説明

オキシム、チアゾリジン、ジチアン、ジチオランまたはヒドラゾンが連結した成長ホルモンの類似体の作製方法

結合型成長ホルモンの作製の方法が提供され、ここにおいて、GH由来のアルデヒドまたはケトンが、双極性溶媒存在下、酸性pHで、アルコキシアミン、ヒドラジンまたは2-アミノチオール化合物と反応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合成分(conjugating moiety)が、オキシム、チアゾリジン、ジチアン、ジチオランまたはヒドラゾン結合によって成長ホルモンに結合した、結合型(conjugated)成長ホルモン(GH)の作製の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薬理学的性質が改善された結合体(conjugates)を得る目的で、ポリエチレングリコール(PEG)、脂肪酸、またはその他の化合物を、ペプチドおよびタンパク質に共有結合させることは、十分確立された戦略である(Zobel et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 1513-1515)。化合物のタンパク質への共有結合は、一般に、アシル化(リジン側鎖での、またはN末端アミノ酸でのアミド結合形成)により、または、適したアルコキシルアミン、ヒドラジンもしくは2-アミノチオール化合物と、タンパク質由来のケトンもしくはアルデヒドとを縮合反応させ、それぞれオキシム、ヒドラゾン、またはチアゾリジンを得ることにより(Shao and Tam, J. Am. Chem. Soc. 1994, 117, 3893-3899) 行われる。これらの反応は、しかしながら、タンパク質、生成される結合型タンパク質、および結合試薬が溶解する条件でのみ行うことができる。
【0003】
ヒト成長ホルモン(hGH)のPEG由来のアシル化試薬によるアシル化は、hGH結合体に薬理学的性質の改善をもたらすことがわかっている(R. Clark et al. J. Biol. Chem. 1996, 271, 21969-21977)。しかしながら、位置選択的なhGHのアシル化は、困難である。というのは、このタンパク質が、同様な反応性を示す7つのリジン残基を含んでおり、通常、混合した生成物が生成されるためである。これらの混合物の単一の構成成分は、単離するのが難しく、通常、収率および精製度が低い状態でしか得られないことが予想される。それゆえ、成長ホルモン由来のケトンまたはアルデヒドを、適したアルコキシルアミン、ヒドラジン、アミノチオールまたはジチオール化合物と反応させ、オキシム、ヒドラゾン、またはチアゾリジンが連結した結合体に変換する方法の発見が望まれる。出発原料である成長ホルモンに、ケトンまたはアルデヒド官能基が1つのみ存在している場合、結合は成長ホルモンの1つの部位のみで起こり、ヒトのための治療剤として適した、高度に均質な生成物が得られる可能性がある。
【0004】
成長ホルモンは、体細胞成長の調節のみでなく、タンパク質、炭水化物および脂質の代謝の調節にも関与する重要なホルモンである。成長ホルモンの主な効果は、成長を促進することである。ヒト成長ホルモン(hGH)は、FPTIPLSRLFDNAMLRAHRLHQLAFDTYQEFEEAYIPKEQKYSFLQNPQTSLCFSESIPTPSNREETQQKSNLELLRISLLLIQSWLEPVQFLRSVFANSLVYGASDSNVYDLLKDLEEGIQTLMGRLEDGSPRTGQIFKQTYSKFDTNSHNDDALLKNYGLLYCFRKDMDKVETFLRIVQCRSVEGSCGF (SEQ ID NO:1)の配列を有する、191アミノ酸残基のタンパク質である。
【0005】
ShaoおよびTamは、文献中で(J.Am.Chem.Soc., 1995, 117, 3893-3899)、VA20由来のアルコキシアミン、ヒドラジンまたは2-アミノチオールと、グリオキシリル-リジニル(glyoxylyl-lysinyl)ペプチドとの反応が、それぞれpH 4.2、4.7および4.0にて最も高い反応速度を示し、有機溶媒を添加することで、さらにこの速度が増加することが示されている。VA20は、ネコ免疫不全ウイルスの表面タンパク質由来で高度に塩基性の20アミノ酸残基のペプチドであり、11.4付近に等電点(pI、水への溶解度が最も低くなるpHの値)を有する。
【0006】
hGHの等電点は5.1であり、例えばhGH由来のアルデヒドまたはケトンのオキシム化を、4付近のpH(例えば、酢酸存在下)で行う場合、通常タンパク質の沈殿が生じ、高収率のオキシムを得ることはできない。この沈殿は、PEGの存在下でさらに促進されることが予想される。というのは、この物質が、水に高い親和性を示し、タンパク質の沈殿を引き起こすためである。
【発明の概要】
【0007】
発明者らは、双極性溶媒の存在下、酸性pHで反応を行い有用な反応速度を維持することで、(a)GH由来のアルデヒドまたはケトンと、(b)適したアルコキシアミン、ヒドラジン、アミノチオールまたはジチオール化合物との間の反応における、反応物および/または生産物の沈殿を避けることができることを発見した。
【0008】
従って、本発明は、非結合型成長ホルモン化合物(元の成長ホルモン)と比較して、薬理学的性質が改善された結合型GHの作製のための方法であって、双極性溶媒の存在下、pH 1-7で、GH由来のアルデヒドまたはケトンと、アルコキシアミン、ヒドラジン、アミノチオールまたはジチオール化合物との間での反応を含む方法を提供する。この反応により、結合成分が、オキシム、チアゾリジン、ジチアン、ジチオランまたはヒドラゾン結合を介して、GHにつながっている結合型GHが得られる。
【0009】
本発明はまた、薬理学的性質が改善した結合型GH化合物を提供する。
【定義】
【0010】
本願の文脈において、「成長ホルモン」(GH)は、本出願の試験Iで決定されるような成長ホルモン活性を示すタンパク質を表すよう意図される。前記試験において、hGHの活性に対して、20%超、例えば40%超、例えば60%超、例えば80%超の活性を示すタンパク質が、成長ホルモン化合物として定義される。
【0011】
「遊離基」または「二端遊離基(biradical)」という用語は、それぞれ1また2の不対電子を有する分子断片(molecular fragment)を表すよう意図される。そのような断片は、均等結合開裂(homolytic bond cleavage)、すなわち、生成される2つの断片のそれぞれが本来の結合を形成する2つの電子の内1つを含むような結合開裂により、1つまたは2つの原子(例えば、水素)もしくは原子のグループ(例えば、水酸基)を除去することで、形式的に、つくられてよい。
【0012】
本出願で使用される「hGH(141)」は、hGHのグルタミン(141)からCONH2-基を形式上除くことで作られる遊離基を意味し、「hGH(40)」は、hGHのグルタミン(40)からCONH2-基を形式上除くことで作られる遊離基を意味し、および「hGH(40,141)」は、hGHのグルタミン(40)およびグルタミン(141)からCONH2-基を形式上除くことで作られる遊離基を意味する。hGH(40/141)は、hGHのグルタミン(40)および/またはグルタミン(141)からCONH2-基を形式上除くことで作られる遊離基を意味し、2以上のhGH(40)、hGH(141)、およびhGH(40,141)の混合物を包含する。
【0013】
本願文脈において、タンパク質は、ペプチド結合でつながった2以上のアミノ酸の配列を表すよう意図され、該アミノ酸は、天然または非天然のどちらでもよい。本用語はまた、例えば、親油基、PEGまたは補欠分子族の付加により誘導体化されたタンパク質を含むよう意図される。
【0014】
「シバクロニル(cibacronyl)」という用語は、以下に図示される遊離基、またはその何れかの塩もしくは溶媒和化合物を意味する。
【化11】

