説明

オプトエレクトロニクス用途のための銅錯体

本発明は、式(A)
【化1】


を有する銅(I)錯体(式中、X=Cl、Br又はIであり(互いに独立して)、N∩E=二座配位子(式中、E=RE形態(式中、R=アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ又はアミドである)のホスフィニル/アルセニルラジカルであり、N=ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサゾリル、チアゾリル及びイミダゾリルから選択される芳香族基の一部であるイミン官能基であり、該芳香族基は、有機溶媒中での銅(I)錯体の溶解度を増加させるための少なくとも1つの置換基を任意に有し、「∩」=同様に該芳香族基の一部である少なくとも1つの炭素原子であり、該炭素原子は、イミンの窒素原子、及びリン原子又はヒ素原子の両方に直接隣接して位置する)である)、及びまた、オプトエレクトロニクス組立品における(特に、OLEDにおける)それらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式Aを有する銅(I)錯体(特に、オプトエレクトロニクス部品における使用のための)に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示ユニット及び照明技術の分野において、現今、劇的な変化の兆しが見られる。厚さ0.5mm未満の平面ディスプレイ又は被照面を製造することが可能になるであろう。これらは、多くの興味深い特性が注目すべき点である。例えば、非常に低いエネルギー消費で壁紙の形態の被照面を達成することが可能となる。さらに、これまで達成不可能であった色の正確性(trueness)、明るさ(brightness)、及び視角の独立性を伴うカラー画像表示ユニットが、低重量かつ非常に低い電力消費で生産可能となる。画像表示ユニットは、リジッドな形態若しくはフレキシブルな形態のマイクロディスプレイ若しくは面積が数mの巨大画像表示ユニットとして、又はそうでなくとも透過性ディスプレイ若しくは反射型ディスプレイとして構成可能である。さらに、スクリーン印刷又はインクジェット印刷又は真空昇華のような簡素かつ安価な生産プロセスを使用することが可能となる。これにより、従来の平面画像表示ユニットと比較して、非常に安価な製造が可能になる。この新たな技術は、図1で概略的にかつ簡素化形態で示されるOLED、即ち有機発光ダイオードの原理に基づく。
【0003】
かかる部品は、図1で概略的にかつ簡素化形態で示されるように、主に有機層で構成される。例えば5V〜10Vの電圧で、負の電子が、伝導性金属層から(例えば、アルミニウム陰極から)薄い電子伝導層へと移り、正の陽極の方向に移動する。これは、例えば、透明であるが導電性を有する薄いインジウムスズ酸化物層で構成され、このインジウムスズ酸化物層から、正電荷キャリア、いわゆる正孔が有機正孔伝導層へ移動する。これらの正孔は、電子と比較して反対の方向に、具体的には負の陰極に向かって動く。同様に有機材料で構成されるエミッタ層である中間層では、更に特殊なエミッタ分子が存在して、そこで又はその近傍で2つの電荷キャリアが再結合し、エミッタ分子の非荷電であるがエネルギー的に励起された状態を導く。次に、励起状態は、輝かしい発光として、例えば青色、緑色又は赤色でそれらのエネルギーを放出する。白色発光もまた達成可能である。幾つかの場合では、エミッタ分子が正孔伝導層又は電子伝導層中に存在する場合、エミッタ層を省くことも可能である。
【0004】
新規OLED部品は、照明体として巨大面積で、又はそうでなくとも表示用のピクセルとして例外的に小さな形態で構成することができる。非常に有効なOLEDの構築に関する重大な要因は、使用される発光(luminous)材料(エミッタ分子)である。これらは、純粋に有機分子又は有機金属分子、及び錯体を使用して、様々な方法で実現することができる。OLEDの光収率は、純粋に有機材料に関するものよりも、有機金属物質、いわゆる三重項エミッタを用いるとはるかに大きくなり得ることを示すことができる。この特性のために、有機金属材料の更なる開発が非常に重要である。OLEDの機能は、非常に多く記載されている(非特許文献1〜非特許文献7)[i〜vi]。この高い放出量子収率(一重項基底状態に対する最下の三重項状態を含む遷移)を有する有機金属錯体を使用して、特に高いデバイスの効率を達成することが可能である。これらの材料はしばしば、三重項エミッタ又はリン光性エミッタと称される。これはかねてから知られている(非特許文献1〜非特許文献6)[i〜v]。三重項エミッタに関して、多くの財産権が既に出願されており、認可されている(特許文献1〜特許文献13)[vii〜xix]
【0005】
Cu、CuL’及びCuL’形態(L=ホスフィン、アミン、イミン配位子、L’=二座ホスフィン、二座イミン、二座アミン配位子、以下を参照されたい)を有する銅錯体は、従来技術から既知である。それらは、UV光による励起時に強烈な発光を示す。発光は、MLCT、CC(クラスター中心性(cluster centered))若しくはXLCT(ハロゲン−トゥ−配位子(halogen-to-ligand)電荷移動)状態、又はそれらの組合せによって生じ得る。類似したCu(I)系の更なる詳細は文献中に見出すことができる(非特許文献8)[xx]。関連した[Cu(PPhnap]錯体(nap=1,8−ナフチリジン、X=Br、I)の場合、{Cu}単位の分子軌道(Cu d軌道及びハロゲン p軌道)とnap基のπ軌道との間の遷移が議論されている(非特許文献9)[xxi]
【化1】

