説明

オレフィンを共二量化するための方法

本発明は、オレフィン−オリゴマー化不均一触媒を用いた、第1の、および第2のオレフィン供給原料の反応によるオレフィン共二量体の製造方法、本方法により得られるオレフィン共二量体、このようなオレフィン共二量体をヒドロホルミル化、および引き続いた水素化に供するアルコールの製造方法、こうして得られるアルコール混合物、およびそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6〜18の炭素原子を有するオレフィン共二量体の製造方法、本方法により得られるオレフィン共二量体、このようなオレフィン共二量体をヒドロホルミル化に、および引き続いた水素化に供するアルコールの製造方法、こうして得られるアルコール混合物、およびそれらの使用に関する。
【0002】
例えば2〜6の炭素原子を有する短鎖のオレフィンを含む炭化水素混合物は、大規模工業で得られる。例えば、水蒸気分解または流動接触分解装置(FCC)による石油の後処理の際、C4留分と呼ばれる、高い総オレフィン量を有する炭化水素混合物が存在し、これは基本的に4の炭素原子を有するオレフィンである。このようなC4留分、すなわちブテンの異性体とブタンの異性体とから成る混合物は、場合によりイソブテンを事前に分離後、および含まれるブタジエンの水素化後、オリゴマーの製造、とりわけオクテンとドデセンの製造に非常によく適している。
【0003】
基本的に線状の出発オレフィンを有するオレフィン混合物から得られる基本的に線状のオリゴマー混合物は、非常に重要である。この混合物は、例えばディーゼル燃料成分にも、官能基化されたほぼ線状の炭化水素の製造のための中間生成物にも適している。こうしてヒドロホルミル化、および引き続いたオレフィンオリゴマーの水素化によって相応するアルコールを得、これらのアルコールをとりわけ洗剤のための出発物質として、および軟化剤として使用する。
【0004】
非イオン性、およびアニオン性界面活性剤を製造するために、約8〜20の炭素原子を有する脂肪族アルコールを使用することは公知である。このためにアルコールを相応する官能基化、例えばアルコキシ化、またはグリコシド化による官能基化に供する。得られたアルコキシラートを、非イオン性界面活性物質として直接使用するか、またはさらなる官能基化、例えば硫酸化またはリン酸化によって、アニオン性界面活性物質に移行させることができる。これらの界面活性剤の工業的適用特性、例えばそれらの架橋能力、起泡性、脂肪溶解能力、生物分解性などを、基本的には鎖長、および使用されるアルコールの疎水性炭化水素基の分枝度によって測定する。効果的な界面活性剤へのさらなる加工によく適しているアルコールは、アルコール系界面活性剤(Tensidalkohol)とも呼ばれる。
【0005】
アルコール系界面活性剤としての使用にとって、オレフィンの分枝度は決定的な役割を果たす。この際分枝度は例えば、その都度のオレフィンフラクションの平均メチル分枝数を示すISO指数によって記述される。例えばC12フラクションの場合、フラクションのISO指数に対してn−ドデセンは0、メチルウンデセンは1、およびジメチルデセンは2を有する。ISO指数が低くなればなるほどその都度のフラクションにおける分子の直線性が高くなる。
【0006】
低級のオレフィンから、ほとんど分枝されていないオリゴマーを製造するために、活性成分として主にニッケルを含む不均一触媒を使用することは公知である。
【0007】
ダイマーゾル(DIMERSOL)法(Revue de l’lnstitut Francais du Petrole、第37巻、No.5、1982年9月/10月、639ページ以降参照)の場合、プロペンまたはブテンを均一相で遷移金属誘導体と有機金属化合物とから成る触媒系の存在下でオリゴマー化する。典型的な触媒系は、ルイス酸、例えばAlCl3、BF3、SbF5などと組み合わされたNi(0)錯体、またはハロゲン化アルキルアルミニウムと組み合わされたNi(II)錯体である。
【0008】
不均一触媒は均一触媒とは異なり、反応器搬出物からの触媒の分離が省かれるという利点を有する。さらには均一触媒法の場合、1トンの生成物あたりの触媒コストが一般的に不均一触媒法の場合よりも高い。
【0009】
ニッケルを含む不均一触媒を用いて、アルコール系界面活性剤の製造のためにオレフィンをオリゴマー化するための方法は、例えばWO00/53547、DE−A−19859911、およびWO00/56683に記載されている。
【0010】
WO01/36356は、
a)ブテンフラクションに対して5質量%未満のイソブテンを含む、ブテンを含むC4の炭化水素流を、高められた温度でニッケルを含む不均一触媒と接触させ、
b)反応混合物からC12オレフィンフラクションを単離し、
c)C12オレフィンフラクションを一酸化炭素および水素との反応によってコバルト触媒の存在下、ヒドロホルミル化し、かつ
d)水素化する、
13アルコール混合物の製造方法を記載している。
【0011】
この際、C12オレフィンフラクションは、1.9〜2.3のISO指数を有する。この文献はさらに、アルコール系界面活性剤としてのC13アルコール混合物の使用を記載している。
【0012】
オレフィンのオリゴマー化のために、フォージャサイト型のゼオライトベースのニッケル含有触媒を使用することは公知である。この種類の触媒は、US3,402,217、およびEP−A−0329305に記載されている。さらには、オリゴマー化の際に得られたオレフィン混合物における、ほとんど分枝されていない、もしくは線状のオレフィンの割合を高めるために、これらのニッケル含有ゼオライトを変性工程に供することは公知である。これに該当するのは例えば、Caイオン、Cdイオン、Znイオン、またはMnイオンによるゼオライトのドープである。
【0013】
US4,029,719は、イオン交換により第VIIIの副族の金属によって負荷され、かつ活性化のために有機塩基、または無機塩基によって処理されたゼオライトの触媒を使用する、C3〜C12のオレフィンのオリゴマー化による線状オレフィンの製造方法を記載している。
【0014】
CA1,205,792は、ゼオライト上へのニッケルの析出、および引き続きアミンと接触させることにより得られるオレフィン二量化のための触媒を記載している。
【0015】
US2004/0220440A1は、触媒毒として作用する硫黄化合物を無害の化合物へと反応させるために、まず炭化水素供給原料を第1の金属酸化物触媒と接触させ、そしてその後第2のオレフィンオリゴマー化触媒と接触させる、硫黄含有不純物を含むオレフィン系炭化水素流のオリゴマー化のための方法を記載している。この際、第1の金属酸化物触媒として好適にはニッケル含有触媒を使用する。あり得る第2のオレフィンオリゴマー化触媒として、多数の異なるゼオライトが記載されている。オレフィン供給原料については極めて一般的に、かつ裏付け無く実施例により実施されており、該供給原料は1のオリゴマーから成るか、または例えば生成物流の一部である返送流から成るオリゴマーもまた含むことができる。実施例は、得られる硫黄化合物の反応のために事前にニッケル含有触媒と接触させた、プロペンの多いC3の流れのオリゴマー化に限定されている。
【0016】
WO2004/080935は、オレフィンフィードを反応帯域で、平均的な孔径を有する天然の、または合成のゼオライトベースの酸触媒と接触させ、二量体のオレフィンを含む流れを反応帯域から取り出し、反応帯域からの搬出物から二量体生成物を含む流れと、未反応の炭化水素を含む流れとを分離し、かつ最後に少なくとも部分的に反応帯域に返送する、低級オレフィン系炭化水素を二量化するための方法を記載している。異なる炭素原子数のオレフィンから成る混合物の二量化、もしくは二量化生成物の部分返送は教示されていない。
【0017】
オリゴマー化のために異なる炭素原子数のオレフィンを含むオレフィン混合物を使用する場合、通常好ましくはまず反応性の短鎖のオレフィンがホモ二量体へと二量化しながら反応する。このことは非連続的方法の場合、長鎖のオレフィンがオリゴマー化にさらされる前に、ホモ二量体を形成しながら短鎖のオレフィンの反応混合物が強度に欠乏すること、短鎖のオレフィンが完全に反応してしまうことにまでつながり得る。長鎖のオレフィンの反応性、および短鎖のオレフィンのホモ二量体の反応性、またはホモオリゴマーの反応性に従って、好ましくは長鎖のオレフィンのホモ二量体、または他のオリゴマー化生成物、例えば長鎖のオレフィンと短鎖のオレフィンのホモ二量体との反応からのコオリゴマーが形成される。連続的な方法においては極端な場合、もっぱら短鎖のオレフィンのホモ二量体の形成につながり得る一方、未反応の長鎖のオレフィンは基本的に完全に反応搬出物内で再度得ることができる。さらにコオリゴマー化生成物は過去たびたび、オレフィンオリゴマー化の不所望の副生成物と見なされていた。
【0018】
意外なことに、オレフィンオリゴマー化不均一触媒の使用によって、良好な収率および選択性でコオリゴマー化生成物を得ながら、オレフィン混合物のオリゴマー化が可能になることがこのたび判明した。これはとりわけ、良好な収率および選択性でC3nコオリゴマー化生成物を得ることが可能である、CnオレフィンとC2nオレフィンを含むオレフィン混合物のオリゴマー化に有効である。さらに意外なことにこのコオリゴマー化には、層状シリカおよび/または立体網目状シリカベースのオレフィンオリゴマー化不均一触媒が特に適していることが判明した。さらに意外なことに、この方法によって得られるCm+nコオリゴマー化生成物、および特にC3nコオリゴマー化生成物は、とりわけアルコール系界面活性剤へのさらなる加工の際、特に有利な工業適用特性を有することが判明した。
【0019】
従って本発明の対象は、
a)基本的にCnオレフィンから成る第1のオレフィン供給原料を調製し、かつ基本的にCmオレフィンから成る第2のオレフィン供給原料を調製し[式中、nとmは相互に独立して2〜12の互いに2つの異なる整数を表す]、かつ