【0015】
「双極性溶媒和化合物」という用語は、比誘電率が6.0より大きい溶媒和化合物を表す。
【0016】
本願において互換的に使用される「PEG」または「Peg」という用語は、以下の構造の、多分散または単分散のジラジカルを意味し、
【化12】

【0017】
この中で、nは1より大きい整数であり、その分子量は、約100から約1,000,000 Daの間である。
【0018】
従って、PEGまたはPegは、ポリ(エチレングリコール)、ならびに、ポリ(エチレングリコール)モノアルキルエーテルを表し、該アルキルは、この文脈において、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルといったC1-6アルキルを表すよう意図される。例えば、mPEG(XX k)は、分子量が約XX kDのポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルを表している。例として、mPEG(30k)は、分子量が約30 kDの、すなわち、約680±100エチレングリコール単位を含む、ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルを表すよう意図される。このポリマーの分子量分布(molecular weight distribution)は、バッチごとに異なってよい。PEG(XX k)は、直鎖状ポリ(エチレングリコール)もしくはポリ(エチレングリコール)モノアルキルエーテル、または分枝鎖状ポリ(エチレングリコール)もしくはポリ(エチレングリコール)モノアルキルエーテルのどちらかを指す。
【0019】
本願において互換的に使用される「mPEG」または「mPeg」という用語は、以下の構造の、多分散または単分散のラジカルを意味し、
【化13】

【0020】
この中で、mは1より大きい整数である。従って、mが90であるmPEGは、3991 Daの分子量、すなわち約4 kDaの分子量を有する。同様に、平均分子量20 kDaのmPEGは、mの平均が454である。mPEGを作製の過程により、これらの分子はしばしば、分子量の分布を有す。この分布は、多分散指数(polydispersity index)により記述される。
【0021】
mのこの分布によって、20 kDaの分子量を有すmPEGは、MeO-(CH2CH2O)400-500としても表してよく、30 kDaの分子量を有すmPEGは、MeO-(CH2CH2O)600-700としても表してよく、および40 kDaの分子量を有すmPEGは、MeO-(CH2CH2O)850-950としても表してよい。より重いmPEG鎖は、一本鎖分子として作製することが困難である可能性があり、従って、分枝mPEGとして作られる。特に、40 kDaの分子量を有するmPEGは、それぞれ20 kDaのアームを含む分枝mPEGとして達成されてよい。
【0022】
本出願にて使用される「多分散指数(polydispersity index)」という用語は、重量平均分子量と数平均分子量の比を意味し、ポリマー化学の分野において既知である(例えば、“Polymer Synthesis and Characterization”, J.A. Nairn, University of Utah, 2003参照)。多分散指数は、1以上の数であり、ゲル透過クロマトグラフィーのデータから推定してよい。多分散指数が1の場合、生成物は、単分散であり、従って単一の分子量の化合物からできている。多分散指数が1より大きい場合、これは、そのポリマーの多分散の尺度となり、すなわち、異なる分子量を有するポリマーの分布がどれだけ広いかが表される。
【0023】
式、化合物名にて、または分子構造にて例えば「mPEG20000」を使用した場合、mPEGが多分散であり約20 kDaの分子量を有すmPEG残基であることを表す。
【0024】
多分散指数は、典型的に、PEGまたはmPEGの分子量に伴い増大する。20 kDa PEGおよび特に20 kDa mPEGと言及された場合、これは、多分散指数が1.06未満、例えば1.05未満、例えば1.04未満、例えば1.03未満、例えば1.02から1.03の間の値をとる化合物(または実際には、化合物の混合物)を表すよう意図される。30 kDa PEGおよび特に30 kDa mPEGと言及された場合、これは、多分散指数が1.06未満、例えば1.05未満、例えば1.04未満、例えば1.03未満、例えば1.02から1.03の間の値をとる化合物(または実際には、化合物の混合物)を表すよう意図される。40 kDa PEGおよび特に40 kDa mPEGと言及された場合、これは、多分散指数が1.06未満、例えば1.05未満、例えば1.04未満、例えば1.03未満、例えば1.02から1.03の間の値をとる化合物(または実際には、化合物の混合物)を表すよう意図される。
【0025】
本願で使用される「アリーレン」という用語は、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、インデン、ペンタレンおよびアズレンといった1以上の環を含む、炭素環式芳香環系から誘導される、二端遊離基を表すよう意図される。そのような部分的に水素付加された誘導体の例は、1,2,3,4-テトラヒドロナフテンおよび1,4-ジヒドロナフテンを含む。アリーレンの例は、1,2-フェニレン、1,3-フェニレン、1,4-フェニレン、1,2-ナフチレン、1,4-ナフチレン、4,4'-ビフェニレン、4,4''-テルフェニレンおよび4,4'''-クアテルフェニレンを含む。
【0026】
本出願で使用される「ヘテロアリーレン」という用語は、窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含む、複素環式芳香環系、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、テトラゾール、チアジアジン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、ベンズイソチアゾール、ベンゾキサゾール、ベンズイソキサゾール、プリン、キナゾリン、キノリジン(quinolizine)、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ナフチリジン(naphthyridine)、プテリジン、カルバゾール、アゼピン(azepine)、ジアゼピン、アクリジン等から誘導される二端遊離基を表すよう意図される。本用語はまた、上に列挙した多環複素環式系の部分的に水素付加された誘導体であって、少なくとも1つのヘテロ原子を含む環が芳香族である誘導体を含むよう意図される。そのような部分的に水素付加された誘導体の例には、2,3-ジヒドロベンゾフラン、ピロリン、ピラゾリン、インドリン(indoline)、オキサゾリジン、オキサゾリンおよびオキサゼピン(oxazepine)が含まれる。「ヘテロアリーレン」の例は、1,2,4-ピラゾール-2,5-ジイル、イミダゾール-1,2-ジイル、チアゾール-2,4-ジイル、(4-フェニルイミダゾール)-4,1'-ジイルおよび(3,5-ジフェニル-1,2,4-オキサジアゾール)-4,4''-ジイルを含む。
【0027】
本文脈において、アルコキシアミン化合物は、アルコキシアミン(-O-NH2)成分を含む化合物を表すよう意図される。
【0028】
本文脈において、ヒドラジン化合物は、ヒドラジン(-N-NH2)成分を含む化合物を表すよう意図される。
【0029】
本文脈において、アミノチオール化合物は、少なくとも1つのメルカプト基(-S-H)および少なくとも1つのアミノ基(-N-H)を含む化合物を表すよう意図される。
【0030】
本文脈において、ジチオール化合物は、ジチオール(以下の構造)成分を含む化合物を表すよう意図される。
【化14】

