説明

オイル組成物、オイル組成物を含む製剤、及び内蔵脂肪の蓄積を減らし、ブドウ糖耐性を向上させて肥満関連疾患及び障害を予防又は治療するためのその使用

本発明は、オイル組成物であって、好ましくはカイアシから得られたもの、及び内蔵脂肪の蓄積を減らして、肥満症を誘導する西洋型の食事によって引き起こされる心臓機能の障害を妨げるためのその使用に関する。従って、本発明のオイル組成物は、腹部肥満症を低減し、ブドウ糖耐性を向上させて、肥満症関連の疾患、例えば限定しないが2型糖尿病又は循環器疾患のリスクを減らすか、若しくはかかる疾患を予防するか又は治療するために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオイル組成物、特に体内の内蔵脂肪の蓄積を減らしてブドウ糖耐性を向上させ、それ故に肥満関連疾患を予防又は治療するために用いることが可能なオイル組成物に関する。本発明のオイル組成物は、医薬製剤、栄養補助食品並びに機能性食品及び飼料製剤に含まれる。
【背景技術】
【0002】
ヒト肥満症の有病率は、全ての工業化した国及び都会化された国において、ここ20-30年の間に劇的に増加している。肥満症は、西洋のライフスタイル及び食習慣を採用している発展途上国の人々を脅かす新たな健康状態でもある。現在の世界的な肥満症の流行が制御下にあるという徴候はなく、現在の傾向よりも良好なものに変化する徴候はない。
【0003】
肥満症は、ヒトの健康に関する数多くの結果(年齢に関連した代謝低下、インシュリン耐性、2型糖尿病、循環器疾患、脳卒中、メタボリックシンドローム及び早期の突然死)を引き起こす。
【0004】
肥満症の明らかな原因は、長期間における、食物エネルギーの摂取と身体のエネルギー消費との純粋なバランスの悪化である。人々がエネルギーを消費するよりも多くのエネルギーを摂取すると、過剰なものは脂肪として蓄えられる。かかるエネルギーのバランスの悪化による生理的及び医学的な結果は、生活様式が定住であることによって、そして糖及び飽和脂肪が豊富な食品の過剰摂取によって悪化する。
【0005】
内臓肥満症は、一般的な肥満症よりヒトの死亡率に関するリスク係数が非常に高く、肥満症関連疾患と内臓脂肪の蓄積との間に強い相関が存在する。より多くの内蔵脂肪を蓄積し、中心性肥満症又は腹部肥満症として臨床的に知られている脂肪分布パターンを発病している個人は、例えば、特に糖尿病を発病する傾向にある(D. Callagher et al. Adipose tissue distribution is different in type 2 diabetes. American Journal of Clinical Nutrition 2009; 89: 807-814)。糖尿病と内臓脂肪の蓄積との間の直接的な因果関係は、内蔵脂肪の外科的除去に関する効果を研究することによって示された(Barzilai, N. and G. Gupta. Interaction between Aging and Syndrome X: New Insights on the Pathophysiology of Fat Distribution. Annals New York Academy of Sciences 1999; 58-72; D. M. Huffman, N. Barzilai, Role of visceral adipose tissue in aging, Biochim. Biophys. Acta 1790, 2009: 1117-1123)。かかる研究によって、内臓脂肪組織は代謝的に非常に活発で、肥満症に関連する健康問題の発症に主要な役割を担い、皮下脂肪組織における遺伝子発現が内臓脂肪組織によって抑制されていることが証明された。世界的な肥満症の流行による健康への影響を制御して低減させるために、中心体肥満症の発症及び内蔵脂肪の蓄積を妨げる方法を見つけることに、特段の注意を払うべきである。
【0006】
医療専門家の間では、より健常なライフスタイルと一般的な栄養を改善させたものが肥満症関連疾患に最も大きな正の影響を及ぼすことに疑いの余地は無い。生活様式が定住であることの他に、消費される食品の量並びに西洋の食品において使われる炭水化物及び脂質の性質が、多くの場合、現在の肥満症の流行の原因となっている。しかしながら、個々の食事の構成要素が身体における脂肪蓄積パターン及び肥満症関連疾患にどのような影響を及ぼすかは予測困難であった。フラクトース加糖(しかし、ブドウ糖加糖でない)飲料の摂取が脂質異常症を促進し、肥満体の人間における内臓脂肪症の増加及インシュリン感受性の減少を導くことを、利用可能な最新の生化学及び生理学的知識に基づいて予測することは、専門家にとってほぼ不可能であった(K. L. Stanhope et al. Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increase visceral adiposity and lipids and decrease insulin sensitivity in overweight/obese humans. J. Clin. Invest. 2009; 119 (5):1322-1334)。