カメラ状態監視装置、カメラ状態監視プログラム及びカメラ状態監視方法
【課題】高精度にカメラの異常を判定する。
【解決手段】複数のカメラC1〜Cnのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部22と、一のカメラから所定距離内に存在し、かつ一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部24と、抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部26と、第1変化率算出部により算出された変化率と、第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、一のカメラの異常を判定する異常判定部28と、を備える。
【解決手段】複数のカメラC1〜Cnのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部22と、一のカメラから所定距離内に存在し、かつ一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部24と、抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部26と、第1変化率算出部により算出された変化率と、第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、一のカメラの異常を判定する異常判定部28と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、カメラ状態監視装置、カメラ状態監視プログラム及びカメラ状態監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラなどのカメラが正常に動作しているかの判定を行う方法として、特許文献1〜3のような方法がある。特許文献1の方法は、一定時間内でのファイルサイズの変化がない場合に、監視カメラの異常と判断するというものである。また、特許文献2の方法は、サンプリング画像が同じ状態が継続した場合に、カメラの異常動作状態と判断するというものである。更に、特許文献3の方法は、圧縮画像のデータサイズを一定時間ごとに算出し、画像サイズが急激に変化するフレームを検索するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−117339号公報
【特許文献2】特開2001−54100号公報
【特許文献3】特開2001−57675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1〜3では、天候などが変化して、景色が急激に変化するような場合を考慮していない。このため、カメラの異常動作と判断されても、その理由が、天候の変化によるものなのか、カメラの故障によるものなのかを判別できないおそれがある。
【0005】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高精度にカメラの異常を判定することが可能なカメラ状態監視装置、カメラ状態監視プログラム及びカメラ状態監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載のカメラ状態監視装置は、記複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部と、前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部と、前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部と、前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、を備えている。
【0007】
本明細書に記載のカメラ状態監視プログラムは、コンピュータを、複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部、前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部、前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部、及び前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、して機能させる。
【0008】
本明細書に記載のカメラ状態監視方法は、複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出ステップと、前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出ステップと、前記カメラ抽出ステップにおいて抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出ステップと、前記第1変化率算出ステップにおいて算出された変化率と、前記第2変化率算出ステップにおいて算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定ステップと、を含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載のカメラ状態監視装置、カメラ状態監視プログラム及びカメラ状態監視方法は、高精度にカメラの異常を判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係るカメラ状態監視装置を含む監視カメラシステムを示すブロック図である。
【図2】監視カメラの配置の一例を示す図である。
【図3】監視カメラの構成を示すブロック図である。
【図4】データベースの構成、及びカメラ異常判定部及び状態推定部でのデータベース利用状況を示すブロック図である。
【図5】カメラメタデータDBを示す図である。
【図6】静止画履歴DBを示す図である。
【図7】異常判定閾値DBを示す図である。
【図8】異常カメラDBを示す図である。
【図9】カメラ異常判定部における処理を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS20のサブルーチンを示す図である。
【図11】図9のステップS30のサブルーチンを示す図である。
【図12】図9のステップS40のサブルーチンを示す図である。
【図13】図9のステップS50のサブルーチンを示す図である。
【図14】図9のステップS60のサブルーチンを示す図である。
【図15】図9のステップS90のサブルーチンを示す図である。
【図16】状態推定部にて行われる処理を示すフローチャートである。
【図17】撮影方角の算出方法を説明するための図である。
【図18】利用者端末に表示されるウィンドウの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、カメラ状態監視装置の一実施形態について、図1〜図18に基づいて詳細に説明する。図1は、カメラ状態監視装置10を含む監視カメラシステム(CCTV(Closed-circuit Television)カメラシステム)100を示すブロック図である。この図1に示すように、監視カメラシステム100は、複数の監視カメラC1〜Cn、これら監視カメラC1〜Cnに接続されたIPエンコーダE1〜En、カメラ状態監視装置10、カメラ制御装置12、及び利用者端末14等を備える。IPエンコーダE1〜En、カメラ状態監視装置10、カメラ制御装置12及び利用者端末14は、IPネットワーク16に接続されている。
【0012】
監視カメラC1〜Cnは、例えば、図2に示すような高速道路などの道路90近傍に所定の配置間隔で配置されている。この配置間隔としては、例えば200m間隔を採用することができる。この場合、キロポスト間には、監視カメラが5つ程度配置される。図3には、監視カメラC1〜Cnがブロック図にて示されている。この図3に示すように、監視カメラC1〜Cnは、撮影部2と、撮影部2の撮影方向を変更する首振り部4と、首振り部4の首振り角度を検出するためのパルスを検出するパルス検出部6と、を有する。首振り部4は、例えば、右175°(+175°)から左175°(−175°)の間で、撮影方向(撮影方角)を変更することが可能であるものとする。パルス検出部6は、直角2相パルスを出力するインクリメンタル型のロータリエンコーダを有し、ロータリエンコーダからの出力としてパルスを検出する。なお、例えば、左175°から右175°間で首振り可能なカメラで1°が417パルスの場合には、−72975パルス〜+72975パルスの範囲のパルス数が検出される。
【0013】
図1に戻り、IPエンコーダE1〜Enは、監視カメラC1〜Cnの撮影部2から入力された映像をキャプチャする。また、IPエンコーダE1〜Enは、指定されたパラメータ(符号化、ビートレットなど)で、リアルタイムにストリーミングをIPネットワークに送信し、利用者端末14にライブ配信する。
【0014】
カメラ状態監視装置10は、カメラ異常判定部20と、状態推定部30と、データベース40と、を有する。なお、本実施形態では、カメラ状態監視装置10の有する計算機システムに内蔵されたプログラムによって、カメラ異常判定部20や状態推定部30の機能が実現される。ただし、これに限らず、各部を実際の装置にて構成しても良い。
【0015】
カメラ異常判定部20は、第1変化率算出部22と、カメラ抽出部24と、第2変化率算出部26と、異常判定部28と、これら各部を統括制御する制御部29と、を有する。第1変化率算出部22は、複数の監視カメラC1〜Cnのうちの一の監視カメラ(特定カメラと呼ぶ)により撮影された映像データ(静止画)を圧縮したときのデータ量を算出する。また、第1変化率算出部22は、特定カメラによりそれ以前(例えば直近)に撮影された映像データ(静止画)を圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する。カメラ抽出部24は、特定カメラから所定距離内に存在し、かつ特定カメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影する監視カメラを抽出する。
【0016】
