説明

オプションユニット

【課題】オプションユニットにおいて、必要以上の把手は省略し、特に、設置後に外部から見える把手は、ユーザが使用するのに好適なもののみとし、それ以外の把手は外部から見えないようにした。
【解決手段】画像形成装置本体10に右側にオプションユニット11を隣接するように設置する。オプションユニット11を単体として、移動、梱包、開梱等の作業を行う場合には、左側面14の左把手31,32を1人の作業者、右側面15の右把手33,34を他の作業者が持つことで行う。設置後は、右把手31,32は外部から見えなくなるので、ジャム処理時等にユーザがオプションユニット11を横に移動させる場合には、迷わず、見えている右把手33,34を使用することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,プリンタ等の画像形成装置の1つの側面に隣接するようにして配設されて使用されるオプションユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
大型の複写機,プリンタ等の画像形成装置においては、シートの前処理を行うオプションユニット(例えば、大容量デッキ)や後処理を行うオプションユニット(例えば、ステイプル装置、穴明け装置)は、床置きタイプとして構成されている。そして、一般に、前処理を行うものは、画像形成装置本体の右側面に隣接するように、また後処理を行うものは、画像形成装置本体の左側面に隣接するように設置され、必要に応じて画像形成装置本体から離間できるようになっている。
【0003】
これらオプションユニットは、20〜40kg重程度の重量であり、画像形成装置本体とは独立に取り扱われる。例えば、特許文献1の図1,図2,図5に示すようなオプションユニット(サイド給紙デッキ)は、図10に示すように、製造工場において梱包される場合には、スリング101を介してクレーンで吊り下げ、パレット102上にセットされた底ケース103内の緩衝材104上に載せられる。その後、作業者M1,M2によって上ケースがかぶされ、梱包紐で巻かれて梱包を終了する。また、図11に示すように、販売店等においては、開梱された後、2人程度の作業員M1,M2によって保管場所に移動される。この際、作業者M1,M2は、オプションユニット100の外装パネルの適宜な箇所を握って持ち上げ、移動させる。
【0004】
図12に示すように、オプションユニット100は、設置先では、画像形成装置本体105の右側面105aに隣接されて設置されるが、例えば、ジャム(紙詰まり)が発生した場合には、横方向にずらして、画像形成装置本体105から離間させることが必要となる。この場合、ユーザUは、外装パネルの手を掛けやすい部分、例えば、角部に手を引っ掛けるようにして、オプションユニット100を横にずらすようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−104672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の従来技術においては、オプションユニット100の外装パネルに適宜な把手が設けてない場合には、オプションユニット100の梱包、開梱、移動、離間等の各作業において、これらの作業を円滑に行うことができないという問題があった。
【0007】
一方、外装パネルに多数の把手が設けてある場合には、特に、製品知識が希薄なユーザにとっては、離間作業時に使用する把手が不適切だったりするおそれがある。
【0008】
すなわち、オプションユニット100を作業者M1,M2が持ち上げる際に使用すべき把手は、上下方向の荷重に対して十分な強度を有するものである。これに対し、オプションユニット100をユーザUが画像形成装置本体105から離間させる際に使用すべき把手は、横方向の荷重に対して十分な強度を有するものである。このため、使用する把手が不適切である場合には、各作業が円滑に行えなくなったり、また、外装パネルを破損させたりするおそれがある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、必要以上の把手は省略し、特に、設置後に外部から見える把手は、ユーザが使用するのに好適なもののみとし、それ以外の把手は外部から見えないようにしたオプションユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、前面と後面と第1側面と第2側面とを有する箱状に形成されるとともに、画像形成装置本体の1つの側面に対して前記第1側面が対面するように隣接して設置され、前記画像形成装置本体との間で、前記第1側面を介してシートの授受が行われるオプションユニットに関する。