説明

エンジン冷却装置

【課題】冷間時におけるエンジン内の冷却水の流通停止と、半暖機時のエンジンを通っての冷却水の循環と、完全暖機後のラジエーターを通っての冷却水の循環との切り替えを、より簡易な構成で実現することのできるエンジン冷却装置を提供する。
【解決手段】エンジンの暖機前に作動が必要なヒーターコア5等の熱交換器を通って冷却水を循環させる第1の弁位置と、上記熱交換器に加え、エンジンを通って冷却水を循環させる第2の弁位置と、上記熱交換器及びエンジンに加え、ラジエーター9を通って冷却水を循環させる第3の弁位置と、の3通りに弁位置を切り替え可能な弁であって、同弁を通過する冷却水の温度に応じて作動して弁位置を変化させるサーモスタット部を有するともに、加熱を通じてサーモスタット部を強制的に作動させる電子ヒーターを内蔵するヒーター内蔵サーモスタット式の切替弁6を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却水を循環させてエンジンを冷却するエンジン冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、車載等の水冷式エンジンでは、エンジン内の冷却水を、ラジエーター等を通じて循環させることで、冷却や暖機を行うようにしている。そして従来、例えば特許文献1に見られるように、冷間始動時にエンジン内の冷却水の流通を停止することで、冷却水の加熱時間を短縮し、暖機を促進する技術が提案されている。
【0003】
図14は、特許文献1に記載されたエンジン冷却装置での冷却水の循環経路の構成を示している。同図に示すように、この循環経路は、ウォーターポンプ50の下流において、エンジン51内を通るエンジン水路52と、エンジン51を迂回するバイパス水路53とに分岐されている。
【0004】
エンジン水路52は、エンジン51内のウォータージャケットを通過した後、三方弁54の第1入口54aに接続されている。またバイパス水路53は、三方弁54の第2入口54bに接続されている。三方弁54は、出口54cに接続される入口を、第1入口54aと第2入口54bの間で選択的に切り替える切替弁として構成されており、その出口54cは、車室内の暖房用のヒーターコア55に接続されている。
【0005】
冷却水の循環経路は、ヒーターコア55を通過後、排気から熱を回収する排気熱回収器56を通った後、サーモスタット57に接続されている。サーモスタット57は、流入する冷却水の温度に感応して作動し、冷却水温度が一定値を超えると、エンジン51からラジエーター58を通ってウォーターポンプ50に至る冷却水の循環経路を開通させる。
【0006】
こうした冷却装置では、冷間時には、三方弁54の第2入口54bと出口54cとを接続し、エンジン51を迂回して冷却水を循環させることで、エンジン51内に冷却水を留めてその暖機を促進する。
【0007】
エンジン51が半暖機となると、三方弁54の第1入口54aと出口54cとを接続することで、エンジン51内を通って冷却水を循環させるようにしている。そしてエンジン51の完全暖機後は、サーモスタット57が開き、ラジエーター58を通って冷却水が循環されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−150266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
こうした従来のエンジン冷却装置では、冷間時におけるエンジン51内の冷却水の流通停止と、半暖機時のエンジン51を通っての冷却水の循環と、完全暖機後のラジエーター58を通っての冷却水の循環とを切り替えることができるようになっている。しかしながら、その切り替えの実現には、三方弁54とサーモスタット57との2つの制御弁が必要となり、構成が複雑となってしまう。
【0010】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、冷間時におけるエンジン内の冷却水の流通停止と、半暖機時のエンジンを通っての冷却水の循環と、完全暖機後のラジエーターを通っての冷却水の循環との切り替えを、より簡易な構成で実現することのできるエンジン冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、エンジン冷却装置としての請求項1に記載の発明は、エンジンの暖機前に作動が必要な熱交換器を通って冷却水を循環させる第1の弁位置と、前記熱交換器に加え、前記エンジンを通って冷却水を循環させる第2の弁位置と、前記熱交換器及び前記エンジンに加え、ラジエーターを通って冷却水を循環させる第3の弁位置と、の3通りに弁位置を切り替え可能な弁であって、同弁を通過する冷却水の温度に応じて作動して弁位置を変化させるサーモスタット部を有するともに、加熱を通じて前記サーモスタット部を強制的に作動させるヒーターを内蔵するヒーター内蔵サーモスタット式の切替弁を備えるようにしている。
【0012】
上記構成では、単一の切替弁のみで、冷間時、半暖機時、完全暖機後の冷却水の循環経路の切り替えを行うことができるようになる。したがって上記構成によれば、冷間時におけるエンジン内の冷却水の流通停止と、半暖機時のエンジンを通っての冷却水の循環と、完全暖機後のラジエーターを通っての冷却水の循環との切り替えを、より簡易な構成で実現することができるようになる。