第2変化率算出部26は、カメラ抽出部24に抽出された監視カメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出する。また、第2変化率算出部26は、抽出された監視カメラによりそれ以前(例えば直近)に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する。なお、カメラ抽出部24が監視カメラを複数抽出した場合には、第2変化率算出部26は、抽出された監視カメラごとに変化率を算出し、それら変化率の平均値を算出する。
【0017】
異常判定部28は、第1変化率算出部22により算出された変化率と、第2変化率算出部26により算出された変化率(又は変化率の平均値)とを比較して、特定カメラが異常か否かを判定する。
【0018】
状態推定部30は、複数の監視カメラC1〜Cnそれぞれが、実際に異常であるか否かを推定するものである。この状態推定部30は、各監視カメラが利用者等により制御されているか否かを示す制御状態、及び各監視カメラが利用者等により閲覧されているか否かを示す閲覧状態に基づいて、各監視カメラが異常であるか否かを推定する。
【0019】
図4は、データベース40の構成、及びカメラ異常判定部20及び状態推定部30でのデータベース利用状況を示すブロック図である。データベース40は、図4に示すように、カメラメタデータDB42と、静止画履歴DB44と、異常判定閾値DB46と、異常カメラDB48と、を有する。カメラメタデータDB42は、図5に示すような項目を有している。具体的には、カメラメタデータDB42は、カメラIDの項目、カメラ名称の項目、緯度及び経度の項目、マルチキャストアドレスの項目、ポート番号の項目、基準座標の項目を有する。図5では、監視カメラC1,C2,C3…のカメラIDとして、「00001」、「00002」、「00003」…が採用されている。また、監視カメラC1,C2,C3…のカメラ名称としては、「カメラ00001」、「カメラ00002」、「カメラ00003」…が採用されている。また、基準座標の項目には、監視カメラが首振りをしていない状態、すなわち、首振り角が0°の状態で撮影される方角にある座標(基準座標)が示されている。
【0020】
静止画履歴DB44は、図6に示すような項目を有している。具体的には、静止画履歴DB44は、カメラIDの項目、取り込み日時の項目、静止画サイズの項目、前回との差分値の項目、変化率の項目を有している。なお、図6では、カメラIDが「00001」の監視カメラ(図1の監視カメラC1)の静止画履歴DBのみを図示しているが、その他の監視カメラC2〜Cnについても、同様に静止画履歴DBが存在する(図示は省略している)。図6の静止画サイズの項目には、第1変化率算出部22及び第2変化率算出部26が、監視カメラにより撮影された映像データ(静止画)を圧縮したときのデータ量が格納される。前回との差分値の項目には、図6の上下に隣接する行に格納された静止画サイズの差分値が格納される。変化率の項目には、次式(1)で表される変化率が格納される。
変化率(%)=差分値÷前回値×100 …(1)
【0021】
異常判定閾値DB46は、図7に示すように、カメラIDの項目と、閾値ηの項目とを有する。この異常判定閾値DB46では、異常判定部28が監視カメラC1〜Cnの異常を判定する際に用いる閾値ηが、監視カメラごとに設定されている。この閾値ηは、後述するように、状態推定部30により、更新される値である。
【0022】
異常カメラDB48は、図8に示すように、カメラIDの項目と、カメラ名称の項目と、異常検出日時の項目と、を有する。異常カメラDB48には、異常判定部28により異常と判定された監視カメラのカメラID、名称及び異常検出日時が追加される。また、異常カメラDB48からは、状態推定部30が正常と推定した監視カメラのデータ(カメラID、名称及び異常検出日時)が削除される。
【0023】
図1に戻り、カメラ制御装置12は、利用者端末14からの指示(制御情報等)を受信すると、当該指示に応じて、監視カメラC1〜Cnを介して取得した映像データなどのコンテンツを利用者端末14に対して配信する。例えば、利用者端末14から、ある監視カメラの映像を画面上に表示するよう指示が出された場合には、カメラ制御装置12は、その監視カメラから取得した映像データを利用者端末14の画面上に表示する。また、利用者端末14から、ある監視カメラの撮影角度を変更するような指示が出された場合には、カメラ制御装置12は、当該特定の監視カメラの首振り部4を制御して、撮影部2の撮影方向を変更する。
【0024】
更に、カメラ制御装置12は、利用者端末14で、ある監視カメラが利用者等により制御されているか否かを示す制御状態を示す情報を、状態推定部30に送信する。また、同様に、カメラ制御装置12は、ある監視カメラが利用者等により閲覧されているか否かを示す閲覧状態を示す情報を、状態推定部30に送信する。
【0025】
利用者端末14は、PC(Personal Computer)等を含んでいる。利用者端末14は、IPネットワーク16に複数接続されても良い。
【0026】
次に、本実施形態のカメラ状態監視装置10の処理について、図9〜図16のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、説明する。図9は、カメラ異常判定部20における処理を示すフローチャートである。この図9に示すように、カメラ状態監視装置10では、まず、制御部29が、mを1に設定する(ステップS10)。次いで、第1変化率算出部22が、m番目(ここでは1番目)のカメラの圧縮静止画像の取り込み工程を実行する(ステップS20)。次いで、第1変化率算出部22が、圧縮画像のサイズの前回サイズとの差分値を算出する工程を実行する(ステップS30)。次いで、カメラ抽出部24が、m番目の監視カメラの撮影方角に基づいて、比較する監視カメラを抽出する工程を実行する(ステップS40)。次いで、第2変化率算出部26が、ステップS40で抽出された監視カメラの変化率の平均値を算出する工程を実行する(ステップS50)。次いで、異常判定部28が、ステップS30と、ステップS50の算出結果に基づいて、m番目の監視カメラの異常を判定する工程を実行する(ステップS60)。次いで、制御部29が、mがn(nは複数の監視カメラの全台数)であるか否かを判断し(ステップS70)、ここでの判断が否定された場合には、mを1インクリメント(m←m+1)する(ステップS80)。その後、ステップS70の判断が肯定されるまでステップS20からステップS80を繰り返すことで、2番目、3番目、…、n番目の監視カメラについての異常判定を行う。そして、ステップS70の判断が肯定された段階で、制御部29が、IPネットワーク16を介して、利用者端末14に異常カメラの情報を提供する異常カメラ情報提供工程を実行する(ステップS90)。その後は、ステップS10〜ステップS90を順次繰り返す。
【0027】
次に、上記各工程(サブルーチン)について、図10〜図16のフローチャートに沿って説明する。図10には、図9のステップS20のサブルーチンが示されている。この図10に示すように、第1変化率算出部22は、ステップS202において、カメラメタデータDB42から、m番目の監視カメラCmのマルチキャストアドレスと、ポート番号を取得する(図4の(1))。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS204において、取得したマルチキャストアドレスと、ポート番号をIPネットワーク側へ要求し、監視カメラCmから映像データを受信する。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS206において、映像データから圧縮静止画像を作成し、その静止画サイズ(圧縮画像サイズ)を静止画履歴DB44に登録する(図4の(2))。その後は、図9のステップS30に移行する。
【0028】
図11には、図9のステップS30のサブルーチンが示されている。この図11に示すように、第1変化率算出部22は、ステップS302において、静止画履歴DB44から、圧縮画像サイズの前回値と今回値を読み出し(図4の(3))、圧縮画像サイズの前回値と今回値の差分値を算出する。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS304において、ステップS302で算出された差分値を、静止画履歴DB44に登録する(図4の(2))。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS306において、差分値と前回値とを用いて、前述した式(1)から、変化率Sを算出する。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS308において、変化率Sを静止画履歴DB44に登録する(図4の(2))。その後は、図9のステップS40に移行する。
【0029】
図12には、図9のステップS40のサブルーチンが示されている。この図12に示されるように、カメラ抽出部24は、まず、ステップS402において、m番目(ここでは1番目)の監視カメラのカメラ状態取得コマンドを発行し、カメラ状態を取得する。ここで、カメラ状態には、パルス検出部6により検出されるパルス数が含まれるものとする。次いで、カメラ抽出部24は、ステップS404において、首振り部4の首振り角θをパルス数に基づいて算出する決定する。この場合、上述したように、1°が417パルスで表される場合には、次式(2)より、首振り角θを算出することができる。
首振り角θ=(パルス数/417)×(π/180) …(2)
【0030】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS406において、カメラメタデータDB42から、m番目のカメラの基準座標を取得する。次いで、カメラ抽出部24は、ステップS408において、基準座標と角度θとから、実際の撮影方角αを算出する。具体的には、カメラ抽出部24は、図17に示す基準座標と、カメラメタデータDB42に格納されているm番目の監視カメラの座標(緯度及び経度)とから、m番目の監視カメラが基準座標の方向を向いているときの方角を特定する。そして、ステップS404において算出された首振り角θから、実際の撮影方角αを算出する。
【0031】