この発明に係るオプションユニットは、底面に配設されたベースフレームの前端に前フレームを立設し、後端に後フレームを立設し、前記前フレーム及び前記後フレームにおける前記第1側面側の側端を第1ビームで連結し、前記前フレーム及び前記後フレームにおける前記第2側面側の側端を第2ビームで連結して構成した構造体と、前記構造体における前記前面と前記後面と前記第2側面と上面とを覆う、前面パネルと後面パネルと第2側面パネルと上面パネルと、を備え、前記第1ビームの一部に、外部に露出するように第1把手を形成し、前記第2側面側における前記第1把手に対応する高さに、外部に露出するように第2把手を設けた、ことを特徴としている。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に係るオプションユニットにおいて、前記1側面の上半部に、前記画像形成装置本体との間でシートが流通される流通口を有し、前記第1把手が、前記流通口よりも下方に位置する前記第1ビームに形成されている、ことを特徴としている。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係るオプションユニットにおいて、前記第2把手は、前記第2ビームに形成された把持部と、前記第2側面パネルにおける前記把持部に対応する部分に形成されて外部からの前記把持部の目視を遮る遮蔽部と、前記第2側面パネルに形成されて外部からの前記把持部の使用を可能とする窓部と、を有する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に係るオプションユニットにおいて、前記第2把手が、前記第2側面パネルに形成されている、ことを特徴としている。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項4に係るオプションユニットにおいて、前記第2把手が、前記第2側面パネルを表裏方向に貫通して、手の挿入を可能とする挿入口と、前記第2側面パネルにおける前記挿入口の上方に位置する部分の裏面側において上下方向に向けられ、前後方向に複数配設された補強リブとによって構成されている、ことを特徴としている。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項5に係るオプションユニットにおいて、複数の前記補強リブは、少なくとも、下側に位置する、手で把持される部分の、前記第2側面パネルの裏面からの突設高さが、掌の長さよりも短く設定されている、ことを特徴としている。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に係るオプションユニットにおいて、複数の前記補強リブの間隔が、手の指の太さよりも狭く設定されている、ことを特徴としている。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項5乃至7のいずれか1項に係るオプションユニットにおいて、前記第2把手は、前記挿入口に挿入した手を、前記補強リブに導くガイド部を有する、ことを特徴としている。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項5乃至8のいずれか1項に係るオプションユニットにおいて、前記第2把手は、前記第2側面パネルにおける前後方向の異なる位置に複数形成され、前記複数の第2把手のうち、ユニット全体の重心に近い側の前記第2把手が、重心から遠い側の前記第2把手よりも下方に配置されている、ことを特徴としている。
【0019】
請求項10に係る発明は、請求項2乃至9のいずれか1項に係るオプションユニットにおいて、複数枚のシートをストックするデッキと、前記デッキ上のシートを前記流通口を介して前記画像形成装置本体に供給するシート給送装置と、を備える、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、第1側面にある第1ビームに形成された第1把手、及びこの第1側面に対向する第2側面側に形成されて第1把手に対応する高さにある第2把手は、外部に露出しているので、外部から容易に視認することができる。また、オプションユニットを製造工場や販売会社において移動させたり、梱包したり、開梱したりする際には、例えば、1人が第1把手を使用し、他の1人が第2側面にある第2把手を使用することで、移動、梱包、開梱等の作業を円滑に行うことができる。一方、オプションユニットは、設置先で、画像形成装置本体に隣接するように設置された際には、第1側面が画像形成装置本体の1つの側面に対面する。つまり、第1側面は、画像形成装置本体の1つの側面に接触又は近接するように配置される。このため第1側面にある第1把手は、外部からは見えないので、デザイン上、好ましい。これに対して、第2側面側の第2把手は、外部から簡単に視認することができる。したがって、例えば、ジャム(紙詰まり)処理等のためにオプションユニットを画像形成装置本体から引き離す必要が生じた場合には、ユーザは、迷うことなく、自然に、現に見えている第2側面側の第2把手を使用することになる。
