説明

エネルギ消費低減型アクチュエータ

【課題】アクチュエータの電機子の駆動において通常生じているエネルギの浪費を低減し、電池で作動するシステムにおいて電池の寿命をさらに延ばすことができるラッチ式アクチュエータシステムを提供する。
【解決手段】ラッチ弁システム10は、圧電トランスデューサ44を含む。この弁の状態を変えるために、マイクロコントローラは弁ドライバに、アクチュエータのコイル12を介して電流を駆動させる。マイクロコントローラは該電流の駆動を、トランスデューサの出力が、アクチュエータの電機子22が行程の終端に到達した場合に通常生ずる音の乱れに特有の大きさに到達するまで継続する。その時点において、マイクロコントローラは該電流の駆動を停止する。特有の音が所定期間内に生じない場合は、電圧増倍回路により、弁ドライバがコイルに印加している電圧を増大させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラッチ式アクチュエータに関し、特にそれを制御するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動式の便器用及び小便器用フラッシャ(洗浄装置)のような、多くの自動式流れ制御装置において、特に厳しい設計条件は、システムの電力消費を可能な限り少なくすることである。その理由は場合場合によって異なるが、典型的な理由は、フラッシャの動作を自動化するために必要とされる回路その他の装置が、非常に多くの場合、後付けをベースとして提供されているからである。即ち、手動のフラッシャは自動式動作へと転換されつつある。後付けユニットが電池で動作可能か、或いはその他によって独立式とされたものでない限り、設置工程は非常に高価なものとなり、通常は必要な配線を行うために壁に穴を空けることが必要とされる。こうした費用は、自動式システムが電池で作動する場合には回避しうるが、しかし電池で作動するシステムが容認できるか否かは、電池の寿命に大きく依存している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池の寿命の大きな決定要因は、弁の動作が消費するエネルギである。そのため後付け式のシステムはラッチ式の種類の弁、即ちそのアクチュエータが弁を開いたり閉じたりするのに電力を必要とするが、それを開いたまま又は閉じたままとするのに電力を必要としない弁を採用する傾向がある。こうしたアクチュエータを採用している弁を使用することにより、電池で作動するシステムを採用する実現性は大きく増大した。それでもなお、電池の寿命をさらに延ばすことができれば、こうしたシステムはより魅力的なものになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこうした成果を、アクチュエータの電機子の駆動において通常生じている、エネルギの浪費を低減することによって達成する。本発明によって採用されている手法は、電機子がその行程の最後に到達した時点を判定することを含んでいる。本発明の側面の一つによれば、到達時点において、アクチュエータのコイルの駆動が終了する。これはエネルギ消費を大きく低減させることができる。なぜならそれによってコイルの駆動期間は、必ずしも最悪の場合の条件に合致するだけ十分に長いものとする必要はなくなるからである。このことは結果として、電池寿命の相当の増大をもたらしうる。
【0005】
本発明の側面の別のものによれば、電機子が所定期間内にその行程の終わりに到達しない場合には、アクチュエータのコイルに印加される駆動が増大される。このことは、普通の場合により少ないコイル駆動を用いることを可能にする。というのは、コイルの駆動が必ずしも、例えば異物の堆積に由来して時折生じうる抵抗を克服するのに十分な大きさである必要はないからである。このコイル駆動の低減もまた、寿命に寄与することになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】圧電トランスデューサが上に設けられたラッチ弁の断面図である。
【図2】弁アクチュエータのための制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の本発明の説明は、添付図面を参照する。
【0008】
図1は、ラッチ式アクチュエータを含む弁システム10を断面で示している。アクチュエータは、アクチュエータハウジング16内に設けられたボビン14に巻かれたコイル12を含んでいる。図示の位置において、ボビン14上に設けられたラッチ用磁石18は、後部磁極片20を介して作用し、電機子の下端付近に形成されたショルダ26に対して戻りバネ24が及ぼしている力に抗して、電機子22を上部位置に保持している。図1の位置において、電機子の底部にある弾性弁部材28は、弁の入口32の辺りに形成された弁座30から離間している。従って流体は入口32と環状のキャビティ34を通って、弁の出口36へと流れることができる。
【0009】
この弁を閉じるには、端子37及び38を通じて印加される駆動電圧が、コイル12を介して電流を駆動する。端子38は導電性のハウジング16とオーム接触しており、接触バネ39が次いでこのハウジング16を、コイル12の一端に接続している。導線40がコイル12の他方の端部を端子37に接続しており、また非導電性のブシュ41が端子37をハウジング16から絶縁している。
【0010】