図12に戻り、カメラ抽出部24は、次のステップS410において、カメラメタデータDB42の緯度及び経度に基づいて、m番目の監視カメラから所定距離内(例えば半径1km内)に位置する監視カメラを特定する(図4の(4))。例えば、図2のような監視カメラの配置で、m番目の監視カメラが監視カメラC4であるとすると、ステップS410で特定される監視カメラは、監視カメラC2,C3,C5,C6,C7となる。なお、ステップS410において特定された監視カメラの個数は、p個であったものとする。
【0032】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS412において、パラメータkを1に設定する。次いで、カメラ抽出部24は、ステップS414において、ステップS410で特定されたp個の監視カメラのうち、カメラIDがk番目(ここでは、1番目)に小さいカメラを選択する。
【0033】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS416において、ステップS414で選択した監視カメラのカメラ状態取得コマンドを発行し、カメラ状態を取得する。この処理は、上述したステップS402と同様である。次いで、ステップS418では、カメラ状態(パルス数)から選択した監視カメラの首振り角ψを算出する。この処理は、上述したステップS404と同様である。次いで、ステップS420では、選択した監視カメラの基準座標をカメラメタデータDB42から取得する。この処理は、上述したステップS406と同様である。そして、ステップS422では、基準座標と角度ψとから、実際の撮影方角βを算出する。この処理は、上述したステップS408と同様である。
【0034】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS424において、ステップS408で算出された撮影方角αとステップS422で算出された撮影方角βの差分(絶対値)を算出する。そして、カメラ抽出部24は、αとβの差分の絶対値が所定の閾値γ(γはαとβの差分を0と看做せるような値とする)よりも小さいか否かを判断する。ここでの判断が肯定される場合とは、m番目の監視カメラの撮影方角と、選択した監視カメラの撮影方角がほぼ一致している場合であるといえる。
【0035】
ステップS424の判断が肯定されると、ステップS426において、カメラ抽出部24が、選択したカメラを抽出して、ステップS428に移行する。一方、ステップS424の判断が否定されると、ステップS426を経ずに、ステップS428に移行する。
【0036】
次いで、カメラ抽出部24は、上述したステップS428において、kがpよりも小さいか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS430において、kを1インクリメント(k←k+1)して、ステップS414に戻る。そして、ステップS414からステップS430までを繰り返すことで、半径1km以内に位置するとともに、ほぼ同一方角を撮影した監視カメラの全てを抽出する。その後、ステップS428の判断が否定された段階で、図9のステップS50に移行する。
【0037】
図13には、図9のステップS50のサブルーチンが示されている。この図13の処理は、図12の処理において抽出された監視カメラ(m番目の監視カメラから半径1km以内に位置するとともに、m番目の監視カメラとほぼ同一方角を撮影した監視カメラ)の撮影データの変化率の平均値を算出するものである。
【0038】
具体的には、図13に示すように、まず、第2変化率算出部26が、ステップS502において、カメラメタデータDB42から、抽出された全ての監視カメラのマルチキャストアドレスと、ポート番号を取得する(図4の(5))。
【0039】
次いで、第2変化率算出部26は、ステップS504において、取得したマルチキャストアドレスと、ポート番号をIPネットワーク側へ要求し、抽出された各監視カメラから映像データを受信する。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS506において、映像データから圧縮静止画像を作成し、その圧縮画像サイズを、静止画履歴DB44に登録する(図4の(6))。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS508において、静止画履歴DB44から、圧縮画像サイズの前回値と今回値を読み出し(図4の(7))、圧縮画像サイズの前回値と今回値の差分値を算出する。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS510において、ステップS508で算出された差分値を、静止画履歴DB44に登録する(図4の(6))。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS512において、差分値と前回値とを用いて、前述した式(1)から、変化率Tを算出する。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS514において、変化率Tを静止画履歴DB44に登録する(図4の(6))。更に、第2変化率算出部26は、抽出された各監視カメラの変化率Tの平均値T’を算出した後、図9のステップS60に移行する。
【0040】
なお、上記においては、図12の処理において、複数のカメラが抽出されたことを前提として、複数のカメラの変化率Tの平均値T’を算出する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、図12の処理では、1つのカメラのみが抽出されることもありうる。このような場合には、ステップS516では、抽出されたカメラの変化率Tを平均値T’に置き換えれば良い。
【0041】
図14には、図9のステップS60のサブルーチンが示されている。この図14に示すように、ステップS602では、異常判定部28が、S−T’の絶対値を算出する。次いで、異常判定部28は、ステップS604において、S−T’の絶対値が、異常判定の閾値ηよりも大きいか否かを判断する。ここで、閾値ηは、図7に示すように、監視カメラごとに設定されている。したがって、異常判定部28は、異常判定閾値DB46から、m番目(ここでは1番目)の監視カメラに設定された閾値ηを読み出し(図4の(8))、当該閾値ηとS−T’の絶対値とを比較する。
【0042】
ステップS604の判断が肯定された場合には、m番目の監視カメラが異常であると判定できるので、異常判定部28は、ステップS606において、m番目の監視カメラを異常カメラDB48に登録する(図4の(9))。そして、その後は、図9のステップS70に移行する。一方、ステップS604の判断が否定された場合には、そのまま、図9のステップS70に移行する。
【0043】
上記のようにして、ステップS20〜S60の処理がmをインクリメントしながら繰り返し行われると、監視カメラC1〜Cnのうちで、異常と判定された監視カメラのみが異常カメラDB48に登録されることになる。その後は、図9のステップS90に移行する。
【0044】
図15には、図9のステップS90のサブルーチンが示されている。このステップS90の処理は、異常カメラDB48に登録された監視カメラを利用者端末14に表示する処理である。制御部29は、まず、図15のステップS902において、異常カメラDB48からカメラ情報を取得する(図4の(10))。ここでのカメラ情報は、図8に示す異常カメラDB48に含まれる異常発生日時及びカメラ名称である。次いで、制御部29は、ステップS904において、異常カメラ一覧を編集し、利用者端末14に対して提供する。ここでの制御部29の編集により、利用者端末14には、図18に示すようなウィンドウ表示がなされることになる。以上の処理が行われると、図9のステップS10に戻る。なお、利用者端末14を利用する利用者(例えば、オペレータ)は、図18のようなウィンドウ表示を見た段階で、カメラ名称や異常発生日時の項目を選択する。利用者端末14は、利用者等からの選択を受け付けた段階で、選択された監視カメラの映像を利用者端末14の表示画面上に表示するようにする。これにより、利用者等は、選択した監視カメラの状態(異常か否か)を実際に確認することができる。
【0045】
次に、カメラ異常判定部20において、上述した図9の処理(図10〜図15の処理も含む)が行われるのと並行して、状態推定部30にて行われる処理について、図16のフローチャートに沿って説明する。この図16の処理は、図8の異常カメラDB48の内容を見直すとともに、図7の異常判定閾値DB46の閾値ηを見直す処理である。
【0046】
状態推定部30は、まず、図16のステップS1002において、カメラ制御装置12から、利用者端末14におけるカメラ閲覧・制御状態を取得する。次いで、状態推定部30は、ステップS1004において、閲覧・制御が行われている監視カメラが、異常カメラDB48に登録されているか否かを判断する。ここで、閲覧・制御が行われている監視カメラは、異常である可能性が低い(正常である可能性が高い)と推定されるカメラであることを意味する。したがって、閲覧・制御が行われているにもかかわらず、異常カメラDB48に登録されている監視カメラは誤って異常カメラDB48に登録されている可能性が高い。このため、ステップS1004の判断が肯定された場合には、状態推定部30は、ステップS1006において、その監視カメラを異常カメラDB48から削除する(図4の(11))。また、状態推定部30は、ステップS1008において、異常判定閾値DB46に定義されている、異常カメラDB48から削除した監視カメラの閾値η(図7参照)の値を1%増加させ(図4の(12))、ステップS1002に戻る。一方、ステップS1004の判断が否定された場合には、そのままステップS1002に戻る。
【0047】
なお、ステップS1008において、閾値ηの値を増加させるのは、誤って登録された監視カメラの閾値ηをより大きく(甘く)すれば、上記のような誤登録が今後生じる可能性を低くすることができるからである。なお、閾値ηの増加分は、上記1%に限られるものではなく、増加分としては種々の値を採用することができる。なお、閾値ηは、例えば、装置の初期段階では、全ての監視カメラで同一の値に設定されるものとし、運用を重ねていくことで、各監視カメラの閾値ηが変更されるものとする。
【0048】
