説明

エレベータ

【課題】エレベータの乗客の利便性を低下させずにセキュリティ性能を確保する。
【解決手段】実施形態によれば、乗り場呼び登録装置と、所定のエレベータ利用者固有の利用者情報を記憶するデータベースと、乗りかご内に設置され、乗り場呼びの登録がなされた場合に、エレベータ利用者が所持する通信機器に記憶される当該利用者固有の利用者情報を読み取る読み取り手段と、読み取った利用者情報とデータベースに記憶される利用者情報とを照合することでエレベータ利用者を認証する認証手段と、エレベータ利用者を認証した場合に、利用者が所持する通信機器に記憶される行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを用いて入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって乗りかごの運転制御を行なう運転制御手段とをもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、利用者の個人認証を行なう機能を有するエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータのセキュリティシステムに関する技術として、建物のエントランスに設置された玄関ロック装置に連動して認証された利用者に対して特定の階床にのみ乗りかごを応答させる玄関ロック連動エレベータシステムや、利用者が所持する携帯機器から予め情報を入力することにより、予め指定された階床に乗りかごを予め配車しておくことで、利用者が円滑に乗車できるようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−312949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したようなエレベータのセキュリティシステムにおいては、かごに乗り込むまでに予め情報が入力されており、行先階が事前登録されている。そのため、利用者はその場で行先階を選択できず、乗客の利便性が低いものとなっている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、乗客の利便性を低下させずにセキュリティ性能を確保しつつ、利用者の利便性も高いエレベータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、乗り場呼びを登録するための操作を受け付ける乗り場呼び登録装置と、所定のエレベータ利用者固有の利用者情報を記憶するデータベースと、乗りかご内に設置され、前記乗り場呼びの登録がなされた場合に、エレベータ利用者が所持する通信機器に記憶される当該利用者固有の利用者情報を読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取った利用者情報と前記データベースに記憶される利用者情報とを照合することで前記エレベータ利用者を認証する認証手段と、前記認証手段により前記エレベータ利用者を認証した場合に、前記利用者が所持する通信機器に記憶される行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを用いて入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって前記乗りかごの運転制御を行なう運転制御手段とをもつ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態におけるエレベータシステムの認証装置の機能構成例を示すブロック図。
【図3】第1の実施形態におけるエレベータシステムの携帯電話機の機能構成例を示すブロック図。
【図4】第1の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャート。
【図5】第1の実施形態における携帯電話機の操作画面の一例を示す図。
【図6】第2の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図。
【図7】第2の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャート。
【図8】第3の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図。
【図9】第3の実施形態におけるエレベータシステムの玄関ロック装置の機能構成例を示すブロック図。
【図10】第3の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャート。
【図11】第4の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャート。
【図12】第5の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図。
【図13】第5の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図である。
図1に示すように、第1の実施形態におけるエレベータシステムは、シーブ1、ドライブ装置2、エレベータ運転制御装置3、乗りかご4、乗り場呼び登録装置5を備える。
乗りかご4は、図示しない巻上機の回転軸に設けられたシーブ1およびそらせシーブ1aに巻き掛けられたメインロープを介して吊り合い重り1bと連結される。乗りかご4は、巻上機の駆動によるシーブ1の回転に伴い、シーブ1とメインロープの間の摩擦力により吊り合い重り1bとともに昇降路内を互いに上下反対方向に昇降する。
【0009】
ドライブ装置2は、巻上機を駆動することでシーブ1を回転させる。乗り場呼び登録装置5は、各階床の乗り場に設けられ、設置階床での乗り場呼びを登録するための利用者による操作を受け付ける。エレベータ運転制御装置3は、利用者による乗り場呼び登録装置5への操作にしたがって乗り場呼びを登録し、ドライブ装置2への駆動指令を行なうなどして乗りかご4の昇降を制御する。
【0010】
また、本実施形態では、図1に示すように、乗りかご4内に認証装置6が設けられる。認証装置6は、通信回線10を介してエレベータ運転制御装置3に通信可能に接続される。この認証装置6は、エレベータ利用者が携帯するモバイル機器である携帯電話機7を介して、当該利用者のエレベータ利用にかかる個人認証を行なう。携帯電話機7は、利用者が携帯可能で通信機能を有する機器であれば、例えばPDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)などであってもよい。