駆動電圧の極性は、強磁性のハウジング16、後部磁極片20、及び前部磁極片42によって主として案内される、生成される磁束が、永久磁石18のそれに対抗するようになっている。これは電機子22に対する磁石18の保持を終わらせ、戻りバネ24が弁座30上へと、弁部材28を押しやることを可能にする。かくして弁が閉じられると、戻りバネはコイルからのそれ以上の支援なしに、弁を閉じたままに保持する。電機子22の磁石からの距離が増大したことにより、電機子22に対する磁力は、戻りバネ24の力よりも小さなものになる。
【0011】
弁を開くには、コイルに対する駆動力が導線37及び38へと反対向きに加えられ、生成される磁束が永久磁石18の磁束を強化して、戻りバネの力を克服するようにされる。従って電機子22は図1の位置に復帰するが、ここでは永久磁石18の力は、コイルからの支援なしに戻りバネ24の力に抗して電機子22を保持するのに十分なだけ大きい。
【0012】
ラッチ弁が双安定性であるため、これを作動させる制御回路は通常、弁が所望の状態に到達した後に、電流の流れを遮断する。弁が所望の状態に到達するのに必要とする時間は大きく変動しうるため、従来の制御回路は電流通電期間を比較的長くし、それが最悪の場合の条件に適するようにしている。しかし、殆どのアクチュエータは最悪の状況の下で作動されるものではないから、コイルの駆動は通常、弁がその安定状態に到達した後も暫く継続する。これは電池のエネルギの浪費である。この浪費を低減させるために、本発明を採用するシステムは電機子を監視して、電機子がその終点に到達したか否かを判定し、そうなった場合にコイルに対する駆動の印加を停止する。この目的のために、図示の実施例は、電機子がその行程の何れかの端に到達した場合に生ずる音を利用する。
【0013】
本発明者らはここで音という用語を、圧力又は歪み波という広い意味において使用する。また殆どの実施形態では、「音」の主たる周波数成分は通常、可聴範囲を越える。図示の実施例のセンサは圧電トランスデューサ44であり、これはハウジング壁の振動に応答する。圧電要素44の大きさと形状は通常、主たる周波数成分に対するその応答を最大化するように選ばれており、またこれは普通、検出すべき音が最大の振幅を有し、或いはノイズから最も区別可能となるような位置に設けられる。
【0014】
端子46は、接触バネ48を介してトランスデューサ44の電極の一つに対する電気的な連絡をもたらしており、ハウジングに固定されたプラスチック製のキャップ49が、接触バネをその位置に保持している。トランスデューサ44の他方の電極は、端子38をコイルと共有することができるが、これはトランスデューサがハウジング16に対し、ハウジングとその電極の間の導電性結合によって固定されているからである。
【0015】
図2が示すように、この弁のための制御回路は、センサの増幅器及び包絡線検出器50を含み、これはトランスデューサの出力を受信する。増幅器及び包絡線検出器50は、予想される音の主たる(通常は超音波領域)周波数成分に同調された増幅器を含み、得られた濾波された信号を整流し、その結果を低域フィルタに通して、同調された増幅器出力の包絡線を表す出力を生成する。電機子22が終点に到達してハウジングの振動を生じた場合、得られる包絡線の値は、比較器52が印加する閾値を越える。図示の実施例では、音の振幅は弁が閉じる場合よりも弁が開く場合の方が高いから、マイクロコントローラ54は比較器の閾値を設定して、弁が開く時のその値が、弁が閉じる時に有する値と異なるようにする。
【0016】
マイクロコントローラ54は、物体センサ56によるトリガーに応じて、弁を作動させることができる。例えばそれは、ユーザがフラッシャのそばを離れたことをセンサが検出した場合に弁を開き、次いで弁が所定時間にわたって開いた場合に、弁を閉じるようにできる。弁を開くためには、マイクロコントローラは、弁駆動回路58に印加されるOPEN信号をセットする。これはこの回路に、弁を開くようにする方向において、アクチュエータ60のコイルを介して電流を駆動させる。
【0017】
電流が流れ始めると、比較器52の出力は当初、増幅器50の出力が閾値よりも低く、従ってこの増幅器が、電機子がその行程の終わりに到達したことに一致する大きさの音を受信していないことを示す。マイクロコントローラ54は従って、OPEN信号がアサートされたままにする。しかし比較器52の出力は、電機子22がその行程の終わりに立てる音に応じて変化する。電機子22がその点に達した場合、弁は電流の流れなしに開いたままとなる。マイクロコントローラはそこでそのOPEN出力をデアサートし、それによって弁駆動回路58がアクチュエータ60のコイルに駆動電流を印加するのを停止させる。これによって得られる結果は通常、電流が流れる期間が、最悪の場合の条件の下で弁を開くのに必要とされる時間よりも大幅に短くなり、システムが相当のエネルギを節約する、というものである。
【0018】
弁を閉じるには、マイクロコントローラ54はそのCLOSE出力をアサートし、それによって弁駆動回路58に、アクチュエータ60を反対方向へと駆動させる。この場合にも、マイクロコントローラは電流の流れを、電機子がその行程の終わりに達したことを比較器52が知らせるまで許容するだけである。
【0019】
本発明は、駆動信号の長さだけでなく、その大きさをも制御するように使用することができる。通常の動作に十分なだけ高いコイル駆動レベルは、場合によっては不適切なものである。コイルの駆動レベルは、電機子が終点に到達していない場合に増大するようにさせることができる。コイルの駆動レベルを増大させる一つの方法は、電機子のコイルを介して放電されるコンデンサに対しての電圧を増大することである。
【0020】
