説明

オレキシンアンタゴニストとしてのピロリジン−3−イルメチル−アミン

本発明は、式(I)[式中、R、R、Ar、ヘタリール、m及びnは、明細書及び特許請求の範囲に定義されている]で示される化合物に関する。それらの化合物は、オレキシン経路が関与する障害の処置に有用でありうるオレキシンレセプターアンタゴニストである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式
【0002】
【化1】


[式中、
は、ハロゲンであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換された低級アルキル、ハロゲンにより置換された低級アルコキシ、又はフェニルであり;
ヘタリールは、
【0003】
【化2】


(XはO又はSである)であり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2であり;
mは、0、1又は2である]
で示される化合物又はその薬学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ体若しくはジアステレオマー混合物に関する。
【0004】
式Iで示される化合物は、オレキシンレセプターアンタゴニストであって、関連化合物は、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む、睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ジスキネジー、例えばハンチントン病及びトゥーレット症候群、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む、精神医学的、神経学的及び神経変性障害、代謝性疾患、例えば肥満、糖尿病、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、疼痛に対する感受性の亢進又は悪化、例えば痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症、急性痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後痛、神経痛、HIV感染関連痛、化学療法後痛、過敏性腸症候群及びオレキシン系の全身性機能不全に関係する他の疾患のような、オレキシン経路が関与する障害の処置に有用でありうることが見出された。
【0005】
視床下部神経ペプチドファミリーのオレキシン(ヒポクレチン)は、摂食行動、エネルギー恒常性及び睡眠覚醒サイクルのモデュレーションに重要な役割を果たす(Siegel, Annu. Rev. Psychol., 55, 125-148, 2004)。オレキシン−A/ヒポクレチン1(OX−A、アミノ酸33残基)及びオレキシン−B/ヒポクレチン2(OX−B、アミノ酸28残基)は、アミノ酸130残基のプレプロ−オレキシンのタンパク質分解性プロセシングにより同じ前駆体から得られる(de Lecea et al., Proc Natl Acad Sci USA, 95, 322-327, 1998; Sakurai T. et al., Cell, 92, 573-585, 1998)。オレキシンのレベルは、活動サイクルのときに最高である日内変動を示す。オレキシン−1レセプター(OXR)及びオレキシン−2レセプター(OXR)という名の二つのレセプターサブタイプが同定された。結合アッセイ及び機能アッセイでの両レセプターの特徴づけから、OXRがOX−AとOX−Bの両方に対する非選択的レセプターである一方で、OXRはOX−Aに選択的であり、逆に言えば、OX−Aは非選択的神経ペプチドであり、類似の親和性でOXR及びOXRに結合し、一方でOX−Bは選択的で、OXRに対してより高い親和性を有することが実証された(Sakurai T. et al., Cell, 92, 573-585, 1998)。両レセプターは、Gq/11を経由してホスホリパーゼCの活性化と共役する、クラスAファミリーのGタンパク質共役レセプター(GPCR)に属し、ホスホイノシチド(PI)の加水分解及び細胞内Ca2+レベルの上昇を導く。しかし、OX2Rは、また、Gi/oを経由してcAMP経路と共役しうることが示された(Sakurai, Regulatory Peptides, 126, 3-10, 2005)。成ラット組織のノーザンブロット分析から、プレプロ−オレキシンmRNAは(精巣に少量存在することを除き)脳だけから検出されること、並びにOXR及びOXR転写物もまた、脳だけから検出されることが示された(Sakurai T. et al., Cell, 92, 573-585, 1998)。ヒトの多組織のノーザンブロットを使用して、同様の結果が得られた。インサイチューハイブリダイゼーション及び免疫組織化学検査を用いたラット脳中の分布研究から、オレキシンニューロンは、視床下部外側野にのみ見い出され、CNS全体に投射することが示された(Peyron et al., J Neurosci, 18, 9996-10015, 1998; Nambu et al., Brain Res., 827, 243-60, 1999)。加えて、OXレセプターとOXレセプターの両方が、睡眠/覚醒の調節に重要な脳領域に存在する。
【0006】
以下の一連の証拠に基づき、破壊されたオレキシン系がナルコレプシーの原因であることが示唆されている:(a)プレプロ−オレキシンノックアウトマウスは、ナルコレプシーに著しく類似した特徴を有する表現型を持っていた(Chemelli et al., Cell, 98, 437-451, 1999)、(b)OXRをコードする遺伝子を破壊する突然変異(canarc-1)は、イヌのナルコレプシーの原因であることが見い出された(Lin et al., Cell, 98, 365-376, 1999)、(c)ヒトのナルコレプシー患者においてOX−A及びOX−Bの欠如が観察された(Nishino et al., Lancet, 355, 39-40, 2000; Peyron et al., Nature Medicine, 6, 991-997, 2000)、(d)作用機作が未知の抗ナルコレプシー薬であるモダフィニルは、オレキシンニューロンを活性化することが示された(Mignot et al., Sleep, 11, 1012-1020, 1997; Chemelli et al, Cell, 98, 437-451, 1999)。OX−Aの脳室内(icv)投与は、ラットにおいて用量依存的に覚醒を延長し、また、総REM睡眠を84%減少させる(Piper et al., Eur. J. Neuroscience, 12, 726-730, 2000)。まとめると、これらの観察は、オレキシン系が睡眠/覚醒サイクルの調節に果たす重要な役割と一致する。
【0007】
