説明

オチバタケの抽出物、ピペリドン誘導体、及び抗高血圧薬の調製用のそれらの使用

本発明は、オチバタケの抽出物、式Iの化合物、又は、それの薬学的に挙油可能な塩に、並びに、それらの調製のための方法、高血圧症及びそれの関係した疾患の予防及び/又は処置のための医薬の調製におけるその抽出物又はその化合物の使用のみならずそれを含む薬学的な組成物に関する。
【化11】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オチバタケ(Marasmius androsaceus L.es Fr)の抽出物、ピペリドン誘導体、及び抗高血圧薬の調製用のそれの使用のみならずそれらの調製用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高血圧症及びそれの関係した疾患は、人間の健康及び生命を深刻に脅かす疾患の一つの種類である。多数の人々は、それを患っていると共に、患者は、近年では、若者である傾向がある。人間は、高血圧症の予防及び処置のために様々な薬物を開発してきたとはいえ、新しいタイプの有効な降圧薬を開拓することは、なお緊急なことである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、オチバタケの抽出物及び後に続く式Iを有するピペリドン誘導体が、血圧を低減するという非常に顕著な効果を有し、このように高血圧症及びそれの関係した疾患の予防及び/又は処置のための医薬の調製において使用され得るであろうという調査によって発見されてきた。
【0004】
従って、本発明の第一の態様は、3,3,5,5−テトラメチル−4−ピペリドン、即ち、後に続く式IIの化合物を含むことによって特徴付けられた、オチバタケの抽出物に関する。
【0005】
本発明の第二の態様は、後に続く式I:
【0006】
【化6】

の化合物又はそれの薬学的に許容可能な塩を提供し、ここでは、
R1及び、同じ又は異なる、R2の各々は、独立して、水素原子又はC−Cのアルキルを表し、
【0007】
【化7】

は、単結合又は二重結合を表し、
【0008】
【化8】

が、二重結合であるとき、Rは、酸素原子であり、
【0009】
【化9】

が、単結合であるとき、Rは、水酸基である。
【0010】
本発明の第三の態様は、オチバタケの抽出物の調製用の方法に関するが、その方法は、菌類のオチバタケの菌糸体を、有機溶媒、水性の有機溶媒、又は水で抽出すること、及び、その抽出物を得るために、結果として生じる抽出物質を濃縮することを含む。
【0011】
本発明の第四の態様は、式Iの化合物の調製用の方法を提供するが、その方法は、例えば、菌類のオチバタケの菌糸体を、ある抽出物を得るために、有機溶媒、水性の有機溶媒、又は水で抽出すること、その抽出物を分離すること及び精製すること、それによって式IIの化合物の単量体を得ること、そして、塩基性の条件下で、それを計算された量のハロゲン化アルキルと反応させることによって、その化合物の単量体を誘導することを含む。
【0012】
本発明の第五の態様は、活性な処方成分として、オチバタケの抽出物、若しくは、式Iの化合物、又は、それの薬学的に許容可能な塩、及び、一つ以上の薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む薬学的な組成物に関する。
【0013】
本発明の第六の態様は、高血圧症及びそれの関係した疾患の予防及び/又は処置のための医薬の調製におけるオチバタケの抽出物又は式Iの化合物の使用に関する。
【0014】
本発明の一つの好適な実施形態においては、式Iの化合物は、ここでは、Rが水素である、Rの各々がメチルである、
【0015】
【化10】