CuL’形態(L=PPh、L’=1,8−ナフチリジン、X=Br、I)の錯体の構造の例
【化2】

Cu形態(L=PR、X=Cl、Br又はI)の錯体の例
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2004/017043号
【特許文献2】国際公開第2004/016711号
【特許文献3】国際公開第03/095587号
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/0205707号
【特許文献5】米国特許出願公開第2002/0179885号
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/186080号
【特許文献7】独国特許出願公開第10350606号
【特許文献8】独国特許出願公開第10338550号
【特許文献9】独国特許出願公開第10358665号
【特許文献10】米国特許出願公開第2006/989273号
【特許文献11】国際公開第2006/003000号
【特許文献12】国際公開第2006/032449号
【特許文献13】国際公開第2006/028546号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】C. Adachi, M.A. Baldo, S.R. Forrest, S. Lamansky, M.E. Thompson,R.C. Kwong, Appl. Phys. Lett. 2001, 78, 1622.
【非特許文献2】X.H. Yang, D.C. Muller,D. Neher, K. Meerholz, Adv. Mater. 2006, 18, 948.
【非特許文献3】X.H. Yang, D. Neher, Appl. Phys. Lett. 2004, 84, 2476.
【非特許文献4】J. Shinar(ed.), Organic light-emitting devices-A survey, AIP-Press,Springer, New York, 2004.
【非特許文献5】H. Yersin, Top. Curr. Chem. 2004, 241, 1.
【非特許文献6】H. Yersin, Highly Efficient OLEDs with Phosphorescent Materials,Wiley-VCH, Weinheim 2008.
【非特許文献7】Z.H. Kafafi, Organic Electroluminescence, Taylor & Francis, BocaRaton, 2005.
【非特許文献8】P.C. Ford, E. Cariati, J. Bourassa, Chem, Rev. 1999, 99, 3625.
【非特許文献9】H. Araki, K. Tsuge, Y. Sasaki, S. Ishizaka, N. Kitamura, Inorg.Chem. 2007, 46, 10032.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
三重項エミッタは、ディスプレイにおいて(ピクセルとして)及び被照面において(例えば、発光壁紙として)、光の発生に関して大いなる可能性を持つ。非常に多くの三重項エミッタ材料が、既に特許されており、現在もファーストデバイスにおいて技術的に使用されている。今日まで解決法は、具体的に下記領域で不利点及び問題を有している:
OLEDデバイスにおけるエミッタの長期安定性、
熱安定性、
水及び酸素に対する化学的安定性、
重要な放出色の利用可能性、
製造再現性、
高電流密度での高い効率の達成可能性、
非常に高い輝度(luminances)の達成可能性、
エミッタ材料の高いコスト、
エミッタ材料が毒性であること、及び
合成が複雑であること。
【0009】
この背景に対して、本発明の目的は、上述の不利点の少なくとも幾つかを克服することであった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の基礎をなす問題は、Cu(E∩N形態の銅(I)錯体を提供することによって解決され、該錯体は、式Aの構造を有する:
【化3】

式A
(式中、
X=Cl、Br及び/又はIであり(即ち、独立して、該錯体が2つの同一のX原子又は2つの異なるX原子を有し得るように)、
E=RAs及び/又はRPであり、
∩E=二座配位子(ここで、E=RE形態(R=アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ、アミド)のホスフィニル/アルセニルラジカルであり、N=イミン官能基であり、「∩」は、炭素原子である)である)。より具体的には、EはPhP基(Ph=フェニル)であり、イミン官能基は、芳香族基(例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル等)の一部である。「∩」も同様に、この芳香族基の一部である。炭素原子は、イミンの窒素原子、及びE原子の両方へ直接隣接している。N∩Eは、特にOLED部品生産用の標準的な有機溶媒中での銅(I)錯体の溶解度を増加させる基によって任意に置換されてもよい。標準的な有機溶媒としては、アルコールに加えて、エーテル、アルカン、並びにハロゲン化脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素、並びにアルキル化芳香族炭化水素、特にトルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メシチレン、キシレン、テトラヒドロフランが挙げられる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の銅(I)錯体は、好ましくは3つの同一の配位子N∩Eで構成されており、これが合成の複雑さを、したがって調製のコストを低減させる。中心金属として銅を使用する場合における大きな利点は、特にRe、Os、Ir及びPtのような金属(これらは、他の場合では、OLEDエミッタにおいて慣例的である)と比較して、それらが低コストであることである。さらに、銅の低毒性もまた、それらの使用を支持する。
【0012】
オプトエレクトロニクス部品におけるそれらの使用に関して、本発明の銅(I)錯体は、広範囲の達成可能な放出色が注目すべき点である。さらに、放出量子収率は高く、特に50%を上回る。Cu中心イオンを有するエミッタ錯体に関して、放出減衰時間は、驚くほど短い。
【0013】
さらに、本発明の銅(I)錯体は、顕著な消光効果を伴わずに比較的高いエミッタ濃度で使用可能である。このことは、5%〜100%のエミッタ濃度をエミッタ層で使用することができることを意味する。
【0014】
配位子N∩Eが、以下の配位子を含むのが好ましい:
【化4】

(式中、
Y=O、S又はNR5であり、
=As又はPであり、
R1〜R5はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、又は酸素若しくは窒素を介して結合される置換基、又は他にはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、トリアルキルシリル基及びトリアリールシリル基、又はハロゲン、低級アルキル基等の置換基を有する置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロアリール基及び置換アルケニル基であり得る)。R1基〜R5基はまた、融合環系(例えば、以下で示される配位子3)をもたらし得る。
【0015】
本発明はまた、本発明の銅(I)錯体を調製する方法に関する。本発明によるこの方法は、N∩EとCu(I)Xとの反応を実行する工程
(ここで、
X=(独立して)Cl、Br又はIであり、
∩E=二座配位子
(式中、
E=RE形態(式中、R=アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ又はアミドである)のホスフィニル/アルセニルラジカルであり、
=ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサゾリル、チアゾリル及びイミダゾリルから選択される芳香族基の一部であるイミン官能基であり、
「∩」=同様に該芳香族基の一部である少なくとも1つの炭素原子(ここで、該炭素原子は、該イミンの窒素原子、及びリン原子又はヒ素原子の両方に直接隣接している)である)である)
を有する。有機溶媒中での錯体の溶解度を増加させるための配位子N∩E上に任意に存在する少なくとも1つの置換基を以下に記載する。
【0016】
反応は好ましくは、ジクロロメタン(DCM)中で実行される。溶解した生成物にジエチルエーテルを添加することにより、固体を得ることが可能となる。後者は、沈殿若しくは内部拡散によって、又は超音波浴中で導くことができる。
【0017】
好ましくはジクロロメタン(DCM)中で、好ましくは室温での二座P∩N配位子(P∩N=ホスフィン配位子、定義に関しては以下を参照されたい)とCu(I)X(X=Cl、Br、I)との反応は、驚くべきことに、非化学量論比の場合でさえ、二環式(biccylic)2:3錯体Cu(P∩N(ここで、銅原子は、ホスフィン配位子及び2つのハロゲン化物陰イオンによって架橋されている)を形成する(方程式1)。
【0018】
式Aの構造は、CuL’又はCu形態の既知の錯体に関連する。しかしながら、CuL’の場合と異なり、本錯体は、Cu(I)Xと、二座P∩N配位子との反応によって、たった一工程で得ることができる。錯体は、黄色又は赤色の微結晶粉末としてEtOによる沈殿によって単離することができる。単結晶は、反応溶液中へのEtOのゆっくりとした拡散によって得ることができる。錯体が粉末又は結晶として存在すると、それらは、一般的な有機溶媒中では難溶性〜不溶性である。特に、低溶解度では、錯体は、元素分析及びX線構造解析によってのみ同定された。
【化5】