【発明の詳細な説明】
【0031】
一実施態様において、反応は、5.1から7.0の間のpHで進行し、例えば5.5から6.5、例えば5.8から6.2、例えば6.0周辺のpHで進行する。
【0032】
一実施態様において、双極性溶媒は、N-メチルピロリジノン(methylpyrrolidinone)(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド、DMSO、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、1,3-ジメチルテトラヒドロピリミジン-2-オン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N-ギ酸メチル、ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはN-メチルアセトアミドである。一実施態様において、双極性溶媒は、NMP、N,N-ジメチルホルムアミドおよびDMSOから選択される。典型的に、双極性溶媒は、10-95 (v/v)%の量で存在し、例えば10-70 (v/v)%、例えば10-50 (v/v)%、例えば10-30(v/v)%、例えば10-20 (v/v)%、例えば10-15 (v/v)%の量で存在する。典型的に、残りの体積は水で埋められる。
【0033】
本発明の反応のための条件は、様々な方法で達成されてよい。一実施態様において、GH由来のアルデヒドまたはケトンを、任意の水性双極性溶媒に溶解し、pHを1から7の間に調整し、その後、水、水および双極性溶媒の混合液、または双極性溶媒単独に溶解した、適したアルコキシルアミン、ヒドラジン、2-アミノチオールまたはジチオール化合物を添加する。あるいは、アルコキシルアミン、ヒドラジン、2-アミノチオールまたはジチオール化合物の溶液を、任意の水性双極性溶媒にGH由来のアルデヒドまたはケトンを溶解してできる溶液に加えた際に、直接pHが1から7となるように、アルコキシルアミン、ヒドラジン、2-アミノチオールまたはジチオール化合物を、任意に双極性溶媒を含む、適した緩衝液に溶解してよい。あるいは、双極性溶媒の代わりに、タンパク質の可溶性を増強する化合物を水またはその他の溶媒に溶解してできる溶液を使用してよい。そのような化合物は、尿素、グアニジン塩酸塩、メチルグアニジン塩酸塩、チオシアン酸塩、過塩素酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム等であってよい。
【0034】
有用な緩衝液系には、例えば2-メチルピリジンといったアミンの併用によるトリフルオロ酢酸(TFA)を含む。別の有用な緩衝液系には、例えば2-メチルピリジンといったアミンの併用による酢酸を含む。
【0035】
一実施態様において、GHは、ヒト成長ホルモン(hGH)である。
【0036】
一実施態様において、GHは、hGHの変種(variant)であり、ここにおいて、変種は、hGH配列中の1以上のアミノ酸残基を別の天然または非天然アミノ酸で置換することにより;および/または、hGH配列に1以上のアミノ酸残基を付加することにより;および/または、hGH配列から1以上のアミノ酸残基を欠失させることにより得られる化合物であると解され、これらの何れかの工程は、その後任意に、1以上のアミノ酸残基の更なる誘導体化を行ってよい。特に、そのような置換は、1つのアミノ酸が、同じグループの別のアミノ酸、すなわち同様な性質を有した別のアミノ酸で置換されるという意味で保存的なものである。アミノ酸は、都合よく、その性質を基に以下の群に分類してよい:塩基性アミノ酸(たとえば、アルギニン、リジン、ヒスチジン)、酸性アミノ酸(例えば、グルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(例えば、グルタミン、システインおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(例えば、ロイシン、イソロイシン、プロリン、メチオニンおよびバリン)、芳香族アミノ酸(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン)および小アミノ酸(small amino acids)(例えば、グリシン、アラニン、セリンおよびスレオニン)。
【0037】
一実施態様において、GHは、hGHと少なくとも80%の同一性(identity)を有し、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%の同一性を有する。一実施態様において、前記hGHとの同一性は、本出願中の試験Iで決定されるhGHの成長ホルモン活性の少なくとも20%の活性に結びつき、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも80%の活性に結びつく。
【0038】
当該分野において知られる「同一性」という用語は、配列の比較から決定される、2以上のタンパク質間の関係を指す。当該分野において、「同一性」とはまた、2以上のアミノ酸の紐(string)間の一致数にて決定される、タンパク質間の配列の関連性の度合いを意味する。「同一性」は、(必要あれば)特定の数学的モデルまたはコンピュータープログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって処理されるギャップ・アラインメントで、2以上の配列の、より小さな部分間の一致のパーセントが測定される。関係のあるタンパク質の同一性は、既知の方法によって容易に計算することができる。そのような方法には、文献[Computational Molecular Biology, Lesk, A. M., ed., Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D. W., ed., Academic Press, New York, 1993;Computer Analysis of Sequence Data, Part 1, Griffin, A. M., and Griffin, H. G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994;Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M. Stockton Press, New York, 1991;およびCarillo et al., SIAM J. Applied Math., 48:1073 (1988)]に記載される方法が含まれるが、これらの方法に限定されるわけではない。
【0039】
同一性を決定する好ましい方法は、試験する配列間で最大の一致が得られるように設計される。同一性を決定する方法は、公に利用可能なコンピュータープログラムに記載されている。2つの配列間の同一性を決定するための、好ましいコンピュータープログラム法には、GAPを含むGCGプログラムパッケージ(Devereux et al., Nucl. Acid. Res., 12:387 (1984); Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, Wis.)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA (Altschul et al., J. Mol. Biol., 215:403-410 (1990)) が含まれる。BLASTXプログラムは、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)およびその他の供給元から提供され(BLAST Manual, Altschul et al. NCB/NLM/NIH Bethesda, Md. 20894; Altschul et al., supra)、公に利用可能である。周知となっているスミス・ウォーターマン(Smith Waterman)アルゴリズムもまた、同一性の決定のために使用してよい。
【0040】
