説明

エネルギー監視装置及びそれを用いたエネルギー監視システム

【課題】コストアップを抑えつつ宅内で充電状態を知ることができるエネルギー監視装置及びそれを用いたエネルギー監視システムを提供する。
【解決手段】エネルギー監視装置2は、所定のエリア内のエネルギー使用量を報知する表示部23と、電動車両3の充電部33への充電を制御する充電制御装置1からの充電状態を示す充電状態信号を受信する無線通信部22と、上記の充電状態信号に応じた報知動作を行わせるための動作信号を表示部23に出力する制御部21とを備える。このエネルギー監視装置2によれば、充電制御装置1から送信される充電状態信号に応じた報知動作を表示部23に行わせているので、住人は充電場所まで行くことなく充電状態を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー監視装置及びそれを用いたエネルギー監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、充電用ケーブルを使用して宅内で車載バッテリ残量をモニタすることができるバッテリ残量モニタシステムが提供されている(例えば特許文献1参照)。このバッテリ残量モニタシステムは、充電用ケーブルに取り付けられてバッテリへの充電電流を計測する電流センサと、電流センサで計測した充電電流からバッテリ残量を算出するバッテリ残量計算部と、宅内に設けられて上記バッテリ残量を表示するバッテリ残量表示部とで構成される。このバッテリ残量モニタシステムでは、宅内に設けられたバッテリ残量表示部にバッテリ残量が表示されるため、住人は充電場所まで行くことなく充電状況を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−110101号公報(段落[0012]−段落[0014]、及び、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に示したバッテリ残量モニタシステムでは、宅内に居ながらバッテリ残量を知ることができるものの、バッテリ残量計算部やバッテリ残量表示部といった専用の機器を設置する必要があるため、コストアップになるものであった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、コストアップを抑えつつ宅内で充電状態を知ることができるエネルギー監視装置及びそれを用いたエネルギー監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のエネルギー監視装置は、所定のエリア内のエネルギー使用量を報知する報知部と、電動車両の充電部への充電を制御する充電制御装置からの充電状態を示す充電状態信号を受信する信号受信部と、充電状態信号に応じた報知動作を報知部に行わせる制御部とを備えたことを特徴とする。ここに、電動車両には、動力源として電動機のみを備えた電気自動車(EV)や、動力源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)がある。
【0007】
このエネルギー監視装置において、信号受信部は、充電部への充電開始を示す充電開始信号又は充電部への充電停止を示す充電停止信号のうち少なくとも何れか一方を充電状態信号として受信し、制御部は、信号受信部が受信した充電開始信号又は充電停止信号に従って充電部への充電が開始し又は停止したことを報知部から報知させるのが好ましい。
【0008】
また、このエネルギー監視装置において、信号受信部は、充電部への充電中であることを示す充電継続信号を充電状態信号として受信し、制御部は、充電中である場合は充電部への充電中であることを報知部から報知させるのも好ましい。
【0009】
さらに、このエネルギー監視装置において、信号受信部は、漏電検出時に充電制御装置から送信される漏電検知信号を充電状態信号として受信し、制御部は、信号受信部が受信した漏電検知信号に従って漏電が検出されたことを報知部から報知させるのも好ましい。
【0010】
また、このエネルギー監視装置において、信号受信部は、現在の充電量又は充電完了予定時刻のうち少なくとも何れか一方を充電状態信号として受信し、制御部は、信号受信部が受信した充電状態信号に含まれる現在の充電量又は充電完了予定時刻を報知部から報知させるのも好ましい。
【0011】
さらに、このエネルギー監視装置において、外部に設けられたサーバに信号を転送する信号転送部を備え、制御部は、信号受信部が受信した充電状態信号を信号転送部からサーバに転送させるのも好ましい。
【0012】
本発明のエネルギー監視システムは、上記のエネルギー監視装置と、充電制御装置とを備え、充電制御装置は、充電状態信号を送信する信号送信部を有し、エネルギー監視装置の制御部は、信号受信部が受信した充電状態信号に従って報知部に報知動作を行わせることを特徴とする。