【0013】
ちなみに、こうした本発明のエンジン冷却装置の切替弁は、請求項2によるように、前記切替弁には、前記熱交換器を通った冷却水が流入する第1入口、前記エンジンを通った冷却水が流入する第2入口、前記ラジエーターを通った冷却水が流入する第3入口、及びウォーターポンプに冷却水を流出させる出口を設けるとともに、前記第1の弁位置では、前記第1入口のみが前記出口に連通し、前記第2の弁位置では、前記第1入口及び前記第2入口が前記出口に連通し、前記第3の弁位置では、前記第1乃至第3入口が前記出口に連通するように前記切替弁を構成することでその実現が可能である。
【0014】
また請求項3によるように、前記切替弁には、ウォーターポンプから直接冷却水が流入する第1入口、前記ウォーターポンプから前記エンジンを通って冷却水が流入する第2入口、前記ウォーターポンプから前記エンジン及び前記ラジエーターを通って冷却水が流入する第3入口、及び前記熱交換器を通って前記ウォーターポンプへと戻る熱交換器水路へと冷却水を吐出する出口が設けられ、前記第1の弁位置では、前記第1入口のみが前記出口に連通し、前記第2の弁位置では、前記第1入口及び前記第2入口が前記出口に連通し、前記第3の弁位置では、前記第1乃至第3入口が前記出口に連通するように前記切替弁が構成することでもその実現が可能である。
【0015】
一方、請求項4によるように、こうした切替弁を、エンジンの冷却水入口に設置した場合には、切替弁に流入する冷却水の温度の急変が抑えられるようになり、弁位置の変化を緩やかとして、冷却水循環経路の切り替えを滑らかに行うことができるようになる。
【0016】
ところで、上記のような切替弁がエンジンの冷却水出口から離れた位置に設置されていると、切替弁にエンジンの熱が伝わり難く、切替弁の作動に遅延が生じることがある。そのため、請求項5に記載のように、切替弁を、エンジンの冷却水出口に設置するようにすれば、切替弁にエンジンの熱が伝わり易くすることができる。また請求項6によるように、エンジンを通るエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱をサーモスタット部へと伝達する熱伝達手段を備えるようにした場合にも、切替弁にエンジンの熱が伝わり易くすることができる。こうした熱伝達手段は、切替弁の2つの入口を跨いで設置されたフィンや、両入口を連通する小径の連通孔などによりその具現が可能である。
【0017】
上記のようなエンジンの冷却装置では、制御弁が故障して、低温であるにも拘わらず、ラジエーターを通って冷却水が循環されると、過冷却となってエンジンのエミッションが悪化することがある。こうした故障は、請求項7によるような、サーモスタット部に収容されたワックスの推定温度が高いにも拘わらず、エンジン内の冷却水温が高いときに切替弁に故障有りと判定する故障判定手段や、請求項8によるような、エンジン内の冷却水温の推定値とその実値との乖離が大きいときに切替弁に故障有りと判定する故障判定手段を備えることでその検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のエンジン冷却装置の第1実施形態についてその全体構成を模式的に示すブロック図。
【図2】同実施形態のエンジン冷却装置に搭載される切替弁の側部断面構造を示す断面図。
【図3】同切替弁のワックス温度とリフト量との関係を示すグラフ。
【図4】同実施形態の切替弁の全閉状態における側部断面構造を示す断面図。
【図5】同実施形態の切替弁全閉状態における冷却水の流れを示すブロック図。
【図6】同実施形態の切替弁の半開状態における側部断面構造を示す断面図。
【図7】同実施形態の切替弁半開状態における冷却水の流れを示すブロック図。
【図8】同実施形態の切替弁の全開状態における側部断面構造を示す断面図。
【図9】同実施形態の制御態様の一例を示すタイムチャート。
【図10】本発明のエンジン冷却装置の第2実施形態についてその冷却水回路の構成を模式的に示すブロック図。
【図11】同実施形態にエンジン冷却装置に搭載される切替弁の側部断面構造を示す断面図。
【図12】同実施形態の切替弁の変形例についてその側部断面構造を示す断面図。
【図13】本発明のエンジン冷却装置の第3実施形態の採用する開故障判定ルーチンの処理手順を示すフローチャート。
【図14】従来のエンジン冷却装置についてその冷却水回路の構成を模式的に示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明のエンジン冷却装置を具体化した第1の実施の形態を、図1〜図9を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態のエンジン冷却装置の全体構成を示している。同図に示すように、このエンジン冷却装置は大きくは、次の3つの冷却水路を備えている。まず第1は、同図1に実線矢印で示すような、電動ウォーターポンプ1からスロットルバルブ2、EGRバルブ3、排気熱回収器4、ヒーターコア5を通り、切替弁6を経て電動ウォーターポンプ1へと戻る熱交換器水路である。第2は、同図1に点線矢印で示すような、電動ウォーターポンプ1からエンジンのシリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8を通り、切替弁6を経て電動ウォーターポンプ1へと戻るエンジン水路である。そして第3は、同図1に破線矢印で示すような、電動ウォーターポンプ1からエンジンのシリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8、ラジエーター9を通り、切替弁6を経て電動ウォーターポンプ1へと戻るラジエーター水路である。なお、本実施の形態では、熱交換器水路に設けられたスロットルバルブ2、EGRバルブ3、排気熱回収器4及びヒーターコア5が、「エンジンの暖機前に作動が必要な熱交換器」に相当する構成となっている。
