説明

オリゴメリゼーション

【課題】工業的なスケールで不飽和炭化水素例えばアルケンのオリゴメリゼーションを実施するクリーンかつ安全でしかもより能率的な方法の提供。
【解決手段】インジウム(III)クロリドイオン性液体または他の酸またはルイス酸のイオン性液体の存在下で不飽和炭化水素例えばアルケンの反応を行い、特に二量体、三量体および/または四量体を得る。反応条件例えばイオン性液体、その組成、温度、反応時間および反応の装備を変えることにより、生成物の分布をコントロールすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不飽和炭化水素のオリゴメリゼーションに関し、そしてさらに特に、不飽和炭化水素のオリゴメリゼーションにおける特に選択されたイオン性液体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルケンモノマーの重合によるポリマーの合成は周知であり、そして化学工業において非常に重要な反応である。
しかし、反応の多くは、毒性のある溶媒、例えば環境に非常に有害なフッ化水素の使用を必要とする。他の反応は、活性の阻害および不活性化をうけ、それにより急速にそれらを殆ど使用できなくする触媒を利用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
毎年製造されるポリマーおよびオリゴマーの量を考えると、工業的なスケールで重合またはオリゴメリゼーションを実施するクリーンかつ安全でしかもより能率的な方法を開発する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
イオン性液体は、ここ数年間に開発されてきた新規なクラスの溶媒である。用語「イオン性液体」は、本明細書で使用されるとき、固体を溶融することによい生成されうる液体をいい、そして生成されたとき、イオンからのみ構成される。イオン性液体は、有機塩から誘導されうる。
【0005】
イオン性液体は、カチオンの1つの種とアニオンの1つの種とからなる均質な物質から形成されるか、またはそれはカチオンおよび/またはアニオンの1つより多い種から構成される。従って、イオン性液体は、カチオンの1つより多い種とアニオンの1つの種とから構成できる。イオン性液体は、さらに、カチオンの1つの種とアニオンの1つ以上の種とから構成できる。それゆえ、本発明で使用される混合した塩は、アニオンおよびカチオンを含む混合した塩からなる。
【0006】
分子性溶媒に比べてイオン性液体の主な利点は、それらの不揮発性、低毒性、低引火性、広い温度範囲での適用性およびリサイクルの可能性であり、これらの性質は、それらを環境に優しくする。これらの溶媒は、もちろん、工業上のプロセスにおいて非常に望まれている。さらに、それらのイオン性構造のために、それらは、しばしば、共通の試薬の反応性を変化させるか、または迅速な反応および高い収率を生ずる反応のレギオ選択性および立体選択性を変化させる。
【0007】
用語「イオン性液体」は、高融点を有する化合物および低融点例えば室温(15−30℃)以下を有する化合物の両者を含む。後者は、しばしば、「室温イオン性液体」とよばれ、そしてしばしば、ピリジニウムおよびイミダゾリウムに基づくカチオンを有する有機塩から誘導される。上述のように、イオン性液体の特徴は、それらが特に低い(本質的に零)の蒸気圧を有することである。多くの有機イオン性液体は、低い融点例えば100℃より低い、特に100℃より低いそして室温付近例えば15−30℃の融点を有し、いくつかは0℃より遙かに低い融点を有する。本発明のために、有機イオン性液体が、250℃以下、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃そしてさらに好ましくは80℃以下の融点を有することが望ましいが、反応温度でまたはその付近で液状であるか、または反応の任意の段階中流体の状態で存在するアニオンとカチオンとからなる塩であるという基準を満たす任意の化合物が、本発明の方法に使用されるのに特に好適な有機イオン性液体として定義できる。
【0008】
本発明によれば、不飽和炭化水素のオリゴメリゼーションの選択的方法が提供され、それは、反応がインジウム(III)クロリドイオン性液体または他の酸またはルイス酸のイオン性液体の存在下で生ずることを特徴とする。
【0009】
本発明の反応は、二量体、三量体および/または四量体を製造するのに特に好適である。
その上、本発明の反応は、二量体、三量体および/または四量体を選択的に製造するのに使用でき、三量体および四量体そしてより好ましくは三量体の製造に特に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明によれば、選択的オリゴメリゼーションの方法が提供され、インジウム(III)クロリドイオン性液体は、式
[Cat][X]:lnCl
(式中、Xは、アニオン性種であり、Catは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、イソチアゾリニウム、オキソチアゾリウム、オキサジニウム、オキサゾリウム、ジチアゾリウム、トリアゾリウム、セレノゾリウム、オキサホスホリウム、フラニウム、チオフェニウム、ホスホリウム、ペンタゾリウム、インドリウム、インドリニウム、イソ−オキサゾリウム、イソ−トリアゾリウム、テトラゾリウム、ベンゾフラニウム、チアジアゾリウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、ピリダジニウム、ピペラジニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピラニウム、フタラジニウム、キナゾリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、オキサジニウムおよびピロリジニウム、ジアザビシクロウンデセニウム、ジアザビシクロノネニウム、ジアザビシクロデセニウムまたはトリアザデセニウム、[N(R)(R)(R)(R)]または[P(R)(R)(R)(R)](但し、R、R、RおよびRは、同じかまたは異なりそして独立してそれぞれC−C40の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C−Cシクロアルキル基またはC−C10アリール基であり、その際該アルキル基、該シクロアルキル基または該アリール基は未置換であるかまたはC−Cアルコキシ基、C−C10アリール基、CN、OH、NO、C−C30アラルキル基およびC−C30アルカリール基から選ばれる1つの基から3つの基により置換されていてもよい)から選ばれる複素環構造から選ばれるカチオン性種である)により表すことができる。
Catは、以下のものから選択できる。
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、同じかまたは異なり、そして独立してそれぞれ水素、C−C40の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C−Cシクロアルキル基またはC−C10アリール基から選ばれ、その際該アルキル基、該シクロアルキル基または該アリール基は、未置換であるかまたはC−Cアルコキシ基、C−C10アリール基、CN、OH、NO、C−C30アラルキル基およびC−C30アルカリール基から選ばれる1つの基から3つの基により置換されていてもよく、または隣接する炭素原子に結合したR、R、R、RおよびRの任意の2つは、メチレン鎖−(CH−(但し、qは8から20である)を形成する)。
好ましくは、Catは、以下から選択される。
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、R、R、R、RおよびRは、前記同様である)。
より好ましくは、R、RおよびRは、それぞれ水素であり、RおよびRは、C−C20の直鎖または分枝鎖のアルキル基から選ばれ、RおよびRの1つは、水素であってもよい。
【0015】
さらに好ましくは、RおよびRの1つは、水素またはメチル基であり、他のものは、C−C20の直鎖または分枝鎖のアルキル基から選ばれる。
なおより好ましくは、RおよびRの1つは、水素またはメチル基であり、他のものは、C−C18の直鎖または分枝鎖のアルキル基から選ばれる。
【0016】
なおさらに好ましくは、RおよびRの1つが、水素またはメチル基であり、他のものが、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基から選ばれる。
【0017】
最も好ましくは、イオン性液体は、メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−エチル−3−ジメチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−ブチル−3−ジメチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−メチル−3−テトラデシルイミダゾリウムクロロインデート(III)、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)および1−メチル−3−オクタデシルイミダゾリウムクロロインデート(III)、テトラアルキルアンモニウムクロロインデート(III)、テトラアルキルホスホニウムクロロインデート(III)から選ばれる。
【0018】
Catは、また好ましくは、
[N(R)(R)(R)(R)]および[P(R)(R)(R)(R)]
(但し、R、R、RおよびRは、同じかまたは異なりそして独立してそれぞれC−C20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C−Cシクロアルキル基またはC−Cアリール基であり、該アルキル基、該シクロアルキル基または該アリール基は未置換であるかまたはC−Cアルコキシ基、C−C10アリール基、CN、OH、NO、C−C30アラルキル基およびC−C30アルカリール基から選ばれる1つの基から3つの基により置換されていてもよく、R、R、RおよびRは、またヒドロキシエチルから選ばれてもよく、そしてR、R、RおよびRは、またヒドロキシエチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコールエーテル例えば(−CH−CH−O−)(OCH)、(−CH−CH−O−)(OC)、(−CH−CH−O−)(OC2m+1)(但し、n=1,2,3,4,5,6,7,8,9,10およびm=0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18である)からも選ぶことができる)から選ぶこともできる。
【0019】
さらに好ましくは、Catは、トリエチルヘキシルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム、コリニウム[(CHNCHCHOH]、メチルコリニウム[(CHNCHCHOCH]、エチルコリニウム[(CHNCHCHOC]、プロピルコリニウム[(CHNCHCHOC]から選ばれる。
【0020】
本発明の好ましい態様では、イオン性液体は、ルイス酸性、酸性または中性である。
Cat
【0021】
【化5】