オレキシンは、視床下部においてオレキシンとコルチコトロピン放出因子(CRF)系との相互作用によりストレス及び不安に重要な役割を果たす(Sakamoto et al., Regul Pept., 118, 183-91, 2004)。OX−Aのicv注射は、グルーミング(ストレス応答)を誘導し、それは、CRFアンタゴニストにより部分的に遮断される(Ida et al., Biochem. Biophys. Res. Comm., 270, 318-323, 2000)。OXRは、副腎髄質に高発現しているが、その一方でOXRは副腎皮質で高い。OX−AとOX−Bの両方は、血漿中のコルチコステロン放出を刺激し、視床下部の室傍核(PVN)中にc−Fosを誘導する(Kuru et al., Neuroreport, 11, 1977-1980, 2000)。さらに、CRFニューロンに投射するオレキシンニューロンは、主にOXRを発現している(Winsky-Sommerer et al., J. Neuroscience, 24, 11439-11448, 2004)。したがって、OX2Rの刺激は、視床下部・下垂体・副腎皮質(HPA)系を活性化する。興味深いことに、これに関連して、オレキシンAが誘導する血漿ACTHの増加は、OX−2Rに対する選択的アンタゴニスト(N−{(1S)−1−(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロ−2(1H)−イソキノリニル)カルボニル}−2,2−ジメチルプロピル)−N−{4−ピリジニルメチル}アミンにより弱まると報告された(Chang et al., Neurosci Res., 21 Dec 2006)。最近の前臨床報告(Suzuki et al., Brain Research, 1044, 116-121, 2005)は、OX−Aの不安惹起作用を示唆した。OX−Aのicv注射は、マウスにおいて不安様行動を引き起こした。作用は、比較のために同時に試験したコルチコトロピン放出因子(CRF)の作用と類似していた。最近の研究は、ヒト脂肪組織に機能性OX1及びOX2レセプターが存在すること、並びに脂肪組織の代謝及び脂肪生成に果たすそれらの役割もまた実証した(Digby et al., J. Endocrinol., 191, 129-36, 2006)。
【0008】
要約すると、目覚め、睡眠/覚醒、食欲調節においてオレキシン系により果たされる多種多様な機能並びに不安及びストレス応答などにそれらが果たす役割を考慮して、オレキシン系をターゲティングする薬物(又は化合物)が、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む、睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ジスキネジー、例えばハンチントン病及びトゥーレット症候群、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む、精神医学的、神経学的及び神経変性障害、代謝性疾患、例えば肥満、糖尿病、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、疼痛に対する感受性の亢進又は悪化、例えば痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症、急性痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後痛、神経痛、HIV感染関連痛、化学療法後痛、過敏性腸症候群及びオレキシン系の全身機能不全に関係する他の疾患のような疾患の処置に有益な治療効果を有することが期待される。多数の文書、例えば以下の文書が、オレキシン経路に関して現在分かっていることを説明している:
- Expert Opin. Ther. Patents (2006), 16(5), 631-646
- Current Opinion in Drug Discovery & Development, 2006, 9(5), 551-559
- J. Neurosci (2000), 20(20), 7760-7765
- Neurosci Lett, (2003), 341(3), 256-258
【0009】
本発明の目的は、式Iで示される新規な化合物、その製造、本発明による化合物に基づく医薬及びその製造、並びに睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む、睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ジスキネジー、例えばハンチントン病及びトゥーレット症候群、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む、精神医学的、神経学的及び神経変性障害、代謝性疾患、例えば肥満、糖尿病、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、疼痛に対する感受性の亢進又は悪化、例えば痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症、急性痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後痛、神経痛、HIV感染関連痛、化学療法後痛又は過敏性腸症候群などの病気の防除又は予防への式Iで示される化合物の使用である。
【0010】
本明細書に使用される一般用語の以下の定義は、問題となる用語が単独で又は組み合わせで出現するかどうかと無関係に適用される。
【0011】
本明細書に使用するときの「低級アルキル」という用語は、1〜7個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルなどを意味する。好ましい低級アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0012】
「ハロゲンにより置換された低級アルキル」という用語は、少なくとも1個の水素原子がハロゲンで置き換わった、上記と同義のアルキル基、例えば−CF、−CHF、−CHF、−CHCF、−CFCHF、−CHCHCF、−CHCFCFなどを意味する。ハロゲン基により置換された好ましい低級アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0013】
「低級アルコキシ」という用語は、アルキル残基が上記と同義である基であって、酸素原子を経由して結合している、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシなどの基を意味する。好ましいアルコキシ基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0014】
「ハロゲンにより置換された低級アルコキシ」という用語は、アルキル残基が上記と同義の「ハロゲンにより置換された低級アルキル」である基であって、酸素原子を経由して結合している基を意味する。ハロゲン基により置換された好ましい低級アルコキシは、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0015】
「ハロゲン」という用語は、塩素、ヨウ素、フッ素及び臭素を意味する。
【0016】
「アリール」という用語は、芳香族単環又は二環式炭素環系、例えばフェニル又はナフチル、好ましくはフェニルを意味する。
【0017】
「ヘテロアリール」という用語は、O、S又はNより選択される1個又は2個のヘテロ原子を有する5又は6員芳香環系、例えばイソオキサゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジニルなど、好ましくはイソオキサゾリルを意味する。
【0018】
「薬学的に許容される酸付加塩」という用語は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸との塩を包含する。
【0019】
式Iで示される好ましい化合物は、ヘタリールがベンゾオキサゾール2−イルである化合物
【0020】
【化3】