が、二重結合であり、Rが酸素原子である、式Iの化合物、即ち、後に続く式II:
【0016】
【化11】

の化合物である。
【0017】
オチバタケは、キシメジ科の菌類のオチバタケの乾燥した菌糸体である。それは、食用菌類の一つのタイプ、また、一般的な中国の医薬であり、例えば、腱及び網膜神経(retinervus)並びに追体験する苦痛を緩和させる及び活性化させるという効果を有する。
【0018】
本発明に従って、オチバタケの抽出物を、後に続く方法に従って調製することができる。
【0019】
5.512の細菌番号でInstitute of Microorgamism,Chinese Academy of Scienceから購入されるもののような菌類のオチバタケの細菌
a.発酵培養すること
培養培地は、後に続く構成成分(重量による)、ぬか5%、ブドウ糖4%、トウモロコシの浸す液0.4%、硫酸マグネシウム0.05%、及び、二水素硫酸カリウム(potassium dihydrogen sulfate)0.1%を混合することによって、調製される。傾向がある菌株は、培養培地へ移され、絹状の菌糸を形成するまで7〜8日の間に22〜26℃で培養され、その培養培地は、薄い黄色になる。その培養は、pH=3.5〜4.0で停止させられる。
【0020】
b.上で培養されるような発酵液体培地は、菌糸体を得るために濾過される。
【0021】
c.菌糸体は、有機溶媒、水性の有機溶媒、又は、水で抽出される。その得られた抽出物質は、濾過されると共に濃縮されるが、それによってオチバタケの抽出物を得る。
【0022】
本発明に従って、式Iのピペリドン誘導体を、ある抽出物を得るために、例えば、菌類のオチバタケの菌糸体を、有機溶媒、水性の有機溶媒、又は、水で抽出するステップ、その抽出物を分離すると共に精製するが、それによって式IIの化合物の単量体を得るステップ、そして、得られた化合物の単量体を適切に誘導するステップによって、上に記載したように、調製することができる。
【0023】
特に、式Iのピペリドン誘導体を調製するための方法は、オチバタケの抽出物を調製するための上のステップa〜cに基づく、後に続くステップ:をさらに含む。
【0024】
d.結果として生じる抽出物は、シリカゲルカラムを備えたクロマトグラフィーによって分離され、クロロホルムフラクションの、クロロホルム:メタノール=1〜100%;80〜90%を使用する受けた勾配のある溶出は、式IIの化合物の精製された生産物を得るために、収集される;そして、その結果として生じる生産物は、酢酸エチル/メタノールで繰り返して再結晶させられるが、それによって式IIの化合物の単量体を得る。
【0025】
e.式IIの化合物は、pH=8〜12のアルカリ性のメタノール溶液で溶解させられるが、その溶液には、計算された量のハロゲン化アルキルが、添加される;その系は、10時間における40〜60℃での反応を受ける;そして、その結果として生じる反応生産物は、濃縮され、繰り返して再結晶させられるが、それによって、式Iの化合物を得る。
【0026】
オチバタケの抽出物及び式Iの化合物を調製するための上の方法のステップcにおいて、使用された有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノールのようなアルコール類;ジクロロメタン及びトリクロロメタンのようなハロゲン化アルキル、酢酸メチル、酢酸エチル、及び酢酸プロピルのようなエステル類、また、石油エーテル及びジエチルエーテルのようなエーテル類を含む。好適な溶媒は、クロロホルムである。
【0027】
薬理学的な研究は、式IIの化合物の誘導された生産物、即ち、式Iの化合物のみならず、式IIの化合物、それの精製された生産物、即ち、式IIの化合物の単量体を含むによって特徴づけられた本発明の抽出物が、全て、血圧を低減させる非常に明白な効果を有することを示すが、それらの効果は、主として、それら自体で、以下のa〜cという点で証明される。
【0028】
a.50〜100mg/kgの抽出物は、麻酔の高血圧性のラット及び猫のモデルに関して血圧を低減するという非常に明白な効果を示す。5〜20mg/kgの、式IIの化合物は、麻酔のラット及び猫のモデルに関して血圧を低減するという非常に明白な効果を示す。3〜50mg/kgの、式Iの化合物は、麻酔のラット及び猫のモデルに関して血圧を低減するという非常に明白な効果を示す。上に記載したような血圧を低減するという効果の全てを、4時間を超えて維持することができる。
【0029】
b.全ての抽出物、式IIの化合物、及び式Iの化合物は、モルモット(guinea pig)における回腸の部位の自動的な律動性収縮を阻害することができるが、それらは、全て、3から5分内における完全な緩和まで、5×10−4から10×10−2mg/mlまでの濃度の範囲内で平滑筋をゆっくりと緩和させることができる。その緩和時間は、4〜5時間まで(15分当たりに一度洗浄(flushing))のものであってもよい。5×10−5mg/mlの濃度におけるイソプレナリンが、対照として使用され、それによって阻害された収縮は、洗浄の後の20分の間に再開される。
【0030】
上の結果は、その抽出物、式IIの化合物、及び、式Iの化合物が、対照としてのイソプレナリンよりも明白に長い時間について回腸の部位の自動的な律動性収縮を阻害することができることを示す。
【0031】