【0022】
から選ばれるとき、R、R、R、R、R、RおよびRは、好ましくは、前記同様であるが、但しRおよびRは水素ではない。
Cat
【0023】
【化6】

【0024】
であるとき、R、R、R、R、RおよびRは、好ましくは、前記同様であるが、但しRおよびRは水素ではない。
好ましくは、本発明のイオン性液体は、カチオンの単一種からなる。
カチオン種Catは、中性、酸性または塩基性である。
【0025】
本発明のイオン性液体について、アニオンXは、F、Cl、Br、またはI、HSO、HPO、HPO2−、OSOCH、OSO(C)CH、OSOCH、OSO、SO2−から選ぶことができる。
【0026】
好ましくは、Xは、ClまたはBrであり、最も好ましくはClである。
好ましくは、本発明のイオン性液体は、アニオンの単一種からなる。
また好ましくは、本発明のイオン性液体は、カチオンの単一種とアニオンの単一種とからなる。
【0027】
本発明の方法によれば、不飽和炭化水素は、所望により置換されたC−C20の直鎖または分枝鎖のアルケンである。
好ましくは、不飽和炭化水素は、C−C10の直鎖または分枝鎖のアルケンである。
【0028】
より好ましくは、不飽和炭化水素は、C−Cの直鎖または分枝鎖のアルケンである。なおより好ましくは、不飽和炭化水素はイソブテンである。
本発明の重合方法は、一般の重合方法に関し、そして重合例えば二量体化、三量体化、四量体化などのよりコントロールされた局面に関する。好ましくは、本発明の方法は、二量体、三量体および四量体を生成する二量体化、三量体化および四量体化に使用される。より好ましくは、本発明の方法は、三量体および四量体そして最も好ましくは三量体を生成するのに使用される。
【0029】
本発明の1つの局面によれば、イオン性液体は、触媒および溶媒の両者として働く。
用語「触媒」は、古典的な開始剤、共開始剤、共触媒、活性化技術などを含むすべての形の触媒を含むように、本明細書で使用される。
【0030】
本発明の方法の特別な利点は、イオン性液体が、分離層または分離相として反応生成物から容易に分離できることである。さらに、触媒(例えば、クロロインデート(III)イオン液体)は、複雑な精製工程または再生の必要なしに、繰り返して使用できるが、もし必要ならば、さらなる精製工程が、触媒の純度/能率を最適にするために、実施される。
【0031】
本発明の他の局面によれば、イオン性液体は、固体の支持体上に維持され、そして触媒として作用する。
好適な支持体は、特に、微粒子の金属酸化物、珪素またはゲルマニウムの酸化物、ポリマーおよびこれらの混合物を含む。それらの例は、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、粘土、TiO、ゼオライトおよび微粒子のポリオレフィンを含む。好ましくは、固体支持体はシリカである。
【0032】
本発明のさらなる局面は、イオン性液体を溶媒に溶解する工程、固体支持体を加える工程および溶媒を除く工程からなる支持されたイオン性液体を製造する方法を含む。
任意の好適な有機溶媒が使用でき、好ましくはメタノールである。
【0033】
固体支持体は、微粒子の金属酸化物、珪素またはゲルマニウムの酸化物、ポリマーおよびこれらの混合物を含む。それらの例は、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、粘土および微粒子のポリオレフィンを含む。好ましくは、固体支持体はシリカである。
【0034】
溶媒は、好適な周知の手段を使用して除かれるが、好ましくは蒸発により除かれる。
好ましくは、支持されたイオン性液体は、減圧下加熱される。より好ましくは、支持されたイオン性液体は、133.3Pa(1mmHg)の圧力下1時間100℃に加熱される。
【0035】
本発明は、また、支持されたイオン性液体を開示しており、選択的な化学反応、好ましくは選択的なオリゴメリゼーション方法において触媒として使用する。
本発明の支持されたイオン性液体は、それらが触媒的な活性を有するまま維持されインジウムまたは他の金属のイオンの洗脱が観察されず、さらにそれらが水や湿気に耐え、使用および製造が容易であり、生成物の分布のコントロールを可能にするので、特に有用である。
【0036】
不飽和炭化水素のオリゴメリゼーション方法は、本明細書の実施例に示されている。他の周知の好適な方法が存在し、それらのすべてが当業者の知識の範囲内にあることを理解すべきである。
【0037】
本発明によるオリゴメリゼーション反応を実施するのに、イオン性液体は、好ましくは、0.5モルフラクションより多い、さらに好ましくは0.52モルフラクション以上のInClからなる。InClのモルフラクションは、x(InCl)により、本明細書では表示される。
【0038】
イオン性液体は、また、必要な反応の速度に応じて、0.55モルフラクション以上、0.75モルフラクション以上、0.58モルフラクション以上または0.60モルフラクション以上のInClからなる。
【0039】
一般に、存在するInClの量が多ければ多いほど、オリゴメリゼーションの反応が生ずる速度が速くなる。
また、存在するInClの量が多ければ多いほど(触媒が強ければ強いほど)、形成されるより長いオリゴマー例えば五量体、六量体、七量体などの量が多くなる。
【0040】
本発明の方法は、一般に、温度に影響され、温度が上がると反応速度が速くなる。
支持されていないイオン性液体により実施される反応については、以下の通りである。
InClが0.5モルフラクションより大きい量でイオン性液体に存在するとき、反応温度は、好ましくは120℃以上である。一般に、例えば存在するInClの量が多ければ多いほど、必要な反応温度は低くなる。
【0041】
InClの濃度が0.55モルフラクションであるとき、反応を生じさせるのに必要な温度は、約80℃である。0.58モルフラクション以上の濃度では、反応を生じさせるのに必要な温度は、約20℃即ち室温である。
【0042】
方法が二量体を生成するのに使用されるとき、イオン性液体中のInClのモルフラクションは、好ましくは、0.50より大きく、より好ましくは0.50から0.55である。反応温度は、好ましくは、少なくとも80℃であり、より好ましくは少なくとも120℃である。
【0043】
三量体および/または四量体を生成するためには、イオン性液体中のモルフラクションは、好ましくは、0.50より大きく、そしてより好ましくは0.50から0.67である。反応温度は、好ましくは少なくとも20℃である。
【0044】
イオン性液体が、例えばシリカ上に支持されるとき、イオン性液体は、5重量%より多い、好ましくは15重量%より多い、より好ましくは20重量%以上の量で存在する。イオン性液体は、また40重量%以内そしてそれより多い量で存在する。
【0045】
本発明は、実施例および図面により説明される。
〔実施例〕
(1.実験の詳細)
[C−mim]Clは、文献に記載された(そして当業者に周知の)方法により、1−メチルイミダゾールおよび適切なハロアルカンからの四級化反応によって製造され、そして形成されたイオン性液体は、使用前に高真空下乾燥された。
[Cmim]Clが製造され、そして使用前に高真空下乾燥された。
【0046】
インジウム(III)クロリド(99%および98%)およびイソブテン(99%)はAldrichから購入され、そのまま用いた。
Hおよび13Cのスペクトルは、CDCNまたはCDCl中でBruker DPX300分光計で記録された。プロトンおよび炭素の化学シフトは、内部TMS標準に関連して記録された。
【0047】
元素分析は、Queens University of BelfastでA.S.E.P.により行われた。
粘度は、Brookfield DV−II+粘度計により測定された。
融点、低温結晶化およびガラス転移温度は、示差走査熱量測定、二窒素低温保持冷却装置を備えたPerkin−Elmer Pyris 1 DSCまたはPerkin−Elmer Pyris 7により測定された。サンプルは10−20mgであり、加熱および冷却の速度は、10℃/分であった。サンプルは、アルミニウムパンに置かれそして空のアルミニウムパンを参考として使用した。
【0048】
[Cmim]Cl+InClの顕微鏡分析は、Wishart Scientific Olympus BX50偏光顕微鏡を使用して行われ、そして写真は、JVCカラービデオカメラTK−1085Eによりとられた。
【0049】
二量体化反応からの生成物は、Perkin−Elmer Turbomass GCMS(カラムRTX5、60m、0.25mm)により分析された。
(2.アルキルメチルイミダゾリウムクロロインデート(III)イオン性液体の製造)
【0050】
【化7】

