説明

カラー画像形成装置

【課題】同一の記録媒体上に、カラー制御のための検知用画像を実画像を記録することで、記録媒体の消費を低減するとともに、カラー制御に要する時間を短縮することが可能となる。
【解決手段】記録媒体上に形成された検知用画像の濃度又は色度を検知する手段を有するカラー画像形成装置において、記録媒体上に所定の検知用画像を記録し、前記検知用画像を前記検知手段により検知した結果を用いて画像形成条件を制御し、前記検知用画像を記録した記録媒体上に実画像を記録することを特徴とするカラー画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク滴を吐出するインクジェット方式またはバブルジェット(登録商標)方式によるプリンタおよび、電子写真方式によるレーザビームプリンタ(以下、LBP)などのカラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カラープリンタ、カラー複写機等の電子写真方式やインクジェット方式等を採用したカラー画像形成装置には、出力画像の高画質化が求められている。ところが、カラー画像形成装置は、環境の変化や長時間の使用による装置各部の変動があると、得られる画像の色が変動する。
【0003】
たとえば、電子写真方式のカラー画像形成装置においては、記録媒体へのトナー像の転写における転写効率や、定着による加熱及び加圧によってもカラーバランスが変化する。そこで記録媒体上にシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の単色の階調パッチや、C,M,Y混色のパッチを形成し、定着後に記録媒体上のパッチの濃度又は色度を検知するセンサ(以下カラーセンサという)を設置したカラー画像形成装置もある。
【0004】
インクジェット方式のカラー画像形成装置においては、インク吐出量の経時変化や環境差、記録媒体の特性、インクカートリッジの個体差によりカラーバランスが変化し、濃度−階調特性を一定に保てない。そこで、記録媒体上の画像を読み込み、濃度−階調特性を補正することが必要となる。特許文献1では、インクヘッドをセンサに付け替え可能で、前記センサにて記録媒体の画像を読み取る機能を有するカラー画像形成装置が提案されている。
【特許文献1】特開2002−185712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来例では濃度又は色度制御(以下カラー制御)のための検知用パッチを形成した記録媒体と、カラー制御結果を確認するための確認用画像を形成した記録媒体が同一でないため、カラー制御結果確認のために記録媒体を消費する課題があった。また、インクヘッドをセンサに付け替えて検知を行うため、検知に要する時間が課題である。
【0006】
本発明の目的は、カラー制御に要する時間を短縮するとともに、カラー制御に要する記録媒体を節約する手段を有するカラー画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、記録媒体上に形成された検知用画像の濃度又は色度を検知する手段を有するカラー画像形成装置において、記録媒体上に所定の検知用画像を記録し、前記検知用画像を前記検知手段により検知した結果を用いて画像形成条件を制御し、前記検知用画像を記録した記録媒体上に前記制御結果をユーザーが目視で確認するための目視確認画像を記録することを特徴とするカラー画像形成装置。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記検知用画像の記録媒体上への形成と、前記検知用画像の検知と、前記画像形成条件の制御と、前記実画像の記録媒体への形成が、連続した単一の制御であることを特徴とした請求項1記載のカラー画像形成装置。
【0009】
請求項3記載の発明は、記録媒体上に画像を形成する手段が記録媒体と相対的に走査する画像形成装置において、前記濃度又は色度の検知手段が、前記画像形成部と連動して走査可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のカラー画像形成装置。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記実画像をユーザーが任意に指定可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載のカラー画像形成装置。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、カラー制御用の検知用画像とカラー制御結果確認用の実画像を同一の記録媒体上に形成することで、記録媒体の消費を低減することが可能となる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、検知用画像の形成から実画像の形成までを一連の単一の制御とすることで、カラー制御に要する時間を短縮することが可能となる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、検知部が画像形成部と連動して走査することで、検知用画像の検知に要する時間が短縮され、カラー制御に要する時間を短縮することが可能となる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、実画像に任意の画像をユーザーが指定可能とすることで、カラー制御結果の確認用画像とユーザーが必要とする画像が一致し、記録媒体の消費を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0016】
インクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送機構と、これらを制御する制御回路とを備えている。このような記録装置では、インク液滴を吐出させる複数の吐出口を有した記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直行する方向(主走査方向)にシリアル・スキャンさせながらインク吐出を行う一方で、記録ヘッドからのインク吐出がない間に記録紙を記録ヘッドの記録幅に等しい量で間欠的に搬送することにより記録動作を実行する。さらに、複数の記録ヘッドにから吐出される複数の色のインク液滴の重ねあわせによりカラー画像を形成する。