身体内部における脂肪蓄積パターンを決定づけているものに関する現在の知識は、まず始めに経験の結果として発展してきた。これについては、肥満症関連疾患と食物脂質におけるn-6/n-3脂肪酸比との間に相関を示す累積証拠にもあてはまる。この比率が非常に高い場合(例えば西洋型の食事の場合)には、ヒトの健康に対して負の影響があり(A. P. Simpoulos. The importance of the Omega-6/Omega-3 Fatty Acid Ratio in Cardiovascular Disease and Other Chronic Diseases. Society for Experimental Biology and Medicine 2008; 674-688; G. Ailhaud et al. An emerging risk factor for obesity: does disequilibrium of polyunsaturated fatty acid metabolism contribute to excessive adipose tissue development? British Journal of Nutrition 2008;100:461-470)、食物中においてn-6脂肪酸の比率が高い「必須脂肪酸」であるリノール酸(C18:3n-6)からなる場合は、特にそのようになる。
【0007】
西洋型の食事において、n-6/n-3脂肪酸比の比率は15/1と同程度であるかもしれないが、この比率は人間が進化してきた際の食事では、ほぼ確実に約1/1であり、これによって我々の栄養関連遺伝子の構成が形成された。従って、栄養学者達は、食品をn-3脂肪酸が豊富なプラントオイル又は海洋性オイルが豊かなものにして、人間が遺伝的に適するようになったものとn-6/n-3比がより近い食事にすることで西洋型の食事の悪影響を妨げることを勧めている。n-3脂肪酸が豊富なオイルである海洋性オイル及びプラントオイルの両方は、食物性脂質におけるn-6/n-3バランスをより健常な方向へ調節するのに用いることができる。
【0008】
1993年に、Belzung及び共著者は、n-6/n-3脂肪酸比が6.85/1(牛脂とオリーブ油の1:1の混合物)、0.3/1(にしん油)及び0.14/1(EPA(エイコサペンタエン酸 = C20:5n-3)及びDHA(ドコサヘキサエン酸= C22:6n-3)の濃縮物)の高脂肪食 (20% w/w)を摂食したウィスターラットにおける脂肪蓄積パターンについて比較した栄養学的調査を発表した(F. Belzung et al. Fish oil n-3 fatty acids selectively limit the hypertrophy of abdominal fat depots in growing rats fed high-fat diets. The American Physiological Society 1993; R1111-R1118)。それによると、これらの3つの高脂肪食の全てにおいて、動物は同じように成長し、それらの皮下及び腸間膜脂肪組織は影響を受けなかったことが示された。しかしながら、牛脂/オリーブ油の代わりに、にしん油又はEPA/DHA濃縮物を摂食した動物は、牛脂及びオリーブ油の混合物を摂食した動物よりも腹部脂肪組織の蓄積が少なかった。著者らは、観察できた差異はこれら3つの脂質源(動物の膜脂肪酸組成における差異並びに脂肪酸合成、プロスタグランジン産生及び肝酵素活性の調節における差異を誘導する食餌を含む)の代謝が非常に異なっていることに関連があると推測した。これらの調査において、オメガ-3は総食物性脂質(> 20% w/w)の40%(濃縮物として使用)と20%(にしん油)程度を構成していた点に留意すべきである。それは、オメガ-3の1日の摂取量である0.7〜1.4グラムの範囲に対応する。白色脂肪組織における脂質及びブドウ糖代謝に関連する遺伝子の発現に対するEPA又はDHAの効果についてのラットを用いた調査(T. Raclot et al. Site-specific regulation of gene expression by n-3 polyunsaturated fatty acids in rat white adipose tissues. Journal of Lipid Research 1997;38:1963-1971)において、これらの脂肪酸の1日の摂取量は、0.9グラムであった。結論として、非常に多くの量の魚油又は濃縮オメガ-3を消費したウィスターラットは、牛脂/オリーブ油食を摂食したラットより内蔵脂肪の蓄積が少ない。
【0009】