であり、例えば以下の例である:
{3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−メタノン又は
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン。
【0021】
上記と同義の式I−1で示される好ましい化合物は、
{3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン又は
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
である。
【0022】
式Iで示される好ましい化合物は、さらに、ヘタリールがベンゾチアゾール−2−イルである化合物
【0023】
【化4】


であり、例えば以下の例である:
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−メタノン又は
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン。
【0024】
上記と同義の式I−2で示される好ましい化合物は、
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン又は
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
である。
【0025】
式Iで示される好ましい化合物は、さらに、ヘタリールがキノキサリン−2−イルである化合物
【0026】
【化5】


であり、例えば以下の例である:
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−メタノン又は
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン。
【0027】
上記と同義の式I−3で示される好ましい化合物は、
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノンである。
【0028】
上記と同義の好ましい化合物は、RがCl又はFである化合物である。上記と同義の他の好ましい化合物は、nが1である化合物である。
【0029】
上記と同義の他の好ましい化合物は、Rが低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換された低級アルコキシ、又はフェニルである化合物、特にRがメチル、メトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ又はフェニルである化合物である。
【0030】
好ましくは、mは1又は2である。上記と同義の他の好ましい化合物は、Arがフェニル又はイソオキサゾリルである化合物である。
【0031】
式Iで示される本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、当技術分野で公知の方法により、下記工程により調製することができ、その工程は、
a)式
【0032】
【化6】


で示される化合物を、式
【0033】
【化7】


で示される化合物又はそれに対応する酸クロリドと反応させて、式
【0034】
【化8】


で示される化合物にすること
[ここで、R、R、Ar、ヘタリール、m及びnは、前記と同義である]、
及び必要があれば、得られた化合物を薬学的に許容される酸付加塩に変換すること
を含む。
【0035】
一般的な実験の部:
本発明の式Iで示される化合物の調製は、連続的な又は収束的な合成経路で実施することができる。本発明の化合物の合成を以下のスキームに示す。反応を実施するため及び結果として得られた産物の精製に必要な技術は、当業者に公知である。以下の工程の説明に使用される置換基及び指標は、その反対の意味が示されない限り、本明細書の前記に示された意味を有する。
【0036】
さらに詳細には、式Iで示される化合物は、下記に示した方法により、実施例に示した方法により、又はこれらと類似の方法により製造することができる。個別の反応段階に適した反応条件は、当業者に公知である。反応順序は、スキーム1に示した順序に限定されず、出発物質及びそれらのそれぞれの反応性に応じて、反応段階の順序を自由に変更することができる。出発物質は、市販されているか、或いは下記に示される方法に類似の方法により、明細書に引用された参考文献若しくは実施例に記載された方法により、又は当技術分野で公知の方法により調製することができるかのいずれかである。
【0037】
【化9】

