カメラを検出するためのシステム及び方法
カメラを検出するためのシステム及び方法。一実施形態では、照明器が対象領域を照明するが、これに限定されない。カメラはその後、照明された領域の画像の複数の写真を撮り、写真を比較するためアルゴリズムがその後使用され、反射特徴に基づきパイレートカメラを見つけ出す。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2008年8月26日に出願された特許仮出願第61/091,955号「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTING A CAMERA」及び2009年5月8日に出願された特許仮出願第61/176,700号「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTING A CAMERA」の優先権を主張し、その内容が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
多くの人が、プライバシーを必要とし又はプライバシーを望んでいる。写真及び映像に関連にした技術の発達に伴い、記録装置が幅広く使用されるようになった。実際、いまや携帯電話にはカメラが標準装備として備えられている。このような記録装置への容易なアクセスにより、ユーザが簡単にかつ不正に人々及びその私有財産の画像を記録することを可能にしている。
【0003】
映画は通常、消費者メディアで利用可能になる前にまず映画館でリリースされる。この限定的な独占は、制作会社が制作費用を回収することができるよう収益を保証するものである。劇場での映画の上映時に盗撮され(pirated)、その後闇市場でリリースされるという事例が多発している。映画は、ビデオカメラが劇場に隠して持ち込まれ、上映が録画されることによって、盗撮されることが多い。この海賊版ビデオが、その後複製され、違法に消費者へと配布される。映画の海賊行為は、損失利益が年に多額の損失を映画業界に負わせていると推測されている主要な問題である。
【0004】
映画産業界及びカメラ、ビデオ記録装置、その他の光学装置の許可なき使用に関連した問題に取り組む他の人々において、ニーズが存在する。それゆえ、光学装置を検出する優れたシステム及び方法を有することは有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に定めるニーズ及び更なる他のニーズ及び利点は、以下に記載される解決方法及び利点を説明する本実施形態によって対処される。
【0006】
本実施形態の方法は、照明光源と同軸上のターゲット領域の第1の画像を取得すること、照明光源と異なる軸上の標的領域の第2の画像を取得すること、及び第1の画像をフィルタリングし、第2の画像を使用して画像マスクを作成し、画像マスクを第1の画像に適用し、所定のサイズより大きい第1の画像の前景にあるフィーチャを分離することによって第1の画像及び第2の画像を分析することにより再帰性反射を特定することを含むが、これらに限定されない。
【0007】
本実施形態のシステムは、標的領域を照明するための照明システムと、照明システムと同軸上の標的領域の第1の画像を撮るため及び照明システムと異なる軸上の標的領域の第2の画像を撮るための画像取得システムと、プロセッサ及びプロセッサに、第1の画像と第2の画像とを分析することによって、ターゲット領域の再帰性反射(retro-reflection)を特定させるコンピュータコードを有するコンピュータ可読媒体とを含むが、これらに限定されない。
【0008】
本システム及び本方法の他の実施形態が、以下に詳述され、これらもまた本教示の一部をなす。
【0009】
本実施形態及びその他の更なる態様をよりよく理解するために、添付の図面及び詳細な説明が参照され、その範囲は、添付の請求の範囲において挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、携帯用ケースに入った本システムの一実施形態の絵画図である。
【図2】図2は、映画館で使用される隠されたパイレートカメラ(pirate camera)の絵画図である。
【図3A】図3Aは、3つのレンズを使用するシステムの更なる実施形態の絵画図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示される実施形態の概略図である。
【図4】図4は、図3A及び図3Bに示される実施形態の機械配置を示すブロック図である。
【図5】図5は、二軸照明のための単一照明器を使用する本システムの更なる実施形態を示す絵画図である。
【図6】図6は、図5に示す実施形態の機械配置を示すブロック図である。
【図7】図7は、主制御盤の一実施形態の電気配線図である。
【図8A】図8Aは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図8B】図8Bは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図8C】図8Cは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図8D】図8Dは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図9】図9は、2つの走査ミラーを使用する本システムの更なる実施形態を示す概略図である。
【図10】図10は、光学装置を検出する方法の一実施形態を示すブロック図である。
【図11】図11は、画像を処理する方法の一実施形態を示すブロック図である。
【図12】図12は、第2の軸外カメラを使用する本システムの更なる実施形態を示す概略図である。
【図13】図13は、光学装置を検出する方法の別の実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本教示は、本実施形態が示される添付の図面を参照して以下に詳述される。以下の記述は、説明目的のみに提示されており、本教示は、これらの実施形態に限定されるものでない。
【0012】
本教示は、光学検出システム及び方法の分野に関し、カメラ及びビデオ記録機などに限定されないが、特に、隠されたこういった光学装置を検出するためのシステム及び方法に関する。ここに開示されているのは、劇場に限定されないが、こういった場所での「パイレート」カメラの不正な使用を見つけるための方法及びシステムである。実際には、カメラ、ビデオ機器、その他の光学機材の使用を防止したい場所はどこでも本システムの使用に好適である。例としては、スポーツイベント、演劇場、政治的な行事、私的な会合、アートギャラリー、展示会、研究室、製造施設、風呂場、ホテルの部屋、会議、狙撃者からの防御などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
カメラ付き携帯電話及び他の関連消費者向け技術により、どこでも写真及びビデオを撮ることが容易になり、ある程度のプライバシー又は機密性を維持したいと願う人々の間で当然の懸念が生じている。企業は、これらの装置が思想及び独占的情報を容易に盗む方法を与えており、知的財産の安全を危ぶませることから、これらの装置について懸念している。しかしながら、こういった機器を禁止したり没収したりすることは、困難であり、広範な普及及び依存を考慮すると、ますます不適切である。
【0014】
一実施形態では、本システムは、画像取得システム(カメラとも呼ぶ)及び照明器を含むが、これらに限定されない。本実施形態では、対象とする領域を照明器によって光で照明し、対象とする領域の画像を異なる露出度でカメラによって撮りうる。パイレートカメラの画像は、照明器からの光が光学レンズによって反射されるため、異なる露出度で特有の性質を示す。ソフトウェア又はハードウェアにおいて実施されうるアルゴリズムを使用して画像を比較することは、パイレートカメラを特定し見つけ出すことに役に立つが、これに限定されない。
【0015】
再帰性反射を使用した光学機器の検出は、「キャッツアイ(cat’s eye)」反応と呼ばれ、これは、光学システムのレンズに入射する光がレンズシステムの焦点面において集束され、かつこれから反射されるときに発生する。「レンズシステム」は、カメラ、望遠鏡、スコープ光学素子、又は水晶体などのものでありうるが、これらに限定されない。焦点面は、フィルム面、電荷結合素子(CCD)などの電子画像記録装置、又は網膜でありうるが、これらに限定されない。レンズシステムの集光領域(collection area)からの「利得」が通常かなり大きいため、焦点面での反射量は、非常に低くなり得るが、それでも検出可能な再帰信号を生成することができる。
【0016】
光学機器からの再帰反射信号は、照明器(軸上)の調査ビームと同じ視線(LOS)に沿うが、例えばグレア光源といった標的付近にある他の光源も、反応を引き起こさせうる。これらの他のランダムな光源は、「クラッタ」(「グリント」とも呼ばれる)であり、クラッタ除去なしの検出が可能ではあるが、誤検出が多すぎる結果となることが多い。
【0017】
本システムはパイレートカメラに関して以下に記載されるが、本システム及び方法の使用はこれらの特定の装置に限定されない。実際には、任意の種類の光学機器が、本明細書に開示するシステムによって特定可能であり、そのような光学機器を特定することが有益である場合はいつでも本システム及び方法の使用を応用することが可能である。
【0018】
ここで図1を参照すると、携帯用ケース106に入った本システムの一実施形態の絵画図が示されている。本システムは、軸外照明器104、カメラ100及びフィルタ102を含みうるが、本実施形態に限定されない。軸外照明器104は、特定の光の帯域でターゲット領域を照明する。本実施形態では、軸外照明器104は、カメラ100が反射光の入射角内にあるようカメラ100の十分近くにありうる。その結果、軸外照明器104は、ターゲット領域における任意の光学装置から再帰性反射を発生させることができる。一実施形態では、赤外線(IR)照明器を使用しうるが、これに限定されない。他の形態の光も使用されてよく、本教示はこの特定の種類の光に限定されない。IR照明器は、中心波長がおよそ700nmから1600nmの範囲であり、帯域幅がおよそ100nmの近赤外線帯域において使用可能であるが、これらの特定の範囲に限定されない。異なる状況下では多様な帯域幅にある他の種類の光がより適切である場合があり、以下に記載される。例えば、レーザを変わりに使用することができるが、これに限定されない。軸外照明器104は、ターゲット領域に光を供給し、光は光学機器などの特定の物体によって反射され、このことはパイレートカメラの使用を特定するのに役に立つ。
【0019】
本ステムはまた、電荷結合デバイス(CCD)デジタルカメラでありうるカメラ100も含みうるが、本実施形態に限定されない。例えば、CMOS又はフィルムなどのカメラ技術が使用されることができるが、これに限定されない。カメラ100は、軸外照明器104から放射された波長を検出することができ、デジタル処理可能な画像を記録することができる。さらに、カメラ100は、アパーチャー、露出時間その他によって露出を操作する手段を含みうるが、本実施形態に限定されない。
【0020】
カメラ100は、軸外照明器104により供給された光の波長を受けるがその他の全ての波長を拒絶するフィルタ102を含みうるが、本実施形態に限定されない。これは軸外照明器104からの光の真の再帰性反射を特定するのに役に立つ。例えば、軸外照明器104が不可視のIR光を放射する場合、フィルタ102は、反射されたIR光を可視光から隔離するのに役に立ち、反射を特定する援助をするが、これに限定されない。
【0021】
本システムは、持ち運び可能である1つのキットに構成されるか、又は、永久的又は半永久的な態様で場所に個別に設置されうるが、本実施形態に限定されない。携帯用ケース106は、カメラ100、軸外照明器104及びフィルタ102含むので、本システムは、アートギャラリーなどの一時的な場所に容易に運ばれ、持ち込まれることができるが、本実施形態に限定されない。あるいは、映画館などのより永久的な場所は、観客の良好な視界(clear view)を確実にするよう本システムをステージ又はスクリーンに組み込むことを選択しうるが、本実施形態に限定されない。
【0022】
作動中、劇場などの広いターゲット領域は、軸外照明器104によって部分単位で照明されうるが、これに限定されない。カメラ100は、その後、短時間露出画像及び長時間露出画像などの照明領域の多重露出を撮りうるが、これに限定されない。露出量は、露出時間又はアパーチャーのサイズを変更するなどのその他の手段によって制御されうるが、本実施形態に限定されない。複数の画像によって、より信頼できるパイレートカメラの検出方法が提供される。
【0023】
短時間露出画像の露出時間は、以下の画像を得るよう設置されうるが、本実施形態に限定されない。
1.極大点、例えば、パイレートカメラのレンズの中心辺りに、暗い画素に囲まれた反射光を示す明るい画素の明確なピークが見られるが、本実施形態に限定されない。この極大点は、“パイレートカメラ反射”と呼ばれる。
2.パイレートカメラレンズの画像の強度は、検出カメラの最大可能強度に近い。
3.対象とする領域の他の物体の殆どは見えないか又は薄い。
【0024】
長時間露出画像の露出時間は、以下の画像を得るよう設置されうるが、本実施形態に限定されない。
1.パイレートカメラのレンズの画像が、極大点、例えば、暗い画素に囲まれた明るい画素の明確なピークとして依然として見られる。
2.他の物体の画像は、明るく、露光過度でさえあるかもしれない。
【0025】
短時間及び長時間露出に対する現在の露出時間は、それぞれ約80ms及び約750msであるが、これらの特定の範囲に限定されない。正確な露出時間は、レンズサイズ、アパーチャーサイズ及びカメラの感度などの多数の設定/要因に依存する。照明領域にある動かない物が全て、各画像において実質的に同位置に現れるよう、露出の間カメラ100を相対的に静止させておくことは有益でありうるが、本実施形態に限定されない。
【0026】
カメラ100の出力は、パーソナルコンピュータなどの本システムに従いプログラムされうるプロセッサ及び記憶装置(いずれも図1に図示せず)に結合されうるが、本実施形態に限定されない。結合は、隣接したプロセッサへの物理接続であることができ、又は、カメラ100の出力は、無線でプロセッサに接続されてもよいが、本実施形態に限定されない。プロセッサは、ソフトウェアを含みうるか、又は、記憶装置にある画像を処理するためにハードウェアを構成してもよいが、本実施形態に限定されない。
【0027】