なお、本実施形態では、複数の監視カメラが、道路に沿って配置されている場合について説明したが、これに限らず、川や海岸線などに沿って配置されることとしてもよい。
【0049】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、第1変化率算出部22が、複数のカメラC1〜Cnのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)を算出して、一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)からの変化率Sを算出し(ステップS30)、カメラ抽出部24が、複数のカメラのうち、一のカメラから所定距離内(例えば1km内)に存在し、かつ一のカメラの撮影する方角を基準として所定角度(η)の範囲を撮影するカメラを抽出する(ステップS40)。そして、第2変化率算出部26が、カメラ抽出部24に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)を算出して、その抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)からの変化率T(又は変化率の平均値T’)を算出する(ステップS50)。更に、異常判定部28が、変化率SとT(又はT’)とを比較して、一のカメラが異常か否かを判定する(ステップS60)。このように、本実施形態では、一のカメラの映像データの圧縮画像サイズの変化率Sを、一のカメラの近傍に位置するカメラ映像データの圧縮画像サイズの変化率T(又は変化率Tの平均値T’)と比較するため、天候の急激な変化等により一のカメラの圧縮画像サイズが変化した場合でも、そのような変化を考慮したカメラの異常判定を行うことができる。また、一のカメラにおける圧縮画像サイズの変化率を、一のカメラとほぼ同一方角を撮影するカメラにおける圧縮画像サイズの変化率と比較するため、太陽の方向、すなわち、路面や川面、海面などにおける太陽光の反射による、データ量への影響を考慮して、カメラの異常判定を行うことができる。このように、本実施形態では、高精度に一のカメラの異常を自動的に判定することが可能となる。また、本実施形態では、1つのカメラにおける変化率の変動量のみに基づいてカメラの異常を判定せずに、ほぼ同一条件のカメラとの比較により、カメラの異常を判定する。したがって、大きな変化率を示すカラーバー表示や無地の画面表示のような異常のみならず、小さな変化率を示すブロックノイズのような異常も判定することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態によると、第2変化率算出部26は、カメラ抽出部24により抽出されたカメラが複数ある場合に、当該複数のカメラにおける変化率Tを算出するとともに、複数のカメラにおける変化率Tの平均値T’を算出し、この平均値T’と、一のカメラの変化率Sとを比較するので、異常判定精度に対する、個々のカメラの位置の違いや撮影方角の違いの影響を抑制することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態によると、異常判定部28は、第1変化率算出部22により算出された変化率Sと、第2変化率算出部26により算出された変化率T(平均値T’)とを比較して、その差分値が、閾値ηを超えている場合に、一のカメラが異常であると判定する。したがって、簡易な計算により、カメラの異常判定を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、異常判定部28は、複数のカメラそれぞれに対応する閾値ηを用いて、一のカメラが異常であるか否かを判定するので、各カメラの特性等を考慮した異常判定を行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、状態推定部30が、複数のカメラの映像データの利用状況(閲覧、制御状態)に基づいて、各カメラが異常であるか否かを推定し、異常判定部28により異常と判定されたカメラが、状態推定部30により正常と推定された場合には、閾値ηの絶対値を大きく変更する。これにより、実際のカメラの状態と異常判定結果とが合致するように閾値ηが適宜更新されるため、カメラの異常判定をより高精度に行うことが可能となる。
【0054】
なお、上記実施形態では、一のカメラ近傍に位置するカメラのうち、ほぼ同一の撮影方角のカメラを比較対象として抽出し、それら比較対象のカメラの変化率の平均値を用いる場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、比較対象のカメラのうち、位置が一のカメラに近いものほど、及び/又は、撮影方角が一のカメラに近いものほど重み付けを大きくした重み付け平均値を算出し、これに基づいて、一のカメラの異常を判定することとしても良い。
【0055】
なお、上記実施形態では、図12において、一のカメラの近傍に位置するカメラを特定した後に、当該特定したカメラの中から、撮影方角が一のカメラの撮影方角とほぼ一致するカメラを抽出する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、撮影方角が一のカメラとほぼ一致するカメラを特定した後に、当該特定したカメラの中から、一のカメラの近傍に位置するカメラを抽出することとしても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、監視カメラが、首振り部4を有する場合について説明したが、これに限らず、監視カメラは、撮影方角が固定であっても良い。この場合、カメラメタデータDB42に、各監視カメラに対応して撮影方角を規定しておけば、撮影方角を算出することなく、図12の処理を実現することができる。
【0057】
なお、上記実施形態では、初期段階では閾値ηの値を、全ての監視カメラで同一の値に設定することとしたが、これに限られるものではない。例えば、監視カメラの配置環境や、監視カメラのメーカ、種別、特性等に基づいて、予め別々の値を設定しておくこととしても良い。この場合、閾値ηの値を適宜更新しなくても良い。
【0058】
なお、上記実施形態では、状態推定部30による推定結果に基づいて、異常カメラDB48を見直す場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、利用者等が図18の画面に表示される監視カメラを実際に確認して、問題が無かった場合に、その監視カメラの情報を異常カメラDB48から削除するようにしてもよい。このように削除が行われた場合には、異常判定部28は、異常カメラDB48から削除された監視カメラの閾値ηを変更するようにすれば良い。
【0059】
なお、上述した処理・機能は、前述したように計算機システム(コンピュータ)によって実現することができる。その場合、カメラ状態監視装置10が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0060】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0061】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0062】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0063】
22 第1変化率算出部
24 カメラ抽出部
26 第2変化率算出部
28 異常判定部
30 状態推定部
100 カメラ状態監視装置
C1〜Cn 監視カメラ(カメラ)
【技術分野】
【0001】
本件は、カメラ状態監視装置、カメラ状態監視プログラム及びカメラ状態監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラなどのカメラが正常に動作しているかの判定を行う方法として、特許文献1〜3のような方法がある。特許文献1の方法は、一定時間内でのファイルサイズの変化がない場合に、監視カメラの異常と判断するというものである。また、特許文献2の方法は、サンプリング画像が同じ状態が継続した場合に、カメラの異常動作状態と判断するというものである。更に、特許文献3の方法は、圧縮画像のデータサイズを一定時間ごとに算出し、画像サイズが急激に変化するフレームを検索するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−117339号公報
【特許文献2】特開2001−54100号公報
【特許文献3】特開2001−57675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1〜3では、天候などが変化して、景色が急激に変化するような場合を考慮していない。このため、カメラの異常動作と判断されても、その理由が、天候の変化によるものなのか、カメラの故障によるものなのかを判別できないおそれがある。
【0005】
そこで本件は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高精度にカメラの異常を判定することが可能なカメラ状態監視装置、カメラ状態監視プログラム及びカメラ状態監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載のカメラ状態監視装置は、記複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部と、前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部と、前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部と、前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、を備えている。
【0007】
本明細書に記載のカメラ状態監視プログラムは、コンピュータを、複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部、前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部、前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部、及び前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、して機能させる。