【0038】
段階a)
芳香族複素環式化合物IIは、市販されているか、又は文献(そのような反応に影響する、文献に記載された反応条件については、例えば:Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York、NY. 1999を参照されたい)に記載された手順に準じて、例えばそれらのそれぞれのヘタリール(HET)−OH誘導体から合成することができるかのいずれかである。保護されたアミノ−メチルピロリジンIIIは市販されているか、又は文献に記載された手順に準じて合成することができる。保護されたアミノ−メチルピロリジンIIIは、溶媒の存在下又は不在下、及び塩基の存在下又は不在下でIIと反応させることができる。採用しようとする溶媒の性質に特別に制限はないが、関係する反応又は試薬にその溶媒が有害作用を持たず、その溶媒がその試薬を少なくともある程度溶解することができることを条件とする。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン(DCM)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)などが含まれる。この段階で使用される塩基の性質に特別な制限はなく、この種の反応に一般に使用される任意の塩基をここに等しく採用することができる。そのような塩基の例には、NEt、DIPEAなどが含まれる。反応は、広範囲の温度で実施することができることから、正確な反応温度は、本発明に重要ではない。外界温度から還流まで加熱して反応を実施することが好都合である。反応に必要な時間は、また、多数の要因、特に反応温度および試薬の性質に応じて広く変動しうる。しかし、保護された中間体(都合のよいPG=Boc)を回収するために、普通は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。その中間体は、溶媒の存在下で保護基を酸性切断に供することができる。採用しようとする溶媒の性質に特別に制限はないが、関係する反応又は試薬にその溶媒が有害作用を持たず、その溶媒が試薬に少なくともある程度溶解することができることを条件とする。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン(DCM)、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などが含まれる。この段階に使用される酸の性質に制限はなく、この種の反応に一般に使用される任意の酸をここに等しく採用することができる。そのような酸の例には、HClなどが含まれる。反応は、広範囲の温度で実施することができ、正確な反応温度は、本発明に重要ではない。外界温度から還流まで加熱して、反応を実施することが好都合である。反応に必要な時間は、また、多数の要因、特に反応温度および試薬の性質に応じて広く変動しうる。しかし、アミノメチル−ピロリジン誘導体IVを回収するために、普通は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。
【0039】
段階b)
酸(カップリング剤を用いてカップリング条件で)又は酸クロリドVを用いた中間体アミノメチル−ピロリジン誘導体IVの変換は、当技術分野において周知である。文献中の類似の例については、Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock. John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい。しかし、本発明者らは、塩基の存在下又は不在下、及び溶媒の存在下又は不在下で、中間体アミノメチル−ピロリジン誘導体IVを酸クロリドと反応させることが好都合であることを見い出した。採用しようとする溶媒の性質に特別に制限はないが、関係する反応又は試薬にその溶媒が有害作用を持たず、その溶媒が試薬を少なくともある程度溶解することができることを条件とする。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン(DCM)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)などが含まれる。この段階に使用される塩基の性質に特別な制限はなく、この種の反応に一般に使用される任意の塩基をここに等しく採用することができる。そのような塩基の例には、ピリジン、NEt、DIPEAなどが含まれる。反応は、広範囲の温度で実施することができ、正確な反応温度は、本発明に重要ではない。外界温度から還流まで加熱して、反応を実施することが好都合である。反応に必要な時間は、また、多数の要因、特に反応温度および試薬の性質に応じて広く変動しうる。しかし、アミノメチル−ピロリジン誘導体Iを回収するために、普通は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。
【0040】
本明細書後述の試験によりこれらの化合物を検討した。
【0041】
細胞内Ca2+動員アッセイ
ヒトオレキシン−1(hOX1)又はヒトオレキシン−2(hOX2)レセプターを安定的に発現しているチャイニーズハムスター卵巣(dHFr−)突然変異細胞系を、4500mg/LのGlutaMax(商標)−1、D−グルコース及びピルビン酸ナトリウム(カタログ番号31966-021、Invitrogen、Carlsbad、CA)、5%透析ウシ胎児血清(カタログ番号26400-044)、100μg/mlペニシリン及び100μg/mlストレプトマイシンを有するダルベッコ変法イーグル培地(1×)中で維持した。ポリ−D−リシン処理した96−ウェル黒色/透明底プレート(カタログ番号BD356640、BD Biosciences、Palo Alto、CA)の中に5×10個/ウェルの細胞を播いた。24時間後に、FLIPR緩衝液(1×HBSS、20mM HEPES、2.5mM プロベネシド)中の4μM Flou−4アセトキシメチルエステル(カタログ番号F-14202、Molecular Probes、Eugene、OR)を37℃で1時間細胞に負荷した。ハンクス平衡塩類溶液(HBSS)(10×)(カタログ番号14065-049)及びHEPES(1M)(カタログ番号15630-056)は、Invitrogen(Carlsbad、CA)から購入した。プロベネシド(250mM)(カタログ番号P8761)は、Sigma(Buchs、Switzerland)から購入した。細胞をFLIPR緩衝液で5回洗浄し、過剰の色素を除去し、細胞内カルシウム動員[Ca2+は、以前に記載されたように蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR-96, Molecular Devices, Menlo Park, CA)を使用して測定した(Malherbe et al., Mol. Pharmacol., 64、823-832, 2003)。オレキシンA(カタログ番号1455、Toris Cookson Ltd, Bristol, UK)をアゴニストとして使用した。オレキシンA(DMSO中の50mM原液)をFLIPR緩衝液+0.1% BSAに希釈した。オレキシン−AのEC50及びEC80値を、CHO(dHFr−)−OX1R及び−OX2R細胞系におけるアゴニスト濃度−反応の標準曲線から毎日測定した。全ての化合物を100% DMSOに溶解した。11種の濃度(0.0001〜10μM)の阻害化合物の添加により、そしてアゴニストとしてオレキシン−AのEC80値(毎日決定した、最大アゴニスト応答の80%を与えた濃度)を用いて、阻害曲線を決定した。アンタゴニストは、アゴニストを適用する25分前に適用した(37℃でインキュベーション)。応答は、蛍光増加ピークから基底値を差し引いたものとして測定し、オレキシン−A又はオレキシン−BのEC80値により誘導される最大刺激作用に対して基準化した。阻害曲線は、ヒルの式にあてはめた:y=100/(1+(x/IC50nH)[式中、n=Excel-fit 4ソフトウェア(Microsoft)を使用した傾きの係数]。K値は、以下の式により計算した:K=IC50/(1+[A]/EC50)[式中、Aは、添加したアゴニストの濃度であり、アゴニストのEC80値に非常に近く、IC50値及びEC50値は、アンタゴニストの阻害曲線及びオレキシン−A又はBのアゴニスト曲線からそれぞれ得られたものである。
【0042】
これらの化合物は、ヒトにおいて、オレキシンレセプターに対して下表に示すようなK値を示す。
【0043】
【表1】