【0013】
このエネルギー監視システムにおいて、充電制御装置は、撮像部を備えるとともに撮像部で撮像した映像データを信号送信部から送信し、エネルギー監視装置の制御部は、信号受信部が受信した映像データを報知部が備えるモニタに表示させる又はエネルギー監視装置が備える記憶部に記憶させるのうち少なくとも何れか一方を行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
コストアップを抑えつつ宅内で充電状態を知ることができるエネルギー監視装置及びエネルギー監視システムを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態のエネルギー監視システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】同上を構成する充電制御装置の一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】同上を構成する充電制御装置の他の例を示す外観斜視図である。
【図4】同上を構成する充電制御装置を用いた概略システム図である。
【図5】同上の動作を説明するシーケンス図である。
【図6】同上の別の動作を説明するシーケンス図である。
【図7】同上のさらに別の動作を説明するシーケンス図である。
【図8】同上のさらにまた別の動作を説明するシーケンス図である。
【図9】同上のまたさらに別の動作を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、エネルギー監視システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本実施形態のエネルギー監視システムの一例を示すシステム構成図であり、本エネルギー監視システムは、エネルギー監視装置2と、充電制御装置1とを主な構成要素として備える。
【0018】
充電制御装置1は、後述の電動車両3の充電部33への充電を制御するための装置であり、宅外に設置される。この充電制御装置1は、給電用のリレー14と、リレー14の開閉動作を制御する充電制御部11と、後述の充電状態信号を無線送信する無線通信部12とを備える。また、充電制御装置1は、複数の操作ボタン(例えば充電開始ボタンや充電停止ボタンなど)からなる操作部15と、充電開始や充電停止などの充電状態を表示する表示部13とを備える。ここに、本実施形態では、無線通信部12により信号送信部が構成されている。
【0019】
エネルギー監視装置2は、所定のエリア(例えば住宅など)内に設けられた各電気機器を一括してコントロールしたり、自動的にエネルギー使用量を最適化するとともに、エネルギー使用量を表示して利用者に省エネを促すための装置であり、例えば居間などの宅内に設置される。このエネルギー監視装置2は、充電制御装置1の無線通信部12との間で無線通信を行う無線通信部22と、無線通信部22が受信した上記の充電状態信号に応じた報知動作を行わせるための動作信号を出力する制御部21と、制御部21から出力される動作信号に従って報知動作を行う表示部23とを備える。また、エネルギー監視装置2は、各種の操作を行うための操作部25と、後述のサーバ4との間でネットワークNTを介して通信を行う有線通信部24と、後述の蓄電池7による発電量を管理する発電量管理部26と、電気使用量を管理する使用量管理部27とを備える。ここに、本実施形態では、表示部23により報知部及びモニタが構成され、無線通信部22により信号受信部が構成されている。
【0020】
このエネルギー監視装置2は、図1に示すように、ネットワークNTを介してサーバ4に接続されている。このサーバ4は、エネルギー監視装置2の有線通信部24との間で通信を行う有線通信部41と、エネルギー監視装置2側から送信される各種のデータや時間帯別の電力料金などを蓄積管理するデータ管理部42とを備える。サーバ4は、エネルギー監視装置2からのデータ要求信号に応じて、上記の電力料金をエネルギー監視装置2に送信し、エネルギー監視装置2では、受信した上記の電力料金と使用電力量とから使用電力料金を算出し、表示部23に表示させる。また、サーバ4は、エネルギー監視装置2から送信される上記の充電状態信号などを受信して、データ管理部42に蓄積する。ここに、本実施形態では、有線通信部24により信号転送部が構成されている。
【0021】