【0011】
また、このエレベータシステムは、不揮発性メモリなどの記憶媒体であるデータベース8を備える。このデータベース8は、通信回線9および当該通信回線9に接続される通信回線10を介して認証装置6に通信可能に接続され、所定のエレベータ利用者の認証のための、当該利用者固有の利用者情報を記憶する。利用者情報は、利用者に付与された識別番号、氏名、居住階などを含む。
【0012】
図2は、第1の実施形態におけるエレベータシステムの認証装置6の機能構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、認証装置6は、装置全体の処理動作を司る制御部61、記憶装置62、通信インタフェース63、無線通信インタフェース64、読取処理部65、アクセス処理部66、認証処理部67、アプリケーション起動指令部68を有する。
【0013】
記憶装置62は、不揮発性メモリなどの記憶媒体であり、通信インタフェース63、無線通信インタフェース64、読取処理部65、アクセス処理部66、認証処理部67、アプリケーション起動指令部68の処理動作の為のプログラムを記憶する。
【0014】
通信インタフェース63は、エレベータ運転制御装置3およびデータベース8との間の通信処理を行なう。また、無線通信インタフェース64は、携帯電話機7との間の無線通信処理を行なう。
【0015】
図3は、第1の実施形態におけるエレベータシステムの携帯電話機7の機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、利用者の携帯電話機7は、装置全体の処理動作を司る制御部71、記憶装置72、通信インタフェース74、アプリケーション処理部76、行先階情報送信部77、入力装置78、表示装置79、マイクロフォン80、スピーカ81を有する。
【0016】
記憶装置72は、不揮発性メモリなどの記憶媒体であり、通信インタフェース74、アプリケーション処理部76、行先階情報送信部77の処理動作の為のプログラムを記憶する他、携帯電話機7を所持する利用者固有の利用者情報を記憶する。また、記憶装置72は、行先階登録の為のアプリケーションプログラムである専用アプリケーションプログラムを記憶するアプリケーション記憶部73を有する。
【0017】
通信インタフェース74は、アンテナ75を介して、認証装置6の無線通信インタフェース64との間で無線通信処理を行なう。アプリケーション処理部76は、記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶される専用アプリケーションプログラムを動作させる。行先階情報送信部77は、専用アプリケーションプログラムを用いて入力された行先階の情報を通信インタフェース74を介して認証装置6に送信する。
【0018】
入力装置78は、通常の通話の為の入力操作または専用アプリケーションプログラムにより行先階の指定の為の入力操作を受け付ける。表示装置79は、例えば液晶ディスプレイであり、通常の通話のための画面表示または専用アプリケーションプログラムによる画面表示を行なう。マイクロフォン80は、通話における音声入力を行なう。スピーカ81は、通話などにおける音声出力を行なう。
【0019】
次に、図1に示した構成のエレベータシステムによる利用者の認証および運転制御動作について説明する。ここでは、利用者による行先階登録の為の専用アプリケーションプログラムは、図示しない配信用サーバ装置から利用者の携帯電話機7へ予め配信されて、記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶されているものとする。
【0020】
図4は、第1の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、エレベータの設置建物の住人であるエレベータ利用者が、乗り場呼び登録装置5を操作することで1階の乗り場呼びを登録し(ステップS1)、この登録に伴い、エレベータ運転制御装置3は乗りかご4を1階の乗り場に配車させる(ステップS2)。
【0021】
そして、利用者が、自身の携帯電話機7を乗りかご4内に設置された認証装置6へ接近させ、認証装置6の無線通信インタフェース64と携帯電話機7の通信インタフェース74との間で近距離無線通信が可能な状態となると(ステップS3)、認証装置6の読取処理部65は、携帯電話機7の記憶装置72に記憶される利用者情報を通信インタフェース74を介して受信することで、この利用者情報を読み取る(ステップS4)。
【0022】
すると、認証装置6のアクセス処理部66は、通信インタフェース63、通信回線10および通信回線9を介してデータベース8にアクセスし(ステップS5)、このデータベース8に記憶される利用者情報を読み出す(ステップS6)。
【0023】
認証装置6の認証処理部67は、データベース8に記憶される利用者情報と携帯電話機7から読み取った利用者情報とを照合し、データベース8に記憶される利用者情報のいずれかと携帯電話機7から読み取った利用者情報とが一致する場合には(ステップS7のYES)、利用者の個人認証が成功したと判断する。一方、データベース8に記憶される利用者情報と携帯電話機7から読み取った利用者情報とが一致しない場合には(ステップS7のNO)、利用者の個人認証が成功しなかったものと判断し、再度利用者情報の照合を行う。
【0024】
利用者の個人認証が成功したと判断された場合、認証装置6のアプリケーション起動指令部68は、携帯電話機7内の専用アプリケーションプログラムを起動させるための起動指令を無線通信インタフェース64を介して、利用者情報の読み取り元の携帯電話機7に送信する。携帯電話機7の通信インタフェース74が、認証装置6からの起動指令を受信すると、アプリケーション処理部76は、記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶される専用アプリケーションプログラムを起動させて、行先階登録の為の操作画面を表示装置79に表示させる(ステップS8)。
【0025】