【0051】
(2.1.一般的な合成)
一般式[C−mim][InCl](n=0,1,2,4,6,8,10,12,14,16および18である)を有する1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)塩は、[C−mim]Clおよびインジウム(III)クロリド、InClから製造された。両原料は、完全に吸湿性であり、そしてその理由のため、反応は、窒素雰囲気下で行われた。使用前に、[C−mim]Clを一晩高真空下で乾燥した。InClは、精製することなく使用された。等しい量の固体の原料を丸底フラスコで混合した。反応は、あまり発熱性ではなく、均質な反応混合物を得るために、油浴により加熱しなければならない。比較として、クロロアルミネートの製造は、非常に発熱性の反応であり、アルミニウム(III)クロリドは、小さなバッチで[C−mim]Cl中に添加しなければならず、そうでなければ、生成物は分解するかもしれない。形成された[C−mim]AlClは、また空気および水に鋭敏であり、反応は、グローブボックス中で行わねばならない。合成されたクロロ(III)インデートは、空気および水に安定である。油浴の温度は、[C−mim]Clの融点に調節され、そして均質な混合物が形成された後、反応混合物をしばらく混合した。反応後、生成物を室温に冷やした。最後に、すべての生成物を高真空下に乾燥した。[Hmin][InCl]および[Cmim][InCl]を冷却して結晶化した。C、C、CおよびC10は室温で液状である。C16およびC18は、生成物が高真空下に乾燥されたとき、結晶化した。[Cmim][InCl]、C12およびC14は、冷凍庫で放置して結晶化した。
【0052】
(2.2.分析)
(2.2.1.H−NMR、13C−NMRおよび元素分析)
1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)塩が、白色固体(n=0、1および12−18)または無色から淡黄色の液体(n=4−10)として得られた。塩の性質を、H−NMR、13C−NMRおよび元素分析の組み合わせにより求めた。Hおよび13Cのデータは、それぞれ表1および2に要約された。Hおよび13CのNMRスペクトルは、すべてのクロロインデート(III)塩について非常に類似している。また、C(2)−Hプロトンの化学シフトは、すべて驚くほど類似しており、そしてクロリド塩について観察される水素結合に関係する大きなダウンフィールドシフトを示さない。CDClを溶媒として用いたが、[Hmin][InCl]および[Cmim][InCl]は、そのなかに溶解しないので、それらのNMRは、CDCN溶液中で測定された。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
元素分析からのデータは、表3に要約される。結果は、C>1の塩について非常に良好であるが、[Hmin][InCl]は、いくらかの量の水を含む。[Hmin][InCl]について計算された元素の値は、%で、C:14.14、H:2.08、N:8.25、Cl:41.74、In:33.80である。そして[Cmim][InCl]×1HO塩では、C:13.43、H:2.54、N:7.83、Cl:39.64、In:32.09、O:4.47である。元素分析から分かった結果は、これらの計算された値の間であった。実測値:C:13.42、H:2.60、N:7.32、Cl:41.44、In:33.41。これらの塩の水含量は、アニオンの性質のために、Karl−Fisher滴定測定では測定できなかった。
【0056】
【表3】

【0057】
(2.2.2.熱分析)
クロロインデート(III)塩の熱的挙動の特性は、示差走査熱量測定(DSC)により求められた。塩の融点、ガラス転移点および低温結晶化点は、以下の表4に示される。ガラス転移点および融点は、加熱サイクルのピークの位置から測定された。転移ピークの終値は、括弧で示されそして転移エンタルピーも報告される。低温結晶化点は、冷却サイクルのピークの位置から測定されそして転移エンタルピーも報告される。結果は、再現可能である。転移点のいくつかの変化は、[C12mim][InCl]および[C14mim][InCl]のサンプルについてのみ見られた。[Hmin][InCl]、[Cmim][InCl]、[Cmim][InCl]およびn>12の塩は、真の融点を有しそしてそれらは、冷却または冷凍庫中での放置により結晶化した。以下のイオン性液体[Cmim][InCl]、[Cmim][InCl]、[Cmim][InCl]および[C10mim][InCl]は、超冷却する強い傾向を示し、より粘度の高い液体を形成し、そして最後にガラスになる。これらのC:4−10のイオン性液体のDSC分析は、低温結晶化を示さなかった。これらのイオン性液体のガラス転移温度は、−75℃から−80℃である。イオン性液体の真の融点は、アルキル鎖の長さが10より長かったとき、再び上昇し始める。鎖の長さの関数としての塩の状態図は、図1に画かれる。状態図は、他のイミダゾリウムに基づく液体例えば[Cmim][BF]について以前に分かったのと同じ傾向を示す。溶融および低温の結晶化のエンタルピーは、10から110に変化するが、或るサンプルの低温結晶化のエンタルピーおよび溶融結晶化のエンタルピーは、全く類似している。ガラス転移のエンタルピーは小さく、ほぼ1J/gであった。
【0058】
【表4】