【0021】
請求項2の発明によれば、第1把手は、第1側面の上半部に設けられた流通口の下方に位置する第1ビームに形成されているので、オプションユニットの移動時や梱包、開梱時に使用するには、適度な高さとなり、使い勝手がよい。
【0022】
請求項3の発明によれば、第2把手の把持部は、第2ビームに形成されているので、十分な強度を確保することができ、また、第2側面パネルの窓部から手を入れて把持することができる。さらに、第2ビームの把持部は、第2側面パネルの遮蔽部によって覆われていて、外部からは見えないので、デザイン上好ましい。なお、本請求項の発明によれば、第2把手の一部として、第2側面パネルに形成された遮蔽部あるいは窓部を外部から視認することができるので、ユーザは、そこに第2把手があることを簡単に知ることができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、第2把手は、第2側面パネルに形成されているので、外部から容易に視認することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、第2側面パネルに形成された第2把手は、第2側面パネルにおける挿入口の上方の裏面側に複数、配設された補強リブを有しているので、この補強リブによって、オプションユニットを持ち上げる際の上下方向の強度、及びオプションユニットを横方向に移動させる際の横方向の強度を確保することができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、複数の補強リブにおけるそれぞれの下側に位置する部分の突設高さが掌の長さよりも短く設定されているので、この部分を容易に手で握ることができる。
【0026】
請求項7の発明によれば、複数の補強リブの間隔が、指に太さよりの狭く設定されているので、これら補強リブに指を掛けたときに、例えば、指の先端の一部がこれら補強リブ間の空間に入り込んで、指が不要に移動することを防止する。つまり、補強リブがすべり止めとしても有効に作用する。
【0027】
請求項8の発明によれば、ユーザは、挿入口に手を入れると、その手は、ガイド部によって自然に補強リブに導かれる。
【0028】
請求項9の発明によれば、ユニット全体の重心に近い側の第2把手が、重心から遠い側の第2把手よりも下方に配置されているので、これらの第2把手を使用して、オプションユニットを持ち上げた際に、容易にバランスを保つことができる。
【0029】
請求項10の発明によれば、複数枚のシートをストックするデッキと、デッキ上のシートを画像形成装置本体に向けて供給するシート給送装置と、を備えたオプションユニットにおいて、上述の請求項1〜9の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、以下の各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
【0031】
<実施形態1>
図1〜図4を参照して、本発明に係る実施形態1のオプションユニット11について説明する。このうち、図1は、画像形成装置本体10に隣接させてオプションユニット11を設置した状態を示す、前側の右斜め上方から見た斜視図である。なお、同図の右上の矢印a方向が画像形成装置本体10及びオプションユニット11の前、矢印b方向が後、矢印c方向が左、矢印d方向が右となる。また、図2は、オプションユニット11のフレーム構成を左斜め上方から見た斜視図である。また、図3は、左ビーム(第1ビーム)24に形成された左把手(第1把手)31,32を説明する斜視図である。そして、図4は、図1におけるA−A線矢視拡大図である。
【0032】
図1に示すように、オプションユニット11は、6つの面を有する直方体状、すなわち前面12と後面13と左側面(第1側面)14と右側面(第2側面)15と上面16と下面(底面)17とを有する箱状に形成されている。これら6面のうちの4面、すなわち前面12、後面13、右側面15、上面16は、この順に、合成樹脂製あるいは板金製の前面パネル12P、後面パネル13P、右側面パネル(第2側面パネル)15P、上面パネル16Pによって覆われている。残りの2面、すなわち左側面14と下面17とは、いずれもオプションユニット11の設置状態において、ユーザの目に触れない面であり、パネルに覆われることなく、次に説明するフレーム(構造体)20の一部が露出されている。