図5は、第1の実施形態における携帯電話機の操作画面の一例を示す図である。
図5に示すように、行先階登録の為の操作画面には、選択可能な行先階を示す画像と、行先階を選択した上で決定釦を押すよう利用者に促すメッセージが表示される。利用者が、この画面に従って入力装置78を操作して、所望の行先階を選択した上で、入力装置78の決定釦を操作する(ステップS9)。
【0026】
例えば、図5に示すように、利用者が入力装置78への操作により画面上の3階を示す画像を選択した上で決定釦を操作すると、表示装置79の表示画面が、当該選択した3階を行先階として登録するか否かの確認のための画面に切り替わる。
【0027】
この画面において、利用者が入力装置78への操作により画面上のカーソルを「登録」に設定して決定釦を操作すると、登録する行先階が決定し、行先階情報送信部77は、この決定した行先階の情報を通信インタフェース74を介して認証装置6に送信する。
認証装置6の無線通信インタフェース64は、携帯電話機7からの行先階の情報を受信すると、この行先階の情報を通信インタフェース63を介してエレベータ運転制御装置3へ送信する(ステップS10)。
【0028】
エレベータ運転制御装置3は、認証装置6からの行先階の情報を受信すると、この情報に基づいて行先階の登録処理および当該登録した行先階への乗りかご4の運転制御を行なう(ステップS11)。
【0029】
以上のように、第1の実施形態におけるエレベータシステムでは、乗りかご内に設置された認証装置がエレベータ利用者の携帯する携帯電話機内の利用者情報を読み取り、この利用者情報とデータベース内の利用者情報とを照合して個人認証を行ない、携帯電話機内の専用アプリケーションプログラムが起動し、利用者は、この専用アプリケーションプログラムを用いて行先階の登録のための操作を行ない、この行先階情報が認証装置を介してエレベータ運転制御装置へ送信される。そして、エレベータ運転制御装置は行先階の登録および行先階への運転制御を行なう。
【0030】
これにより、行先階を登録するためには利用者の携帯電話機内の専用アプリケーションプログラムが必要とするためセキュリティ性能を確保できつつ、利用者はその場で行先階を選択することができるため利便性が向上する。
【0031】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態におけるエレベータの構成のうち図1に示したものと同一部分の説明は省略する。
図6は、第2の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図である。
図6に示すように、本実施形態におけるエレベータシステムは、第1の実施形態で用いた乗り場呼び登録装置5を設置しておらず、第1の実施形態で説明した認証装置6を、乗りかご4の外の各階床のそれぞれの乗り場に設置したものである。
【0032】
図7は、第2の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、エレベータ利用者が、携帯電話機7を、例えば1階の乗り場に設置された認証装置6へ接近させ、認証装置6の無線通信インタフェース64と携帯電話機7の通信インタフェース74との間で近距離無線通信が可能な状態となると(ステップS21)、認証装置6の読取処理部65は、携帯電話機7の記憶装置72に記憶される利用者情報を通信インタフェース74を介して受信することで、この利用者情報を読み取る(ステップS4)。
【0033】
すると、認証装置6のアクセス処理部66は、通信インタフェース63、通信回線10および通信回線9を介してデータベース8にアクセスし(ステップS5)、このデータベース8に記憶される利用者情報を読み出す(ステップS6)。
【0034】
認証装置6の認証処理部67は、データベース8に記憶される利用者情報と携帯電話機7から読み取った利用者情報とを照合し、データベース8に記憶される利用者情報のいずれかと携帯電話機7から読み取った利用者情報とが一致する場合には(ステップS7のYES)、利用者の個人認証が成功したと判断する。一方、データベース8に記憶される利用者情報と携帯電話機7から読み取った利用者情報とが一致しない場合には(ステップS7のNO)、利用者の個人認証が成功しなかったものと判断し、再度利用者情報の照合を行う。
【0035】
利用者の個人認証が成功したと判断された場合、認証装置6のアプリケーション起動指令部68は、携帯電話機7内の専用アプリケーションプログラムを起動させるための起動指令を無線通信インタフェース64を介して、利用者情報の読み取り元の携帯電話機7に送信する。携帯電話機7の通信インタフェース74が認証装置6からの起動指令を受信すると、アプリケーション処理部76は、記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶される専用アプリケーションプログラムを起動させて、行先階登録の為の操作画面を表示装置79に表示させる(ステップS8)。
利用者は、この画面に従って入力装置78を操作して、所望の行先階を選択した上で入力装置78の決定釦を操作する(ステップS9)。
【0036】
第1の実施形態で説明したように、登録する行先階が決定すると、行先階情報送信部77は、この決定した行先階の情報を通信インタフェース74を介して認証装置6に送信する。認証装置6の無線通信インタフェース64は、携帯電話機7からの行先階の情報を受信すると、この行先階の情報を通信インタフェース63を介してエレベータ運転制御装置3へ送信する(ステップS10)。
【0037】
エレベータ運転制御装置3は、認証装置6からの行先階の情報を受信すると、利用者情報の読み取り元の認証装置6の設置階、つまり利用者の待つ階へ乗りかご4を配車させ(ステップS22)、受信した情報に基づいて行先階の登録処理および当該登録した行先階への乗りかご4の運転制御を行なう(ステップS11)。
【0038】
以上のように、第2の実施形態におけるエレベータシステムでは、乗り場に設置された認証装置がエレベータ利用者の携帯する携帯電話機内の利用者情報を読み取り、この利用者情報とデータベース内の利用者情報とを照合して個人認証を行ない、携帯電話機内の専用アプリケーションプログラムが起動し、利用者は、この専用アプリケーションプログラムを用いて行先階の登録のための操作を行ない、この行先階情報が認証装置を介してエレベータ運転制御装置へ送信される。そして、エレベータ運転制御装置は、利用者の待つ階への配車、行先階の登録および行先階への運転制御を行なう。これにより、第1の実施形態における特徴に加え、乗り場呼び登録装置を設置する必要がないため、安価で平易なエレベータシステムを提供することができる。