電動車両3は、充電制御装置1の無線通信部12との間で無線通信を行う無線通信部32と、充電部(バッテリ)33への充電電流を制御する充電処理部31と、充電制御装置1の充電プラグ60(図2参照)が着脱自在に接続される充電コネクタ34とを備える。ここに、電動車両3には、動力源として電動機のみを備えた電気自動車(EV)や、動力源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)がある。
【0022】
なお、上述した充電制御装置1及びエネルギー監視装置2にはそれぞれ固有のアドレスが設定されており、各装置から送信される信号には上記のアドレスが含まれている。したがって、各装置では、それぞれ自己に割り当てられたアドレスと同じアドレスが含まれている信号のみを受信し、それ以外の信号は受信しない。
【0023】
ところで、本実施形態では、宅内に設けられた分電盤5から電動車両3への充電電力が供給されるが、この分電盤5には、外部に設けられた交流電源(図示せず)からの交流出力と、太陽電池6及び蓄電池7からの直流出力をパワーコンディショナー8により変換した交流出力とが供給されるようになっている(図1参照)。ここに、エネルギー監視装置2の制御部21は、無線通信部22を介して蓄電池7から発電量を含む無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれる発電量を発電量管理部26に記憶させる。また、制御部21は、無線通信部22を介して分電盤5から使用電力量を含む無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれる使用電力量を使用量管理部27に記憶させる。
【0024】
図2は充電制御装置1の一例を示す正面図及び側面図であり、この充電制御装置1は、縦長の直方体状に形成された合成樹脂製の装置本体70と、装置本体70から導出する充電ケーブルCB2の先端に設けられ、電動車両3の充電コネクタ34に着脱自在に接続される充電プラグ60とを備え、壁などに取り付けられて使用される。装置本体70の前面と下面の角部には開口が設けられ、この開口に臨むようにして、非充電時に充電プラグ60の一部が収納される収納部71が設けられている。また、装置本体70の前面には、表示部13を構成する複数(図2(a)では3個)の発光ダイオードLD1〜LD3が上下方向に並べて設けられている。
【0025】
一方、充電プラグ60は、電動車両3の充電コネクタ34に差込接続される円筒状の充電接続部61を先端側に備えるとともに、充電コネクタ34に設けられた凹所に係合するロック爪62を備えている。また、充電プラグ60の後部側には手で把持するための取っ手63が設けられている。そして、充電プラグ60のロック爪62を、装置本体70のプラグ保持体72に保持させることで、図2(a)及び図2(b)に示すように充電プラグ60が装置本体70に保持される。なお、図2(a)中のCB1は分電盤6に接続される電源ケーブルである。
【0026】
また、図3は充電制御装置1の他の例を示す外観斜視図、図4はこの充電制御装置1を用いた概略システム図である。この充電制御装置1は、一面が開口した直方体状のボディ81と、ボディ81の開口を塞ぐようにボディ81に取り付けられるカバー82とで構成されるハウジング80を備える。カバー82の長手方向一端側には、ボディ81よりも外側に突出する支持部83が設けられ、この支持部83には引掛孔83aが設けられている。したがって、ハウジング80は、壁などに設けたピンを引掛孔83aに引っ掛けることによって、壁面などに吊り下げられた状態で支持される。また、ボディ81の長手方向一端側(図4中の左側)の側壁からは、電源コンセント9に接続される電源プラグ85が先端に設けられた電源ケーブルCB1がハウジング80の外側に導出され、ボディ80の長手方向他端側(図4中の右側)の側壁からは、電動車両3に接続される充電プラグ86が先端に設けられた充電ケーブルCB2がハウジング80の外側に導出されている。なお、以下の説明では、図2に示す充電制御装置1で説明するが、図3及び図4に示す充電制御装置1であってもいいことは言うまでもない。
【0027】
次に、本実施形態のエネルギー監視システムの各動作について、図5〜図9を参照しながら順次説明する。
【0028】
図5は電動車両3への充電開始時と充電停止時の動作を示すシーケンス図である。充電制御装置1の装置本体70から取り外した充電プラグ60を電動車両3の充電コネクタ34に接続する(ステップS1)。このとき、充電制御装置1の表示部13は発光ダイオードLD1〜LD3により充電停止中を示す表示となっており、リレー14は開状態にある。この状態から装置本体70に設けられた充電開始ボタンを押すと(ステップS2)、充電制御部11に対して充電開始信号が出力される(ステップS3)。充電制御部11は、上記の充電開始信号に従って閉信号を出力してリレー14を閉状態にするとともに(ステップS4)、充電開始信号に対応する動作信号を出力して表示部13を充電中を示す表示に切り替える(ステップS5)。また、充電制御部11は、充電開始信号(充電状態信号)を無線通信部12に出力して、無線通信部12からエネルギー監視装置2の無線通信部22に送信させる(ステップS6)。無線通信部22は、受信した充電開始信号を制御部21に出力し(ステップS7)、制御部21は、上記の充電開始信号に対応する動作信号を表示部23に出力して、例えば音や光、映像などによって充電が開始されたことを報知させる(ステップS8)。