c.その抽出物、式IIの化合物、及び式Iの化合物は、全て、ウサギの大動脈の平滑筋における顕著な効果を示すが、それらは、5×10−4から10×10−2mg/mlまでの濃度の範囲内におけるアドレナリンによって引き起こされたウサギの大動脈の平滑筋の収縮を阻害することができ、5×10−5mg/mlを超える濃度におけるウサギの大動脈の平滑筋の緩和を引き起こすことになる。
【0032】
上の結果は、その抽出物、式IIの化合物、及び式Iの化合物が、4時間を超える保持時間で、平滑筋を緩和するという良好な効果及び血圧を低減するという優れた効果を有することを示す。
【0033】
従って、オチバタケの抽出物及び式Iの化合物を、高血圧症及びそれの関係した疾患の予防及び/又は処置用の医薬の調製において、使用することができるが、前記の高血圧症及びそれの関係した疾患は、単純な高血圧症並びに他の心臓血管の及び脳血管の疾患のみならず高血圧症によって引き起こされた冠状動脈性疾患を含む。
【0034】
本発明に従って、ここに記載された化合物の薬学的に許容可能な塩は、それらと無機の又は有機の酸と共に形成された酸添加塩(acid-addition salt)又はそれらと塩基と共に形成された塩基添加塩(base-addition salt)を含む。そこでは、酸添加塩は、塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、重リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、トリメチル酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピクリン酸塩、アスパラギン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、エチルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(pamoate)を含むが、しかし、それらに限定されない;塩基添加塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン及びN−メチル−D−グルコサミン塩のような有機アルカリ塩、並びに、アルギニン塩及びリシン塩のようなアミノ酸塩を含むが、しかし、それらに限定されない。
【0035】
本発明のオチバタケの抽出物又は式Iの化合物を、単独で又はそれを薬学的に許容可能な担体又は賦形剤と混和することによって薬学的な組成物の形態で、使用することができる。
【0036】
本発明の化合物の薬学的な組成物を、後に続く経路:経口的な、噴霧による吸入、肛門の、経鼻の、頬の、局所的な、皮下の;静脈内の、筋肉内の、腹腔内の、くも膜下の、脳室内の(intraventricular)、胸骨内の(intrasternal)、及び、頭蓋内の経路による、又は、外植された容器の援助による、注射又は漬出のような非経口的なもののいずれによっても、投与することができる。それらの中で、経口的な、注射の、又は局所的な投与が、好適なものである。
【0037】
経口的な投与については、本発明の化合物を、錠剤、カプセル、溶液、又は、懸濁液を含むが、しかし、それらに限定されない、経口的な投与に適切ないずれの薬用量の形態にも作ることができる。そこでは、錠剤に有用な担体は、一般には、乳糖、及び、トウモロコシデンプンを含むが、その担体には、また、ステアリン酸マグネシウムのような滑剤が、添加されることもある。カプセルの製剤に有用な希釈剤は、一般には、乳糖及び乾燥したトウモロコシデンプンを含む。水性の懸濁液の製剤は、一般には、活性な処方成分を適切な乳化剤及び懸濁剤と混合することを通じて、形成される。所望でれば、いくらかの甘味料、芳香剤(aromatizer)、又は着色剤が、経口的な投与のための上の製剤へさらに添加されることもある。
【0038】
局所的な投与に関しては、特に、目、皮膚又はより下側の腸内の神経性の疾患の処置のような局所的な適用によって容易に到達させられる、患部の(suffering)表面又は器官の処置については、本発明の化合物を、異なる患部の表面又は器官に従って、局所的な投与のための異なる薬用量の形態へと作ることができる。
【0039】
特に、目への局所的な投与については、本発明の式Iの化合物を、ある薬用量の形態の微粉化された懸濁液又は溶液へと作ることができるが、そこでは、使用される担体は、ある一定のpHを有する等張性の無菌の塩類液であるが、その液には、自由選択で、塩素化されたベンジルアルコキシドのような防腐剤が、添加されることもある。眼球の投与については、その化合物は、また、ワセリンの軟膏剤のような軟膏剤へと作られることもある。
【0040】
皮膚への局所的な投与については、本発明の式Iの化合物を、軟膏剤、ローション剤、又は、乳剤の形態における、ある薬用量へと作ることができるが、そこでは、活性な処方成分が、一つ以上の担体に懸濁させられる又は溶解させられる。軟膏剤の製剤に有用な担体は、鉱物油、液体のワセリン、ペトロラタムアルバム、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、乳化したワックス、及び水を含むが、しかし、それらに限定されない。ローション又はクリームの製剤に有用な担体は、鉱物油、ソルビタンのモノステアリルエステル(sorbitan monostearic ester)、Tween 60、パルミチン酸塩及び/又はパルミチン酸エステル、ヘキサデシレン芳香族アルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水を含むが、しかし、それらに限定されない。
