説明

エレクトロルミネッセンス材料、その製造方法及びエレクトロルミネッセンス素子

【課題】高い白色発光効率を有し、輝度の低下が少ないエレクトロルミネッセンス材料、及び、簡便かつ局所的に非晶質薄膜を形成することができるエレクトロルミネッセンス材料の製造方法を提供することにある。
【解決手段】所定の基板11上又は該基板上に必要に応じて形成した中間層上に、非晶質のSiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜13を形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンス材料、その製造方法及びエレクトロルミネッセンス素子に関し、特に、所定の基板上又は該基板上に必要に応じて形成した中間層上の少なくとも一箇所に、非晶質薄膜を形成してなるエレクトロルミネッセンス材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ディスプレイ装置の軽量化や、精細化について、多くの研究開発が行われており、その中でも、有機EL(エレクトロルミネッセンス)を中心としたエレクトロルミネッセンス材料は、特に注目されている。
【0003】
しかし、前記有機EL材料では、安定性(寿命)が短いため、白色発光の輝度に関しては、まだ十分ではなく、白色発光の輝度が大きい材料が求められていた。また、発光体の研究と空気から遮断する封止技術により、改善されてきているものの、発光体の有機物は、通電、酸素又は湿気等の影響により徐々に劣化して輝度が低下することが知られている。
【0004】
一方、無機EL材料では、上記の輝度の低下は防げるものの、白色についてはもちろんのこと、高輝度の青色発色体がないという問題があり、用途は限られていた。
【0005】
さらに、前記有機EL材料及び前記無機EL材料のいずれについても、真空のチャンバー内で原料化合物を加熱し蒸発させ、真空チャンバー内に置かれた所定の基板の上に、化合物を薄く(数nm〜数百nm)形成させるCVD法や、MBE法などを用いて、前記非晶質薄膜を形成することが多いが、それらはいずれも複雑なプロセスであるため、前記化合物の薄膜をさらに簡便に形成できる方法が求められていた。さらにまた、前記基板上の所望とする箇所に、局所的に前記化合物の薄膜を形成する方法についても要求されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高い白色発光効率を有し、輝度の低下が少ないエレクトロルミネッセンス材料、及び、簡便かつ局所的に非晶質薄膜を形成することができるエレクトロルミネッセンス材料の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)所定の基板上又は該基板上に必要に応じて形成した中間層上の少なくとも一箇所に、非晶質SiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜を形成してなることを特徴とするエレクトロルミネッセンス材料。
【0008】
(2)前記非晶質SiOxCy薄膜のxの値が、0.2〜0.8の範囲である上記(1)記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【0009】
(3)前記非晶質SiOxCy薄膜は、テトラエトキシシランを原料として形成してなる上記(1)又は(2)記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【0010】
(4)前記非晶質SiOxCy薄膜のサイズは、0.1〜10mm2の範囲である上記(1)、(2)又は(3)記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【0011】
(5)前記所定の基板は、ガラス又はポリマーからなる透明基板である請求項(1)〜(4)のいずれか1項記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【0012】
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項記載のエレクトロルミネッセンス材料と、該エレクトロルミネッセンス材料に通電するための電極とを具えるエレクトロルミネッセンス素子。
【0013】
(7)所定の基板又は該基板上に形成した中間層上の少なくとも1箇所に、テトラエトキシシランを原料として非晶質SiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜を形成することを特徴とするエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【0014】
