カウンタバランス弁、ウインチ装置およびクレーン
【課題】カウンタバランス弁の弁特性の微妙な調整を可能とする。
【解決手段】カウンタバランス弁のばねが介装される油室25に連通して、バルブボディ110に油室41を形成し、油室41にケーシング31とスプール32を収容する。ケーシング31の内周面とスプール32の外周面との間には、可変絞りとして環状通路46を形成し、調節ねじ35の操作によりスプール32を移動することで、環状通路46の長さS2を変更し、絞り量を調整する。
【解決手段】カウンタバランス弁のばねが介装される油室25に連通して、バルブボディ110に油室41を形成し、油室41にケーシング31とスプール32を収容する。ケーシング31の内周面とスプール32の外周面との間には、可変絞りとして環状通路46を形成し、調節ねじ35の操作によりスプール32を移動することで、環状通路46の長さS2を変更し、絞り量を調整する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンタバランス弁、ウインチ装置およびクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カウンタバランス弁のばね室からの戻り油管路に可変絞りを設け、この可変絞りの絞り量を調整することで、カウンタバランス弁の弁特性(応答性など)を変更するようにした回路が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の回路では、比例ソレノイドにより調整部材を軸方向に押圧し、調整部材とノズルとの間の軸方向の隙間を変化させて、絞り量を調整する。
【0003】
【特許文献1】特開平6−159316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載のように調整部材とノズルとの間の軸方向の隙間を変化させる構成では、調整部材の移動量に対する絞りの変化量の割合が大きくなり、カウンタバランス弁の弁特性を微妙に調整することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるカウンタバランス弁は、油圧源からの圧油によって駆動する油圧アクチュエータの駆動回路に設けられるカウンタバランス弁であって、バルブボディ内の一端側に形成され、油圧源からの圧油が導かれる第1の油室と、第1の油室に対向してバルブボディ内の他端側に形成された第2の油室と、第2の油室に介装されたばねと、第1の油室と第2の油室とにそれぞれ作用する油圧力、およびばねの付勢力に応じてバルブボディ内を移動し、移動量に応じて戻り側管路の通路面積を増減する第1のスプールと、第2の油室からの圧油の排出量を制限する可変絞り手段とを備え、可変絞り手段は、第2の油室を低圧側に接続する環状通路と、環状通路の長さを可変として絞り量を可変とする通路長可変手段とを有することを特徴とする。
本発明によるウインチ装置は、油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油によりウインチドラムを駆動する油圧モータと、油圧ポンプから油圧モータへの圧油の流れを制御する制御弁と、油圧モータの巻下げ駆動時の駆動圧が第1の油室に導かれる上記カウンタバランス弁とを備えることを特徴とする。
本発明によるクレーンは、上述のウインチ装置を備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、環状通路の長さを可変として絞り量を変更するようにしたので、カウンタバランス弁の弁特性の微妙な調整を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図16を参照して本発明によるカウンタバランス弁の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るウインチ装置の構成を示す油圧回路図であり、図6は、このウインチ装置が設けられるクレーンの側面図である。図6に示すようにクレーンは、走行体101と、旋回装置102を介して走行体101上に旋回可能に搭載された旋回体103と、旋回体103の先端部に起伏可能に取り付けられたブーム104とを有する。旋回体103には巻上ドラム105が搭載され、巻上ドラム105の駆動により巻上ロープ106が巻き取りまたは繰り出され、ブーム先端から吊り下げられたフック107を介して吊り荷が昇降する。
【0008】
図1の油圧回路は、エンジン(不図示)により駆動される油圧ポンプ1と、油圧ポンプ1から吐出される圧油によって駆動する油圧モータ2と、油圧ポンプ1から油圧モータ2への圧油の流れを制御する方向制御弁3と、方向制御弁3と油圧モータ2とを接続する一対の主管路4a,4bと、ポートp1〜p4を介して主管路4a、4bに介装されたカウンタバランス弁10とを有する。油圧モータ2の出力軸の回転は巻上ドラム105に伝達され、油圧モータ2により巻上ドラム105が巻上および巻下駆動される。
【0009】
図2は、カウンタバランス弁10の構成を概略的に示す断面図である。カウンタバランス弁10は、バルブボディ11と、バルブボディ11内に摺動可能に収容されたスプール12とを有する。バルブボディ11の内周面には周方向に溝111〜113が形成されている。溝111は通路L3,L4を介してそれぞれポートP3,P4に連通し、溝112は通路L2を介してポートP2に連通し、溝113は通路L1を介してポートP1に連通している。
【0010】
スプール12は、第1ランド121と第2ランド122と第3ランド123とを有する。第1ランド121と第2ランド122の間には、溝111に対向して周方向にわたって通路21が形成され、第2ランド121と第3ランド122の間には、溝112に対向して周方向にわたって通路22が形成されている。また、第3ランド123の周囲には溝113により通路23が形成されている。通路22は、チェック弁13を介して通路L1に連通している。