b)第1の、および第2のオレフィン供給原料を、オレフィンオリゴマー化不均一触媒を用いて反応させる、
オレフィンを共二量化するための方法である。
【0020】
本発明の範囲において「二量体」という概念は、2のオレフィン分子の1分子への一体化から得られる生成物を含み、この1分子の炭素原子数は2の一体化されたオレフィンの炭素原子の合計に相当する。これらの二量体は一方、オレフィン不飽和である。「ホモ二量体」とは、2の同一のオレフィンの一体化から得られる二量体を表す。オレフィン供給原料の少なくとも一部が同じ炭素原子数のオレフィンから成る混合物を含む場合、「ホモ二量体」とは同じ炭素原子数の2のオレフィンの一体化から得られる二量体を表す。「共二量体」とは、異なる炭素原子数のオレフィンの一体化から得られる二量体を表す。オレフィン供給原料の少なくとも一部が、同じ炭素原子数のオレフィンから成る混合物を含む場合、共二量体もまた通常は共二量体混合物の形態で存在する。
【0021】
本発明による方法は、少なくとも1のCmオレフィンを含む第1のオレフィン供給原料と、少なくとも1のCnオレフィンを含む第2のオレフィン供給原料とから成るオレフィンオリゴマー化生成物の製造を可能にし、この際反応生成物はCmオレフィンと、Cnオレフィンとから成る共二量体(すなわちCn+mオレフィン)の基本的な割合を含む。本発明の範囲において「基本的な割合」とは、反応搬出物に含まれるオレフィン(未反応のオレフィン、ホモ二量体、共二量体、およびそれらにより異なるオリゴマー化生成物)の全量に対して、少なくとも5質量%の、特に好ましくは10質量%の、とりわけ少なくとも12質量%の割合と理解される。
【0022】
本発明により使用されるオレフィンオリゴマー化触媒は、オレフィンの共二量化を可能にする。反応生成物における共二量体含分の制御は、使用される触媒の他に(およびさらなる稼働パラメータ、例えばオリゴマー化の際の圧力と温度、および滞留時間の他に)、供給されるCmオレフィンとCnオレフィンとの比によって、および存在する場合には反応生成物から返送される材料との比によって制御することができる。さらなる重要な反応パラメータは、滞留時間と反応率である。
【0023】
好ましい実施では工程a)において、2〜6の炭素原子を有する少なくとも1のオレフィン(Cnオレフィン)を含む第1のオレフィン供給原料を調製し、かつ第1のオレフィン供給原料の2倍の炭素原子数を有する少なくとも1のオレフィンを含む第2のオレフィン供給原料(C2nオレフィン)を調製する。この際反応生成物は、CnオレフィンとC2nオレフィンとから成る共二量体(すなわちC3nオレフィン)の基本的な割合を含む。
【0024】
工程a)で調製されたオレフィン供給原料において、nは好適には4、5、または6、とりわけ4である。工程a)で調製されたオレフィン供給原料において、mは好適には6〜10、とりわけ8である。
【0025】
工程a)に好ましい第1のオレフィン供給原料は、2〜6の炭素原子と、少なくとも1のエチレン不飽和二重結合を含む、原則的にすべての化合物である。好ましいのは、4〜6の炭素原子、とりわけ4の炭素原子を有するオレフィンを含む第1の供給原料である。少なくとも1の線状のオレフィンを含む、線状の(直鎖状の)オレフィンとオレフィン混合物とから選択された、オリゴマー化に使用されるオレフィンが好ましい。これに該当するのは、エテン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、およびこれらの混合物である。
【0026】
好適には第1のオレフィン供給原料は、全オレフィン含分に対して少なくとも70質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、とりわけ95質量%、および特に少なくとも99質量%の、同じ炭素数を有するオレフィン割合を有する。
【0027】
好適には第1のオレフィン供給原料は、全オレフィン含分に対して少なくとも30質量%、特に好ましくは少なくとも40質量%、とりわけ50質量%の、線状オレフィンの割合を有する。
【0028】
特別な実施形態においては、全オレフィン含分に対して最高20質量%、特に好ましくは最高10質量%、とりわけ最高5質量%、特に最高3質量%の、分枝状オレフィンの割合を有する、第1のオレフィン供給原料を使用する。
【0029】
好適には本発明によるオリゴマー化法の工程a)において、工業的に利用できるオレフィン含有炭化水素混合物を第1の供給原料として使用する。
【0030】
大規模工業に利用できる好ましいオレフィン混合物は、石油加工における炭化水素の分離から、例えば触媒分離、例えば流動接触分解(FCC)、熱分解、または引き続いた脱水素を有する水素化分解によって生じる。工業的な、適切な第1のオレフィン混合物は、C4留分である。C4留分は例えば、石油ガスの流動接触分解または水蒸気分解、もしくはナフサの水蒸気分解によって得られる。C4留分の組成に従って、全C4留分(未精製のC4留分)と、1,3−ブタジエンの分離後に得られるいわゆるラフィネートI、ならびにイソブテンの分離後に得られるラフィネートIIを区別する。工業的な、適切なさらなる第1のオレフィン混合物は、ナフサの分離の際に得られるC5留分である。工程a)での使用に適した、4〜6の炭素原子を有するオレフィン含有炭化水素混合物はさらに、大規模工業に利用できる適切なパラフィン混合物を触媒により脱水素することによって得ることができる。従って、例えば液化ガス(液体化された石油ガス、LPG)と液化可能な天然ガス(液体化された天然ガス、LNG)とからC4オレフィン混合物を製造することができる。後者はLPGフラクションの他に、より大量のより高分子の炭化水素(軽質ナフサ)も付加的に含み、かつそのためC5オレフィン混合物とC6オレフィン混合物の製造にも適している。4〜6の炭素原子を有するモノオレフィンを含むオレフィン含有炭化水素混合物を、LPG流またはLNG流から、脱水素の他に通常さらに1または複数の後処理工程を含む当業者に公知の通常の方法に従って製造することができる。これに該当するのは例えば、先に列挙したオレフィン供給原料混合物に含まれる飽和炭化水素の少なくとも一部の分離である。これらの飽和炭化水素は例えば、クラッキングおよび/または脱水素によってオレフィン供給原料の製造のために新たに使用することができる。しかしながら本発明による方法において使用されるオレフィンはまた、本発明によるオリゴマー化条件に対しては不活性である飽和炭化水素の成分も含むことができる。これらの飽和成分の割合は一般的に、炭化水素の供給原料に含まれるオレフィンと飽和炭化水素の全量に対して最高60質量%、好ましくは最高40質量%、特に好ましくは最高20質量%である。
【0031】
本発明による方法での使用に適切なラフィネートIIは、例えば以下の組成を有する:
0.5〜5質量%のイソブタン、
5〜30質量%のn−ブタン、
20〜40質量%のトランス−2−ブテン、
10〜20質量%のシス−2−ブテン、
25〜55質量%の1−ブテン、
0.5〜5質量%のイソブテン、
ならびにその都度最大1質量%の範囲にある微量ガス(Spurengas)、例えば1,3−ブタジエン、プロペン、プロパン、シクロプロパン、プロパジエン、メチルシクロプロパン、ビニルアセチレン、ペンテン、ペンタンなどである。
【0032】
適切なラフィネートIIは、一般的に以下の典型的な組成を有する:
ブタン 26質量%、
i−ブテン 1質量%、
1−ブテン 26質量%、
トランス−2−ブテン 31質量%、
シス−2−ブテン 16質量%
オレフィンの多い第1の炭化水素混合物中にジオレフィンまたはアルキンが存在する場合、これらをオリゴマー化の前に好適には200質量ppm未満に混合物自体から除去することができる。それらを好ましくは選択的な水素化、例えばEP−81041、およびDE−1568542に記載の選択的な水素化によって、特に好ましくは選択的な水素化によって100質量ppm未満の残分、とりわけ10質量ppmの残分になるまで除去する。
【0033】
オレフィンの多い炭化水素混合物から適切に、さらに酸素含有化合物、例えばアルコール、アルデヒド、ケトン、またはエーテルを充分に除去する。このためにオレフィンの多い炭化水素混合物を有利には、吸着剤、例えば分子ふるい、好ましくはこれに関して引き合いに出されているDE−A19845857に記載されている吸着剤を介して導入することができる。オレフィンの多い炭化水素混合物における酸素含有、硫黄含有、窒素含有、およびハロゲン含有化合物の濃度は、好適には20質量ppm未満、特に好ましくは10質量ppm未満、とりわけ1質量ppm未満である。
【0034】
工程a)に好ましい第2のオレフィン供給原料は、4〜12の炭素原子と1のエチレン不飽和二重結合を含む、原則的にすべての化合物である。8〜12の炭素原子を有するオレフィン、とりわけ8の炭素原子を有するオレフィンを含む、第2のオレフィン供給原料が好ましい。線状、およびほとんど分枝されていないオレフィンとオレフィン混合物とから選択された、オリゴマー化に使用されるオレフィンが好ましい。
【0035】
適切なオクテンは例えば、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン、2−メチル−ヘプト−1−エン、2−メチル−ヘプト−2−エン、2−メチル−ヘプト−3−エン、6−メチル−ヘプト−3−エン、6−メチル−ヘプト−2−エン、6−メチル−ヘプト−1−エン、3−メチル−ヘプト−1−エン、3−メチル−ヘプト−2−エン、3−メチル−ヘプト−3−エン、5−メチル−ヘプト−3−エン、5−メチル−ヘプト−2−エン、5−メチル−ヘプト−1−エン、4−メチル−ヘプト−1−エン、4−メチル−ヘプト−2−エン、4−メチル−ヘプト−3−エン、およびこれらの混合物である。
【0036】
好適には第2のオレフィン供給原料は、少なくとも70質量%、特に好ましくは少なくとも90質量%、とりわけ少なくとも95質量%、特に少なくとも99質量%の、同じ炭素原子数を有するオレフィン割合を有する。
【0037】
