説明

オープンモールド工法による全周面モールド方法及びそのモールド型

【課題】 オープンモールド工法を利用して、クローズドモールド工法で生じるモールド型の複雑化、組立分解の煩雑さ、真空脱泡処理に必要な設備装置の複雑化を取り除き、残留気泡やピンホールの所要品質に適合する安価なモールド成形品のモールド方法及びそのモールド型を提供しようとすることにある。
【解決手段】 全周面モールドを行う被モールド品から引出されるケーブルが多方向かつ多本数の場合でも、オープンモールド工法を利用して、第1のモールド型31a,31b、第2のモールド型41a,41bによるモールド成形品のモールド方法及びそのモールド型を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中用機器のモールド成形品、特に引出しケーブルを有する円板状被モールド品の全周面モールド方法及びそのモールド型に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なモールド工法は大別してクローズドモールド工法とオープンモールド工法があり、水中用機器のモールド成形にはモールド厚が厚く、寸法精度の良いクローズドモールド工法が主流である。クローズドモールド工法は被モールド品をモールド型内に収納し、モールド型に設けられた注入口からモールド剤を注入し、硬化後、モールド型の半割構造を分解して成形品を取出すために、寸法精度が良く、モールド厚の厚い成形に適している。
【0003】
また、オープンモールド工法は、受皿状のモールド型に被モールド品を入れ、開口上面からモールド剤を流し込み、硬化後モールド成形品を取出すので、安価でモールド成形が出来る。
【0004】
図1は、本発明の対象となる被モールド品の斜視図である。図2は、本発明の対象となるモールド成形品(完成品)の斜視図である。図6は、従来のクローズドモールド工法によるモールド方法とそのモールド型の説明図である。図6(a)に従来のクローズドモールド工法によるモールド型の側面断面図、図6(b)に従来のクローズドモールド工法によるモールド型の平面図を示す。
【0005】
図1に示す本発明の対象となる被モールド品1は、被モールド体11とケーブル12a〜12dで構成され、このケーブル12a〜12dは前記被モールド体11から所定のケーブル引出し角13で引出されている。図2に示す本発明の対象となるモールド成形品(完成品)2は被モールド品1の上下両端面と円周側面及びケーブル引出し部の全周面に渡って形成されるモールド21aと前記の被モールド品1で構成され、前記ケーブル12a〜12dは所定のケーブル引出し角13で引出される。
【0006】
従来のモールド作業は、次のように行う。即ち、図6(a)の側面断面図と図6(b)の平面図に示すように、上下左右割り構造のモールド型61a、61b、61c、61dの中に被モールド品1をスペーサ64a、64b、64cを介して収納し、ボルト65a〜65fで組み立てる。この時、モールド型61a〜61dとケーブル12a〜12dの隙間からモールド剤が、漏れてこないように、目張り66a〜66dを上記モールド型61a〜61dに設定する。
【0007】
モールド型の下面の4隅にはタップネジ穴を介して調整スタッド34a〜34dが取付けてあり、これらでモールド型の上面を水平に設定する。水平状態に設定後、上方の注入口62からモールド剤を排気口63からモールド剤が流出することでモールド剤充填を終了し、その後硬化させてモールド21dを形成する。モールド21dが硬化して形成された後、ボルト65a〜65fを取外してモールド成形品(完成品)2を取出す。ここで、注入口62、排気口63は、モールド型61a〜61dとの接続関係において上下調整可能なように外側にネジが切られたパイプを用いている。
【0008】
しかしながら、特に両端面にケーブルが引出されている水中用機器のモールドにクローズドモールド工法を適用する場合、図6に示すようにモールド型のケーブル逃げ構造が複雑になり、型の割り数が増えて高価になり、加えて型の組立分解が煩雑になり工数が増えてしまうという欠点がある。
【0009】
更にクローズドモールド工法の場合はモールド剤が注入口62から充填され、被モールド品の外面やモールド型の内面に沿って流れ込み、排気口63からモールド剤が流出することで充填が完了するが、図6から見て明らかなように被モールド品の外面やモールド型の内面に残留する気泡やモールド剤自体に残留する気泡がモールド型から排出され難いため、モールド成形品に気泡痕やピンホールが発生する。