【0011】
バルブボディ11内の一端側には、スプール12の一端面に面して油室24が形成され、バルブボディ11内の他端側には、スプール12の他端面に面して油室25が形成されている。バブルボディ11の他端側端面にはバルブボディ110が取り付けられ、油室25はバルブボディ110にかけて連設されている。油室24は、固定絞り15を介して通路21に連通し、油室25は、チェック弁14を介して通路23に連通するとともに、バルブボディ110内に設けられた可変絞り機構30を介して通路L1に連通している。
【0012】
油室には25コイルばね16が介装され、スプール12はばね力により常時矢印A方向に付勢されている。スプール12の一端面には油室24内の油圧力が、他端面には油室25内の油圧力とばね16の付勢力がそれぞれ作用し、スプール12はこれらの力の大小によりバルブボディ11内を摺動する。図示のようにスプール12が矢印A方向に最大に移動している状態では、通路22と通路23の間の開口部26が閉塞され、通路22から通路23への油の流れが阻止される。スプール12が矢印B方向に移動して開口部26が開口すると、通路22から通路23への油の流れが可能となる。
【0013】
カウンタバランス弁10の動作を図1の油圧回路により説明する。図1において、方向制御弁3は図示しない操作レバーにより操作される。方向制御弁3が位置a側に操作されると、油圧ポンプ1からの圧油は、カウンタバランス弁10内のチェック弁13および通路22を経て油圧モータ2に供給される。これにより油圧モータ2が巻上方向に回転し、ドラム105が巻上駆動される。
【0014】
その後、方向制御弁3が中立位置に戻し操作されると、油圧モータ2の巻上方向の回転が停止する。このとき、スプール12はばね16の付勢力によって矢印A方向に押動され、開口部26が閉塞される。このため、通路22から通路23への圧油の流れが阻止され、吊り荷108の自重により油圧モータ2が逸走することを防止でき、吊り荷108の落下を防ぐことができる。
【0015】
一方、方向制御弁3が位置b側に操作されると、油圧ポンプ1からの圧油は、カウンタバランス弁10内の通路21を経て油圧モータ2に供給される。このとき、スプール12の一端側の油室24には絞り15を介してモータ駆動圧が導かれ、スプール12はばね16の付勢力および油室25内の油圧力に抗して矢印B方向に移動する。これにより開口部26が開放されて通路22から通路23へと戻り油が流れ、油圧モータ2が巻下方向に回転し、ドラム105が巻下駆動される。
【0016】
この際、油室25からの油の排出量は可変絞り機構30によって制限されるが、本実施の形態では可変絞り機構30の絞り量を調整することでカウンタバランス弁10の応答性を調整する。例えば、バケット作業のように急な巻下操作を多用する場合には、カウンタバランス弁10の応答性を高める必要があり、その場合には絞り量を大きめに設定する。一方、ハンチングが問題となるような作業では、応答性を鈍らせる必要があり、その場合には絞り量を小さめに設定する。
【0017】
ところで、絞り量の設定は、カウンタバランス弁10の加工公差や油温の変化、あるいはスプール12の摺動部の磨耗等の経年変化を考慮して適宜行う必要があり、応答性に与える影響を考慮すると、微妙な調整が必要になる。しかし、油室25内から排出される流量は微小であり、この微小流量を高精度に調整することは難しい。これを容易にするために本実施の形態は、以下のように可変絞り機構30を構成する。
【0018】
図3は、可変絞り機構30の構成を示すバルブボディ110の断面図である。なお、図3は、図2のバルブボディ110を上下方向に反転して示している。バルブボディ110内には、ばね16が介装される油室25に対して略平行に油室41が形成されている。油室41は通路L5を介して油室25に連通するとともに、通路L6を介して通路L1(図2)に連通している。
【0019】
油室41には略円筒形状のケーシング31が収容されている。ケーシング31の内部にはスプール32が挿入され、スプール32はばね33の付勢力により矢印A方向に付勢されている。バルブボディ110の端面には油室41を塞ぐようにキャップ34が取り付けられ、キャップ34によりケーシング31の位置が固定されている。キャップ31の端面には調節ねじ35が貫通して取り付けられ、調節ねじ35とスプール32の端面の間にシール材36が介装されている。調節ねじ35をねじ込み操作すると、ばね33の付勢力に抗してスプール32は矢印B方向に押動される。調節ねじ35の操作量とスプール32の移動量は比例関係にある。
【0020】
ケーシング31の外周面にはシールリング37a〜37cが装着され、シールリング37a〜37cにより油室41の内壁面との間がシールされている。ケーシング31の周面外側には、シールリング37aと37bの間およびシールリング37bと37cの間にそれぞれ周方向にわたって通路42および43が形成されている。通路42,43はそれぞれ通路L5,L6に連通している。
【0021】
図3の要部拡大図である図4に示すように、ケーシング31の内周面には、周方向にわたって凹部311,312が形成され、これら凹部311,312の間に凸部313が形成されている。この凹部311,312と凸部313に対向してスプール32の外周面にもそれぞれ凹部321,322と凸部323が形成されている。
【0022】
凹部311と凹部321の間および凹部312と凹部322の間にはそれぞれ通路44,45が形成され、凸部313と凸部323の間には通路46が形成されている。通路46は、径方向に一定長さS1の環状隙間を有する環状通路であり、この環状通路46において絞り面積は最小となっている。図3に示すようにケーシング31には径方向に複数の貫通穴314,315が開口され、通路42と44および通路43と45はそれぞれ貫通穴314,315を介して連通している。