プロセッサは、撮影された短時間及び長時間露出画像を以下のアルゴリズムに従い処理しうるが、本実施形態に限定されない。
1.各画像について:
a.極大点を探す。
b.ポジティブを見つけるために所与のサイズ未満の極大点を選択する
2.以下に説明する両方の画像にあるポジティブのみを選ぶ。
【0028】
このようにして、両方の画像にあるポジティブはパイレートカメラであることから、プロセッサはカメラ100によって撮影された画像においてパイレートカメラの存在及び位置を判定しうる。
【0029】
画像にあるポジティブは、パイレートカメラレンズによって反射された軸外照明器104からの光の結果である。ポジティブ(又は反射光)は、以下の特徴を有しうるが、本実施形態に限定されない。
1.殆どの物体よりも明るい強い信号である。例えば、劇場内の暗くなった環境では反射光は容易に特定されるが、これに限定されない。
2.信号は、幅広い範囲の露出レベルの極大である
3.信号は、幅広い範囲の露出レベルにわたっておよそ同じサイズを保つが、他の画像の物体は、照明されると見かけのサイズを変え、他の物体に飽和し「ブリーディング」する。
4.信号の画像が取得されている間、信号は動かない。
【0030】
これらの特徴が、パイレートカメラによって反射された光と他の物体によって反射された光を弁別することを可能にする。
【0031】
パイレートカメラの特有の反射信号の特徴は、以下を理由とするが、本実施形態に限定されない。
1.パイレートカメラレンズからの反射。
2.損なわれた再帰性反射。軸外照明器104の光がパイレートカメラの内部フィルタから跳ね返り、検出カメラ100に戻る。パイレートカメラの内部フィルタは、レンズシステムの焦点から近い(しかし、焦点上ではない)ことから、真の再帰性反射の角度よりもわずかに広い角度で、再帰性反射は光源へと戻る。又は、
3.上の2つの信号の組合せ。
【0032】
本実施形態では、軸外照明器104は、カメラ100が反射光の入射角内にあるようカメラ100の十分近くにありうる。よって、軸外照明器は、ターゲット領域における任意の光学装置から再帰性反射を発生させることができる。高露出(例えば、750msなど)の画像は、全ての背景クラッタからの反射を含む。低露出(例えば、80msなど)の画像は、光学装置からの再帰性反射のみを含む。それゆえ、光学装置は、両方の画像に存在することにより特定されうる。
【0033】
ここで図2を参照して、示されているのは、映画館で使用されている隠されたパイレートカメラの絵画図である。パイレートカメラ110は多様な方法で映画館に隠して持ち込まれ、隠されていることで知られている。例えば、パイレートカメラ110は、ポップコーンの箱112に隠されうる。パイレートカメラ110は、映画館に隠して持ち込まれ、スクリーンが明確に見える態様で位置されうる。パイレートカメラ110は、映画の全編を録画し、その後、複製され、闇市場で売られうる。本明細書に開示するシステムは、パイレートカメラ110がどのように隠されていようとも、パイレートカメラ110のレンズが映画を録画するためにスクリーンに向けられていることから、パイレートカメラ110を特定することができる。本システムをスクリーンにおいて外向きに位置することによって、任意のパイレートカメラ110は、そのレンズから反射される光によって検出されうる。
【0034】
ここで図3Aを参照すると、示されているのは、3つのレンズを使用する本システムの更なる実施形態の絵画図である。本システムは、特定の目的をそれぞれ有する複数のレンズ130を有しうる。例えば、本システムは、軸外照明器104、カメラ100(又は検出レンズ)、及び軸上照明器134を有し、それぞれが動作的に接続されたレンズを有するが、これに限定されない。例えば、各レンズは、ズームレンズ、広角レンズ又は本システムに適切なその他のタイプのレンズであってよいが、これに限定されない。
【0035】
軸外照明器104及び軸上照明器134のための照明光源は、LED128(発光ダイオード)であってよいが、多数の他の波長の光が適切であり、かつ、本システムはこの特定の実施形態に限定されない。パイレートカメラがIR照明器からの再帰性反射をブロックするためにIRフィルタを使用しうるため、LEDが使用されうる。本システムはまた、軸上照明器134を設けるためのビームスプリッタ120及びミラー122を含みうるが本実施形態に限定されない。ミラー122は、軸上照明器134からの光をビームスプリッタ120へ反射することができ、ビームスプリッタ120はその後カメラ100(軸上)の軸に沿ってターゲット領域に光を反射する。ビームスプリッタ120が軸上照明器134からの光をターゲット領域に反射する一方で、ターゲット領域から反射された光をカメラ100へ通過させることも可能である。軸上照明は、パイレートカメラからの真の再帰性反射を見つけ出すのに役に立つ。
【0036】
軸外照明器104は、その後、軸上照明器134による誤検出に対する弁別器(discriminator)として使用されうる。本システムが、軸上照明器134から反射された光によってパイレートカメラ(又はターゲット領域にある他の光学装置)を検出した場合、異なる角度から反射光を得るために軸外照明器104を起動させうる。軸上照明器134と軸外照明器104による反射の比較は、誤検出を最小限にするのに役に立つ。光学機器は、真の再帰性反射のみを示すので、同領域の軸外照明器もまた反射光を反射するならば、それは背景クラッタであるべきであり、パイレートカメラではありえない。本システムは、検出を確認するため続いて調査を行いうるが、本実施形態に限定されない。
【0037】
本システムは、固定カメラ100のレンズの視野よりも広い領域の走査を可能にするパン/チルトトラック124にありうるが、これに限定されない。本システムは、所望のターゲット領域、例えばこれに限定されないが、劇場の観客を映画の間、低レベルの調査光源で複数回にわたって走査しうる。パンする能力は、フィーチャサイズを合理的な形状寸法に保つことができ、より少ない画素数のレンズ及びより少ない電力を必要とする照明光源の使用が可能になるが、本実施形態に限定されない。画素数は、反射光のサイズを測定することによって検出を行うために使用される。例えば、パイレートカメラレンズは、光学レンズの再帰性反射のため、背景クラッタよりも多くの反射を示しうる。本システムは、パン/チルトトラック124がなくても、より多い画素数を有するレンズ及びターゲット領域全体を照明することが可能な電力を有する照明光源とともに使用することができる。
【0038】
本システムはまた、本実施形態に限定されないが、フォレンジック画像取得(forensic image acquisition)を組みこむことができ、検出されたパイレートカメラの近くにいる人々のフォレンジック画像を撮りうる。本システムは、劇場内などの光のレベルが非常に低い中、パイレートカメラ及びパイレートカメラの近傍の操作者の画像を取得しかつ記憶し、この画像を映画館の別の場所に位置するシステムオペレータに無線で送信する能力を組み込むことによってこれを行いうる。
【0039】
本システムは、パイレートカメラの存在を案内係や警備員といった職員に無線で通知しうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、電子メール、MMS技術を介した携帯電話又はポケットベルに対して確信的なカメラ検出(positive camera detection)の警告を送信する方法を組み込むことによってこれを行いうるが、本実施形態に限定されない。この警告は、パイレートカメラ及びその操作者のフォレンジック画像の複製及びターゲット領域(例えば、劇場など)におけるそれらの物理的な位置を含みうるが、本実施形態に限定されない。このように、案内係は、直ちにパイレートカメラ検出の通知を受信することができ、残りの観客に対しては最小限の妨害でもってパイレートカメラ及びその操作者を直ちに見つけ出しうる。
【0040】
本システムの制御及び監視は、完全に遠隔であることができ、殆ど全ての場合において、このような検出は、調査されているパイレートカメラの操作者には知られない。本システムの特徴は、能動的な光源制御、高解像度画像、遠隔ズーム制御、前もってプログラムされた走査制御、遠隔操作及び画像送信、並びに低コストを含みうるが、これらの実施形態に限定されない。
【0041】
ここで図3Bを参照すると、示されているのは、図3Aに図示された実施形態の概略図である。軸上照明器134は、パン及びチルトプラットフォーム138の下に制御盤によって位置合わせされるズームレンズ206を介して固定ミラー122に光を投影する高指向性のLED128を照明光源として使用しうる。光はその後、軸上照明光路118に沿って(二色性)ビームスプリッタ120に投影され、ビームスプリッタ120は光をカメラ100の軸に沿ってターゲット領域に投影する。ターゲット領域にある物体からの照明光の反射は、ビームスプリッタ120、及びズームレンズ206を通ってカメラ100に戻る。反射によって照明されたカメラ画素からの信号は、ローカルPC146に画像として提供され、その後、システムオペレータによって制御される遠隔PC(図3Bに図示せず)に画像を送信するアンテナに対して制御盤によって送信される。システムオペレータによって送信された画像は、反射路がカメラ100の軸上にある場合は、ターゲット領域にあるパイレートカメラ(又は他の光学装置)からの再帰性反射であるか、又は、反射路が無指向性である場合は、背景グリント(クラッタ)であるかのいずれかである。
【0042】
軸外照明器104は、カメラ100の上方(図3Aに示すとおり)に位置することができ、軸上照明器134による誤検出を減らすために使用されうる。LED128からズームレンズ206を介して軸上照明光路119に沿って光が投影される場合、ターゲット領域にある物体からの反射光は、ビームスプリッタ120及びズームレンズ206を通過しカメラ100に戻る。反射によって照明されたカメラ画素からの信号は、ローカルPC146に画像として提供され、システムオペレータによって制御される遠隔PCに画像を送信するアンテナに対して制御盤によって送信される。この場合、軸外照明器104から投影された光によって照明されたパイレートカメラからの再帰性反射は、カメラ100には反射されて戻ってこないので、システムオペレータによって閲覧される画像は、背景グリント(クラッタ)でしかない。よって、軸上照明器134から光が投影されたときに、システムオペレータが反射を得て、制御盤によりパン/チルトトラック124に沿うパンモータ137及びチルトモータ139によってターゲット領域にある同一の場所に向けられている軸外照明器104から光が投影されたときには反射を得ない場合は、この反射はカメラの再帰性反射であり、背景グリントではない。しかしながら、軸上照明器134及び軸外照明器104の両方が同一の場所に向けられている場合にオペレータが反射を得た場合は、その反射は背景グリントである。
【0043】
ターゲット領域にある光学機器を特定するための方法の一実施形態は、第1の軸上にある光源で領域を照明するステップ、照明された領域の第1の画像を撮るステップ、第1の画像における反射特徴によって潜在的な光学装置を特定するステップ、第2の軸上にある光源で潜在的な光学装置を照明するステップ、潜在的な光学装置の第2の画像を撮るステップ、及び第2の画像における反射特徴によって実際の光学装置を特定するステップを含むが、これに限定されない。ローカルPCは、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアを使用することによる二軸照明方法及び画像処理アルゴリズム(以下に詳述する)によって、自動的にパイレートカメラの再帰性反射を検出しうる。
【0044】
リモートPCもまた、本システムの機能を制御するために使用されるコンピュータ可読媒体にコンピュータ命令を有しうる。リモートPCは、これに限定されないが、遠隔に位置するシステムオペレータが無線又はその他でローカルPCを介してシステム機能を制御することを可能にするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を有しうる。リモートPCのそれぞれは、多数の異なるローカルPCを制御しうる。例えば、劇場は、それぞれが本システムを採用する16の異なる上映室を有することができ、かつ、単一のシステムオペレータが単一の場所からその全てを制御し監視しうる。GUIは、パイレートカメラの位置を特定し、潜在的なパイレートカメラの操作者のフォレンジック画像を取得するためにターゲット領域(例えば、劇場)の地図を有し、かつ、ローカルPCと通信しうる。リモートPCは、システムを監視し、警告を受信し、ローカルPCによって提供された画像を記憶するが、これに限定されない。例えば、システムオペレータは、特定の人物を探すために、GUIを介してシステムを制御し、ターゲット領域をパン/ズームすることができるが、これに限定されない。リモートPCは、またローカルPCによって送信された画像をさらに分析しうる。
【0045】
ここで図4を参照すると、示されているのは、図3A及び図3Bに示された実施形態の機械配置を示すブロック図である。本システムは、全ての検出器についてのマスター制御装置として機能するリモートPC144を有しうるが(例えば、1つのリモートPCは、いくつかのローカルPCを制御することができる)、本実施形態に限定にされない。ローカルPC146は、画像処理から動作制御、照明制御までのローカル検出器の全ての機能を扱いうる。カメラ172は、パイレートカメラを検出し、また実時間状況認識としても使用されうるが、本実施形態に限定されない。制御盤170は、照明器(例えば、軸上レンズ174及び軸外レンズ176など)、光センサ164、パンモータ180及びチルトモータ182、全てのレンズを扱うことができ、ローカルPC146と通信しうるが、本実施形態に限定されない。光センサ164は、精度を最適化するためターゲット領域の通常の照明レベルの記録を取りうるが、本実施形態に限定されない。
【0046】
2つのLED(例えば、軸上レンズ174及び軸外レンズ176など)は、検出及び弁別のための主な照明器として機能しうるが、本実施形態に限定されない。軸上及び軸外光のどちらも走査ミラーとともに制御されうる。本システムは、不連続の走査を組み込みうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、映画の上映中に映画館全体を何度もランダムに走査する能力を組み込むことによってこれを行いうる。これは、カムコーダを検出するために装置によって使用されるLEDフラッシュが知覚されるのを最小限にする。
【0047】