我々の知識ではヒトの健康にとってライフスタイル及び栄養が重要であるにもかかわらず、悪習を変えようとすると精神社会学的な障壁は高い。それらのライフスタイル及び食習慣が不健康であると理解して認めている人々の間でさえ、社会に浸透した食品の優先順位を変えることは特に困難である。この状況において、人々が生活様式全体を変えなければならないとの主張を相補する戦略であって、現在の肥満症の流行、特に結果として糖尿病及び他の健康問題になる内臓肥満症を妨げるために実施できる戦略を幾つか持つことが望ましい。糖尿病に対する製薬は存在するが、内臓脂肪組織の蓄積を主に阻害することで作用する薬はなく、糖尿病2及び他の疾患の発症に関するものが知られている。チアゾリジンジオンと呼ばれるグループの抗糖尿病薬は、例えば、インシュリンに対する身体の感受性が増大することによって作用し、食事と運動を組み合わせて2型糖尿病を治療するために使用される。しかしながら、これらの薬は、全身脂肪症を進行させるという、パラドックス(内臓脂肪症が糖尿病2の発症の順化因子であるという一般的な理解を考慮)を招く。スタチングループの薬は、肥満症及び糖尿病の予防用と考えられてきた。理由は、このグループの薬は、体重の増加及び脂肪の蓄積を阻害するからである。しかしながら、それらは内臓脂肪症を選択的には阻害せず、それらの抗肥満症の作用機序は呼吸による酸素消費及び脂肪の代謝分解を高めるというそれらの能力に明らかに関連がある。
【0010】
従って、本発明のオイル組成物は、非常に必要とされている。特にそれは有毒な副作用が無いためであり、従来の高脂肪性の西洋型の食事に対して少量の補助食品として使用すると内蔵脂肪の蓄積を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、低脂肪対照食(コントロール)、肥満症を誘導する高脂肪食(HF)及び本発明のオイル組成物であるCO(カイアシオイル)を1.5重量%含む、肥満症を誘導する高脂肪食(HF + 1.5% CO)を与えられたラットの体重に関する全腎周脂肪との相関関係を示す(n=10)。
【図2】図2は、低脂肪対照食(コントロール)、肥満症を誘導する高脂肪食(HF)及び本発明のオイル組成物を1.5重量%含む、肥満症を誘導する高脂肪食(HF +1.5 % CO)を与えられたラットの心臓における筋組織のブドウ糖酸化能力(μM/min/g乾燥重量)を示す。値は、平均±95% C.I.である(コントロール、HF及びHF + 1.5% CO は、それぞれn = 8、6及び6)。
【図3】図3(A)は、コントロール食(コントロール)、高脂肪食(HF)及び本発明のオイル組成物を1.5重量%含む高脂肪食(HF + 1.5% CO)を与えられたマウスにおけるそれぞれの腹腔内ブドウ糖負荷試験中の血糖値を示す。図3(B)は、図3(A)に示されるのと同じグループのマウスにおける腹腔内ブドウ糖負荷試験中の血糖値の濃度曲線下面積を示す。データは、平均S.E.として表す。* P < 0.05(HF対コントロール); # P < 0.05(HF + 1.5% CO対HF)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の用語は、別途特に述べられない限り、以下に示す意味を有する:
【0013】
ロウエステル:ロウエステルは、長鎖又は超長鎖酸(脂肪酸)と長鎖又は超長鎖アルコール(脂肪族アルコール)とのエステルである。この文脈において、長鎖は14から22個の炭素を意味し、超長鎖は24個以上の炭素原子に関する。
【0014】
ロウエステルは、ロウにおける重要な構成要素である。通常、「ロウ」という用語は、室温で固体である(例:蜂の巣の物質又は蜜蝋のように見える)ことによって特徴づけられる多くの種類の脂質を指す。しかしながら、ロウは、固体及び液体の両方でもよい。それらは、動物(蜜蝋、羊毛蝋(ラノリン)、マッコウクジラロウ及びオレンジラフィー油)及び植物(キャンデリア、ブラジルロウヤシ、米糠、サトウキビ(ポリコサノール)及びジョジョバ)によって生産される。全ての葉の表面及び多くの野菜及び果実は、ロウの微晶質層によってカバーされている。ロウは、食物、医薬及び美容産業における表面保護に用いられている。
【0015】
本発明のロウエステルは長鎖の不飽和脂肪族アルコール及び長鎖の不飽和脂肪酸、特にオメガ-3脂肪酸のモノエステルであり、本発明のオイル組成物は室温で完全な可溶性且つ易流動性である。
【0016】
本発明のオイル組成物を、高脂肪で肥満症を誘導する西洋型の食事に少量の補助食品として使用することで、かかる食事によって誘導される内臓脂肪の蓄積を特に阻害することが示された。さらに、本発明のオイル組成物は、かかる食餌によって誘導される心臓機能の障害を妨げることができることが示された。本発明のオイル組成物は、換言すれば、肥満症を誘導する西洋型の食事による最も害のある影響を妨げるために用いることができる。
【0017】
本発明のオイル組成物は、海洋性カイアシであるカラヌス フィンマルキクスから得られた。このオイルの化学組成は他のオイルと著しく異なる。それが誘発するかもしれない可能性のある生医学的な反応についても異なるかどうかが調査された。しかしながら、肥満症を誘導する高脂肪(24 % w/w)の西洋型の食事に本オイル組成物がわずか1.5 % (w/w)含有することで結果としてラットにおける内臓脂肪の蓄積を統計学的に非常に著しく減少させ、他の脂肪組織における脂肪の増加又は沈着に影響を及ぼさないことを当業者に想到させる先行技術は存在しない。そのうえ、同じように予想外であるが、本オイル組成物は、この高脂肪食を摂食したラットの内臓脂肪蓄積を、肥満症を誘導しない対照食として使用される低脂肪(4 % w/w)食を摂食したラットと同じ水準に減らした。本オイル組成物は、肥満症を誘導する高脂肪食を長い期間摂食していた後であっても高い心臓性糖代謝によって示される、肥満症により誘導された2型糖尿病において典型的に見られる健常な心臓機能の悪化を妨げることができることは明白でもある。