【0041】
また、本発明の式Iの化合物を、無菌の注射の水若しくは油の懸濁液又は無菌の注射の溶液を含む、無菌の注射の製剤の形態で投与することができる。そこでは、使用可能な担体及び溶媒は、水、Ringerの溶液、及び等張性の塩化ナトリウム溶液を含む。加えて、無菌の不揮発性の、例えば、モノクリセリド及びジグリセリドを、また、溶媒又は懸濁媒質として使用することができる。
【0042】
さらには、そこに記載した化合物の投与の薬用量及び様式は、年齢、体重、性別、正常な健康状態、及び、患者の栄養状態、化合物の活性、投与時間、代謝率、疾患の重症度、及び、医師によってなされた主観的な判断のような、様々な因子に依存する。好適な投与の薬用量は、0.01〜100mg/体重kg/日内にあり、最も好適な投与の薬用量は、1〜150mg/体重kg/日内にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
後に続く例は、例示の目的のためのみのものであり、この発明についていずれの様式でも限定を構築することを意図するものではない。
【実施例1】
【0044】
例1
クロロホルム抽出物の調製
a.菌類のオチバタケの種の培養
傾向がある培養培地を、後に続く(重量による)構成成分:ぬか1〜10、ブドウ糖0.3〜3、ペプトン0.2〜2、硫酸マグネシウム0.01〜0.1、二水素硫酸カリウム0.02〜0.2、寒天0.5〜5、及び水100を混合することによって、調製した。そして、菌株を、傾向があるプレーンへ接種し、10〜20日の間に20〜30℃で培養した。
【0045】
b.菌類オチバタケの発酵培養
培養培地を、後に続く(重量による)構成成分:ぬか3〜30%、ブドウ糖1〜10%、トウモロコシのスラリー液0.2〜20%、硫酸マグネシウム0.01〜8%、及び、二水素硫酸カリウム0.05〜9%を混合することによって、調製した。傾向がある菌株は、発酵培養培地へ移され、絹状の菌糸を形成するまで5〜10日の間における20〜30℃での発酵によって培養され、培養培地は、かすかな黄色になる。培養をpH=1.5〜6.0で停止させ、そして、発酵液体培地が、5〜10日の間待機することを可能にする。
【0046】
c.上で得られたような発酵液体培地を、菌糸体を得るために、濾過した。破砕の後で、1,000gの菌糸体が、30〜40個のメッシュのふるいを通過し、そして、5回の間に3〜5倍の水で抽出された。得られた抽出物質を、低い温度及び低減した圧力で回収した。その残留物を、10%NaOHで溶解させ、そして、5回の間に3〜5倍のクロロホルムで抽出した。クロロホルムを回収した後、3gのクロロホルム抽出物が得られた。
【0047】
d.クロロホルム抽出物は、濃い褐色で、水に不溶性で、及び、クロロホルム、エタノール、及びアセトンのような有機溶媒に容易に可溶であり、アルカロイド反応において及びフェノールの硫酸塩及び/又は硫酸エステルについて陽性を示した。展開剤としてクロロホルム:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1を使用するTLC検出によって、五個のスポットが、観察されたが、そのR値は、それぞれ、0.12、0.23、0.45、0.56、及び0.71であったが、そこでは、R=0.56のスポットに対応する物質は、まさに本発明の式IIの化合物であった。
【実施例2】
【0048】
例2
式IIの化合物(3,3,5,5−テトラメチル−4−ピペリドン)の調製
例1のステップcで得られたクロロホルム抽出物を、展開剤としてクロロホルム:メタノール:アンモニア水=9:1:0.1を使用するシリカゲルカラムで分離した。式IIの化合物を含有する溶離液を、組み合わせ、式IIの化合物の単量体を得るために濃縮した。
【0049】
式IIの化合物は、54〜57℃の融点(分解)を備えた、白色の針状の結晶であった。
【0050】
元素分析:C17NO
C(%) H(%) O(%)
分析値 69.48 10.96 10.12
計算値 69.68 10.97 10.32
MS(+FAB)m/z: 156.2、149.2、102.2、98.2、83.1、74.0、
それらの値によって、その化合物は、155の分子量を有するものとして実証された。
【0051】
IR(KBr)cm−1:3318.93、2910.09、2755.81、1727.93、1626.67、1726、170、1727.93、1626.67、1726.23、2317.05、2997〜2465。
【0052】
UVλMeOHMAXnm:264.3(ε13256)。
【0053】
H−NMR(DMSO,TMS)δppm:1.48(S、12H、(CH)、2.63(S、4H、(CH)、9.67(S、1H、NH)。
【0054】
13C−NMR(DMSO−D,TMS)δppm:27.20(CH、49.79(CH、59.09(C)、204.35(C=O)。
【0055】
H−13C HMQC及びH−13C HMBC(長い距離で相関的)並びにそれらに属するとみなされたデータを、表1に列挙した。
【0056】
表1.400MHzで決定されたような式IIの化合物のデータ
【0057】
【表1】