例えば、コンピューターアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, Wis.)を使用する場合、配列の同一性のパーセントを決定しようとする2つのタンパク質は、それぞれのアミノ酸が最適に一致するよう並べられる(アルゴリズムによって決定される「一致全長(matched span)」)。ギャップ開始ペナルティ(gap opening penalty)(3×平均対角(average diagonal)によって計算される;「平均対角」とは、使用される比較行列(comparison matrix)の対角の平均である;「対角」とは、特定の比較行列により、それぞれのアミノ酸完全一致に割り当てられるスコアまたは数である)およびギャップ伸長ペナルティ(gap opening penalty)(通常、{割合(fraction)(1/10)}×ギャップ開始ペナルティ)、ならびにPAM 250またはBLOSUM 62といった比較行列は、アルゴリズムと組み合わせて使用される。標準的な比較行列(PAM 250比較行列については、Dayhoff et al., Atlas of Protein Sequence and Structure, vol. 5, supp.3 (1978);BLOSUM 62比較行列についてはHenikoff et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:10915-10919 (1992)を参照)もまた、アルゴリズムに使用される。
【0041】
タンパク質配列比較に好ましいパラメーターは、以下を含む:
アルゴリズム:Needleman et al., J. Mol. Biol, 48:443-453 (1970);比較行列:BLOSUM 62 (Henikoff et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:10915-10919 (1992));ギャップペナルティ:12、ギャップ長ペナルティ(Gap Length Penalty):4、類似性の閾値:0。
【0042】
GAPプログラムは、上記のパラメーターを用いた場合に有用である。上記のパラメーターは、GAPアルゴリズムを用いたタンパク質比較(終了ギャップに対してペナルティを伴わない)におけるデフォルトパラメーターである。
【0043】
一実施態様において、GHは、N末端において100アミノ酸残基まで伸長されたhGHである。特に、当該伸長は、50アミノ酸残基まで、例えば40アミノ酸残基まで、例えば20アミノ酸残基まで、例えば10アミノ酸残基まで、例えば5アミノ酸残基まで、例えば1、2、4または5アミノ酸残基の伸長である。
【0044】
一実施態様において、GHのpIは、hGHのpIと同様であり、例えば4.0から8.0の間、例えば4.0から6.0の間、例えば4.5から5.5の間である。GHのpIは、文献(M. Caplice, J.J.A. Heffron, Biochemical Education, 1988, 16, 91-92)に記載されるとおりに算出してよい。
【0045】
成長ホルモン由来のアルデヒドまたはケトンは、様々な経路によって作製してよい。GH由来のアルデヒドの作製の1つの可能性は、N末端にセリンまたはスレオニンを含むGHを、過ヨウ素酸塩で媒介して酸化する方法である。そのようなGHは、E.coliまたはその他の適した細胞に、標準的な遺伝的修飾を行い、所望の組み換えGH変種を作り出すようにすることで作製してよい。例えばhGHといったGHに付加されたセリンまたはスレオニンは、N末端に直接つなげられる必要はない。1以上のアミノ酸残基を、セリンまたはスレオニンと本来のN末端の間に挿入してよい。この実施態様において、生成される、GHを含むセリンまたはスレオニンは、式Z-XX-GH、例えばZ-XX-hGHと記載してよく、ここにおいて、Zはセリンまたはスレオニンを表し、XXは0-50アミノ酸の何れかの配列を表す。特に、Zはセリンを表す。特に、XXは40までのアミノ酸残基の配列を表し、例えば20まで、例えば10まで、例えば5まで、例えば0、1、2、3、4または5アミノ酸残基の配列を表す。特に言及されるのはSer-hGHである。
【0046】
あるいは、GH由来のアルデヒド、例えばhGH由来のアルデヒドは、hGHの誘導体の過ヨウ素酸塩で媒介される酸化により作製してよく、ここにおいて、1つまたは幾つかの利用可能なアスパラギン酸またはグルタミン酸残基は、一般式H2N-R4-CH(XH)-CHR5-XH(R4は、有機ジラジカルを表し、R5は有機遊離基を表し、およびそれぞれのXは独立にOまたはNHを表す)のアミンのアシル化に使用される。そのようなアシル化は、選択的に、例えばhGHといったGHを、過剰の前記アミンおよび適した酵素、例えばグルタミルトランスペプチダーゼまたはアスパルチルトランスペプチダーゼで処理することで達成されてよい。
【0047】
あるいは、GH由来のアルデヒドまたはケトン、例えばhGH由来のアルデヒドまたはケトンは、文献(S. Ito et al., J. Med. Chem. 1981, 24, 673-677)に記載されるように、一般式HS-R6-C(=O)-R7(R6 は、有機ジラジカルを表しR7は、水素または有機遊離基を表す)のチオールを、1つの利用可能なチロシン残基に、チロシナーゼ、例えばキノコチロシナーゼ(mushroom tyrosinase)によって結合させて作製してよい。
【0048】
あるいは、GH由来のアルデヒドまたはケトン、例えばhGH由来のアルデヒドまたはケトンは、文献(S. Ito et al., J. Med. Chem. 1981, 24, 673-677)に記載されるように、一般式HS-R8-CH(XH)-CHR9-XH(R8は、有機ジラジカルを表し、R9は水素または有機遊離基を表し、およびそれぞれのXは独立にOまたはNHを表す)のチオールを、チロシナーゼ、例えばキノコチロシナーゼによって結合させ、その後生成される生成物を過ヨウ素酸塩に媒介される酸化を行うことで作成してよい。
【0049】
あるいは、GH由来のアルデヒドまたはケトン、例えばhGH由来のアルデヒドまたはケトンは、GH、例えばhGHのカルボキシ末端と、側鎖の官能基としてケトンまたはアルデヒドを含む非天然α-アミノ酸アミドとのアミド形成によって作製してよい。そのような非天然α-アミノ酸アミドは、カルボキシペプチダーゼといった酵素の助けにより、GH、例えばhGHと結合されてよい。
【0050】
あるいは、GH由来のアルデヒドまたはケトン、例えばhGH由来のアルデヒドまたはケトンは、後にアルデヒドまたはケトンに変換され得る成分を含んだ化合物との、N末端アミノ基の還元的アルキル化によって得られてよい(US 20040127417を参照)。
【0051】
本発明による方法にて使用される、アルコキシアミン、ヒドラジン、アミノチオール、またはジチオール化合物、すなわち、最終的にGHに結合する成分を含む化合物は、非結合型GHと比較して、生成される結合型GHの1以上の薬理学的性質を改善する。特に、タンパク質遊離基、直鎖または側鎖PEGまたはmPEG遊離基およびそのアミノ誘導体;直鎖、分枝鎖および/または環状C1-22アルキル、C2-22アルケニル、C2-22アルキニル、C1-22ヘテロアルキル、C2-22ヘテロアルケニル、C2-22ヘテロアルキニル(ここにおいて、1以上の同素環式芳香族化合物二端遊離基または複素環式化合物二端遊離基が挿入されてよく、および前記C1-C22またはC2-C22遊離基は、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、カルボキシル、ヘテロアリールおよびアリールから選択される1以上の置換基で置換されてよく、前記アリールまたはヘテロアリールは、任意に、ヒドロキシル、ハロゲン、およびカルボキシルから選択される1以上の置換基でさらに置換されてよい);ステロイド遊離基;脂質遊離基;多糖体遊離基、例えば、デキストラン;ポリアミド遊離基、例えばポリアミノ酸遊離基;PVP遊離基;PVA遊離基;ポリ(1-3-ジオキサラン(dioxalane));ポリ(1,3,6-トリオキサン);エチレン/無水マレイン酸ポリマー;シバクロン(Cibacron)色素材料、例えばシバクロンブルー3GA、および本出願に援用されるWO 00/12587に記載されるような特定の長さのポリアミド鎖を含む結合化合物(conjugating compounds)が言及される。アルコキシアミン、ヒドラジン、アミノチオールまたはジチオール化合物はまた、2以上の上述の遊離基を含む、上述の遊離基の組み合わせを含んでよい。
【0052】
一実施態様において(実施態様i)、アルコキシアミン、ヒドラジン、アミノチオールまたはジチオール化合物(すなわち、結合化合物(conjugating compound))は式Iの化合物であり、
R1 -W [I]
ここにおいて、Wは、
【化15】