【0039】
本実施形態では、各階床の乗り場に乗り場呼び登録装置5を設けない構成としたが、これに限らず、各階床の乗り場に乗り場呼び登録装置5をさらに設ける構成としてもよい。この場合、利用者が乗り場呼び登録装置5を操作した上で、乗り場に設置された認証装置6がエレベータ利用者の携帯する携帯電話機7内の利用者情報を読み取り、この利用者情報とデータベース8内の利用者情報とを照合して個人認証を行なうことができる。
【0040】
また、認証装置6を乗りかご4内および各階床の乗り場にそれぞれ設ける構成としてもよい。このような構成とすれば、利用者が、乗り場と乗りかご4内のいずれかに設けられる認証装置6に携帯電話機7を接近させることで個人認証を行なうことができる。
【0041】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図8は、第3の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図である。
図8に示すように、本実施形態におけるエレベータシステムは、第1の実施形態と比較して、建物の1階のエントランスに玄関ロック装置11が設けられる。この玄関ロック装置11は、データベース8および認証装置6に通信可能に接続され、利用者の携帯電話機7との近距離無線通信の機能を有する。
【0042】
図9は、第3の実施形態におけるエレベータシステムの玄関ロック装置11の機能構成例を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態におけるエレベータシステムの玄関ロック装置11は、装置全体の処理動作を司る制御部91、記憶装置92、通信インタフェース94、無線通信インタフェース95、訪問者認証部96、訪問者情報送信部97、アプリケーション配信部98、訪問者情報消去処理部99を有する。
【0043】
記憶装置92は、不揮発性メモリなどの記憶媒体であり、通信インタフェース94、無線通信インタフェース95、訪問者認証部96、訪問者情報送信部97、アプリケーション配信部98、訪問者情報消去処理部99の処理動作の為のプログラムを記憶する他、エレベータ設置建物の住人以外の訪問者による行先階登録の為の専用アプリケーションプログラムを記憶するアプリケーション記憶部93を有する。
【0044】
通信インタフェース94は、エレベータ運転制御装置3、認証装置6、データベース8、および設置建物内の各住居のインターフォンとの間で通信処理を行なう。無線通信インタフェース95は、訪問者の携帯電話機7との間で無線通信処理を行なう。
【0045】
訪問者認証部96は、訪問者が玄関ロック装置11の図示しない入力釦の操作により来訪先の部屋番号を示す信号を入力すると、この番号に対応する住居におけるインターフォンを呼び出す。これにしたがってインターフォンの受話器がとられた場合には、通話可能な状態となる。
【0046】
インターフォンの操作者が、訪問者との通話を経て当該訪問者の建物への入場およびエレベータ利用を認め、インターフォンの図示しない開錠釦を操作した場合には、玄関ロック装置11の訪問者認証部96は、訪問者を認証する。訪問者情報送信部97は、訪問者が認証された場合に、訪問者に付与する利用者情報であって当該訪問者固有の訪問者情報を生成して、データベース8に送信して書き込む。この訪問者情報は、訪問者認証部96による訪問者の認証時に当該訪問者に一時的に付与する識別番号、通話先のインターフォンの操作者の居住階などを含む。
【0047】
アプリケーション配信部98は、認証された訪問者の携帯電話機7に対して、行先階を登録するための専用アプリケーションプログラムを配信する。
訪問者情報消去処理部99は、訪問者の認証後に所定の時間が経過した場合には、前述のように送信されてデータベース8に書き込まれた訪問者情報の消去処理を行なう。
【0048】
次に、図9に示した構成のエレベータシステムによる訪問者の認証および運転制御動作について説明する。図10は、第3の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、玄関ロック装置11の訪問者認証部96は、訪問者と居住者との通話を経て、訪問者を認証する(ステップS31)。
【0049】
玄関ロック装置11の訪問者情報送信部97は、訪問者の認証時に当該訪問者に一時的に付与するための識別番号を発行する。訪問者情報送信部97は、通信インタフェース94を介してデータベース8にアクセスし、このデータベース8に記憶される利用者情報のうち、インターフォンにより訪問者との通話を行なった居住者の利用者情報を判別する。訪問者情報送信部97は、この利用者情報で示される居住階の情報、および、前述した識別番号を含む情報である、訪問者固有の訪問者情報を生成する。訪問者情報送信部97は、この生成した訪問者情報をデータベース8に書き込む。さらに、訪問者情報送信部97は、この訪問者情報を無線通信インタフェース95を介して訪問者の携帯電話機7に送信する(ステップS32)。訪問者の携帯電話機7の通信インタフェース74は、玄関ロック装置11から配信された訪問者情報を受信すると、この受信した訪問者情報を記憶装置72に記憶する。
【0050】
ステップS32の処理後、玄関ロック装置11のアプリケーション配信部98は、行先階を登録するための専用アプリケーションプログラムを無線通信インタフェース95を介して利用者の携帯電話機7に配信する(ステップS33)。訪問者の携帯電話機7の通信インタフェース74が玄関ロック装置11から配信された専用アプリケーションプログラムを受信すると、アプリケーション処理部76は、この受信したアプリケーションプログラムを記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶する。
【0051】
そして、訪問者が、乗り場呼び登録装置5にて1階の乗り場呼びを登録し(ステップS1)、この登録に伴い、エレベータ運転制御装置3は乗りかご4を1階の乗り場に配車させる(ステップS2)。
【0052】