【実施例3】
【0058】
例3
1−エチル−3,3,5,5−テトラメチル−4−ピペリドン(式Iaの化合物)の調製
例2において得られた0.3g(1.94mmol)の式IIの化合物及び7.5mmolのブロモエタンを、40molの無水のエタノールで溶解させた。その溶液を、還流凝縮器、攪拌器、内部の温度計、及び、滴下漏斗が備え付けられた100mlの三つ口のフラスコへ詰めた。8.5mmolのナトリウムエトキシドを含有するエタノール溶液を、攪拌すると共にフラスコへ添加したが、20〜50分の間に50℃でその系を反応させることを後に続けた。冷却した後、20mlのクロロホルムを、ある一定の時間の間に待機する前に、その系へ滴下した。結果として生じる生産物を、臭化ナトリウムを取り除くために、濾過し、その濾液を、真空の条件の下で乾燥させるために、濃縮した。そして、その反応生産物を、シリカゲルカラムで分離し、クロロホルム:メタノール(5:1)を使用して溶離させたが、それによって、表題の、式Iaの化合物:1−エチル−3,3,5,5−テトラメチル−4−ピペリドンを得た。
【0059】
FAB−MS m/z:185[M+H]、それによって、その化合物が、184の分子量を有するものとして実証された。
【実施例4】
【0060】
例4
3,3,5,5−テトラメチル−4−ピペリダノール(式Ibの化合物)の調製
例2で得られた0.5g(3.22mmol)の式IIの化合物を、50mlのクロロホルムで溶解させた。得られた溶液を、還流凝縮器、攪拌器、及び、内部の温度計で備え付けられた三つ口のフラスコへ詰めた。還元剤としてのホウ水素化ナトリウムを、その系が100〜120分の間に50℃で反応することを可能にする前に、その溶液へ等しいモルで添加した。結果として生じる生産物を、還元剤を取り除くために、濾過し、その濾液を、真空の条件下で乾燥させるために、濃縮した。そして、その反応生産物を、シリカゲルカラムで分離し、クロロホルム:メタノール(5:1)を使用して溶離したが、それによって、表題の、式Ibの化合物:3,3,5,5−テトラメチル−4−ピペリダノールを得た。
【0061】
FAB−MS m/z:158[M+H]、それによって、その化合物が、157の分子量を有するものとして実証された。
【実施例5】
【0062】
例5
式IIの化合物の塩酸塩の調製
例2で得られた1g(6.45mmol)の式IIの化合物を、還流凝縮器、攪拌器、内部の温度計、及び滴下漏斗が備え付けられた300mlの三つ口の丸底フラスコへ詰めた。80℃の水浴において、その化合物を、攪拌し、100mlのアセトンを添加することによって、完全に溶解させ、その後、等しいモルにおける6NのHCl溶液を、その溶液へゆっくりと滴下した。滴下することを完了した後、その系が、アセトンを回収する前に乾燥まで10分の間待機することが可能になる。残留物を、30mlのクロロホルムで溶解させ、濾過することを後に続け、そして、10mlの酢酸エチル溶液をその濾液へ添加した。5時間の間待機した後、その溶液を、濾過し、結晶化したが、それによって、表題の、式IIの化合物の塩酸塩:3,3,5,5−テトラメチル−4−ピペリドン塩酸塩を得た。
【実施例6】
【0063】
モルモットの回腸の平滑筋におけるクロロホルム抽出物、式IIの化合物、及び式Ibの化合物の効果
約0.5gのクロロホルム抽出物、式IIの化合物、又は式Ibの化合物の重量を、正確に量り、約10mg/mlの試料溶液を得るために蒸留水で溶解させた。モルモットの回腸は、収集され、その中の食物の残留物を取り除くために、予め冷却したタイ(Tai)の栄養溶液(その溶液は、pH=7.4で、1000mlの水、8gのNaCl、0.2gのKCl、0.1gのMgCl、0.05gのNaHPO、1gのNaHCO、0.2gのCaCl、及び1gのブドウ糖で構成された)で洗浄され、そして、前記の回腸は、3cmの長さの切片に切断される。その切片を、回腸の切片の自動的な律動性収縮を記録したように、カエルの心臓のクリップ(frog heart clip)で、それの両方の末端において締め付け、タンクの底部で固定される下側の末端及び双方向の電気生理学的グラフ(electrophysiolograph)の引っ張りトランスデューサー(tensile transducer)へ糸によって接続される上部の末端を備えた灌流タンクに置いた。そのタンクにおけるタイの栄養溶液を、35℃の温度に保ったが、その溶液には、純粋な窒素を泡立たせた。回腸の切片を、固定するとき、1gの引く力で発揮させ、それの収縮を、40分の間における釣り合わせ(balancing)の後で記録したが、それの間に、タイの栄養溶液を、20分当たりに一度、交換した。その回腸の切片の正常な収縮曲線を、陽性の対照としてイソプレナリンを使用して、最初に記録した。そして、回腸の切片の収縮曲線を、それぞれ異なる濃度のクロロホルム抽出物、式IIの化合物、又は、式Ibの化合物を添加した後で、記録した。結果を表2に示した。
【0064】
表2.モルモットの回腸の平滑筋の異なる試料の効果
【0065】
【表2】