【0059】
(2.2.3.粘度分析)
周囲温度でまたはその付近で液体であったイオン性液体の粘度は、粘度計により分析された。測定された塩は、[Cmim][InCl]、[Cmim][InCl]、[Cmim][InCl]、[Cmim][InCl]、[C10mim][InCl]、[C12mim][InCl]および[C14mim][InCl]であった。C:4−14の塩についての測定温度は20℃であるが、[Cmim][InCl]の測定は、25℃で行われた。イオン性液体の粘度は、他のイミダゾリウムに基づくイオン性液体について既に報告したように、アルキル鎖の長さが長くなったときに増加した。これらのクロロインデート(III)イオン性液体の粘度は全く低く、Cl、PFおよびBFのようなアニオンによる粘度より低い。低粘度は、それらの取り扱いを容易にする。粘度測定の結果は、図2に示される。
【0060】
(2.3.合成)
(2.3.1.1−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[Hmim][InCl])
インジウム(III)クロリド(1.597g、7.2mモル)を、1−H−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.85g、7.2mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[Hmim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCN、ppm):δ3.82(6H、s、2×NCH)、7.31(1H、s、C(5)H)、7.32(1H、s、C(4)H)、8.34(1H、s、C(2)H。13C−NMR(300MHz、CDCN、ppm):δ36.75(NCH)、120.52(C(5)H)、124.17(C(4)H)、136.15(C(2)H)。元素分析:計算値:C;14.14、H:2.08、N:8.25、Cl:41.74、In:33.80、実測値:C;13.42、H:2.60、N:7.32、Cl:41.44、In:33.41。
【0061】
(2.3.2.1,3−ジメチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[Cmim][InCl])
インジウム(III)クロリド(2.051g、9.3mモル)を、1−H−3−ジメチルイミダゾリウムクロリド(1.230g、9.3mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[Cmim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCN、ppm):δ1.63(3H、t、J 7.5Hz、CH)、4.03(3H、s、NCH)、4.32(2H、t、J 7.5Hz、CH)、7.30(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H、7.31(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.69(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ15.61(CH)、37.19(NCH)、122.49(C(5)H)、124.13(C(4)H)、134.85(C(2)H)。元素分析:計算値:C;16.96、H:2.56、N:7.92、Cl:32.46、In:40.09、実測値:C;17.18、H:2.71、N:7.95、Cl:32.35、In:40.18。
【0062】
(2.3.3.1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[Cmim][InCl])
インジウム(III)クロリド(1.105g、5mモル)を、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.733g、5mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[Cmim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ1.63(3H、t、J 7.5Hz、CH)、4.03(3H、s、NCH)、4.32(2H、t、J 7.5Hz、CH)、7.30(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H、7.31(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.69(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ15.61(CH)、37.19(NCH)、45.75(NCH)、122.49(C(5)H)、124.13(C(4)H)、134.85(C(2)H)。元素分析:計算値:C;20.04、H:3.35、N:7.80、Cl:38.46、In:30.70、実測値:C;19.59、H:3.01、N:7.52、Cl:38.56、In:31.22。
【0063】
(2.3.4.1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[Cmim][InCl])
インジウム(III)クロリド(1.105g、5mモル)を、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.873g、5mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[Cmim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ1.00(3H、t、J 7.5Hz、CH)、1.42(2H、m、J 7.5Hz、NCHCHCHCH)、1.91(2H、m、J 7.5Hz、NCHCHCHCH)、4.01(3H、s、NCH)、4.23(2H、t、J 7.5Hz、NCHCHCHCH)、7.31(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.33(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.58(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ13.17(CH)、19.14(CH)、31.54(CH)、36.76(NCH)、49.99(NCH)、122.45(C(5)H)、123.71(C(4)H)、134.36(C(2)H)。元素分析:計算値:C;24.20、H:3.82、N:7.18、Cl:35.87、In:2.50、実測値:C;24.27、H:3.82、N:7.08、Cl:35.82、In:29.01。
【0064】
(2.3.5.1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[Cmim][InCl])
インジウム(III)クロリド(3.150g、14mモル)を、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(2.900g、14mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[Cmim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ0.89(3H、t、J 7.5Hz、NCHCH)、4.01(3H、s、NCH)、4.22(2H、t、J 7.5Hz、NCH)、7.33(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.35(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.62(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ13.97(CH)、22.32(CH)、25.84(CH)、29.98(CH)、30.95(CH)、37.09(NCH)、50.60(NCH)、122.64(C(5)H)、124.02(C(4)H)、134.97(C(2)H)。元素分析:計算値:C;28.72、H:4.57、N:6.93、Cl:32.69、In:28.34、実測値:C;28.33、H:4.52、N:6.61、Cl:33.45、In:27.09。
【0065】
(2.3.6.1−オクチル−−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[Cmim][InCl])
インジウム(III)クロリド(0.707g、3.2mモル)を、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.733g、3.2mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[Cmim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ0.87(3H、t、J 7.0Hz、CH)、1.33(10H、m、CH)、1.91(2H、m、J 7.5Hz、NCHCH)、4.00(3H、s、NCH)、4.22(2H、t、J 7.5Hz、NCH)、7.35(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.37(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.57(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ14.06(CH)、22.50(CH)、26.15(CH)、28.77(CH)、28.88(CH)、29.99(CH)、31.57(CH)、37.03(NCH)、50.55(NCH)、122.58(C(5)H)、123.96(C(4)H)、134.86(C(2)H)。元素分析:計算値:C;32.15、H:5.08、N:6.1、Cl:31.98、In:26.85、実測値:C;31.89、H:5.13、N:6.20、Cl:31.38、In:25.40。
【0066】
(2.3.7.1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[C10mim][InCl])
インジウム(III)クロリド(0.582g、2.6mモル)を、1−デシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.678g、2.6mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[C10mim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ0.88(3H、t、J 7.0Hz、CH)、1.33(14H、m、CH)、1.91(2H、m、J 7.2Hz、NCHCH)、4.00(3H、s、NCH)、4.21(2H、t、J 7.5Hz、NCH)、7.35(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.37(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.51(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ14.11(CH)、22.61(CH)、26.19(CH)、28.85(CH)、29.18(CH)、29.27(CH)、29.39(CH)、30.01(CH)、31.79(CH)、37.07(NCH)、50.61(NCH)、122.64(C(5)H)、124.02(C(4)H)、134.76(C(2)H)。元素分析:計算値:C;35.08、H:5.36、N:5.80、Cl:29.76、In:24.18、実測値:C;35.03、H:5.87、N:5.84、Cl:29.54、In:23.92。
【0067】
(2.3.8.1−ドデシル−−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[C12mim][InCl])
インジウム(III)クロリド(0.453g、2.1mモル)を、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.587g、2.1mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[C12mim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ0.88(3H、t、J 7.0Hz、CH)、1.33(18H、m、CH)、1.91(2H、m、J 7.2Hz、NCHCH)、4.00(3H、s、NCH)、4.21(2H、t、J 7.5Hz、NCH)、7.34(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.36(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.58(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ14.18(CH)、22.72(CH)、26.31(CH)、28.97(CH)、29.39(CH)、29.55(CH)、29.64(CH)、30.12(CH)、31.95(CH)、37.16(NCH)、50.70(NCH)、122.65(C(5)H)、124.07(C(4)H)、135.04(C(2)H)。元素分析:計算値:C;38.03、H:5.76、N:5.56、Cl:28.8、In:22.72、実測値:C;37.82、H:6.15、N:5.51、Cl:27.91、In:22.60。
【0068】
(2.3.9.1−メチル−3−テトラデシルイミダゾリウムクロロインデート(III)[C14mim][InCl])
インジウム(III)クロリド(0.388g、1.8mモル)を、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.553g、1.8mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[C14mim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ0.88(3H、t、J 7.0Hz、CH)、1.33(22H、m、CH)、1.91(2H、m、J 7.2Hz、NCHCH)、4.00(3H、s、NCH)、4.20(2H、t、J 7.5Hz、NCH)、7.33(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.35(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.54(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ14.23(CH)、22.78(CH)、26.37(CH)、29.02(CH)、29.44(3×CH)、29.60(CH)、29.70(3×CH)、30.17(CH)、32.00(CH)、37.23(NCH)、50.78(NCH)、122.68(C(5)H)、124.11(C(4)H)、135.12(C(2)H)。元素分析:計算値:C;40.79、H:6.49、N:5.23、Cl:26.08、In:2.18、実測値:C;40.33、H:6.58、N:5.23、Cl:26.45、In:21.42。
【0069】
(2.3.10.1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[C16mim][InCl])
インジウム(III)クロリド(0.264g、1.2mモル)を、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.418g、1.2mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[C16mim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ0.88(3H、t、J 7.0Hz、CH)、1.33(26H、m、CH)、1.91(2H、m、J 7.2Hz、NCHCH)、4.00(3H、s、NCH)、4.22(2H、t、J 7.5Hz、NCH)、7.32(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.36(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.62(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ14.22(CH)、22.77(CH)、26.36(CH)、29.03(CH)、29.45(2×CH)、29.62(CH)、29.76(6×CH)、30.18(CH)、32.00(CH)、37.21(NCH)、50.72(NCH)、122.62(C(5)H)、124.08(C(4)H)、135.20(C(2)H)。元素分析:計算値:C;42.50、H:6.62、N:5.07、Cl:24.81、In:20.04、実測値:C;42.58、H:6.97、N:4.97、Cl:25.14、In:20.35。
【0070】
(2.3.11.1−メチル−3−オクタデシルイミダゾリウムクロロインデート(III)[C18mim][InCl])
インジウム(III)クロリド(0.287g、1.3mモル)を、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(0.481g、1.3mモル)を含む丸底フラスコに加えた。混合物を油浴により均質な液体が形成されるまで加熱した。形成された[C18mim][InCl]を高真空下乾燥した。H−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ0.88(3H、t、J 7.0Hz、CH)、1.34(22H、m、CH)、1.91(2H、m、J 7.2Hz、NCHCH)、4.00(3H、s、NCH)、4.21(2H、t、J 7.5Hz、NCH)、7.33(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.33(1H、d、J 1.8Hz、C(5)H)、7.35(1H、d、J 1.8Hz、C(4)H)、8.53(1H、s、C(2)H)。13C−NMR(300MHz、CDCl、ppm):δ14.22(CH)、22.77(CH)、26.36(CH)、29.02(CH)、29.45(2×CH)、29.62(CH)、29.80(8×CH)、30.15(CH)、32.01(CH)、37.23(NCH)、50.78(NCH)、122.71(C(5)H)、124.14(C(4)H)、135.00(C(2)H)。元素分析:計算値:C;44.46、H:6.91、N:4.53、Cl:23.16、In:20.03、実測値:C;44.62、H:7.32、N:4.73、Cl:23.95、In:19.39。
【0071】
(2.3.12.メチルイミダゾリウムクロロインデート(III)[Hmim][InCl])
InClモルフラクションX=0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.55、0.6、0.7を有する一連のイオン性液体を製造した。[Hmim]Cl(FW=118.566)およびInClを24時間高真空中で乾燥した。化合物を次に混合しそしてそれらが液状になるまで加熱した。得られた化合物を、次に乾燥窒素で満たしたデシケーターに注意深く移した。DSC分析の結果は、図22に示される。
【0072】
(3.[Cmim]Cl+InClの状態図)
[Cmim]Cl+InClの混合物の熱的挙動を詳細に検討した。混合物を、乾燥した[Cmim]ClおよびInClから製造した。InClを小さいバッチで[Cmim]Cl(2.6g、0.0177モル)中に加えた。混合物を、均質な液体または混合物が形成されるまで、油浴で加熱した。室温に冷却後、混合物を、示差走査熱量計(DSC)を用いて分析した。全状態図を2回測定した。初めの回(実験1)では、InClモルフラクションx(InCl)が約0、0.5、0.10、0.15、0.20、0.225、0.25、0.275、0.30、0.325、0.35、0.375、0.40、0.425、0.45、0.475、0.50、0.525、0.55、0.575、0.60、0.625、0.65、0.675、0.70および0.75であった組成物を、DSCについて分析した。第二回目(実験2)では、分析は、組成物x(InCl)=0.15から出発し、次のサンプルは0.20モル%のInClを含んだ。次に、サンプルを、InClの量が65モル%になるまで、InClの1%の添加ごとにDSCについて分析した。各サンプルを、3回の加熱および2回の冷却のサイクルで分析した。ガラス転移点および融点は、2回目の加熱サイクルについてピークの位置から通常測定された。結果は、完全に再現できた。
【0073】
(3.1.第一のDSC分析、実験1)
この分析では、InClの純度は99.9%であった。融点およびガラス転移温度は、Perkin−Elmer Pyris 1 DSCにより主として測定された(分析は−100℃から開始できた)。x(InCl)の量が0.211、0.247および0.273であったサンプルは、Perkin−Elmer Pyris 7 DSCにより測定された(分析は25℃で始めねばならなかった)。これらの2つの装置による分析は、わずかに異なる結果を与えた。融点およびガラス転移温度は、以下の表に示され、そして状態図は図3に示される。そこでは、Pyris 7による分析から得られた結果が、Pyris 1による分析からの結果とは一致しないことが分かる。Pyris 7による分析からの融点は、低い側にある。状態図のこの第1回目の測定は、次のより詳細な測定である実験2へのガイドとして使用された。[Cmin]Clに添加されるInClの量が増えれば増えるほど、そのDSCのトレースは、より複雑になる。これは、恐らく、アニオンInClに相当する第一のピーク、InClに相当する第二のピーク、InClに相当する約40℃のピークによるものと思われ、最低のピークはガラス転移である。
【0074】
【表5】