【0021】
またこのエンジン冷却装置には、シリンダーヘッド8内の冷却水の温度(エンジン水温thw1)を検出する第1の水温センサー10と、排気熱回収器4から出た冷却水の温度を検出する第2の水温センサー11とが設けられてもいる。
【0022】
こうしたエンジン冷却装置での冷却水路の切り替えは、切替弁6により行われる。この切替弁6は、同弁を通過する冷却水の温度に応じて作動して弁位置を変化させるサーモスタット部を有するともに、加熱を通じてそのサーモスタット部を強制的に作動させるヒーターを内蔵するヒーター内蔵サーモスタット式の切替弁となっている。
【0023】
図2は、こうした切替弁6の断面構造を示している。同図に示すように、切替弁6の弁体12は、スプリング13にて図中上方に付勢された状態で図中上下方向に移動可能に配設されている。弁体12の下端には、ワックスが封入されたサーモスタット部14が設けられ、そのサーモスタット部14には、電子ヒーター15が配設されている。なお、サーモスタット部14は、温度に応じた固体、液体間の相変化に伴うワックスの容積変化により、弁体12の弁位置(リフト量)を変化させるものとなっている。またこのサーモスタット部14の周囲には、切替弁6を通過する冷却水が流れるようになっている。そのため、サーモスタット部14は、切替弁6を通過する冷却水の温度に感応して作動するようになっている。
【0024】
一方、切替弁6には、上記ヒーターコア5からの冷却水が流入する第1入口16、エンジンのシリンダーヘッド8を出た冷却水が流入する第2入口17、及びラジエーター9を出た冷却水が流入する第3入口18が設けられている。また切替弁6には、電動ウォーターポンプ1へと冷却水を吐出する出口19が設けられてもいる。そして弁体12の位置(弁位置)により、出口19に連通される入口(16〜18)が切り替えられるようになっている。
【0025】
一方、こうした切替弁6に設置された電子ヒーター15は、電子制御ユニット20により制御されている。電子制御ユニット20は、中央演算処理装置(CPU)、読込専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、入出力ポート(I/O)を備えている。ここでCPUは、電子ヒーター15等の制御に係る各種演算処理を実施し、ROMは、制御用のプログラムやデータを記憶する。またRAMは、CPUの演算結果やセンサーの検出結果等を一時的に記憶し、I/Oは、外部との信号の授受のためのインターフェイスとして機能する。なお、上記2つの水温センサー10,11の検出信号は、こうした電子制御ユニット20の入力ポートに入力されている。ちなみに、本実施の形態では、電子制御ユニット20は、実際のワックス温度(実ワックス温度)が目標ワックス温度となるように、電子ヒーター15をフィードバック制御するようにしている。
【0026】
図3は、こうした切替弁6の弁体12のリフト量とワックス温度との関係を示している。なおリフト量とは、図2の図中上方への弁体12の変位の量を示している。同図に示すように、切替弁6は、ワックス温度が所定の開弁温度よりも低いときには、全閉状態となり、ワックス温度が開弁温度を超えると、半開状態となるようになる。そしてワックス温度が更に上昇して所定の全開温度を超えると、切替弁6は全開状態となるようになっている。
【0027】
図4は、全閉状態における切替弁6の状態を示している。同図に示すように、このときの切替弁6では、第1入口16と出口19とは連通するが、第2入口17及び第3入口18と出口19との連通は、弁体12により遮断されるようになっている。したがって、このときのエンジン冷却装置では、図5に示すように、スロットルバルブ2、EGRバルブ3、排気熱回収器4、ヒーターコア5を通る熱交換器水路のみを通って冷却水が循環されるようになる。ちなみに、この全閉状態における切替弁6の弁位置が、エンジンの暖機前に作動が必要な熱交換器を通って冷却水を循環させる上記第1の弁位置に対応する弁位置となっている。
【0028】
一方、図6は、半開状態における切替弁6の状態を示している。同図に示すように、このときの切替弁6では、第1入口16に加え、第2入口17も出口19に連通されるようになる。一方、このときの第3入口18と出口19との連通は、未だ弁体12により遮断されたままとなる。したがって、このときのエンジン冷却装置では、図7に示すように、スロットルバルブ2、EGRバルブ3、排気熱回収器4、ヒーターコア5を通る熱交換器水路と、エンジンのシリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8を通るエンジン水路を通って冷却水が循環されるようになる。ちなみに、この半開状態における切替弁6の弁位置が、熱交換器に加え、エンジンを通って冷却水を循環させる第2の弁位置に対応する弁位置となっている。