【0010】
これを防ぐためには、図7に示すような真空モールド工法を併用する必要がある。図7は、従来の真空モールド工法による周辺設備と設定方法を示す説明図。真空モールド工法は、真空槽の中でモールド品をモールド型に設定して、モールド剤も真空槽の中で充填する工法である。この真空脱泡処理装置5bは、真空槽(デシケータ)51b、真空ポンプ52b、吸排気切替バルブ53b、真空計54b、真空ホース55b、攪拌装置7、注入装置8で構成され、脱泡するモールド装置6、容器56bに入れられたモールド剤57bを、真空槽51bに設置してモールド作業を行う。
【0011】
従来のクローズドモールド工法により被モールド品1をモールド型に設定したモールド装置6は、真空モールド工法に対応すべく排気口63に設置した液面監視チューブ68が、注入口62に設置した注入ロート67より上側に斜面になるように、調整スタッド34a〜34dにより調整して真空槽51b内に設置される。これは、少しでもモールド成形品に発生した気泡が自然に排気口63より、排出されるようにするためである。
【0012】
注入装置8に設置された容器56bに入れたモールド剤57bの脱泡処理を行う為、真空計54bを確認しながら、真空槽51bの減圧を行う。減圧作業を行いながら、攪拌装置7によりモールド剤57bを攪拌してモールド剤57bより気泡を取り除く。モールド剤57bの脱泡処理が終了後、注入装置8を用いて、このモールド剤57bを注入ロート67より液面監視チューブ68でモールド装置6へのモールド剤57bの充填状態監視しながら充填する。真空槽51bを減圧したまま、充填したモールド剤57bが硬化するのを待ち、このモールド剤57b硬化後、真空槽51bの真空度は、吸排気切替バルブ53bを開けることにより大気開放されて、真空槽51bの真空度が大気圧に戻る。真空槽51bからモールド装置6を取出し、ボルト65a〜65f(図示せず)を取外してモールド成形品(完成品)2を取出す。
【0013】
真空モールド工法によりモールドを行うため、モールド剤の充填も真空槽で行う必要があり、そのために真空槽の外部からモールド剤の容器を保持する必要があり、モールド剤を攪拌する攪拌装置7や、モールド型に注入する注入装置8が必要となり、結果として高価な設備が必要になるという欠点がある。
【0014】
上記問題点を直接的に解決するものではなく、FRP(繊維強化プラスチック)成形品のクローズドモールド工法、オープンモールド工法による改善としては、例えば、特許文献1,2に開示されている。
【0015】
【特許文献1】特開平7−112488号公報
【特許文献2】特開2001−138402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
以上のように、ケーブルが引出されている水中用機器のモールドにクローズドモールド工法を適用する場合、モールド型のケーブル逃げ構造が複雑になり、型の割り数が増えて高価になり、加えて型の組立分解が煩雑になるという欠点がある。また、真空脱泡処理を行うために高価な設備が必要になるという欠点がある。
【0017】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、オープンモールド工法を利用して、クローズドモールド工法で生じるモールド型の複雑化、組立分解の煩雑さ、真空脱泡処理に必要な設備装置の複雑化を取り除き、残留気泡やピンホールが所要品質に適合する安価なモールド成形品の全周面モールド方法及びそのモールド型を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたもので、全周面モールドを行う被モールド品から引出されるケーブルが多方向かつ多本数の場合でも、オープンモールド工法を利用して、第1、第2のモールド型によるモールド成形品の全周面モールド方法及びそのモールド型を提供したものである。
【0019】
本発明によれば、両端面に引出しケーブルを有する円板状被モールド品の両端面及び円周側面とケーブル引出し部とをオープンモールド工法で全周面モールドするモールド方法であって、第1のモールド型に前記被モールド品を設定して、上方の片端面と円周側面をモールドして片面モールド品とし、第2のモールド型に前記片面モールド品のモールドされた片端面を下方に設定して、前記片面モールド品の上方のモールドされていない片端面とモールドされた円周側面をモールドして全周面モールド成形品とすることを特徴とする全周面モールド方法が得られる。
【0020】