【0075】
(3.2.第二のDSC分析、実験2)
この分析では、InClの純度は98%であった。融点およびガラス転移温度は、Perkin−Elmer Pyris 1 DSCのみを使用して測定され、上述の分析、実験1と同じ方法が使用された。状態図は、図4に示される。InClの量が0.20−0.26の間にあったとき、わずか1つの転移が見られそしてピークは約115℃に見られた。より多いInClが添加されたとき、他の転移がDSCのトレースで見られそしてより低い融点を有した。同時に、より高いピークが下方に移動し始めそして消失するまで定常的に小さくなった。InClの量がちょうど0.40より少なくなると、InClの量が0.27のときに初めて見られる他のピークも、112℃から70℃に下方に移動し始めた。このピークは、たとえInClの量が0.30より多いときでもこの温度70℃で不動になり、そしてそのピークは、InClの量が約0.40であるときにそれが消失するまで、次第に低下した。第三の転移は、InClの量が0.35であるとき見られそしてピークは約40℃で現れた。このピークは、より多くのInClが添加されたとき、上方に移動した。InClの量が0.45であったとき、ピークは50℃で現れそして他のピークは、30℃でそれについで見られた。50℃でのピークは小さくなり、そして30℃でのピークは大きくなり、そしてまた上方に移動した。InClの量が0.50であったとき、約40℃で唯一のピークが存在した。このピークは、より多くのInClが添加されるとき、同じ位置で見られ、そしてまた、ガラス転移は約−30℃で非常にしばしば見られた。InClは、その量が0.65になるまで、混合物中に添加された。観察された転移は、以下の表6に示される。
【0076】
【表6】

【0077】
(3.3.実験1の分析と実験2の分析との間の比較)
InClの量がx(InCl)=0.23、0.25、0.33、0.5、0.55、0.6および0.65であるサンプルのDSCトレースを、実験1と実験2と比べた。x(InCl)が0.25であるとき、混合物中で唯一の種類のイオン性液体/塩が存在すべきであり、それは[Cmin][InCl]であった。x(InCl)が0.33であるとき、混合物中で[Cmin]InClのみであり、そしてx(InCl)が0.50であるとき、混合物中で[Cmin]InClのみであった。DSCの結果を比較した。第一の値は実験1の分析からであり、第二の値は実験2からである。x(InCl)が0.23のとき、融点はそれぞれ114℃および117℃であった。x(InCl)が0.25のとき、融点はそれぞれ98℃および120℃であった。実験1は、Pyris 7により分析されそして融点はあまりに低いように思われた。x(InCl)<0.27のすべてのサンプルは、転移について唯一のピークを示した。x(InCl)が0.33のとき、転移は、それぞれ114℃および67℃、そして117℃、71℃および61℃で見られた。実験2のDSCトレースは、実験1よりさらに複雑であった。融点は、0.32について113℃および70℃であり、そして0.34について117℃および71℃であった。実験2のx(InCl)=0.33のDSCトレースについて1つの余分のピークが存在する。x(InCl)が0.50のとき、またガラス転移が、融点に加えて見られた。実験1ではガラス転移は−30℃でありそして融点は42℃であり、そして実験2では、唯一のピークがはっきり見られそしてこれは44℃での融点であった。InClの量が[Cmin]Clの量を超えるとき、x(InCl)>0.50、両者の分析からのDSCトレースの間には差異が存在しなかった。それらは、x(InCl)=0.55から0.75まで、すべて同じであった。しかし、実験2の分析からの値は、実験1の分析からは、やや低かった。x(InCl)が0.55であったとき、転移点は、実験1では45℃および30℃であり、実験2では35℃および−36℃であった。x(InCl)が0.60であったとき、転移点は、それぞれ、43℃および−30℃、そして36℃であった。x(InCl)が0.65であったとき、転移点は、それぞれ、43℃および−31℃、そして35℃であった。実験1からの0.67および0.75のDSCトレースでは、転移点は、それぞれ、43℃および−29℃、そして44℃であった。ガラス転移は、実験1の分析から知ることが、さらに容易であった。融点および転移点が、実験1よりも実験2で低かった理由は、混合物中の水の量と相関している。x(InCl)>0.54を含むサンプルは、すべての以前のサンプルより数週間後で分析された。サンプルのいくつかは、高真空で乾燥され、そしてそれらは、再び分析されたが、これは融点を変化させなかった。
【0078】
図5は、両方の分析からのデータの点に関する状態図を示す。転移点がx(InCl)=0.15より低くそして0.55より高い値は、実験1の分析からであり、そして0.15と0.54との間の値は、実験2の分析からである。この理由は、実験2の分析からの0.54より高い値が正確ではなくそしていくらか余りに低いと思われることである。
【0079】
(3.4.顕微鏡による分析)
以下の[Cmim]Cl+InClの混合物、x(InCl)=0.25、0.33、0.5、0.55、0.6および0.65は、また顕微鏡を使用して分析された。サンプルは、10℃/分の速度で、まず加熱され、次に同じ速度で冷却された。次に、同じサンプルを、1℃/分の速度で加熱された。混合物の溶融は、両者において観察されたが、より遅い加熱は、融点について、さらに正確な値をもたらす。唯一の転移は、0.25の混合物について見られ、そしてこの融点は105−108℃であった。0.33の混合物が加熱されたとき、いくつかの融点が見られた。1回目は約40℃であり、第二回目は約70℃であり、そして第三回目は約110℃であった。0.5の混合物では、融点は33−36℃であり、そして次に全混合物は液体であった。x(InCl)が0.55、0.6および0.65であった[Cmim]Cl+InClの混合物は、すべて同様な傾向を示した。融点は、33−36℃で見られたが、いくつかの六方晶系の結晶は、この温度では溶融しなかった。過剰なInClは、[Cmim]Cl+InClの混合物中に溶解しないだろう。これらのInClの結晶は、たとえサンプルが350℃まで加熱されたとしても、見ることができる。混合物は、250℃まで安定なように見えるが、それ以後分解するだろう。
【0080】
(3.5.結論)
DSCおよび顕微鏡による分析からの結果は、同じである。融点は、顕微鏡による分析より、いくらか低い。それは、加熱速度が遅く、1℃/分であったからである。DSC分析では、使用した加熱および冷却の速度は、10℃/分であった。x(InCl)=0.33の[Cmim]Cl+InClの混合物は、これらの異なる混合物のなかで最も複雑なものであり、そしてそのことが、いくつかの転移が見られる理由である。いくつかの結晶を形成すると思われる式x(InCl)の組成物は、x(InCl)=0.25である。この組成物は、これら3つのなかで最も簡単なものであり、そしてそれは最高の融点である100℃より高い融点を有し、それは結晶させるのに最も容易である。
(4. アルキルピリジニウムおよびアルキルピロリジンクロリドの製造)
【0081】
【化8】

【0082】
(4.1.一般的な合成)
[C−pyr]Cl(n=4,6,8,10,12,14,16および18)は、窒素雰囲気下で95℃で、1当量のピリジンおよび相当する1:1当量のアルキルクロリドから製造された。化合物は、過剰のアルキルクロリドを除くために、ヘキサン/シクロヘキサンおよび酢酸エチルの両者により洗浄された。反応時間およびそれらの状態は、以下の表7に示される。約40gの生成物を得た。
【0083】
【表7】

【0084】
【化9】

【0085】
[CMeピロリド]Cl(n=4,6,8,10,12,14,16および18)は、窒素雰囲気下95℃で、1当量のメチルピロリジンおよび1:1当量のアルキルクロリドから製造された。化合物は、過剰のアルキルクロリドを除くために、ヘキサン/シクロヘキサンおよび酢酸エチルの両者により洗浄された。反応時間およびそれらの状態は、以下の表8に示される。上記のように、約40gの生成物を得た。
【0086】
【表8】