【0029】
続けて、充電中は充電プラグ60が電動車両3の充電コネクタ34に接続されており(ステップS11)、このとき表示部13は充電中を示す表示であり、リレー14は閉状態にある。この状態から装置本体70に設けられた充電停止ボタンを押すと(ステップS12)、充電制御部11に対して充電停止信号が出力される(ステップS13)。充電制御部11は、上記の充電停止信号に従って開信号を出力してリレー14を開状態にするとともに(ステップS14)、充電停止信号に対応する動作信号を出力して表示部13を充電停止中を示す表示に切り替える(ステップS15)。また、充電制御部11は、充電停止信号(充電状態信号)を無線通信部12に出力して、無線通信部12からエネルギー監視装置2の無線通信部22に送信させる(ステップS16)。無線通信部22は、受信した充電停止信号を制御部21に出力し(ステップS17)、制御部21は、上記の充電停止信号に対応する動作信号を表示部23に出力して、例えば音や光、映像などによって充電が停止されたことを報知させる(ステップS18)。これらの報知動作によって、電動車両3の充電部33への充電が開始されたことや、充電部33への充電が停止されたことを知ることができる。なお、本例では、充電停止ボタンを押して充電を停止させた場合を例に説明したが、例えば後述する漏電検知などの異常時に自動的に充電を停止させる場合や、満充電により自動的に充電を停止させる場合でも同様のシーケンスにより充電を停止させ、そして表示部25及びスピーカ28から充電が停止されたことを報知することになる。
【0030】
図6は電動車両3への充電中の動作を示すシーケンス図である。充電制御装置1の装置本体70から取り外した充電プラグ60を電動車両3の充電コネクタ34に接続する(ステップS21)。このとき、充電制御装置1の表示部13は発光ダイオードLD1〜LD3により充電停止中を示す表示となっており、リレー14は開状態にある。この状態から装置本体70に設けられた充電開始ボタンを押すと(ステップS22)、充電制御部11に対して充電開始信号が出力される(ステップS23)。充電制御部11は、上記の充電開始信号に従って閉信号を出力してリレー14を閉状態にするとともに(ステップS24)、充電開始信号に対応する動作信号を出力して表示部13を充電中を示す表示に切り替える(ステップS25)。また、充電制御部11は、充電開始信号(充電状態信号)を無線通信部12に出力して、無線通信部12からエネルギー監視装置2の無線通信部22に送信させる(ステップS26)。無線通信部22は、受信した充電開始信号を制御部21に出力し(ステップS27)、制御部21は、上記の充電開始信号に対応する動作信号を表示部23に出力して、例えば音や光、映像などによって充電が開始されたことを報知させる(ステップS28)。
【0031】
さらに、充電制御部11は、充電中は無線通信部12に対して充電継続信号(充電状態信号)を定期的に出力し、無線通信部12からエネルギー監視装置2の無線通信部22に送信させる(ステップS29)。無線通信部22は、受信した充電継続信号を制御部21に出力し(ステップS30)、制御部21は、上記の充電継続信号に対応する動作信号を表示部23に出力して、例えば音や光、映像などによって充電中であることを報知させる(ステップS31)。なお、この報知動作は、無線通信部22が上記の充電継続信号を受信している間、つまり充電している間、継続して行われる。そして、この報知動作によって、電動車両3の充電部33への充電中であることを知ることができ、しかも報知動作が開始した時点を充電開始時、報知動作が終了した時点を充電終了時と判断することもできる。なお、この報知動作の別の方法としては、上記の充電開始信号及び充電停止信号を充電継続信号として利用し、充電開始信号を受信した際には表示部25及びスピーカ28による充電中の報知動作を継続させ、その後、充電停止信号を受信すると報知動作をやめる方法でもよい。
【0032】