(8)前記非晶質SiOxCy薄膜の形成は、テトラエトキシシランを含有する不活性ガスをマイクロプラズマジェットに混入させて照射することにより行う上記(7)記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【0015】
(9)前記不活性ガスは、アルゴンガスである上記(7)又は(8)記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【0016】
(10)前記マイクロプラズマジェットの照射は、大気圧下で行われる上記(7)、(8)又は(9)記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【0017】
(11)形成された前記非晶質SiOxCy薄膜のサイズが0.1〜10mm2の範囲である上記7〜10のいずれか1項記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、高い白色発光効率を有し、輝度の低下が少ないエレクトロルミネッセンス材料、及び、簡便かつ局所的に非晶質薄膜を形成することができるエレクトロルミネッセンス材料の製造方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の詳細と限定理由を説明する。
本発明のエレクトロルミネッセンス材料は、所定の基板上又は該基板上に必要に応じて形成した中間層上の少なくとも一箇所に、非晶質SiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜を形成してなる。
【0020】
本発明者らは、高い白色発光効率を有し、輝度の低下が少ないエレクトロルミネッセンス材料について鋭意研究を行った結果、所定の基板上又は該基板上に必要に応じて形成した中間層上に、室温で、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)等を出発原料として、非晶質SiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜を形成することにより、強い白色発光が得られることを見出した。さらに、前記非晶質SiOxCy薄膜は、無機材料であるため、有機EL材料に比べて、長時間の発光による輝度の低下を抑制できることも見出した。
【0021】
ここで、図1は、本発明による非晶質SiOxCy(x=0.7、y=0.3)薄膜、厚さ:100nmを有するエレクトロルミネッセンス素子に17Vの電圧を加えて発光させた状態を示したものである。また、図2は、発光させるための素子の構造を示したもので、ガラス基板11上に、SnO2からなる陽極21を形成し、その上に非晶質SiOxCy(x=0.8、y=0.2)薄膜13を形成して、エレクトロルミネッセンス材料10と、Alからなる陰極22と、電源30からなるサンドイッチ構造である。基板上の膜厚の面内分布にしたがって石英直下で最も輝度の高い発光を示す。
図1から、白色光が発生していることを確認でき、本発明のエレクトロルミネッセンス材料10を用いれば、優れた白色発光性能を有することがわかる。
【0022】
また、図3は、図2に示すような構造を用いて、前記エレクトロルミネッセンス材料10に対して、3種類の電圧(15V、16V、17V)を加えたときの、各波長(nm)に対する前記エレクトロルミネッセンス材料10の発光強度(a.u.)を示したものである。前記エレクトロルミネッセンス材料10は、図3に示されているように、いずれの電圧を加えた場合についても、発光波長が400〜800nmの範囲に渡るブロードなで発光分布を有し、白色発光していることがわかる。
【0023】
本発明のエレクトロルミネッセンス材料に用いる基板としては、前記被晶質SiOxCy薄膜を形成することができ、光を通すことができる材料であれば特に限定はしないが、室温で形成でき、フレキシブル基板上の駆動は、各種デバイス応用範囲が広い点から、ガラス又はポリマーからなる透明基板であることが好ましい。
【0024】
また、前記基板上に、必要に応じて中間層を形成することができる。該中間層は、前記非晶質SiOxCy薄膜に電極からのキャリア注入効率の向上と前記基板との間のバッファ層としての役目や、前記非晶質SiOxCy薄膜と前記基板との密着性を向上させる役目を果たすものである。その構成は、上記効果を奏するものであれば、特に限定はされず、例えば、LiF、AZO又はCuPc等を用いることができる。
【0025】
本発明のエレクトロルミネッセンス材料は、前記基板上又は該基板上に必要に応じて形成した中間層上の少なくとも一箇所に、非晶質SiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜を形成する。この非晶質SiOxCy薄膜により、前記エレクトロルミネッセンス材料は、優れた白色発光を示すことができる。