【0087】
(4.2.分析)
[Cpyr]Clおよび[CMeピロリド]Clの融点を観察し、そして以下の表9に示す。
【0088】
【表9】

[CMeピロリド]Clが、一般に、同じ側鎖を有する[Cpyr]Clより高い融点を有することが分かる。
【0089】
(4.3.クロロインデート(III)塩の製造)
(4.3.1.[(C131429P][InCl])
InClモルフラクションx(InCl)=0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.55、0.6、0.7を有する一連のイオン性液体を製造した。[(C131429P](MW=519.322)およびInClを、24時間高真空で別々に乾燥した。乾燥後、化合物を一緒にしそしてそれらが液状になるまで、加熱した。得られた化合物を、乾燥窒素を満たしたデシケーターに注意深く移した。
【0090】
DSC分析を行った(図12参照)。
(4.3.2.[CMeピロリド][InCl])
InClモルフラクションx(InCl)=0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.55、0.6、0.7を有する一連のイオン性液体を製造した。[CMeピロリド]Cl(MW=177.718)およびInClを、24時間高真空で別々に乾燥した。乾燥後、化合物を一緒にしそしてそれらが液状になるまで、加熱した。得られた化合物を、乾燥窒素を満たしたデシケーターに注意深く移した。DSC分析は、図13に示される。
【0091】
(4.3.3.[Cpy][InCl])
InClモルフラクションx(InCl)=0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.55、0.6、0.7を有する一連のイオン性液体を製造した。[Cpy]Cl(MW=239.789)およびInClを、24時間高真空で別々に乾燥した。乾燥後、化合物を一緒にしそしてそれらが液状になるまで、加熱した。得られた化合物を、乾燥窒素を満たしたデシケーターに注意深く移した。DSC分析は、図14に示される。
(イソブテンの二量体化反応)
【0092】
【化10】

【0093】
反応の性質により、オリゴマー例えば三量体、四量体、五量体、六量体、七量体および八量体も製造される。反応条件例えばイオン性液体、その組成、温度、反応時間および反応の装備を変えることにより、生成物の分布をコントロールすることができる。一般的な反応は、触媒量のイオン性液体とガス状の原料とを混合し、そして生成物が形成されるとき、それらはイオン性液体の上に液状の層を形成することである。
【0094】
この反応に使用されるイオン性液体は、1−ブチル−3−メチルイミダゾールクロロインデート(III)であった。この種類のイオン性液体は、溶媒としてそして触媒として働く。[Cmin]InClは、それが室温で液状でありさらに生成物が反応の生成物中に溶解しないという理由から、選ばれた。
【0095】
初めの反応は、オートクレーブで行われ、そして異なる組成のイオン性液体が触媒的溶媒として使用された。IL中のInClの量は、x(InCl)=0.50、0.52、0.55、0.57、0.58、0.6および0.66であった。イオン性液体の組成は、生成物の分布、および反応を生じさせるのに必要な温度に影響する。種々の反応の装備が2つの異なるイオン性液体x(InCl)=0.58および0.55についてそして異なる反応温度でテストされた。オートクレーブ中の初めの反応では、イソブテンは単一のバッチとして添加され、そして後の反応では、改変された反応器で、それは、通常1cm/分の速度で、反応器中に連続して供給された。生成物は、GCMSそしてNMRにより分析された。GCグラフは、手動により拡大され、そして生成物の組成は、形成された二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体および八量体の%として示される。
【0096】
(4.1.組成x(InCl)=0.5−0.67を有するIL中のオリゴメリゼーション)
これらの反応は、磁気攪拌バーを備えたガラス反応器(200mL、オートクレーブ)で行われた。反応は、7つの異なる組成の1−ブチル−3−メチルイミダゾールクロロインデート(III)(IL)で行われた。IL中のInClの量は、x(InCl)=0.5、0.52、0.55、0.57、0.58、0.6および0.66であった。所望のInCl含量(InCl)=0.5−0.67を有するイオン性液体は、[Cmin]ClとInClとの反応により、前もって製造された。それは、使用前に高真空で通常乾燥され、そしてその1gを反応器に秤量した。その後、反応器をガス状の原料であるイソブテンで満たした。反応の初めに、ガス圧は約1.2バールであり、それは、反応が進むにつれ低下した。反応時間は1時間であった。x(InCl)<0.58の量の反応は、油浴による加熱を要し、そのためILは、かなりな速度で反応を接触化する。以下の表10参照。等しい量の[Cmin]ClとInClとが使用されたとき、x(InCl)=0.50、120℃では反応は生じなかった。x(InCl)が0.52のとき、反応は120℃で生じた。x(InCl)が0.55のとき、反応は80℃で生じ、そして50℃では、x(InCl)が0.57であった。イオン性液体の組成は、ルイス酸性である必要があり、そうでなければ、反応は生じない。
【0097】
【表10】