方程式1
【0019】
これは、上で示される一般式Aである。二座E∩N配位子はそれぞれ独立して、少なくとも1つの置換基を含んでいてもよい:置換基はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、又は酸素若しくは窒素を介して結合される置換基、又は他にはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、トリアルキルシリル基及びトリアリールシリル基、又は置換基(例えば、ハロゲン、低級アルキル基)を有する置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロアリール基及び置換アルケニル基であり得る。置換基はまた、融合環系をもたらし得る。
【0020】
調製方法は、有機溶媒中での溶解度を増加させるための少なくとも1つの置換基で、少なくとも1つの配位子N∩Eを置換する工程を任意で含んでいてもよく、本発明の一実施形態では該置換基は、
C1〜C30長の長鎖の分岐状又は非分岐状又は環状のアルキル鎖、
C1〜C30長の長鎖の分岐状又は非分岐状又は環状のアルコキシ鎖、
C1〜C30長の分岐状又は非分岐状又は環状のペルフルオロアルキル鎖、及び
短鎖ポリエーテル
からなる群から選択することができる。
【0021】
本発明はまた、かかる合成方法によって調製可能な銅(I)錯体を含む。
【0022】
本発明によれば、式Aを有する銅(I)錯体は、発光性オプトエレクトロニクス部品のエミッタ層において三重項状態を含むエミッタ材料として使用することができる。
【0023】
本発明によれば、式Aを有する銅(I)錯体はまた、オプトエレクトロニクス部品の吸収体層における吸収体材料として使用することができる。
【0024】
「オプトエレクトロニクス部品」という表現は、特に
有機発光ダイオード(OLED)、
発光性電気化学セル(LEC、LEEC)、
外側に密封遮蔽を伴わないOLEDセンサ(特に、気体センサ及び蒸気センサにおける)、
有機太陽電池(OSC、有機光発電、OPV)、
有機電界効果トランジスタ、及び
有機レーザ
を意味すると理解される。
【0025】
かかるオプトエレクトロニクス部品におけるエミッタ層又は吸収体層における銅(I)錯体の比率は、本発明の一実施形態では100%である。代替的な実施形態では、エミッタ層又は吸収体層における銅(I)錯体の比率は、1%〜99%である。
【0026】
好適には、光学発光性部品における、特にOLEDにおけるエミッタとしての銅(I)錯体の濃度は、1%〜10%である。
【0027】
本発明はまた、本明細書で記載される銅(I)錯体を含むオプトエレクトロニクス部品を提供する。オプトエレクトロニクス部品は、有機発光性部品、有機ダイオード、有機太陽電池、有機トランジスタ、有機発光ダイオード、発光性電気化学セル、有機電界効果トランジスタ及び有機レーザの形態であり得る。
【0028】
本発明は更に、オプトエレクトロニクス部品を生産する方法に関し、ここで本明細書で記載されるタイプの本発明の銅(I)錯体が使用される。この方法では、より具体的には、本発明の銅(I)錯体がキャリアに適用される。この適用は、湿式化学的手段によって、コロイド懸濁液を用いて、又は昇華を用いて達成することができる。
【0029】
本発明はまた、電子部品の放出特性及び/又は吸収特性を変更する方法に関する。これは、本発明の銅(I)錯体を、オプトエレクトロニクス部品への電子又は正孔の伝導のためのマトリクス材料へ導入することを含む。
【0030】
本発明はまた、UV線又は青色光の可視光への(特に、緑色光(490nm〜575nm)、黄色光(575nm〜585nm)、橙色光(585nm〜650nm)又は赤色光(650nm〜750nm)への)変換(下方変換)のための、特にオプトエレクトロニクス部品における本発明の銅(I)錯体の使用に関する。
【0031】
非置換N∩E配位子を有する本発明の銅(I)錯体の幾つかが、幾つかの有機溶媒中で難溶性であるため、それらは、溶液から直接加工処理することが可能でない場合がある。それら自身が良好な配位子である溶媒(アセトニトリル、ピリジン)の場合、或る特定の溶解度が存在するが、これらの条件下での錯体の構造の変化、又はホスフィン若しくはアルシン配位子の置き換えは除外することができない。したがって、基板上の沈着の場合に、物質がCu(E∩Nとして結晶化するかどうか、又はマトリクスにおいてこの形態で分子的に存在するかどうかが不明確である。この理由で、物質は、オプトエレクトロニクス部品における使用に適したサイズで生産するか、又はそこまで(20nm〜30nm未満、ナノ粒子)粉砕するか、又は適切な置換基を用いて可溶性とするべきである。
【0032】
高い分子量により昇華による真空からの沈着が困難となるため、本発明の銅(I)錯体は、好ましくは溶液から加工処理される。したがって、光活性層は好ましくは、スピンコーティング若しくはスロットキャスティングプロセスによって、又はスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷若しくはインクジェット印刷のような任意の印刷プロセスによって、溶液から生産される。
【0033】
しかしながら、本明細書で記載される非置換の銅(I)錯体4a、4b、4c、5a、5b、5c、6a、6b及び6c(以下で定義する。実施例を参照されたい)は、ジクロロメタン中を除く標準的な有機溶媒中で難溶性であり、該溶媒をグローブボックス中でのOLED部品生産に使用するべきではない。コロイド懸濁液としての適用は、多くの場合に実行可能である(以下を参照されたい)が、溶解した形態のエミッタ材料の工業的な加工処理は、通常技術的な面でより簡素である。したがって、本発明の更なる目的は、エミッタが可溶性となるようにエミッタを化学的に変更することである。OLED部品生産に適した溶媒は、アルコールに加えて、エーテル、アルカン、並びにハロゲン化芳香族炭化水素及び脂肪族炭化水素、並びにアルキル化芳香族炭化水素、特にトルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メシチレン、キシレン、テトラヒドロフランである。
【0034】
有機溶媒中での本発明の銅(I)錯体の溶解度を向上させるために、N∩E構造の少なくとも1つが好ましくは、少なくとも1つの置換基によって置換される。置換基は、
C1〜C30長を有する、好ましくはC3〜C20長を有する、より好ましくはC5〜C15長を有する長鎖の分岐状又は非分岐状又は環状のアルキル鎖、
C1〜C30長を有する、好ましくはC3〜C20長を有する、より好ましくはC5〜C15長を有する長鎖の分岐状又は非分岐状又は環状のアルコキシ鎖、
C1〜C30長を有する、好ましくはC3〜C20長を有する、より好ましくはC5〜C15長を有する分岐状又は非分岐状又は環状のペルフルオロアルキル鎖、及び
短鎖ポリエーテル、例えば(−OCHCHO−)形態(式中、n<500)を有するポリマー
からなる群から選択され得る。それらの例は、ポリエチレングリコール(PEG)であり、これは、3個〜50個の反復単位の鎖長を有する化学的に不活性な水溶性かつ無毒性のポリマーとして使用することができる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態では、アルキル鎖又はアルコキシ鎖又はペルフルオロアルキル鎖は、極性基で、例えばアルコール、アルデヒド、アセタール、アミン、アミジン、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボキシアミド、イミド、カルボニルハロゲン化物、カルボン酸無水物、エーテル、ハロゲン、ヒドロキサム酸、ヒドラジン、ヒドラゾン、ヒドロキシルアミン、ラクトン、ラクタム、ニトリル、イソシアン化物、イソシアネート、イソチオシアネート、オキシム、ニトロソアリール、ニトロアルキル、ニトロアリール、フェノール、リン酸エステル及び/又はホスホン酸、チオール、チオエーテル、チオアルデヒド、チオケトン、チオアセタール、チオカルボン酸、チオエステル、ジチオ酸、ジチオエステル、スルホキシド、スルホン、スルホン酸、スルホン酸エステル、スルフィン酸、スルフィン酸エステル、スルフェン酸、スルフェン酸エステル、チオスルフィン酸、チオフルフィン酸エステル、チオスルホン酸、チオスルホン酸エステル、スルホンアミド、チオスルホンアミド、スルフィンアミド、スルフェンアミド、スルフェート、チオスルフェート、スルトン、スルタム、トリアルキルシリル基及びトリアリールシリル基、並びに同様に溶解度の更なる増加をもたらすトリアルコキシシリル基で修飾されたものである。
【0036】
銅(I)錯体のN∩E構造の置換基は、構造中のどこに配置してもよい。より具体的には、銅イオンとの配位を形成するヘテロ原子に対してオルト位、メタ位及び/又はパラ位での置換基の位置が考え得る。メタ位及び/又はパラ位における置換が優先される。
【0037】
溶解度の非常に顕著な増加は、少なくとも1つのC4単位(分岐状又は非分岐状又は環状)で達成される。例えば14(以下を参照されたい)における線状C7鎖による置換は、例えばジクロロベンゼン中での非常に良好な溶解度を、またクロロベンゼン及びトルエン中での良好な溶解度をもたらす。
【0038】
本発明の更なる態様は、電子供与性置換基若しくは電子吸引性置換基を用いた、又は融合N−ヘテロ芳香族化合物を用いた、銅(I)錯体の放出色の変更に関する。「電子供与性」及び「電子吸引性」という用語は、当業者に既知である。
【0039】
電子供与性置換基の例は、特に−アルキル、−フェニル、−CO(−)、−O(−)、−NH−アルキル基、−N−(アルキル基)、−NH、−OH、−O−アルキル基、−NH(CO)−アルキル基、−O(CO)−アルキル基、−O(CO)−アリール基、−O(CO)−フェニル基、−(CH)=C−(アルキル基)、−S−アルキル基である。
【0040】
電子吸引性置換基の例は、特に−ハロゲン、−(CO)H、−(CO)−アルキル基、−(CO)O−アルキル基、−(CO)OH、−(CO)ハロゲン化物、−CF、−CN、−SOH、−NH(+)、−N(アルキル基)(+)、−NOである。
【0041】
好適には、電子供与性置換基及び電子吸引性置換基は、配位子の配位部位からできる限り離れさせられ、特にメタ位又はパラ位に存在する。
【0042】
電気供与性置換基は、LUMOを増大させることによって、青色スペクトル領域の方向への銅(I)錯体の放出色の変化をもたらす(例:20(以下を参照されたい)、NMe単位を用いて置換)。
【0043】
電子吸引性置換基は、LUMOを低下させることによって、黄色〜赤色スペクトル領域の方向への銅(I)錯体の放出色の変化をもたらす(例:30(以下を参照されたい)、ピリジンの5位でのフッ素原子の導入)。
【0044】
したがって、ピリジン配位子の基本構造内での置換の適切な選択を通じて、非常に広い放出色範囲を確立することが可能である。
【0045】
本明細書で記載される銅(I)錯体の放出色の変化はまた、N、O、Sのような更なるヘテロ原子によって、並びに融合N、O及びSヘテロ芳香族化合物を用いて達成することができる。
【0046】
融合N−ヘテロ芳香族化合物(例えば、イソキノリン6、ベンゾチアゾール28、キノキサリン34、更に以下での説明を参照されたい)の使用は、例えば黄色〜濃赤色スペクトル範囲への色シフトを可能にする。融合N−ヘテロ芳香族化合物を伴う銅(I)錯体の溶解度は同様に、上述の置換基、C1〜C30長の、好ましくはC3〜C20長を有する、より好ましくはC5〜C15長を有する長(分岐状又は非分岐状又は環状)アルキル鎖、C1〜C30長の、好ましくはC3〜C20長を有する、より好ましくはC5〜C15長を有する長(分岐状又は非分岐状又は環状)アルコキシ鎖、C1〜C30長の、好ましくはC3〜C20長を有する、より好ましくはC5〜C15長を有する長(分岐状又は非分岐状又は環状)ペルフルオロアルキル鎖、及び短鎖ポリエーテル(鎖長:3個〜50個の反復単位)による置換(複数も可)によって増加させることができる。
【0047】
好ましい実施形態では、本発明の銅(I)錯体は、有機溶媒中での溶解度を増加させるための少なくとも1つの置換基、並びに/又は少なくとも1つの電子供与性置換基及び/若しくは少なくとも1つの電子吸引性置換基を有する。同様に、溶解度を向上させる置換基が、同時に電子供与性置換基又は電子吸引性置換基のいずれかであることも考え得る。かかる置換基の一例は、窒素原子を介した電子供与作用、及び長鎖アルキル基を通じた溶解度増加作用を有するジアルキル化アミンである。
【0048】
モジュール合成戦略(これらの配位子の調製のための個々の単位が、マトリクス中で互いに組み合わされる)を用いて、分子中の種々の位置での種々の長さの線状及び分岐状及び環状のアルキル鎖、アルコキシ鎖又はペルフルオロアルキル鎖の導入が可能である。配位子N∩Eの配位部位から離れた置換が優先される。
【0049】
適切な合成単位Aに始まって、類似の反応において、種々の反応物B、C及びDが、類似の反応条件下で結合されて、化学的に多様な標的分子AB、AC及びADをもたらす。したがって、例えば、求核置換反応の使用によって、モジュール様式で適切なピリジン配位子へ種々の長さのアルキル鎖を結合させることが可能である(それらの例は、錯体8、10、14の配位子である(以下を参照されたい)。そこでは中心単位は、各場合において同じ反応条件下で異なる置換基によって置換されている)。
【化6】