図2は弁駆動回路58を、電池62によって電力を供給されるものとして描いている。この弁駆動回路58は通常、エネルギ蓄積コンデンサを含むが、電池62はこれを、コイルL1とショットキーダイオードD1を通じて、動作の合間に充電させる。マイクロコントローラ54がそのOPEN又はCLOSE信号をアサートした場合、駆動回路はコンデンサを、アクチュエータ60のコイルを通じて放電させる。普通は、コンデンサの充電電圧を決定するのは電池62の電圧それ自体であり、これが次いでコイルの電流と、電機子の力とを決定することになる。
【0021】
さて、異物の堆積といった要因があると、弁を開いたり閉じたりするのが普通よりも困難になることがある。しかし、電池の電圧が、こうしたより困難な状況に対処するのに十分高くセットされている場合には、通常は不必要な高いエネルギ消費が行われることになる。図示の実施例はそこで、電池の電圧レベルとして、通常の状況に対しては適切であるが、より困難な状況に対処するのには十分でないものを使用する。
【0022】
従来と異なり、図示の実施例は、所定の最大電流期間内に電機子がその行程の終わりに到達しなかった場合に、コンデンサの電圧を増大させる。具体的には、この所定の最大電流期間に達した場合、マイクロコントローラ54は弁駆動回路を一時的にターンオフし、限流抵抗器R1を介してトランジスタQ1をパルス駆動する。各々のパルスの間、トランジスタはコイルL1を介して電池から電流を引き出す。しかしダイオードD1があるため、弁駆動回路のコンデンサを放電させることはない。各パルスの終わりに、トランジスタQ1はターンオフし、コイルL1で得られた起電力は電流が継続して流れるようにし、それによってダイオードD1を介して駆動回路のコンデンサを充電するが、これはコンデンサ電池の電圧が電池62の電圧を越える場合でも行われる。それゆえこれらのコンデンサは、電池を上回る電圧へと充電可能である。
【0023】
適切なコンデンサ電圧を達成するために、比較器64はコンデンサ電圧をマイクロコントローラ54が設定したレベルと比較する。結果として比較器から生成される出力に応じ、コンデンサ電圧が閾値よりも小さければマイクロコントローラはパルスのデューティサイクルを増大させ、コンデンサ電圧が閾値を越える場合にはデューティサイクルを低減させる。この閾値は電池の電圧よりも高く設定されて、マイクロコントローラが弁駆動回路を再度ターンオンした場合に、電機子に加わる力がより大きく、弁を開いたり閉じたりする可能性が高くなるようにする。
【0024】
図示の実施例は、本発明の教示を採用することのできる多くのものの単なる一例に過ぎない。例えば、本発明者らは音響センサ、特に超音波トランスデューサを用いることを好むが、これに代えて、電機子の行程の終わりを検出する他の方法を使用することもできる。また図示の実施例は、弁が開かれる場合と弁が閉じられる場合の両方についてコイル駆動期間を制御するが、幾つかの実施例ではこの期間を、開く間だけ、又は閉じる間だけ制御するようにしてもよい。また、弁以外の機構を作動するラッチ式アクチュエータシステムもまた、本発明の教示の利益を享受することができる。
【0025】
さらにまた、本発明者らは電機子がその行程の終わりに達したか否かを判定するために、単純な振幅規準を用いたが、幾つかの用途については、他の規準が好ましいとされる場合もあろう。例えば音響信号をサンプリングして、電機子がその終点の一方に到達した場合に特有のものであることが判っている、記憶された波形と信号処理によって比較することができる。この記憶された信号は異なる終点について異ならせることができ、アクチュエータの2つの状態を相互に識別するために、こうした比較が価値あるものと考えられる状況もある。
【0026】
本発明は従って、広い範囲の実施形態について採用可能であり、技術的に意義ある進歩を構成する。
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
1. A)電機子と、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルとを含む、ラッチ式アクチュエータと、
B)前記第一の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、検出した音を示すセンサ出力を発生する音響センサと、及び
C)前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、所定の第一の電流停止規準に合致するセンサ出力に応じて前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を停止するよう作動可能な制御回路
からなるアクチュエータシステム。
【0027】
2. A)前記コイルが電流を第二の通電方向に導通させる第二の駆動方向におけるコイル駆動の印加によって作動可能であり、それによって電機子を第二の端位置へと駆動し、
B)前記音響センサが、前記第二の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、及び
C)前記制御回路が、前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、所定の第二の電流停止規準に合致するセンサ出力に応じて前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を停止するよう作動可能である、1項記載のアクチュエータシステム。
【0028】