【0053】
を表し、
R3は、水素またはC1-6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルを表し;
R1は、R2-R4-を表し、ここにおいて、
R2は、
【化16】

【化17】

【化18】

【0054】
を表し;
および、R4は、結合、または、
【化19】

【0055】
を表し、ここにおいて、Ar = アリーレンは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、ともにカルボキシ、ヒドロキシ、ニトロ、またはシアノから選択される1以上の置換基で任意に置換されてよいものである。
【0056】
実施態様i)による、実施態様において(実施態様ii)、Wは、
【化20】

【0057】
を表す。
【0058】
実施態様i)もしくはii)の何れかまたは全てによる、一実施態様において(実施態様iii)、R2は、
【化21】

【化22】

【0059】
を表し、
ここにおいて、Qは、10-20、10-30、10-40、20-30、20-40、30-40の整数を表し、例えば10、20または30を表す。
【0060】
実施態様i)、ii)もしくはiii)の何れかまたは全てによる一実施態様において(実施態様iv)、R4は、
【化23】

【0061】
を表し、ここにおいて、Ar = アリーレンは、ピリジン二端遊離基またはニトロ置換フェニレンを表す。
【0062】
実施態様i)、ii)、iii)もしくはiv)の何れかまたは全てによる一実施態様において(実施態様v)、R2は、
【化24】

【化25】

【0063】
を表す。
【0064】
一実施態様において、式[I]による化合物は、
【化26】

【化27】

【0065】
の中から選択される。
【0066】
一実施態様において、式[I]による化合物は、
【化28】

【化29】

【0067】
の中から選択される。
【0068】
一実施態様において、式[I]による化合物は、
【化30】

【化31】

【0069】
の中から選択される。
【0070】
一実施態様において、式[I]による化合物は、
【化32】

【化33】

【0071】
の中から選択される。
【0072】
上記の通り、本発明はまた、式[I]の化合物をGH(例えばhGH)に結合させることにより作製される、結合型GH化合物を提供する。式[I]のPEG分子またはその同様なものを、GH、GH誘導体、またはその他のポリペプチドに結合する方法は、当該分野において既知であり、例えば、グルタミン転移酵素に媒介される結合について記載しているWO2005070468(本出願に、そのまま援用される);およびN末端アルデヒドを作ることによるタンパク質のN末端結合の方法について記載しているGaertnerらによる文献(Bioconjugate Chem 1996;7:38-44)などに記載されている。
【0073】
従って、一実施態様において、本発明は、
【化34】

【化35】

【0074】
の中から選択される、結合型hGH化合物を提供し、
ここにおいて、GHは、グルタミンの側鎖から-C(=O)-NH2を除去することで得られる、成長ホルモン遊離基を表す。
【0075】
一実施態様において、本発明は、
【化36】

【化37】

【0076】
から選択される、結合型hGH化合物を提供する。
【0077】
一実施態様において、本発明は、
【化38】

【化39】

【0078】
から選択される、結合型hGH化合物を提供する。
【0079】
本発明による方法にて使用されるアルコキシアミノ、ヒドラジン、アミノチオールおよびジチオール化合物は、以下に示すとおりに作製してよい。ここにおいて、「LG」は、脱離基(leaving group)の略である。
【化40】