【0044】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容されうる塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング剤、糖衣剤、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし、投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射剤の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0045】
式Iの化合物は、医薬製剤を製造するため、薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に製剤化することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はそれらの塩等が、例えば、錠剤、コーティング剤、糖衣剤及び硬ゼラチンカプセル剤のためのそのような担体として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール類等である。しかし、活性物質の性質に応じて、軟ゼラチンカプセル剤の場合は、通常担体を必要としない。液剤及びシロップ剤の製造に適切な担体は、例えば、水、ポリオール類、グリセリン、植物油等である。坐剤に適切な担体は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体のポリオール類等である。
【0046】
更に、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。それらは、その他の治療上価値のある物質も更に含有することができる。
【0047】
式Iの化合物又は薬学的に許容されうるその塩及び治療上不活性な担体を含有する医薬もまた、式Iの化合物及び/又は薬学的に許容されうる酸付加塩の1種以上と、所望により、他の治療上価値のある物質の1種以上とを、治療上不活性な担体の1種以上と共に調製することを含む調製方法と同様に、本発明の目的である。
【0048】
本発明のもう一つの目的は、睡眠無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ハンチントン病及びトゥレット症候群などのジスキネジー、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む精神医学的、神経学的及び神経変性障害、肥満、糖尿病などの代謝性疾患、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症などの疼痛に対する亢進した又は過剰な感受性、急性疼痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後疼痛、神経痛、HIV感染に関連する疼痛、化学療法後疼痛、あるいは過敏性腸症候群の治療的及び/又は予防的処置のための方法であり、その方法は、ヒト又は動物に対して上記に定義されるような化合物を投与することを含む。
【0049】
本発明による最も好ましい適応症は、睡眠無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ハンチントン病及びトゥレット症候群などのジスキネジー、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む精神医学的、神経学的及び神経変性障害、肥満、糖尿病などの代謝性疾患、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症などの疼痛に対する亢進した又は過剰な感受性、急性疼痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後疼痛、神経痛、HIV感染に関連する疼痛、化学療法後疼痛、過敏性腸症候群ならびに全身オレキシン系機能不全に関連する他の疾患を含むものである。最も好ましい適応症は、睡眠障害、特に無呼吸症、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時異常行動、時差ぼけ症候群及び神経性障害に関連する睡眠障害である。
【0050】
用量は、広い範囲内で変えることができ、当然それぞれの特定の症例における個別の要求に適合させなければならない。経口投与の場合、成人用の用量は、一般式Iの化合物1日当たり約0.01mg〜約1000mg、又は薬学的に許容されうるその塩の対応する量で変えることができる。1日量を、1回量として又は分割量として投与してよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0051】
錠剤の処方(湿式造粒)
品目 成分 mg/錠剤
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.無水乳糖DTG 125 105 30 150
3.Sta−Rx 1500 6 6 6 30
4.微晶質セルロース 30 30 30 150
5.ステアリン酸マグネシウム 1 1 1 1
合計 167 167 167 831
【0052】
製造手順
1.品目1、2、3及び4を混合し、精製水と共に造粒する。
2.顆粒を50℃で乾燥させる。
3.顆粒を適切な微粉砕装置に通す。
4.品目5を加え、3分間混合する;適切な成形機で圧縮する。
【0053】
カプセルの処方
品目 成分 mg/カプセル
5mg 25mg 100mg 500mg
1.式Iの化合物 5 25 100 500
2.含水乳糖 159 123 148 −−−
3.トウモロコシデンプン 25 35 40 70
4.タルク 10 15 10 25
5.ステアリン酸マグネシウム 1 2 2 5
合計 200 200 300 600
【0054】
製造手順
1.品目1、2及び3を適切なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適切なカプセルに充填する。
【0055】
実験部分:
【0056】
実施例1
{3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
【0057】
【化10】