【0033】
図2に、オプションユニット11のフレーム構成を示す。同図に示すように、フレーム20全体は、底面17に配設された板状のベースフレーム21と、このベースフレーム21の前端及び後端にそれぞれ立設された板状の前フレーム22及び板状の後フレーム23と、これら前フレーム22及び後フレーム23の左側端を前後方向に連結する棒状の左ビーム(第1ビーム)24,25と、前フレーム及び後フレームの右側端を前後方向に連結する棒状の右ビーム(第2ビーム)26,27とによって構成されている。これら各フレーム及び各ビームは、例えば鋼板(金属板)をプレス加工することによって形成されていて、いずれも強度部材となりうる。
【0034】
図2に示す左側面14の上半部には、画像形成装置本体10(図1参照)との間でシート(例えば、紙、透明フィルム等の記録材)を授受するための流通口30(同図では二点鎖線で図示)が設けられている。図2に示すフレーム構成では、左側面14には、異なる高さに2本の左ビーム24,25が前後方向に向けて配設されている。これら左ビーム24,25は、長手方向(前後方向)に直交する方向の断面がほぼ「L」字形に形成されている。2本の左ビーム24,25のうちの、上側に位置する左ビーム24は、上述の流通口30のすぐ下方に配設されている。この左ビーム24には、図2,図3に示すように、前後方向の中央を基準に、前後に振り分けた位置に、2個の左把手(第1把手)31,32が形成されている。この左把手31,32は、図3に示すように、左ビーム24の一部を上側に突設させて、下面が凹状になるようにして形成したものである。例えば、製造工場においてオプションユニット11を移動させたり、段ボール等によって梱包したり、また、販売会社で開梱したりする際に、作業者は、この左把手31,32を使用することになる。
【0035】
右側面15における、左ビーム24,25に対応する位置には、右ビーム26,27が前後方向を向けて配設されている。これら右ビーム26,27は、長手方向の断面が「U」字形の部材によって構成されており、開口部を内側に向けた姿勢で、前フレーム22及び後フレーム23の右側端を前後方向に連結している。
【0036】
図1に示すように、オプションユニット11の左側面14は、パネルで覆われていない。つまり、オプションユニット11を単体としてみた場合には、オプションユニット11の左側面14は、図2に示すように左ビーム24,25等が露出されている。これに伴い、左把手31,32も露出されている。これに対し、図1に示すように、オプションユニット11の右側面15は、右側面パネル15Pによって覆われている。そして、この右側面パネル15Pには、上述の左把手31,32に対応する高さ、つまりほぼ一致する高さに、右把手33,34が形成されている。
【0037】
図1に示す例では、右把手33,34は、同じ高さで、かつ前後方向の異なる位置に、同形状のものがそれぞれ1つずつ、合計2つ形成されている。図4に、右把手34の、図1中の矢印A−A線拡大矢視図を示す。同図に示すように、右把手34は、合成樹脂製の右側面パネル15Pの一部を内側に突出させて補強することで形成されている。
【0038】
右把手34は、図4に示すように、作業者やユーザが手を挿入するための挿入口35を有している。右把手34は、挿入口35の上端縁において、右側面パネル15Pの一部を内側に屈曲し、さらに上方に屈曲させて折り返した折返し部36と、その上端から内側に延びる天部37とを有している。また、挿入口35の下端縁には、右側面パネル15Pの一部を内側に向かってほぼ円弧状に上昇させて構成したガイド部38が形成されている。このガイド部38は、挿入口35から挿入された作業者やユーザの手を、上方に向けてガイドするためのものである。作業者やユーザは、折返し部36に掌を掛けて、オプションユニット11を持ち上げたり、横方向にずらしたりする。オプションユニット11を持ち上げる際には、右把手34には、上下方向の力F1が作用する。また横方向にずらす際には、横方向の力F2が作用する。右把手34全体として、これらの力が作用した場合であっても、十分耐えうるような強度に構成されている。なお、他の右把手33も、上述の右把手34と同様の形状である。
【0039】
ここで、オプションユニット11としては、例えば、画像形成装置本体10において画像形成されるシートに対して前処理を行う前処理装置や、画像形成後のシートに対して、ステイプル処理、穴明け処理、折り処理、ソート処理等を行う後処理装置があげられる。さらに例えば、前処理装置の1つとして、大容量デッキがある。この大容量デッキは、4000枚程度のシートをストックするデッキ(不図示)や、デッキ上のシートを最上位のものから順次、流通口30(図1参照)を介して画像形成装置本体10に供給するシート給送装置(不図示)等を有している。これらデッキやシート給送装置は、図2に示す、フレーム20の内側に配設されることになる。以下では、オプションユニット11が、このような大容量デッキである場合を想定して説明する。