図7は電動車両3への充電中に漏電が発生した場合の動作を示すシーケンス図である。なお、充電開始時の動作(ステップS41〜S48)については図5及び図6で説明した動作と同様であるから、ここでは説明を省略する。電動車両3への充電中に充電制御装置1の充電制御部11が漏電を検出すると(ステップS49)、充電制御部11は開信号を出力してリレー14を開状態にするとともに(ステップS50)、漏電検知に対応する動作信号を出力して表示部13を漏電を示す表示に切り替える(ステップS51)。また、充電制御部11は、漏電検知信号(充電状態信号)を無線通信部12に出力して、無線通信部12からエネルギー監視装置2の無線通信部22に送信させる(ステップS52)。無線通信部22は、受信した漏電検知信号を制御部21に出力し(ステップS53)、制御部21は、上記の漏電検知信号に対応する動作信号を表示部23に出力して、例えば音や光、映像などによって漏電が検出されたことを報知させる(ステップS54)。この報知動作によって、宅内にいながら、屋外で発生している充電異常(本例では漏電)を知ることができる。
【0033】
図8は上述した各種の充電状態信号をサーバ4に転送する動作を示すシーケンス図である。なお、充電開始時の動作(ステップS61〜S68)については図5及び図6で説明した動作と同様であるから、ここでは説明を省略する。エネルギー監視装置2の制御部21は、無線通信部22で受信した充電開始信号(充電状態信号)を有線通信部24に出力して、有線通信部24からサーバ4の有線通信部41に送信させる(ステップS69)。有線通信部41は、受信した充電開始信号をデータ管理部42に出力し(ステップS70)、データ管理部42は、上記の充電開始信号を顧客ID(各エネルギー監視システムに設定されたID)に対応させて蓄積管理する(ステップS71)。上記の構成によれば、例えば携帯端末などでサーバ4にアクセスすることによって、外出先からでも充電状態を確認することができる。なお、携帯端末から確認するだけではなく、サーバ4から携帯端末にPUSH式で状態通知しても良い。また、サーバ4に転送する充電状態信号は充電開始信号に限定されるものではなく、上記の充電停止信号や充電継続信号、漏電検知信号であってもいいし、充電状態に関わるものであればそれ以外のものでもよい。
【0034】
図9はエネルギー監視装置2の表示部23に充電完了予定時刻を表示させるまでの動作を示すシーケンス図である。なお、充電開始時の動作(ステップS81〜S88)については図5及び図6で説明した動作と同様であるから、ここでは説明を省略する。充電制御装置1の充電制御部11は、充電を開始させた後、充電残量(現在の充電量)を要求する要求信号を無線通信部12に出力して、無線通信部12から電動車両3の無線通信部32に送信させる(ステップS89)。無線通信部32は、受信した上記の要求信号を充電処理部31に出力し(ステップS90)、充電処理部31は、充電残量を含む応答信号を無線通信部32に出力して、無線通信部32から充電制御装置1の無線通信部12に送信させる(ステップS91)。無線通信部12は、受信した上記の応答信号を充電制御部11に出力し(ステップS92)、充電制御部11は、充電残量を含む充電状態信号を作成して無線通信部12に出力するとともに、無線通信部12からエネルギー監視装置2の無線通信部22に送信させる(ステップS93)。無線通信部22は、受信した上記の充電状態信号を制御部21に出力し(ステップS94)、制御部21は、充電状態信号に含まれる充電残量から充電完了予定時刻を算出して表示部23に出力し、例えば音や光、映像などによって充電完了予定時刻を報知させる(ステップS95)。この報知動作によって、充電完了までにかかる時間を知ることができる。なお、上記の報知動作によって充電残量(現在の受電量)を報知するようにしてもよく、また充電状態信号として充電完了予定時刻を通知するようにしてもよい。
【0035】
而して、本実施形態によれば、宅内に設置されるエネルギー監視装置2に充電状態を報知する報知部(表示部23)を設けているので、住人は充電場所まで行くことなく宅内で充電状態を知ることができ、しかも報知部をエネルギー監視装置2に設けていることから、従来例のように専用の機器を設置しなくてもよく、コストアップを抑えることができる。また、エネルギー監視装置2を用いることによって、コストアップを抑えつつ宅内で充電状態を知ることができるエネルギー監視システムを提供することができる。
【0036】
ここにおいて、充電制御装置1に撮像部16を設けるのも好ましく、この場合、撮像部16によって宅外の様子を撮像することで宅内に居ながら宅外の様子を確認することができ、特に車輌盗難や盗電などの防止に役立ち、しかも宅外の様子を撮像するための専用の撮像手段を別途設ける必要がないという利点がある。さらに、エネルギー監視装置2に記憶部(図示せず)を設け、撮像した映像データを記憶部に記憶させてもよく、この場合、上記の映像データを後からチェックすることができる。