【0023】
図4(a)は、ばね33の付勢力によりスプール32がA方向に最大に押動された状態、すなわち位置調整前の初期状態を示し、図4(b)は、調節ねじ35のねじ込みによりスプール32をB方向に所定量押動した状態、すなわち調整後の状態を示している。
【0024】
図4(a)に示すように初期状態では、凸部313,323の互いに対向する軸方向長さ、すなわち環状通路46の長さS2が最大である。このとき、通路44から通路45への油の流れに対する環状通路46による流れ抵抗が最大となり、可変絞り機構30の絞り量は最小となる。図4(b)に示すように調整後の状態では、スプール32が移動した分、環状通路46の長さS2が短くなる。これにより環状通路46による流れ抵抗が減少し、絞り量は増加する。
【0025】
ここで、巻下げ駆動時に、図1の油室24内に作用する油圧力によってスプール12が矢印B方向に押動された場合の動作を説明する。この場合、図3に示すように油室25内の油は、通路L5、通路42、および貫通穴314を介して通路44へと流れる。通路44内の油は、環状通路46(絞り)を通過して通路45へと流れ、さらに貫通穴315、通路43、および通路L6を介して図2の通路L1へと流れる。
【0026】
環状通路26による絞りの設定を変更する場合には、調節ねじ35を操作し、スプール32を軸方向に摺動する。この際、調節ねじ35の操作量とスプール32の移動量とは比例するため、調節ねじ35の操作量を調節することで、スプール32を精度よく移動させることができる。調節ねじ35の操作によりスプール32が移動すると、環状通路46の径方向の長さS1(図4)は一定で、軸方向の長さS2のみ変化する。このため、スプール32の移動量に対する絞り量の変化の割合が小さくなり、絞り量を精度よく設定することができ、カウンタバランス弁10の弁特性を微妙に調整することができる。
【0027】
図5(a)は、スプール32の初期状態からの移動量と絞り量の関係を示す図である。図中、f1は、環状通路46により絞りを構成した本実施の形態に係る可変絞り機構30の特性である。f2は、図5(b)に示すようにケーシング310に対して矢印方向に移動するスプール320を有するポペット弁によって絞り460を構成した本実施の形態の比較例の特性である。
【0028】
特性f1に示すように、本実施の形態ではスプール32の移動量の増加に伴い絞り量が直線的に増加し、絞り量の増加の割合が小さい。このため、スプール32の移動により絞り量を精度よく設定することができ、カウンタバランス弁10の弁特性の調整が容易である。また、調節ねじ35の操作量にスプール32の移動量は比例するため、調節ねじ35の操作量と絞りの変化量とが良好に対応し、絞り量を精度よく増減できる。すなわちスプール32の移動量が例えば図のSaである場合もSbである場合も、調節ねじ35の操作量に対して絞り量を一律に変更することができる。
【0029】
これに対し、ポペット弁により絞り460を構成した場合には、特性f2に示すように、スプール320の移動に対する絞り量の増加の割合が大きくなる。このため、調節ねじ35をわずかに操作しただけでも絞り量は大きく変化し、カウンタバランス弁10の弁特性の調整が難しい。また、スプール32の移動量がSaである場合とSbである場合とでは、スプール32の移動量に対する絞りの変化量の割合が大きく異なるため、弁特性を最適に設定するすることは難しい。
【0030】
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ばね16が介装される油室25を環状通路46を介して低圧側の通路L1に接続するとともに、調節ねじ35の操作によりスプール32を押動して環状通路46の長さS2を変更することで、可変絞り機構30の絞り量を変更するようにした。これによりスプール32の移動量に対する絞り量の変化の割合が小さくなり、カウンタバランス弁10の弁特性を微妙に調整することができる。その結果、カウンタバランス弁10の加工公差や経時劣化等に拘わらず、バケット作業等を最適に行うことができる。
(2)バルブボディ110内の油室41にケーシング31とスプール32を収容し、ケーシング31の内周面とスプール32の外周面との間に環状通路46を形成するとともに、調節ねじ35によりスプール32を押動して通路長さS2を変更するようにした。これによりバルブボディ11とは別のバルブボディ110によりケーシング31とスプール32と調節ねじ35を一体に構成することができ、可変絞り機構30の構成が容易である。
(3)ケーシング31とスプール32の互いに対向する周面にそれぞれ凹凸部311〜313,321〜323を設け、凸部313と凸部323の間に環状通路46を形成するようにしたので、環状通路46の構成が容易である。
【0031】
なお、上記実施の形態では、図7に模式的に示すように調節ねじ35の操作によりスプール32の位置を調節し、可変絞り手段としての可変絞り機構30の絞り量を調整するようにしたが、他の調整手段によりスプール32の位置を調節するようにしてもよい。例えば図8に示すようにサーボモータ51により調節ねじ35を駆動するようにしてもよい。図9に示すようにスプール32の端部に油室38を設け、この油室38に電磁比例減圧弁52を介して油圧ポンプ53からの圧油を作用させて、スプール32を駆動するようにしてもよい。図10に示すようにスプール32をソレノイド54によって押し込むようにしてもよい。
【0032】
図11に示すようにダイヤル55の操作によりカウンタバランス弁10の弁特性を指令し、この操作量に応じてコントローラ56がモータ51の駆動を制御するようにしてもよい。図12に示すようにコントローラ56に携帯情報端末57を接続し、携帯情報端末57からの指令に応じて電磁比例減圧弁52を制御するようにしてもよい。図13に示すようにメーカ側の送信アンテナ58から通信衛星59および受信アンテナ60を介して送信された指令によりソレノイド54を制御するようにしてもよい。