本システムはまた、対抗手段緩和を組み込みうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、パイレートカメラ検出システムを欺くよう意図した円偏光フィルタなどの対抗手段を供えたパイレートカメラからの再帰性反射を検出する能力を提供する画像処理アルゴリズムを組み込むことによってこれを行いうる。このように、パイレートカメラの使用者は検出を避けることができない。
【0048】
本システムはまた、短パルス調査を組み込みうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、劇場内で違法に作動しているカムコーダを検出するために非常に短い(例えば、ミリ秒以下)持続時間でパルス化される能力を有する高電力LEDを組み込むことによってこれを行いうる。QinetiQ−NAが開発したドライバは、高精度でミリ秒以下のパルス持続時間でパルス化される能力を有する。これらの持続時間は、観客による知覚を最小限にするために好ましいことがある。
【0049】
ここで図5を参照すると、示されているのは、二軸照明のため単一の照明器を使用するシステムの更なる実施形態を示す絵画図である。軸外照明器104及び軸上照明器134(図3に示す)の代わりに、ミラーコントローラ202によってミラー122が移動可能に制御され、単一の二軸照明器204の使用を可能にしうる。ミラーコントローラ202は、二軸照明器204からの光を反射するようミラー122が必要に応じて位置を変化することを可能にする。例えば、ある位置ではミラー122は、二軸照明器204からの光をビームスプリッタ120へ反射することができ、その後、光は軸上光としてターゲット領域に反射される。別の位置では、ミラーコントローラ202はミラー122をよけるように移動させ(図5に示されるとおり)、二軸照明器204は直接、ターゲット領域に軸外光を放射することができる。軸上又は軸外のいずれかで二軸照明器204によって反射された光は、ビームスプリッタ120を通過し、カメラ100によって記録されうる。ミラーコントローラ202及びミラー122の使用により、位置を変えることが可能になり、第2の照明器の必要性を排除することができる。
【0050】
ここで図6を参照すると、示されているのは、図5に示す実施形態の機械配置を示すブロック図である。メイン制御盤は、本システムの各構成要素の能力を指揮するよう機能する。メイン制御盤は、ローカルPCによってローカルに制御されうる。遠隔PCは、本システムのオペレータが別の位置からローカルPCを制御することを可能にする。このように、検出機器はステージ又は上演領域の近くに観客に向かって目立たないように設置されるが、システムオペレータは、パイレートカメラの調査を制御しながら別の部屋又は遠隔地にいることができる。例えば、システムオペレータは、無線ハンドヘルドコンピュータ装置によって観客席にいて本システムを制御しさえしうるが、これに限定されない。これは、システムオペレータが調査を開始すること、パイレートカメラを特定すること、フォレンジック画像情報を取得するためカメラをズーム及びパンすること、さらにはその他の機能を行うことを可能にする。
【0051】
ここで図7を参照すると、示されているのは、メイン制御盤の一実施形態の電気配線図である。
【0052】
ここで図8A,図8B、図8C及び図8Dを参照すると、示されているのは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。視野(FOV)は、カメラ100からの距離に係わらず、ターゲット領域の走査視野における一定のフットプリント(例えば、座席数など)を保つよう調整される。これは、本システムの光学素子のズーム範囲及び固定ミラーの断面積が遠視野FOV250から近視野FOV254までのターゲット領域の全範囲を含むために可能である。パイレートカメラ(又は他の光学装置)の検出がカメラの焦点面における光源サイズに基づくため、劇場の各列について同じ検出と画像アルゴリズムを使用するためには、範囲に応じて一定のフットプリントを保つことが望ましい。
【0053】
図8Bは、中間視野FOV252における4画素にわたる反射を示し、図8Cは、中間視野/近視野の比率で拡大した中間視野FOV252における反射(中間視野画素/近視野画素にわたる信号平均)を示し、図8Dは、リサンプリングされた反射を示す。一例では光学素子のズーム範囲及び走査ミラーの断面積は、図8A及び図8Bに示すとおり近視野FOV254におけるカメラ100の焦点面における画像の光源サイズを維持するのに十分でないことがある。結果として、図8Cに示すとおり、カメラから中間視野FOV252を調節するためのズーム光学素子の限界までの距離及びカメラから近視野FOV254までの距離の比率だけ画像のサイズが増加する。それゆえ、一例では、近視野における解像度を、ターゲット領域の他の部分で撮られた画像と同じレベルまで下げるようデジタルリサンプリングが採用されうる。一例では、これは、図8Cに示すとおり画像を拡大した同一の比率に等しい画素数にわたって信号強度を平均化することによって達成されうる。図8Aに示すとおり、それぞれの近視野走査のFOV外にある画像の部分は、先行の及び後続の走査によって撮られ、図8Dに示すとおりリサイズした画像に加えられる。
【0054】
ここで図9を参照すると、示されているのは、2つの走査ミラーを採用する本システムの更なる実施形態を示す概略図である。本実施形態において、この例では高指向性LEDである二軸照明器204は、制御盤170によって位置付けられたズームレンズ206を介して複数の位置に移動可能であるミラー122へと光を投影する。制御盤170からの信号によって制御され、これに限定されないが、電磁石でありうるミラーコントローラ202(図示のとおり)によってミラー122が下位置に位置付けられると、光は、(二色性)ビームスプリッタ120に投影され、軸上照明器光118として軸上走査ミラー212へ反射される。軸上走査ミラー212は、パン/チルトモータ214及び関連付けられたパン/チルトコントローラ216によって制御される。軸上走査ミラー212は、パン/チルトモータ214によって走査運動時に上下左右に光を投影する。
【0055】
照明光の反射は、ターゲット領域における物体によって反射され、軸上走査ミラー212によって受光され、ビームスプリッタ120及びカメラレンズ222を通過し、カメラ100に投影される。撮られた画像における反射によって照明されている画素は、ローカルPCによって処理され、制御盤170によって無線ネットワークカード224に送信され、無線ネットワークカード224はこの画像をシステムオペレータによって制御される遠隔PCに送信する。システムオペレータによって閲覧される画像は、反射路がカメラの軸上にあればパイレートカメラからの再帰性反射であり、反射路が無指向性であれば背景グリントでありえる。
【0056】
制御盤170によって制御されるミラーコントローラ202が、電磁石をオフにすることなどによってミラー122が上方位置に位置付けられると、光は、軸外照明光路119に沿って、パン/チルトモータ214及び関連付けられたパン/チルトコントローラ216によって制御される軸外走査ミラー210に投影される。軸外走査ミラー210は、パン/チルトモータ214によって制御され、光を走査運動時に上下左右に投影する。ターゲット領域における物体からの反射は、その後、軸外走査ミラー212によって受光され、ビームスプリッタ120及びカメラレンズ222を通過しカメラ100に投影される。ターゲット領域における物体による反射によって照明された撮られた画像における画素は、ローカルPC146によって結像され、制御盤170によって無線ネットワークカード224に送信され、無線ネットワークカード224は、この画像をシステムオペレータによって制御されるリモートPCに送信する。
【0057】
この場合、軸外走査ミラー210によって投影された反射光はカメラ100の軸外にあるので、システムオペレータによって閲覧される画像は、背景グリント(クラッタ)でしかない。軸外走査ミラー210から投影された光によって照明されたパイレートカメラからの再帰性反射は、カメラ100には反射されて戻ってこない。よって、軸上走査ミラー212から光が投影されたときに、オペレータが反射を得て、同一の位置に向けられた軸外走査ミラー210から光が投影されたときに反射を得ない場合は、この反射はパイレートカメラの真の再帰性反射であり、背景グリントではない。しかし、軸上走査ミラー212及び軸外走査ミラー210の両方が同一の場所に向けられている場合にシステムオペレータが反射を得た場合は、その反射は背景グリント(クラッタ)である。
【0058】
走査ミラーは、非連続走査に採用されうる。これは、ターゲット領域にいる人々がLEDフラッシュを知覚するのを最小限にする。典型的には、軸上走査ミラー212及び軸外走査ミラー210は、同一の方向を狙うよう同期されている。このように、軸上走査ミラー212は、二軸照明器204からの光を分光し、かつ、ターゲット領域にある物体からの反射を収集しうる。反射が発見された場合、それは、光学装置からの再帰性反射でありうる。軸外光はその後、誤検出を弁別するために使用されうる。軸外走査ミラー210は、二軸照明器204からの軸外光を分光し、軸状走査ミラー212はターゲット領域にある物体からの反射を再び収集しうる。軸上光反射が発見されたのと同じスポットで軸外光反射が発見された場合、それは光学装置からの真の再帰性反射ではなく、背景クラッタである。
【0059】
ここで図10を参照すると、示されているのは、光学装置を検出するための方法の一実施形態を示すブロック図である。複数の軸上の照明光源を使用することで、誤検出を減らすことが可能である。軸上照明はまず、ターゲット領域にある潜在的な光学装置を再帰性反射によって特定するのに使用されうる。光学装置は、再帰性反射を軸上にのみ示すことができるので、連続した軸外照明光源が次いで使用される。潜在的な光学装置もまた軸外照明光源からの光を反射する場合、それは光学装置ではない。
【0060】
第1の軸上にある光源で領域を照明するステップ、照明された領域の第1の画像を撮るステップ、第1の画像における反射特徴によって潜在的な光学装置を特定するステップ、第2の軸上にある光源で潜在的な光学装置を照明するステップ、潜在的な光学装置の第2の画像を撮るステップ、及び、第2の画像における反射特徴によって実際の光学装置を特定するステップが実行されうるが、これに限定されない。
【0061】
ここで図11を参照すると、示されているのは、画像処理方法の一実施形態を示すブロック図である。ローカルPCは、撮られた画像における潜在的な光学装置の再帰性反射を特定する画像処理アルゴリズムを採用するソフトウェアを実行するコンピュータ可読媒体を有しうるが、これに限定されない。アルゴリズムは、撮られた画像と比較するために、照明されていない画像及び軸外画像の特徴を使用しうる。真の再帰性反射は、識別可能な反射特徴を示すので、アルゴリズムは、最小サイズでの反射を特定することができる。
【0062】
アルゴリズムにおける閾値が使用可能である。感度を上昇させることは、円偏光子又は他の対抗措置を備えた光学措置を検出する利点を有しうる。不利な点としては、人の目による再帰性反射の誤検出を含みうる。これを緩和するために、本システムは、検出位置を追跡し比較するために同一の場所で複数回調査を行いうる。青色LED照明光源もまた、人の目からの光の反射をかなり少なくするよう使用されうる。
【0063】
次のステップが実行されうるが、これに限定されない:軸上画像にハイパスフィルタを適用するステップ、非照明画像及び軸外画像からマスクを作成するステップ、フィルタリングされた軸上画像にマスクを適用するステップ、自動閾値結果、及び特定のサイズのフィーチャを受け入れるステップ。
【0064】
画像処理アルゴリズムの一実施形態では、1つのカメラ又は複数のカメラはまず、処理及び分析のため対象領域のいくつかの画像を撮りうるが、これに限定されない。画像は、1)照明されたターゲット領域の軸上画像、2)照明されたターゲット領域の軸外画像、及び3)ターゲット領域の非照明の画像を含みうるが、これらに限定されない(後述される複数の画像が撮られうる)。これらの当初の画像のそれぞれはまず、最小光学ズーム距離より短い距離で撮られている場合、リサイズされる。リサイズは、最小光学ズーム距離で実際の距離を割ったものに等しい「距離比率」に基づきうる。リサイズは、全ての距離について画像のフィーチャを標準化する働きをする。
【0065】
得られた画像は、ターゲット領域で発見された光学装置の再帰性反射を特定するために使用されうる。画像処理に使用される「ワーキング画像(working image)」は、単一の非照明画像を得るために、全ての非照明画像の各画素位置における最大画素値を算出することによって作成されうる「最大静止背景画像」から開始されうるが、これに限定されない。複数の非照明画像を撮ることは、スクリーン及びランニングライトなどの異なる照明周波数を有するライトといった周囲の光による照明のばらつきを減らす。
【0066】
ワーキング画像は、後続の処理に使用される新しいワーキング画像を作成するためにその後軸上画像から取り除かれるが、これに限定されない。これは、静止照明光源を最小化し、固有のカメラノイズを無効にする働きをする。一例では、ワーキング画像は、ローパスフィルタでコンボルブされるが、これに限定されない。一例では、3×3のガウスフィルタ核が使用されうるが、これに限定されない。
【数1】
【0067】
ローパスフィルタは、高周波数のディテール(例えば、ぶれ)を取り除き、エイリアシング及び浅くなった被写界深度によって引き起こされる光学的な差を低減させる。
【0068】
次に、一例では、ワーキング画像は、ハイパスフィルタでコンボルブされうるが、これに限定されない。一例では、5×5ハイパスフィルタ核が使用されうるが、これに限定されない。ハイパスフィルタは、低周波数を取り除き、背景信号から再帰性反射信号を分離することによって高周波数のディテールを抽出する(例えば、鮮明化する)。
【0069】
