液は前記ガラス母基板10の表面に沿って流れながら前記ガラス母基板10をエッチングする。ここで、前記収納部210は下部が開口される。したがって、前記ガラス母基板10に沿って流れるエッチング溶液は前記収納部210の開口された下部を通じて前記固定部材200の外部に排出される。
以下、図面を参照して前記エッチング装置700が前記ガラス母基板10をエッチングする過程を具体的に説明する。
【0081】
図17は本発明の他の実施形態に係るガラス母基板をエッチングする方法を示したフローチャートである。
図8、図16及び図17を参照すれば、まず、前記ガラス母基板10を前記収納部210(図9参照)に挿入した後、前記収納部210に前記第1及び第2ピックアップローラ部231、232を挿入して前記収納部210を前記地面に対して垂直に立てる(段階S210)。これによって、前記ガラス母基板10が前記地面に対して垂直に配置される。
【0082】
前記第1及び第2移送ローラ310、320を回転させて前記固定部材200を前記ノズル部400の下に配置し、前記ガラス母基板10の上端部を前記ノズル部400の前記排出口423(図14参照)に対応するように配置する(段階S220)。
前記溶液供給部500は前記導管部600を通じて前記エッチング溶液を前記溶液貯蔵部410に供給して、前記溶液貯蔵部420に貯蔵されたエッチング溶液40を漏洩させる(段階S230)。
【0083】
漏洩したエッチング溶液は前記ボディー部420の側壁422に沿って流れて前記排出口423を通じて外部に排出され、前記ノズル部400から排出されたエッチング溶液は前記ノズル部400の下に配置された前記ガラス母基板10に提供される(段階S240)。
前記ガラス母基板10の上端部に滴下されたエッチング溶液は前記ガラス母基板10の表面に沿って流れながら前記ガラス母基板10をエッチングする。
【0084】
このように、前記エッチング装置700は前記ノズル部400を前記ガラス母基板10と隣接するように配置し、エッチング溶液を前記ガラス母基板10の上端部に滴下して前記ガラス母基板10に加えられる圧力を最小化する。これによって、エッチング過程において前記ガラス母基板10の破損を防止することができ、前記ガラス母基板10の厚さを最小化することができる。また、前記ノズル部400は前記ガラス母基板10の上端部に均一に前記エッチング溶液を滴下するため、前記エッチング溶液が前記ガラス母基板10に均一に塗布される。これによって、前記ガラス母基板10を均一にエッチングすることができる。
【0085】
以上、実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野の熟練された当業者は特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の一実施形態によるエッチング装置を示した図である。
【図2】図1に示したエッチングレールを示した分解斜視図である。
【図3】図2の切断線I−I'に沿って切断した断面図である。
【図4】図2の切断線II−II'に沿って切断した断面図である。
【図5A】図4に示したエッチングレールの他の一例を示した断面図である。
【図5B】図4に示したエッチングレールの他の一例を示した断面図である。
【図5C】図4に示したエッチングレールの他の一例を示した断面図である。
【図6】本発明の一実施形態によるガラス母基板をエッチングする方法を示したフローチャートである。
【図7】図1に示したエッチングレールでガラス母基板をエッチングする過程を示した断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係るエッチング装置を示した図である。
【図9】図8に示した固定部材を示した斜視図である。
【図10】図9の切断線はIII−III'に沿って切断した断面図である。
【図11】図9に示した‘A’部分を拡大して示した斜視図である。
【図12】図9に示した‘A’部分を拡大して示した平面図である。
【図13】図9の切断線IV−IV'に沿って切断した断面図である。
【図14】図8の切断線V-V'に沿って切断した断面図である。
【図15】図8に示したボディー部を示した斜視図である。
【図16】図14の‘B’部分を拡大して示した断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るガラス母基板をエッチングする方法を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
10,20 ガラス母基板
30,40 エッチング溶液
100,700 エッチング装置
110 エッチングレール
120,500 溶液供給部
130 溶液回収部
140 ポンプ部
151,152,153,154 連結管
200 固定部材
310,320 移送ローラ
400 ノズル部
600 導管部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に少なくとも一つの対象物が移動できる移動空間が形成され、前記移動空間に対象物をエッチングするためのエッチング溶液を収容し、地面に対して勾配が調節されるエッチングレールと、
前記エッチング溶液を前記エッチングレールに提供する溶液供給部とを含むことを特徴とするエッチング装置。
【請求項2】
前記エッチングレールは、
底面と、
前記底面のエッジから延長されて前記移動空間を形成する側壁とを含むことを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項3】
前記エッチングレールは、
前記対象物の端部を支持して前記対象物を前記底面から所定の距離に離隔させ、前記対象物の移動経路をガイドするガイド部材をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のエッチング装置。