【0033】
図14に示すように管路4a内の油温を油温センサ61により検出し、油温センサ61からの信号に応じて電磁比例減圧弁52を制御することで、油温に拘わらず一定のカウンタバランス弁10の弁特性を得るようにしてもよい。図15に示すようにポートp2側の管路4a内の圧力を圧力センサ62により検出し、圧力センサ62からの信号に応じて電磁比例減圧弁52を制御することで、サージ圧の発生を抑えるようにしてもよい。図16に示すようにポートp2側の管路4aとスプール32の端部の油室38とをリリーフ弁63を介して接続し、ポートP2側の圧力が所定値以上となったときに、リリーフ弁63を押し開いて油室38に圧力を作用させ、この油圧力によりスプール32を押動してサージ圧を低減するようにしてもよい。
【0034】
バルブボディ11内にケーシング31とスプール32を収容し、ケーシング31の内周面とスプール32の外周面との間に環状通路46を形成したが、ばね16が介装された油室25を低圧側に接続するのであれば、環状通路の形状はいかなるものでもよく、可変絞り弁装置の構成は上述したものに限らない。スプール32の位置を調整することで、環状通路46の長さS2を変更するようにしたが、通路長可変手段の構成はこれに限らない。第1のスプールとしてのスプール12の構成、第2のスプールとしてのスプール32の構成、第1の油室としての油室24の構成、および第2の油室としての油室25の構成も上述したものに限らない。
【0035】
上記実施の形態は、油圧ポンプ1から油圧モータ2への圧油の流れを制御弁としての方向制御弁3により制御するとともに、油圧モータ2の巻下げ駆動時の駆動圧をカウンタバランス弁10の油室24に導くようにしたが、本発明のカウンタバランス弁は他の油圧アクチュエータ駆動用の油圧回路にも適用可能である。例えば長尺ブームの駆動用回路に適用することもできる。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のウインチ装置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係るウインチ装置の構成を示す油圧回路図。
【図2】図1のカウンタバランス弁の構成を概略的に示す断面図。
【図3】図2の可変絞り機構の構成を示す図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】図3の可変絞り機構の動作特性を示す図。
【図6】図1のウインチ装置が設けられるクレーンの側面図。
【図7】本発明の実施の形態に係るカウンタバランス弁を模式的に示す図。
【図8】図7の第1の変形例を示す図。
【図9】図7の第2の変形例を示す図。
【図10】図7の第3の変形例を示す図。
【図11】図7の第4の変形例を示す図。
【図12】図7の第5の変形例を示す図。
【図13】図7の第6の変形例を示す図。
【図14】図7の第7の変形例を示す図。
【図15】図7の第8の変形例を示す図。
【図16】図7の第9の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1 油圧ポンプ
2 油圧モータ
3 方向制御弁
10 カウンタバランス弁
12 スプール
16 ばね
24,25 油室
30 可変絞り機構
31 ケーシング
32 スプール
35 調節ねじ
46 環状通路
110 バルブボディ
313.323 凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンタバランス弁、ウインチ装置およびクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カウンタバランス弁のばね室からの戻り油管路に可変絞りを設け、この可変絞りの絞り量を調整することで、カウンタバランス弁の弁特性(応答性など)を変更するようにした回路が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の回路では、比例ソレノイドにより調整部材を軸方向に押圧し、調整部材とノズルとの間の軸方向の隙間を変化させて、絞り量を調整する。
【0003】
【特許文献1】特開平6−159316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載のように調整部材とノズルとの間の軸方向の隙間を変化させる構成では、調整部材の移動量に対する絞りの変化量の割合が大きくなり、カウンタバランス弁の弁特性を微妙に調整することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるカウンタバランス弁は、油圧源からの圧油によって駆動する油圧アクチュエータの駆動回路に設けられるカウンタバランス弁であって、バルブボディ内の一端側に形成され、油圧源からの圧油が導かれる第1の油室と、第1の油室に対向してバルブボディ内の他端側に形成された第2の油室と、第2の油室に介装されたばねと、第1の油室と第2の油室とにそれぞれ作用する油圧力、およびばねの付勢力に応じてバルブボディ内を移動し、移動量に応じて戻り側管路の通路面積を増減する第1のスプールと、第2の油室からの圧油の排出量を制限する可変絞り手段とを備え、可変絞り手段は、第2の油室を低圧側に接続する環状通路と、環状通路の長さを可変として絞り量を可変とする通路長可変手段とを有することを特徴とする。
本発明によるウインチ装置は、油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油によりウインチドラムを駆動する油圧モータと、油圧ポンプから油圧モータへの圧油の流れを制御する制御弁と、油圧モータの巻下げ駆動時の駆動圧が第1の油室に導かれる上記カウンタバランス弁とを備えることを特徴とする。