好適には、第2のオレフィン供給原料は、ISO指数として測定して、0〜1.8、特に好ましくは0.5〜1.5、とりわけ0.8〜1.3の範囲のオレフィンの分枝度を有する。
【0038】
好適には本発明によるオリゴマー化法の工程a)において、工業的に利用できる第2のオレフィン供給原料を使用する。
【0039】
大規模工業で利用できる好ましいC8オレフィン混合物は、例えばブテンを均一相中で遷移金属誘導体と、有機金属化合物とから成る触媒系の存在下でオリゴマー化する、ダイマーゾル法において生じる(Revue de l’lnstitut Francais du Petrole、第37巻、No.5、1982年9月/10月、639ページ以降)。第2のオレフィン供給原料として適しているC8オレフィン混合物は、Huels AG社のオクトール(Octol)法からも生じる(Hydrocarbon Processing、1992年2月、45〜46ページ)。ほとんど分枝されていないC8オレフィン混合物の製造のための適切な方法はさらに、DE−A−4339713、およびWO99/25668に記載されており、これについて完全に引き合いに出されている。好ましい実施において第2のオレフィン供給原料は、先に定義されたようにラフィネートIIの二量化によって、ニッケル含有のオリゴマー化触媒の存在下で得られる。
【0040】
工程b)におけるオレフィン供給原料の反応を、好適には連続的に行う。
【0041】
このために反応器システム内に第1のオレフィン供給原料と、第2のオレフィン供給原料を供給し、かつオレフィンオリゴマー化触媒を用いて反応させる。
【0042】
特別な実施形態において、工程b)からの反応生成物を第1の部分流と第2の部分流とに分離し、第1の部分流を後処理に供して基本的に共二量化生成物を含むフラクションが得られ、かつ第2の部分流を工程a)に返送する。これらの返送される供給流は、基本的にオリゴマー、未反応のオレフィン、および場合によっては飽和炭化水素から成る。
【0043】
特別な実施においては、工程b)からの反応生成物の後処理において、もしくは工程b)からの反応生成物の第1の部分流の後処理において得られるオレフィン含有流を、反応システムに付加的に供給する。
【0044】
mオレフィンとCnオレフィンとのモル比、とりわけC2nオレフィンとCnオレフィンとのモル比は、供給された全オレフィン量に対して好適には0.25:1〜4:1の範囲、特に好ましくは0.5:1〜3:1の範囲、とりわけ1:1〜2.5:1の範囲である。
【0045】
本発明による方法の工程b)において使用される反応システムは、1または複数の、同一または異なる反応器を含むことができる。最も単純な場合、反応システムを個々の反応器によって形成する。複数の反応器を使用する場合、これらの反応器はその都度同一または異なる混合特性を有することができる。個々の反応器は、所望の場合には内部構造物によって1または複数に分割されていることができる。2またはそれ以上の反応器が反応システムを形成する場合、これらの反応器は相互に任意で、例えば並列または直列に接続されていることができる。好ましい実施においては、直列に接続された2の反応器から成る反応システムを使用する。
【0046】
オリゴマー化のための適切な耐圧反応装置は、当業者には公知である。これに該当するのは、気体−固体反応、および気体−液体反応のための一般的な通常の反応器、例えば管式反応器、撹拌槽、ガス強制循環反応器、気泡塔などであり、該反応器は場合により内部構造物によって分割されていることができる。好適には多管式反応器、または直立炉を使用する。この反応器内、または複数の反応器内で、触媒を唯一の、または複数の触媒固定床に設置することができる。この際、個々の反応帯域に異なる触媒を使用することが可能である。しかしながら、すべての反応帯域において同一の触媒を使用するのが好ましい。
【0047】
オリゴマー化反応の際の温度は、一般的に約20〜280℃、好ましくは25〜200℃、とりわけ30〜140℃である。反応システムが1より多い反応器を含む場合、これらの反応器は同一の、または異なる温度を有することができる。同様に反応器は、異なる温度で稼働される複数の反応帯域を有することができる。従って例えば可能な限り完全な反応を達成するために、例えば個々の反応器の第二の反応帯域において、第一の反応帯域における温度より高い温度に調整するか、または反応器カスケ−ドの第二の反応器において、第一の反応器における温度より高い温度に調整することができる。
【0048】
オリゴマー化の際の圧力は、一般的に約1〜300bar、好適には5〜100bar、およびとりわけ10〜70barの範囲である。反応圧力は、複数の反応器を使用する際には個々の反応器内で異なっていてよい。
【0049】
特別な実施においては、オリゴマー化に使用される温度と圧力値を、オレフィン含有供給原料が液体状、または超臨界状態で存在するように選択する。
【0050】
工程b)における反応を好適には断熱的に行わない(好適には、外部の伝熱媒体との熱交換によって反応熱を排出しながら行う)。熱交換とプロセス加熱の排出のための適切な装置は、当業者に公知の通常の装置である。熱交換装置は、反応器上に、もしくは反応器内に設置されていることができる。反応生成物の第二の部分流の返送を有する、先に記載された変法に従って、外部の伝熱媒体との接触によって部分流から熱を取り除く。得られた熱量は工程の別の箇所で、例えば反応生成物の分離において再度使用することができる。
【0051】
所望の場合には、工程b)における反応を断熱的に実施することもできる。この概念は本発明の範囲においては、工業的意味で、および非物理化学的な意味で理解される。従ってオリゴマー化反応は通常発熱性で進行し、その結果反応混合物は反応システム、例えば触媒床による流れにおいて温度上昇する。断熱的な反応実施とは、発熱反応で放出される熱量を反応器内の反応混合物から受け取り、かつ冷却装置による冷却を適用しないやり方と理解される。こうして、反応熱を反応器からの反応混合物とともに除去する。残分は別に、自然な熱伝導と熱放射によって反応器の周囲から放出する。
【0052】
工程b)において使用されるオレフィンオリゴマー化触媒は好適には、層状シリカ、立体網目状シリカ、およびこれらの混合物から選択されている少なくとも1のシリカを含む。
【0053】
工程b)において使用される本発明によるオレフィンオリゴマー化触媒は、基本的にニッケルを含まない。本発明の意味において触媒とは、触媒の全量に対して、元素のニッケルに関して最高1質量%、特に好適には最高0.1質量%、とりわけ0.01質量%のニッケル含分を有すると理解される。
【0054】
触媒中に活性成分として含まれているシリカが高い結晶度を有するオレフィンオリゴマー化触媒は、オレフィン流のコオリゴマー化の際に特に有利な特性を有することが判明した。本発明の意味において、結晶性層状シリカ、または結晶性立体網目状シリカの個々の原子は、格子構造において規則的な長距離秩序を有する。結晶性シリカはX線回折法(XRD)で特徴的なバンド位置(Bandenlage)を有する。結晶割合は、反射強度、もしくは反射の幅によって定量的に測定することができる。好ましくは工程b)において使用されるオリゴマー化触媒の層状および/または立体網目状シリカは、少なくとも50質量%、特に好ましくは少なくとも75質量%の結晶割合を有する。
【0055】
工程b)において使用されるオレフィンオリゴマー化触媒は、好適には少なくとも1のミクロ多孔性、またはメソ多孔性のシリカを有する。ミクロ多孔性とは、IUPACに従った2nm未満の平均細孔半径を有する固体である。メソ多孔性とは、2〜50nmの範囲の平均細孔半径を有する固体である。
【0056】
好ましい層状シリカは、粘土鉱物である。これに該当するのは例えば、四面体シートの、および八面体シートの順序により異なる、二層の、三層の、および四層の粘土鉱物である。例えば、SiO2四面体シートとAl23八面体シートとから構成されているアルミニウムケイ酸塩が適しており、この際、四面体シートにおけるケイ素の一部が三価のカチオン、好適にはアルミニウムによって、および/または八面体シートにおけるアルミニウムの一部が、二価のカチオン、例えばマグネシウムによって置換されていてよい。
【0057】
好ましいのは、ベントナイト、カオリナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、ヘクトライト、セピオライト、ピラードクレー、およびこれらの組み合わせから選択されるオレフィンオリゴマー化触媒である。
【0058】
いわゆる「ピラードクレー」の製造は例えば、Figuras,Catal.Rev.Sci.Eng、30(3)(1988年)、457〜499ページ、もしくはJones、Catal.Today(2(1988年)357ページに詳細に記述されている。ここに、これらの文献について引き合いに出されている。ピラードクレーはオリゴマー化酸触媒の製造に特に適している。と言うのも、アルカリ金属イオン、またはアルカリ土類金属イオンの代わりにプロトンを含む層状シリカは通常温度安定性が比較的低く、かつピラードクレーにおいては個々の層が相互に支持されているからである。
【0059】
ピラードクレー(PILCs)は、それらの間にピラーの形で酸化物が挿入されている層、例えばモンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、またはサポナイトから構成されている。このピラーは例えば、層状化合物と多量のカチオン、例えば[AL134(OH)24(H2O)127+、または[Zr4(OH)8(H2O)168+とのイオン交換、および引き続いたか焼によって得ることができる。後者は前述のカチオンに対するAl23のピラー、またはZrO2のピラーの形成につながる。挿入することができる他の酸化物は例えば、TiO2、Cr23、SiO2、Ta25、Fe23、これらから成る混合物、または他の金属酸化物との、例えばMgOとの混合物である。硫化物、例えばFe23もまた、酸化物の代わりに、またはこれらにピラーとして付加的に用いることができる。ピラーにより層状構造の間に広げられた空間は、反応物のための細孔容積として利用できる。付加的な細孔容積は、層の剥離(Delaminierung)により達成することができる。