画像マスクは、対象領域における全ての反射源を強調させるために作成されうるが、これに限定されない。画像マスクは、単一の画像を得るために、全ての非照明画像及び軸外画像の各画素位置における最大画素値を算出することよる最大画像の形成から開始する。この最大画像から、有限の時間に関する全ての反射光源及び照明光源が集められる。最大画像はその後、エイリアシング及び浅くなった被写界深度によって引き起こされる光学的な差を低減させるため、ローパスフィルタを使用してぼかされる。画像マスクはその後、背景から再帰性反射を分離するため、ハイパスフィルタを使用して鮮明化される。最大フィルタはその後、最大画像をローパスフィルタリングして得られた画像に適用されうる。一例では、これに限定されないが、最大フィルタは5×5ウィンドウであることができ、これは、画像を1画素ずつスライドし、5×5ウィンドウの各画素における画素値を同一ウィンドウ内で見つかった最大値に設定しうる。このことは、コントラストを上昇させ、任意のフィーチャのサイズを拡大する。ウィンドウを1画素ずつスライドすることで、画素のサブセットとは対照的に、個別の画素ごとの周辺領域がサンプリングされる。一例では、256ビンを使用するバイナリ閾値に基づくヒストグラムは、最大フィルタを適用して得られた画像に適用されうる。閾値は、経験的に決定されうる所定の値に基づきヒストグラムを使用し画像に適用されうる。この閾値を適用することは、前景(信号)を背景(ノイズ)から分離する。閾値を適用して得られた画像は、画像マスクと呼ばれうる。
【0070】
画像マスクは、その後2つの画像を掛け合わせることによってワーキング画像に適用されうるが、これに限定されない。このことは、スクリーン照明又は軸外照明によって生じる反射の潜在的な源をマスクすることによって誤検出率を最小限にする。
【0071】
一実施形態では、クラスタ分析又はパターン認識の技術を使用して、信号(前景)はノイズ(背景)から分離される。一例では、ISODATA(Iterative Self-Organizing Data Analysis Techniques)アルゴリズムが次いでワーキング画像に適用され、閾値を見つけ出しうるが、これに限定されない。(例えば、「Thresholding Using the ISODATA Clustering Algorithm」 IEEE Transactions on Systems Man and Cybernetics, Volume 10, Issue 11, Date: Nov. 1980, Pages: 771-774を参照。この内容は参照により本明細書中に組み込まれる。)これは、7×7ウィンドウを使用することで達成されうるが、これに限定されない。
【数2】
f=前景であり、b=背景である。
【0072】
第1に、周辺領域の中間画素値でありうる開始閾値が選ばれる。閾値を上回る画素数(前景)及び閾値を下回る画素数(背景)は、実行中のサブトータルでカウントされる。新しい閾値は、((前景トータル/前景カウント)+(背景トータル/背景カウント))/2に等しくありうる。新しい閾値が以前の閾値に等しい場合、その後ウィンドウ内の画素は、新しい閾値を使用しうるか、そうでなければこのプロセスが繰り返される。これは、前景(信号)を背景(ノイズ)から分離する働きをする。これらの教示は、ISODATAアルゴリズムのみに限定されず、他のクラスタ分析及びパターン認識アルゴリズムはこれらの教示の範囲内である(例えば、「Handbook of Pattern Recognition and Image Processing」 T.Y. Young and K.S.Fu, Chapter 2, pp. 33-57, 1986, ISBN 0-12-774560−2を参照。この内容は参照により本明細書に組み込まれる。)
【0073】
最後に、一実施形態では、最大再帰性反射サイズよりも大きい可能性がある信号(前景)に見つかったフィーチャは除外される。一例では、フェーチャサイズ弁別は、クラスタ化オペレーションから得られる画像、又は所定のサイズのウィンドウを使用したワーキング画像と画像マスクとを掛け合わせた結果得られた画像(このどちらも結果として得られたワーキング画像又は単にワーキング画像と呼ばれる)に実行されうる。1つの例示的な実施形態では、11×11ウィンドウが使用されるが、これに限定されない。フィーチャサイズ弁別は、ブロブ、すなわち2つ以上などの画素のグループがウィンドウ内にあるかどうか判定する。ブロブ及びそのエッジの全てがウィンドウ領域内にある場合、サイズ制約を満たすが、ブロブがウィンドウの境界を越えて延在する場合、ブロブはサイズ制約を満たさない。このプロセスは、最大再帰性反射サイズより大きい、前景に見つかったフィーチャを排除するのに役に立つ。
【0074】
ここで図12を参照すると、示されているのは、第2の軸外カメラ262を使用するシステムのさらに別の実施形態を示す概略図である。この実施形態は、2つのカメラ及び単一の二軸照明器204を使用するが、これに限定されない。この実施形態は、照明されたターゲット領域の画像を同時に2つ撮ることによって、光学装置の検出を可能にする。二軸照明器204は、光を軸上照明光路118に沿ってビームスプリッタ120を介し、ターゲット領域に分散させるため軸上走査ミラー212に投射する。ターゲット領域からの反射は、軸上走査ミラー212によって受光され、ビームスプリッタ120に戻され、ここで反射されてカメラ100に戻される。
【0075】
同時に、反射光は、軸外走査ミラー210によって受光され、軸外反射光路260を通過し、軸外カメラ262に到達する。二軸照明器204からの再帰性反射がカメラ100によってのみ受光されることから、ターゲット領域の1回の照明で光学装置は特定される。軸上走査ミラー212及び軸外走査ミラー210の両方が同一の照明領域に向けられているときに軸外カメラ262も反射を捕捉する場合、それは、再帰性反射ではなく、背景グリントであるはずである。
【0076】
ここで図13を参照すると、示されているのは、光学装置を検出するための方法の別の実施形態を示すフロー図である。次のステップが実行されるが、これに限定されない:照明光源と同軸上のターゲット領域の第1の画像を取得するステップ、照明光源と異なる軸上のターゲット領域の第2の画像を取得するステップ、及び、第1の画像をフィルタリングし、第2の画像を使用して画像マスクを作成し、画像マスクを第1の画像に適用し、所定のサイズより大きい第1の画像の前景にあるフィーチャを分離することで第1の画像と第2の画像を分析することによりターゲット領域内の再帰性反射を特定するステップ。
【0077】
本明細書において使用される「照明器」という用語は、電磁放射の任意の光源をいい、LED、赤外線光又は他の形態の光に限定されない。上述のとおり、異なる波長の電磁放射は、特定の状況では好適であり、かつ、任意の波長で光学装置において再帰性反射を生成する照明器が本システムに使用されうる。
【0078】
同様に、本明細書において使用される「カメラ」という用語は、任意の画像取得システムをいう。カメラは、光学的、電子的及び/又は機械的構成要素を備えうる。上述のとおり、光学装置を検出するために使用されうる、ターゲット領域の画像を取得できることを必要とする。
【0079】
特定の実施形態において本教示が上に説明されたが、これらの開示された実施形態に限定されないことが理解されるべきである。多数の変形及び他の実施形態が、本分野の当業者には思案され、かつ、本開示及び添付のクレームによって意図されておりこの範囲にある。本教示の範囲が、本明細書及び添付の図面における開示によって当業者が理解するとおり、添付のクレーム及びその法的な均等物の適切な解釈及び説明によって画定される。
【背景技術】
【0001】
本出願は、2008年8月26日に出願された特許仮出願第61/091,955号「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTING A CAMERA」及び2009年5月8日に出願された特許仮出願第61/176,700号「SYSTEM AND METHOD FOR DETECTING A CAMERA」の優先権を主張し、その内容が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0002】
多くの人が、プライバシーを必要とし又はプライバシーを望んでいる。写真及び映像に関連にした技術の発達に伴い、記録装置が幅広く使用されるようになった。実際、いまや携帯電話にはカメラが標準装備として備えられている。このような記録装置への容易なアクセスにより、ユーザが簡単にかつ不正に人々及びその私有財産の画像を記録することを可能にしている。
【0003】
映画は通常、消費者メディアで利用可能になる前にまず映画館でリリースされる。この限定的な独占は、制作会社が制作費用を回収することができるよう収益を保証するものである。劇場での映画の上映時に盗撮され(pirated)、その後闇市場でリリースされるという事例が多発している。映画は、ビデオカメラが劇場に隠して持ち込まれ、上映が録画されることによって、盗撮されることが多い。この海賊版ビデオが、その後複製され、違法に消費者へと配布される。映画の海賊行為は、損失利益が年に多額の損失を映画業界に負わせていると推測されている主要な問題である。
【0004】
映画産業界及びカメラ、ビデオ記録装置、その他の光学装置の許可なき使用に関連した問題に取り組む他の人々において、ニーズが存在する。それゆえ、光学装置を検出する優れたシステム及び方法を有することは有益である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に定めるニーズ及び更なる他のニーズ及び利点は、以下に記載される解決方法及び利点を説明する本実施形態によって対処される。
【0006】
本実施形態の方法は、照明光源と同軸上のターゲット領域の第1の画像を取得すること、照明光源と異なる軸上の標的領域の第2の画像を取得すること、及び第1の画像をフィルタリングし、第2の画像を使用して画像マスクを作成し、画像マスクを第1の画像に適用し、所定のサイズより大きい第1の画像の前景にあるフィーチャを分離することによって第1の画像及び第2の画像を分析することにより再帰性反射を特定することを含むが、これらに限定されない。
【0007】
本実施形態のシステムは、標的領域を照明するための照明システムと、照明システムと同軸上の標的領域の第1の画像を撮るため及び照明システムと異なる軸上の標的領域の第2の画像を撮るための画像取得システムと、プロセッサ及びプロセッサに、第1の画像と第2の画像とを分析することによって、ターゲット領域の再帰性反射(retro-reflection)を特定させるコンピュータコードを有するコンピュータ可読媒体とを含むが、これらに限定されない。
【0008】
本システム及び本方法の他の実施形態が、以下に詳述され、これらもまた本教示の一部をなす。
【0009】
本実施形態及びその他の更なる態様をよりよく理解するために、添付の図面及び詳細な説明が参照され、その範囲は、添付の請求の範囲において挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、携帯用ケースに入った本システムの一実施形態の絵画図である。
【図2】図2は、映画館で使用される隠されたパイレートカメラ(pirate camera)の絵画図である。
【図3A】図3Aは、3つのレンズを使用するシステムの更なる実施形態の絵画図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示される実施形態の概略図である。
【図4】図4は、図3A及び図3Bに示される実施形態の機械配置を示すブロック図である。
【図5】図5は、二軸照明のための単一照明器を使用する本システムの更なる実施形態を示す絵画図である。
【図6】図6は、図5に示す実施形態の機械配置を示すブロック図である。
【図7】図7は、主制御盤の一実施形態の電気配線図である。
【図8A】図8Aは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図8B】図8Bは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図8C】図8Cは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図8D】図8Dは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。
【図9】図9は、2つの走査ミラーを使用する本システムの更なる実施形態を示す概略図である。
【図10】図10は、光学装置を検出する方法の一実施形態を示すブロック図である。
【図11】図11は、画像を処理する方法の一実施形態を示すブロック図である。
【図12】図12は、第2の軸外カメラを使用する本システムの更なる実施形態を示す概略図である。
【図13】図13は、光学装置を検出する方法の別の実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本教示は、本実施形態が示される添付の図面を参照して以下に詳述される。以下の記述は、説明目的のみに提示されており、本教示は、これらの実施形態に限定されるものでない。
【0012】
本教示は、光学検出システム及び方法の分野に関し、カメラ及びビデオ記録機などに限定されないが、特に、隠されたこういった光学装置を検出するためのシステム及び方法に関する。ここに開示されているのは、劇場に限定されないが、こういった場所での「パイレート」カメラの不正な使用を見つけるための方法及びシステムである。実際には、カメラ、ビデオ機器、その他の光学機材の使用を防止したい場所はどこでも本システムの使用に好適である。例としては、スポーツイベント、演劇場、政治的な行事、私的な会合、アートギャラリー、展示会、研究室、製造施設、風呂場、ホテルの部屋、会議、狙撃者からの防御などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
カメラ付き携帯電話及び他の関連消費者向け技術により、どこでも写真及びビデオを撮ることが容易になり、ある程度のプライバシー又は機密性を維持したいと願う人々の間で当然の懸念が生じている。企業は、これらの装置が思想及び独占的情報を容易に盗む方法を与えており、知的財産の安全を危ぶませることから、これらの装置について懸念している。しかしながら、こういった機器を禁止したり没収したりすることは、困難であり、広範な普及及び依存を考慮すると、ますます不適切である。
【0014】
一実施形態では、本システムは、画像取得システム(カメラとも呼ぶ)及び照明器を含むが、これらに限定されない。本実施形態では、対象とする領域を照明器によって光で照明し、対象とする領域の画像を異なる露出度でカメラによって撮りうる。パイレートカメラの画像は、照明器からの光が光学レンズによって反射されるため、異なる露出度で特有の性質を示す。ソフトウェア又はハードウェアにおいて実施されうるアルゴリズムを使用して画像を比較することは、パイレートカメラを特定し見つけ出すことに役に立つが、これに限定されない。
【0015】