本発明によるクレーンは、上述のウインチ装置を備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、環状通路の長さを可変として絞り量を変更するようにしたので、カウンタバランス弁の弁特性の微妙な調整を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図16を参照して本発明によるカウンタバランス弁の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るウインチ装置の構成を示す油圧回路図であり、図6は、このウインチ装置が設けられるクレーンの側面図である。図6に示すようにクレーンは、走行体101と、旋回装置102を介して走行体101上に旋回可能に搭載された旋回体103と、旋回体103の先端部に起伏可能に取り付けられたブーム104とを有する。旋回体103には巻上ドラム105が搭載され、巻上ドラム105の駆動により巻上ロープ106が巻き取りまたは繰り出され、ブーム先端から吊り下げられたフック107を介して吊り荷が昇降する。
【0008】
図1の油圧回路は、エンジン(不図示)により駆動される油圧ポンプ1と、油圧ポンプ1から吐出される圧油によって駆動する油圧モータ2と、油圧ポンプ1から油圧モータ2への圧油の流れを制御する方向制御弁3と、方向制御弁3と油圧モータ2とを接続する一対の主管路4a,4bと、ポートp1〜p4を介して主管路4a、4bに介装されたカウンタバランス弁10とを有する。油圧モータ2の出力軸の回転は巻上ドラム105に伝達され、油圧モータ2により巻上ドラム105が巻上および巻下駆動される。
【0009】
図2は、カウンタバランス弁10の構成を概略的に示す断面図である。カウンタバランス弁10は、バルブボディ11と、バルブボディ11内に摺動可能に収容されたスプール12とを有する。バルブボディ11の内周面には周方向に溝111〜113が形成されている。溝111は通路L3,L4を介してそれぞれポートP3,P4に連通し、溝112は通路L2を介してポートP2に連通し、溝113は通路L1を介してポートP1に連通している。
【0010】
スプール12は、第1ランド121と第2ランド122と第3ランド123とを有する。第1ランド121と第2ランド122の間には、溝111に対向して周方向にわたって通路21が形成され、第2ランド121と第3ランド122の間には、溝112に対向して周方向にわたって通路22が形成されている。また、第3ランド123の周囲には溝113により通路23が形成されている。通路22は、チェック弁13を介して通路L1に連通している。
【0011】
バルブボディ11内の一端側には、スプール12の一端面に面して油室24が形成され、バルブボディ11内の他端側には、スプール12の他端面に面して油室25が形成されている。バブルボディ11の他端側端面にはバルブボディ110が取り付けられ、油室25はバルブボディ110にかけて連設されている。油室24は、固定絞り15を介して通路21に連通し、油室25は、チェック弁14を介して通路23に連通するとともに、バルブボディ110内に設けられた可変絞り機構30を介して通路L1に連通している。
【0012】
油室には25コイルばね16が介装され、スプール12はばね力により常時矢印A方向に付勢されている。スプール12の一端面には油室24内の油圧力が、他端面には油室25内の油圧力とばね16の付勢力がそれぞれ作用し、スプール12はこれらの力の大小によりバルブボディ11内を摺動する。図示のようにスプール12が矢印A方向に最大に移動している状態では、通路22と通路23の間の開口部26が閉塞され、通路22から通路23への油の流れが阻止される。スプール12が矢印B方向に移動して開口部26が開口すると、通路22から通路23への油の流れが可能となる。
【0013】
カウンタバランス弁10の動作を図1の油圧回路により説明する。図1において、方向制御弁3は図示しない操作レバーにより操作される。方向制御弁3が位置a側に操作されると、油圧ポンプ1からの圧油は、カウンタバランス弁10内のチェック弁13および通路22を経て油圧モータ2に供給される。これにより油圧モータ2が巻上方向に回転し、ドラム105が巻上駆動される。
【0014】
その後、方向制御弁3が中立位置に戻し操作されると、油圧モータ2の巻上方向の回転が停止する。このとき、スプール12はばね16の付勢力によって矢印A方向に押動され、開口部26が閉塞される。このため、通路22から通路23への圧油の流れが阻止され、吊り荷108の自重により油圧モータ2が逸走することを防止でき、吊り荷108の落下を防ぐことができる。
【0015】
一方、方向制御弁3が位置b側に操作されると、油圧ポンプ1からの圧油は、カウンタバランス弁10内の通路21を経て油圧モータ2に供給される。このとき、スプール12の一端側の油室24には絞り15を介してモータ駆動圧が導かれ、スプール12はばね16の付勢力および油室25内の油圧力に抗して矢印B方向に移動する。これにより開口部26が開放されて通路22から通路23へと戻り油が流れ、油圧モータ2が巻下方向に回転し、ドラム105が巻下駆動される。
【0016】
この際、油室25からの油の排出量は可変絞り機構30によって制限されるが、本実施の形態では可変絞り機構30の絞り量を調整することでカウンタバランス弁10の応答性を調整する。例えば、バケット作業のように急な巻下操作を多用する場合には、カウンタバランス弁10の応答性を高める必要があり、その場合には絞り量を大きめに設定する。一方、ハンチングが問題となるような作業では、応答性を鈍らせる必要があり、その場合には絞り量を小さめに設定する。
【0017】