【0058】
a) 工程1:
3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
【0059】
【化11】

【0060】
DCM 4mL中の3−アミノメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(市販)220mg(1.1mmol)、2,6−ジクロロ−ベンゾオキサゾール(市販)188mg(1mmol)及びNEt 303mg(3mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。蒸発乾固後、残留物を、酢酸エチル及びヘプタンから形成した勾配で溶離するシリカ上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を含有する生成物を蒸発させて、標記化合物351mg(99%)を得た。MS(m/e):352.4(MH)。
【0061】
b) 工程2:
(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−3−イルメチル−アミン塩酸塩
【0062】
【化12】

【0063】
ジオキサン中の3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル350.2mg(0.99mmol)及び4N HCl 3mLの混合物を、室温で一晩撹拌した。混合物をデカントし、残留物を蒸発乾固して、標記化合物を得、それをさらに精製することなく続く工程において使用した。MS(m/e):252.2(MH)。
【0064】
c) 工程3:
{3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
DCM 2mL中の(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−3−イルメチル−アミン;塩酸塩20mg(0.07mmol)、2,6−ジメトキシベンゾイルクロリド15mg(0.77mmol)及びNEt 10mg(0.1mmol)の混合物を、室温で一晩振とうした。蒸発後、残留物を、アセトニトリル、水及びギ酸から形成した勾配で溶離する逆相上の分取HPLCにより精製に付した。画分を含有する生成物を蒸発させて、標記化合物6.5mg(22%)を得た。MS(m/e):416.2(MH)。
【0065】
中間体1
(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−(R)−1−ピロリジン−3−イルメチル−アミン塩酸塩
【0066】
【化13】

【0067】
(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−3−イルメチル−アミン;塩酸塩(実施例1、工程2)の合成に記載された手順と同様にして、標記化合物を、(S)−3−アミノメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び2,6−ジクロロ−ベンゾオキサゾール(市販)から調製して、続いて、ジオキサン中のHClでの処理によりtert−ブチルオキシカルボニル−保護基の開裂を行った。MS(m/e):252.2(MH)。
【0068】
中間体2
(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イル)−(R)−1−ピロリジン−3−イルメチル−アミン塩酸塩
【0069】
【化14】