3. 前記第一の電流停止規準と前記第二の電流停止規準が異なる、2項記載のアクチュエータシステム。
【0029】
4. 前記音響センサが圧電トランスデューサを含む、1項記載のアクチュエータシステム。
【0030】
5. 前記制御回路が前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始した後、所定の第一の駆動期間内に前記センサ出力が前記第一の電流停止規準に合致しない場合、前記制御回路はそれが前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始したレベルよりも高いレベルにおいて、前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行う、4項記載のアクチュエータシステム。
【0031】
6. 前記制御回路が前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始した後、所定の第二の駆動期間内に前記センサ出力が前記第二の電流停止規準に合致しない場合、前記制御回路はそれが前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始したレベルよりも高いレベルにおいて、前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行う、5項記載のアクチュエータシステム。
【0032】
7. A)前記アクチュエータシステムが前記電機子と前記コイルを収容するハウジングを含み、及び
B)圧電トランスデューサが前記ハウジングに固定されている、4項記載のアクチュエータシステム。
【0033】
8. 前記制御回路が前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始した後、所定の第一の駆動期間内に前記センサ出力が前記第一の電流停止規準に合致しない場合、前記制御回路はそれが前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始したレベルよりも高いレベルにおいて、前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行う、1項記載のアクチュエータシステム。
【0034】
9. 前記制御回路が前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始した後、所定の第二の駆動期間内に前記センサ出力が前記第二の電流停止規準に合致しない場合、前記制御回路はそれが前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始したレベルよりも高いレベルにおいて、前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行う、8項記載のアクチュエータシステム。
【0035】
10. 前記第一の駆動期間と前記第二の駆動期間が同じである、9項記載のアクチュエータシステム。
【0036】
11. A)前記制御回路が前記コイルに対してコイル駆動を印加するための第一及び第二のコイル端子をシステムが含み、
B)前記制御回路が前記音響センサから前記センサ出力を受信するための第一及び第二のセンサ端子をシステムが含み、及び
C)前記第二のコイル端子と前記第二のセンサ端子が同じである、1項記載のアクチュエータシステム。
【0037】
12. A)電機子と、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルとを含む、アクチュエータと、
B)前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを検出し、それを示す検出出力を発生することによってこれに応答する終点検出器と、及び
C)通常の第一方向駆動レベルにおいて前記第一の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、その後前記検出出力が所定の第一の駆動期間内に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示さない場合に、前記通常の第一方向駆動レベルよりも高い増大された第一方向駆動レベルにおいて前記第一の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行うよう作動可能な制御回路
からなるアクチュエータシステム。
【0038】
13. A)前記コイルが電流を第二の通電方向に導通させる第二の駆動方向におけるコイル駆動の印加によって作動可能であり、それによって電機子を第二の端位置へと駆動し、
B)前記終点検出器が、前記電機子が前記第二の端位置に到達したことに対し、それを示す検出出力を発生することによって応答し、及び
C)前記制御回路が、通常の第二方向駆動レベルにおいて前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、その後前記検出出力が所定の第二の駆動期間内に前記電機子が前記第二の端位置に到達したことを示さない場合に、前記通常の第二方向駆動レベルよりも高い増大された第二方向駆動レベルにおいて前記第二の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行うよう作動可能である、12項記載のアクチュエータシステム。
【0039】