再帰性反射を使用した光学機器の検出は、「キャッツアイ(cat’s eye)」反応と呼ばれ、これは、光学システムのレンズに入射する光がレンズシステムの焦点面において集束され、かつこれから反射されるときに発生する。「レンズシステム」は、カメラ、望遠鏡、スコープ光学素子、又は水晶体などのものでありうるが、これらに限定されない。焦点面は、フィルム面、電荷結合素子(CCD)などの電子画像記録装置、又は網膜でありうるが、これらに限定されない。レンズシステムの集光領域(collection area)からの「利得」が通常かなり大きいため、焦点面での反射量は、非常に低くなり得るが、それでも検出可能な再帰信号を生成することができる。
【0016】
光学機器からの再帰反射信号は、照明器(軸上)の調査ビームと同じ視線(LOS)に沿うが、例えばグレア光源といった標的付近にある他の光源も、反応を引き起こさせうる。これらの他のランダムな光源は、「クラッタ」(「グリント」とも呼ばれる)であり、クラッタ除去なしの検出が可能ではあるが、誤検出が多すぎる結果となることが多い。
【0017】
本システムはパイレートカメラに関して以下に記載されるが、本システム及び方法の使用はこれらの特定の装置に限定されない。実際には、任意の種類の光学機器が、本明細書に開示するシステムによって特定可能であり、そのような光学機器を特定することが有益である場合はいつでも本システム及び方法の使用を応用することが可能である。
【0018】
ここで図1を参照すると、携帯用ケース106に入った本システムの一実施形態の絵画図が示されている。本システムは、軸外照明器104、カメラ100及びフィルタ102を含みうるが、本実施形態に限定されない。軸外照明器104は、特定の光の帯域でターゲット領域を照明する。本実施形態では、軸外照明器104は、カメラ100が反射光の入射角内にあるようカメラ100の十分近くにありうる。その結果、軸外照明器104は、ターゲット領域における任意の光学装置から再帰性反射を発生させることができる。一実施形態では、赤外線(IR)照明器を使用しうるが、これに限定されない。他の形態の光も使用されてよく、本教示はこの特定の種類の光に限定されない。IR照明器は、中心波長がおよそ700nmから1600nmの範囲であり、帯域幅がおよそ100nmの近赤外線帯域において使用可能であるが、これらの特定の範囲に限定されない。異なる状況下では多様な帯域幅にある他の種類の光がより適切である場合があり、以下に記載される。例えば、レーザを変わりに使用することができるが、これに限定されない。軸外照明器104は、ターゲット領域に光を供給し、光は光学機器などの特定の物体によって反射され、このことはパイレートカメラの使用を特定するのに役に立つ。
【0019】
本ステムはまた、電荷結合デバイス(CCD)デジタルカメラでありうるカメラ100も含みうるが、本実施形態に限定されない。例えば、CMOS又はフィルムなどのカメラ技術が使用されることができるが、これに限定されない。カメラ100は、軸外照明器104から放射された波長を検出することができ、デジタル処理可能な画像を記録することができる。さらに、カメラ100は、アパーチャー、露出時間その他によって露出を操作する手段を含みうるが、本実施形態に限定されない。
【0020】
カメラ100は、軸外照明器104により供給された光の波長を受けるがその他の全ての波長を拒絶するフィルタ102を含みうるが、本実施形態に限定されない。これは軸外照明器104からの光の真の再帰性反射を特定するのに役に立つ。例えば、軸外照明器104が不可視のIR光を放射する場合、フィルタ102は、反射されたIR光を可視光から隔離するのに役に立ち、反射を特定する援助をするが、これに限定されない。
【0021】
本システムは、持ち運び可能である1つのキットに構成されるか、又は、永久的又は半永久的な態様で場所に個別に設置されうるが、本実施形態に限定されない。携帯用ケース106は、カメラ100、軸外照明器104及びフィルタ102含むので、本システムは、アートギャラリーなどの一時的な場所に容易に運ばれ、持ち込まれることができるが、本実施形態に限定されない。あるいは、映画館などのより永久的な場所は、観客の良好な視界(clear view)を確実にするよう本システムをステージ又はスクリーンに組み込むことを選択しうるが、本実施形態に限定されない。
【0022】
作動中、劇場などの広いターゲット領域は、軸外照明器104によって部分単位で照明されうるが、これに限定されない。カメラ100は、その後、短時間露出画像及び長時間露出画像などの照明領域の多重露出を撮りうるが、これに限定されない。露出量は、露出時間又はアパーチャーのサイズを変更するなどのその他の手段によって制御されうるが、本実施形態に限定されない。複数の画像によって、より信頼できるパイレートカメラの検出方法が提供される。
【0023】
短時間露出画像の露出時間は、以下の画像を得るよう設置されうるが、本実施形態に限定されない。
1.極大点、例えば、パイレートカメラのレンズの中心辺りに、暗い画素に囲まれた反射光を示す明るい画素の明確なピークが見られるが、本実施形態に限定されない。この極大点は、“パイレートカメラ反射”と呼ばれる。
2.パイレートカメラレンズの画像の強度は、検出カメラの最大可能強度に近い。
3.対象とする領域の他の物体の殆どは見えないか又は薄い。
【0024】
長時間露出画像の露出時間は、以下の画像を得るよう設置されうるが、本実施形態に限定されない。
1.パイレートカメラのレンズの画像が、極大点、例えば、暗い画素に囲まれた明るい画素の明確なピークとして依然として見られる。
2.他の物体の画像は、明るく、露光過度でさえあるかもしれない。
【0025】
短時間及び長時間露出に対する現在の露出時間は、それぞれ約80ms及び約750msであるが、これらの特定の範囲に限定されない。正確な露出時間は、レンズサイズ、アパーチャーサイズ及びカメラの感度などの多数の設定/要因に依存する。照明領域にある動かない物が全て、各画像において実質的に同位置に現れるよう、露出の間カメラ100を相対的に静止させておくことは有益でありうるが、本実施形態に限定されない。
【0026】
カメラ100の出力は、パーソナルコンピュータなどの本システムに従いプログラムされうるプロセッサ及び記憶装置(いずれも図1に図示せず)に結合されうるが、本実施形態に限定されない。結合は、隣接したプロセッサへの物理接続であることができ、又は、カメラ100の出力は、無線でプロセッサに接続されてもよいが、本実施形態に限定されない。プロセッサは、ソフトウェアを含みうるか、又は、記憶装置にある画像を処理するためにハードウェアを構成してもよいが、本実施形態に限定されない。
【0027】
プロセッサは、撮影された短時間及び長時間露出画像を以下のアルゴリズムに従い処理しうるが、本実施形態に限定されない。
1.各画像について:
a.極大点を探す。
b.ポジティブを見つけるために所与のサイズ未満の極大点を選択する
2.以下に説明する両方の画像にあるポジティブのみを選ぶ。
【0028】
このようにして、両方の画像にあるポジティブはパイレートカメラであることから、プロセッサはカメラ100によって撮影された画像においてパイレートカメラの存在及び位置を判定しうる。
【0029】
画像にあるポジティブは、パイレートカメラレンズによって反射された軸外照明器104からの光の結果である。ポジティブ(又は反射光)は、以下の特徴を有しうるが、本実施形態に限定されない。
1.殆どの物体よりも明るい強い信号である。例えば、劇場内の暗くなった環境では反射光は容易に特定されるが、これに限定されない。
2.信号は、幅広い範囲の露出レベルの極大である
3.信号は、幅広い範囲の露出レベルにわたっておよそ同じサイズを保つが、他の画像の物体は、照明されると見かけのサイズを変え、他の物体に飽和し「ブリーディング」する。
4.信号の画像が取得されている間、信号は動かない。
【0030】
これらの特徴が、パイレートカメラによって反射された光と他の物体によって反射された光を弁別することを可能にする。
【0031】
パイレートカメラの特有の反射信号の特徴は、以下を理由とするが、本実施形態に限定されない。
1.パイレートカメラレンズからの反射。
2.損なわれた再帰性反射。軸外照明器104の光がパイレートカメラの内部フィルタから跳ね返り、検出カメラ100に戻る。パイレートカメラの内部フィルタは、レンズシステムの焦点から近い(しかし、焦点上ではない)ことから、真の再帰性反射の角度よりもわずかに広い角度で、再帰性反射は光源へと戻る。又は、
3.上の2つの信号の組合せ。
【0032】
本実施形態では、軸外照明器104は、カメラ100が反射光の入射角内にあるようカメラ100の十分近くにありうる。よって、軸外照明器は、ターゲット領域における任意の光学装置から再帰性反射を発生させることができる。高露出(例えば、750msなど)の画像は、全ての背景クラッタからの反射を含む。低露出(例えば、80msなど)の画像は、光学装置からの再帰性反射のみを含む。それゆえ、光学装置は、両方の画像に存在することにより特定されうる。
【0033】
ここで図2を参照して、示されているのは、映画館で使用されている隠されたパイレートカメラの絵画図である。パイレートカメラ110は多様な方法で映画館に隠して持ち込まれ、隠されていることで知られている。例えば、パイレートカメラ110は、ポップコーンの箱112に隠されうる。パイレートカメラ110は、映画館に隠して持ち込まれ、スクリーンが明確に見える態様で位置されうる。パイレートカメラ110は、映画の全編を録画し、その後、複製され、闇市場で売られうる。本明細書に開示するシステムは、パイレートカメラ110がどのように隠されていようとも、パイレートカメラ110のレンズが映画を録画するためにスクリーンに向けられていることから、パイレートカメラ110を特定することができる。本システムをスクリーンにおいて外向きに位置することによって、任意のパイレートカメラ110は、そのレンズから反射される光によって検出されうる。
【0034】
ここで図3Aを参照すると、示されているのは、3つのレンズを使用する本システムの更なる実施形態の絵画図である。本システムは、特定の目的をそれぞれ有する複数のレンズ130を有しうる。例えば、本システムは、軸外照明器104、カメラ100(又は検出レンズ)、及び軸上照明器134を有し、それぞれが動作的に接続されたレンズを有するが、これに限定されない。例えば、各レンズは、ズームレンズ、広角レンズ又は本システムに適切なその他のタイプのレンズであってよいが、これに限定されない。
【0035】
軸外照明器104及び軸上照明器134のための照明光源は、LED128(発光ダイオード)であってよいが、多数の他の波長の光が適切であり、かつ、本システムはこの特定の実施形態に限定されない。パイレートカメラがIR照明器からの再帰性反射をブロックするためにIRフィルタを使用しうるため、LEDが使用されうる。本システムはまた、軸上照明器134を設けるためのビームスプリッタ120及びミラー122を含みうるが本実施形態に限定されない。ミラー122は、軸上照明器134からの光をビームスプリッタ120へ反射することができ、ビームスプリッタ120はその後カメラ100(軸上)の軸に沿ってターゲット領域に光を反射する。ビームスプリッタ120が軸上照明器134からの光をターゲット領域に反射する一方で、ターゲット領域から反射された光をカメラ100へ通過させることも可能である。軸上照明は、パイレートカメラからの真の再帰性反射を見つけ出すのに役に立つ。
【0036】
軸外照明器104は、その後、軸上照明器134による誤検出に対する弁別器(discriminator)として使用されうる。本システムが、軸上照明器134から反射された光によってパイレートカメラ(又はターゲット領域にある他の光学装置)を検出した場合、異なる角度から反射光を得るために軸外照明器104を起動させうる。軸上照明器134と軸外照明器104による反射の比較は、誤検出を最小限にするのに役に立つ。光学機器は、真の再帰性反射のみを示すので、同領域の軸外照明器もまた反射光を反射するならば、それは背景クラッタであるべきであり、パイレートカメラではありえない。本システムは、検出を確認するため続いて調査を行いうるが、本実施形態に限定されない。
【0037】
本システムは、固定カメラ100のレンズの視野よりも広い領域の走査を可能にするパン/チルトトラック124にありうるが、これに限定されない。本システムは、所望のターゲット領域、例えばこれに限定されないが、劇場の観客を映画の間、低レベルの調査光源で複数回にわたって走査しうる。パンする能力は、フィーチャサイズを合理的な形状寸法に保つことができ、より少ない画素数のレンズ及びより少ない電力を必要とする照明光源の使用が可能になるが、本実施形態に限定されない。画素数は、反射光のサイズを測定することによって検出を行うために使用される。例えば、パイレートカメラレンズは、光学レンズの再帰性反射のため、背景クラッタよりも多くの反射を示しうる。本システムは、パン/チルトトラック124がなくても、より多い画素数を有するレンズ及びターゲット領域全体を照明することが可能な電力を有する照明光源とともに使用することができる。
【0038】
本システムはまた、本実施形態に限定されないが、フォレンジック画像取得(forensic image acquisition)を組みこむことができ、検出されたパイレートカメラの近くにいる人々のフォレンジック画像を撮りうる。本システムは、劇場内などの光のレベルが非常に低い中、パイレートカメラ及びパイレートカメラの近傍の操作者の画像を取得しかつ記憶し、この画像を映画館の別の場所に位置するシステムオペレータに無線で送信する能力を組み込むことによってこれを行いうる。
【0039】
本システムは、パイレートカメラの存在を案内係や警備員といった職員に無線で通知しうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、電子メール、MMS技術を介した携帯電話又はポケットベルに対して確信的なカメラ検出(positive camera detection)の警告を送信する方法を組み込むことによってこれを行いうるが、本実施形態に限定されない。この警告は、パイレートカメラ及びその操作者のフォレンジック画像の複製及びターゲット領域(例えば、劇場など)におけるそれらの物理的な位置を含みうるが、本実施形態に限定されない。このように、案内係は、直ちにパイレートカメラ検出の通知を受信することができ、残りの観客に対しては最小限の妨害でもってパイレートカメラ及びその操作者を直ちに見つけ出しうる。
【0040】