【0098】
生成物の層の分離は、生成物がイオン性液体相中に溶解しないので、デカンテーションにより行われた。二量体(C16)から八量体(C3264)の生成物が形成された。われわれが、室温で行われる反応の生成物の分布を比較するとき、われわれは、IL中のInClの量が多ければ多いほど、反応が早く進むことを知る。結果は図6に示され、それぞれx(InCl)の量=0.67、0.6および0.58であるときの反応7、6および5参照。同時に、より多量のより長いオリゴマーが形成される。x(InCl)=0.57および0.55(それぞれ反応4および3)を有するIL中の反応の生成物の分布も、また図6に示される。室温で3時間のこれらの反応では、どんな反応も生じなかった。油浴による加熱は、反応の速度を増加させ、そしてまた反応の分布に影響する。温度が高ければ高いほど、より多くの二量体が形成される。すべての反応の主な生成物は、三量体および四量体である。
【0099】
(4.2.反応の装備の改変)
二量体化反応が非常に早いことを従前の反応が示したので、いくつかの改変が、好ましくは、反応の装備に加えられた。より多くの二量体を得るために、弱い触媒と高い反応温度とが好ましい。また、触媒とイソブテンとの接触時間は、可能な限り短くなければならない。反応は、イソブテンのバッチによる添加から連続供給反応に変えられた。これは、また、ガスのすべてを反応の初めに添加する必要がないことから、反応器のサイズを小さくできたことを意味する。メチルプロペンを連続的に添加することは、また、触媒との接触時間に影響を与え、それを短縮できる。装置は、25mL容のガラス管を使用するように改変され、それは、側面に入口を有しそして管の頂部に出口を有する。ガスは管に入ることができ、管では、ILは底部にありそして反応混合物は磁気攪拌バーで攪拌される。未反応のガスは、出口を通ってバブラーに入り、そして生成物の層はILの上に形成される。管には、管の底部に延びた長いサイドアームが取り付けられ、ガス状の原料がIL中を泡となって通ることを可能にする。改変された反応の装備は、[Cmin]Cl:InCl、x(InCl)=0.58によりテストされた。
【0100】
(4.3.組成x(InCl)=0.58を有するIL中のオリゴメリゼーション)
3つの反応が、組成x(InCl)=0.58、室温および反応時間1時間で、イオン性液体で実施された。2−メチルプロペンを、反応器中へ1cm/分の速度で連続して供給した。これらの反応の生成物の分布は、図7に示される。反応8は、サイドアームのない25mL容反応器で行われ、そしてILの量は、1g([Cmin]Cl 2.5mモルおよびInCl3.5mモル)であった。この反応の条件は、反応5と同じであった。生成物の分布は、両者の反応で同じであった。主な生成物は、三量体であった。反応9は、サイドアーム付き反応器で行った。反応の条件は、反応8(x(InCl)=0.58、室温および反応時間1時間)と同じであったが、ILの量は2g([Cmin]Cl 5mモルおよびInCl7.1mモル)であった。生成物の分布は、反応8に比べて、二量体および三量体の量が増えそしてより長いオリゴマーの量が減るように変化した。サイドアームの反応器の改変は、二量体の量を増やした。最後に、反応10は、サイドアーム付きの反応器で同じ条件(x(InCl)=0.58、室温および反応時間1時間)で行われ、ILの量は4g([Cmin]Cl 10mモルおよびInCl14mモル)であった。より長いオリゴマーが、二量体の代わりに、多く形成された。これらの結果は、図7に示される。
【0101】
反応8の生成物の分布は、図8にも示される。サンプルは、10分毎または15分毎に反応物から採取された。それより、生成物の分布が全反応中同じままであることが分かる。
【0102】
(4.4.組成x(InCl)=0.55を有するIL中のオリゴメリゼーション)
オートクレーブ中の反応は、組成x(InCl)=0.55を有するILが使用されたとき、反応が油浴による加熱を要することを示した。オートクレーブ中の反応である反応11は、80℃で行われた。ILの量は、4g([Cmin]Cl 10mモルおよびInCl12mモル)であり、反応時間は1時間であった。コールドトラップを、反応装備に加えそしてそれをホースで反応器につないだ。反応器で形成された生成物は、反応器の外に蒸発してコールドトラップに入った。このトラップは、次に氷浴に置かれた。
【0103】
反応12、13および14では、組成はx(InCl)=0.55であり、ILの量は4.0gであり、そして反応温度は高く(120℃)であり、反応時間は、それぞれ、30分、30分および1時間であった。これらの反応の生成物の分布は図9に示される。GCMS分析に関するサンプルは、またコールドトラップから採取され、そして生成物の分布は図10に示される。二量体が反応器から容易に蒸発しそしていくらかの三量体がコールドトラップに集められるようである。生成物は、反応器からデカンテーションされ、そしてILは、なんら精製されることなく再使用された(反応13)。もしこれらの2つの反応が比較されるならば、反応13では、二量体および三量体の量が少なくなりそして四量体、五量体および六量体の量が増えていることが分かる。最後の反応14は、精製したイオン性液体および同じ反応条件で1時間行われた。30分の反応時間で、反応12の生成物の分布と反応14の生成物の分布とを比較したとき、二量体の量は、両者の反応で同じであることが分かる。反応14では、三量体および四量体の量は増え、そしてより長いオリゴマーは減っていた。コールドトラップからのサンプルの生成物の分布を比較すると、より長い反応時間は二量体の量を減らしそして三量体の量を増やすことが分かる。GCMSによる分析は、二量体および三量体の異性体の量が、コールドトラップを用いるこれらの反応では多くなりそしてまた二量体と三量体との間の分子量を有するいくらかの生成物が形成されたことを示した。図10参照。
【0104】
(4.5.[Cmin]Cl+InCl(x(InCl)=0.60)の二量体化)
この反応について異なるイオン性液体の影響を知るために、1つの反応が[Cmin]Cl:InCl x(InCl)=0.60で行われた。この反応15は、イオン性液体が43℃の融点を有するため、進めるのに加熱(50℃)を要した。ILの量は1gであり、反応時間は1時間であった。生成物の分布は、[Cmin]Cl:InCl x(InCl)=0.60とは異なった。この反応からの結果は、図11に示される。二量体および三量体の量は、この反応では多く、それは[Cmin]カチオンによりなされた。
【0105】
(4.6.支持されたイオン性液体)
組成x(InCl)=0.55およびx(InCl)=0.6の2つのイオン性液体を、10gの[Cmin]Clとそれぞれ15.3gまたは18.9gのいずれかのInClとを混合して白色の液体(化合物または混合物)を形成させることによって製造した。
【0106】
(x(InCl)=0.55)インジウムクロリドイオン性液体(2.0g)をメタノール(100mL)に溶解し、フラッシュシリカ(10g)を加えた。これを十分に混合し、そしてメタノールを、100mバール、50℃でロータリーエバポレーターにより除いた。支持されたイオン性液体を、4時間0.1mバール、100℃で加熱することにより活性化した。これを20%x(InCl)=0.55[Cmin]Cl/InClと名付けた。
【0107】
(x(InCl)=0.60)インジウムクロリドイオン性液体(4.0g)をメタノール(100mL)に溶解し、フラッシュシリカ(10g)を加えた。これを十分に混合し、そしてメタノールを、100mバール、50℃でロータリーエバポレーターにより除いた。支持されたイオン性液体を、4時間0.1mバール、100℃で加熱することにより活性化した。これを40%x(InCl)=0.60[Cmin]Cl/InClと名付けた。
【0108】
(4.6.1.支持されたイオン性液体上の反応)
イオン性液体を、図15に示されるように、狭い中空の末端を有する管に詰めた。寸法は以下の通りである。ガラス管の内径=8mm、詰められた支持されたイオン性液体の長さ=200mm、詰められたSiO=20mm、ガラスウールの長さ=10mm。
【0109】
(4.6.2.20%x(InCl)=0.55[Cmin]Cl/InClによるイソブテンの反応)
管を4.6.1のようにつくり、そしてイソブテンを、毎秒1、3および10cmで、100℃でチューブオーブン中で管反応器に通した(図16参照)。10分後、オリゴマー生成物をガスクロマトグラフィー(カラム=Restec RTX−5)およびプロトンNMR分光分析により分析した(以下の3つの異なる流速でのクロマトグラムおよびスペクトルを参照)。
図17−19から分かるように、流速が増大すると、低分子量のオリゴマーの割合が増加する。
【0110】
(4.6.3.40%x(InCl)=0.60[Cmin]Cl/InClによるイソブテンの反応)
管を4.6.1のようにつくり、そしてイソブテンを、毎秒1cmおよび10cmで、100℃でチューブオーブン中で管反応器に通した(図20参照)。10分後、オリゴマー生成物をガスクロマトグラフィー(カラム=Restec RTX−5)により分析した。以下の3つの異なる流速でのクロマトグラムおよびスペクトルを参照。
【0111】
図21から分かるように、二量体が毎分10mLでの反応の主な生成物であり、そして四量体、五量体および六量体の割合が5%である。
オリゴメリゼーションの度合いは、もし流速が毎分1mLに低下するならば、上がる。この反応では、四量体、五量体および六量体の割合は20%である。
【0112】
(4.6.結論)
オリゴメリゼーションの反応は、反応の装備、触媒的イオン性液体の組成、反応温度そしてまたイオン性液体のカチオンのタイプが生成物の分布に影響することを示す。
コールドトラップを含む反応の装備の改変は、生成物の分離を容易にする。
【0113】
コールドトラップの温度は、それが二量体(および三量体)を収集するがガスを通過させるようなものでなければならない。このような温度は、もちろん、当業者により選択可能である。
ガスの流速は、それが形成された二量体をコールドトラップ中に随伴するのに十分な速さであるように調節される。
【0114】
未反応イソブテンは、反応器にリサイクルされて戻される。
2つ以上のコールドトラップを並べて設けることができ、その際他のものは二量体および/または三量体を集めることができる。
反応は、もし触媒が固体支持体に支持されているならば、生ずる。
好適な支持体は、シリカ、またはイオン性液体に干渉しないかまたはそれを不活性にしない任意の他の固体である。
【0115】
流速、イオン性液体の組成、時間、反応器の寸法、支持されたイオン性液体の長さおよび量、圧力および温度は、すべて、オリゴメリゼーションおよび異性化の程度に影響する。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】鎖の長さの関数としての本発明の塩に関する状態図を示す。
【図2】鎖の長さの関数としての粘度を示す。
【図3】InClの濃度(実験1)の関数としての本発明の塩の状態図を示す。
【図4】InClの濃度(実験2)の関数としての本発明の塩の状態図を示す。
【図5】InClの濃度(実験1および2)の関数としての本発明の塩の状態図を示す。
【図6】[Cmin]Cl:InClの異なる組成で実施される反応の生成物の分布を示す。
【図7】x(InCl)=0.58である[Cmin]Cl:InClで実施される反応の生成物の分布を示す。
【図8】時間の関数として[Cmin]Cl:InCl(x(InCl)=0.58)の反応の生成物の分布を示す。
【図9】x(InCl)=0.58である[Cmin]Cl:InClの反応の生成物の分布を示す。
【図10】装置がコールドトラップを含む生成物の分布を示す。
【図11】反応15の生成物の分布を示す。
【図12】x(InCl)の種々の値に関する[(C131429P]Cl:InClの融点を示す。
【図13】x(InCl)の種々の値に関する[CMeピロリド]Cl:InClの融点を示す。
【図14】x(InCl)の種々の値に関する[Cpy]Cl:InClの融点を示す。
【図15】オリゴメリゼーション反応に使用される反応管の概略図である。
【図16】オリゴメリゼーションで使用される装置の概略図である。
【図17】180℃の温度および1cmの流速でのオリゴメリゼーション中生成される生成物のNMRスペクトルである。
【図18】180℃の温度および3cmの流速でのオリゴメリゼーション中生成される生成物のNMRスペクトルである。
【図19】180℃の温度および10cmの流速でのオリゴメリゼーション中生成される生成物のNMRスペクトルである。
【図20】室温のオリゴメリゼーションで使用される装置の概略図である。
【図21】室温のオリゴメリゼーションに関する生成物の分布とイソブテンの流速との間の比較を示す。
【図22】x(InCl)の種々の値に関する[Hmin]Cl:InClの融点を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応が、式
[Cat][X]:lnCl
(式中、Catは、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピラゾリウム、チアゾリウム、イソチアゾリニウム、オキソチアゾリウム、オキサジニウム、オキサゾリウム、ジチアゾリウム、トリアゾリウム、セレノゾリウム、オキサホスホリウム、フラニウム、チオフェニウム、ホスホリウム、ペンタゾリウム、インドリウム、インドリニウム、イソ−オキサゾリウム、イソ−トリアゾリウム、テトラゾリウム、ベンゾフラニウム、チアジアゾリウム、ピリミジニウム、ピラジニウム、ピリダジニウム、ピペラジニウム、ピペリジニウム、モルホリニウム、ピラニウム、フタラジニウム、キナゾリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、オキサジニウムおよびピロリジニウム、ジアザビシクロウンデセニウム、ジアザビシクロノネニウム、ジアザビシクロデセニウムまたはトリアザデセニウム、[N(R)(R)(R)(R)]または[P(R)(R)(R)(R)](但し、R、R、RおよびRは、同じかまたは異なりそして独立してそれぞれC−C40の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C−Cシクロアルキル基またはC−C10アリール基であり、その際該アルキル基、該シクロアルキル基または該アリール基は未置換であるかまたはC−Cアルコキシ基、C−C10アリール基、CN、OH、NO、C−C30アラルキル基およびC−C30アルカリール基から選ばれる1つの基から3つの基により置換されていてもよい)から選ばれるカチオン性種であり、Xは、アニオン性種である)
のインジウム(III)クロリドのイオン性液体の存在下で生じ、さらに、反応が二量体、三量体および/または四量体の形成について選択的であることを特徴とする不飽和炭化水素の選択的オリゴメリゼーション方法。
【請求項2】
Catが、中性、酸性または塩基性である請求項1の方法。
【請求項3】
Catが、
【化1】