【0050】
30nmよりも小さい上述のナノ粒子の生産に関して、幾つかの技法を用いることが可能である:[xxii]
【0051】
ナノ粒子の合成に関するボトムアッププロセス:
大過剰の適切な沈殿剤(例えば、ペンタン、ジエチルエーテル)への反応溶液の迅速な注入[xxiii]
場合によっては高温での、真空チャンバ中での反応溶液の微細噴霧化(噴霧乾燥)。これは溶媒を蒸発させて、微細に分配された形態の錯体を放つ。
凍結乾燥プロセスでは、反応溶液の液滴を、材料を凍結させる冷却剤(例えば、液体窒素)中に分散させる。次に、それを固体状態で乾燥させる。
反応溶液から直接の基板上への錯体及びマトリクス材料の共沈着。
超音波浴中での合成。
【0052】
物質の粉砕に関するトップダウンプロセス:
高エネルギーボールミルを用いた粉砕。[xxiv]
高強度超音波を用いた粉砕。
【0053】
所要の粒子サイズの単離は、適切なフィルターを用いた濾過によって、又は遠心分離によって達成することができる。
【0054】
マトリクスにおけるナノ粒子の(例えば、エミッタ層で使用されるマトリクス材料の)均質な分布を達成するために、懸濁液は、マトリクス材料が溶解する溶媒中で調製される。慣例的なプロセス(例えば、スピンコーティング、インクジェット印刷等)を使用して、この懸濁液を用いてマトリクス材料及びナノ粒子を基板へ適用することができる。ナノ粒子の凝集を回避するために、界面活性物質を用いた粒子の安定化が、幾つかの状況下で必須であり得る。しかしながら、これらは、錯体が溶解されないように選択されるべきである。均質な分布はまた、上述するように反応溶液から直接、マトリクス材料と共に錯体を共沈着させることによっても達成することができる。
【0055】
記載される物質は、固体にも関わらず高い放出量子収率を有するため、それらはまた、反応溶液に始まって、薄層(100%エミッタ層)として基板上に直接沈着させることができる。
【実施例】
【0056】
本明細書で開示する実施例では、一般式Aの配位子E∩Nは、配位子P∩N(式中、E=PhP)である。
【0057】
銅錯体の調製に関して、二座ホスフィン配位子1〜3を使用した:
【化7】