【0040】
なお、オプションユニット11のベースフレーム21の4隅には、オプションユニット11の横方向(水平方向)の移動を容易にすべく、キャスタ(不図示)が取り付けられているものとする。さらに、このうち前側に位置する2個のキャスタについては、所定の位置に設置された後のオプションユニット11が、不要に移動することを防止するためのロック機構が内蔵されているものとする。
【0041】
上述構成のオプションユニット11は、製造工場での移動時や梱包時、販売会社での開梱時等においては、画像形成装置本体10とは、独立に、単体として取り扱われる。このとき、左側面14の左ビーム24にある左把手31,32、及び右側面15の右側面パネル15Pにある右把手33,34は、いずれも外部に向けて露出されている。したがって、例えば2人の作業者により、それぞれ左把手31,32、右把手33,34を利用して、安定させた状態で、オプションユニット11を移動し、梱包し、開梱することができる。
【0042】
図1に示すように、設置先において、オプションユニット11を所定の位置、すなわち、画像形成装置本体10の右側面10aにオプションユニット11の左側面14が接触又は近接するように、隣接させて設置すると、結果として、オプションユニット11の左側面14は、画像形成装置本体10の右側面10aよって覆われる。このため、左把手31,32は、外部からの目視が困難になる。この状態において、ユーザが外部から目視できる把手は、右側面15に配置されている右把手33,34のみとなる。
【0043】
ところで、オプションユニット11から画像形成装置本体10にシートを順次に供給して画像形成を行っていくと、ジャム(紙詰まり)が発生することがある。この場合、一般に、画像形成装置本体10に対してオプションユニット11を右方向にずらして、両者の間隔を広げて、オプションユニット11内又は画像形成装置本体10内のジャム紙を除去することが必要となる。この際、ユーザは、必然的に、右把手33,34を使用して、オプションユニット11をずらすことになる。
【0044】
このように、本実施形態によると、例えば、前面12や後面13に余分な把手を設けることなく、必要最小限の左把手31,32及び右把手33,34を使用して、必要なときに、必要な作業を確実に行うことができる。さらに、オプションユニット11の設置後に、ユーザにとっては不要な左把手31,32は、外部から目視できなくなっているので、ユーザが使用する把手を迷うことがなく、またデザイン的にも良好なものとなる。
【0045】
また、本実施形態によれば、左把手31,32及び右把手33,34を利用して、2人の作業者により、オプションユニット11の移動等が可能となるので、適宜な把手が取り付けられていない場合に必要であった、スリングを使用しての吊り下げ作業等が不要となる。
【0046】
<実施形態2>
図5,図6,図7を参照して、実施形態2を説明する。このうち図5は、オプションユニット11の右側面15を示す図である。また、図6(a)は右側面パネル15Pの表面側から見た右把手40近傍の拡大図であり、(b)は(a)のB−B線矢視図、(c)は(a)のC−C線矢視図である。また、図7(a)は右側面パネル15Pの裏面側から見た右把手40近傍の拡大図であり、(b)は(a)のD−D線矢視図である。
【0047】
図5に示すように、右把手40,41は、右側面パネル15Pにおける、上述の左側面にある左把手(不図示)に対応する高さに形成されている。本実施形態では、2個の右把手40,41が形成されていて、これらは、右側面パネル15Pにおける同じ高さで、かつ前後方向の中心を基準として前後に振り分けた位置に配置されている。なお、2個の右把手40,41は、同形であるので、一方の右把手40について説明する。
【0048】
図6,図7に示すように、右把手40は合成樹脂によって右側面パネル15Pと一体に形成されている。右把手40は、右側面パネル15Pを表裏方向に貫通して、手の挿入を可能とする挿入口42と、右側面パネル15Pにおける挿入口42の上方に位置する部分の裏面側において上下方向に向けられ、前後方向に複数配設された補強リブ43と、挿入口42に挿入した手を、補強リブ43に導くガイド部44と、によって構成されている。
【0049】
挿入口42は、前後方向に長い長方形状の透孔によって形成されていて、右側面パネル15Pを表裏方向に貫通している。挿入口42の上下方向の長さ、及び前後方向に長さは、作業者やユーザが余裕を持って手を挿入することができるように設定されていて、特に前後方向の長さは、作業者やユーザが右把手40を持つ位置を調整できるように、一般的な大人の掌の幅の2〜3倍に設定されている。