14. 前記第一の駆動期間と前記第二の駆動期間が同じである、13項記載のアクチュエータシステム。
【0040】
15. A)前記終点検出器が、前記第一及び第二の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、検出した音を示すセンサ出力を発生する音響センサを含み、
B)前記センサ出力が所定の第一の電流停止規準に合致する場合に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示し、
C)前記センサ出力が所定の第二の電流停止規準に合致する場合に前記電機子が前記第二の端位置に到達したことを示す、13項記載のアクチュエータシステム。
【0041】
16. 前記音響センサが圧電トランスデューサを含む、15項記載のアクチュエータシステム。
【0042】
17. 前記制御回路は、前記所定の通常の第一方向駆動期間の後、前記コイルを前記高いレベルで駆動する前に、前記第一の方向におけるコイル駆動の印加を停止する、12項記載のアクチュエータシステム。
【0043】
18. A)前記コイルが電流を第二の通電方向に導通させる第二の駆動方向におけるコイル駆動の印加によって作動可能であり、それによって電機子を第二の端位置へと駆動し、
B)前記終点検出器が、前記電機子が前記第二の端位置に到達したことに対し、それを示す検出出力を発生することによって応答し、及び
C)前記制御回路が、通常の第二方向駆動レベルにおいて前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、その後前記検出出力が所定の第二の駆動期間内に前記電機子が前記第二の端位置に到達したことを示さない場合に、前記通常の第二方向駆動レベルよりも高い増大された第二方向駆動レベルにおいて前記第二の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行うよう作動可能である、17項記載のアクチュエータシステム。
【0044】
19. 前記制御回路は、前記所定の通常の第二方向駆動期間の後、前記コイルを前記高いレベルで駆動する前に、前記第二の方向におけるコイル駆動の印加を停止する、18項記載のアクチュエータシステム。
【0045】
20. A)前記終点検出器が、前記第一の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、検出した音を示すセンサ出力を発生する音響センサを含み、及び
B)前記センサ出力が所定の第一の電流停止規準に合致する場合に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示す、12項記載のアクチュエータシステム。
【0046】
21. 前記音響センサが圧電トランスデューサを含む、20項記載のアクチュエータシステム。
【0047】
22. A)前記制御回路が前記コイルに対してコイル駆動を印加するための第一及び第二のコイル端子をシステムが含み、
B)前記制御回路が前記音響センサから前記センサ出力を受信するための第一及び第二のセンサ端子をシステムが含み、及び
C)前記第二のコイル端子と前記第二のセンサ端子が同じである、20項記載のアクチュエータシステム。
【0048】
23. A)開状態と閉状態の間で作動可能な弁と、
B)前記弁に有効に接続された電機子を含み、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルをさらに含み、その位置で前記電機子が前記弁を前記開状態及び閉状態の一方に保持する、ラッチ式アクチュエータと、
C)前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを検出し、それを示す検出出力を発生することによってこれに応答する終点検出器と、及び
D)前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示す検出出力に応じて前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を停止するよう作動可能な制御回路
からなる流れ制御システム。
【0049】
24. A)前記流れ制御システムが付加的に、物体センサ出力を生成する物体センサを含み、及び
B)前記制御回路による前記コイルに対するコイル駆動の印加が、前記物体センサ出力に依存している、23項記載の流れ制御システム。
【0050】
25. A)前記コイルが電流を第二の通電方向に導通させる第二の駆動方向におけるコイル駆動の印加によって作動可能であり、それによって電機子を第二の端位置へと駆動し、その位置で前記電機子が前記弁を前記開状態及び閉状態の他方に保持し、
B)前記終点検出器が、前記電機子が前記第二の端位置に到達したことを検出し、それを示す検出出力を発生することによってこれに応答し、及び
C)前記制御回路が、通常の第一方向駆動レベルにおいて前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、前記電機子が前記第二の端位置に到達したことを示す検出出力に応じて、前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を停止するよう作動可能である、23項記載の流れ制御システム。
【0051】
26. A)前記流れ制御システムが付加的に、物体センサ出力を生成する物体センサを含み、及び
B)前記制御回路による前記コイルに対するコイル駆動の印加が、前記物体センサ出力に依存している、25項記載の流れ制御システム。