【0060】
ピラードクレーは、その他のシリカベースのオリゴマー化触媒のように成形工程に供することができる。このためにピラードクレーをそのまま、または以下に定義するように少なくとも1の助剤と組み合わせて使用することもできる。ピラードクレーのための結合剤としては、様々な酸化アルミニウム、好適にはベーマイト、例えば25:75〜95:5のSiO2/Al23の比を有する非晶質のアルミノケイ酸塩、好ましくは高分散性のSiO2、高分散性のSiO2と高分散性のAl23とから成る混合物、高分散性のTiO2、ZrO2、ならびに粘土である。
【0061】
好ましくは工程b)で使用されるオレフィンオリゴマー化触媒は、少なくとも1のゼオライトを含むか、または少なくとも1のゼオライトから成る。
【0062】
出発材料として本発明により使用される触媒に適したゼオライトは、原則的にこの名称で公知の、結晶性の、天然由来の、または合成の立体網目状シリカである。これらをそれ自体の組成の点で変えることができるが、しかしながら一般的にはケイ素、アルミニウム、および酸素の他に、少なくとも1のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を有する。所望の場合には、ゼオライトにおいてアルミニウムを1または複数の、アルミニウムとは異なる原子によって部分的に、または完全に置換することができる。アルミニウムとは異なる原子は、好適にはB、Ga、Fe、Si、およびTiから選択されている。
【0063】
好ましくは本発明による方法において、少なくとも5Å、特に好ましくは少なくとも6Å、とりわけ7Åの平均細孔直径を有するゼオライトを使用する。
【0064】
好ましくは使用されるゼオライトは、以下の構造タイプから選択されている:BEA、MFI、MEL、FAU、MOR、MWW、LTL、LTA、CHA、TON、MTW、FER、MAZ、EPI、およびGME。特に好ましくは、使用されるゼオライトは以下の構造タイプから選択されている:BEA、MFI、MEL、FAU、MOR、MWW、FER。
【0065】
本発明によるオレフィンオリゴマー化触媒として、またはオレフィンオリゴマー化触媒中に使用されるシリカ、特にゼオライトは、例えばH+、アンモニウム形態、アルカリ形態、またはアルカリ土類形態で使用することができる。
【0066】
本発明により使用されるシリカ、特にゼオライトはオレフィンオリゴマー化のために、その使用の前に少なくとも1の変性工程に供することができる。これに該当するのは例えば、酸、アンモニウム溶液、および/または金属塩溶液による変性である。これに該当するのはさらに、シリカ骨格内に構成されたアルミニウムの脱アルミニウム化、脱ヒドロキシル化、「骨格外」酸化アルミニウムの抽出、またはシリル化である。さらには、オレフィンオリゴマー化触媒を変性のために成形、熱処理、または水蒸気による処理(スチーミング)に供することができる。このような変性によって、可能な限り高い選択性、高い反応率、触媒の長い耐用期間、および/または可能な限り高い再生サイクル数を達成することが可能になる。
【0067】
本発明により使用されるシリカの変性を、好ましい実施においては塩の水溶液との完全な相互接触によって行うことができ、該水溶液はアンモニウム塩、アルカリ金属の塩、例えばNaおよびKの塩、アルカリ土類金属の塩、例えばCa、Mgの塩、土類金属の塩、例えばTlの塩、遷移金属、例えばTi、Zr、Mn、Fe、Mo、Cu、Zn、Crの塩、貴金属または希土類金属、例えばLa、Ce、またはYの塩、またはこれらの混合物を含む。この際通常、シリカの、特にゼオライトのカチオンと、塩溶液からの他のカチオンとの少なくとも部分的なイオン交換につながる。好適には塩溶液との接触を、シリカが完全に塩溶液によって囲まれているように行う。このために適しているのは例えば、触媒製造のために公知である通常の浸漬方法、または含浸法である。好ましくはシリカの処理の間、塩溶液を、例えば撹拌または再循環によってシリカのそばを通過させる。
【0068】
好ましい実施形態においては、本発明による方法の工程b)でオレフィンオリゴマー化酸触媒を使用する。酸性中心(saure Zentren)を有する適切なシリカは、ルイス酸、および/またはブレンステッド酸を有することができる。これは天然由来の酸性シリカ、ならびに少なくとも1のルイス酸またはブレンステッド酸との接触により酸性に変性されたシリカであることができる。負の電荷を有する層状シリカは、例えばモンモリロナイト、バーミキュライト、またはヘクトライトの形で天然に存在する。酸性の層状シリカについてさらに詳しくは、Z.M.Thomas und W.Z.Thomas、Principles and Practice of Heterogeneous−Catalysis、1997年、Vetc.ISBN 3−527−29239−8、347ページ以降から読み取ることができる。
【0069】
好ましい実施においては本発明により使用されるシリカの変性を、ルイス酸および/またはブレンステッド酸との、好ましくはプロトン酸との、およびとりわけ少なくとも1のプロトン酸の水溶液との完全な相互接触によって行うことができる。この際通常、含まれる交換可能なカチオン、通常アルカリイオンまたはアルカリ土類イオンの、プロトンとの部分的な、または完全な交換によって、シリカにおける負の電荷の部分的な、または完全なプロトン飽和につながる。これはそれ自体公知の方法で、例えば硝酸または塩酸による処理によって、またはアンモニウム塩による処理、および引き続いたか焼によるアンモニアの排出によって起こる。
【0070】
本発明による方法の好ましい実施形態では、工程b)においてオレフィンオリゴマー化触媒としてH+の形態のゼオライトを使用する。
【0071】
本発明により使用されるシリカは担持されていてよく、および/または成形工程に供することができる。
【0072】
本発明による触媒のための担体材料として実地では、担持された触媒の製造の際に有利に使用できる、従来技術のすべての担体材料、例えばSiO2(石英)、陶磁器、酸化マグネシウム、二酸化スズ、炭化ケイ素、ルチル、AL23(アルミナ)、粘土、アルミニウムケイ酸塩、ステアタイト(マグネシウムケイ酸塩)、ZrO2、ジルコニウムケイ酸塩、セリウムシリカート、セルロース材料、ポリマー、金属、グラファイト、または少なくとも2のこれらの担体材料から成る組み合わせを使用することができる。さらには触媒をガラス上、または他の支持体、例えば織布(とりわけ金属織布)上にそれぞれの方法で、特にモノリスの形態で使用することが可能である。
【0073】
オレフィンオリゴマー化触媒を粉末の形態で使用することができる。好適にはオレフィンオリゴマー化触媒を、小片状(stueckig)の形態(粒子形態)で使用する。触媒粒子は一般的に、0.5〜20mm、好適には1〜10mmの(最大)直径平均値を有する。これに該当するのは例えば好適には0.5〜5mm、とりわけ0.5〜2mmの粒子直径を有する例えば粒状の、または砕片状(Splitt)の形態の触媒、例えば2〜6mmの直径を有し、かつ3〜5mmの高さを有するタブレット状の形態の触媒、例えば5〜7mmの外部直径、2〜5mmの高さ、および2〜3mmの孔直径を有するリング状の形態の触媒、または例えば1.0〜5mmの直径の異なる長さのストランド状の形態の触媒である。このような形態はそれ自体公知の方法でタブレット化、ストランドプレス、押出加工によって得られる。粒体、または砕片の製造のために比較的大きい成形体を細かくすることができる。この粒体、またはこの砕片、およびまたその他の前述の触媒成形体は、好適には0.5mmの最小粒子直径の細粒状成分をそれ自体実質的に含まない。
【0074】
タブレット化、ストランドプレス、または押出加工による成形のために、シリカ物質(Silicatmasse)に通常の助剤を添加することができる。これに該当するのは、潤滑剤、結合剤、成形助剤、および/または補強材である。適切な潤滑剤は例えば、グラファイト、ポリエチレンオキシド、セルロース、または脂肪酸(例えばステアリン酸)である。適切な結合剤、成形助剤、および補強材は例えば、酸化アルミニウム、好適にはベーマイト、二酸化チタン、触媒活性物質として使用されるシリカとは異なるシリカ、ならびにガラスから成る繊維、アスベストから成る繊維、または炭化ケイ素から成る繊維である。好ましい結合剤は、非晶質のアルミノケイ酸塩、二酸化ケイ素、好ましくは高分散性の二酸化ケイ素、例えばシリカゾル、高分散性の二酸化ケイ素と高分散性の酸化アルミニウムとから成る混合物、高分散性の二酸化チタンと粘土とから成る混合物である。結合剤および/または他の助剤を使用する場合、押出加工、もしくはタブレット化は適切に混合工程、または混練工程と前接続されている。
【0075】
場合によっては、化学的な変性および/または担持/成形の後に、さらにか焼工程が続く。
【0076】
触媒を湿式化学変性(nasschemischen Modifizierung)に供する場合、触媒をか焼前に付加的に乾燥工程に供することができる。乾燥の際の温度は好適には40〜180℃、特に好ましくは80〜150℃である。乾燥をこのための通常の装置、例えばコンベア式乾燥機、乾燥棚、および乾燥室で行うことができる。乾燥のためには、付加的にガス流(例えば空気流)を粒子に通過させることができる。
【0077】