そして、訪問者が、携帯電話機7を乗りかご4内に設置された認証装置6へ接近させ、認証装置6の無線通信インタフェース64と携帯電話機7の通信インタフェース74との間で近距離無線通信が可能な状態となると(ステップS3)、認証装置6の読取処理部65は、携帯電話機7の記憶装置72に記憶される訪問者情報を通信インタフェース74を介して受信することで、この訪問者情報を読み取る(ステップS34)。
【0053】
すると、認証装置6のアクセス処理部66は、通信インタフェース63、通信回線10および通信回線9を介してデータベース8にアクセスし(ステップS5)、このデータベース8に記憶される訪問者情報を読み出す(ステップS35)。
【0054】
認証装置6の認証処理部67は、データベース8に記憶される訪問者情報のいずれかと携帯電話機7から読み取った訪問者情報とが一致する場合には(ステップS36のYES)、訪問者の個人認証が成功したと判断する。一方、データベース8に記憶される訪問者情報と携帯電話機7から読み取った訪問者情報とが一致しない場合には(ステップS36のNO)、訪問者の個人認証が成功しなかったものと判断し、再度訪問者情報の照合を行う。
【0055】
訪問者の個人認証が成功したと判断された場合、認証装置6のアプリケーション起動指令部68は、携帯電話機7内の専用アプリケーションプログラムを起動させるための起動指令を無線通信インタフェース64を介して、訪問者情報の読み取り元の携帯電話機7に送信する。携帯電話機7の通信インタフェース74が、認証装置6からの起動指令を受信すると、アプリケーション処理部76は、記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶される専用アプリケーションプログラムを起動させて、行先階登録の為の操作画面を表示装置79に表示させる(ステップS8)。
【0056】
訪問者の携帯電話機7への専用アプリケーションプログラムの配信から所定時間、例えば12時間経過する前に(ステップS37のNO)、操作画面にしたがった行先階の登録の為の操作がなされて、第1の実施形態で説明したように、登録する行先階が決定すると(ステップS9)、行先階情報送信部77は、この決定した行先階の情報を通信インタフェース74を介して認証装置6に送信する。
認証装置6の無線通信インタフェース64は、携帯電話機7からの行先階の情報を受信すると、この行先階の情報を通信インタフェース63を介してエレベータ運転制御装置3へ送信する(ステップS10)。
【0057】
エレベータ運転制御装置3は、認証装置6からの行先階の情報を受信すると、この情報に基づいて行先階の登録処理および当該登録した行先階への乗りかご4の運転制御を行なう(ステップS11)。
【0058】
訪問者情報消去処理部99は、玄関ロック装置11による訪問者の認証後からの経過時間をカウントしており、前述した訪問者の認証から所定の時間が経過した場合には(ステップS38のYES)、通信インタフェース94を介してデータベース8にアクセスし、ステップS32の処理でデータベース8に書き込まれた訪問者情報の消去処理を行なう(ステップS39)。
【0059】
また、訪問者の携帯電話機7への専用アプリケーションプログラムは、使用可能期限が設定されたプログラムであり、訪問者の携帯電話機7への専用アプリケーションプログラムの配信から前述した所定時間が経過すると(ステップS37のYES)、この専用アプリケーションプログラムは携帯電話機7において使用不可となる(ステップS40)。
【0060】
以上のように、第3の実施形態におけるエレベータシステムでは、玄関ロック装置が訪問者を認証後、データベースに訪問者情報を書き込み、乗りかご内に設置された認証装置が訪問者の携帯する携帯電話機内の訪問者情報を読み取り、この訪問者情報とデータベース内の訪問者情報とを照合して個人認証を行ない、携帯電話機内の専用アプリケーションプログラムが起動し、訪問者は、この専用アプリケーションプログラムを用いて行先階の登録のための操作を行ない、この行先階情報が認証装置を介してエレベータ運転制御装置へ送信される。そして、エレベータ運転制御装置は、行先階の登録および行先階への運転制御を行なう。これにより、第1の実施形態における特徴に加え、エレベータ設置建物の居住者以外の訪問者の利便性を低下させずにセキュリティ性能を確保するエレベータシステムを提供することができる。
【0061】
また、本実施形態では、第1の実施形態のように、認証装置6を乗りかご内に設ける構成としたが、これに限らず、第2の実施形態のように、認証装置6を各階床の乗り場に設ける構成としてもよい。この場合、玄関ロック装置が訪問者を認証後、データベースに訪問者情報を書き込み、乗り場に設置された認証装置が訪問者の携帯する携帯電話機内の訪問者情報を読み取り、この訪問者情報とデータベース内の訪問者情報とを照合して個人認証を行なうようにすればよい。
【0062】
また、この実施形態では、ステップS31で訪問者を認証した際は、ステップS3にて、訪問者の携帯電話機7が乗りかご4内の認証装置6へ接近した際に、訪問者情報の照合などを行なうことなく、すぐに携帯電話機内の専用アプリケーションを起動するようにしてもよい。
【0063】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、利用者の認証後、この利用者が専用アプリケーションプログラムを用いて登録可能な階床が利用者ごとに応じた階床に制限される。
【0064】
本実施形態では、データベース8に記憶される利用者情報には、当該利用者情報に対応する利用者が登録可能な行先階情報が関連付けられる。利用者が登録可能な行先階とは、例えば玄関階および利用者の居住階である。
【0065】
図11は、第4の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の実施形態で説明したステップS1からS7までの処理がなされてエレベータの設置建物の住人であるエレベータ利用者が、乗り場呼び登録装置5にて1階の乗り場呼びを登録し(ステップS1)、この登録に伴い、エレベータ運転制御装置3は乗りかご4を1階の乗り場に配車させる(ステップS2)。
【0066】