【0066】
実験の結果は、全ての、異なる濃度のクロロホルム抽出物、式IIの化合物、及び式Ibの化合物が、回腸の切片の自動的な律動性収縮を阻害することができるであろうということを示した。1×10−4の濃度での式IIの化合物又は式Ibの化合物のみならず5×10−3の最終的な濃度でのクロロホルム抽出物は、その平滑筋をゆっくりと緩和させることができるであろう。その平滑筋の収縮は、2〜3分後に完全に消失することができるであろうし、その平滑筋の緩和は、5〜7時間の間(15分当たりに一度洗浄する)連続することができるであろう。対照的に、5×10−5mg/mlの濃度での陽性の対照としてイソプレナリンによって阻害された平滑筋の収縮を、洗浄した後の20分において再開した。その結果は、クロロホルム抽出物、式IIの化合物、及び式Ibの化合物が、陽性の対照よりもはるかに長い時間の間で効果を取得することができるであろうということを示唆する。
【実施例7】
【0067】
例7
ウサギの大動脈におけるクロロホルム抽出物、式IIの化合物、及び式Iaの化合物の効果
ニュージーランドのウサギを、斬首した及び無意識のものであった。開胸の後で、それの胸部の大動脈を、直ちに取り出し、血まみれを取り除くために、予め冷却したLOCKの溶液(その溶液は、1000mlの水、9gのNaCl、0.35gのKCl、0.35gのMgSO.7HO、0.16gのKHPO、及び1gのNaHCOで構成された)に直ちに置き、予め冷却したLOCKで洗浄した。
【0068】
血管の外部における結合組織を、注意深く切り取り、血管に対して45°の角度で2〜3mmの広さの大動脈の切片を、後に続く試験に用いるために取得した。
【0069】
2cmの長さの大動脈の切片を、カエルの心臓のクリップで、それの両方の末端において締め付け、タンクの底部で固定される下側の末端及び双方向の電気生理学的グラフの引っ張りトランスデューサーへ糸によって接続される上部の末端を備えた38℃の恒温の灌流タンクに置いた。酸素を、灌流タンクにおける溶液へ泡立て、大動脈の切片の収縮力を、80分の間に溶液においてそれを釣り合わせた後、記録した。それの間に、LOCKの溶液を、20分当たりに一度、交換した。その溶液へ1.2×10−6mg/mlのアドレナリンを添加した後、大動脈の切片の収縮曲線を記録した。収縮の高さを、もはやさかのぼらなかったとき、大動脈の切片を、4回洗浄した。40分の後に、大動脈の切片の収縮を、再開させたとき、異なる濃度のクロロホルム抽出物、式IIの化合物、又は式Iaの化合物が、添加され、10分の間効果を取得し、1.2×10−6mg/mlの濃度でアドレナリンを添加することを後に続けた。ここで添加されたアドレナリンが、大動脈の切片の収縮力のみを元来の値の1/2から1/3まで再開することができるであろうということが、観察された。それらの結果を、表3に列挙した。
【0070】
表3.ウサギの大動脈における異なる試料の効果
【0071】
【表3】