また本発明によれば、両端面に引出しケーブルを有する円板状被モールド品の両端面及び円周側面とケーブル引出し部とをオープンモールド工法で全周面モールドするモールド方法で、第1のモールド型に前記被モールド品を設定して、上方の片端面と円周側面をモールドして片面モールド品とし、第2のモールド型に前記片面モールド品のモールドされた片端面を下方に設定して、前記片面モールド品の上方のモールドされていない片端面とモールドされた円周側面をモールドしてなる全周面モールド成形品用の前記第1のモールド型であって、前記被モールド品の寸法に円周側面及び上方片端面のモールド厚を加えた寸法で型材を座ぐりし、前記座ぐり面に前記被モールド品の引出しケーブルを通してかわすための前記被モールド品より小径の貫通口を同軸上に開けたことを特徴とする第1のモールド型が得られる。
【0021】
また本発明によれば、前記座ぐり面に前記貫通口を取り囲むシール用溝を設けたことを特徴とする第1のモールド型が得られる。
【0022】
また本発明によれば、両端面に引出しケーブルを有する円板状被モールド品の両端面及び円周側面とケーブル引出し部とをオープンモールド工法で全周面モールドするモールド方法で、第1のモールド型に前記被モールド品を設定して、上方の片端面と円周側面をモールドして片面モールド品とし、第2のモールド型に前記片面モールド品のモールドされた片端面を下方に設定して、前記片面モールド品の上方のモールドされていない片端面とモールドされた円周側面をモールドしてなる全周面モールド成形品用の前記第2のモールド型であって、前記片面モールド品の寸法に側面及び上方対端面のモールド厚を加えた寸法で型材を座ぐりし、前記座ぐり面に前記片面モールド品の引き出しケーブルを通してかわすための前記片面モールド品より小径の貫通口を同軸上に開けたことを特徴とする第2のモールド型が得られる。
【0023】
また本発明によれば、前記座ぐり面に前記貫通口を取り囲むシール用溝を設けたことを特徴とする第2のモールド型が得られる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、オープンモールド工法を利用して全周面モールドを行うため、被モールド品のケーブルを開封面やモールド型の貫通口で簡単にかわすことが出来るのでモールド型の構造が簡素になり、必然的に被モールド品とモールド型の組立・分解が容易になる。また、開口面が広いためにモールド剤を充填した後でもモールド型内で気泡が抜けやすく、モールド型全体の真空脱泡処理を施さなくても残留気泡やピンホールの少ないモールド成形品が出来る。
【0025】
このような結果から、従来のクローズドモールド工法で必要であったモールド剤容器の保持装置や、モールド剤の攪拌装置及び注入装置を備えた高価な真空槽が不要となり、低価格でモールド成形品のオープンモールド工法による全周面モールド方法及びそのモールド型を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施の形態は、全周面モールドを行う被モールド品から引出されるケーブルが多方向かつ多本数の場合でも、オープンモールド工法を利用して、第1、第2のモールド型によるモールド成形品のモールド方法及びそのモールド型を提供する。本発明により、オープンモールド工法を利用して、クローズドモールド工法で生じるモールド型の複雑化、組立分解の煩雑さ、真空脱泡処理に必要な設備装置の複雑化が解消され、残留気泡やピンホールの所要品質に適合する安価なモールド成形品が得られる。
【0027】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の対象となる被モールド品の斜視図である。図2は、本発明の対象となるモールド成形品の斜視図である。
【0028】
図3は、本発明のオープンモールド工法によるモールド方法と第1のモールド型の説明図である。図3(a)に本発明のオープンモールド工法による第1のモールド型の側面断面図、図3(b)に本発明のオープンモールド工法による第1のモールド型の平面図を示す。
【0029】
図4は、本発明のオープンモールド工法によるモールド方法と第2のモールド型の説明図である。図4(a)に本発明のオープンモールド工法による第2のモールド型の側面断面図、図4(b)に本発明のオープンモールド工法による第2のモールド型の平面図を示す。図5は、本発明に関わるモールド剤の真空脱泡処理装置と設定を示す説明図である。
【0030】