【0070】
(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−3−イルメチル−アミン;塩酸塩(実施例1、工程2)の合成に記載された手順と同様にして、標記化合物を、(S)−3−アミノメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び2−クロロ−6−フルオロ−ベンゾチアゾール(市販)から調製して、続いて、ジオキサン中のHClでの処理によりtert−ブチルオキシカルボニル−保護基の開裂を行った。MS(m/e):252.1(MH)。
【0071】
中間体3
(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−(R)−1−ピロリジン−3−イルメチル−アミン塩酸塩
【0072】
【化15】

【0073】
(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−3−イルメチル−アミン;塩酸塩(実施例1、工程2)の合成に記載された手順と同様にして、標記化合物を、(S)−3−アミノメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び2−クロロ−7−フルオロ−ベンゾオキサゾール(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2007, 17, 4689)から調製して、続いて、ジオキサン中のHClでの処理によりtert−ブチルオキシカルボニル−保護基の開裂を行った。MS(m/e):236.1(MH)。
【0074】
中間体4
(6−クロロ−キノキサリン−2−イル)−(R)−1−ピロリジン−3−イルメチル−アミン
【0075】
【化16】

【0076】
(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−ピロリジン−3−イルメチル−アミン;塩酸塩(実施例1、工程2)の合成に記載された手順と同様にして、標記化合物を、(S)−3−アミノメチル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び2,6−ジクロロ−キノキサリン(市販)から調製して、続いて、ジオキサン中のHClでの処理によりtert−ブチルオキシカルボニル−保護基の開裂を行った。MS(m/e):263.1(MH)。
【0077】
実施例2
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
【0078】
【化17】

【0079】
DMF 4mL及びDIPEA 0.3mL中の(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イル)−(R)−1−ピロリジン−3−イルメチル−アミン塩酸塩(中間体1)146.3mg(0.45mmol)、2,6−ジメトキシ−安息香酸(市販)106.7mg(0.586mmol)及びTBTU 206.9mg(0.64mmol)の混合物を、室温で一晩振とうした。混合物をギ酸で酸性化して、アセトニトリル、水及びギ酸から形成した勾配で溶離する逆相上の分取HPLCにより精製に付した。画分を含有する生成物を蒸発させて、標記化合物72mg(38%)を得た。MS(m/e):416.2(MH)。
【0080】
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン(実施例2)の合成に記載された手順と同様にして、さらにピロリジン−3−イルメチル−アミン誘導体は、表1で言及したようにこれらの各出発物質から合成されている。表1は、実施例3〜実施例32を含む。
【0081】
【表2】














【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化18】


[式中、
は、ハロゲンであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換された低級アルキル、ハロゲンにより置換された低級アルコキシ、又はフェニルであり;
ヘタリールは、
【化19】


(XはO又はSである)であり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2であり;
mは0、1又は2である]で示される化合物;又はその薬学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ体若しくはジアステレオマー混合物。
【請求項2】
請求項1記載の式I−1
【化20】


[式中、Rは、ハロゲンであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換された低級アルキル、ハロゲンにより置換された低級アルコキシ、又はフェニルであり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2であり;
mは、0、1又は2である]
で示される化合物;又はその薬学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ体若しくはジアステレオマー混合物。
【請求項3】
{3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−メタノン又は
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン
である、請求項2記載の式I−1で示される化合物。
【請求項4】
{3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン又は
{(S)−3−[(7−フルオロ−ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
である、請求項2記載の式I−1で示される化合物。
【請求項5】
請求項1記載の式I−2
【化21】


[式中、
は、ハロゲンであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換された低級アルキル、ハロゲンにより置換された低級アルコキシ、又はフェニルであり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2であり;
mは、0、1又は2である]
で示される化合物;又はその薬学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ体若しくはジアステレオマー混合物。
【請求項6】
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−メタノン又は
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン
である、請求項5記載の式I−2で示される化合物。
【請求項7】
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン又は
{(S)−3−[(6−フルオロ−ベンゾチアゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
である、請求項5記載の式I−2で示される化合物。
【請求項8】
請求項1記載の式I−3
【化22】