か焼を、好適には約200〜600℃の範囲の、特に好ましくは300〜550℃の範囲の温度で行う。好適にはか焼をガス流内、通常空気流内で行う。か焼の際に使用される気体量は、(触媒量と時間に対して)例えば、約100〜2000l/l×hである。か焼の継続時間は好適には少なくとも30分、特に好ましくは少なくとも1時間である。通常は、最大24時間の、特に好ましくは最大12時間のか焼時間で充分である。か焼のために付加的に、本発明による触媒を、使用前にオレフィンのオリゴマー化のために活性化工程に供することができる。好適にはこの活性化を、約150℃〜400℃の範囲の、特に好ましくは200〜300℃の範囲の温度で行う。この活性化を好適にはガス流で、特に好ましくは酸素を低下させた空気、または不活性ガスの存在下で行う。活性化のために使用されるガス量は、好適には約100〜2000l/l×hの範囲である。活性化継続時間は好適には少なくとも30分、特に好ましくは少なくとも1時間である。活性化継続時間は通常、最大24時間、特に好ましくは最大12時間で充分である。
【0078】
水蒸気による処理によって、得られるオリゴマー化生成物の種類と割合を最適化することができる。これはとりわけ、酸性シリカベースの触媒、特に酸性のゼオライトに適している。
【0079】
本発明による触媒は、それ自体の全質量に対して好適には10〜100質量%、特に好ましくは20〜95質量%、とりわけ30〜80質量%の活性シリカ物質を有する。
【0080】
先に記載された触媒は、ニッケル、特に酸化ニッケルベースの従来技術の相応する触媒と比較して、共二量体の形成という点でより高い活性、および/またはより高い選択性によって特徴付けられる。
【0081】
工程b)で取り出される反応生成物は好適には、取り出される反応生成物の全質量に対して、少なくとも5質量%、特に好ましくは少なくとも10質量%、とりわけ少なくとも12質量%の、共二量体(Cm+nオレフィン、もしくはC3nオレフィン)含分を有する。
【0082】
工程b)で取り出される反応生成物は好適には、1:≧3、特に好ましくは1:≧4、とりわけ1:≧5の、比較的高級のオレフィンのホモ二量体(特別な実施によりC4nオレフィンを用いた、すなわちC2nオレフィンのホモ二量体)と、共二量体(特にC3nオレフィン)との比を有する。
【0083】
工程b)で得られる反応生成物(すなわち反応システムからの搬出物)を、当業者に公知の通常の方法に従って後処理に供することができる。
【0084】
特別な実施においては、工程b)からの反応生成物を反応システムからの搬出後、第1の部分流と第2の部分流とに分離する。この分離は、搬出管内に備えられた通常の分離装置によって行うことができる。この装置は、最も単純な場合は搬出管内に存在する、適切な形状の隔壁(例えばY型継手)から成り、該隔壁から出発して搬出流を、それぞれ1の部分流のための2つの管へと移送する。部分流の量比が一定の場合、部分流は分岐管の直径によって規定することができる。双方の部分流の割合の制御のために、1または両方の分岐管にふるい装置が備えられていてよい。部分流を制御して取り出すことは、別法によりポンプを介しても可能である。
【0085】
好適には、この実施形態による後処理すべき第1の部分流の割合は、搬出物の全質量に対して、1〜50質量%、好ましくは2〜30質量%、とりわけ5〜20質量%である。第2の部分流(循環流)の割合は、これに相応して搬出物の全質量に対して好ましくは50〜99質量%、特に好ましくは70〜98質量%、とりわけ80〜95質量%である。
【0086】
第2の部分流は一般的に、化学的には不変で反応システムに返送される。所望の場合には、温度および/または圧力を返送の前に所望の値に調整する。反応システム内への第2の部分流の供給を、1または両方のオレフィン供給原料と一緒に、またはそれらとは別々に行うことができる。反応システム内に供給される第2の部分流と、新鮮なオレフィン含有原料との質量比は、好適には1:1〜50:1、特に好ましくは2:1〜30:1、とりわけ5:1〜20:1である。
【0087】
工程b)からの反応生成物、もしくは反応システムからの搬出物の第1の部分流を、当業者に公知の通常の方法に従って後処理に供することができる。このためにこの搬出物もしくは第1の部分流を、少なくとも1の共二量化生成物の主要量を含む流れと、基本的には未反応のオレフィンと場合によっては飽和炭化水素とから成る流れが得られる、1または多工程の分離操作に供する。飽和炭化水素は例えば、混合物として含まれ得る、オリゴマー化のために使用されるオレフィン含有原料から成るか、または例えば僅少なスケールではジオレフィンを除去するために使用されるオレフィンの部分水素化物から成る。適用される分離方法によって、場合によってはさらなる流れ、例えば特にオリゴマーフラクション、または基本的に飽和炭化水素から成る流れが得られる。
【0088】
好適には反応システムからの搬出物として液体流を取り出し、かつ後処理のために少なくとも部分的に気相中に移送する。最も簡単な実施においては、このために液体の反応器搬出物を加熱および/または放圧に供し、この際液相への、および気相への分離が行われる。この際液相は一般的にオリゴマー反応生成物が濃縮された生成物を含み、これとは逆に気相には未反応のオレフィン、および場合によっては飽和炭化水素が濃縮されている。液相をその後さらなる分離、通常共二量化生成物の主要量を含むフラクション、場合によってはさらなるオリゴマーフラクションを得ながら熱による分離に供することができる。さらなる実施態様においては、反応搬出物の(もしくは第1の部分流の)直接的な分離を、少なくとも1の熱による分離工程によって、好適には蒸留によって行う。放圧工程および/または熱による分解工程を、相互に組み合わせて別々の装置で、または唯一の装置、例えば「フラッシュ/ストリップ塔(flash/strip−Kolonne)」で行うことができる。
【0089】
工程b)からの反応生成物の後処理で得られる、基本的に未反応のオレフィンと場合によっては飽和炭化水素とから成る流れを、所望の場合には部分的に、または完全にオリゴマー化反応(工程b))に返送することができる。この流れを不活性成分の水準上昇(Aufpegelung)を防止するために、部分的にも、または完全にシステムから導出することができる。利用目的としてあり得るのは、燃焼、他の化学反応のための使用、または例えば本発明による方法で利用可能なオレフィンの新たな製造のための、クラッキング法におけるフィードとしての使用である。
【0090】
適切なさらなる実施形態において工程b)からの反応生成物の後処理で得られる、飽和炭化水素と未反応のオレフィンとから成る流れを、さらなる分離工程、例えばオレフィンを濃縮させたフラクションと、オレフィンが除かれたフラクションへの精留による分離工程に供し、かつオレフィンを濃縮させたフラクションを少なくとも部分的にオリゴマー化反応(工程b))に返送する。オレフィンが除かれたフラクションは先に記載されたように、工程から搬出することができ、場合によってはさらに利用することができる。
【0091】
工程b)からの反応生成物の後処理で共二量体の分離後に得られる流れの、部分的な、または完全な返送は、そのアルケン含分にかかわらず、所望の共二量体含分の制御のためにもまた、有効であり得る。
【0092】
反応生成物の後処理において得られる、基本的に未反応のオレフィンと場合によっては飽和炭化水素とから成る流れの供給は、個別に、または他の供給流のうちの一つとの事前の混合によって行うことができる。反応器への供給の前に、あらゆる個々の流れの温度、または混合物流の温度を公知の装置、例えば熱交換によって調整することができる。オリゴマー化反応のために複数の触媒帯域を有する反応システムを使用する場合、流れを一つずつ、またはこれらの流れの混合体もまた、反応システムの複数の箇所で供給することができる。2またはそれ以上の直列に接続された反応器から成る反応器カスケードを使用する場合は、個々の供給物質または混合された供給物質流を、カスケードの第1の反応器に供給することが可能であり、または複数の導管を介してカスケードの個々の反応器上に分配することが可能である。
【0093】
本発明のさらなる対象は、先に記載された方法により得られるオレフィン共二量体である。
【0094】
少なくとも1のオレフィン供給原料が少なくとも2の異なるオレフィンから成る混合物を含む場合、オレフィン共二量体とは、好適には二量化混合物、例えば共二量化で得られる二量化混合物である。オレフィン共二量体の製造のために、少なくとも1の工業的に利用可能なオレフィン含有炭化水素混合物をオレフィン供給原料として使用する、オレフィン共二量体が好ましい。オレフィン共二量体の製造のために、第1のオレフィン供給原料としてラフィネートIIを、かつ第2のオレフィン供給原料としてラフィネートIIの二量化によって得られるオレフィン供給原料を使用する、オレフィン共二量体が特に好ましい。好適には、第2のオレフィン供給原料とは、ニッケル含有オリゴマー化触媒の存在下、ラフィネートIIの二量化によって得られるオレフィン供給原料である。
【0095】
1.0〜3.0の範囲、特に好ましくは1.5〜2.5の範囲、とりわけ1.7〜2.3の範囲のISO指数を有する、オレフィン共二量体が好ましい。
【0096】
ISO指数は、NMRスペクトル分析により1H−NMRスペクトルの積分面積から測定することができる。これは、以下C12オレフィン共二量体(ドデセン)に対して例示的に説明する。
【0097】
ドデセンを水素化し、そしてこの水素化によって総計式C12−H26(ドデカン)のアルカンに変える。ドデカンから1H−NMRスペクトルを得て、ブロックごとに積分する。0.3〜1.05ppmの間に、CH3プロトンの共鳴が存在する。1.05〜2.8ppmの間に、CH2プロトンの共鳴とCHのプロトンの共鳴が存在する。CH3ブロックと、CH2ブロック/CHブロックとの積分の比を計算する。n−ドデカンは例えば、CH3のプロトンと、CH2プロトン/CHプロトンとの比が、6〜20である(x=0.3)。メチルウンデカンは、CH3のプロトンと、CH2プロトン/CHプロトンの比が9〜17である(x=0.53)。ジメチルデカンは、CH3プロトンと、CH2プロトン/CHプロトンの比が12〜14である(x=0.86)。比xから、ISO指数が以下のように計算される:
ISO指数=(20x−6)/(3x+3)x=CH3プロトンと、CH2/CHプロトンとの比