図1に示す本発明の実施の形態の対象となる被モールド品1は、被モールド体11とケーブル12a〜12dで構成され、このケーブル12a〜12dは被モールド体から所定のケーブル引出し角13で引出されている。図2に示す本発明の対象となるモールド成形品2は被モールド品1の上下両端面と円周側面及びケーブル引出し部の全周面に渡って形成されるモールド21aと前記の被モールド品1で構成され、前記ケーブル12a〜12dは所定のケーブル引出し角13で引出されている。
【0031】
本発明の実施の形態の第1段階である片面モールドは、次のように行われる。即ち、図3(a)の側面断面図と図3(b)の平面図に示すように、半割り構造の第1のモールド型31a、31bの中に被モールド品1は、第1のモールド型31a、31bに設けられたシールド用溝に充填するモールド剤を漏れないようにする環状シール32aを設定して、その上に収納し、ケーブル12c、12dは貫通口36aより下面に出し、ボルト33a〜33bで組み立てる。モールド型の上面には水準器35が埋め込むようにして取付けられ、モールド型の下面の4隅にはタップネジ穴を介して調整スタッド34a〜34dが取付けてあり、水準器35で水平度を計測しながら調整スタッド34a〜34dで調整して第1のモールド型31a、31bを水平に設定する。水平状態に設定後、上方の開封面からモールド剤57aを充填して硬化させ、モールド21bを形成する。モールド剤57aが硬化してモールドが形成された後、ボルト33a〜33bを取外して片面モールド品14を取出す。
【0032】
本発明の実施の形態の第2段階である対面モールドは、次のように行われる。即ち、図4(a)の側面断面図と図4(b)の平面図に示すように、半割り構造の第2のモールド型41a、41bの中に片面モールド品14を、モールドされた片端面を下方にして、第2のモールド型41a、42bのシールド用溝に充填するモールド剤を漏れないようにする環状シール32bを設定して、その上に収納し、ケーブル12a、12bは貫通口36bより下面に出し、ボルト33c〜33dで組み立てる。モールド型の上面には水準器35が埋め込むようにして取付けられ、モールド型の下面の4隅にはタップネジ穴を介して調整スタッド34a〜34dが取付けてあり、水準器35を用いて調整スタッド34a〜34dで調整して第2のモールド型41a、41bの上面を水平に設定する。水平状態に設定後、上方の開封面からモールド剤57aを充填、硬化させ、モールド21cを形成する。モールド剤57aが硬化してモールドが形成された後、ボルト33c〜33dを取外してモールド成形品(完成品)2を取出す。
【0033】
なお、片面モールド及び対面モールドで使用するモールド剤57aは充填前に図5に示すような真空脱泡処理装置5aで十分脱泡してこのモールド剤57aの残留気泡を少なくしてから充填に用いる。この真空脱泡処理装置5aは、真空槽(デシケータ)51a、真空ポンプ52a、吸排気切替バルブ53a、真空計54a、真空ホース55aで構成され、脱泡するモールド剤57aは容器56aに入れて真空槽51a内に設定して、脱泡処理が行われる。
【0034】
図3、図4の本発明の第1のモールド型31a、31b、第2のモールド型41a、41bより明らかなように、モールド充填部の開口面が大きく、気泡が抜けやすい構造なので、自然に気泡も脱泡されてモールド品の残留気泡は少ないと考えられる。実際に、従来工法と本発明工法によって試作して比較したところ残留気泡とピンホールには、差が見られず、所要品質に適合することが確認された。
【0035】
上記により、オープンモールド工法を利用して、クローズドモールド工法で生じるモールド型の複雑化、組立分解の煩雑さ、真空脱泡処理に必要な設備装置の複雑化を取り除き、残留気泡やピンホールの所要品質に適合する安価なモールド成形品のモールド方法及びそのモールド型の提供が可能になった。
【0036】
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上による本発明は水中用機器のモールド成形品、特に引出しケーブルを有するモールド成形品を安価に提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の対象となる被モールド品の斜視図。
【図2】本発明の対象となるモールド成形品(完成品)の斜視図。
【図3】本発明のオープンモールド工法によるモールド方法と第1のモールド型の説明図、図3(a)は側面断面図、図3(b)は平面図。
【図4】本発明のオープンモールド工法によるモールド方法と第2のモールド型の説明図、図4(a)は側面断面図、図4(b)は平面図。
【図5】本発明に関わるモールド剤の真空脱泡処理装置と設定を示す説明図。