【0026】
また、前記非晶質SiOxCy薄膜のxの値が、0.2〜0.8の範囲であることが好ましい。xの値がこの範囲内であれば、優れた白色発光を示すことができるからである。また、xの値が0.2未満の場合、SiCに起因する発光効率が弱いため、十分な白色発光ができず、一方、0.8超えの場合も、SiOに起因する発光効率が弱いため、十分な白色発光ができないからである。
【0027】
さらに、前記SiOxCy薄膜は、必ずしも前記基板又は中間層上の全体に形成する必要はなく、局所的に形成することが可能である。具体的な形成方法は、後述の製造方法の中で述べるが、必要とされる領域のみに前記SiOxCy薄膜を形成することができ、例えば、前記基板上に0.1〜10mm2の範囲となるように、前記SiOxCy薄膜を設けることができる。
【0028】
さらにまた、前記非晶質SiOxCy薄膜は、テトラエトキシシラン(TEOS)を原料として形成してなることが好ましい。TEOSを原料として用いることで、所望の非晶質SiOxCy薄膜の形成が可能となるためである。また、製造方法は後述するが、前記TEOSは、比較的入手しやすく、安価な材料であるため、経済的にも優れた効果を奏するためである。
【0029】
なお、本発明によるエレクトロルミネッセンス材料を用い、該エレクトロルミネッセンス材料に電極等を設けることにより、優れた白色発光特性を有するエレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。該エレクトロルミネッセンス素子を用いれば、強い白色発光を示す照明や、ディスプレイ装置を製造することが可能となる。
【0030】
次に、本発明によるエレクトロルミネッセンス材料の製造方法について説明する。図4は、本発明の非晶質SiOxCy薄膜を形成するための装置の一部について模式的に示した断面図である。
本発明によるエレクトロルミネッセンス材料の製造方法は、図4に示すように、所定の基板又は該基板上に形成した中間層上の少なくとも1箇所に、テトラエトキシシランを原料として非晶質SiOxCy薄膜13を形成することを特徴とする。
【0031】
本発明の製造を用いて半導体材料を製造すれば、従来のエレクトロルミネッセンス材料に比べて、強い白色発光を示すエレクトロルミネッセンス材料を提供することができる。また、テトラエトキシシラン(TEOS)を原料として用いたのは、TEOSを原料にすれば、容易に前記非晶質SiOXCy薄膜13を得ることができ、さらに、TEOSは比較的安価な材料であるため、経済的にも優れた効果を奏するからである。
【0032】
また、前記非晶質SiOxCy薄膜13の形成は、図4に示すように、前記TEOSを含有する不活性ガス40をマイクロプラズマジェット50に混入させて照射することにより行うことが好ましい。前記マイクロプラズマジェット50とは、高温(6000〜15000℃程度)で、電子密度が1012〜1017個/cm3程度のプラズマのことであり、このマイクロプラズマジェット50に前記TEOSをプラズマ先端部に独立に混入させて照射することにより、前記TEOSがアルゴンのプラズマで分解され、前記非晶質SiOxCy薄膜13を形成することができるためである。さらに、大気中であっても、拡散することなくエネルギーを伝えることができるため、真空装置等の複雑な装置を必要とすることなく、従来の方法に比べて簡便な前記非晶質SiOxCy薄膜13の形成が可能となる。
【0033】
前記非晶質SiOxCy薄膜13の製造装置100は、図4に示すように、絶縁基板11を載置するためのステージ110と、マイクロプラズマジェット50を照射するための絶縁体又は金属からなるトーチ120と、該トーチ120にプラズマ生成ガスを導入するプラズマ生成ガス供給手段(図示せず)と、前記トーチ120内に誘導電場を発生させるためのコイル130と、該コイル130に高周波電力を供給するための高周波電源140とを具える。
【0034】
また、前記トーチ120の形状としては、マイクロプラズマジェット50を効果的に放出することができる形状であれば特に限定はしないが、例えば、図4に示すような円筒形状とすることができる。前記トーチ120の形状を円筒形状とした場合、その内径は0.5〜50mmの範囲であり、長さは5〜30mmの範囲とすることがプラズマ照射領域を精密に制御できる点で好ましい。また、前記トーチ120のマイクロプラズマジェット50の照射側に設けられた噴出口120aは、図4に示すように、高温プラズマをマイクロプラズマジェット50として照射できるように、先端部に向かって内径が小さくなる形状を有しており、この噴出口120aの内径は100〜1000μmの範囲であることが好ましい。