【0072】
それら結果は、5×10−3〜1×10−4mg/mlの濃度の範囲内におけるクロロホルム抽出物、式IIの化合物、又は式Iaの化合物が、アドレナリンによって引き起こされた大動脈の切片の収縮を明白に低減することができるであろうということを証明した。
【実施例8】
【0073】
例8
ラットの血圧の低減における式Ibの化合物のみならずクロロホルム抽出物、式IIの化合物、式IIの化合物の塩酸塩の効果
自然発生の高血圧性のラット(SHR)を、40mg/mlのペントバルビタールで麻酔し、実験の台の上にそれの背後によって固定した。それの首における皮膚を、毛を取り除いた後で、切開し、その後、右の総頸動脈を、動脈クランプによって締め付けられるそれの近位の末端及び糸によって縛られるそれの軸索遠心性の末端で分離した。軸索遠心性の末端においてはさみでV字形状の切断をしたが、その中にヘパリンの生理的塩類溶液で満たされた動脈のカニューレを挿入した。動脈のカニューレを、血圧トランスデューサと接続し、そして、血圧トランスデューサを、コンピュータで制御された三方向の生理学的な薬理学的な記録器へ接続した。ラットの右の大腿静脈を分離し、薬物の注射のために挿管した。血圧が、安定なものになった(即ち、血圧の収縮曲線が直線的なものになった)とき、ラットを、静脈内の経路によって投与した。それらの結果を表4に示した。
【0074】
表4.SHRラットの血圧の低減におけるクロロホルム抽出物、式IIの化合物、及び式Ibの化合物の効果
【0075】
【表4】