【0029】
更に、図8は、全開状態における切替弁6の状態を示している。同図に示すように、このときの切替弁6では、第1入口16及び第2入口17に加え、更に第3入口18も出口19に連通されるようになる。したがって、このときのエンジン冷却装置では、ヒーターコア5等を通る熱交換器水路、シリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8を通るエンジン水路、ラジエーター9を通るラジエーター水路のすべての冷却水回路を通って冷却水が循環されるようになる。ちなみに、この全開状態における切替弁6の弁位置が、熱交換器及びエンジンに加え、ラジエーターを通って冷却水を循環させる第3の弁位置に対応する弁位置となっている。
【0030】
図9は、こうした本実施の形態のエンジン冷却装置の制御態様の一例を示している。なお同図には、時刻t0においてエンジンが始動されて以降の冷却水温度、ワックス温度、電子ヒーター15の通電状態及び切替弁6のリフト量の推移が示されている。
【0031】
同図に示すように、エンジンが始動された時刻t0からエンジン水温thw1が上記切替弁6の開弁温度に達する時刻t1迄の期間には、すなわちエンジンが冷間状態にある期間には、切替弁6の予熱制御が実施される。予熱制御は、開弁要求後の速やかな切替弁6の開弁を可能とするため、ワックス温度を開弁温度直前の温度に予熱しておく制御となっている。この予熱制御時には、目標ワックス温度が開弁温度よりも若干低い温度に設定され、それに応じて電子ヒーター15の通電が行われる。なおこの期間には、第1入口16のみが出口19に連通し、ヒーターコア5等の配設された熱交換器水路のみを通って冷却水が循環される。ちなみにこのときのエンジンでは、冷却水の循環が停止されるため、エンジン内冷却水の加熱時間が短縮されて、エンジンの暖機が促進されるようになる。
【0032】
時刻t1においてエンジン水温thw1が開弁温度に達し、エンジンが半暖機状態となると、切替弁6のリフト量制御が実施される。このリフト量制御は、切替弁6を半開状態に維持する制御となっており、開弁温度よりも高く、全開温度未満の温度に目標ワックス温度を設定することで行われる。なお、この期間には、第1入口16及び第2入口17が出口19に連通し、ヒーターコア5等の設けられた熱交換器水路、及びシリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8を通るエンジン水路を通って冷却水が循環されるようになる。ちなみにこのときには、エンジン内で温まった冷却水がヒーターコア5等に供給されるようになる。またエンジン内の冷却水の循環が開始されるため、シリンダーヘッド8等における局所的な過昇温による冷却水の沸騰が防止されるようになる。
【0033】
時刻t2においてエンジン水温thw1が全開温度に達し、エンジンが完全暖機状態となると、切替弁6の保護制御が実施される。この保護制御は、切替弁6が過昇温されないように電子ヒーター15の通電を抑制することで行われる。この期間には、第1入口16、第2入口17及び第3入口18が出口19に連通し、ヒーターコア5等の設けられた熱交換器水路、及びシリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8を通るエンジン水路、ラジエーター9を通るラジエーター水路を通って冷却水が循環されるようになる。このときのエンジン冷却装置では、エンジンの熱を奪って昇温した冷却水がラジエーター9で冷却されるようになり、これによるエンジンの冷却が行われるようになる。
【0034】
以上説明した本実施の形態のエンジン冷却装置によれば、以下の効果を奏することができるようになる。
(1)本実施の形態のエンジン冷却装置は、次のような切替弁6を備えている。すなわち、切替弁6は、エンジンの暖機前に作動が必要な熱交換器を通って冷却水を循環させる第1の弁位置と、そうした熱交換器に加え、エンジンを通って冷却水を循環させる第2の弁位置と、それらに加えてラジエーター9を通って冷却水を循環させる第3の弁位置と、の3通りに弁位置を切り替え可能な弁となっている。また切替弁6は、同弁を通過する冷却水の温度に応じて作動して弁位置を変化させるサーモスタット部14を有するともに、加熱を通じてサーモスタット部を強制的に作動させる電子ヒーター15を内蔵するヒーター内蔵サーモスタット式の弁となっている。こうした切替弁6を備える本実施の形態のエンジン冷却装置では、冷間時におけるヒーターコア5等への冷却水の循環を維持してのエンジンの水停止、半暖機時のエンジン内冷却水のヒーターコア5等への供給、完全暖機後のラジエーター9によるエンジン冷却水の冷却の切り替えにか係る冷却水の循環経路の切り替えを、単一の切替弁のみで行うことができるようになる。したがって本実施の形態によれば、冷間時におけるエンジン内の冷却水の流通停止と、半暖機時のエンジンを通っての冷却水の循環と、完全暖機後のラジエーターを通っての冷却水の循環との切り替えを、より簡易な構成で実現することができるようになる。