そして、エレベータ利用者が、携帯電話機7を乗りかご4内に設置された認証装置6へ接近させ、認証装置6の無線通信インタフェース64と携帯電話機7の通信インタフェース74との間で近距離無線通信が可能な状態となると(ステップS3)、認証装置6の読取処理部65は、携帯電話機7の記憶装置72に記憶される利用者情報を通信インタフェース74を介して受信することで、この利用者情報を読み取る(ステップS4)。
【0067】
すると、認証装置6のアクセス処理部66は、通信インタフェース63、通信回線10および通信回線9を介してデータベース8にアクセスし(ステップS5)、このデータベース8に記憶される利用者情報を読み出すとともに(ステップS6)、この利用者情報に関連付けられる、利用者が登録可能な行先階情報を読み出す。
【0068】
認証装置6の認証処理部67は、データベース8に記憶される利用者情報のいずれかと携帯電話機7から読み取った利用者情報とが一致する場合には(ステップS7のYES)、利用者の個人認証が成功したと判断する。一方、データベース8に記憶される利用者情報と携帯電話機7から読み取った利用者情報とが一致しない場合には(ステップS7のNO)、利用者の個人認証が成功しなかったものと判断し、再度利用者情報の照合を行う。
【0069】
利用者の個人認証が成功したと判断された場合、認証処理部67は、データベース8から読み出した、利用者が登録可能な行先階情報を無線通信インタフェース64を介して利用者の携帯電話機7に送信する(ステップS41)。
【0070】
そして、認証装置6のアプリケーション起動指令部68は、携帯電話機7内の専用アプリケーションプログラムを起動させるための起動指令を無線通信インタフェース64を介して、利用者情報の読み取り元の携帯電話機7に送信する。携帯電話機7の通信インタフェース74が、認証装置6からの起動指令を受信すると、アプリケーション処理部76は、記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶される専用アプリケーションプログラムを起動させて、行先階登録の為の操作画面を表示装置79に表示させる(ステップS8)。
【0071】
本実施形態では、行先階登録の為の操作画面には、前述した利用者が登録可能な行先階を示す画像と、行先階を選択した上で決定釦を押すよう促すメッセージが表示される。利用者が、この画面に従って入力装置78を操作して、利用者が登録可能な行先階のうち所望の行先階を選択した上で、入力装置78の決定釦を操作する(ステップS42)。
【0072】
登録する行先階が決定すると、行先階情報送信部77は、この決定した行先階の情報を通信インタフェース74を介して認証装置6に送信する。
認証装置6の無線通信インタフェース64は、携帯電話機7からの行先階の情報を受信すると、この行先階の情報を通信インタフェース63を介してエレベータ運転制御装置3へ送信する(ステップS10)。
【0073】
エレベータ運転制御装置3は、認証装置6からの行先階の情報を受信すると、この情報に基づいて行先階の登録処理および当該登録した行先階への乗りかご4の運転制御を行なう(ステップS11)。
【0074】
以上のように、第4の実施形態におけるエレベータシステムでは、第1の実施形態におけるエレベータシステムと比較して、利用者が登録可能な行先階が制限される。例えば、5階に居住する住人が1階からエレベータを利用する場合、携帯電話機内の専用アプリケーションプログラムを起動させる際に、利用者が登録可能な行先階情報、例えば玄関階である1階と居住階である5階の行先階情報を携帯電話機に送信する。これにより、携帯電話機の専用アプリケーションプログラムは、利用者が1階と5階以外の行先階を登録することが出来なくなるので、エレベータ設置建物内のセキュリティ性を向上させることができる。
【0075】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。
図12は、第5の実施形態におけるエレベータシステムの概略構成例を示す図である。図12に示すように、本実施形態におけるエレベータシステムは、第1の実施形態で説明した構成に加え、建物外部のエレベータ監視センタ13の端末装置への通信を司る遠隔監視端末12を備える。この遠隔監視端末12は、エレベータ運転制御装置3とエレベータ監視センタ13の端末装置に通信可能に接続される。
【0076】
また、本実施形態では、乗りかご4内の認証装置6は、通信回線10および当該通信回線10に連なる通信回線16を介して、建物内の管理人室監視盤14やビル管理システム15の端末装置に通信可能に接続される。
【0077】
図13は、第5の実施形態におけるエレベータシステムの処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、第1の実施形態で説明したステップS1からS7までの処理がなされ、認証装置6の認証処理部67は、データベース8に記憶される利用者情報と携帯電話機7から読み取った利用者情報とが一致する場合には(ステップS7のYES)、利用者の個人認証が成功したと判断する。
【0078】
利用者の個人認証が成功したと判断された場合、認証装置6のアプリケーション起動指令部68は、携帯電話機7内の専用アプリケーションプログラムを起動させるための起動指令を無線通信インタフェース64を介して、利用者情報の読み取り元の携帯電話機7に送信する。携帯電話機7の通信インタフェース74が、認証装置6からの起動指令を受信すると、アプリケーション処理部76は、記憶装置72のアプリケーション記憶部73に記憶される専用アプリケーションプログラムを起動させて、行先階登録の為の操作画面を表示装置79に表示させる(ステップS8)。
【0079】
専用アプリケーションプログラムが起動してから所定時間内に、利用者による行先階の登録の為の操作が行なわれて、行先階の情報を認証装置6の通信インタフェース63が受信した場合(ステップS51のYES)、第1の実施形態で説明したように、行先階情報がエレベータ運転制御装置3へ送信され(ステップS10)、行先階の登録、および行先階までの運転制御がなされる(ステップS11)。
【0080】
また、前述したステップS7の処理において、認証装置6の認証処理部67は、携帯電話機7から読み取った利用者情報とデータベース8に記憶される利用者情報とが一致しない場合には(ステップS7のNO)、利用者の個人認証が失敗したと判断し、データベース8へのアクセスから3回以上の不一致でない場合にはステップS4の処理に戻る。また認証処理部67は、データベース8へのアクセスから3回以上の不一致である場合には(ステップS52のYES)、エラーコード「01」を発行する(ステップS53)。