【0018】
食物脂質における脂肪酸のn-6/n-3比は、身体における脂肪蓄積パターンに影響を及ぼす。高脂肪の西洋型の食事のような、この比率が高い(例えば> 5/1)食事は、n-6/n-3比が低い食事よりも中心性肥満及び内蔵脂肪の蓄積を誘導する傾向が強い。比較したところ、本発明のオイル組成物は、肥満症を誘導する高脂肪の西洋型の食事においてほんのわずかだけしか構成していないので、n-6/n-3脂肪酸比は我々の試験食においても5/1であった。
【0019】
本発明のオイル組成物は、n-3脂肪酸EPA(エイコサペンタエン酸=C20:5n-3)及びDHA(ドコサヘキサエン酸= C22:6n-3)や他の海洋性オイルのようなものを含む。しかしながら、EPA及びDHAのレベルは、魚油及びオキアミ類オイルよりいくらか低い(表1)が、ステアリドン酸(SDA = C18:4n-3)は豊富である。にもかかわらず、食事により誘導された内臓肥満症に対して観察される阻害は、EPA及びDHAの存在に起因すると主張されるかもしれない。しかしながら、海洋性ロウエステルを含むロウエステルは、トリグリセリド及びホスホリピドと比較して非常にゆっくりと消化され、ロウエステル中のEPA及びDHAは、直ぐには遊離酸として吸収して利用することができないことを心に留めておくべきである。事実、ロウエステルは消化しにくく、カラヌスフィンマルキクス由来のような海洋性ロウエステルが豊富なオイルはEPA及びDHAが乏しい源であることは、この分野の当業者の間では一般的に理解されている事柄である。そのうえ、上述のBelzung et al.(1993)の実験では、動物によって消費されるオメガ-3の量は一日0.7-1.4グラムの範囲であった。比較すると、本発明のオイル組成物は、肥満症を誘導する高脂肪食を摂食しているラットに対して一日0.06グラムのオメガ-3だけで寄与したことになる。従って、本発明に示される内臓脂肪蓄積の阻害は、Belzung et al.の実験のようなオメガ-3にも帰結されず、より健常な方向へのn-6/n-3脂肪酸の比率の変更にも起因しないと結論付けることができる。
【0020】
本発明によるオイル組成物は、海洋性のカイアシ、好ましくはカラヌス属のカイアシ(例:カラヌス フィンマルキクス)を由来とすることができる。捕れたての、冷凍/解凍の、又は脱水された原材料は、オイル組成物を得るための原材料として使用することができる。これは、当業者に知られている任意の方法、例えば、従来の魚油生産技術、生物工学的な方法、有機溶媒抽出、超臨界流体抽出、又は常温圧縮を用いることでなされるが、これらに限定されるものではない。オイル取得手順やオイル収率に依存しない、典型的な全組成を表1に示す。
【0021】
表1. 3つの異なる海洋性オイルの典型的な化学組成:(A)ノルウェー近海で捕らえたカラヌス フィンマルキクスを由来とするカイアシオイル、(B)大西洋タラであるタイセイヨウマダラを由来とするたら肝油、及び(C)南洋で捕らえたナンキョクオキアミを由来とするオキアミオイルであって、それらは、mg/gオイルで示されている。
【0022】
【表1】

1 カイアシオイルは、Calanus AS (www.calanus.no)によって製造されたものである。
2 出典:Falch, et al., Process Biochemistry 2006;41: 666-674
3 出典:Phleger, et al. Comparative Biochemistry and Physiology Part B 2002;131:733-747
4 出典:Standal et al., J. Am Oil Chem Soc 2008; 85:105-112
5 出典:Hagen et al., Marine Biology 2001;139:95-104
【0023】
全化学組成における顕著な差異の他に、説明の便宜のためにここで使用する3つの海洋性オイルは、n-3脂肪酸含有量についても異なる(表1)。
【0024】
本発明によるオイル組成の特徴を例示するために、従来型のたら肝油及びオキアミ類オイルに対応する組成を比較する目的で示す。全体の化学分析から、これらのオイルは、特にロウエステル、トリグリセリド、ホスホリピド及びアスタキサンチンの含有量については非常に異なることが明白である(図示せず)。本発明のカイアシオイルは、たら肝油及びオキアミ類オイルとは異なり、ロウエステルが主要な脂質成分を構成する点に留意する必要がある。
【0025】
3つのオイル間の脂肪酸組成において最も注目すべき差異は、カイアシオイルにおけるステアリドン酸(SDA)の含有量はより高く、ドコサヘキサエン酸(DHA) 含有量はより低いことである。
【0026】
本発明のオイル組成物において、SDA、EPA及びDHAは、大部分は不飽和長鎖の脂肪族アルコールとのエステルとして存在する。結論として、本発明のカイアシオイルは、典型的な魚油やオキアミオイルとは、全化学組成及び脂肪酸含有量が著しく異なる。しかながら、カイアシオイル全体におけるn-3脂肪酸のレベルは、他の海洋性オイルと類似している。