【化41】

【0080】
上述したように、GHの結合により、結合体GHには、非結合型GHと比較した薬理学的性質の改善がもたらされる。そのような薬理学的性質の例は、機能的in vivo半減期(functional in vivo half-life)、免疫原性、腎臓でのろ過、プロテアーゼに対する保護作用およびアルブミン結合を含む。
【0081】
「機能的in vivo半減期」という用語は、通常の意味で使用され、すなわち、GHまたは結合型GHの50%の生物活性が、なお体内/標的組織に存在している時間であり、またはGHもしくはGH結合体(conjugates)の活性が、その最初の値の50%となった時間を意味する。機能的in vivo半減期を決定するかわりに、「in vivo血漿半減期(in vivo plasma half-life)」が決定されてよく、すなわち、これは、GHまたはGH結合体の50%が、排除される前に、血漿または血流中で循環している時間である。血漿半減期の決定は、しばしば、機能的半減期の決定より単純であり、血漿半減期の大きさは、通常、機能的in vivo半減期の大きさの良い指標である。血漿半減期の別称には、血清半減期(serum half-life)、循環半減期(circulating half-life)、循環性半減期(circulatory half-life)、血清排除(serum clearance)、血漿排除(plasma clearance)、および排除半減期(clearance half-life)が含まれる。
【0082】
機能的in vivo半減期または血漿半減期と関連して使用される「増加する」という用語は、GH結合体の関連した半減期が、同等の条件下で、もとのGHと比較して、統計的に有意に増加していることを表すように使用される。例えば、関連した半減期は、少なくとも約25%まで、例えば少なくとも約50%まで、例えば少なくとも100%、150%、200%、250%、または500%まで増加してよい。一実施態様において、本発明による化合物は、元のGHの半減期と比較して、少なくとも5時間、例えば少なくとも約24時間、例えば少なくとも約72時間、例えば少なくとも約7日間の半減期の増大を示す。
【0083】
in vivo血漿半減期の測定は、文献に記載されるような多数の方法にて行うことができる。in vivo血漿半減期における増大は、排除(CL)の減少として、または平均滞留時間(MRT)の増加として定量してよい。結合型GHが、元のGHのCLの70%未満、例えば50%未満、例えば20%未満、例えば10%未満に減少していると適当な試験にて決定された場合、in vivo血漿半減期が増加したといえる。適当な試験にて、結合型GHのMRTが、元のGHのMRTの130%超、例えば150%超、例えば200%超、例えば500%超まで増加した場合、in vivo血漿半減期は増加したといえる。排除および平均滞留時間は、適当な実験動物を用いて、標準的な薬物動態学的実験にて評価することができる。所定のタンパク質に適した実験動物を選択することは、当業者の能力の範囲内である。ヒトにおける試験は、もちろん、究極的な試験を意味する。適当な実験動物には、正常な、オスのスプラーグ-ドーリー(Sprague-Dawley)ラット、マウスおよびカニクイザルが含まれる。典型的に、マウスおよびラットは、皮下による単一の大量瞬時投与(bolus)で注射され、一方サルは、皮下による単一の大量瞬時投与(bolus)、または単一の静脈による投与で注射してよい。注射する量は実験動物に依存する。続いて、CLおよびMRTの評価に適すように、1から5日間にわたって、血液サンプルが採取される。血液サンプルは、ELISA技術によって都合よく分析される。典型的に、GHレベルは、本出願の試験IIに記載されるとおり、IGF-1(インスリン様成長因子1)のレベルを測定することにより、間接的に測定される。
【0084】
化合物の「免疫原性」という用語は、ヒトに投与されたときに、体液性、細胞性またはその両方による、有害な免疫反応を誘発する化合物の能力を表す。何れかのヒトの部分母集団において、特定の投与されたタンパク質に感受性を示す個人が存在してよい。免疫原性は、当該分野において既知の通常の技術を用いて、感受性を示す個人において、成長ホルモンに対する抗体および/または成長ホルモンに応答するT細胞の存在を定量して測定してよい。一実施態様において、結合型GHは、感受性を示す個人において、元のGHの免疫原性と比較して、少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約40%および最も好ましくは少なくとも約50%の免疫原性の減少を示す。
【0085】
本出願で使用される「プロテアーゼに対する保護作用(protease protection)」または「プロテアーゼ保護性(protease protected)」という用語は、結合型GHが、血漿ペプチダーゼまたはプロテアーゼに対して、元のGHより抵抗性を示すことを表すよう意図される。血漿中に存在するプロテアーゼおよびペプチダーゼ酵素は、循環するタンパク質、例えば、成長ホルモンといった循環するペプチドホルモンの分解に関与する。
【0086】
例えば、ジペプチジルアミノペプチダーゼIV (DPPIV)による分解に対する、タンパク質の抵抗性は、以下の分解試験によって決定される:タンパク質の一定分量(5 nmol)を、0.1 Mトリエチルアミン-HCl緩衝液(pH 7.4)100μL中で、酵素活性が5 mUに相当する精製ジペプチジルアミノペプチダーゼIV 1μLとともに、37℃で10-180分間インキュベートする。酵素反応を、5μLの10%トリフルオロ酢酸を添加して停止し、タンパク質分解産物を、HPLC分析を用いて分離し定量する。この分析を行うための、別の方法は次の通りである:Siegelら(Regul. Pept. 1999;79:93-102)およびMentleinら(Eur. J. Biochem. 1993;214:829-35)の方法に従い、混合物を、Vydac C18 widepore (30 nm 細孔、5 μm 粒子) 250 x 4.6 mm カラムに供し、0.1%トリフルオロ酢酸において、アセトニトリルの直線的な段階的勾配を作って(0%アセトニトリルで3分、0-24%のアセトニトリルで17分、24−48%アセトニトリルで1分)、1 ml/分の流速で溶出する。タンパク質およびその分解生成物を、220 nm(ペプチド結合)または280 nm(芳香族アミノ酸)で吸光度を測定し、そのピーク面積を、標準のそれを基準に積分して定量する。ジペプチジルアミノペプチダーゼIVによるタンパク質の加水分解の速度は、加水分解によりペプチドが10%未満となったときのインキュベーション時間で推定する。一実施態様において、GH結合体の加水分解速度は、元のGHの70%未満、例えば40%未満、例えば10%未満である。
【0087】
哺乳類種の循環血液において、最も豊富なタンパク質成分は、血清アルブミンであり、正常な状態で、血液全体の100 mL当り約3から4.5グラムの濃度で存在している。血清アルブミンは、約70,000ダルトンの血液タンパク質であり、循環系において幾つかの重要な機能を有している。これは、血液中にみられる様々な有機分子のトランスポーターとして機能し、脂肪酸およびビリルビンといった様々な代謝産物の主要なトランスポーターであり、および、その存在量のために循環血液の浸透圧調節因子として機能する。血清アルブミンは、1週間を越える半減期を有しており、タンパク質の血漿半減期を増加させる1つの方法は、血清アルブミンに結合する化学基をタンパク質に結合させることである。アルブミン結合特性は、J.Med.Chem, 43, 2000, 1986-1992に記載されるとおりに決定してよく、該文献は本出願に援用される。
【0088】
本出願に引用される、文献、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、そっくりそのまま本出願に援用され、ならびに、それぞれの参考文献が、参照により取り込まれることが独立におよび明確に示され、およびその全体が本出願にて説明されるかのように、同じ範囲で(法に許される最大の範囲で)本出願に援用される。
【0089】
全ての表題および副題は、本出願において、便宜的にのみ使用されており、何れかの方法に本発明を限定して解釈されるべきでない。
【0090】
上述の要素の、全てのありうる変種における、何れかの組み合わせは、本出願中に記載がない限り、または前後関係から明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0091】
本発明を記載する文中にて使用される、「a」および「an」および「the」という用語は、本出願中に記載がない限り、または前後関係から明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包含するよう解釈されるべきである。
【0092】
本出願における、値の範囲の列挙は、本出願中に記載がない限り、単にその範囲に入るそれぞれの値を独立に指す速記法(shorthand method)として役立つよう意図されており、それぞれの値は、独立に本出願に引用されるかのように明細書中に取り込まれる。言及がない限り、本出願で提供される全ての正確な値は、相当するおよその値を意味する(例えば、特定の因子または測定に関して提供される全ての正確な代表的値はまた、適切な場合に、「約」と修飾されて、相当するおよその測定値を提供するとみなすことができる)。
【0093】
本出願に記載される全ての方法は、本出願中に記載がない限り、または前後関係から明らかに矛盾しない限り、何れかの適した順番で行うことができる。
【0094】
本出願で提供される、何れかおよび全ての例、または例証的語句(たとえば「〜といった」)は、単に本発明をより明らかにするよう意図されており、記載がない限り本発明の範囲の限定を示さない。明細書中の何れの語句も、本発明の実施に不可欠な何れかの非請求要素を示していると解釈してはならない。
【0095】
本出願中の、特許文献の引用および取り込みは、便宜的にのみ行われ、そのような特許文献の、有効性、特許性および/または実施可能性の何れの観点も反映しない。
【0096】
要素または要素群に関して、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」または「含む(containing)」といった用語の使用による、本発明の何れかの側面または実施態様の本出願における記述は、本出願中に記載がない限り、または前後関係から明らかに矛盾しない限り、特定の要素または要素群「から成る」、それら「から、本質的に成る」、またはそれら「を実質的に含む」、本発明の同様な側面または実施態様の支持を提供するよう意図される(例えば、特定の要素を含むと本出願に記載される組成物は、本出願中に記載がない限り、または前後関係から明らかに矛盾しない限り、その要素から成る組成物を記載しているとも理解されるべきである)。
【0097】
本発明は、適用される法律により許されるように、本願に貼付される請求項に列挙される主題の、全ての修飾物および均等物を含む。
【実施例】
【0098】
実施例において、以下の用語は、以下の一般的意味を有するよう意図される:
Boc: tert-ブチルオキシカルボニル
DCM: ジクロロメタン、メチレンクロリド
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
DMPU: 1,3-ジメチルテトラヒドロピリミジン-2-オン
EDC: N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライド
HOBt: N-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
NMP: N-メチルピロリドン
HPLC: 高圧液体クロマトグラフィー
r.t.: 室温
TFA: トリフルオロ酢酸。
【0099】
[実施例1.(mPEG-30k)-hGH]
工程1:mPEG-30k-アルコキシルアミン
【化42】