【0058】
2−ジフェニルホスフィニルピリジンが市販されているが、2−ジフェニルホスフィニルピリミジン及び1−ジフェニルホスフィニルイソキノリンを方程式2に従って調製した。
【化8】

方程式2
式中、Ar=py(2);iqn(3)、X=Cl
【0059】
化合物2及び化合物3の固有性(identities)は、NMR分光法、質量分析法、元素分析及び結晶構造によって明確に示された(図2及び図3を参照されたい)。
【0060】
Cu(P∩N形態の錯体の実施例
I.P∩N=PhPpy、1:Cu(PhPpy)、X=Cl(4a)、Br(4b)、I(4c)
化合物4a〜化合物4cは、黄色の微細結晶質固体である。
【化9】

方程式3
【0061】
特性化:
元素分析
【表1】

gef.:実測値
ges.:推測値

【0062】
結晶構造を図4(4a)及び図5(4c)に示す。
4a〜4cの発光スペクトルを図6に示す。
【0063】
専ら、Cu:(N∩E)=2:3(E=As、P)の比の同一の二座配位子が化合物4a〜化合物34で使用されるため、極めて強烈な発光を伴う式Aを有する錯体が単一工程で高収率で得られる。これにより、合成の複雑さが低減される。
【0064】
II.P∩N=PhPpym、2:Cu(PhPpym)、X=Cl(5a)、Br(5b)、I(5c)
5a〜5cは、黄色の微細結晶質固体である。
【化10】

方程式4
【0065】
特性化:
元素分析
【表2】

gef.:実測値
ges.:推測値

【0066】
結晶構造を図7(5c)に示す。
5a〜5cの発光スペクトルを図8に示す。
【0067】
III.P∩N=PhPiqn、3:Cu(PhPiqn)、X=Br(6b)、I(6c)
6b及び6cは、赤色の微細結晶質固体である。
【化11】

方程式5
【0068】
特性化:
元素分析
【表3】

gef.:実測値
ges.:推測値

【0069】
結晶構造を図9(6c)に再現する。
6cの発光スペクトルを図10に示す。図11は放出減衰挙動を再現する。
【0070】
IV.P∩N=PhPpic、7:Cu(PhPpic)、8
【化12】

【0071】
化合物8は、黄色の微細結晶質固体である。
【0072】
特性化:
元素分析
実測値:C 53.09;H 3.95;N 3.39
推測値:C 53.48;H 3.99;N 3.46
結晶構造を図14A(8)に示す。
8の発光スペクトルを図14Bに示す。
【0073】
V.P∩N=PhP(iBupy)、9:Cu(PhP(iBupy))、10
【化13】

【0074】
化合物10は、黄色の微細結晶質固体である。E∩N配位子の置換基としてのイソブチル単位の導入の結果として、溶解度は、ジクロロベンゼン1ml当たり錯体20mg〜30mgであり、これは、OLED部品生産にとって十分である(置換基がない場合、ジクロロベンゼン中では難溶性)。
【0075】
特性化:
元素分析:
実測値:C 56.72;H 4.96;N 3.10
推測値:C 56.51;H 4.97;N 3.14
発光スペクトル:図15を参照されたい。
【0076】
VI.P∩N=PhP(cyPentMepy)、11:Cu(PhP(cyPentMepy))、12
【化14】

【0077】
化合物12は、黄色の微細結晶質固体である。E∩N配位子の置換基としてのシクロペンチルメチル単位の導入の結果として、溶解度は、ジクロロベンゼン1ml当たり錯体30mg〜40mgであり、これは、OLED部品生産にとって十分である(置換基がない場合、ジクロロベンゼン中では難溶性)。
【0078】
特性化:
元素分析:
実測値:C 58.05;H 5.04;N 2.93
推測値:C 58.48;H 5.12;N 2.97
発光スペクトル:図16を参照されたい。
【0079】
VII.P∩N=PhP(heptpy)、13:Cu(PhP(heptpy))、14
【化15】