【0027】
本発明のオイル組成物におけるロウエステル及び脂肪族アルコール/脂肪酸の組合せの典型的な組成を表2に示す。
【0028】
表2. カラヌス フィンマルキクス由来のカイアシオイルにおけるロウエステル及び脂肪族アルコール/脂肪酸の組合せ(% (w/w))の典型的な組成。1
【0029】
【表2】

1 Graeve, M. and Kattner, G. Species-specific differences in intact wax esters of Calanus hyperboreus and C. finmarchicus from Fram Strait - Greenland Sea. Marine Chemistry 1992; 39:269-281を編集。
【0030】
本発明のオイル組成物における海洋性ロウエステルは、一価又は多価不飽和のいずれかによって特徴づけられ、長鎖の一価不飽和脂肪族アルコール(C16:1、C20:1及びC22:1脂肪族アルコールが支配的)並びにn-3脂肪酸SDA(C18:4)、EPA(C20:5)及びDHA(C22:6)を含む、一価と多価不飽和脂肪酸の高い比率(主にC16からC22)を有する。従って、本発明のオイル組成物は、室温では粘性が低く完全な易流動性の液体である。
【0031】
使用する分析法によるが、本発明のオイル組成物におけるロウエステルの典型的な含有量は、60-90%であり、10-20%の他の成分(例:遊離脂肪酸、トリアシルグリセロール、ステロール及び色素)が含まれている。ある種の応用においては、当業者には既知の適切な方法によって遊離脂肪酸及び他の成分を除去することが有利であったり、さらには望ましかったりするかもしれない。従って、本発明の一実施形態において、上記オイル組成物は、最高で100%のロウエステルを含むことができる。
【0032】
本発明のオイル組成物は、図1 - 3に示すように、内蔵脂肪の蓄積を阻害することができ、高脂肪の西洋型の食事によって誘導される健常な心臓機能の悪化を妨げることができることを示す。このように、本発明による組成物は、限定するわけではないが2型糖尿病及び循環器疾患のような、肥満症によって誘導される疾患の予防及び治療に役立たせてもよい。
【0033】
本発明によるオイル組成物には、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%(重量%)から75%、80%、85%、86%、87%、88%、89% 90%、91%、92%、93%、94%、95%,96%、97%、98%、99%、100%(重量%)までのロウエステルが含まれる。好ましくは、上記オイル組成物には、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87% 88%、89%(重量%)から90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、100%(重量%)までのロウエステルが含まれる。
【0034】
更に、本発明のオイル組成物には、5%、6%、7%、8%、9%、10%(重量%)から11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%(重量%)までのSDAが含まれる。
【0035】
オイル組成物のEPA含有量は、3%、4%、5%、6%、7%(重量%)から8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%(重量%)までであってもよい。上記組成物は、2%、3%、4%、5%(重量%)から6%、7%、8%、9%、10%(重量%)までのDHAを含んでもよい。
【0036】
本発明の実施形態において、20-100重量%のロウエステル、好ましくは40-85重量%のロウエステルを含むオイル組成物であって、上記ロウエステルは主に一価又は多価不飽和C16からC22脂肪酸と主に一価不飽和C16、C20及びC22脂肪族アルコールのモノエステルからなるものであり、腹部肥満症及び肥満症関連疾患の予防用又は治療用薬剤として使用するためのものである、オイル組成物が提供される。
【0037】
本発明のオイル組成物の一実施形態において、ロウエステルにおける一価不飽和脂肪族アルコールの70%以上は、C16:1、C20:1及びC22:1である。
【0038】
別の実施形態では、肥満症関連疾患は2型糖尿病又は循環器疾患である、組成物が提供される。
【0039】
更なる実施形態において、追加提供される組成物は、5-20重量%のステアリドン酸(SDA)を含む。3-20重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)及び2-15重量%のドコサヘキサエン酸(DHA)を更に含むオイル組成物は、本発明の別の実施形態において提供される。
【0040】
本発明の別の一実施例において、オイル組成物は、モノエステルとして脂肪族アルコール並びにSDA、DHA及びEPAを含む。
【0041】
本発明の更に別の実施形態において、500-4000ppmのアスタキサンチンを更に含む組成物が提供される。
【0042】