【0052】
27. A)前記終点検出器が、前記第一及び第二の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、検出した音を示すセンサ出力を発生する音響センサを含み、
B)前記センサ出力が所定の第一の電流停止規準に合致する場合に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示し、
C)前記センサ出力が所定の第二の電流停止規準に合致する場合に前記電機子が前記第二の端位置に到達したことを示す、25項記載の流れ制御システム。
【0053】
28. 前記音響センサが圧電トランスデューサを含む、27項記載のアクチュエータシステム。
【0054】
29. A)前記終点検出器が、前記第一の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、検出した音を示すセンサ出力を発生する音響センサを含み、及び
B)前記センサ出力が所定の第一の電流停止規準に合致する場合に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示す、27項記載のアクチュエータシステム。
【0055】
30. A)前記流れ制御システムが付加的に、物体センサ出力を生成する物体センサを含み、及び
B)前記制御回路による前記コイルに対するコイル駆動の印加が、前記物体センサ出力に依存している、29項記載の流れ制御システム。
【0056】
31. 前記音響センサが圧電トランスデューサを含む、29項記載のアクチュエータシステム。
【0057】
32. A)開状態と閉状態の間で作動可能な弁と、
B)前記弁に有効に接続された電機子を含み、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルをさらに含み、その位置で前記電機子が前記弁を前記開状態及び閉状態の一方に保持する、アクチュエータと、
C)前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを検出し、それを示す検出出力を発生することによってこれに応答する終点検出器と、及び
D)通常の第一方向駆動レベルにおいて前記第一の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、その後前記検出出力が所定の第一の駆動期間内に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示さない場合に、前記通常の第一方向駆動レベルよりも高い増大された第一方向駆動レベルにおいて前記第一の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行うよう作動可能な制御回路
からなる流れ制御システム。
【0058】
33. A)前記流れ制御システムが付加的に、物体センサ出力を生成する物体センサを含み、及び
B)前記制御回路による前記コイルに対するコイル駆動の印加が、前記物体センサ出力に依存している、32項記載の流れ制御システム。
【0059】
34. A)前記コイルが電流を第二の通電方向に導通させる第二の駆動方向におけるコイル駆動の印加によって作動可能であり、それによって電機子を第二の端位置へと駆動し、
B)前記終点検出器が、前記電機子が前記第二の端位置に到達したことに対し、それを示す検出出力を発生することによって応答し、及び
C)前記制御回路が、通常の第二方向駆動レベルにおいて前記第二の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、その後前記検出出力が所定の第二の駆動期間内に前記電機子が前記第二の端位置に到達したことを示さない場合に、前記通常の第二方向駆動レベルよりも高い増大された第二方向駆動レベルにおいて前記第二の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行うよう作動可能である、32項記載の流れ制御システム。
【0060】
35. A)前記流れ制御システムが付加的に、物体センサ出力を生成する物体センサを含み、及び
B)前記制御回路による前記コイルに対するコイル駆動の印加が、前記物体センサ出力に依存している、34項記載の流れ制御システム。
【0061】
36. A)前記終点検出器が、前記第一の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、検出した音を示すセンサ出力を発生する音響センサを含み、及び
B)前記センサ出力が所定の第一の電流停止規準に合致する場合に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示す、32項記載の流れ制御システム。
【0062】
37. 前記音響センサが圧電トランスデューサを含む、36項記載の流れ制御システム。
【0063】
38. A)前記流れ制御システムが付加的に、物体センサ出力を生成する物体センサを含み、及び
B)前記制御回路による前記コイルに対するコイル駆動の印加が、前記物体センサ出力に依存している、36項記載の流れ制御システム。
【0064】
39. 電機子と、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルとを含む、ラッチ式アクチュエータを制御するための方法であって、
A)前記第一の駆動方向において前記コイルに対してコイル駆動を印加するステップと、