【図6】従来のクローズドモールド工法のモールド方法とそのモールド型の説明図、図6(a)は側面断面図、図6(b)は平面図。
【図7】従来の真空モールド工法による周辺設備と設定方法を示す説明図。
【符号の説明】
【0039】
1 被モールド品
11 被モールド体
12a、12b、12c、12d ケーブル
13 ケーブル引出し角
14 片面モールド品
2 モールド成形品(完成品)
21a、21b、21c、21d モールド
31a、31b 第1のモールド型
32a、32b 環状シール
33a、33b、33c、33d ボルト
34a、34b、34c、34d 調整スタッド
35 水準器
36a、36b 貫通口
41a、41b 第2のモールド型
5a、5b 真空脱泡処理装置
51a、51b 真空槽(デシケータ)
52a、52b 真空ポンプ
53a、53b 吸排気切替バルブ
54a、54b 真空計
55a、55b 真空ホース
56a、56b 容器
57a、57b モールド剤
6 モールド装置
61a、61b、61c、61d モールド型
62 注入口
63 排気口
64a、64b、64c スペーサ
65a、65b、65c、65d、65e、65f ボルト
66a、66b、66c、66d 目張り
67 注入ロート
68 液面監視チューブ
7 攪拌装置
71 攪拌棒
72 攪拌翼
73 攪拌ハンドル
8 注入装置
81 注入棒
82 注入アングル
83 注入レバー
84 容器受台
85 シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端面に引出しケーブルを有する円板状被モールド品の両端面及び円周側面とケーブル引出し部とをオープンモールド工法で全周面モールドするモールド方法であって、第1のモールド型に前記被モールド品を設定して、上方の片端面と円周側面をモールドして片面モールド品とし、第2のモールド型に前記片面モールド品のモールドされた片端面を下方に設定して、前記片面モールド品の上方のモールドされていない片端面とモールドされた円周側面をモールドして全周面モールド成形品とすることを特徴とする全周面モールド方法。
【請求項2】
両端面に引出しケーブルを有する円板状被モールド品の両端面及び円周側面とケーブル引出し部とをオープンモールド工法で全周面モールドするモールド方法で、第1のモールド型に前記被モールド品を設定して、上方の片端面と円周側面をモールドして片面モールド品とし、第2のモールド型に前記片面モールド品のモールドされた片端面を下方に設定して、前記片面モールド品の上方のモールドされていない片端面とモールドされた円周側面をモールドしてなる全周面モールド成形品用の前記第1のモールド型であって、前記被モールド品の寸法に円周側面及び上方片端面のモールド厚を加えた寸法で型材を座ぐりし、前記座ぐり面に前記被モールド品の引出しケーブルを通してかわすための前記被モールド品より小径の貫通口を同軸上に開けたことを特徴とする第1のモールド型。
【請求項3】
前記座ぐり面に前記貫通口を取り囲むシール用溝を設けたことを特徴とする請求項2記載の第1のモールド型。
【請求項4】
両端面に引出しケーブルを有する円板状被モールド品の両端面及び円周側面とケーブル引出し部とをオープンモールド工法で全周面モールドするモールド方法で、第1のモールド型に前記被モールド品を設定して、上方の片端面と円周側面をモールドして片面モールド品とし、第2のモールド型に前記片面モールド品のモールドされた片端面を下方に設定して、前記片面モールド品の上方のモールドされていない片端面とモールドされた円周側面をモールドしてなる全周面モールド成形品用の前記第2のモールド型であって、前記片面モールド品の寸法に側面及び上方対端面のモールド厚を加えた寸法で型材を座ぐりし、前記座ぐり面に前記片面モールド品の引き出しケーブルを通してかわすための前記片面モールド品より小径の貫通口を同軸上に開けたことを特徴とする第2のモールド型。
【請求項5】
前記座ぐり面に前記貫通口を取り囲むシール用溝を設けたことを特徴とする請求項4記載の第2のモールド型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−148913(P2009−148913A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326650(P2007−326650)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】