【0035】
(2)本実施の形態では、シリンダーヘッド8を出た冷却水が直ぐにエンジン内に戻るようにエンジン水路が構成されている。そのため、エンジン水温thw1の高温維持や急変抑制を行うことができるようになる。
【0036】
(3)本実施の形態では、切替弁6が、エンジンの冷却水入口に設置されている。そのため、本実施の形態では、切替弁6に流入する冷却水の温度の急変が抑えられるようになり、弁位置の変化を緩やかとして、冷却水循環経路の切り替えを滑らかに行うことができるようになる。
【0037】
(第2の実施の形態)
次に、本発明のエンジン冷却装置を具体化した第2の実施の形態を、図10〜図12を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施の形態にあって、上記実施の形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0038】
第1の実施の形態では、切替弁6がエンジンの冷却水入口に設置されており、エンジンの熱が切替弁6のサーモスタット部14に伝わり難くなっている。そのため、電子ヒーター15の発熱のみでサーモスタット部14のワックスを溶解しなければならず、ヒーター入力電力が大きくなってしまう。また断線等、電子ヒーター15が故障した場合には、切替弁6を開くことができず、エンジンの水停止がいつまでも継続されてしまうようにもなる。
【0039】
そこで本実施の形態では、切替弁6をエンジンの冷却水出口に設置することで、水停止中もエンジンの熱をサーモスタット部14に伝わり易くするようにしている。また本実施の形態では、エンジンを通るエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱をサーモスタット部14へと伝達する熱伝達手段を備えることでも、エンジンの熱をサーモスタット部14に伝わり易くするようにしている。
【0040】
図10は、本実施の形態のエンジン冷却装置の全体構成を示している。同図に示すように、本実施の形態のエンジン冷却装置は、その電動ウォーターポンプ1から切替弁6に至る水路として、次の3つの冷却水路を備えている。
【0041】
まず第1は、電動ウォーターポンプ1からエンジンを迂回して切替弁6に直接至るバイパス水路であり、第2は、電動ウォーターポンプ1からエンジンのシリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8を通って切替弁6に至るエンジン水路である。また第3は、電動ウォーターポンプ1からエンジンのシリンダーブロック7及びシリンダーヘッド8を通った後、更にラジエーター9を通って切替弁6に至るラジエーター水路である。
【0042】
一方、切替弁6の下流側は、ヒーターコア5、排気熱回収器4、EGRバルブ3及びスロットルバルブ2を通って電動ウォーターポンプ1に戻るように形成された熱交換器水路に接続されている。なお、本実施の形態のエンジン冷却装置にも、シリンダーヘッド8内の冷却水の温度を検出する第1の水温センサー10と、排気熱回収器4から出た冷却水の温度を検出する第2の水温センサー11とが設けられている。
【0043】
こうした本実施の形態のエンジン冷却装置にあって、切替弁6は、同弁を通過する冷却水の温度に応じて作動して弁位置を変化させるサーモスタット部を有するともに、加熱を通じてそのサーモスタット部を強制的に作動させるヒーターを内蔵するヒーター内蔵サーモスタット式の切替弁として構成されている。そして切替弁6は、バイパス水路、エンジン水路及びラジエーター水路と、熱交換器水路との接続関係を切り替えることで、エンジン冷却装置の冷却水の流れを変化させている。
【0044】
具体的には、切替弁6は、エンジンの冷間時には、バイパス水路のみを熱交換器水路に接続するようにしている。ちなみに、このときの切替弁6の弁位置が、エンジンの暖機前に作動が必要な熱交換器を通って冷却水を循環させる上記第1の弁位置に対応する弁位置となっている。
【0045】
一方、エンジンの半暖機時には、切替弁6は、バイパス水路に加え、エンジン水路を熱交換器水路に接続するようにしている。ちなみに、このときの切替弁6の弁位置が、熱交換器に加え、エンジンを通って冷却水を循環させる第2の弁位置に対応する弁位置となっている。
【0046】
更に、エンジンの完全暖機後は、切替弁6は、バイパス水路及びエンジン水路に加え、ラジエーター水路も熱交換器水路に接続するようにしている。ちなみに、このときの切替弁6の弁位置が、熱交換器及びエンジンに加え、ラジエーターを通って冷却水を循環させる第3の弁位置に対応する弁位置となっている。
【0047】
図11は、こうした切替弁6の断面構造を示している。同図に示すように、本実施の形態の切替弁6も、第1の実施の形態のものと同様に、弁体12、その弁体12を付勢するスプリング13、ワックスが封入されたサーモスタット部14、そのサーモスタット部14を加熱する電子ヒーター15を備えている。一方、本実施の形態の切替弁6には、バイパス水路に接続されて、電動ウォーターポンプ1から冷却水が直接流入する第1入口16、エンジン水路に接続されて、エンジンを通った冷却水が流入する第2入口17、及びエンジンを通過後、ラジエーター9を通った冷却水が流入する第3入口18が設けられている。また切替弁6には、熱交換器水路に接続されて、ヒーターコア5等に冷却水を吐出する出口19が設けられてもいる。