ところで、絞り量の設定は、カウンタバランス弁10の加工公差や油温の変化、あるいはスプール12の摺動部の磨耗等の経年変化を考慮して適宜行う必要があり、応答性に与える影響を考慮すると、微妙な調整が必要になる。しかし、油室25内から排出される流量は微小であり、この微小流量を高精度に調整することは難しい。これを容易にするために本実施の形態は、以下のように可変絞り機構30を構成する。
【0018】
図3は、可変絞り機構30の構成を示すバルブボディ110の断面図である。なお、図3は、図2のバルブボディ110を上下方向に反転して示している。バルブボディ110内には、ばね16が介装される油室25に対して略平行に油室41が形成されている。油室41は通路L5を介して油室25に連通するとともに、通路L6を介して通路L1(図2)に連通している。
【0019】
油室41には略円筒形状のケーシング31が収容されている。ケーシング31の内部にはスプール32が挿入され、スプール32はばね33の付勢力により矢印A方向に付勢されている。バルブボディ110の端面には油室41を塞ぐようにキャップ34が取り付けられ、キャップ34によりケーシング31の位置が固定されている。キャップ31の端面には調節ねじ35が貫通して取り付けられ、調節ねじ35とスプール32の端面の間にシール材36が介装されている。調節ねじ35をねじ込み操作すると、ばね33の付勢力に抗してスプール32は矢印B方向に押動される。調節ねじ35の操作量とスプール32の移動量は比例関係にある。
【0020】
ケーシング31の外周面にはシールリング37a〜37cが装着され、シールリング37a〜37cにより油室41の内壁面との間がシールされている。ケーシング31の周面外側には、シールリング37aと37bの間およびシールリング37bと37cの間にそれぞれ周方向にわたって通路42および43が形成されている。通路42,43はそれぞれ通路L5,L6に連通している。
【0021】
図3の要部拡大図である図4に示すように、ケーシング31の内周面には、周方向にわたって凹部311,312が形成され、これら凹部311,312の間に凸部313が形成されている。この凹部311,312と凸部313に対向してスプール32の外周面にもそれぞれ凹部321,322と凸部323が形成されている。
【0022】
凹部311と凹部321の間および凹部312と凹部322の間にはそれぞれ通路44,45が形成され、凸部313と凸部323の間には通路46が形成されている。通路46は、径方向に一定長さS1の環状隙間を有する環状通路であり、この環状通路46において絞り面積は最小となっている。図3に示すようにケーシング31には径方向に複数の貫通穴314,315が開口され、通路42と44および通路43と45はそれぞれ貫通穴314,315を介して連通している。
【0023】
図4(a)は、ばね33の付勢力によりスプール32がA方向に最大に押動された状態、すなわち位置調整前の初期状態を示し、図4(b)は、調節ねじ35のねじ込みによりスプール32をB方向に所定量押動した状態、すなわち調整後の状態を示している。
【0024】
図4(a)に示すように初期状態では、凸部313,323の互いに対向する軸方向長さ、すなわち環状通路46の長さS2が最大である。このとき、通路44から通路45への油の流れに対する環状通路46による流れ抵抗が最大となり、可変絞り機構30の絞り量は最小となる。図4(b)に示すように調整後の状態では、スプール32が移動した分、環状通路46の長さS2が短くなる。これにより環状通路46による流れ抵抗が減少し、絞り量は増加する。
【0025】
ここで、巻下げ駆動時に、図1の油室24内に作用する油圧力によってスプール12が矢印B方向に押動された場合の動作を説明する。この場合、図3に示すように油室25内の油は、通路L5、通路42、および貫通穴314を介して通路44へと流れる。通路44内の油は、環状通路46(絞り)を通過して通路45へと流れ、さらに貫通穴315、通路43、および通路L6を介して図2の通路L1へと流れる。
【0026】
環状通路26による絞りの設定を変更する場合には、調節ねじ35を操作し、スプール32を軸方向に摺動する。この際、調節ねじ35の操作量とスプール32の移動量とは比例するため、調節ねじ35の操作量を調節することで、スプール32を精度よく移動させることができる。調節ねじ35の操作によりスプール32が移動すると、環状通路46の径方向の長さS1(図4)は一定で、軸方向の長さS2のみ変化する。このため、スプール32の移動量に対する絞り量の変化の割合が小さくなり、絞り量を精度よく設定することができ、カウンタバランス弁10の弁特性を微妙に調整することができる。
【0027】
図5(a)は、スプール32の初期状態からの移動量と絞り量の関係を示す図である。図中、f1は、環状通路46により絞りを構成した本実施の形態に係る可変絞り機構30の特性である。f2は、図5(b)に示すようにケーシング310に対して矢印方向に移動するスプール320を有するポペット弁によって絞り460を構成した本実施の形態の比較例の特性である。
【0028】
特性f1に示すように、本実施の形態ではスプール32の移動量の増加に伴い絞り量が直線的に増加し、絞り量の増加の割合が小さい。このため、スプール32の移動により絞り量を精度よく設定することができ、カウンタバランス弁10の弁特性の調整が容易である。また、調節ねじ35の操作量にスプール32の移動量は比例するため、調節ねじ35の操作量と絞りの変化量とが良好に対応し、絞り量を精度よく増減できる。すなわちスプール32の移動量が例えば図のSaである場合もSbである場合も、調節ねじ35の操作量に対して絞り量を一律に変更することができる。
【0029】
これに対し、ポペット弁により絞り460を構成した場合には、特性f2に示すように、スプール320の移動に対する絞り量の増加の割合が大きくなる。このため、調節ねじ35をわずかに操作しただけでも絞り量は大きく変化し、カウンタバランス弁10の弁特性の調整が難しい。また、スプール32の移動量がSaである場合とSbである場合とでは、スプール32の移動量に対する絞りの変化量の割合が大きく異なるため、弁特性を最適に設定するすることは難しい。