【0008】
本明細書に記載のカメラ状態監視方法は、複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出ステップと、前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出ステップと、前記カメラ抽出ステップにおいて抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出ステップと、前記第1変化率算出ステップにおいて算出された変化率と、前記第2変化率算出ステップにおいて算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定ステップと、を含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載のカメラ状態監視装置、カメラ状態監視プログラム及びカメラ状態監視方法は、高精度にカメラの異常を判定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係るカメラ状態監視装置を含む監視カメラシステムを示すブロック図である。
【図2】監視カメラの配置の一例を示す図である。
【図3】監視カメラの構成を示すブロック図である。
【図4】データベースの構成、及びカメラ異常判定部及び状態推定部でのデータベース利用状況を示すブロック図である。
【図5】カメラメタデータDBを示す図である。
【図6】静止画履歴DBを示す図である。
【図7】異常判定閾値DBを示す図である。
【図8】異常カメラDBを示す図である。
【図9】カメラ異常判定部における処理を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS20のサブルーチンを示す図である。
【図11】図9のステップS30のサブルーチンを示す図である。
【図12】図9のステップS40のサブルーチンを示す図である。
【図13】図9のステップS50のサブルーチンを示す図である。
【図14】図9のステップS60のサブルーチンを示す図である。
【図15】図9のステップS90のサブルーチンを示す図である。
【図16】状態推定部にて行われる処理を示すフローチャートである。
【図17】撮影方角の算出方法を説明するための図である。
【図18】利用者端末に表示されるウィンドウの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、カメラ状態監視装置の一実施形態について、図1〜図18に基づいて詳細に説明する。図1は、カメラ状態監視装置10を含む監視カメラシステム(CCTV(Closed-circuit Television)カメラシステム)100を示すブロック図である。この図1に示すように、監視カメラシステム100は、複数の監視カメラC1〜Cn、これら監視カメラC1〜Cnに接続されたIPエンコーダE1〜En、カメラ状態監視装置10、カメラ制御装置12、及び利用者端末14等を備える。IPエンコーダE1〜En、カメラ状態監視装置10、カメラ制御装置12及び利用者端末14は、IPネットワーク16に接続されている。
【0012】
監視カメラC1〜Cnは、例えば、図2に示すような高速道路などの道路90近傍に所定の配置間隔で配置されている。この配置間隔としては、例えば200m間隔を採用することができる。この場合、キロポスト間には、監視カメラが5つ程度配置される。図3には、監視カメラC1〜Cnがブロック図にて示されている。この図3に示すように、監視カメラC1〜Cnは、撮影部2と、撮影部2の撮影方向を変更する首振り部4と、首振り部4の首振り角度を検出するためのパルスを検出するパルス検出部6と、を有する。首振り部4は、例えば、右175°(+175°)から左175°(−175°)の間で、撮影方向(撮影方角)を変更することが可能であるものとする。パルス検出部6は、直角2相パルスを出力するインクリメンタル型のロータリエンコーダを有し、ロータリエンコーダからの出力としてパルスを検出する。なお、例えば、左175°から右175°間で首振り可能なカメラで1°が417パルスの場合には、−72975パルス〜+72975パルスの範囲のパルス数が検出される。
【0013】
図1に戻り、IPエンコーダE1〜Enは、監視カメラC1〜Cnの撮影部2から入力された映像をキャプチャする。また、IPエンコーダE1〜Enは、指定されたパラメータ(符号化、ビートレットなど)で、リアルタイムにストリーミングをIPネットワークに送信し、利用者端末14にライブ配信する。
【0014】
カメラ状態監視装置10は、カメラ異常判定部20と、状態推定部30と、データベース40と、を有する。なお、本実施形態では、カメラ状態監視装置10の有する計算機システムに内蔵されたプログラムによって、カメラ異常判定部20や状態推定部30の機能が実現される。ただし、これに限らず、各部を実際の装置にて構成しても良い。
【0015】
カメラ異常判定部20は、第1変化率算出部22と、カメラ抽出部24と、第2変化率算出部26と、異常判定部28と、これら各部を統括制御する制御部29と、を有する。第1変化率算出部22は、複数の監視カメラC1〜Cnのうちの一の監視カメラ(特定カメラと呼ぶ)により撮影された映像データ(静止画)を圧縮したときのデータ量を算出する。また、第1変化率算出部22は、特定カメラによりそれ以前(例えば直近)に撮影された映像データ(静止画)を圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する。カメラ抽出部24は、特定カメラから所定距離内に存在し、かつ特定カメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影する監視カメラを抽出する。
【0016】
第2変化率算出部26は、カメラ抽出部24に抽出された監視カメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出する。また、第2変化率算出部26は、抽出された監視カメラによりそれ以前(例えば直近)に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する。なお、カメラ抽出部24が監視カメラを複数抽出した場合には、第2変化率算出部26は、抽出された監視カメラごとに変化率を算出し、それら変化率の平均値を算出する。
【0017】
異常判定部28は、第1変化率算出部22により算出された変化率と、第2変化率算出部26により算出された変化率(又は変化率の平均値)とを比較して、特定カメラが異常か否かを判定する。
【0018】
状態推定部30は、複数の監視カメラC1〜Cnそれぞれが、実際に異常であるか否かを推定するものである。この状態推定部30は、各監視カメラが利用者等により制御されているか否かを示す制御状態、及び各監視カメラが利用者等により閲覧されているか否かを示す閲覧状態に基づいて、各監視カメラが異常であるか否かを推定する。
【0019】
図4は、データベース40の構成、及びカメラ異常判定部20及び状態推定部30でのデータベース利用状況を示すブロック図である。データベース40は、図4に示すように、カメラメタデータDB42と、静止画履歴DB44と、異常判定閾値DB46と、異常カメラDB48と、を有する。カメラメタデータDB42は、図5に示すような項目を有している。具体的には、カメラメタデータDB42は、カメラIDの項目、カメラ名称の項目、緯度及び経度の項目、マルチキャストアドレスの項目、ポート番号の項目、基準座標の項目を有する。図5では、監視カメラC1,C2,C3…のカメラIDとして、「00001」、「00002」、「00003」…が採用されている。また、監視カメラC1,C2,C3…のカメラ名称としては、「カメラ00001」、「カメラ00002」、「カメラ00003」…が採用されている。また、基準座標の項目には、監視カメラが首振りをしていない状態、すなわち、首振り角が0°の状態で撮影される方角にある座標(基準座標)が示されている。
【0020】
静止画履歴DB44は、図6に示すような項目を有している。具体的には、静止画履歴DB44は、カメラIDの項目、取り込み日時の項目、静止画サイズの項目、前回との差分値の項目、変化率の項目を有している。なお、図6では、カメラIDが「00001」の監視カメラ(図1の監視カメラC1)の静止画履歴DBのみを図示しているが、その他の監視カメラC2〜Cnについても、同様に静止画履歴DBが存在する(図示は省略している)。図6の静止画サイズの項目には、第1変化率算出部22及び第2変化率算出部26が、監視カメラにより撮影された映像データ(静止画)を圧縮したときのデータ量が格納される。前回との差分値の項目には、図6の上下に隣接する行に格納された静止画サイズの差分値が格納される。変化率の項目には、次式(1)で表される変化率が格納される。
変化率(%)=差分値÷前回値×100 …(1)
【0021】
異常判定閾値DB46は、図7に示すように、カメラIDの項目と、閾値ηの項目とを有する。この異常判定閾値DB46では、異常判定部28が監視カメラC1〜Cnの異常を判定する際に用いる閾値ηが、監視カメラごとに設定されている。この閾値ηは、後述するように、状態推定部30により、更新される値である。
【0022】
異常カメラDB48は、図8に示すように、カメラIDの項目と、カメラ名称の項目と、異常検出日時の項目と、を有する。異常カメラDB48には、異常判定部28により異常と判定された監視カメラのカメラID、名称及び異常検出日時が追加される。また、異常カメラDB48からは、状態推定部30が正常と推定した監視カメラのデータ(カメラID、名称及び異常検出日時)が削除される。
【0023】
図1に戻り、カメラ制御装置12は、利用者端末14からの指示(制御情報等)を受信すると、当該指示に応じて、監視カメラC1〜Cnを介して取得した映像データなどのコンテンツを利用者端末14に対して配信する。例えば、利用者端末14から、ある監視カメラの映像を画面上に表示するよう指示が出された場合には、カメラ制御装置12は、その監視カメラから取得した映像データを利用者端末14の画面上に表示する。また、利用者端末14から、ある監視カメラの撮影角度を変更するような指示が出された場合には、カメラ制御装置12は、当該特定の監視カメラの首振り部4を制御して、撮影部2の撮影方向を変更する。