【0050】
図6(b),図7(a)に示すように、補強リブは、右側面パネル15Pの裏面における、挿入口42の上端縁に配設されている。各補強リブ43は、上下方向に長い板状に形成されていて、右側面パネル15Pの裏面から突出するよう配設されている。各補強リブにおける、右側面パネル15Pの裏面からの突設高さY(図6(c)参照)は、少なくとも、作業者やユーザの手で把持される下側の部分は、掌の長さよりも短く設定されている。また、上下方向に長さX(図6(c)参照)は、作業者やユーザが、補強リブ43の下端に手を掛けたときに、指の先端が補強リブの背面端43aから外れない程度の長さに設定されている。つまり、指の先端が補強リブ43の背面端43aから外れないようになっている。
【0051】
上述形状の複数の補強リブ43は、挿入口の42の前後方向のほぼ全長にわたって、所定の間隔Z(図5(a)参照)を持って整列状態で配列されている。ここで、隣接する補強リブ43,43の間隔Zは、手の指の先端における太さよりも狭くなるように設定されている。これにより、補強リブ43に指を掛けたときに、例えば、指の先端の一部がこれら補強リブ43,43間の空間に入り込んで、指が不要に滑ることを防止する。つまり、補強リブ43が滑り止めとしても有効に作用する。なお、補強リブ43,43間の距離を比較的、狭く設定しておけば、指の太さが異なる様々な作業者やユーザに対応することができる。
【0052】
ガイド部44は、図6(c),図7(b)に示すように、長手方向に交差する方向の断面形状が、奥側に入るほど高さが高くなるように形成されている。本実施形態では、ほぼ円弧状に形成されている。ガイド部材44は、作業者やユーザが、掌を上に向けた状態で、挿入口42に外側から手を入れた際に、その指先を、自然に補強リブ43の背面端43aに導くものである。
【0053】
本実施形態においては、右把手40,41が上述のように形成されているので、上述の実施形態1の図4に示す右把手34と同様、図6(c)に示すように、作業者がオプションユニット11を持ち上げる際に作用する上下方向の力F1に対しても、また設置後のオプションユニット11をユーザが横方向にずらす際に作用する横方向の力F2に対しても十分な強度を確保することができる。
【0054】
また、右把手40,41は、外部に突出する構成がまったくなく、また外部からは挿入口42が目視されるだけなので、安全上、またデザイン上、好ましいものであるといえる。また、挿入口42自体は、外部から簡単に目視することができるので、例えば、オプションユニット11に対する確かな知識のないユーザであっても、オプションユニット11を画像形成装置本体10から離間させようとすると、挿入口42に手を入れて、補強リブ43を握る動作を、自然に行うものと考えられる。
【0055】
また、右把手40,41は、前後方向に長く形成されているので、作業者やユーザによって、把持する箇所を好適に選択することができる。この際、上述のように手で把持するのに好適な大きさ(長さX,Y)、形状の補強リブ43が、上述のような間隔Zで複数、整列状態で配設されているので、作業者やユーザは、手の大きさに左右されることなく、補強リブ43を確実に把持することができ、また把持後には、指先が補強リブ43に引っかかるので、不要に滑ったりするおそれがない。
【0056】
したがって、作業者によるオプションユニット11の移動、梱包、開梱等の作業、またユーザによるオプションユニット11の横方向への移動に際し、これらの作業を、右把手40,41を利用して円滑に行うことが可能となる。
【0057】
<実施形態3>
図8に実施形態3を示す。同図は、オプションユニット11の右側面15を示す図であり、上述の実施形態2の図5に相当する図である。
【0058】
本実施形態においては、2個の右把手45,46のうち、後側に位置する右把手46を前側に位置する右把手45よりも低い位置に設けたものである。なお、右把手45,46自体の構成は、上述の実施形態2の右把手40,41と同様である。
【0059】
画像形成装置本体10やオプションユニット11は、一般的に、駆動系が後面13側に配設されているために、前側よりも後側の方が重たい。つまり、重心が前後方向の中心よりも後側にずれている場合が多い。
【0060】
そこで、本実施形態では、後の右把手46を、前の右把手45よりも下方に配置することにより、これら右把手45,46等を利用して、オプションユニット11を持ち上げる際に、バランスを取りやすくした。なお、以上では、重心が後面13側にずれている場合を例に説明したため、後の右把手46を下方に配置したが、この逆に、重心が前面12側にずれているような場合(不図示)には、後の右把手に対して前の右把手が下方に配置されるように構成するとよい。