【0081】
また、携帯電話機7の専用アプリケーションプログラムが起動してから所定時間内に行先階の登録の為の操作を行なわずに、行先階の情報を通信インタフェース63が受信しなかった場合(ステップS51のNO)、認証処理部67は、エラーコード「02」を発行する(ステップS54)。
【0082】
そして認証処理部67は、前述したように発行したエラーコード「01」または「02」をもとに、認証失敗を示すエラー情報を生成する。このエラー情報は、建物情報、日時、エラーコード番号などからなる。
【0083】
認証処理部67は、このエラー情報を、通信インタフェース63を介して、エレベータ運転制御装置3、管理人室監視盤14、およびビル管理システム15の端末装置に送信して、エラーコードを当該端末装置に表示させる。また、エレベータ運転制御装置3は、認証装置6からのエラー情報を遠隔監視端末12に送信する。遠隔監視端末12は、エレベータ運転制御装置3からのエラー情報をエレベータ監視センタ13に送信して、センタ内の端末装置に表示させる(ステップS55)。
【0084】
以上のように、第5の実施形態におけるエレベータシステムでは、利用者の認証がなされなかった場合に、エラー情報を建物の内外の端末装置に表示させることができる。よって、機器の故障などの要因で利用者の認証がなされなかった場合への対処が容易になる。
【0085】
これらの各実施形態によれば、乗客の利便性を低下させずにセキュリティ性能を確保することが可能になるエレベータを提供することができる。
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することもできる。
また、この記憶媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であっても良い。
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が上記実施形態を実現するための各処理の一部を実行しても良い。
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から上記実施形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何れの構成であっても良い。
尚、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上記実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であっても良い。
また、本発明におけるコンピュータとは、パーソナルコンピュータに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0086】
発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1…シーブ、1a…そらせシーブ、1b…吊り合い重り、2…ドライブ装置、3…エレベータ運転制御装置、4…乗りかご、5…乗り場呼び登録装置、6…認証装置、7…携帯電話機、8…データベース、9,10,16…通信回線、11…玄関ロック装置、12…遠隔監視端末、13…エレベータ監視センタ、14…管理人室監視盤、15…ビル管理システム、61,71,91…制御部、62,72,92…記憶装置、63,74,94…通信インタフェース、64,95…無線通信インタフェース、65…読取処理部、66…アクセス処理部、67…認証処理部、68…アプリケーション起動指令部、73…アプリケーション記憶部、75…アンテナ、76,93…アプリケーション処理部、77…行先階情報送信部、78…入力装置、79…表示装置、80…マイクロフォン、81…スピーカ、96…訪問者認証部、97…訪問者情報送信部、98…アプリケーション配信部、99…訪問者情報消去処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り場呼びを登録するための操作を受け付ける乗り場呼び登録装置と、
所定のエレベータ利用者固有の利用者情報を記憶するデータベースと、
乗りかご内に設置され、前記乗り場呼びの登録がなされた場合に、エレベータ利用者が所持する通信機器に記憶される当該利用者固有の利用者情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取った利用者情報と前記データベースに記憶される利用者情報とを照合することで前記エレベータ利用者を認証する利用認証手段と、
前記利用認証手段により前記エレベータ利用者を認証した場合に、当該利用者が所持する前記通信機器に記憶される行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを用いて入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって前記乗りかごの運転制御を行なう運転制御手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ。
【請求項2】
所定のエレベータ利用者固有の利用者情報を記憶するデータベースと、
各階床の乗り場に設置され、乗り場にいるエレベータ利用者が所持する通信機器に記憶される当該利用者固有の利用者情報を読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段により読み取った利用者情報と前記データベースに記憶される利用者情報とを照合することで前記エレベータ利用者を認証する利用認証手段と、
前記利用認証手段により前記エレベータ利用者を認証した場合に、当該利用者が所持する前記通信機器に記憶される行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを用いて入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって、前記利用者情報を読み取った読み取り手段が設置される階床への前記乗りかごの配車を行なって、前記行先階への前記乗りかごの運転制御を行なう運転制御手段と
を備えたことを特徴とするエレベータ。
【請求項3】