【0035】
また、前記マイクロプラズマジェットの照射は、大気圧下で行われることが好ましい。マイクロプラズマジェット50を用いた場合、減圧雰囲気等に限らず大気圧下でも同様に、前記非晶質SiOxCy薄膜13の形成が可能であり、減圧雰囲気をつくるための装置等を必要とすることなく、簡便に行える点で有利であるためである。
【0036】
さらにまた、前記TEOSと混合する前記不活性ガスは、アルゴン又は窒素ガスであることが好ましい。他プラズマ生成ガスに比較して安価であるからである。
【0037】
なお、前記不活性ガスの流量を変化させることにより、前記非晶質SiOxCy薄膜13の組成を変化させることができる。図5(a)〜(c)は、アルゴン流量に対する前記非晶質SiOxCy薄膜13中のSiC、SiO及びSiOHの体積分率(%)を示したものであるが、Ar流量の変化によりそれぞれの膜中の酸素、炭素の体積分率が変化していることがわかる。
【0038】
また、前記不活性ガスと前記TEOSとの混合割合は、特に限定はされないが、TEOSのプラズマによる分解効率が高い点から、前記不活性ガスに対するTEOSの割合が、0.01〜10%の範囲であることが好ましい。さらにまた、前記TEOSを前記不活性ガスに混合する場合、前記TEOSは気化した状態で混合させることが好ましい。前記マイクロプラズマジェットに混入させて照射するため、固体や液体では前記マイクロプラズマジェットへの混入が困難となるためである。
【0039】
また、前記プラズマジェット50は、精密性を有するため、サイズが0.1〜10mm2の範囲となるような局所領域に、前記非晶質SiOxCy薄膜13を形成することができる。
【0040】
また、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【実施例】
【0041】
次に、本発明に従う半導体材料を作製し、その性能を評価した。
(実施例1)
実施例1は、図4に示すように、非晶質SiOxCy薄膜の製造装置100のステージ110上に、ガラス及びポリマーからなる基板11(サイズ:10 mm×10mm、厚さ:0.4 mm)を載置した後、テトラエトキシシラン(1質量%)とアルゴン(99質量%)とを混合したガスを、トーチ120から発生させたアルゴンからなるマイクロプラズマジェット中に混入させて、前記基板11上に照射することにより、前記基板11上に、非晶質
SiOxCy(x=0.7、y=0.3)薄膜13を形成させることにより、エレクトロルミネッセンス材料10を作製した。なお、 前記非晶質SiOxCy薄膜のサイズは、約1mm2であった。
【0042】
(比較例1)
比較例1は、一般的に有機ELとして用いられるアモルファスSiCの薄膜を前記基板11上に形成したエレクトロルミネッセンス材料を用意した。
【0043】
(比較例2)
比較例2は、一般的に無機ELとして用いられるSiOの薄膜を前記基板11上に形成したエレクトロルミネッセンス材料を用意した。
【0044】
上記実施例及び比較例で作製した各エレクトロルミネッセンス材料について評価を行った。評価方法を以下に示す。
【0045】
(評価方法)
(1)白色発光性
上記実施例及び比較例で作製した各エレクトロルミネッセンス材料の、各波長(nm)に対する前記エレクトロルミネッセンス材料10の発光の有無を、直流電源および分光器を用いて透明導電膜上に堆積した膜に上部電極を設けたサンドイッチ構造によって確認した。
【0046】
(2)輝度劣化の抑制
上記実施例及び比較例で作製した各エレクトロルミネッセンス材料に、17、20、30、40Vの電圧を、100時間連続して加えたときの、輝度の劣化を電界発光スペクトルおよび600nmの発光強度の時間変化を測定することにより評価した。以下の基準に従って評価し、評価結果は表1に示す。なお、表1の○は、全く輝度の劣化がない状態、△は、輝度が半分程度に輝度が劣化した状態、×は、輝度が初期の10分の1以下となった状態を示す。
【0047】
【表1】

【0048】
評価(1)の結果、実施例1及び2のエレクトロルミネッセンス材料は、それぞれ、波長400〜800nmの範囲で、白色発光性能を有することがわかった。一方、比較例1及び2のエレクトロルミネッセンス材料は、波長600〜800nmの間でしか白色発光が見られず、限られた条件でしか白色発光を示さないことがわかった。
また、表1(評価(2))の結果から、実施例1及び実施例2については、比較例1及び比較例2に比べて輝度の劣化を抑制できていることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、高い白色発光効率を有し、輝度の低下が少ないエレクトロルミネッセンス材料、及び、簡便かつ局所的に非晶質薄膜を形成することができるエレクトロルミネッセンス材料の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による非晶質SiOxCy(x=0.7、y=0.3)薄膜を有するエレクトロルミネッセンス素子に17Vの電圧を加えて発光させた状態を示した写真である。