[式中、
は、ハロゲンであり;
は、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換された低級アルキル、ハロゲンにより置換された低級アルコキシ、又はフェニルであり;
Arは、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2であり;
mは、0、1又は2である]
で示される化合物;又はその薬学的に適切な酸付加塩、光学的に純粋な鏡像異性体、ラセミ体若しくはジアステレオマー混合物。
【請求項9】
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−メチル−3−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(5−フェニル−イソオキサゾール−4−イル)−メタノン
(2−クロロ−5−メチル−フェニル)−{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−メタノン又は
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−(2−メトキシ−5−メチル−フェニル)−メタノン
である、請求項8記載の式I−3(nが1である)で示される化合物。
【請求項10】
{(S)−3−[(6−クロロ−キノキサリン−2−イルアミノ)−メチル]−ピロリジン−1−イル}−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メタノンである、請求項8記載の式I−3で示される化合物。
【請求項11】
がCl又はFである、請求項1、2、5又は8のいずれか記載の化合物。
【請求項12】
nが1である、請求項1、2、5、8又は11のいずれか記載の化合物。
【請求項13】
が、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンにより置換された低級アルコキシ、又はフェニルである、請求項1、2、5、8、11又は12のいずれか記載の化合物。
【請求項14】
が、メチル、メトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ又はフェニルである、請求項1、2、5、8、11、12又は13のいずれか記載の化合物。
【請求項15】
mが1又は2である、請求項1、2、5、8、11、12、13又は14のいずれか記載の化合物。
【請求項16】
Arがフェニル又はイソオキサゾリルである、請求項1、2、5、8、11、12、13、14又は15のいずれか記載の化合物。
【請求項17】
a)式
【化23】


で示される化合物を、式
【化24】


で示される化合物又はそれに対応する酸クロリドと反応させて、式
【化25】


で示される化合物(ここで、R、R、Ar、ヘタリール、m及びnは、請求項1〜16のいずれかに定義されている)にすること、
及び必要があれば、得られた該化合物を薬学的に許容される酸付加塩に変換すること
を含む、請求項1〜16のいずれかに定義されている式Iで示される化合物を調製するための方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法又は等価の方法により調製された、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれかに定義されている式Iで示される一つ又は複数の化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含有する医薬。
【請求項20】
睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む、睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ジスキネジー、例えばハンチントン病及びトゥーレット症候群、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む、精神医学的、神経学的及び神経変性障害、代謝性疾患、例えば肥満、糖尿病、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、疼痛に対する感受性の亢進又は悪化、例えば痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症、急性痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後痛、神経痛、HIV感染関連痛、化学療法後痛又は過敏性腸症候群の処置のための、請求項19記載の医薬。
【請求項21】
睡眠障害が、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群及び神経精神医学的疾患に関連する睡眠障害である、睡眠障害の処置のための、請求項20記載の医薬。
【請求項22】
睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む、睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ジスキネジー、例えばハンチントン病及びトゥーレット症候群、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む、精神医学的、神経学的及び神経変性障害、代謝性疾患、例えば肥満、糖尿病、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、疼痛に対する感受性の亢進又は悪化、例えば痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症、急性痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後疼痛、術後痛、神経痛、HIV感染関連痛、化学療法後痛又は過敏性腸症候群の処置のための医薬を調製するための、請求項1〜16のいずれか記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項23】
睡眠障害が、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害又は神経学的疾患に関連する睡眠障害である、請求項22記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項24】
請求項1〜16のいずれか記載の化合物をヒト又は動物に投与することを含む、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、不眠症、睡眠時随伴症、時差ぼけ症候群、概日リズム障害、下肢静止不能症候群を含む、睡眠障害、不安、うつ病、躁うつ病、強迫性障害、情動神経症、抑うつ神経症、不安神経症、気分障害、せん妄、パニック発作障害、心的外傷後ストレス障害、性機能不全、統合失調症、精神病、認知障害、アルツハイマー病及びパーキンソン病、認知症、精神遅滞、ジスキネジー、例えばハンチントン病及びトゥーレット症候群、嗜癖、薬物乱用に関連する渇望、発作性障害、てんかんを含む、精神医学的、神経学的及び神経変性障害、代謝性疾患、例えば肥満、糖尿病、食欲不振及び過食症を含む摂食障害、喘息、片頭痛、疼痛、神経因性疼痛、精神医学的、神経学的及び神経変性障害に関連する睡眠障害、神経因性疼痛、疼痛に対する感受性の亢進又は悪化、例えば痛覚過敏、カウザルギー、及び異痛症、急性痛、熱傷痛、背痛、複合性局所疼痛症候群I及びII、関節痛、脳卒中後痛、術後痛、神経痛、HIV感染関連痛、化学療法後痛又は過敏性腸症候群の治療的及び/又は予防的処置のための方法。
【請求項25】
本明細書中に記載された発明。

【公表番号】特表2011−529096(P2011−529096A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520430(P2011−520430)
【出願日】平成21年7月20日(2009.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059271
【国際公開番号】WO2010/012620
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】