本システムの制御及び監視は、完全に遠隔であることができ、殆ど全ての場合において、このような検出は、調査されているパイレートカメラの操作者には知られない。本システムの特徴は、能動的な光源制御、高解像度画像、遠隔ズーム制御、前もってプログラムされた走査制御、遠隔操作及び画像送信、並びに低コストを含みうるが、これらの実施形態に限定されない。
【0041】
ここで図3Bを参照すると、示されているのは、図3Aに図示された実施形態の概略図である。軸上照明器134は、パン及びチルトプラットフォーム138の下に制御盤によって位置合わせされるズームレンズ206を介して固定ミラー122に光を投影する高指向性のLED128を照明光源として使用しうる。光はその後、軸上照明光路118に沿って(二色性)ビームスプリッタ120に投影され、ビームスプリッタ120は光をカメラ100の軸に沿ってターゲット領域に投影する。ターゲット領域にある物体からの照明光の反射は、ビームスプリッタ120、及びズームレンズ206を通ってカメラ100に戻る。反射によって照明されたカメラ画素からの信号は、ローカルPC146に画像として提供され、その後、システムオペレータによって制御される遠隔PC(図3Bに図示せず)に画像を送信するアンテナに対して制御盤によって送信される。システムオペレータによって送信された画像は、反射路がカメラ100の軸上にある場合は、ターゲット領域にあるパイレートカメラ(又は他の光学装置)からの再帰性反射であるか、又は、反射路が無指向性である場合は、背景グリント(クラッタ)であるかのいずれかである。
【0042】
軸外照明器104は、カメラ100の上方(図3Aに示すとおり)に位置することができ、軸上照明器134による誤検出を減らすために使用されうる。LED128からズームレンズ206を介して軸上照明光路119に沿って光が投影される場合、ターゲット領域にある物体からの反射光は、ビームスプリッタ120及びズームレンズ206を通過しカメラ100に戻る。反射によって照明されたカメラ画素からの信号は、ローカルPC146に画像として提供され、システムオペレータによって制御される遠隔PCに画像を送信するアンテナに対して制御盤によって送信される。この場合、軸外照明器104から投影された光によって照明されたパイレートカメラからの再帰性反射は、カメラ100には反射されて戻ってこないので、システムオペレータによって閲覧される画像は、背景グリント(クラッタ)でしかない。よって、軸上照明器134から光が投影されたときに、システムオペレータが反射を得て、制御盤によりパン/チルトトラック124に沿うパンモータ137及びチルトモータ139によってターゲット領域にある同一の場所に向けられている軸外照明器104から光が投影されたときには反射を得ない場合は、この反射はカメラの再帰性反射であり、背景グリントではない。しかしながら、軸上照明器134及び軸外照明器104の両方が同一の場所に向けられている場合にオペレータが反射を得た場合は、その反射は背景グリントである。
【0043】
ターゲット領域にある光学機器を特定するための方法の一実施形態は、第1の軸上にある光源で領域を照明するステップ、照明された領域の第1の画像を撮るステップ、第1の画像における反射特徴によって潜在的な光学装置を特定するステップ、第2の軸上にある光源で潜在的な光学装置を照明するステップ、潜在的な光学装置の第2の画像を撮るステップ、及び第2の画像における反射特徴によって実際の光学装置を特定するステップを含むが、これに限定されない。ローカルPCは、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェアを使用することによる二軸照明方法及び画像処理アルゴリズム(以下に詳述する)によって、自動的にパイレートカメラの再帰性反射を検出しうる。
【0044】
リモートPCもまた、本システムの機能を制御するために使用されるコンピュータ可読媒体にコンピュータ命令を有しうる。リモートPCは、これに限定されないが、遠隔に位置するシステムオペレータが無線又はその他でローカルPCを介してシステム機能を制御することを可能にするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を有しうる。リモートPCのそれぞれは、多数の異なるローカルPCを制御しうる。例えば、劇場は、それぞれが本システムを採用する16の異なる上映室を有することができ、かつ、単一のシステムオペレータが単一の場所からその全てを制御し監視しうる。GUIは、パイレートカメラの位置を特定し、潜在的なパイレートカメラの操作者のフォレンジック画像を取得するためにターゲット領域(例えば、劇場)の地図を有し、かつ、ローカルPCと通信しうる。リモートPCは、システムを監視し、警告を受信し、ローカルPCによって提供された画像を記憶するが、これに限定されない。例えば、システムオペレータは、特定の人物を探すために、GUIを介してシステムを制御し、ターゲット領域をパン/ズームすることができるが、これに限定されない。リモートPCは、またローカルPCによって送信された画像をさらに分析しうる。
【0045】
ここで図4を参照すると、示されているのは、図3A及び図3Bに示された実施形態の機械配置を示すブロック図である。本システムは、全ての検出器についてのマスター制御装置として機能するリモートPC144を有しうるが(例えば、1つのリモートPCは、いくつかのローカルPCを制御することができる)、本実施形態に限定にされない。ローカルPC146は、画像処理から動作制御、照明制御までのローカル検出器の全ての機能を扱いうる。カメラ172は、パイレートカメラを検出し、また実時間状況認識としても使用されうるが、本実施形態に限定されない。制御盤170は、照明器(例えば、軸上レンズ174及び軸外レンズ176など)、光センサ164、パンモータ180及びチルトモータ182、全てのレンズを扱うことができ、ローカルPC146と通信しうるが、本実施形態に限定されない。光センサ164は、精度を最適化するためターゲット領域の通常の照明レベルの記録を取りうるが、本実施形態に限定されない。
【0046】
2つのLED(例えば、軸上レンズ174及び軸外レンズ176など)は、検出及び弁別のための主な照明器として機能しうるが、本実施形態に限定されない。軸上及び軸外光のどちらも走査ミラーとともに制御されうる。本システムは、不連続の走査を組み込みうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、映画の上映中に映画館全体を何度もランダムに走査する能力を組み込むことによってこれを行いうる。これは、カムコーダを検出するために装置によって使用されるLEDフラッシュが知覚されるのを最小限にする。
【0047】
本システムはまた、対抗手段緩和を組み込みうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、パイレートカメラ検出システムを欺くよう意図した円偏光フィルタなどの対抗手段を供えたパイレートカメラからの再帰性反射を検出する能力を提供する画像処理アルゴリズムを組み込むことによってこれを行いうる。このように、パイレートカメラの使用者は検出を避けることができない。
【0048】
本システムはまた、短パルス調査を組み込みうるが、本実施形態に限定されない。本システムは、劇場内で違法に作動しているカムコーダを検出するために非常に短い(例えば、ミリ秒以下)持続時間でパルス化される能力を有する高電力LEDを組み込むことによってこれを行いうる。QinetiQ−NAが開発したドライバは、高精度でミリ秒以下のパルス持続時間でパルス化される能力を有する。これらの持続時間は、観客による知覚を最小限にするために好ましいことがある。
【0049】
ここで図5を参照すると、示されているのは、二軸照明のため単一の照明器を使用するシステムの更なる実施形態を示す絵画図である。軸外照明器104及び軸上照明器134(図3に示す)の代わりに、ミラーコントローラ202によってミラー122が移動可能に制御され、単一の二軸照明器204の使用を可能にしうる。ミラーコントローラ202は、二軸照明器204からの光を反射するようミラー122が必要に応じて位置を変化することを可能にする。例えば、ある位置ではミラー122は、二軸照明器204からの光をビームスプリッタ120へ反射することができ、その後、光は軸上光としてターゲット領域に反射される。別の位置では、ミラーコントローラ202はミラー122をよけるように移動させ(図5に示されるとおり)、二軸照明器204は直接、ターゲット領域に軸外光を放射することができる。軸上又は軸外のいずれかで二軸照明器204によって反射された光は、ビームスプリッタ120を通過し、カメラ100によって記録されうる。ミラーコントローラ202及びミラー122の使用により、位置を変えることが可能になり、第2の照明器の必要性を排除することができる。
【0050】
ここで図6を参照すると、示されているのは、図5に示す実施形態の機械配置を示すブロック図である。メイン制御盤は、本システムの各構成要素の能力を指揮するよう機能する。メイン制御盤は、ローカルPCによってローカルに制御されうる。遠隔PCは、本システムのオペレータが別の位置からローカルPCを制御することを可能にする。このように、検出機器はステージ又は上演領域の近くに観客に向かって目立たないように設置されるが、システムオペレータは、パイレートカメラの調査を制御しながら別の部屋又は遠隔地にいることができる。例えば、システムオペレータは、無線ハンドヘルドコンピュータ装置によって観客席にいて本システムを制御しさえしうるが、これに限定されない。これは、システムオペレータが調査を開始すること、パイレートカメラを特定すること、フォレンジック画像情報を取得するためカメラをズーム及びパンすること、さらにはその他の機能を行うことを可能にする。
【0051】
ここで図7を参照すると、示されているのは、メイン制御盤の一実施形態の電気配線図である。
【0052】
ここで図8A,図8B、図8C及び図8Dを参照すると、示されているのは、デジタルリサンプリングを示す概略図である。視野(FOV)は、カメラ100からの距離に係わらず、ターゲット領域の走査視野における一定のフットプリント(例えば、座席数など)を保つよう調整される。これは、本システムの光学素子のズーム範囲及び固定ミラーの断面積が遠視野FOV250から近視野FOV254までのターゲット領域の全範囲を含むために可能である。パイレートカメラ(又は他の光学装置)の検出がカメラの焦点面における光源サイズに基づくため、劇場の各列について同じ検出と画像アルゴリズムを使用するためには、範囲に応じて一定のフットプリントを保つことが望ましい。
【0053】
図8Bは、中間視野FOV252における4画素にわたる反射を示し、図8Cは、中間視野/近視野の比率で拡大した中間視野FOV252における反射(中間視野画素/近視野画素にわたる信号平均)を示し、図8Dは、リサンプリングされた反射を示す。一例では光学素子のズーム範囲及び走査ミラーの断面積は、図8A及び図8Bに示すとおり近視野FOV254におけるカメラ100の焦点面における画像の光源サイズを維持するのに十分でないことがある。結果として、図8Cに示すとおり、カメラから中間視野FOV252を調節するためのズーム光学素子の限界までの距離及びカメラから近視野FOV254までの距離の比率だけ画像のサイズが増加する。それゆえ、一例では、近視野における解像度を、ターゲット領域の他の部分で撮られた画像と同じレベルまで下げるようデジタルリサンプリングが採用されうる。一例では、これは、図8Cに示すとおり画像を拡大した同一の比率に等しい画素数にわたって信号強度を平均化することによって達成されうる。図8Aに示すとおり、それぞれの近視野走査のFOV外にある画像の部分は、先行の及び後続の走査によって撮られ、図8Dに示すとおりリサイズした画像に加えられる。
【0054】
ここで図9を参照すると、示されているのは、2つの走査ミラーを採用する本システムの更なる実施形態を示す概略図である。本実施形態において、この例では高指向性LEDである二軸照明器204は、制御盤170によって位置付けられたズームレンズ206を介して複数の位置に移動可能であるミラー122へと光を投影する。制御盤170からの信号によって制御され、これに限定されないが、電磁石でありうるミラーコントローラ202(図示のとおり)によってミラー122が下位置に位置付けられると、光は、(二色性)ビームスプリッタ120に投影され、軸上照明器光118として軸上走査ミラー212へ反射される。軸上走査ミラー212は、パン/チルトモータ214及び関連付けられたパン/チルトコントローラ216によって制御される。軸上走査ミラー212は、パン/チルトモータ214によって走査運動時に上下左右に光を投影する。
【0055】
照明光の反射は、ターゲット領域における物体によって反射され、軸上走査ミラー212によって受光され、ビームスプリッタ120及びカメラレンズ222を通過し、カメラ100に投影される。撮られた画像における反射によって照明されている画素は、ローカルPCによって処理され、制御盤170によって無線ネットワークカード224に送信され、無線ネットワークカード224はこの画像をシステムオペレータによって制御される遠隔PCに送信する。システムオペレータによって閲覧される画像は、反射路がカメラの軸上にあればパイレートカメラからの再帰性反射であり、反射路が無指向性であれば背景グリントでありえる。
【0056】
制御盤170によって制御されるミラーコントローラ202が、電磁石をオフにすることなどによってミラー122が上方位置に位置付けられると、光は、軸外照明光路119に沿って、パン/チルトモータ214及び関連付けられたパン/チルトコントローラ216によって制御される軸外走査ミラー210に投影される。軸外走査ミラー210は、パン/チルトモータ214によって制御され、光を走査運動時に上下左右に投影する。ターゲット領域における物体からの反射は、その後、軸外走査ミラー212によって受光され、ビームスプリッタ120及びカメラレンズ222を通過しカメラ100に投影される。ターゲット領域における物体による反射によって照明された撮られた画像における画素は、ローカルPC146によって結像され、制御盤170によって無線ネットワークカード224に送信され、無線ネットワークカード224は、この画像をシステムオペレータによって制御されるリモートPCに送信する。
【0057】