本発明の実施形態においてはオイル組成物が提供され、上記オイル組成物はカイアシから単離され、更なる実施形態においては、カイアシはカラヌス属である。更にもう一つの実施形態においては、カイアシは、カラヌス フィンマルキクス種である。
【0043】
本発明に従い記載されるオイル組成物を含む栄養補助食品製剤及び機能性食品又は飼料製剤が本発明の追加の実施形態としても提供される。
【0044】
本発明の実施形態において、本発明に従い記載されるオイル組成物を含む医薬製剤が提供される。医薬製剤は、カプセル、錠剤、乳化剤又は強壮剤にて提供される。更に、製剤は、アジュバント、安定剤、抗酸化剤、乳化剤、界面活性剤及び担体からなる群より選択される1又は複数の医薬的に許容可能な添加剤を含む。
【0045】
本発明の実施形態において、腹部肥満症の予防又は治療のための薬剤の製造に関して上記記載のオイル組成物の使用が提供される。更に、肥満症関連疾患の予防又は治療のための薬剤の製造に関するオイル組成物の使用が提供され、上記肥満症関連疾患は2型糖尿病又は循環器疾患である。
【0046】
本発明の更に別の実施形態において、腹部肥満症の予防又は治療のための方法が提供され、上述の通り、一日の量として0.5-5gのオイル組成物をかかる治療を必要とするヒト患者に投与する。更に、肥満症関連疾患の予防又は治療のための方法が提供され、上記肥満症関連疾患は2型糖尿病又は循環器疾患である。
【0047】
哺乳動物(特にヒト)に対するその有用性に加え、限定するわけではないが、サケ及びマスを含む水産養殖魚についての主な問題を防止できることは本発明の実施形態でもある。サケやマスのような魚は、配合乾燥飼料のペレットを摂食すると多量に腸内脂肪を貯めることが養魚に精通している養魚場経営者等の間では公知である一方で、この養殖サケの「品質問題」は海洋において自然に利用できる食品生物を摂食している野生のサケにおいては明らかにされていない。内臓脂肪の蓄積は、時には、内臓を取り出された養殖魚において腸が単に認識できる程度にまで高くなる場合がある。野生魚と養殖魚(例えばサーモン及びマス)との間におけるこの品質の差に関する理由は、水産養殖セクターで働いている国際的飼料製造業者又はその他の人々には全く知られていない。それにもかかわらず、人工飼料においていくつかの種類のバランスが悪いこと又は野生魚が海洋の自然食料から得る構成成分の内の1又は複数の欠如を対応しなければならないことは、一般的には受け入れられている。従って、本発明の更なる実施形態は、全部のカイアシ製剤又はオイル組成物であって本発明にかかるもののいずれかをこの食料源として使用することで魚飼料を強化し、養殖魚の内臓脂肪の蓄積を防止することである。
【0048】
以下の非制限的な実験に関する部分及び実施例が本発明を例示し、文書化する。
【実施例】
【0049】
実験
動物実験は、ノルウェーのトロムソ大学医学部で行われた。6週齢ウィスターラット(平均重量162グラム)を個別に檻に入れ、21℃、湿度55%及び12:12hの明暗サイクル(午前7時から午後7時まで灯火)を維持した部屋に収容した。動物は、水と飼料が自由摂取であった。すべての手順は、ノルウェーの実験動物委員会の承認を得て、実験及び他の科学的目的に使用される脊椎動物の保護に関する欧州協定(EST NR. 123, 1986)に基づいた。ラットは、TestDiet(www.testdiet.com)によって製造された3つの異なる食餌を110日間、摂食させた:1) 4%の脂肪(2.37%のダイズ油及び1.89%のラード(w/w))を含んでいるコントロール食であり、総食餌エネルギー量の10%(コントロール(3.75kcal/g))にあたる;2) 24%の脂肪(2.89%のダイズ油及び20.68%のラード(w/w))を含んでいる、肥満症を誘導する高脂肪食であり、総食餌エネルギー量の45%(HF、4.65kcal/g)にあたる;3) 24%の脂肪(2.91%のダイズ油、19.15%のラード及び1.5%の本発明のオイル製剤)を含んでいる実験的な高脂肪食であり、総食餌エネルギー量の45%(HF + 1.5% CO、4.47kcal/g飼料)にあたる。食餌は、抗酸化剤又は防腐剤なしで調製され、摂食させる前まで凍結保存した。
【0050】
屠殺の日、ヘパリン及び麻酔投与の後に全体重を記録した。肝臓及び心臓(hearth)の重量は、胴体から取り除かれた後に記録し、内臓(腎周)の脂肪を分離して重量測定した。データを表3及び図1に示す。心臓代謝は、標準的な手順(E. Aasum, A. M. Khalid, O. A. Gudbrandsen, O.-J. How, R. K. Berge, T. Larsen. Fenofibrate modulates cardiac and hepatic metabolism and increases ischemic tolerance in diet-induced obese mice. Journal of Molecular and Cellular Cardiology 2008;44:201-209)に従い、灌流下の摘出した心臓におけるブドウ糖酸化として測定した。結果を図2に示す。
【0051】