【0037】
なお、本実施形態では、充電制御装置1と電動車両3の間で無線通信を行っているが、有線通信(例えば、専用の通信線を介した通信、電力線を通じた電力線搬送通信など)であってもよい。また、充電制御装置1及びエネルギー監視装置2の間も無線通信に限定されるものではなく、有線通信であってもよい。さらに、エネルギー監視装置2とサーバ4の間も有線通信に限定されるものではなく、無線通信であってもよい。また、本実施形態では、充電開始信号、充電停止信号及び充電継続信号のすべてを通知しているが、例えば充電開始信号及び充電停止信号のみを通知してもいいし、充電継続信号のみを通知してもよく、何れの場合も充電開始時と充電停止時を知ることができる。さらに、本実施形態では、エネルギー監視装置2で監視するエネルギーが電気の場合を例に説明したが、電気以外にガスや水道などであってもよく、同様に充電状態を報知する機能を備えていればよい。
【符号の説明】
【0038】
1 充電制御装置
2 エネルギー監視装置
3 電動車両
21 制御部
22 無線通信部(信号受信部)
23 表示部(報知部)
33 充電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア内のエネルギー使用量を報知する報知部と、電動車両の充電部への充電を制御する充電制御装置からの充電状態を示す充電状態信号を受信する信号受信部と、前記充電状態信号に応じた報知動作を前記報知部に行わせる制御部とを備えたことを特徴とするエネルギー監視装置。
【請求項2】
前記信号受信部は、前記充電部への充電開始を示す充電開始信号又は前記充電部への充電停止を示す充電停止信号のうち少なくとも何れか一方を前記充電状態信号として受信し、前記制御部は、前記信号受信部が受信した前記充電開始信号又は前記充電停止信号に従って前記充電部への充電が開始し又は停止したことを前記報知部から報知させることを特徴とする請求項1記載のエネルギー監視装置。
【請求項3】
前記信号受信部は、前記充電部への充電中であることを示す充電継続信号を前記充電状態信号として受信し、前記制御部は、充電中である場合は前記充電部への充電中であることを前記報知部から報知させることを特徴とする請求項1又は2記載のエネルギー監視装置。
【請求項4】
前記信号受信部は、漏電検出時に前記充電制御装置から送信される漏電検知信号を前記充電状態信号として受信し、前記制御部は、前記信号受信部が受信した前記漏電検知信号に従って漏電が検出されたことを前記報知部から報知させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエネルギー監視装置。
【請求項5】
前記信号受信部は、現在の充電量又は充電完了予定時刻のうち少なくとも何れか一方を前記充電状態信号として受信し、前記制御部は、前記信号受信部が受信した前記充電状態信号に含まれる現在の充電量又は充電完了予定時刻を前記報知部から報知させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のエネルギー監視装置。
【請求項6】
外部に設けられたサーバに信号を転送する信号転送部を備え、前記制御部は、前記信号受信部が受信した前記充電状態信号を前記信号転送部から前記サーバに転送させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のエネルギー監視装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のエネルギー監視装置と、前記充電制御装置とを備え、前記充電制御装置は、前記充電状態信号を送信する信号送信部を有し、前記エネルギー監視装置の前記制御部は、前記信号受信部が受信した前記充電状態信号に従って前記報知部に報知動作を行わせることを特徴とするエネルギー監視システム。
【請求項8】
前記充電制御装置は、撮像部を備えるとともに前記撮像部で撮像した映像データを前記信号送信部から送信し、前記エネルギー監視装置の前記制御部は、前記信号受信部が受信した前記映像データを前記報知部が備えるモニタに表示させる又は前記エネルギー監視装置が備える記憶部に記憶させるのうち少なくとも何れか一方を行うことを特徴とする請求項7記載のエネルギー監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−200104(P2012−200104A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63601(P2011−63601)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】