【0100】
DCM(40 ml)に4-(N-Boc-アミノキシ)ブチルアミン(0.43 g, 2.10 mmol)を溶解した溶液に、mPEG(30K)-SBA-NHS (5.0 g, 0.17 mmol)を加えた。生成される混合液を、室温で5日間(5 d)撹拌し、減圧下で濃縮し、残留物を減圧により乾燥させた。iPrOH (4 x 80 ml)で再結晶し、その後DCMで共蒸発(coevaporation)させ、減圧下で乾燥させて、4.14 gのBoc保護アルコキシルアミンが得られた。
【0101】
この生成物(0.42 g, 約14 μmol, 16当量)に、DCM (15 ml)およびTFA (15 ml)を加えた。0.5時間後、混合液を濃縮し、残留物をDCM (5 ml)およびトルエン(80 ml)に再溶解し、再び濃縮し、減圧下で一晩乾燥させた。残留物を、DCMに再溶解し、2つのバイアルに均等に分配し、濃縮して減圧して乾燥させた。水(2.1 ml)を、それぞれのバイアルに加え、2-メチルピリジン (50μl)でpHを6に調整した。
【0102】
工程2:Ser-hGH
Ser-hGH類似体発現プラスミドを、pNNC13をベースに作製した(Zbasic2mt-D4K-hGH)。該プラスミドは、野生型hGHにZbasicドメイン(mvdnkfnkerrrarreirhlpnlnreqrrapirslrddpsqsanllaeakklnraqapkyrggsddddksfptiplsrlfdnamlrahrlhqlafdtyqefeeayipkeqkysflqnpqtslcfsesiptpsnreetqqksnlellrisllliqswlepvqflrsvfanslvygasdsnvydllkdleegiqtlmgrledgsprtgqifkqtyskfdtnshnddallknygllycfrkdmdkvetflrivqcrsvegscgf(SEQ ID NO:2))が融合したものを発現する。付加的なSerを、QuikChange(登録商標) XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を用い、プライマーのセット:
5’ end: pNNC13 Ser-F
5’-GGATCAGACGACGACGACAAAagcTTCCCAACCATTCCCTTATCC-3’(SEQ ID NO:3)および、
3’end: pNNC13 Ser-R
5’-GGATAAGGGAATGGTTGGGAAgctTTTGTCGTCGTCGTCTGATCC-3’(SEQ ID NO:4)
を使用して、成熟型hGHの最初のアミノ酸であるPheの前に挿入した。
【0103】
E. coli BL21(DE3)に、pET11a-Zbasic2mt-D4K-Ser-hGHを形質転換した。シングルコロニーを、100μg/ml Ampを含む100 ml LB培地に接種し、37℃で培養した。OD600が0.6に達したとき、細胞培養温度を30℃まで下げ、細胞を、1 mM IPTGにより30℃で4時間誘導した。細菌細胞を、3000 gで15分間遠心(Eppendorf centrifuge 5810R)して回収した。細胞ペレットを、細胞溶解緩衝液(25 mM Na2HPO4 25 mM NaH2PO4 pH 7、5 mM EDTA、 0.1%トリトンX-100)に再懸濁し、細胞を、30 kpsiの細胞破壊(cell disruption) (Constant Cell Disruption Systems)によって破壊した。ライゼートを、10000 gで30分間遠心して、不純物を除いた。ペレットを処分し、上清は、保存し精製に使用した。
【0104】
Zbasic2mt-D4K-Ser-hGHを、段階的勾配溶出(緩衝液A: 25 mM Na2HPO4 25 mM NaH2PO4 pH 7; 緩衝液B: 25 mM Na2HPO4 25 mM NaH2PO4 pH 7、1 M NaCl)を用いて、SP-セファロースで精製した。続いて、タンパク質を、エンテロペプチダーゼで切断し、Ser-hGHを放出させた。Ser-hGHをさらに、ブチルセファロース4FFカラムで精製し、Zbasic2mt-D4Kドメインおよびエンテロペプチダーゼから分離した(緩衝液A: 100 mM Hepes pH 7.5;緩衝液B: 100 mM Hepes pH 7.5、 2 M NaCl、直線的勾配を使用した)。Ser-hGHの最終生成物を、緩衝液を交換し、50 mM NH4HCO3, pH 7.8から凍結乾燥した。
【0105】
工程3:Ser-hGHの酸化およびオキシム化
【化43】