【請求項4】
前記ガイド部材は、
前記対象物の第1端部を支持する第1ガイド部材と、
前記第1端部と向き合う前記対象物の第2端部を支持する第2ガイド部材とを含むことを特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
【請求項5】
前記移動空間は多数の対象物を収容する大きさを有し
前記多数の対象物は前記移動空間内で前記エッチングレールの長さ方向と直交する方向に連続して配置されることを特徴とする請求項3に記載のエッチング装置。
【請求項6】
前記多数の対象物は、第1及び第2対象物を含み、
前記ガイド部材は、
前記第1対象物の互いに向き合う両端部をそれぞれ支持する第1及び第2ガイド部材と、
前記第2対象物の互いに向き合う両端部をそれぞれ支持する第3及び第4ガイド部材とを含むことを特徴とする請求項5に記載のエッチング装置。
【請求項7】
前記エッチングレールは前記底面と向き合う上面をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のエッチング装置。
【請求項8】
前記エッチングレールから排出されたエッチング溶液を貯蔵する溶液回収部と、
前記溶液回収部に貯蔵されたエッチング溶液を前記溶液供給部に提供するポンプ部とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のエッチング装置。
【請求項9】
エッチングレールの内部に対象物をエッチングするエッチング溶液を供給する段階と、
地面に対する前記エッチングレールの勾配を調節する段階と、
前記エッチングレールの内部に前記対象物を引き入れて前記対象物をエッチングする段階とを含むことを特徴とするエッチング方法。
【請求項10】
前記エッチングレールの勾配を調節する段階に続いて、
前記エッチングレールに貯蔵されたエッチング溶液を持続的に排出させ、前記エッチングレールに前記エッチング溶液を持続的に供給して前記エッチングレール内部のエッチング溶液を循環させる段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のエッチング方法。
【請求項11】
対象物を地面に対して垂直方向に立てる固定部材と、
前記対象物の上部に具備され、前記対象物をエッチングするエッチング溶液が供給されて貯蔵される溶液貯蔵部、及び前記対象物と隣接して位置し、内部に前記溶液貯蔵部を収納する収納空間を有し、前記溶液貯蔵部から漏洩したエッチング溶液を外部に排出して前記対象物に提供する排出口が形成されたボディー部を具備するノズル部とを含むことを特徴とするエッチング装置。
【請求項12】
前記ボディー部は、
上面と、
前記上面から延長されて前記収納空間を形成する側壁と、
開口されて前記排出口が形成された下面とを含むことを特徴とする請求項11に記載のエッチング装置。
【請求項13】
前記側壁は前記エッチング溶液が前記排出口を通じて外部に排出されるように前記上面から下に近接するほど狭くなることを特徴とする請求項12に記載のエッチング装置。
【請求項14】
前記排出口は前記対象物と対応するように位置することを特徴とする請求項11に記載のエッチング装置。
【請求項15】
前記固定部材は、
内部に前記対象物を挿入する挿入空間が形成され、前記エッチング溶液が前記対象物に提供されるように前記ノズル部と隣接した上面が開口され、前記対象物の表面に沿って前記挿入空間内に流入された前記エッチング溶液を排出するように下面が開口された収納部と、
前記収納部と結合し、前記対象物の端部を部分的に支持して前記対象物が前記収納部から離脱されることを防止する少なくとも一つの支持部と、
前記収納部と結合し、前記収納部を前記地面に対して垂直に立てるピックアップ部とを具備することを特徴とする請求項11に記載のエッチング装置。
【請求項16】
前記収納部は、
第1側板と、
前記第1側板の第1端部から延長された第1フレームと、
前記第1側板の第2端部から前記第1フレームと向き合うように延長され、前記第1フレームから所定の距離に離隔された第2フレームと、
前記第1側板と向き合い、前記第1及び第2フレームと連結された第2側板とを含み、
前記対象物は、前記第1フレームと前記第2フレームとの間に介在されたことを特徴とする請求項15に記載のエッチング装置。
【請求項17】
前記収納部は、
前記第1フレームから突き出されて前記対象物と前記第1フレームとの間の間隔を維持する少なくとも1つの第1離隔部と、
前記第2フレームから突き出されて前記対象物と前記第2フレームとの間の間隔を維持する少なくとも1つの第2離隔部とをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のエッチング装置。
【請求項18】
前記支持部は、
前記対象物の下端部を部分的に支持する第1板と、
前記第1板の端部から延長されて前記収納部と結合する第2板と、
前記第1板から突き出されて前記収納部と前記対象物との間の間隔を維持する突起とを含むことを特徴とする請求項15に記載のエッチング装置。
【請求項19】
対象物を地面に対して垂直に立てる段階と、
溶液貯蔵部の下に前記対象物を配置する段階と、
溶液貯蔵部に前記エッチング溶液を供給して前記溶液貯蔵部から前記エッチング溶液を漏洩させる段階と、
前記溶液貯蔵部にから漏洩したエッチング溶液をガイドして前記対象物の上端部に提供する段階とを含むことを特徴とするエッチング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−26862(P2008−26862A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31645(P2007−31645)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】