【0048】
更に本実施の形態の切替弁6には、その第1入口16と第2入口17とを隔離する隔壁21を跨いで複数のフィン22が立設されている。このフィン22を設けたことで、両入口間の隔壁の表面積が増大されるようになり、その結果として両入口間の熱伝達量が増大されるようになる。そのため、このフィン22によっては、第2入口17に流入するエンジン通過後の冷却水の熱が、第1入口16内の冷却水に、そしてひいては切替弁6のサーモスタット部14へと伝達し易くなる。本実施の形態では、こうしたフィン22が、エンジンを通るエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱をサーモスタット部へと伝達する熱伝達手段に相当する構成となっている。
【0049】
以上説明した本実施の形態によれば、上記(1)に記載の効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
(4)本実施の形態では、切替弁6をエンジンの冷却水出口に設置するようにしている。そのため、エンジンの水停止中もエンジンの熱をサーモスタット部14に伝わり易くすることができる。そしてその結果、切替弁6の開弁に係る電子ヒーター15の入力電力を低減することができるようになる。また断線などによる電子ヒーター15の故障時にも、エンジンから伝わった熱でサーモスタット部14が作動されるため、エンジン水温の上昇とともにエンジンの水停止を解除することができるようにもなる。
【0050】
(5)本実施の形態では、エンジンを通るエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱をサーモスタット部14へと伝達するフィン22が設けられている。そのため、エンジンの水停止中もエンジンの熱をサーモスタット部14に伝わり易くすることができる。そしてその結果、切替弁6の開弁に係る電子ヒーター15の入力電力を低減することができるようになる。また断線などによる電子ヒーター15の故障時にも、エンジンから伝わった熱でサーモスタット部14が作動されるため、エンジン水温の上昇とともにエンジン水停止を解除することができるようにもなる。
【0051】
なお、エンジンを通るエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱をサーモスタット部14へと伝達する熱伝達手段としては、上記フィン22以外に次のような構成も考えられる。
【0052】
図12は、そうした他の熱伝達手段の設けられた切替弁6の断面構造を示している。同図に示すように、この切替弁6には、その第1入口16と第2入口17とを隔離する隔壁21に、両入口を連通する小径の連通孔23が設けられ、その連通孔23を通じて少量の冷却水が両入口の間を流通するようになっている。なお、この連通孔23は小径であるため、同連通孔23を通じた冷却水の流通量は少量となっており、エンジン冷却装置全体の冷却水の流れとしては、十分に無視し得る程度のものとなっている。
【0053】
こうした切替弁6では、エンジン水温が高くなったときに、第2入口17の高温の冷却水が連通孔23を通じて第1入口16に流入することで、エンジンの熱がサーモスタット部14に伝えられるようになる。したがって、こうした切替弁6によっても、切替弁6の開弁に係る電子ヒーター15の入力電力の低減や、電子ヒーター15故障時のエンジン水停止の解除を行うことが可能となる。
【0054】
なお、エンジンを通るエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱をサーモスタット部へと伝達可能な手段であれば、上述のフィン22や連通孔23以外のものを熱伝達手段として採用することも可能である。そうしたフィン22、連通孔23以外の熱伝達手段としては、例えばヒートポンプなどが利用可能である。
【0055】
(第3の実施の形態)
次に、本発明のエンジン冷却装置を具体化した第3の実施の形態を、図13を併せ参照して詳細に説明する。なお本実施の形態にあって、上記実施の形態と共通する構成については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。ちなみに、本実施の形態のエンジン冷却装置のハードウェアは、第2の実施の形態のものと同様の構成となっている。
【0056】
上記実施の形態の如く構成されたエンジン冷却装置では、単一の切替弁6によって冷却装置内の冷却水の流れ方を3通りに変化させるようにしている。こうしたエンジン冷却装置では、ヒーター制御の異常等により、切替弁6が全開状態から戻らなくなってしまう、切替弁6の開故障が発生することが考えられる。そうした場合には、エンジン水温が低いにも拘わらず、冷却水がラジエーター9を通って循環されるようになり、エンジンが過冷却されて、そのエミッション性能が悪化することがある。
【0057】