B)前記電機子が前記第一の端位置に到達したか否かを判定するステップと、及び
C)到達したと判定した場合に前記コイルに対するコイル駆動を停止するステップとからなる方法。
【0065】
40. 電機子と、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルとを含む、アクチュエータを制御するための方法であって、
A)前記第一の駆動方向において前記コイルに対してコイル駆動を印加するステップと、
B)前記電機子が前記第一の端位置に到達したか否かを判定するステップと、及び
C)その後所定の第一の駆動期間内に前記電機子が前記第一の端位置に到達していない場合に、前記通常の第一方向駆動レベルよりも高い増大された第一方向駆動レベルで前記第一の方向において前記コイルに対しコイル駆動の印加を行うステップとからなる方法。
【0066】
41. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、12項記載のアクチュエータシステム。
【0067】
42. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、13項記載のアクチュエータシステム。
【0068】
43. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、17項記載のアクチュエータシステム。
【0069】
44. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、20項記載のアクチュエータシステム。
【0070】
45. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、23項記載のアクチュエータシステム。
【0071】
46. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、24項記載のアクチュエータシステム。
【0072】
47. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、25項記載のアクチュエータシステム。
【0073】
48. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、29項記載のアクチュエータシステム。
【0074】
49. 前記アクチュエータがラッチ式アクチュエータである、40項記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)電機子と、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルとを含む、ラッチ式アクチュエータと、
B)前記第一の端位置に到達するに際して前記電機子が立てる音を検出するように前記電機子に結合され、検出した音を示すセンサ出力を発生する音響センサと、及び
C)前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、所定の第一の電流停止規準に合致するセンサ出力に応じて前記第一の駆動方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を停止するよう作動可能な制御回路
からなるアクチュエータシステム。
【請求項2】
A)電機子と、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルとを含む、アクチュエータと、
B)前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを検出し、それを示す検出出力を発生することによってこれに応答する終点検出器と、及び
C)通常の第一方向駆動レベルにおいて前記第一の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を開始し、その後前記検出出力が所定の第一の駆動期間内に前記電機子が前記第一の端位置に到達したことを示さない場合に、前記通常の第一方向駆動レベルよりも高い増大された第一方向駆動レベルにおいて前記第一の方向における前記コイルに対するコイル駆動の印加を行うよう作動可能な制御回路
からなるアクチュエータシステム。
【請求項3】
電機子と、コイル駆動の印加によって電流を第一の通電方向に導通させる第一の駆動方向に作動可能であって、それによって前記電機子を第一の端位置へと駆動するコイルとを含む、ラッチ式アクチュエータを制御するための方法であって、
A)前記第一の駆動方向において前記コイルに対してコイル駆動を印加するステップと、
B)前記電機子が前記第一の端位置に到達したか否かを判定するステップと、及び
C)到達したと判定した場合に前記コイルに対するコイル駆動を停止するステップとからなる方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−238937(P2011−238937A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133127(P2011−133127)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【分割の表示】特願2001−532019(P2001−532019)の分割
【原出願日】平成12年10月11日(2000.10.11)
【出願人】(592022660)スローン バルブ カンパニー (5)
【Fターム(参考)】