【0080】
化合物14は、黄色の微細結晶質固体である。E∩N配位子の置換基としてのヘプチル単位の導入の結果として、溶解度は、ジクロロベンゼン1ml当たり錯体35mg〜45mgであり、これは、OLED部品生産にとって十分である(置換基がない場合、ジクロロベンゼン中では難溶性)。
【0081】
特性化:
元素分析:
実測値:C 58.91;H 5.64;N 2.85
推測値:C 59.02;H 5.78;N 2.87
発光スペクトル:図17を参照されたい。
【0082】
VIII.P∩N=PhP(butynpy)、15:Cu(PhP(butynpy))、16
【化16】

【0083】
化合物16は、黄色の微細結晶質固体である。
【0084】
特性化:
元素分析:
実測値:C 55.40;H 4.05;N 2.95
(1分子のCHClを伴う)
推測値:C 57.02;H 4.10;N 3.17
発光スペクトル:図18を参照されたい。
【0085】
IX.P∩N=PhP(4vinylphenpy)、17:Cu(PhP(4vinylphenpy))、18
【化17】

【0086】
化合物18は、黄色の微細結晶質固体である。
【0087】
特性化:
元素分析:
実測値:C 60.24;H 4.59;N 2.61
(1分子のCHClを伴う)
推測値:C 62.31;H 4.65;N 2.69
発光スペクトル:図19を参照されたい。
【0088】
X.P∩N=PhP(dmap)、19:Cu(PhP(dmap))、20
【化18】

【0089】
化合物20は、白色の微細結晶質固体である。
【0090】
特性化:
元素分析:
実測値:C 52.39;H 4.44;N 6.38
推測値:C 52.67;H 4.42;N 6.47
結晶構造:図20Aを参照されたい。
発光スペクトル:図20Bを参照されたい。
【0091】
XI.P∩N=PhP(6Fpy)、21:Cu(PhP(6Fpy))、22
【化19】

【0092】
化合物22は、黄色の微細結晶質固体である。
【0093】
特性化:
元素分析:
実測値:C 50.17;H 3.29;N 3.42
推測値:C 50.02;H 3.21;N 3.43
結晶構造:図21Aを参照されたい。
発光スペクトル:図21Bを参照されたい。
【0094】
XII.P∩N=PhP(pyrazine)、23:Cu(PhP(pyrazine))、24
【化20】

【0095】
化合物24は、強い黄色を有する微細結晶質固体である。
【0096】
XIII.P∩N=PhP(6OMepyridazine)、25:Cu(PhP(6OMepyridazine))、26
【化21】

【0097】
化合物26は、黄色/橙色を有する微細結晶質固体である。
【0098】
特性化:
元素分析:
実測値:C 47.61;H 3.56;N 6.53
推測値:C 48.47;H 3.59;N 6.65
【0099】
XIV.P∩N=PhP(bnzthia)、27:Cu(PhP(bnzthia))、28
【化22】

【0100】
化合物28は、黄色の微細結晶質固体である。
【0101】
特性化:
元素分析:
実測値:C 51.19;H 3.34;N 3.05
推測値:C 51.13;H 3.16;N 3.14
結晶構造:図22Aを参照されたい。
発光スペクトル:図22Bを参照されたい。
【0102】
XV.P∩N=PhP(5Fpy)、29:Cu(PhP(5Fpy))、30
【化23】

【0103】
化合物30は、黄色の微細結晶質固体である。
【0104】
特性化:
元素分析:
実測値:C 49.37;H 3.18;N 1.76
推測値:C 50.02;H 3.21;N 3.43
発光スペクトル:図23を参照されたい。
【0105】
XVI.P∩N=PhP(Meqn)、31:Cu(PhP(Meqn))、32
【化24】

【0106】
化合物32は、黄土色を有する微細結晶質固体である。
【0107】
特性化:
元素分析:
実測値:C 59.52;H 4.78;N 2.73
推測値:C 58.98;H 4.30;N 2.99
発光スペクトル:図24を参照されたい。
【0108】
XVII.P∩N=PhP(quinox)、33:Cu(PhP(quinox))、34
【化25】

【0109】
化合物34は、橙色を有する微細結晶質固体である。
【0110】
特性化:
元素分析:
実測値:C 51.78;H 3.42;N 5.84
(1分子のジクロロメタンを伴う)
推測値:C 54.43;H 3.43;N 6.35
発光スペクトル:図25を参照されたい。
【0111】
量子力学計算
4cの結晶構造から、密度汎関数理論(DFT)計算をB3LYP/6−31G(d,p)レベルで行った。[Cu(PPhnap]の場合の状況と同様に、基底状態では、HOMOの領域における被占軌道が主にCu軌道及びBr軌道で構成される一方で、空軌道は、特に架橋配位子のπ系で見出され得る(図12)。したがって、これらの結果に基づいて、放出の起源は、{Cu}→π(配位子)電荷移動状態であると仮定される。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】OLEDの機能の様式の概略的かつ簡素化された図(適用される層の厚さは、例えば約300nmしかない)である。
【図2】2の固体状態構造を示す図である。
【図3】3の固体状態構造を示す図である。
【図4】4aの固体状態構造を示す図である。
【図5】4cの固体状態構造を示す図である。
【図6】4a〜4cの固体結晶質サンプルの発光スペクトル(380nmで励起)を示す図である。
【図7】5cの固体状態構造の構成要素を示す図である。
【図8】5a〜5cの固体結晶質サンプルの発光スペクトル(380nmで励起)を示す図である。
【図9】6cの固体状態構造の構成要素を示す図である。
【図10】6cの固体結晶質サンプルの発光スペクトル(420nmで励起)を示す図である。
【図11】300K、420nmでの励起における6cの放出減衰曲線を示す図である。
【図12】4cの基本状態の算出したフロンティア軌道を示す図である。
【図13】本発明のエミッタ層(これは、湿式化学的手段によって適用するべきである)を有するOLEDデバイスの例を示す図である。層の厚さの図は、例示的な値とみなすべきである。
【図14A】8の結晶構造を示す図である。
【図14B】8の発光スペクトルを示す図である。300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての8(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトル。551nmで放出最大。
【図15】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての10(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。551nmで放出最大。
【図16】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての12(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。551nmで放出最大。
【図17】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての14(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。551nmで放出最大。
【図18】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての16(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。550nmで放出最大。
【図19】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての18(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。552nmで放出最大。
【図20A】20の結晶構造を示す図である。
【図20B】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての20(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。521nmで放出最大。
【図21A】22の結晶構造を示す図である。
【図21B】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての22(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。561nmで放出最大。
【図22A】28の結晶構造を示す図である。
【図22B】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての28(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。574nmで放出最大。
【図23】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての30(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。572nmで放出最大。
【図24】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての32(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。597nmで放出最大。
【図25】300K、355nmでの励起におけるガラス基板上のフィルムとしての34(ハロゲン=I)の固体サンプルの発光スペクトルを示す図である。679nmで放出最大。
【符号の説明】
【0113】
図1
Electronconduction layer 電子伝導層
Emitter layer エミッタ層
Electron 電子
hole 正孔
Recombinationlayer 再結合層
Holeconduction layer 正孔伝導層
Lightemission 発光
Metal cathode 金属陰極
Transparentanode 透明陽極