好適にはオレフィン共二量体は、12の炭素原子を有するアルケンを、主にまたは完全に含む混合物である。好適にはこの際オレフィン共二量体は、全オレフィン含分に対して少なくとも70質量%の、特に好ましくは少なくとも85質量%、とりわけ少なくとも95質量%、特に少なくとも95質量%の、12の炭素原子を有するアルケンを含む。
【0098】
好ましいのは、テトラメチルシランに対して0.3〜1.05ppmの化学シフトの範囲の1H−NMRスペクトルを有し、全積分面積に対して38〜62%、好ましくは44〜56%、特に好ましくは47〜53%の積分面積を有するオレフィン共二量体である。
【0099】
本発明のさらなる対象は、
a)基本的にCmオレフィンから成る第1のオレフィン供給原料を調製し、かつ基本的にCnオレフィンから成る第2のオレフィン供給原料を調製し[式中、nとmは相互に独立して、2〜12の互いに異なる2つの整数である]、
b)第1と第2のオレフィン供給原料を第1の反応帯域に供給し、かつオレフィンオリゴマー化不均一触媒を用いてオリゴマー化に供し、
c)第1の反応帯域の搬出物から、Cn+mオレフィン共二量体が濃縮された流れを分離し、
d)Cn+mオレフィン共二量体が濃縮された流れを第2の反応帯域に供給し、かつヒドロホルミル化触媒の存在下、一酸化炭素および水素との反応に供し、かつ
e)水素化する、
アルコールの製造方法である。
【0100】
好ましい実施は、
a)基本的にCnオレフィンから成る第1のオレフィン供給原料を調製し、かつ基本的にC2nオレフィンから成る第2のオレフィン供給原料を調製し[式中、nは2〜6の整数である]、
b)第1と第2のオレフィン供給原料を第1の反応帯域に供給し、かつオレフィンオリゴマー化不均一触媒を用いてオリゴマー化に供し、
c)第1の反応帯域の搬出物から、C3nオレフィン共二量体が濃縮された流れを分離し、
d)C3nオレフィン共二量体が濃縮された流れを第2の反応帯域に供給し、かつヒドロホルミル化触媒の存在下、一酸化炭素および水素との反応に供し、かつ
e)水素化する、
7〜19の炭素原子を有するアルコールの製造方法である。
【0101】
方法工程a)〜c)の適切かつ好ましい実施形態、およびそれらの工程で得られる中間生成物の適切かつ好ましい実施形態に関しては、以前の実施に完全に引き合いに出されている。
【0102】
ヒドロホルミル化(工程d)
工程d)におけるヒドロホルミル化のための適切な触媒は公知であり、かつ一般的には周期表の第VIIIの副族の元素の塩または錯化合物を含む。好適には、コバルト、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、ニッケル、パラジウム、および白金から選択される第VIIIの副族の金属である。本発明による方法のために、好ましくは塩、およびとりわけロジウムの、またはコバルトの錯化合物を使用する。
【0103】
適切な塩は例えば、水素化物、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、酸化物、硫化物、またはアルキルカルボン酸またはアリールカルボン酸との塩、またはアルキルスルホン酸またはアリールスルホン酸との塩である。適切な錯化合物は例えば、列挙した金属のカルボニル化合物およびカルボニルヒドリド、ならびにアミン、アミド、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン、トリシクロアルキルホスフィン、アリル−アリール−ホスフィン、オレフィンとの、または配位子として役に立つ物質との錯体である。配位子はまた、ポリマーの形態、またはポリマーに結合された形態で使用することもできる。触媒系はまた、その場所で先に列挙した塩と、前述の配位子とから製造することもできる。
【0104】
配位子の適切なアルキル基は、先に記載された線状の、または分枝状のC1〜C15のアルキル基、とりわけC1〜C5のアルキル基である。シクロアルキルは好適には、場合によってはC1〜C4のアルキル基で置換されていることもできる、C3〜C10のシクロアルキル、とりわけシクロペンチル、およびシクロヘキシルである。アリールとは好適には、場合によっては1、2、3、または4のC1〜C4のアルキル、C1〜C4のアルコキシ、例えば場合によってはエトキシ化されていることもできる、メトキシ、ハロゲン、好適には塩化物、またはヒドロキシによって置換されていてもよい、フェニル(Ph)またはナフチルと理解される。
【0105】
適切なロジウム触媒もしくはロジウム触媒前駆体は、ロジウム(II)の塩、およびロジウム(III)の塩、例えば塩化ロジウム(III)、硝酸ロジウム(III)、硫酸ロジウム(III)、カリウム−ロジウム硫酸塩(ロジウムみょうばん)、ロジウム(II)カルボキシラート、もしくはロジウム(III)カルボキシラート、好適には酢酸ロジウム(II)、および酢酸ロジウム(III)、ロジウム(II)−2−エチルヘキサノアート、ロジウム(III)−2−エチルヘキサノアート、酸化ロジウム(III)、ロジウム(III)酸の塩、およびトリスアンモニウムヘキサクロロロダート(Trisammoniumhexachlororhodat)(III)である。
【0106】
さらには一般式RhXm12(L3n[式中、Xはハロゲン化物、好適には塩化物または臭化物、アルキルカルボキシラート、またはアリールカルボキシラート、アセチルアセトナート、スルホン酸アリール、またはスルホン酸アルキル、とりわけスルホン酸フェニル、およびスルホン酸トルエン、水素化物、またはジフェニルトリアジン−アニオン、この際L1、L2、L3は相互に独立して、CO、オレフィン、シクロオレフィン、好適にはシクロオクタジエン(COD)、ジベンゾホスホール、ベンゾニトリル、PR3、またはR2P−A−PR2であり、mは1、2、または3、かつnは0、1、または2である。Rとは(基Rは同一であるかまたは異なっていてもよい)、アルキル基、シクロアルキル基、およびアリール基と理解され、好適にはフェニル、p−トリル、m−トリル、p−エチルフェニル、p−クミル、p−t.−ブチルフェニル、p−C1〜C4のアルコキシフェニル、好適にはp−アニシル、キシリル、メシチル、場合によってはエトキシ化されて存在していてもよいp−ヒドロキシフェニル、イソプロピル、C1〜C4のアルコキシ、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。Aは1,2−エチレン、または1,3−プロピレンである。好ましくは、L1、L2、またはL3相互に独立してCO、COD、P(フェニル)3、P(i−プロピル)3、P(アニシル)3、P(OC253、P(シクロヘキシル)3、ジベンゾホスホール、またはベンゾニトリルである。Xは好ましくは水素化物、塩化物、臭化物、酢酸エステル、トシラート、アセチルアセトナート、またはジフェニルトリアジン−アニオン、とりわけ水素化物、塩化物、または酢酸エステルである]のロジウム錯体が適している。
【0107】
適切なコバルト化合物は例えば、塩化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、これらのアミン錯体または水和錯体、コバルトカルボキシラート、例えば酢酸コバルト、コバルトエチルヘキサノアート、コバルトナフテノアート(Cobaltnaphthenoat)、ならびにコバルトのカルボニル錯体、例えばジコバルトオクタカルボニル、テトラコバルトドデカカルボニル、およびヘキサコバルトヘキサデカカルボニルである。好ましくは、本発明による方法のためにコバルトカルボニル錯体、およびとりわけジコバルトオクタカルボニルを使用する。
【0108】
前述のロジウムの化合物およびコバルトの化合物は、原則的に公知であり、かつ文献に充分記載されているか、当業者が既に公知の化合物と同様に製造することができる。この製造はまたその場で行うこともでき、この際触媒活性種を先に列挙した化合物から、ヒドロホルミル化条件のもとで初めて、触媒前駆体として形成することができる。
【0109】
ロジウムベースのヒドロホルミル化触媒を使用する場合、一般的には1〜150ppmの量で、好ましくは1〜100ppmの量で使用する。反応温度は、ロジウムベースのヒドロホルミル化触媒に対して、一般的に室温〜200℃の範囲、好ましくは50〜170℃の範囲にある。
【0110】
コバルトベースのヒドロホルミル化触媒を使用する場合、ヒドロホルミル化すべきオレフィンの量に対して一般的には0.0001〜1.0質量%の量で使用する。反応温度はコバルトベースのヒドロホルミル化触媒に対して、約80〜250℃の範囲、好ましくは100〜220℃、特に好ましくは150〜200℃の範囲にある。
【0111】
この反応は、約10〜650barの高められた圧力下で実施することができる。
【0112】
2:COのモル量比は一般的に、約1:5〜約5:1、好適には約1:1である。
【0113】
好適には工程d)において、高い割合のn−アルデヒドを得ながら、線状のモノオレフィンをヒドロホルミル化することができるヒドロホルミル化触媒を使用する。
【0114】
高いn−選択性を有するヒドロホルミル化触媒は従来技術より公知である。これに該当するのは、例えばUS4,668,651、US4,748,261、US4,769,498、およびUS4,885,401に記載されている、ビス亜リン酸配位子、およびポリ亜リン酸配位子を有する、第VIIIの副族の金属の錯体である。これに該当するのはさらに、WO98/19985、およびEP−A−0937022に記載されている、1,1’−ビフェニリレンの架橋基または1,1’−ビナフチリレンの架橋基を有する、二座のリン原子含有配位子を有する、第VIIIの副族の金属の錯体である。前述の配位子は、ここに完全に引き合いに出されている。
【0115】
ヒドロホルミル化の際に得られる未精製のアルデヒド、もしくはアルデヒド/アルコールの混合物を、所望の場合には水素化の前に、当業者に公知の通常の方法によって単離し、かつ場合によっては精製することができる。
【0116】
水素化(工程e))
水素化のために、ヒドロホルミル化の際に得られる反応混合物を水素化触媒の存在下、水素と反応させる。