【0024】
更に、カメラ制御装置12は、利用者端末14で、ある監視カメラが利用者等により制御されているか否かを示す制御状態を示す情報を、状態推定部30に送信する。また、同様に、カメラ制御装置12は、ある監視カメラが利用者等により閲覧されているか否かを示す閲覧状態を示す情報を、状態推定部30に送信する。
【0025】
利用者端末14は、PC(Personal Computer)等を含んでいる。利用者端末14は、IPネットワーク16に複数接続されても良い。
【0026】
次に、本実施形態のカメラ状態監視装置10の処理について、図9〜図16のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、説明する。図9は、カメラ異常判定部20における処理を示すフローチャートである。この図9に示すように、カメラ状態監視装置10では、まず、制御部29が、mを1に設定する(ステップS10)。次いで、第1変化率算出部22が、m番目(ここでは1番目)のカメラの圧縮静止画像の取り込み工程を実行する(ステップS20)。次いで、第1変化率算出部22が、圧縮画像のサイズの前回サイズとの差分値を算出する工程を実行する(ステップS30)。次いで、カメラ抽出部24が、m番目の監視カメラの撮影方角に基づいて、比較する監視カメラを抽出する工程を実行する(ステップS40)。次いで、第2変化率算出部26が、ステップS40で抽出された監視カメラの変化率の平均値を算出する工程を実行する(ステップS50)。次いで、異常判定部28が、ステップS30と、ステップS50の算出結果に基づいて、m番目の監視カメラの異常を判定する工程を実行する(ステップS60)。次いで、制御部29が、mがn(nは複数の監視カメラの全台数)であるか否かを判断し(ステップS70)、ここでの判断が否定された場合には、mを1インクリメント(m←m+1)する(ステップS80)。その後、ステップS70の判断が肯定されるまでステップS20からステップS80を繰り返すことで、2番目、3番目、…、n番目の監視カメラについての異常判定を行う。そして、ステップS70の判断が肯定された段階で、制御部29が、IPネットワーク16を介して、利用者端末14に異常カメラの情報を提供する異常カメラ情報提供工程を実行する(ステップS90)。その後は、ステップS10〜ステップS90を順次繰り返す。
【0027】
次に、上記各工程(サブルーチン)について、図10〜図16のフローチャートに沿って説明する。図10には、図9のステップS20のサブルーチンが示されている。この図10に示すように、第1変化率算出部22は、ステップS202において、カメラメタデータDB42から、m番目の監視カメラCmのマルチキャストアドレスと、ポート番号を取得する(図4の(1))。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS204において、取得したマルチキャストアドレスと、ポート番号をIPネットワーク側へ要求し、監視カメラCmから映像データを受信する。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS206において、映像データから圧縮静止画像を作成し、その静止画サイズ(圧縮画像サイズ)を静止画履歴DB44に登録する(図4の(2))。その後は、図9のステップS30に移行する。
【0028】
図11には、図9のステップS30のサブルーチンが示されている。この図11に示すように、第1変化率算出部22は、ステップS302において、静止画履歴DB44から、圧縮画像サイズの前回値と今回値を読み出し(図4の(3))、圧縮画像サイズの前回値と今回値の差分値を算出する。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS304において、ステップS302で算出された差分値を、静止画履歴DB44に登録する(図4の(2))。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS306において、差分値と前回値とを用いて、前述した式(1)から、変化率Sを算出する。次いで、第1変化率算出部22は、ステップS308において、変化率Sを静止画履歴DB44に登録する(図4の(2))。その後は、図9のステップS40に移行する。
【0029】
図12には、図9のステップS40のサブルーチンが示されている。この図12に示されるように、カメラ抽出部24は、まず、ステップS402において、m番目(ここでは1番目)の監視カメラのカメラ状態取得コマンドを発行し、カメラ状態を取得する。ここで、カメラ状態には、パルス検出部6により検出されるパルス数が含まれるものとする。次いで、カメラ抽出部24は、ステップS404において、首振り部4の首振り角θをパルス数に基づいて算出する決定する。この場合、上述したように、1°が417パルスで表される場合には、次式(2)より、首振り角θを算出することができる。
首振り角θ=(パルス数/417)×(π/180) …(2)
【0030】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS406において、カメラメタデータDB42から、m番目のカメラの基準座標を取得する。次いで、カメラ抽出部24は、ステップS408において、基準座標と角度θとから、実際の撮影方角αを算出する。具体的には、カメラ抽出部24は、図17に示す基準座標と、カメラメタデータDB42に格納されているm番目の監視カメラの座標(緯度及び経度)とから、m番目の監視カメラが基準座標の方向を向いているときの方角を特定する。そして、ステップS404において算出された首振り角θから、実際の撮影方角αを算出する。
【0031】
図12に戻り、カメラ抽出部24は、次のステップS410において、カメラメタデータDB42の緯度及び経度に基づいて、m番目の監視カメラから所定距離内(例えば半径1km内)に位置する監視カメラを特定する(図4の(4))。例えば、図2のような監視カメラの配置で、m番目の監視カメラが監視カメラC4であるとすると、ステップS410で特定される監視カメラは、監視カメラC2,C3,C5,C6,C7となる。なお、ステップS410において特定された監視カメラの個数は、p個であったものとする。
【0032】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS412において、パラメータkを1に設定する。次いで、カメラ抽出部24は、ステップS414において、ステップS410で特定されたp個の監視カメラのうち、カメラIDがk番目(ここでは、1番目)に小さいカメラを選択する。
【0033】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS416において、ステップS414で選択した監視カメラのカメラ状態取得コマンドを発行し、カメラ状態を取得する。この処理は、上述したステップS402と同様である。次いで、ステップS418では、カメラ状態(パルス数)から選択した監視カメラの首振り角ψを算出する。この処理は、上述したステップS404と同様である。次いで、ステップS420では、選択した監視カメラの基準座標をカメラメタデータDB42から取得する。この処理は、上述したステップS406と同様である。そして、ステップS422では、基準座標と角度ψとから、実際の撮影方角βを算出する。この処理は、上述したステップS408と同様である。
【0034】
次いで、カメラ抽出部24は、ステップS424において、ステップS408で算出された撮影方角αとステップS422で算出された撮影方角βの差分(絶対値)を算出する。そして、カメラ抽出部24は、αとβの差分の絶対値が所定の閾値γ(γはαとβの差分を0と看做せるような値とする)よりも小さいか否かを判断する。ここでの判断が肯定される場合とは、m番目の監視カメラの撮影方角と、選択した監視カメラの撮影方角がほぼ一致している場合であるといえる。
【0035】
ステップS424の判断が肯定されると、ステップS426において、カメラ抽出部24が、選択したカメラを抽出して、ステップS428に移行する。一方、ステップS424の判断が否定されると、ステップS426を経ずに、ステップS428に移行する。
【0036】
次いで、カメラ抽出部24は、上述したステップS428において、kがpよりも小さいか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS430において、kを1インクリメント(k←k+1)して、ステップS414に戻る。そして、ステップS414からステップS430までを繰り返すことで、半径1km以内に位置するとともに、ほぼ同一方角を撮影した監視カメラの全てを抽出する。その後、ステップS428の判断が否定された段階で、図9のステップS50に移行する。
【0037】
図13には、図9のステップS50のサブルーチンが示されている。この図13の処理は、図12の処理において抽出された監視カメラ(m番目の監視カメラから半径1km以内に位置するとともに、m番目の監視カメラとほぼ同一方角を撮影した監視カメラ)の撮影データの変化率の平均値を算出するものである。
【0038】
具体的には、図13に示すように、まず、第2変化率算出部26が、ステップS502において、カメラメタデータDB42から、抽出された全ての監視カメラのマルチキャストアドレスと、ポート番号を取得する(図4の(5))。
【0039】
次いで、第2変化率算出部26は、ステップS504において、取得したマルチキャストアドレスと、ポート番号をIPネットワーク側へ要求し、抽出された各監視カメラから映像データを受信する。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS506において、映像データから圧縮静止画像を作成し、その圧縮画像サイズを、静止画履歴DB44に登録する(図4の(6))。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS508において、静止画履歴DB44から、圧縮画像サイズの前回値と今回値を読み出し(図4の(7))、圧縮画像サイズの前回値と今回値の差分値を算出する。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS510において、ステップS508で算出された差分値を、静止画履歴DB44に登録する(図4の(6))。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS512において、差分値と前回値とを用いて、前述した式(1)から、変化率Tを算出する。次いで、第2変化率算出部26は、ステップS514において、変化率Tを静止画履歴DB44に登録する(図4の(6))。更に、第2変化率算出部26は、抽出された各監視カメラの変化率Tの平均値T’を算出した後、図9のステップS60に移行する。