【0030】
本実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ばね16が介装される油室25を環状通路46を介して低圧側の通路L1に接続するとともに、調節ねじ35の操作によりスプール32を押動して環状通路46の長さS2を変更することで、可変絞り機構30の絞り量を変更するようにした。これによりスプール32の移動量に対する絞り量の変化の割合が小さくなり、カウンタバランス弁10の弁特性を微妙に調整することができる。その結果、カウンタバランス弁10の加工公差や経時劣化等に拘わらず、バケット作業等を最適に行うことができる。
(2)バルブボディ110内の油室41にケーシング31とスプール32を収容し、ケーシング31の内周面とスプール32の外周面との間に環状通路46を形成するとともに、調節ねじ35によりスプール32を押動して通路長さS2を変更するようにした。これによりバルブボディ11とは別のバルブボディ110によりケーシング31とスプール32と調節ねじ35を一体に構成することができ、可変絞り機構30の構成が容易である。
(3)ケーシング31とスプール32の互いに対向する周面にそれぞれ凹凸部311〜313,321〜323を設け、凸部313と凸部323の間に環状通路46を形成するようにしたので、環状通路46の構成が容易である。
【0031】
なお、上記実施の形態では、図7に模式的に示すように調節ねじ35の操作によりスプール32の位置を調節し、可変絞り手段としての可変絞り機構30の絞り量を調整するようにしたが、他の調整手段によりスプール32の位置を調節するようにしてもよい。例えば図8に示すようにサーボモータ51により調節ねじ35を駆動するようにしてもよい。図9に示すようにスプール32の端部に油室38を設け、この油室38に電磁比例減圧弁52を介して油圧ポンプ53からの圧油を作用させて、スプール32を駆動するようにしてもよい。図10に示すようにスプール32をソレノイド54によって押し込むようにしてもよい。
【0032】
図11に示すようにダイヤル55の操作によりカウンタバランス弁10の弁特性を指令し、この操作量に応じてコントローラ56がモータ51の駆動を制御するようにしてもよい。図12に示すようにコントローラ56に携帯情報端末57を接続し、携帯情報端末57からの指令に応じて電磁比例減圧弁52を制御するようにしてもよい。図13に示すようにメーカ側の送信アンテナ58から通信衛星59および受信アンテナ60を介して送信された指令によりソレノイド54を制御するようにしてもよい。
【0033】
図14に示すように管路4a内の油温を油温センサ61により検出し、油温センサ61からの信号に応じて電磁比例減圧弁52を制御することで、油温に拘わらず一定のカウンタバランス弁10の弁特性を得るようにしてもよい。図15に示すようにポートp2側の管路4a内の圧力を圧力センサ62により検出し、圧力センサ62からの信号に応じて電磁比例減圧弁52を制御することで、サージ圧の発生を抑えるようにしてもよい。図16に示すようにポートp2側の管路4aとスプール32の端部の油室38とをリリーフ弁63を介して接続し、ポートP2側の圧力が所定値以上となったときに、リリーフ弁63を押し開いて油室38に圧力を作用させ、この油圧力によりスプール32を押動してサージ圧を低減するようにしてもよい。
【0034】
バルブボディ11内にケーシング31とスプール32を収容し、ケーシング31の内周面とスプール32の外周面との間に環状通路46を形成したが、ばね16が介装された油室25を低圧側に接続するのであれば、環状通路の形状はいかなるものでもよく、可変絞り弁装置の構成は上述したものに限らない。スプール32の位置を調整することで、環状通路46の長さS2を変更するようにしたが、通路長可変手段の構成はこれに限らない。第1のスプールとしてのスプール12の構成、第2のスプールとしてのスプール32の構成、第1の油室としての油室24の構成、および第2の油室としての油室25の構成も上述したものに限らない。
【0035】
上記実施の形態は、油圧ポンプ1から油圧モータ2への圧油の流れを制御弁としての方向制御弁3により制御するとともに、油圧モータ2の巻下げ駆動時の駆動圧をカウンタバランス弁10の油室24に導くようにしたが、本発明のカウンタバランス弁は他の油圧アクチュエータ駆動用の油圧回路にも適用可能である。例えば長尺ブームの駆動用回路に適用することもできる。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態のウインチ装置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係るウインチ装置の構成を示す油圧回路図。
【図2】図1のカウンタバランス弁の構成を概略的に示す断面図。
【図3】図2の可変絞り機構の構成を示す図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】図3の可変絞り機構の動作特性を示す図。
【図6】図1のウインチ装置が設けられるクレーンの側面図。
【図7】本発明の実施の形態に係るカウンタバランス弁を模式的に示す図。
【図8】図7の第1の変形例を示す図。
【図9】図7の第2の変形例を示す図。
【図10】図7の第3の変形例を示す図。
【図11】図7の第4の変形例を示す図。
【図12】図7の第5の変形例を示す図。
【図13】図7の第6の変形例を示す図。
【図14】図7の第7の変形例を示す図。
【図15】図7の第8の変形例を示す図。
【図16】図7の第9の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1 油圧ポンプ
2 油圧モータ