*:投与前のものとの比較におけるP<0.05
**:投与前のものとの比較におけるP<0.01
【0076】
実験の結果は、10−200mg/kgの薬用量の範囲内における式Ibの化合物のみならず全てのクロロホルムの抽出物、式IIの化合物、式IIの化合物の塩酸塩が、SHRラットの収縮期圧及び拡張期圧を明白に低減させることができるであろうことを証明した。
【実施例9】
【0077】
例9
猫の血圧の低減におけるクロロホルム抽出物、式Iの化合物、及び式Ibの化合物の効果
2.5−3.2kgの五匹の猫が、例8における方法に従って、それぞれ経口的に及び静脈内に投与され、そして、それらの収縮期圧及び拡張期圧が、対照群としての投与されなかった正常な猫を使用して決定された。それら結果は、全ての化合物が、血圧の低減における非常に顕著な効果を有することを示した(表5−9参照)。
【0078】
表5.対照群としての猫の血圧の値
【0079】
【表5】

【0080】
表6.猫の血圧の低減におけるクロロホルム抽出物(経口的な投与)の効果
【0081】
【表6】

【0082】
【表7】

【0083】
表7.猫の血圧の低減における式IIの化合物(経口的な投与)の効果
【0084】
【表8】

【0085】
【表9】

【0086】
表8.猫の血圧の低減における式IIの化合物(静脈内の投与)の効果
【0087】
【表10】

【0088】
【表11】

【0089】
表9.猫の血圧の低減における式Ibの化合物(経口的な投与)の効果
【0090】
【表12】

【0091】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式I
【化1】

の化合物又はそれの薬学的に許容可能な塩であって、
R1及び、同じ又は異なる、R2の各々は、独立して、水素原子又はC−Cのアルキルを表し、
【化2】

は、単結合又は二重結合を表し、
【化3】

が、二重結合であるとき、Rは、酸素原子であり、
【化4】

が、単結合であるとき、Rは、水酸基である、化合物。
【請求項2】
以下の式II
【化5】

を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項2に記載の式IIの化合物を含むことを特徴とする、オチバタケの抽出物。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の化合物又は請求項3に記載のオチバタケの抽出物、及び、一つ以上の薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む、薬学的な組成物。
【請求項5】
経口的な、注射の、又は、局所的な投与に適切な薬用量の形態における請求項4に記載の薬学的な組成物。
【請求項6】
菌類のオチバタケを、有機溶媒、水性有機溶媒、又は水で抽出すること、及び、得られた抽出物質を濃縮することを含む、オチバタケの抽出物を調製する方法。
【請求項7】
抽出物を得るために、菌類のオチバタケを、有機溶媒、水性有機溶媒、又は水で抽出すること、該抽出物を分離すると共に精製すること、それによって式IIの化合物の単量体を得ること、そして、それを塩基性の条件下で計算された量のハロゲン化アルキルと反応させることによって、該化合物の単量体を誘導することを含む、請求項1に記載の式Iの化合物を調製する方法。
【請求項8】
前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジクロロメタン、トリクロロメタン、酢酸メチル、酢酸エチル、石油類又はジエチルエーテルである、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
高血圧症及びそれの関係した疾患の予防及び/又は処置のための医薬の調製における請求項1又は2に記載の化合物又は請求項3に記載のオチバタケの抽出物の使用。
【請求項10】
前記高血圧症及び/又はそれの関係した疾患は、単純な高血圧症、高血圧症によって引き起こされた冠状動脈性心疾患、並びに、他の心臓血管の及び脳血管の疾患を含む、請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2007−519643(P2007−519643A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549832(P2006−549832)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【国際出願番号】PCT/CN2004/001125
【国際公開番号】WO2005/075423
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(506259117)北京佗林医▲葯▼科技有限公司 (1)
【出願人】(506259106)海南洋浦新特▲葯▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】