【0040】
なお、上記においては、図12の処理において、複数のカメラが抽出されたことを前提として、複数のカメラの変化率Tの平均値T’を算出する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、図12の処理では、1つのカメラのみが抽出されることもありうる。このような場合には、ステップS516では、抽出されたカメラの変化率Tを平均値T’に置き換えれば良い。
【0041】
図14には、図9のステップS60のサブルーチンが示されている。この図14に示すように、ステップS602では、異常判定部28が、S−T’の絶対値を算出する。次いで、異常判定部28は、ステップS604において、S−T’の絶対値が、異常判定の閾値ηよりも大きいか否かを判断する。ここで、閾値ηは、図7に示すように、監視カメラごとに設定されている。したがって、異常判定部28は、異常判定閾値DB46から、m番目(ここでは1番目)の監視カメラに設定された閾値ηを読み出し(図4の(8))、当該閾値ηとS−T’の絶対値とを比較する。
【0042】
ステップS604の判断が肯定された場合には、m番目の監視カメラが異常であると判定できるので、異常判定部28は、ステップS606において、m番目の監視カメラを異常カメラDB48に登録する(図4の(9))。そして、その後は、図9のステップS70に移行する。一方、ステップS604の判断が否定された場合には、そのまま、図9のステップS70に移行する。
【0043】
上記のようにして、ステップS20〜S60の処理がmをインクリメントしながら繰り返し行われると、監視カメラC1〜Cnのうちで、異常と判定された監視カメラのみが異常カメラDB48に登録されることになる。その後は、図9のステップS90に移行する。
【0044】
図15には、図9のステップS90のサブルーチンが示されている。このステップS90の処理は、異常カメラDB48に登録された監視カメラを利用者端末14に表示する処理である。制御部29は、まず、図15のステップS902において、異常カメラDB48からカメラ情報を取得する(図4の(10))。ここでのカメラ情報は、図8に示す異常カメラDB48に含まれる異常発生日時及びカメラ名称である。次いで、制御部29は、ステップS904において、異常カメラ一覧を編集し、利用者端末14に対して提供する。ここでの制御部29の編集により、利用者端末14には、図18に示すようなウィンドウ表示がなされることになる。以上の処理が行われると、図9のステップS10に戻る。なお、利用者端末14を利用する利用者(例えば、オペレータ)は、図18のようなウィンドウ表示を見た段階で、カメラ名称や異常発生日時の項目を選択する。利用者端末14は、利用者等からの選択を受け付けた段階で、選択された監視カメラの映像を利用者端末14の表示画面上に表示するようにする。これにより、利用者等は、選択した監視カメラの状態(異常か否か)を実際に確認することができる。
【0045】
次に、カメラ異常判定部20において、上述した図9の処理(図10〜図15の処理も含む)が行われるのと並行して、状態推定部30にて行われる処理について、図16のフローチャートに沿って説明する。この図16の処理は、図8の異常カメラDB48の内容を見直すとともに、図7の異常判定閾値DB46の閾値ηを見直す処理である。
【0046】
状態推定部30は、まず、図16のステップS1002において、カメラ制御装置12から、利用者端末14におけるカメラ閲覧・制御状態を取得する。次いで、状態推定部30は、ステップS1004において、閲覧・制御が行われている監視カメラが、異常カメラDB48に登録されているか否かを判断する。ここで、閲覧・制御が行われている監視カメラは、異常である可能性が低い(正常である可能性が高い)と推定されるカメラであることを意味する。したがって、閲覧・制御が行われているにもかかわらず、異常カメラDB48に登録されている監視カメラは誤って異常カメラDB48に登録されている可能性が高い。このため、ステップS1004の判断が肯定された場合には、状態推定部30は、ステップS1006において、その監視カメラを異常カメラDB48から削除する(図4の(11))。また、状態推定部30は、ステップS1008において、異常判定閾値DB46に定義されている、異常カメラDB48から削除した監視カメラの閾値η(図7参照)の値を1%増加させ(図4の(12))、ステップS1002に戻る。一方、ステップS1004の判断が否定された場合には、そのままステップS1002に戻る。
【0047】
なお、ステップS1008において、閾値ηの値を増加させるのは、誤って登録された監視カメラの閾値ηをより大きく(甘く)すれば、上記のような誤登録が今後生じる可能性を低くすることができるからである。なお、閾値ηの増加分は、上記1%に限られるものではなく、増加分としては種々の値を採用することができる。なお、閾値ηは、例えば、装置の初期段階では、全ての監視カメラで同一の値に設定されるものとし、運用を重ねていくことで、各監視カメラの閾値ηが変更されるものとする。
【0048】
なお、本実施形態では、複数の監視カメラが、道路に沿って配置されている場合について説明したが、これに限らず、川や海岸線などに沿って配置されることとしてもよい。
【0049】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、第1変化率算出部22が、複数のカメラC1〜Cnのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)を算出して、一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)からの変化率Sを算出し(ステップS30)、カメラ抽出部24が、複数のカメラのうち、一のカメラから所定距離内(例えば1km内)に存在し、かつ一のカメラの撮影する方角を基準として所定角度(η)の範囲を撮影するカメラを抽出する(ステップS40)。そして、第2変化率算出部26が、カメラ抽出部24に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)を算出して、その抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量(圧縮画像サイズ)からの変化率T(又は変化率の平均値T’)を算出する(ステップS50)。更に、異常判定部28が、変化率SとT(又はT’)とを比較して、一のカメラが異常か否かを判定する(ステップS60)。このように、本実施形態では、一のカメラの映像データの圧縮画像サイズの変化率Sを、一のカメラの近傍に位置するカメラ映像データの圧縮画像サイズの変化率T(又は変化率Tの平均値T’)と比較するため、天候の急激な変化等により一のカメラの圧縮画像サイズが変化した場合でも、そのような変化を考慮したカメラの異常判定を行うことができる。また、一のカメラにおける圧縮画像サイズの変化率を、一のカメラとほぼ同一方角を撮影するカメラにおける圧縮画像サイズの変化率と比較するため、太陽の方向、すなわち、路面や川面、海面などにおける太陽光の反射による、データ量への影響を考慮して、カメラの異常判定を行うことができる。このように、本実施形態では、高精度に一のカメラの異常を自動的に判定することが可能となる。また、本実施形態では、1つのカメラにおける変化率の変動量のみに基づいてカメラの異常を判定せずに、ほぼ同一条件のカメラとの比較により、カメラの異常を判定する。したがって、大きな変化率を示すカラーバー表示や無地の画面表示のような異常のみならず、小さな変化率を示すブロックノイズのような異常も判定することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態によると、第2変化率算出部26は、カメラ抽出部24により抽出されたカメラが複数ある場合に、当該複数のカメラにおける変化率Tを算出するとともに、複数のカメラにおける変化率Tの平均値T’を算出し、この平均値T’と、一のカメラの変化率Sとを比較するので、異常判定精度に対する、個々のカメラの位置の違いや撮影方角の違いの影響を抑制することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態によると、異常判定部28は、第1変化率算出部22により算出された変化率Sと、第2変化率算出部26により算出された変化率T(平均値T’)とを比較して、その差分値が、閾値ηを超えている場合に、一のカメラが異常であると判定する。したがって、簡易な計算により、カメラの異常判定を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、異常判定部28は、複数のカメラそれぞれに対応する閾値ηを用いて、一のカメラが異常であるか否かを判定するので、各カメラの特性等を考慮した異常判定を行うことができる。
【0053】
また、本実施形態では、状態推定部30が、複数のカメラの映像データの利用状況(閲覧、制御状態)に基づいて、各カメラが異常であるか否かを推定し、異常判定部28により異常と判定されたカメラが、状態推定部30により正常と推定された場合には、閾値ηの絶対値を大きく変更する。これにより、実際のカメラの状態と異常判定結果とが合致するように閾値ηが適宜更新されるため、カメラの異常判定をより高精度に行うことが可能となる。
【0054】
なお、上記実施形態では、一のカメラ近傍に位置するカメラのうち、ほぼ同一の撮影方角のカメラを比較対象として抽出し、それら比較対象のカメラの変化率の平均値を用いる場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、比較対象のカメラのうち、位置が一のカメラに近いものほど、及び/又は、撮影方角が一のカメラに近いものほど重み付けを大きくした重み付け平均値を算出し、これに基づいて、一のカメラの異常を判定することとしても良い。