3 方向制御弁
10 カウンタバランス弁
12 スプール
16 ばね
24,25 油室
30 可変絞り機構
31 ケーシング
32 スプール
35 調節ねじ
46 環状通路
110 バルブボディ
313.323 凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧源からの圧油によって駆動する油圧アクチュエータの駆動回路に設けられるカウンタバランス弁であって、
バルブボディ内の一端側に形成され、前記油圧源からの圧油が導かれる第1の油室と、
前記第1の油室に対向して前記バルブボディ内の他端側に形成された第2の油室と、
前記第2の油室に介装されたばねと、
前記第1の油室と前記第2の油室とにそれぞれ作用する油圧力、および前記ばねの付勢力に応じて前記バルブボディ内を移動し、移動量に応じて前記戻り側管路の通路面積を増減する第1のスプールと、
前記第2の油室からの圧油の排出量を制限する可変絞り手段とを備え、
前記可変絞り手段は、
前記第2の油室を低圧側に接続する環状通路と、
前記環状通路の長さを可変として絞り量を可変とする通路長可変手段とを有することを特徴とするカウンタバランス弁。
【請求項2】
請求項1に記載のカウンタバランス弁において、
前記環状通路および前記通路長可変手段は、それぞれ前記第2の油室に接続される可変絞り弁装置内に設けられ、
前記可変絞り弁装置は、ケーシングと、前記ケーシング内を移動可能な第2のスプールとを有し、
前記環状通路は、前記ケーシングの内周面と前記第2のスプールの外周面との間に形成され、
前記通路長可変手段は、前記第2のスプールの位置を調整可能な調整手段を有することを特徴とするカウンタバランス弁。
【請求項3】
請求項2に記載のカウンタバランス弁において、
前記ケーシングの内周面および前記第2のスプールの外周面にはそれぞれ凹凸部が設けられ、
前記環状通路は、前記ケーシングの内周面から内径側に突出する凸部と前記第2のスプールの外周面から外径側に突出する凸部との間に形成されることを特徴とするカウンタバランス弁。
【請求項4】
油圧ポンプと、
前記油圧ポンプからの圧油によりウインチドラムを駆動する油圧モータと、
前記油圧ポンプから前記油圧モータへの圧油の流れを制御する制御弁と、
前記油圧モータの巻下げ駆動時の駆動圧が前記第1の油室に導かれる請求項1〜3のいずれか1項に記載のカウンタバランス弁とを備えることを特徴とするウインチ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のウインチ装置を備えるクレーン。
【請求項1】
油圧源からの圧油によって駆動する油圧アクチュエータの駆動回路に設けられるカウンタバランス弁であって、
バルブボディ内の一端側に形成され、前記油圧源からの圧油が導かれる第1の油室と、
前記第1の油室に対向して前記バルブボディ内の他端側に形成された第2の油室と、
前記第2の油室に介装されたばねと、
前記第1の油室と前記第2の油室とにそれぞれ作用する油圧力、および前記ばねの付勢力に応じて前記バルブボディ内を移動し、移動量に応じて前記戻り側管路の通路面積を増減する第1のスプールと、
前記第2の油室からの圧油の排出量を制限する可変絞り手段とを備え、
前記可変絞り手段は、
前記第2の油室を低圧側に接続する環状通路と、
前記環状通路の長さを可変として絞り量を可変とする通路長可変手段とを有することを特徴とするカウンタバランス弁。
【請求項2】
請求項1に記載のカウンタバランス弁において、
前記環状通路および前記通路長可変手段は、それぞれ前記第2の油室に接続される可変絞り弁装置内に設けられ、
前記可変絞り弁装置は、ケーシングと、前記ケーシング内を移動可能な第2のスプールとを有し、
前記環状通路は、前記ケーシングの内周面と前記第2のスプールの外周面との間に形成され、
前記通路長可変手段は、前記第2のスプールの位置を調整可能な調整手段を有することを特徴とするカウンタバランス弁。
【請求項3】
請求項2に記載のカウンタバランス弁において、
前記ケーシングの内周面および前記第2のスプールの外周面にはそれぞれ凹凸部が設けられ、
前記環状通路は、前記ケーシングの内周面から内径側に突出する凸部と前記第2のスプールの外周面から外径側に突出する凸部との間に形成されることを特徴とするカウンタバランス弁。
【請求項4】
油圧ポンプと、
前記油圧ポンプからの圧油によりウインチドラムを駆動する油圧モータと、
前記油圧ポンプから前記油圧モータへの圧油の流れを制御する制御弁と、
前記油圧モータの巻下げ駆動時の駆動圧が前記第1の油室に導かれる請求項1〜3のいずれか1項に記載のカウンタバランス弁とを備えることを特徴とするウインチ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のウインチ装置を備えるクレーン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−144823(P2010−144823A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322418(P2008−322418)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(503032946)日立住友重機械建機クレーン株式会社 (104)
【出願人】(592216188)株式会社カワサキプレシジョンマシナリ (67)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(503032946)日立住友重機械建機クレーン株式会社 (104)
【出願人】(592216188)株式会社カワサキプレシジョンマシナリ (67)
【Fターム(参考)】
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