(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、同じかまたは異なり、そして独立してそれぞれ水素、C−C40の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C−Cシクロアルキル基またはC−C10アリール基から選ばれ、その際該アルキル基、該シクロアルキル基または該アリール基は、未置換であるかまたはC−Cアルコキシ基、C−C10アリール基、CN、OH、NO、C−C30アラルキル基およびC−C30アルカリール基から選ばれる1つの基から3つの基により置換されていてもよく、または隣接する炭素原子に結合したR、R、R、RおよびRの任意の2つは、メチレン鎖−(CH−(但し、qは8から20である)を形成する)
から選ばれる請求項1または2の方法。
【請求項4】
Catが、
【化2】

(式中、R、R、R、RおよびRは、請求項3で規定された通りである)
から選ばれる請求項3の方法。
【請求項5】
、RおよびRが、それぞれ水素であり、RおよびRが、C−C20の直鎖または分枝鎖のアルキル基から選ばれ、RおよびRの1つが、水素であってもよい請求項4の方法。
【請求項6】
およびRの1つが、水素またはメチル基であり、他のものが、C−C20の直鎖または分枝鎖のアルキル基から選ばれる請求項5の方法。
【請求項7】
およびRの1つが、水素またはメチル基であり、他のものが、C−C18の直鎖または分枝鎖のアルキル基から選ばれる請求項6の方法。
【請求項8】
およびRの1つが、水素またはメチル基であり、他のものが、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基から選ばれる請求項7の方法。
【請求項9】
Catが、メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−テトラデシルイミダゾリウム、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムおよび1−メチル−3−オクタデシルイミダゾリウムから選ばれる請求項8の方法。
【請求項10】
Catが、1−ブチルピリジニウム、1−ヘキシルピリジニウム、1−オクチルピリジニウム、1−デシルピリジニウム、1−ドデシルピリジニウム、1−テトラデシルピリジニウム、1−ヘキサデシルピリジニウムおよび1−オクタデシルピリジニウムから選ばれる請求項3の方法。
【請求項11】
Catが、1−メチル−1−ブチルピロリジニウム、1−メチル−1−ヘキシルピロリジニウム、1−メチル−1−オクチルピロリジニウム、1−メチル−1−デシルピロリジニウム、1−メチル−1−ドデシルピロリジニウム、1−メチル−1−テトラデシルピロリジニウム、1−メチル−1−ヘキサデシルピロリジニウム、1−メチル−1−オクタデシルピロリジニウムから選ばれる請求項3の方法。
【請求項12】
Catが、[N(R)(R)(R)(R)]および[P(R)(R)(R)(R)](但し、R、R、RおよびRは、同じかまたは異なりそして独立してそれぞれC−C20の直鎖または分枝鎖のアルキル基、C−Cシクロアルキル基またはC−Cアリール基であり、その際該アルキル基、該シクロアルキル基または該アリール基は未置換であるかまたはC−Cアルコキシ基、C−C10アリール基、CN、OH、NO、C−C30アラルキル基およびC−C30アルカリール基から選ばれる1つの基から3つの基により置換されていてもよい)から選ばれる請求項1または2の方法。
【請求項13】
Catが、四置換アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、2−ヒドロキシエチル−トリメチルアンモニウムおよびこれらのエーテル、四置換ホスフィニウム、テトラエチルホスフィニウム、テトラプロピルホスフィニウム、テトラブチルホスフィニウム、テトラペンチルホスフィニウム、テトラヘキシルホスフィニウムから選ばれる請求項12の方法。
【請求項14】
が、F、Cl、Br、またはI、HSO、HPO、HPO2−、OSOCH、OSO(C)CH、OSOCH、OSO、SO2−から選ばれる請求項1−13の何れか1つの項の方法。
【請求項15】
がClである請求項14の方法。
【請求項16】
不飽和炭化水素が、所望により置換されたC−C20の直鎖または分枝鎖のアルケンである請求項1−15の何れか1つの項の方法。
【請求項17】
不飽和炭化水素が、C−C10の直鎖または分枝鎖のアルケンである請求項16の方法。
【請求項18】
不飽和炭化水素が、C−Cの直鎖または分枝鎖のアルケンである請求項17の方法。
【請求項19】
不飽和炭化水素がイソブテンである請求項18の方法。
【請求項20】
反応が、二量体の形成について選択的である請求項1−19の何れか1つの項の方法。
【請求項21】
イオン性液体中のInClのモルフラクションが、0.50以上である請求項20の方法。
【請求項22】
イオン性液体中のInClのモルフラクションが、0.50から0.55である請求項21の方法。
【請求項23】
反応温度が少なくとも120℃である請求項20−22の何れか1つの項の方法。
【請求項24】
反応混合物から二量体を分離する工程をさらに含む請求項20−23の何れか1つの項の方法。
【請求項25】
二量体が、反応混合物から蒸発しそしてコールドトラップにより集められる請求項24の方法。
【請求項26】
反応が、三量体および/または四量体の形成について選択的である請求項1−19の何れか1つの項の方法。
【請求項27】
イオン性液体中のInClのモルフラクションが、0.50以上である請求項26の方法。
【請求項28】
イオン性液体中のInClのモルフラクションが、0.50から0.67である請求項27の方法。
【請求項29】
反応温度が少なくとも20℃である請求項26−28の何れか1つの項の方法。
【請求項30】
反応温度が、20℃から120℃である請求項29の方法。
【請求項31】
反応温度が、50℃から120℃である請求項30の方法。
【請求項32】
反応温度が120℃より高い請求項29の方法。
【請求項33】
方法が、コールドトラップを用いる分離工程を含む請求項26−32の何れか1つの項の方法。
【請求項34】
イオン性液体が、固体支持体上に支持される請求項1−33の何れか1つの項の方法。
【請求項35】
固体支持体が、微粒子の金属酸化物、ゼオライト、混合した金属酸化物、珪素、アルミニウム、チタンまたはゲルマニウムの酸化物、ポリマーおよびこれらの混合物から選ばれる請求項34の方法。
【請求項36】
固体支持体が、アルミナ、シリカ、アルミノシリケート、粘土および微粒子のポリオレフィンから選ばれる請求項35の方法。
【請求項37】
固体支持体がシリカである請求項36の方法。
【請求項38】
イオン性液体を溶媒に溶解する工程、固体支持体を加える工程および溶媒を除く工程からなることを特徴とする請求項34−37の何れか1つの項の方法で使用される支持されたイオン性液体を製造する方法。
【請求項39】
溶媒がメタノールである請求項38の方法。
【請求項40】
固体支持体がシリカである請求項38または39の方法。
【請求項41】
溶媒が蒸発により除かれる請求項38−40の何れか1つの項の方法。
【請求項42】
支持されたイオン性液体が減圧下加熱される請求項38−41の何れか1つの項の方法。
【請求項43】
支持されたイオン性液体が、133.3Pa(1mmHg)の圧力下1時間100℃に加熱される請求項42の方法。
【請求項44】
オリゴメリゼーションにおける触媒として支持されたイオン性液体の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2009−518454(P2009−518454A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545080(P2008−545080)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004639
【国際公開番号】WO2007/068910
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(502194159)ザ クイーンズ ユニバーシティ オブ ベルファスト (7)
【Fターム(参考)】