【0055】
なお、上記実施形態では、図12において、一のカメラの近傍に位置するカメラを特定した後に、当該特定したカメラの中から、撮影方角が一のカメラの撮影方角とほぼ一致するカメラを抽出する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、撮影方角が一のカメラとほぼ一致するカメラを特定した後に、当該特定したカメラの中から、一のカメラの近傍に位置するカメラを抽出することとしても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、監視カメラが、首振り部4を有する場合について説明したが、これに限らず、監視カメラは、撮影方角が固定であっても良い。この場合、カメラメタデータDB42に、各監視カメラに対応して撮影方角を規定しておけば、撮影方角を算出することなく、図12の処理を実現することができる。
【0057】
なお、上記実施形態では、初期段階では閾値ηの値を、全ての監視カメラで同一の値に設定することとしたが、これに限られるものではない。例えば、監視カメラの配置環境や、監視カメラのメーカ、種別、特性等に基づいて、予め別々の値を設定しておくこととしても良い。この場合、閾値ηの値を適宜更新しなくても良い。
【0058】
なお、上記実施形態では、状態推定部30による推定結果に基づいて、異常カメラDB48を見直す場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、利用者等が図18の画面に表示される監視カメラを実際に確認して、問題が無かった場合に、その監視カメラの情報を異常カメラDB48から削除するようにしてもよい。このように削除が行われた場合には、異常判定部28は、異常カメラDB48から削除された監視カメラの閾値ηを変更するようにすれば良い。
【0059】
なお、上述した処理・機能は、前述したように計算機システム(コンピュータ)によって実現することができる。その場合、カメラ状態監視装置10が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
【0060】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0061】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0062】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0063】
22 第1変化率算出部
24 カメラ抽出部
26 第2変化率算出部
28 異常判定部
30 状態推定部
100 カメラ状態監視装置
C1〜Cn 監視カメラ(カメラ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部と、
前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部と、
前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部と、
前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、を備えるカメラ状態監視装置。
【請求項2】
前記第2変化率算出部は、前記カメラ抽出部により抽出されたカメラが複数ある場合には、当該複数のカメラにおける変化率を算出するとともに、前記複数のカメラにおける変化率の平均値を算出し、
前記異常判定部は、前記前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率の平均値とを比較することを特徴とする請求項1に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項3】
前記異常判定部は、前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、その差の絶対値が閾値を超えている場合に、前記一のカメラが異常であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項4】
前記異常判定部は、前記複数のカメラそれぞれに対応する閾値を用いて、前記一のカメラが異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項5】
前記複数のカメラの映像データの利用状況に基づいて、各カメラが異常であるか否かを推定する状態推定部を更に備え、
前記状態推定部は、前記異常判定部により異常と判定されたカメラが、前記状態推定部により正常と推定された場合に、前記閾値を大きく変更することを特徴とする請求項3又は4に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部、
前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部、
前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部、及び
前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、して機能させることを特徴とするカメラ状態監視プログラム。
【請求項7】
複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出ステップと、
前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出ステップと、
前記カメラ抽出ステップにおいて抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出ステップと、
前記第1変化率算出ステップにおいて算出された変化率と、前記第2変化率算出ステップにおいて算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定ステップと、を含むカメラ状態監視方法。
【請求項1】
複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部と、
前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部と、
前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部と、
前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、を備えるカメラ状態監視装置。
【請求項2】
前記第2変化率算出部は、前記カメラ抽出部により抽出されたカメラが複数ある場合には、当該複数のカメラにおける変化率を算出するとともに、前記複数のカメラにおける変化率の平均値を算出し、
前記異常判定部は、前記前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率の平均値とを比較することを特徴とする請求項1に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項3】
前記異常判定部は、前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、その差の絶対値が閾値を超えている場合に、前記一のカメラが異常であると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項4】
前記異常判定部は、前記複数のカメラそれぞれに対応する閾値を用いて、前記一のカメラが異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項5】
前記複数のカメラの映像データの利用状況に基づいて、各カメラが異常であるか否かを推定する状態推定部を更に備え、
前記状態推定部は、前記異常判定部により異常と判定されたカメラが、前記状態推定部により正常と推定された場合に、前記閾値を大きく変更することを特徴とする請求項3又は4に記載のカメラ状態監視装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出部、
前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出部、
前記カメラ抽出部に抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出部、及び
前記第1変化率算出部により算出された変化率と、前記第2変化率算出部により算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定部と、して機能させることを特徴とするカメラ状態監視プログラム。
【請求項7】
複数のカメラのうちの一のカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記一のカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第1変化率算出ステップと、
前記複数のカメラのうち、前記一のカメラから所定距離内に存在し、かつ前記一のカメラの撮影する方角を基準とする所定角度範囲を撮影するカメラを抽出するカメラ抽出ステップと、
前記カメラ抽出ステップにおいて抽出されたカメラにより撮影された映像データを圧縮したときのデータ量を算出し、前記抽出されたカメラによりそれ以前に撮影された映像データを圧縮したときのデータ量からの変化率を算出する第2変化率算出ステップと、
前記第1変化率算出ステップにおいて算出された変化率と、前記第2変化率算出ステップにおいて算出された変化率とを比較して、前記一のカメラの異常を判定する異常判定ステップと、を含むカメラ状態監視方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−171941(P2011−171941A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32927(P2010−32927)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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