図6
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図8
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図10
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長
Emission 放出
Temp 温度
Excitation 励起
solid 固体

図11
Decaybehavior of the Cu2I2(Ph2Piqn)3complex(6c) Cu(PhPiqn)錯体(6c)の減衰挙動
solid 固体
Detection 検出
counts カウント数
Time 時間

図12
Occupiedorbitals 被占軌道
Unoccupiedorbitals 空軌道

図13
Cathode 陰極
Intermediatelayer 中間層
EmitterLayer: 50 to 150 nm エミッタ層:50nm〜150nm
Anode 陽極
Carriermaterial, glass キャリア材料、ガラス

図14B
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図15
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図16
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図17
Emission intensity 放出強度
Wavelength 波長

図18
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図19
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図20B
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図21B
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図22B
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図23
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図24
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長

図25
Emissionintensity 放出強度
Wavelength 波長
【0114】
図13は、本発明の銅(I)錯体を含む本発明のエミッタ層に関するOLEDデバイスの例を示す。例えば、ITO陽極、PEDOT/PSSで構成される正孔伝導体、本発明のエミッタ層、任意に正孔遮断層、電子伝導体層、電子注入を改善するための薄いLiF又はCsF中間層、及び金属電極(陰極)で構成される典型的なOLED層構造では、良好な電力効率を達成することができる。数百nmの総厚を有するこれらの種々の層を、例えば、ガラス基板又は別のキャリア材料へ適用することができる。開示する層は、以下で簡潔に説明される:
1.使用されるキャリア材料は、ガラス又は任意の他の適切な固体又は可撓性透明材料であり得る。
2.ITO=インジウムスズ酸化物
3.PEDOT/PSS(=ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸):これは、水溶性正孔伝導体材料(HTL=正孔輸送層)である。
4.本発明のエミッタ物質を含むエミッタ層(しばしばEMLと略記される)。エミッタ層のマトリクス材料は、この目的に適した標準的かつ既知の材料、例えばPVK(ポリビニルカルバゾール)又はCBP(4,4’−ビス(9−カルバゾリル)ビフェニル)で構成される。エミッタ物質は、例えばスピンコーティングによって小さな粒子サイズ(20nm〜30nm未満)を有する懸濁液として適用される。
5.ETL=電子輸送材料(ETL=電子輸送層)。例えば、蒸着可能なAlqを使用することができる。例えば、厚さ40nm。
6.例えばCsF又はLiFの極薄中間層は、電子注入バリアを低減させて、ETL層を保護する。この層は概して、蒸着によって適用される。更に簡素化されたOLED構造に関して、ETL層及びCsF層は任意に省略され得る。
7.伝導性陰極層は、蒸着によって適用される。Alは一例を表す。Mg:Ag(10:1)又は他の金属を使用することも可能である。
OLEDデバイスにかかる電圧は、例えば3V〜15Vである。
【0115】
参考文献
[i]C. Adachi, M.A. Baldo, S.R. Forrest, S. Lamansky, M.E. Thompson,R.C. Kwong, Appl. Phys. Lett. 2001, 78, 1622.
[ii]X.H. Yang, D.C. Muller, D. Neher, K. Meerholz, Adv. Mater.2006, 18, 948;X.H. Yang, D. Neher, Appl. Phys. Lett. 2004, 84,2476.
[iii]J. Shinar(ed.), Organic light-emitting devices-A survey, AIP Press,Springer, New York, 2004.
[iv]H. Yersin, Top. Curr. Chem. 2004, 241, 1.
[v]H. Yersin, Highly Efficient OLEDs with Phosphorescent Materials,Wiley-VCH, Weinheim 2008.
[vi]Z.H. Kafafi, Organic Electroluminescence, Taylor & Francis, BocaRaton, 2005.
[vii]M.E. Thompson, P.I. Djurovich, J. Li(南カリフォルニア大学、Los Angeles, CA)、国際公開第2004/017043号、2004年。
[Viii]M.E. Thompson, P.I. Djurovich, R. Kwong(南カリフォルニア大学、Los Angeles, CA, Universal Display Corp, Ewing, NY)、国際公開第2004/016711号、2004年。
[ix]A. Tsuboyama, S. Okada, T. Takiguchi, K. Ueno, S. Igawa, J.Kamatani, M. Furugori, H. Iwawaki(キャノンKK、東京)、国際公開第03/095587号、2003年。
[x]C.-M. Che、米国特許出願公開第2003/0205707号、2003年。
[xi]C.-M. Che, W.Lu, M.C.-W. Chan、米国特許出願公開第2002/0179885号、2002年。
[xii]J. Kamatani, S. Okada, A. Tsuboyama, T. Takiguchi, S. Igawa、米国特許出願公開第2003/186080号、2003年。
[xiii]P. Stobel,I. Bach, A. Busing(Covion Organic Semiconductors GmbH)、独国特許出願公開第10350606号、2005年。
[xiv]M. Bold, C. Lennartz, M. Egen, H.-W. Schmidt, M. Thelakkat, M. Bate, C. Neuber, W.Kowalsky, C. Schildknecht(BASF AG)、独国特許出願公開第10338550号、2005年。
[xv]C. Lennartz, A. Vogler, V. Pawlowski(BASF AG)、独国特許出願公開第10358665号、2005年。
[xvi]B. Hsieh, T.P.S. Thoms, J.P.Chen(キャノンKK、東京)、米国特許出願公開第2006/989273号、2006年。
[xvii]N. Schulte, S Heun, I Bach, P. Stoessel, K. Treacher(Covion Organic Semiconductors)、国際公開第2006/003000号、2006年。
[xviii]A. Vogler, V. Pawlowski, H.-W. Schmidt, M. Thelakkat(BASF AG)、国際公開第2006/032449号、2006年。
[xix]T.K. Hatwar, J.P. Spindler, R.H. Young(EastmanKodak Co)、国際公開第2006/028546号、2006年。
[xx]P.C. Ford, E. Cariati, J. Bourassa, Chem, Rev. 1999, 99, 3625.
[xxi]H. Araki, K. Tsuge, Y. Sasaki, S. Ishizaka, N. Kitamura, Inorg. Chem. 2007, 46, 10032.
[xxii]A. Rossler,G. Skillas, S.E. Pratsinis, Chemie in unserer Zeit 2001, 35, 32.
[xxiii]Y. Sun, K. Ye, H. Zhang, J. Zhang, L. Zhao, B. Li, G. Yang, B. Yang、Y. Wang, S.-W. Lai, C.-M. Che, Angew. Chem. 2006, 118, 5738.
[xxiv]Y. Chen, J. F. Gerald, L.T. Chadderton, L. Chaffron, Appl. Phys.Lett. 1999, 74, 2782.