この場合、軸外走査ミラー210によって投影された反射光はカメラ100の軸外にあるので、システムオペレータによって閲覧される画像は、背景グリント(クラッタ)でしかない。軸外走査ミラー210から投影された光によって照明されたパイレートカメラからの再帰性反射は、カメラ100には反射されて戻ってこない。よって、軸上走査ミラー212から光が投影されたときに、オペレータが反射を得て、同一の位置に向けられた軸外走査ミラー210から光が投影されたときに反射を得ない場合は、この反射はパイレートカメラの真の再帰性反射であり、背景グリントではない。しかし、軸上走査ミラー212及び軸外走査ミラー210の両方が同一の場所に向けられている場合にシステムオペレータが反射を得た場合は、その反射は背景グリント(クラッタ)である。
【0058】
走査ミラーは、非連続走査に採用されうる。これは、ターゲット領域にいる人々がLEDフラッシュを知覚するのを最小限にする。典型的には、軸上走査ミラー212及び軸外走査ミラー210は、同一の方向を狙うよう同期されている。このように、軸上走査ミラー212は、二軸照明器204からの光を分光し、かつ、ターゲット領域にある物体からの反射を収集しうる。反射が発見された場合、それは、光学装置からの再帰性反射でありうる。軸外光はその後、誤検出を弁別するために使用されうる。軸外走査ミラー210は、二軸照明器204からの軸外光を分光し、軸状走査ミラー212はターゲット領域にある物体からの反射を再び収集しうる。軸上光反射が発見されたのと同じスポットで軸外光反射が発見された場合、それは光学装置からの真の再帰性反射ではなく、背景クラッタである。
【0059】
ここで図10を参照すると、示されているのは、光学装置を検出するための方法の一実施形態を示すブロック図である。複数の軸上の照明光源を使用することで、誤検出を減らすことが可能である。軸上照明はまず、ターゲット領域にある潜在的な光学装置を再帰性反射によって特定するのに使用されうる。光学装置は、再帰性反射を軸上にのみ示すことができるので、連続した軸外照明光源が次いで使用される。潜在的な光学装置もまた軸外照明光源からの光を反射する場合、それは光学装置ではない。
【0060】
第1の軸上にある光源で領域を照明するステップ、照明された領域の第1の画像を撮るステップ、第1の画像における反射特徴によって潜在的な光学装置を特定するステップ、第2の軸上にある光源で潜在的な光学装置を照明するステップ、潜在的な光学装置の第2の画像を撮るステップ、及び、第2の画像における反射特徴によって実際の光学装置を特定するステップが実行されうるが、これに限定されない。
【0061】
ここで図11を参照すると、示されているのは、画像処理方法の一実施形態を示すブロック図である。ローカルPCは、撮られた画像における潜在的な光学装置の再帰性反射を特定する画像処理アルゴリズムを採用するソフトウェアを実行するコンピュータ可読媒体を有しうるが、これに限定されない。アルゴリズムは、撮られた画像と比較するために、照明されていない画像及び軸外画像の特徴を使用しうる。真の再帰性反射は、識別可能な反射特徴を示すので、アルゴリズムは、最小サイズでの反射を特定することができる。
【0062】
アルゴリズムにおける閾値が使用可能である。感度を上昇させることは、円偏光子又は他の対抗措置を備えた光学措置を検出する利点を有しうる。不利な点としては、人の目による再帰性反射の誤検出を含みうる。これを緩和するために、本システムは、検出位置を追跡し比較するために同一の場所で複数回調査を行いうる。青色LED照明光源もまた、人の目からの光の反射をかなり少なくするよう使用されうる。
【0063】
次のステップが実行されうるが、これに限定されない:軸上画像にハイパスフィルタを適用するステップ、非照明画像及び軸外画像からマスクを作成するステップ、フィルタリングされた軸上画像にマスクを適用するステップ、自動閾値結果、及び特定のサイズのフィーチャを受け入れるステップ。
【0064】
画像処理アルゴリズムの一実施形態では、1つのカメラ又は複数のカメラはまず、処理及び分析のため対象領域のいくつかの画像を撮りうるが、これに限定されない。画像は、1)照明されたターゲット領域の軸上画像、2)照明されたターゲット領域の軸外画像、及び3)ターゲット領域の非照明の画像を含みうるが、これらに限定されない(後述される複数の画像が撮られうる)。これらの当初の画像のそれぞれはまず、最小光学ズーム距離より短い距離で撮られている場合、リサイズされる。リサイズは、最小光学ズーム距離で実際の距離を割ったものに等しい「距離比率」に基づきうる。リサイズは、全ての距離について画像のフィーチャを標準化する働きをする。
【0065】
得られた画像は、ターゲット領域で発見された光学装置の再帰性反射を特定するために使用されうる。画像処理に使用される「ワーキング画像(working image)」は、単一の非照明画像を得るために、全ての非照明画像の各画素位置における最大画素値を算出することによって作成されうる「最大静止背景画像」から開始されうるが、これに限定されない。複数の非照明画像を撮ることは、スクリーン及びランニングライトなどの異なる照明周波数を有するライトといった周囲の光による照明のばらつきを減らす。
【0066】
ワーキング画像は、後続の処理に使用される新しいワーキング画像を作成するためにその後軸上画像から取り除かれるが、これに限定されない。これは、静止照明光源を最小化し、固有のカメラノイズを無効にする働きをする。一例では、ワーキング画像は、ローパスフィルタでコンボルブされるが、これに限定されない。一例では、3×3のガウスフィルタ核が使用されうるが、これに限定されない。
【数1】
【0067】
ローパスフィルタは、高周波数のディテール(例えば、ぶれ)を取り除き、エイリアシング及び浅くなった被写界深度によって引き起こされる光学的な差を低減させる。
【0068】
次に、一例では、ワーキング画像は、ハイパスフィルタでコンボルブされうるが、これに限定されない。一例では、5×5ハイパスフィルタ核が使用されうるが、これに限定されない。ハイパスフィルタは、低周波数を取り除き、背景信号から再帰性反射信号を分離することによって高周波数のディテールを抽出する(例えば、鮮明化する)。
【0069】
画像マスクは、対象領域における全ての反射源を強調させるために作成されうるが、これに限定されない。画像マスクは、単一の画像を得るために、全ての非照明画像及び軸外画像の各画素位置における最大画素値を算出することよる最大画像の形成から開始する。この最大画像から、有限の時間に関する全ての反射光源及び照明光源が集められる。最大画像はその後、エイリアシング及び浅くなった被写界深度によって引き起こされる光学的な差を低減させるため、ローパスフィルタを使用してぼかされる。画像マスクはその後、背景から再帰性反射を分離するため、ハイパスフィルタを使用して鮮明化される。最大フィルタはその後、最大画像をローパスフィルタリングして得られた画像に適用されうる。一例では、これに限定されないが、最大フィルタは5×5ウィンドウであることができ、これは、画像を1画素ずつスライドし、5×5ウィンドウの各画素における画素値を同一ウィンドウ内で見つかった最大値に設定しうる。このことは、コントラストを上昇させ、任意のフィーチャのサイズを拡大する。ウィンドウを1画素ずつスライドすることで、画素のサブセットとは対照的に、個別の画素ごとの周辺領域がサンプリングされる。一例では、256ビンを使用するバイナリ閾値に基づくヒストグラムは、最大フィルタを適用して得られた画像に適用されうる。閾値は、経験的に決定されうる所定の値に基づきヒストグラムを使用し画像に適用されうる。この閾値を適用することは、前景(信号)を背景(ノイズ)から分離する。閾値を適用して得られた画像は、画像マスクと呼ばれうる。
【0070】
画像マスクは、その後2つの画像を掛け合わせることによってワーキング画像に適用されうるが、これに限定されない。このことは、スクリーン照明又は軸外照明によって生じる反射の潜在的な源をマスクすることによって誤検出率を最小限にする。
【0071】
一実施形態では、クラスタ分析又はパターン認識の技術を使用して、信号(前景)はノイズ(背景)から分離される。一例では、ISODATA(Iterative Self-Organizing Data Analysis Techniques)アルゴリズムが次いでワーキング画像に適用され、閾値を見つけ出しうるが、これに限定されない。(例えば、「Thresholding Using the ISODATA Clustering Algorithm」 IEEE Transactions on Systems Man and Cybernetics, Volume 10, Issue 11, Date: Nov. 1980, Pages: 771-774を参照。この内容は参照により本明細書中に組み込まれる。)これは、7×7ウィンドウを使用することで達成されうるが、これに限定されない。
【数2】
f=前景であり、b=背景である。
【0072】
第1に、周辺領域の中間画素値でありうる開始閾値が選ばれる。閾値を上回る画素数(前景)及び閾値を下回る画素数(背景)は、実行中のサブトータルでカウントされる。新しい閾値は、((前景トータル/前景カウント)+(背景トータル/背景カウント))/2に等しくありうる。新しい閾値が以前の閾値に等しい場合、その後ウィンドウ内の画素は、新しい閾値を使用しうるか、そうでなければこのプロセスが繰り返される。これは、前景(信号)を背景(ノイズ)から分離する働きをする。これらの教示は、ISODATAアルゴリズムのみに限定されず、他のクラスタ分析及びパターン認識アルゴリズムはこれらの教示の範囲内である(例えば、「Handbook of Pattern Recognition and Image Processing」 T.Y. Young and K.S.Fu, Chapter 2, pp. 33-57, 1986, ISBN 0-12-774560−2を参照。この内容は参照により本明細書に組み込まれる。)
【0073】
最後に、一実施形態では、最大再帰性反射サイズよりも大きい可能性がある信号(前景)に見つかったフィーチャは除外される。一例では、フェーチャサイズ弁別は、クラスタ化オペレーションから得られる画像、又は所定のサイズのウィンドウを使用したワーキング画像と画像マスクとを掛け合わせた結果得られた画像(このどちらも結果として得られたワーキング画像又は単にワーキング画像と呼ばれる)に実行されうる。1つの例示的な実施形態では、11×11ウィンドウが使用されるが、これに限定されない。フィーチャサイズ弁別は、ブロブ、すなわち2つ以上などの画素のグループがウィンドウ内にあるかどうか判定する。ブロブ及びそのエッジの全てがウィンドウ領域内にある場合、サイズ制約を満たすが、ブロブがウィンドウの境界を越えて延在する場合、ブロブはサイズ制約を満たさない。このプロセスは、最大再帰性反射サイズより大きい、前景に見つかったフィーチャを排除するのに役に立つ。
【0074】
ここで図12を参照すると、示されているのは、第2の軸外カメラ262を使用するシステムのさらに別の実施形態を示す概略図である。この実施形態は、2つのカメラ及び単一の二軸照明器204を使用するが、これに限定されない。この実施形態は、照明されたターゲット領域の画像を同時に2つ撮ることによって、光学装置の検出を可能にする。二軸照明器204は、光を軸上照明光路118に沿ってビームスプリッタ120を介し、ターゲット領域に分散させるため軸上走査ミラー212に投射する。ターゲット領域からの反射は、軸上走査ミラー212によって受光され、ビームスプリッタ120に戻され、ここで反射されてカメラ100に戻される。
【0075】
同時に、反射光は、軸外走査ミラー210によって受光され、軸外反射光路260を通過し、軸外カメラ262に到達する。二軸照明器204からの再帰性反射がカメラ100によってのみ受光されることから、ターゲット領域の1回の照明で光学装置は特定される。軸上走査ミラー212及び軸外走査ミラー210の両方が同一の照明領域に向けられているときに軸外カメラ262も反射を捕捉する場合、それは、再帰性反射ではなく、背景グリントであるはずである。
【0076】
ここで図13を参照すると、示されているのは、光学装置を検出するための方法の別の実施形態を示すフロー図である。次のステップが実行されるが、これに限定されない:照明光源と同軸上のターゲット領域の第1の画像を取得するステップ、照明光源と異なる軸上のターゲット領域の第2の画像を取得するステップ、及び、第1の画像をフィルタリングし、第2の画像を使用して画像マスクを作成し、画像マスクを第1の画像に適用し、所定のサイズより大きい第1の画像の前景にあるフィーチャを分離することで第1の画像と第2の画像を分析することによりターゲット領域内の再帰性反射を特定するステップ。
【0077】
本明細書において使用される「照明器」という用語は、電磁放射の任意の光源をいい、LED、赤外線光又は他の形態の光に限定されない。上述のとおり、異なる波長の電磁放射は、特定の状況では好適であり、かつ、任意の波長で光学装置において再帰性反射を生成する照明器が本システムに使用されうる。
【0078】
同様に、本明細書において使用される「カメラ」という用語は、任意の画像取得システムをいう。カメラは、光学的、電子的及び/又は機械的構成要素を備えうる。上述のとおり、光学装置を検出するために使用されうる、ターゲット領域の画像を取得できることを必要とする。
【0079】
特定の実施形態において本教示が上に説明されたが、これらの開示された実施形態に限定されないことが理解されるべきである。多数の変形及び他の実施形態が、本分野の当業者には思案され、かつ、本開示及び添付のクレームによって意図されておりこの範囲にある。本教示の範囲が、本明細書及び添付の図面における開示によって当業者が理解するとおり、添付のクレーム及びその法的な均等物の適切な解釈及び説明によって画定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学装置を検出するシステムであって、
ターゲット領域を照明するための照明システムと、
前記照明システムと同軸上の前記ターゲット領域の第1の画像を撮影し、前記照明システムと異なる軸上の前記ターゲット領域の第2の画像を撮影するための画像取得システムと、
プロセッサ、及びプロセッサに、前記第1の画像と前記第2の画像とを分析することによって前記ターゲット領域の再帰性反射を特定させるコンピュータコードを有するコンピュータ可読媒体と、
を備えるシステム。
【請求項2】
ビームスプリッタをさらに備え、
前記画像取得システムがカメラを備え、
前記照明システムが、前記カメラと同軸上のターゲット領域を照明するための軸上照明器と前記カメラと異なる軸上のターゲット領域を照明するための軸外照明器とを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ビームスプリッタ及び移動可能なミラーをさらに備え、