【図2】本発明によるエレクトロルミネッセンス材料を用いたエレクトロルミネッセンス素子の構造を模式的に示した図である。
【図3】本発明のエレクトロルミネッセンス材料に対して、3種類の電圧(15V、16V、17V)を加えたときの、各波長(nm)に対するエレクトロルミネッセンス材料の発光強度(a.u.)を示したものである。
【図4】本発明の非晶質SiOxCy薄膜を形成するための装置の一部について模式的に示した断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、アルゴン流量に対する非晶質SiOxCy薄膜中の各成分の割合を示したものであり、(a)はSiC、(b)はSiO、(c)SiOHの体積分率(%)を示す。
【符号の説明】
【0051】
10 エレクトロルミネッセンス材料
11 基板
12 電極
13 非晶質SiOxCy薄膜
20 電極
30 電源
40 TEOSを含有する不活性ガス
50 マイクロプラズマジェット
100 非晶質SiOxCy薄膜形成装置
110 ステージ
120 トーチ
130 コイル
140 高周波電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の基板上又は該基板上に必要に応じて形成した中間層上の少なくとも一箇所に、非晶質SiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜を形成してなることを特徴とするエレクトロルミネッセンス材料。
【請求項2】
前記非晶質SiOxCy薄膜のxの値が、0.2〜0.8の範囲である請求項1記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【請求項3】
前記非晶質SiOxCy薄膜は、テトラエトキシシランを原料として形成してなる請求項1又は2記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【請求項4】
前記非晶質SiOxCy薄膜のサイズは、0.1〜10mm2の範囲である請求項1、2又は3記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【請求項5】
前記所定の基板は、ガラス又はポリマーからなる透明基板である請求項1〜4のいずれか1項記載のエレクトロルミネッセンス材料。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載のエレクトロルミネッセンス材料と、該エレクトロルミネッセンス材料に通電するための電極とを具えるエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
所定の基板又は該基板上に形成した中間層上の少なくとも1箇所に、テトラエトキシシランを原料として非晶質SiOxCy(x≧0、y≧0、x+y=2)薄膜を形成することを特徴とするエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【請求項8】
前記非晶質SiOxCy薄膜の形成は、テトラエトキシシランを含有する不活性ガスをマイクロプラズマジェットに混入させて照射することにより行う請求項7記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【請求項9】
前記不活性ガスは、アルゴンガスである請求項7又は8記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【請求項10】
前記マイクロプラズマジェットの照射は、大気圧下で行われる請求項7、8又は9記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。
【請求項11】
形成された前記非晶質SiOxCy薄膜のサイズが0.1〜10mm2の範囲である請求項7〜10のいずれか1項記載のエレクトロルミネッセンス材料の製造方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−27480(P2010−27480A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189418(P2008−189418)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【Fターム(参考)】