【0061】
<実施形態4>
図9に実施形態4を示す。同図は、右側面15の上側の右ビーム近傍を示す斜視図である。
【0062】
本実施形態では、右把手47,48を、右ビーム50の一部と、右側面パネル15Pの一部とによって構成している。
【0063】
すなわち、右把手47,48は、右ビーム50に形成された把持部51,52と、右側面パネル15Pに形成され遮蔽部53,54及び窓部55,56とによって構成されている。把持部51,52は、上述の実施形態1の図3に示す左把手31,32と同様に形成されていて、図9に示すように、右ビーム50の一部を上側に突設させて、下面が凹状になるようにして形成したものである。本実施形態においては、把持部51,52は、右側面パネル15Pの遮蔽部53,54によって覆われて、外部から目視できないようになっている。言い換えると、右側面パネル15Pのうちの、上述の把持部51,52に対応する部分が遮蔽部53,54ということになる。この遮蔽部53,54の下方には、窓部55,56が形成されている。作業者やユーザは、この窓部55,56に手を入れることで、把持部51,52に手を掛けるようにしている。
【0064】
本実施形態によると、把持部51,52を有する右ビーム50を、図3に示す上側の左ビーム24と同じ部材とすることができる。また、右側面パネル15Pには、窓部55,56を設けるだけで、右側面パネル15Pにおける窓部55,56の上方に位置する部分が遮蔽部53,54となる。
【0065】
本実施形態によると、簡単な構成で、右把手47,48を構成することができ、しかも、十分な強度を確保することができる。
【0066】
以上の実施形態では、本発明に係るオプションユニット11が、前処理装置の1つである大容量デッキである場合を例に説明したが、本発明は、ステイプル装置、穴明け装置、折り装置、ソータ等の後処理装置に対しても適用することができる。ただし、後処理装置に適用した場合は、一般に、後処理装置は、画像形成装置本体10の左側面(不図示)に隣接するように配設するので、この場合には、第1把手が右把手となり、また第2把手が左把手となる。他の構成については、上述とほぼ同様である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
上述では、本発明のオプションユニット11として、画像形成装置本体10に隣接させた配設するものについて説明したが、本発明は、画像形成装置本体10以外にも、例えば、一般に、箱状の本体に対して、同じく箱状のオプションユニット11を隣接させて配置する場合にも広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】画像形成装置本体10に隣接させてオプションユニット11を設置した状態を示す、前側の右斜め上方から見た斜視図である。
【図2】オプションユニット11のフレーム構成を左斜め上方から見た斜視図である。
【図3】左ビーム(第1ビーム)に形成された左把手(第1把手)を説明する斜視図である。
【図4】図1におけるA−A線矢視拡大図である。
【図5】実施形態2のオプションユニット11の右側面15を示す図である。
【図6】(a)は右側面パネル15Pの表面側から見た右把手近傍の拡大図であり、(b)は(a)のB−B線矢視図、(c)は(a)のC−C線矢視図である。
【図7】(a)は右側面パネル15Pの裏面側から見た右把手近傍の拡大図であり、(b)は(a)のD−D線矢視図である。
【図8】実施形態3のオプションユニット11の右側面15を示す図である。
【図9】実施形態4の右側面15の上側の右ビーム近傍を示す斜視図である。
【図10】梱包時のオプションユニット11をスリングで吊り下げた状態を説明する斜視図である。
【図11】開梱字のオプションユニット11を移動させる様子を説明する斜視図である。
【図12】画像形成装置本体10に隣接して配設されたオプションユニット11を離間させるようすを説明する図である。
【符号の説明】
【0069】