別のセットの実験においては、ラットの場合に記載したのと同じ食餌を50日間マウスに摂食させた。ブドウ糖負荷試験のためにマウスを5時間絶食させ、ブドウ糖の腹腔内注射(1.3g/kg)を行った。血液試料は、注射前と注射の15、30、60、及び120分後に伏在静脈から採取した。血糖値は、グルコメーター(Bayer Ascensia Contour Glucose Meter)を使用して測定した。結果を図3に示す。
【0052】
生物学的作用
表3:低脂肪対照食(コントロール)、肥満症を誘導する高脂肪食(HF)及び1.5重量%の本発明にかかるオイル製剤を含む実験的な高脂肪食(HF + 1.5% CO)を摂食させたラットに関する生物測定データ。飼養試験のスタート時の体重(胴体wt スタート)、飼養試験終了後の体重(胴体wt 屠殺)、飼養試験終了後の肝臓重量(肝臓wt)、飼養試験終了後の心臓重量(心臓wt)並びに、飼養試験終了後の心臓重量と体重との比率及び心臓重量と脛骨(けい骨)の長さ(mm)との比率に関する値。値は、平均±95% C.I.(n= 10)である。
【0053】
【表3】

* wwt = 湿重量(グラム)、dwt = 乾燥重量(グラム)。値は、1000を掛け算したものである。
【0054】
表3に示すように、110日後の平均総体重(及び重量増加)は、2つの高脂肪(高エネルギー)食を摂食したラットと同じであったが、より低いエネルギー対照食を摂食したラットは、予想通り重量増加がより少なかった。
【0055】
他の生物測定データは、顕著な差異がグループ間にないことを示す。2つの高脂肪食のグループにおけるラットは、一日の飼料摂取量が同じであり、それらの水分摂取量も同じであった(データは示さない)。対照グループは、2つの高脂肪グループのラットよりいくらか多くの飼料を消費したが、一日のエネルギー摂取量はより低かった。これは重量増加がより少なかったことから明らかになった。結論として、本発明のオイル組成物は、高脂肪食を摂食したラットのパフォーマンスには影響を及ぼさないこと、そして動物に対する副作用の徴候がなかったことが実験から示された。
【0056】
動物を110日の摂食後に屠殺して開腹した際、2つの高脂肪のグループ間における顕著な差異は肉眼で観察できる:本発明のオイル組成物を補充した実験的な高脂肪食におけるラットは、対応する高脂肪のグループより目に見えて内蔵脂肪が少なかった。これは、ほとんど同じサイズのラットを比較する場合、低脂肪の対照食を摂食してきたラットにおける内臓脂肪の蓄積に似ている。3つのグループにおける内蔵脂肪の重量に関する統計分析は、この直接目視にて確認した。図1に示すように、内蔵脂肪の量は、体サイズによって増加し摂食計画には依存しないので、3つの食事のグループにおける腎周脂肪に関する主要なデータは、屠殺時の体重の関数としてプロットした。
【0057】
これらの重量データを統計的に処理することで以下のことが明らかになった:3つ全てのグループにおいて内蔵脂肪重量と胴体重量の間には明確な直線の相関があり、対照グループ(コントロール)に関してp = 0.034、高脂肪のグループ(HF)に関してp = 0.003及び本発明のオイル組成物を含む実験グループ(HF + 1.5% CO)に関してp = 0.018の統計的有意水準を有する。統計的に有意な相関が内蔵脂肪重量と体重との間に存在するという事実に基づくと、グループ間の統計的な差異は、共分散として重量を使用するANCOVA分析によって算出することができる。実験的なオイルを含むグループと、対応する高脂肪食グループとの間の差異が統計的に有意(p = 0.00241)であった一方で、統計的に有意な差異が実験的なオイルグループと低脂肪グループの間にはなかったことが分析から示された。まとめると、実験的なオイルグループ及び低脂肪対照グループは、高脂肪グループと有意差(p = 0.0084)があった。従って、結論として、肥満症を誘導する高脂肪食へ少量の補助食品として与えた本発明のオイルは、内蔵脂肪の蓄積を阻害する。
【0058】
図2は、3つの食餌を摂食していたラットの心臓の筋組織におけるブドウ糖の酸化能力を示す。高脂肪食(HF)のラットは、低脂肪のコントロール食(コントロール)のラットと比較するとブドウ糖酸化能力が減少した一方で、1.5%の本オイル組成物を含む高脂肪食(HF + 1.5% CO)を摂食してきたラットにおいては、ブドウ糖酸化能力は低脂肪コントロールのラットの能力と同等であった。従って、肥満症を誘導する高脂肪食を摂食している時間が長かった後でも、本オイル組成物は健常な心臓機能の悪化を妨げることができることは明白である。
【0059】
図3(A)は、コントロール食 (コントロール)、高脂肪食(HF)及びオイル組成物を有する高脂肪食(HF + 1.5% CO)をそれぞれ与えられたマウスの腹腔内ブドウ糖負荷試験中の血糖値を示す。図3(B)は、パネルAに示されるブドウ糖耐性曲線下面積を示す。データは、平均±SEとして表される。* P < 0.05(HF対コントロール);# P < 0.05(HF + 1.5% CO対HF)。
【0060】
HFマウスの血糖値は、コントロールマウスと比較して腹腔内ブドウ糖負荷試験中に著しく増加した。50日間、高脂肪食を摂食することで2型糖尿病に特有のインシュリン耐性が誘導されたことをこれらの結果から示される。重要なこととして、高脂肪食に1.5%の本発明のオイル組成物を含有させたものは、インシュリン耐性の発症を妨げた。