エレベータ設置建物への訪問者の認証を行なう訪問者認証手段と、
前記訪問者認証手段により前記訪問者の認証を行なった場合に、当該訪問者固有の訪問者情報を当該訪問者が所持する通信機器に送信する送信手段と、
前記認証した訪問者固有の訪問者情報を前記データベースに書き込む書き込み手段とをさらに備え、
前記読み取り手段は、
前記訪問者が所持する通信機器に記憶される前記訪問者情報を読み取り、
前記利用認証手段は、
前記読み取り手段により読み取った訪問者情報と前記データベースに書き込まれた訪問者情報とを照合することで前記訪問者を認証し、
前記訪問者認証手段により認証した訪問者が所持する通信機器へ、行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを配信する配信手段をさらに備え、
前記運転制御手段は、
前記利用認証手段により前記訪問者を認証した場合に、前記訪問者が所持する通信機器に前記配信されたアプリケーションプログラムを用いて入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって前記乗りかごの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
【請求項4】
エレベータ設置建物への訪問者の認証を行なう訪問者認証手段と、
前記訪問者認証手段により前記訪問者の認証を行なった場合に、当該訪問者固有の訪問者情報を当該訪問者が所持する通信機器に送信する送信手段と、
前記認証した訪問者固有の訪問者情報を前記データベースに書き込む書き込み手段とをさらに備え、
前記読み取り手段は、
前記訪問者が所持する通信機器に記憶される前記訪問者情報を読み取り、
前記利用認証手段は、
前記読み取り手段により読み取った訪問者情報と前記データベースに書き込まれた訪問者情報とを照合することで前記訪問者を認証し、
前記訪問者認証手段により認証した訪問者が所持する通信機器へ、行先階情報入力の為のアプリケーションプログラム配信する配信手段をさらに備え、
前記運転制御手段は、
前記利用認証手段により前記訪問者を認証した場合に、前記訪問者が所持する通信機器に前記配信されたアプリケーションプログラムを用いて入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって、前記訪問者情報を読み取った読み取り手段が設置される階床への前記乗りかごの配車を行なって前記乗りかごの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータ。
【請求項5】
前記配信手段は、
前記訪問者認証手段により認証した訪問者が所持する通信機器へ、行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを使用可能期限を定めたプログラムとして配信し、
前記利用認証手段により前記訪問者を認証した場合に、前記訪問者が所持する通信機器に前記配信されたアプリケーションプログラムを用いて前記使用可能期限内に入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって前記乗りかごの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項3に記載のエレベータ。
【請求項6】
前記配信手段は、
前記訪問者認証手段により認証した訪問者が所持する通信機器へ、行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを使用可能期限を定めたプログラムとして配信し、
前記利用認証手段により前記訪問者を認証した場合に、前記訪問者が所持する通信機器に前記配信されたアプリケーションプログラムを用いて前記使用可能期限内に入力された行先階情報を取得し、この取得した行先階情報に基づいて行先階の登録を行なって、前記訪問者情報を読み取った読み取り手段が設置される階床への前記乗りかごの配車を行なって前記乗りかごの運転制御を行なう
ことを特徴とする請求項4に記載のエレベータ。
【請求項7】
前記書き込み手段は、
前記認証を行なった訪問者固有の訪問者情報を使用可能期限を定めた訪問者情報として前記データベースに書き込み、
前記データベースに書き込まれた、使用可能期限が過ぎた訪問者情報を消去する消去処理手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項3または4に記載のエレベータ。
【請求項8】
前記利用認証手段により前記エレベータ利用者を認証した場合に、前記行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを用いて入力できる行先階情報を所定の階床のいずれかに制限するための情報を前記利用者が所持する通信機器に送信する送信手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ。
【請求項9】
前記訪問者認証手段により前記訪問者を認証した場合に、前記行先階情報入力の為のアプリケーションプログラムを用いて入力できる行先階情報を所定の階床のいずれかに制限する情報を前記訪問者が所持する通信機器に送信する送信手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項3または4に記載のエレベータ。
【請求項10】
前記利用認証手段が、前記利用者の認証を所定回数試みても認証を行なえない場合に、認証失敗を示す情報を外部装置に送信する送信手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ。
【請求項11】
前記利用認証手段により前記利用者を認証した後で、所定の時間が経過しても前記利用者が所持する通信機器に記憶される前記アプリケーションプログラムを用いて行先階情報が入力されない場合に、エラー情報を外部装置に送信する送信手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−193006(P2012−193006A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57080(P2011−57080)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】