そこで本実施の形態では、以下のロジックでそうした切替弁6の開故障を検出するようにしている。すなわち、本実施の形態では、電子ヒーター15の通電状況からサーモスタット部14に収容されたワックスの推定温度を求めるようにしている。そしてそのワックスの推定温度が高いにも拘わらず、水温センサー10により検出されるエンジン水温が低いときには、切替弁6に開故障が発生していると判定するようにしている。また本実施の形態では、エンジンの積算吸入空気量からエンジン水温の推定値を求めるとともに、その推定値とエンジン水温の実値との乖離が大きいときにも、切替弁6に開故障が発生していると判定するようにしている。
【0058】
図13は、こうした本実施の形態に採用される開故障判定ルーチンのフローチャートを示している。本ルーチンの処理は、エンジンの始動後、電子制御ユニット20により、所定の制御周期毎に繰り返し実行されるものとなっている。
【0059】
さて本ルーチンが開始されると、まずステップS100にて、電子ヒーター15の通電状況等に基づいて、ワックス温度の推定が行われる。そして続くステップS101において、推定ワックス温度が全開温度未満であるか否かが判定される。
【0060】
ここで推定ワックス温度が全開温度以上であれば(S101:NO)、ステップS102に移り、そのステップS102において、実際のエンジン水温thw1が全開温度未満であるか否かが判定される。そして推定ワックス温度が全開温度以上であるにも拘わらず、エンジン水温thw1が全開温度未満であれば(S102:YES)、ステップS103において、開故障との判定がなされ、電子ヒーター15の通電が強制的にカットされた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。また推定ワックス温度、エンジン水温thw1が共に全開温度以上であれば(S102:NO)、ステップS104において正常との判定がなされ、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
【0061】
一方、上記ステップS101において推定ワックス温度が全開温度未満と判定されたときには(S101:YES)、ステップS105において、積算吸入空気量(積算Ga)から推定エンジン水度(推定thw1)が算出される。そして続くステップS106において、エンジン水温の実測値(実thw1)と推定エンジン水温との乖離の大きさが規定の故障判定値αを超えているか否かが判定される。ここで乖離が故障判定値αを超えていれば(S106:YES)、ステップS107において、開故障との判定がなされ、電子ヒーター15の通電が強制的にカットされた後、今回の本ルーチンの処理が終了される。また乖離が故障判定値α以下であれば(S106:NO)、ステップS104において正常との判定がなされ、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
【0062】
なお、こうした本実施の形態では、電子制御ユニット20が上記故障判定手段に相当する構成となっている。
以上説明した本実施の形態によれば、上記(1)、(4)及び(5)に記載の効果に加え、更に次の効果を奏することができる。
【0063】
(6)本実施の形態では、電子制御ユニット20は、サーモスタット部14に収容されたワックスの推定温度が高いにも拘わらず、エンジン内の冷却水温が高いときに切替弁6に故障有りと判定するようにしている。そのため、切替弁6の開故障を好適に検出することができるようになる。
【0064】
(7)本実施の形態では、電子制御ユニット20は、エンジン内の冷却水温の推定値とその実値との乖離が大きいときに切替弁6に故障有りと判定するようにしている。そのため、切替弁6の開故障を好適に検出することができるようになる。
【0065】
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記各実施の形態では、加熱を通じてサーモスタット部14を強制的に作動させるヒーターとして、電子ヒーター15を採用するようにしていたが、こうしたヒーターとしては、任意適宜なものを採用することができる。
【0066】
・上記各実施の形態では、電動ウォーターポンプ1により冷却水を循環させていたが、エンジンの回転により作動する機械式のウォーターポンプ等、電動式以外のウォーターポンプを採用するエンジン冷却装置にも、本発明は同様に適用可能である。
【0067】
・第3の実施の形態では、ワックスの推定温度が高いにも拘わらず、エンジン内の冷却水温が高いとき、及びエンジン内の冷却水温の推定値とその実値との乖離が大きいときの双方において、切替弁6の開故障と判定するようにしていたが、いずれか一方においてのみ、開故障と判定するようにしても良い。
【0068】
・第3の実施の形態における開故障判定ルーチンを、第1の実施の形態のようにハードウェアが構成されたエンジン冷却装置に適用するようにしても良い。
・第2の実施の形態では、エンジンの冷却水出口に切替弁6を設置すること、及びエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱をサーモスタット部14へと伝達する熱伝達手段を備えること、の双方を通じて、エンジンの熱をサーモスタット部14へと伝達するようにしていた。もっとも、十分な熱伝達が可能であれば、いずれか一方のみを採用し、他方を割愛するようにしても良い。