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式A
【化1】


(式中、
X=Cl、Br及び/又はIであり、
∩E=二座配位子
(式中、
E=RE形態(式中、R=アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ又はアミドである)のホスフィニル/アルセニルラジカルであり、
=ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサゾリル、チアゾリル及びイミダゾリルから選択される芳香族基の一部であるイミン官能基であり、
「∩」=同様に該芳香族基の一部である少なくとも1つの炭素原子(ここで、該炭素原子は、該イミンの窒素原子、及びリン原子又はヒ素原子の両方に直接隣接している)である)である)
を有する銅(I)錯体であって、N∩Eが、有機溶媒中での該銅(I)錯体の溶解度を増加させるための少なくとも1つの置換基を任意に有する、式Aを有する銅(I)錯体。
【請求項2】
∩Eが、
【化2】

(式中、
Y=O、S又はNR5であり、
=As又はPであり、
R1〜R5はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、又は酸素若しくは窒素を介して結合される置換基、又はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、トリアルキルシリル基及びトリアリールシリル基、又はハロゲン及び/若しくは低級アルキル基(例えば、メチル基、ブチル基又はプロピル基)で置換されるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基及びアルケニル基であり、
該R1基〜R5基は、任意に融合環系をもたらす)
からなる群から選択される、請求項1に記載の銅(I)錯体。
【請求項3】
溶解度を増加させるための該置換基が、
C1〜C30長の分岐状又は非分岐状又は環状の長アルキル鎖、
C1〜C30長の分岐状又は非分岐状又は環状の長アルコキシ鎖、
C1〜C30長の分岐状又は非分岐状又は環状の長ペルフルオロアルキル鎖、及び
3個〜50個の反復単位の鎖長を有する短鎖ポリエーテル
からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の銅(I)錯体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体を調製する方法であって、
∩EとCu(I)Xとの反応を実行する工程
(ここで、
X=(独立して)Cl、Br又はIであり、
∩E=二座配位子
(式中、
E=RE形態(式中、R=アルキル、アリール、アルコキシ、フェノキシ又はアミドである)のホスフィニル/アルセニルラジカルであり、
=ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニル、オキサゾリル、チアゾリル及びイミダゾリルから選択される芳香族基の一部であるイミン官能基であり、
「∩」=同様に該芳香族基の一部である少なくとも1つの炭素原子(ここで、該炭素原子は、該イミンの窒素原子、及びリン原子又はヒ素原子の両方に直接隣接している)である)である)
を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体を調製する方法。
【請求項5】
反応がジクロロメタン中で実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ジエチルエーテル又はペンタンを添加する工程であって、固体の形態で該銅(I)錯体を得る、ジエチルエーテル又はペンタンを添加する工程を更に含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
C1〜C30長の長鎖の分岐状又は非分岐状又は環状のアルキル鎖、
C1〜C30長の長鎖の分岐状又は非分岐状又は環状のアルコキシ鎖、
C1〜C30長の分岐状又は非分岐状又は環状のペルフルオロアルキル鎖、及び
短鎖ポリエーテル
からなる群から選択され得る少なくとも1つの置換基で、少なくとも1つの配位子N∩Eを置換する工程を更に含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
オプトエレクトロニクス部品におけるエミッタ又は吸収体としての請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体の使用。
【請求項9】
オプトエレクトロニクス部品が、
有機発光ダイオード(OLED)、
発光性電気化学セル、
外側に密封遮蔽を伴わないOLEDセンサ(特に、気体センサ及び蒸気センサにおける)、
有機太陽電池、
有機電界効果トランジスタ、
有機レーザ、及び
下方変換素子
からなる群から選択される、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
エミッタ又は吸収体における該銅(I)錯体の比率が100%であることを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の使用。
【請求項11】
エミッタ又は吸収体における該銅(I)錯体の比率が1%〜99%であることを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の使用。
【請求項12】
光学発光性部品における(特に、OLEDにおける)エミッタとしての該銅(I)錯体の濃度が、1%〜10%であることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体を含むオプトエレクトロニクス部品。
【請求項14】
有機発光性部品、有機ダイオード、有機太陽電池、有機トランジスタ、有機発光ダイオード、発光性電気化学セル、有機電界効果トランジスタ及び有機レーザからなる群から選択される部品の形態の、請求項13に記載のオプトエレクトロニクス部品。
【請求項15】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体が使用される、オプトエレクトロニクス部品を生産する方法。
【請求項16】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体のキャリアへの適用を特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
適用が、湿式化学的手段によって、コロイド懸濁液を用いて、又は昇華を用いて達成されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
電子部品の放出特性及び/又は吸収特性を変更する方法であって、オプトエレクトロニクス部品において電子又は正孔の伝導のためにマトリクス材料へ請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体を導入することを特徴とする、電子部品の放出特性及び/又は吸収特性を変更する方法。
【請求項19】
UV線又は青色光の、可視光への(特に緑色光、黄色光又は赤色光への)変換(下方変換)のための、特にオプトエレクトロニクス部品における、請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅(I)錯体の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20A】
image rotate

【図20B】
image rotate

【図21A】
image rotate

【図21B】
image rotate

【図22A】
image rotate

【図22B】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公表番号】特表2012−530762(P2012−530762A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516749(P2012−516749)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059012
【国際公開番号】WO2010/149748
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511102387)シノーラ ゲエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】