【0117】
適切な水素化触媒は一般的に、遷移金属、例えばCr、Mo、W、Fe、Rh、Co、Ni、Pd、Pt、Ru、など、またはこれらの混合物であり、これらは活性と安定性の向上のために担体、例えば活性炭、酸化アルミニウム、珪藻土などの上に塗布されていることができる。触媒活性の向上のために、Fe、Co、および好ましくはNiをラネー触媒の形でも使用することができ、また非常に大きな表面を有する海綿状金属を使用することができる。好ましくは本発明によるアルコール系界面活性剤のためにCo/Moの触媒を使用する。オキソアルデヒドの水素化は触媒活性に従って、好適には高められた温度下、および高められた圧力下で行う。好適には水素化温度は約80℃〜250℃、好ましくは約50〜350barの圧力である。
【0118】
水素化後に得られる反応混合物から、当業者に公知の通常の精製方法、とりわけ分留によって、本発明によるアルコール混合物、特にC13アルコール混合物を純粋に得ることができる。
【0119】
本発明は加えて、先に記載されたアルコール混合物を、
(i)アルコキシ化、
(ii)グリコシド化、
(iii)硫酸化、
(iv)リン酸化、
(v)アルコキシ化、および以降の硫酸化、または
(vi)アルコキシ化、および以降のリン酸化、
に供することによって得られる、官能基化されたアルコール混合物に関する。
【0120】
これは特に、官能基化されたC13アルコール混合物である。
【0121】
アルコール混合物のアルコキシ化を、少なくとも1のアルキレンオキシドとの反応によって行う。好ましくはこのアルキレンオキシドは、一般式I
【化1】

[式中、R1は水素または1の直鎖状のまたは分枝状のC1〜C16のアルキル基である]
の化合物と、これらの混合物とから選択されている。
【0122】
好ましくは式Iにおける基R1は、1の直鎖状のまたは分枝状のC1〜C8のアルキル基、とりわけC1〜C4のアルキル基である。
【0123】
好ましくはアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、およびこれらの混合物から選択されている。
【0124】
アルコール混合物とアルキレンオキシドとの反応は、当業者に公知の通常の方法によって、およびそのための通常の装置で行う。
【0125】
このように官能基化されたアルコール混合物のポリエーテル鎖の平均鎖長は、アルコールとアルキレンオキシドとのモル量比によって測定することができる。好ましくは、約1〜200、好ましくは約1〜50、とりわけ1〜10のアルキレンオキシド単位を有する、アルコキシ化されたアルコール混合物を製造する。
【0126】
所望の場合には、アルコール混合物を1のアルキレンオキシドとのみ、または2、またはそれ以上の異なるアルキレンオキシドと反応させることができる。2またはそれ以上のアルキレンオキシドから成る混合物とのアルコール混合物の反応において、生成するアルコキシラートは基本的にはランダムに分布されたアルキレンオキシド単位を含む。アルキレンオキシドを別々に順次使用する場合、添加の順番に相応してアルキレンオキシド単位をブロック形態で重合導入された状態で含むアルコキシラートが生成する。
【0127】
アルコキシ化を強塩基、例えば水酸化アルカリ、および水酸化アルカリ土類、ブレンステッド酸またはルイス酸、例えばAlCl3、BF3などによって接触反応させることができる。
【0128】
アルコキシ化を好適には、約80℃〜250℃、好ましくは約100℃〜220℃の範囲の温度で行う。圧力は好適には周囲圧力〜600barの間である。所望の場合には、アルキレンオキシドは例えば約5〜60%の不活性ガス混合体を含むことができる。
【0129】
アルコキシ化により得られる官能基化されたアルコール混合物は、非常に良好な界面活性を示し、かつ非イオン性界面活性剤として多くの適用範囲において、例えば界面活性剤、分散剤、紙用助剤、汚れ溶解剤(Schmutzloesungsmittel)、腐食防止剤、分散のための助剤、または再付着防止剤(Inkrustierungsinhibitor)として有利に使用することができる。
【0130】
アルコール混合物のグリコシド化を、本発明によるアルコール混合物と、単糖、二糖、または多糖との1回の、2回のまたは複数回の反応によって行う。この反応は当業者に公知の通常の方法によって行う。これに該当するのは一方では、水を脱離しながらの、酸触媒による反応である。適切な酸は例えば、鉱酸、例えばHCl、およびH2SO4である。この際通常、ランダムな鎖長分布を有するオリゴ糖が得られる。好適には平均的なオリゴマー化度は、1〜3の糖基である。さらなる適切な方法によれば、糖をまず低分子のC1〜C8のアルカノール、例えばエタノール、プロパノール、またはブタノールとの反応によってアセタール化することができる。アセタール化は好適には酸触媒接触反応により行う。この際生じる、低分子のアルコールを有するグリコシドを引き続き本発明によるアルコール混合物によって相応するグリコシドへと反応させることができる。この反応のためには一般的に、糖の水溶液もまた適している。さらなる適切な方法によれば、糖をまずハロゲン化水素との反応によって相応するO−アセチルハロサッカライド(Acetylhalosaccharid)に移行させ、かつ引き続き酸結合の化合物の存在下で本発明によるアルコール混合物によってグリコシド化することができる。
【0131】
好適にはグリコシド化のために単糖を使用する。とりわけ、ヘキソース、例えばグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなど、およびペントース、例えばアラビノース、キシロース、リボースなどを使用する。特に好ましくはグルコースを使用する。糖は個別に、または混合物の形態で使用することができる。糖混合物においては一般的に、ランダムに分布された糖基を有するグリコシドが生じる。アルコールの水酸基への複数の糖付加の場合は、本発明によるアルコール混合物のポリグリコシドが生じる。ポリグリコシド化のためにも、生成する官能基化されたアルコール混合物がブロック形態、またはランダムに分布されて構成された状態で糖を含むように、複数の糖を順次、または混合物として使用することができる。反応条件に従って、とりわけ反応温度に従って、フラノース構造、またはピラノース構造が生じ得る。
【0132】
グリコシド化のための適切な方法、および反応条件は例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Bd.A25(1994年)、792〜793ページ、およびそこで言及された文献に記載されている。
【0133】
グリコシド化によって得られる官能基化されたアルコール混合物は、非常に良好な界面活性を示し、かつ非イオン系界面活性剤として多くの適用領域で有利に使用することができる。
【0134】
先に記載されたアルコール混合物の硫酸化またはリン酸化、またはアルコキシ化されたアルコール混合物の硫酸化またはリン酸化を、硫酸または硫酸誘導体との、酸性のアルキル硫酸エステル、またはアルキルエーテル硫酸エステルへの反応によって、またはリン酸またはリン酸誘導体との、酸性のアルキルリン酸エステル、またはアルキルエーテルリン酸エステルへの反応によって行う。
【0135】
アルコールの硫酸化のための適切な方法は、例えばUS3,462,525、US3,420,875、またはUS3,524,864に記載されている当業者に公知の通常の方法であり、これに関してはここに完全に引き合いに出されている。硫酸化のための適切な方法はまた、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、Bd.A25(1994年)、779〜783ページ、およびそこで言及された文献に記載されている。
【0136】
本発明によるアルコール混合物の硫酸化のために硫酸を使用する場合、硫酸は好適には75〜100質量%、とりわけ85〜98質量%である。このような硫酸は濃硫酸、および硫酸一水化物という名称で手に入る。
【0137】
所望の場合には、硫酸による硫酸化のために溶剤または希釈剤を使用することができる。適切な溶剤は例えば、水と共沸混合物を形成するもの、例えばトルエンである。
【0138】
硫酸化されたアルコール混合物の製造のための適切な実施形態に従って、反応槽内にアルコール混合物を装入し、かつ継続的に混合しながら硫酸化剤を添加する。アルコール混合物の可能な限り完全なエステル化を達成するための、アルカノールと硫酸化剤とのモル量比は、好ましくは約1:1〜1:1.5、とりわけ1:1〜1:1.2である。所望の場合は、硫酸化剤をモル的に不足した状態で使用することができ、非イオン性界面活性化合物と、アニオン性界面活性化合物とから成る混合物を製造するのが望ましい場合、例えばアルコキシ化されたアルコール混合物の硫酸化において使用することができる。この硫酸化を好ましくは80℃までの、とりわけ40〜75℃の周囲温度の範囲の温度で行う。
【0139】
さらなる適切な硫酸化剤は例えば、三酸化硫黄、三酸化硫黄錯体、三酸化硫黄の硫酸溶液(発煙硫酸)、クロロスルホン酸、塩化スルフリル、スルホン酸アミドなどである。硫酸化剤として三酸化硫黄を使用する際、反応を有利には流下薄膜型蒸発器、好ましくは向流で実施することができる。この際反応を非連続的に、または連続的に行うことができる。
【0140】
硫酸化の際に生成する反応混合物の後処理を、当業者に公知の通常の方法に従って行う。これに該当するのは例えば、中和、場合により使用される溶剤の分離などである。
【0141】
先に記載されたアルコール混合物のリン酸化、およびアルコキシ化されたアルコール混合物のリン酸化を、一般的には硫酸化と同様の方法で行う。
【0142】
アルコールのリン酸化のための適切な方法は、例えばSynthesis 1985年、449〜488ページに記載されている当業者に公知の通常の方法であり、これに関してはここに完全に引き合いに出されている。
【0143】