【0069】
・第2の実施の形態に採用された熱伝達手段(フィン22、連通孔23等)を第1の実施の形態の切替弁6に適用するようにしても良い。そうした場合にも、エンジンの熱をサーモスタット部14に伝え易くすることができ、切替弁6の開弁に係る電子ヒーター15の入力電力の低減や、電子ヒーター15故障時のエンジン水停止の解除を行うことが可能となる。
【0070】
・上記実施の形態では、スロットルバルブ2、EGRバルブ3、排気熱回収器4、ヒーターコア5を、エンジンの暖機前に作動が必要な熱交換器として備えるエンジン冷却装置を説明したが、本発明は、これらの一部、或いはこれら以外のものをエンジン暖機前に作動を要する熱交換器として備えるエンジン冷却装置にも同様に適用することができる。すなわち、エンジン暖機前に冷却水の循環を要する熱交換器が設けられるのであれば、上記実施の形態における熱交換器水路の構成は、任意適宜に変更しても良い。
【符号の説明】
【0071】
1…電動ウォーターポンプ、2…スロットルバルブ(熱交換器)、3…EGRバルブ(熱交換器)、4…排気熱回収器(熱交換器)、5…ヒーターコア(熱交換器)、6…切替弁(12…弁体、13…スプリング、14…サーモスタット部、15…電子ヒーター(ヒーター)、16…第1入口、17…第2入口、18…第3入口、19…出口)、7…シリンダーブロック(エンジン)、8…シリンダーヘッド(エンジン)、9…ラジエーター、10,11…水温センサー、20…電子制御ユニット(故障判定手段)、21…隔壁、22…フィン(熱伝達手段)、23…連通孔(熱伝達手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの暖機前に作動が必要な熱交換器を通って冷却水を循環させる第1の弁位置と、
前記熱交換器に加え、前記エンジンを通って冷却水を循環させる第2の弁位置と、
前記熱交換器及び前記エンジンに加え、ラジエーターを通って冷却水を循環させる第3の弁位置と、
の3通りに弁位置を切り替え可能な弁であって、同弁を通過する冷却水の温度に応じて作動して弁位置を変化させるサーモスタット部を有するともに、加熱を通じて前記サーモスタット部を強制的に作動させるヒーターを内蔵するヒーター内蔵サーモスタット式の切替弁を備える
ことを特徴とするエンジン冷却装置。
【請求項2】
前記切替弁には、前記熱交換器を通った冷却水が流入する第1入口、前記エンジンを通った冷却水が流入する第2入口、前記ラジエーターを通った冷却水が流入する第3入口、及びウォーターポンプに冷却水を流出させる出口が設けられ、
前記第1の弁位置では、前記第1入口のみが前記出口に連通し、前記第2の弁位置では、前記第1入口及び前記第2入口が前記出口に連通し、前記第3の弁位置では、前記第1乃至第3入口が前記出口に連通するように前記切替弁が構成されてなる
請求項1に記載のエンジン冷却装置。
【請求項3】
前記切替弁には、ウォーターポンプから直接冷却水が流入する第1入口、前記ウォーターポンプから前記エンジンを通って冷却水が流入する第2入口、前記ウォーターポンプから前記エンジン及び前記ラジエーターを通って冷却水が流入する第3入口、及び前記熱交換器を通って前記ウォーターポンプへと戻る熱交換器水路へと冷却水を吐出する出口が設けられ、
前記第1の弁位置では、前記第1入口のみが前記出口に連通し、前記第2の弁位置では、前記第1入口及び前記第2入口が前記出口に連通し、前記第3の弁位置では、前記第1乃至第3入口が前記出口に連通するように前記切替弁が構成されてなる
請求項1に記載のエンジン冷却装置。
【請求項4】
前記切替弁を、前記エンジンの冷却水入口に設置した
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
【請求項5】
前記切替弁を、前記エンジンの冷却水出口に設置した
請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
【請求項6】
前記エンジンを通るエンジン水路の冷却水の流通が停止されているときに、同エンジン水路内の冷却水の熱を前記サーモスタット部へと伝達する熱伝達手段を備える
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
【請求項7】
前記サーモスタット部に収容されたワックスの推定温度が高いにも拘わらず、前記エンジン内の冷却水温が高いときに前記切替弁に故障有りと判定する故障判定手段を備える
請求項1〜6のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。
【請求項8】
前記エンジン内の冷却水温の推定値とその実値との乖離が大きいときに前記切替弁に故障有りと判定する故障判定手段を備える
請求項1〜7のいずれか1項に記載のエンジン冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−241773(P2011−241773A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115565(P2010−115565)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】