【0061】
高脂肪食(HF)のマウスは、コントロール食(コントロール)のマウスと比較して、心筋ブドウ糖酸化率を減少させた(p < 0.05)。しかしながら、ブドウ糖酸化は、1.5%の本オイル組成物を含む高脂肪食(HF + 1.5%CO)を摂食していたマウスにおいて部分的に回復した(p < 0.05)。従って、本発明のオイル組成物は、高脂肪食を摂食した後に発生する心筋ブドウ糖酸化能力の減少を妨げることができることは明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
20-100重量%のロウエステル、好ましくは40-85重量%のロウエステルを含むオイル組成物であって、
前記ロウエステルは、主に一価又は多価不飽和C16からC22脂肪酸と主に一価不飽和C16からC22脂肪族アルコールのモノエステルからなり、腹部肥満症及び肥満症関連疾患の予防用又は治療用薬剤として使用するためのものである、オイル組成物。
【請求項2】
前記ロウエステルにおける前記一価不飽和脂肪族アルコールの70%以上は、C16:1、C20:1及びC22:1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ロウエステルにおける前記脂肪族アルコールの70%以上は、一価不飽和であり、
前記ロウエステルにおける前記脂肪酸の50%以上は、一価又は多価不飽和n-3脂肪酸のいずれかである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記肥満症関連疾患は、2型糖尿病又は循環器疾患である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、5-20重量%のステアリドン酸(SDA)を含む、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、3-20重量%のエイコサペンタエン酸(EPA)と2-15重量%のドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、モノエステルとして脂肪族アルコール並びにSDA、DHA及びEPAを含む、請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、500-4000ppmのアスタキサンチンを含む、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、カイアシから単離される、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
前記カイアシは、カラヌス属である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記カイアシは、カラヌス フィンマルキクス種である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の組成物を含む、栄養補助食品製剤。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載の組成物を含む、機能性食品又は飼料製剤。
【請求項14】
請求項1から11のいずれかに記載の組成物を含む、医薬製剤。
【請求項15】
カプセル、錠剤、乳化剤又は強壮剤にて提供される、請求項12又は14に記載の製剤。
【請求項16】
アジュバント、安定剤、抗酸化剤、乳化剤、界面活性剤及び担体からなる群より選択される1又は複数の医薬的に許容可能な添加剤を含む、請求項15に記載の製剤。
【請求項17】
腹部肥満症の予防又は治療のための薬剤の製造に関する、請求項1から11のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項18】
肥満症関連疾患の予防又は治療のための薬剤の製造に関する、請求項1から11に記載の組成物の使用。
【請求項19】
前記肥満症関連疾患は、2型糖尿病又は循環器疾患である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
一日の量として0.5-5gの請求項1から8のいずれかに記載のオイル組成物をかかる治療を必要とするヒト患者に投与する、腹部肥満症の予防又は治療のための方法。
【請求項21】
前記肥満症関連疾患は、2型糖尿病又は循環器疾患である、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−529503(P2012−529503A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514911(P2012−514911)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【国際出願番号】PCT/NO2010/000223
【国際公開番号】WO2010/143977
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(511159783)
【Fターム(参考)】