適切なリン酸化剤は例えば、リン酸、ポリリン酸、五酸化リン、POCl3などである。POCl3を使用する際、残存する酸塩化物官能基をエステル化後に加水分解する。
【0144】
本発明のさらなる対象は、界面活性剤、分散剤、紙用助剤、汚れ溶解剤、腐食防止剤、分散のための助剤、または再付着防止剤としての、官能基化されたアルコール混合物の使用である。
【0145】
本発明を以下の実施例によってより詳しく説明するが、これは本発明を限定するものではない。
【0146】
実施例
実施例1(本発明によるもの)
油で加熱したダブルジャケット型管式反応器(Doppelmantelrohrreaktor)(内径=6mm、全長=70cm)を、8mlの触媒砕片(直径1〜1.6mm)で満たした。触媒としては酸化アルミニウム(ベーマイト)によって結合剤として成形されたH−β−ゼオライト(SiO2:Al23のモル比24)を使用した。活性化を18時間、250℃で窒素流中で行った。この反応は25barの圧力下で行った。フィードとして、64質量%のC8オレフィンと、36質量%のC4オレフィンとの混合物12g/hを計量添加した。ISO指数1.08のC8オレフィンは、ブテン二量化に由来し、かつ主成分として3−メチルヘプテンを含んでいた。C4オレフィンの組成は次のようであった:1−ブテン(37%)、2−ブテン(42%)、イソ−ブテン(2%)、イソ−ブタン(3%)、n−ブタン(16%)。フィード流に対して付加的に、反応器に76g/hの循環流を貫流させた。
【0147】
試験の評価を、水素炎イオン検出器によってオンライン型ガスクロマトグラフ(GC)で行い、フィードと反応器搬出物の組成を測定した。表1には、GC面積%の値の差(反応器搬出物−フィード)が経過時間と温度に従って記載されている。ブテンもオクテンも反応することがはっきりと認められる。
【0148】
搬出物を一つにまとめ、かつ蒸留した。C12を含むフラクションを水素化し、かつ引き続き1H−NMRスペクトル分析によってISO指数を測定した。その指数は2.1であった。
【0149】
12オレフィンの1H−NMRスペクトルを含むフラクションは、0.3〜1.05ppmの化学シフトδの範囲で、全積分面積に対して51%の積分面積を有する。
【表1】

【0150】
比較例:
実施例1と同様に実施を行った。触媒としては、担持されたNiO/SiO2触媒8mlを使用した。表2には、GC面積%の値の差(反応器搬出物−フィード)が経過時間と温度に従って記載されている。実施例1とは異なり、ブテンのみが反応する。
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィンを共二量化するための方法であって、
a)基本的にCnオレフィンから成る第1のオレフィン供給原料を調製し、かつ基本的にCmオレフィンから成る第2のオレフィン供給原料を調製し[式中、nとmは相互に独立して2〜12の2つの互いに異なる整数を表す]、かつ
b)第1の、および第2のオレフィン供給原料を、オレフィンオリゴマー化不均一触媒を用いて反応させる、オレフィンを共二量化するための方法。
【請求項2】
工程a)において基本的にCnオレフィンから成る第1の供給原料を調製し、かつ基本的にC2nオレフィンから成る第2の供給原料を調製する[式中、nは2〜6の整数を表す]、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
nが4である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1のオレフィン供給原料が、オレフィンの全含分に対して最高20質量%、特に好ましくは最高10質量%、とりわけ最高5質量%、特に最高3質量%の分枝状のオレフィンの割合を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
第1のオレフィン供給原料として、クラッキング法から得られる、工業的に利用できるオレフィン含有炭化水素混合物を使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
第1のオレフィン供給原料としてラフィネートIIを使用する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第2のオレフィン供給原料が、ISO指数として測定して、0〜1.8、好ましくは0.5〜1.5、とりわけ0.8〜1.3の範囲のオレフィンの分枝度を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
第2のオレフィン供給原料が、ニッケル含有オリゴマー化触媒の存在下、ラフィネートIIの二量化によって得られる、請求項3から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第2のオレフィン供給原料がダイマーゾル法、またはオクトール法によって得られる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
オレフィン供給原料の反応を工程b)において連続的に行う、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程b)からの反応生成物を、第1の部分流と第2の部分流とに分離し、第1の部分流を後処理に供して基本的に共二量化生成物を含むフラクションが得られ、かつ第2の部分流を工程a)に返送する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
mオレフィンとCnオレフィンとのモル比、とりわけC2nオレフィンとCnオレフィンとのモル比が、工程b)に供給されるオレフィンに対して0.25:1〜4:1の範囲、好ましくは0.5:1〜3:1の範囲にある、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程b)において第1と第2のオレフィン供給原料を、層状シリカベースの、および/または立体網目状シリカベースのオレフィンオリゴマー化不均一触媒を用いて反応させる、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程b)で使用されるオリゴマー化触媒の層状シリカ、および/または立体網目状シリカが、少なくとも50質量%の結晶割合を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
工程b)で使用されるオリゴマー化触媒が、少なくとも0.5nmの平均細孔直径を有する少なくとも1の多孔性シリカを含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
工程b)で使用されるオリゴマー化触媒が、少なくとも1のゼオライトを含むか、または1のゼオライトから成る、請求項13から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1から16までのいずれか1項で定義された方法によって得られる、オレフィン共二量体。
【請求項18】
テトラメチルシランに対して0.3〜1.05ppmの化学シフトδの範囲での1H−NMRスペクトルで、全積分面積に対して38〜62%、好ましくは44〜56%、特に好ましくは47〜53%の積分面積を有する、請求項14に記載のオレフィン共二量体。
【請求項19】
アルコールの製造方法であって、
a)基本的にCmオレフィンから成る第1のオレフィン供給原料を調製し、かつ基本的にCnオレフィンから成る第2のオレフィン供給原料を調製し[式中、nとmは相互に独立して、2〜12の互いに異なる2つの整数である]、
b)第1と第2のオレフィン供給原料を第1の反応帯域に供給し、かつオレフィンオリゴマー化不均一触媒を用いてオリゴマー化に供し、
c)第1の反応帯域の搬出物から、Cn+mオレフィン共二量体が濃縮された流れを分離し、
d)Cn+mオレフィン共二量体が濃縮された流れを第2の反応帯域に供給し、かつヒドロホルミル化触媒の存在下、一酸化炭素および水素との反応に供し、かつ
e)水素化する、
アルコールの製造方法。
【請求項20】
7〜19の炭素原子を有するアルコールの製造方法であって、
a)基本的にCnオレフィンから成る第1のオレフィン供給原料を調製し、かつ基本的にC2nオレフィンから成る第2のオレフィン供給原料を調製し[式中、nは2〜6の整数である]、
b)第1と第2のオレフィン供給原料を第1の反応帯域に供給し、かつオレフィンオリゴマー化不均一触媒を用いてオリゴマー化に供し、
c)第1の反応帯域の搬出物から、C3nオレフィン共二量体が濃縮された流れを分離し、
d)C3nオレフィン共二量体が濃縮された流れを第2の反応帯域に供給し、かつヒドロホルミル化触媒の存在下、一酸化炭素および水素との反応に供し、かつ
e)水素化する、
7〜19の炭素原子を有するアルコールの製造方法。
【請求項21】
請求項19または20で定義された方法によって得られる、アルコール混合物。
【請求項22】
13アルコール混合物である、請求項21に記載のアルコール混合物。
【請求項23】
請求項21または22に記載のアルコール混合物を、アルコキシ化、グリコシド化、硫酸化、リン酸化、アルコキシ化と以降の硫酸化、またはアルコキシ化と以降のリン酸化に供することによって得られる、官能基化されたアルコール混合物。
【請求項24】
界面活性剤、分散剤、紙用助剤、汚れ溶解剤、腐食防止剤、分散のための助剤、または再付着防止剤としての、請求項23に記載の官能基化されたアルコール混合物の使用。

【公表番号】特表2009−539801(P2009−539801A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513687(P2009−513687)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055551
【国際公開番号】WO2007/141288
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】