前記画像取得システムがカメラを備え、
前記照明システムが二軸照明器を備え、
前記移動可能なミラーが第1の位置にあるとき、前記二軸照明器が前記カメラと同軸上の前記ターゲット領域を照明し、前記移動可能なミラーが第2の位置にあるとき、前記二軸照明器が前記カメラと異なる軸上の前記ターゲット領域を照明する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ビームスプリッタをさらに備え、
前記照明システムが照明器を備え、
前記画像取得システムが、前記照明器と同軸上の前記ターゲット領域の画像を撮影するための軸上カメラと前記照明器と異なる軸上の前記ターゲット領域の画像を撮影するための軸外カメラとを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、ローパスフィルタを適用すること及びハイパスフィルタを適用することによって、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記非照明領域の第3の画像を撮るための画像取得システムをさらに備え、プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングする前に、前記第1の画像から前記第3の画像を取り除く、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、画像マスクを作成し、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングした後に前記画像マスクを前記第1の画像に適用する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記画像マスクが前記第2の画像及び前記第3の画像を使用して作成される最大画像を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用する前に、前記画像マスクにローパスフィルタを適用し、かつ、前記画像マスクにハイパスフィルタを適用する、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用する前に、前記画像マスクにおける前記背景から前記前景を分離するために前記画像マスクを拡大する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用する前に、閾値のヒストグラムを前記画像マスクに適用する、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用した後に、前記第1の画像における前記背景から前記前景を分離する、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、所定のサイズより大きい前記第1の画像における前記前景にあるフィーチャを分離する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記照明システムがLED光を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記LED光が約5ミリ秒未満の時間でパルス化される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記LED光を誘導するステアリングミラーをさらに備える請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記画像取得システムに隣接したフィルタをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
光学装置が検出されたときに、人物のフォレンジック画像を取得するためのフォレンジック画像取得システムをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
光学装置が検出されたときに、ユーザに警告を与えるためのユーザ警告システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサ及び前記コンピュータ可読媒体が前記照明システムから遠隔にある請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサ及び前記コンピュータ可読媒体が1つ以上の画像取得システムと通信する請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
光学装置を検出する方法であって、
(a)照明光源と同軸上のターゲット領域の第1の画像を取得するステップと、
(b)前記照明光源と異なる軸上の前記ターゲット領域の第2の画像を取得するステップと、
(c)前記第1の画像をフィルタリングし、前記第2の画像を使用して画像マスクを作成し、前記画像マスクを前記第1の画像に適用し、所定のサイズより大きい前記第1の画像における前記前景にあるフィーチャを分離することによって、前記第1の画像及び前記第2の画像を分析することにより前記ターゲット領域にある再帰性反射を特定するステップと、
を含む、方法。
【請求項24】
前記ターゲット領域が映画館である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
光学装置を検出するためのシステムであって、
照明でターゲット領域を照明するための手段と、
前記照明と同軸上の前記ターゲット領域の第1の画像を取得するための手段と、
前記照明と異なる軸上の前記ターゲット領域の第2の画像を取得するための手段と、
プロセッサと前記ターゲット領域の再帰性反射をプロセッサに特定させるコンピュータコードを有するコンピュータ可読媒体と、を備え、
前記再帰性反射の特定は、前記第1の画像をフィルタリングすることと、前記第2の画像を使用して画像マスクを作成することと、前記画像マスクを前記第1の画像に適用することと、所定のサイズより大きい前記第1の画像における前記前景にあるフィーチャを分離することとによって、行なわれる、
システム。
【請求項1】
光学装置を検出するシステムであって、
ターゲット領域を照明するための照明システムと、
前記照明システムと同軸上の前記ターゲット領域の第1の画像を撮影し、前記照明システムと異なる軸上の前記ターゲット領域の第2の画像を撮影するための画像取得システムと、
プロセッサ、及びプロセッサに、前記第1の画像と前記第2の画像とを分析することによって前記ターゲット領域の再帰性反射を特定させるコンピュータコードを有するコンピュータ可読媒体と、
を備えるシステム。
【請求項2】
ビームスプリッタをさらに備え、
前記画像取得システムがカメラを備え、
前記照明システムが、前記カメラと同軸上のターゲット領域を照明するための軸上照明器と前記カメラと異なる軸上のターゲット領域を照明するための軸外照明器とを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ビームスプリッタ及び移動可能なミラーをさらに備え、
前記画像取得システムがカメラを備え、
前記照明システムが二軸照明器を備え、
前記移動可能なミラーが第1の位置にあるとき、前記二軸照明器が前記カメラと同軸上の前記ターゲット領域を照明し、前記移動可能なミラーが第2の位置にあるとき、前記二軸照明器が前記カメラと異なる軸上の前記ターゲット領域を照明する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
ビームスプリッタをさらに備え、
前記照明システムが照明器を備え、
前記画像取得システムが、前記照明器と同軸上の前記ターゲット領域の画像を撮影するための軸上カメラと前記照明器と異なる軸上の前記ターゲット領域の画像を撮影するための軸外カメラとを備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、ローパスフィルタを適用すること及びハイパスフィルタを適用することによって、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングする、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記非照明領域の第3の画像を撮るための画像取得システムをさらに備え、プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングする前に、前記第1の画像から前記第3の画像を取り除く、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、画像マスクを作成し、再帰性反射を隔離するために前記第1の画像をフィルタリングした後に前記画像マスクを前記第1の画像に適用する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記画像マスクが前記第2の画像及び前記第3の画像を使用して作成される最大画像を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用する前に、前記画像マスクにローパスフィルタを適用し、かつ、前記画像マスクにハイパスフィルタを適用する、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用する前に、前記画像マスクにおける前記背景から前記前景を分離するために前記画像マスクを拡大する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用する前に、閾値のヒストグラムを前記画像マスクに適用する、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、前記画像マスクを適用した後に、前記第1の画像における前記背景から前記前景を分離する、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
プロセッサに再帰性反射を特定させる前記コンピュータコードが、所定のサイズより大きい前記第1の画像における前記前景にあるフィーチャを分離する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記照明システムがLED光を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記LED光が約5ミリ秒未満の時間でパルス化される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記LED光を誘導するステアリングミラーをさらに備える請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記画像取得システムに隣接したフィルタをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
光学装置が検出されたときに、人物のフォレンジック画像を取得するためのフォレンジック画像取得システムをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
光学装置が検出されたときに、ユーザに警告を与えるためのユーザ警告システムをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサ及び前記コンピュータ可読媒体が前記照明システムから遠隔にある請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記プロセッサ及び前記コンピュータ可読媒体が1つ以上の画像取得システムと通信する請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
光学装置を検出する方法であって、
(a)照明光源と同軸上のターゲット領域の第1の画像を取得するステップと、
(b)前記照明光源と異なる軸上の前記ターゲット領域の第2の画像を取得するステップと、
(c)前記第1の画像をフィルタリングし、前記第2の画像を使用して画像マスクを作成し、前記画像マスクを前記第1の画像に適用し、所定のサイズより大きい前記第1の画像における前記前景にあるフィーチャを分離することによって、前記第1の画像及び前記第2の画像を分析することにより前記ターゲット領域にある再帰性反射を特定するステップと、
を含む、方法。
【請求項24】
前記ターゲット領域が映画館である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
光学装置を検出するためのシステムであって、
照明でターゲット領域を照明するための手段と、
前記照明と同軸上の前記ターゲット領域の第1の画像を取得するための手段と、
前記照明と異なる軸上の前記ターゲット領域の第2の画像を取得するための手段と、
プロセッサと前記ターゲット領域の再帰性反射をプロセッサに特定させるコンピュータコードを有するコンピュータ可読媒体と、を備え、
前記再帰性反射の特定は、前記第1の画像をフィルタリングすることと、前記第2の画像を使用して画像マスクを作成することと、前記画像マスクを前記第1の画像に適用することと、所定のサイズより大きい前記第1の画像における前記前景にあるフィーチャを分離することとによって、行なわれる、
システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2012−501588(P2012−501588A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525135(P2011−525135)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/054860
【国際公開番号】WO2010/027772
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511048203)エフピーエスアイ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/054860
【国際公開番号】WO2010/027772
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511048203)エフピーエスアイ,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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