10……画像形成装置本体、10a……画像形成装置本体の右側面(1つの側面)、11……オプションユニット、12……前面、12P……前面パネル、13……後面、13P……後面パネル、14……左側面(第1側面)、15……右側面(第2側面)、15P……右側面パネル(第2側面パネル)、16……上面、16P……上面パネル、20……フレーム(構造体)、21……ベースフレーム、22……前フレーム、23……後フレーム、24,25……左ビーム(第1ビーム)、26,27……右ビーム(第2ビーム)、30……流通口、31,32……左把手(第1把手)、33,34,45,46,47,48……右把手(第2把手)、35,42……挿入口、38,44……ガイド部、43……補強リブ、51,52……把持部、53,54……遮蔽部、55,56……窓部、X……補強リブの上下方向の長さ、Y……補強リブの突設高さ、Z……隣接する補強リブの間隔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面と後面と第1側面と第2側面とを有する箱状に形成されるとともに、画像形成装置本体の1つの側面に対して前記第1側面が対面するように隣接して設置され、前記画像形成装置本体との間で、前記第1側面を介してシートの授受が行われるオプションユニットにおいて、
底面に配設されたベースフレームの前端に前フレームを立設し、後端に後フレームを立設し、前記前フレーム及び前記後フレームにおける前記第1側面側の側端を第1ビームで連結し、前記前フレーム及び前記後フレームにおける前記第2側面側の側端を第2ビームで連結して構成した構造体と、
前記構造体における前記前面と前記後面と前記第2側面と上面とを覆う、前面パネルと後面パネルと第2側面パネルと上面パネルと、を備え、
前記第1ビームの一部に、外部に露出するように第1把手を形成し、
前記第2側面側における前記第1把手に対応する高さに、外部に露出するように第2把手を設けた、
ことを特徴とするオプションユニット。
【請求項2】
前記1側面の上半部に、前記画像形成装置本体との間でシートが流通される流通口を有し、
前記第1把手が、前記流通口よりも下方に位置する前記第1ビームに形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のオプションユニット。
【請求項3】
前記第2把手は、前記第2ビームに形成された把持部と、前記第2側面パネルにおける前記把持部に対応する部分に形成されて外部からの前記把持部の目視を遮る遮蔽部と、前記第2側面パネルに形成されて外部からの前記把持部の使用を可能とする窓部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオプションユニット。
【請求項4】
前記第2把手が、前記第2側面パネルに形成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のオプションユニット。
【請求項5】
前記第2把手が、前記第2側面パネルを表裏方向に貫通して、手の挿入を可能とする挿入口と、前記第2側面パネルにおける前記挿入口の上方に位置する部分の裏面側において上下方向に向けられ、前後方向に複数配設された補強リブとによって構成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のオプションユニット。
【請求項6】
複数の前記補強リブは、少なくとも、下側に位置する、手で把持される部分の、前記第2側面パネルの裏面からの突設高さが、掌の長さよりも短く設定されている、
ことを特徴とする請求項5に記載のオプションユニット。
【請求項7】
複数の前記補強リブの間隔が、手の指の太さよりも狭く設定されている、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のオプションユニット。
【請求項8】
前記第2把手は、前記挿入口に挿入した手を、前記補強リブに導くガイド部を有する、
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のオプションユニット。
【請求項9】
前記第2把手は、前記第2側面パネルにおける前後方向の異なる位置に複数形成され、前記複数の第2把手のうち、ユニット全体の重心に近い側の前記第2把手が、重心から遠い側の前記第2把手よりも下方に配置されている、
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のオプションユニット。
【請求項10】
複数枚のシートをストックするデッキと、前記デッキ上のシートを前記流通口を介して前記画像形成装置本体に供給するシート給送装置と、を備える、
ことを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載のオプションユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−293091(P2007−293091A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−121882(P2006−121882)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】