【0106】
緩衝液(pH 8±1)を、トリエタノールアミン(0.24 g, 1.61 mmol)およびメチオニン(1.52 g, 10.2 mmol)を水(100 ml)に溶解することにより作製し、および、水(1.0 ml)に過ヨウ素酸ナトリウム(5.3 mg, 24.7 μmol)を溶解した溶液を作製した。
【0107】
SerhGH(それぞれのバイアルに10 mg, 450 nmol)の入った2つのバイアルに、緩衝液(1.3 ml)を加え、次に、過ヨウ素酸ナトリウム溶液(0.15 ml, 7.8当量)を加えた。15分後、冷却したDMF(0.6 ml, 約0℃)をそれぞれのバイアルに加え、できた透明な液を、工程1で作製したPEG溶液に加えた。ほとんど透明な溶液(pH = 6)となった。混合液を、室温で94時間置いた。その後、それぞれのバイアルに、緩衝液(4 ml)を加え、混合液をまとめ(pooled)、生成物を、MonoQ High Resolution 10/10カラムによるイオン交換クロマトグラフィーで精製した。この精製から、11 mg(収率23%)の(mPeg-30k)-hGHが得られた。
【0108】
[薬理学的方法]
試験(I) 成長ホルモン活性を決定するためのBAF-3GHR試験
BAF-3細胞(骨髄由来のマウスプロ-Bリンパ細胞株)は、本来、生育および生存においてIL-3依存性であった。IL-3は、JAK-2およびSTATを活性化するが、これらは、GHにより刺激を受けて活性化される、同様の介在物質である。ヒト成長ホルモン受容体の形質移入の後、細胞株は、成長ホルモン依存型の細胞株となった。このクローンは、様々な成長ホルモンサンプルのBAF-3GHRの生存における効果を評価するために使用することができる。
【0109】
BAF-3GHR細胞株を、37℃、5%CO2下、飢餓培地(starvation medium)(成長ホルモンを含まない培地)で24時間培養した。
【0110】
細胞を洗浄し、飢餓培地に再懸濁し、プレートにまいた。10μlの様々な濃度の成長ホルモン化合物もしくはヒト成長ホルモンまたは対照物を細胞に添加し、プレートを、37℃、5%CO2下で68時間培養した。
【0111】
AlamarBlue(登録商標)をそれぞれのウェルに加え、次に細胞をさらに4時間培養した。AlamarBlue(登録商標)は、酸化還元の指標であり、生得的な細胞性代謝によって減少する。それゆえ、生存細胞数の間接的な尺度となる。
【0112】
最後に、細胞の代謝活性を、蛍光プレート測定器で測定した。サンプルの吸光度は、成長ホルモン化合物または対照物で刺激していない細胞を基準とした%で表した。濃度-応答曲線から、活性(50%を示した、細胞を刺激した化合物の量)を算出することができる。
【0113】
試験(II) IGF-1 ELISA試験
ラットまたはマウスの血漿または血清中のIGF-1は、IDS Ltd., Boldon, Englandから入手可能な、OCTEIA(商標)キットの二部位免疫酵素測定法(two-site immunoenzymometric assay)で決定される。
【0114】
サンプルを、結合タンパク質、IGF-BP 1-6を不活性化するために処理を行う。OCTEIAキットでは、精製されたモノクローナル抗ラットIGF-Iが、マイクロタイターウェルの内表面にコーティングされている。処理し、希釈したサンプルを、ウェル中で、ビオチン化ポリクローナルウサギ抗ラットIGF-Iとともに、2時間インキュベートする。次にウェルを洗浄し、ホースラディッシュペルオキシダーゼ標識アビジンを添加する。さらに洗浄した後、色素生産性化合物、テトラメチル-ベンジジンを、発色のために添加する。反応停止後の色を、マイクロタイタープレートリーダーで読み取る。色強度は、サンプル中に存在するラットまたはマウスIGF-Iの量に直接比例する。
【0115】
細部に修正を加えた同様な試験を、ヒトIGF-Iを測定するために使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非結合型成長ホルモン(GH)と比較して薬理学的性質が改善された結合型GHの作製の方法であって、双極性溶媒の存在下、pH 1-7で、GH由来のアルデヒドまたはケトンを、アルコキシアミン、ヒドラジン、アミノチオールまたはジチオール化合物と反応させることを含む方法。
【請求項2】
前記pHが約5.1から約7.0の間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記pHが約6である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の方法であって、前記双極性溶媒が、N-メチルピロリジノン(methylpyrrolidinone)、N,N-ジメチルホルムアミド、DMSO、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、1,3-ジメチルテトラヒドロピリミジン-2-オン、アセトニトリル、プロピオニトリル、N-ギ酸メチル、ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドまたはN-メチルアセトアミドである方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記溶媒が、N-メチルピロリジノン、NN-ジメチルホルムアミドまたはDMSOである方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の方法であって、前記双極性溶媒が10 (v/v)%から95 (v/v)%の量で存在する方法。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の方法であって、前記GH由来のアルデヒドまたはケトンがアルコキシアミン化合物と反応する方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の方法であって、前記GH由来のアルデヒドまたはケトンがヒドラジン化合物と反応する方法。
【請求項9】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の方法であって、前記GH由来のアルデヒドまたはケトンが2-アミノチオール化合物と反応する方法。
【請求項10】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の方法であって、前記GH由来のアルデヒドまたはケトンが1,2-または1,3-ジチオール化合物と反応する方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の方法であって、前記成長ホルモン由来のアルデヒドまたはケトンが、ヒト成長ホルモン由来のアルデヒドまたはケトンである方法。
【請求項12】
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の方法であって、前記結合型成長ホルモンが、分枝鎖または非分枝鎖PEGまたはmPEG成分を含む方法。
【請求項13】
請求項1から請求項12の何れか1項に記載の方法であって、結合型成長ホルモンが(mPEG-30k)-hGHである方法。
【請求項14】
請求項1から請求項13の何れか1項に記載の方法であって、前記アルコキシアミン、ヒドラジン、アミノチオールまたはジチオールが式[I]の化合物である方法:
R1 -W [I]
ここにおいて、Wは、
【化1】

を表し;
R3は、水素またはC1-6アルキルを表し;
R1は、R2-R4-を表し、ここにおいて、
R2は、
【化2】

【化3】

【化4】

を表し;
および、R4は、結合、または
【化5】

を表し、ここにおいて、Ar = アリーレンは、アリーレンまたはヘテロアリーレンであって、ともに、カルボキシ、ヒドロキシ、ニトロ、またはシアノから選択される1以上の置換基で任意に置換されてよいものである。
【請求項15】
請求項1から請求項14の何れか1項に記載の方法であって、Wが
【化6】

を表す方法。
【請求項16】
請求項1から請求項15の何れか1項に記載の方法であって、R2が、
【化7】

【化8】

を表し、
この中で、Qが、10-20、10-30、10-40、20-30、20-40、30-40の整数を表し、例えば10、20または30を表す方法。
【請求項17】
請求項1から請求項16の何れか1項に記載の方法であって、R4が、
【化9】

を表し、ここにおいて、Ar = アリーレンが、ピリジン二端遊離基またはニトロ置換フェニレンを表す方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法であって、式[I]による化合物が、
【化10】

から選択される方法。
【請求項19】
請求項14から請求項18の何れか1項に記載の方法であって、前記式[I]の化合物が、hGH由来のアルデヒドまたはケトンと反応する方法。

【公表番号】特表2008−517033(P2008−517033A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537264(P2007−537264)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055335
【国際公開番号】WO2006/042847
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】