【0017】
インクジェット記録装置で用いられる記録媒体としては紙の他、トランスペアレンシ・フィルムや布、プラスチック・シート等の様々なものが望まれており、こうした要求に応えるため、インクの吸収特性が異なる記録媒体を必要に応じて選択した際に、記録媒体の種類に関わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発が行われている。また記録媒体の大きさについても、種々のものに対応してきている。
【0018】
図1はインクジェット方式に従う記録ヘッドを用いた記録装置の構成を示す斜視図である。
【0019】
この記録装置に用いられるインク吐出方法は、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させる方式である。
【0020】
図1において、101はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーとなっている。ブレード101は記録ヘッドの記録領域に隣接した所に配設されるが、図1に示す例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形で保持される。102はキャップであり、ブレード101に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して、記録ヘッドのインク吐出口面と当接し、その面をキャッピングするようになっている。
【0021】
さらに、103はブレード101に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード101と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形で保持される。ブレード101、キャップ102、吸収体103は回復部104に含まれ、ブレード101及び吸収体103によってインク吐出口面から水分、塵埃等の除去が行われる。
【0022】
105はインクを加熱するヒータをインク流路に備え、インク吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、106は記録ヘッド105を搭載して往復移動を行うキャリッジである。キャリッジ106はガイド軸107と摺動可能に係合し、キャリッジ106の一部はキャリアモータ108によって駆動されるベルト109と接続(不図示)している。これによりキャリッジ106はガイド軸107に沿った移動が可能となり、記録ヘッド105による記録領域及びその隣接した領域内での往復移動が可能となる。尚、記録ヘッド105は、キャリッジ106に対して着脱可能な構成がなされている。記録ヘッド105による記録に用いるインクは、記録ヘッド105と一体となったインクタンクより供給される。
【0023】
110は記録媒体を挿入するための給紙部、111は搬送モータ(不図示)により駆動される紙送りローラである。これらによって、記録媒体は記録ヘッド105のインク吐出口面と対向する位置へ給紙され、記録動作の進行に従って、排紙ローラ112を配した排紙部へ排紙される。
【0024】
上記構成において、記録ヘッド105が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部104のキャップ102は記録ヘッド105の移動経路から退避しているが、ブレード101は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド105のインク吐出口面がワイピングされる。尚、キャップ102が記録ヘッド105の突出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ102は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0025】
記録ヘッド105がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ102及びブレード101は上述したワイピング時の位置と同じ位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド105のインク吐出口面はワイピングされる。
【0026】
記録ヘッド105のホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のための記録領域を移動する間にも、所定の時間間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0027】
図1に不図示の検知部113は、記録ヘッド105のインク吐出口面と同じ面に、インク吐出口よりも記録媒体搬送方向下流側にある。検知部113により記録媒体上に記録された画像の濃度又は色度検知する。
【0028】
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0029】
図2は図1に示す記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、200は記録信号を入力するインタフェース、201はMPU、202はMPU201が実行する制御プログラムを格納するROM、203は各種データ(上記記録信号や記録ヘッド105に供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。204は記録ヘッド105に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース200、MPU201、RAM203間のデータ転送制御も行う。108は記録ヘッド105を搬送するためのキャリアモータ、208は記録紙搬送のための搬送モータである。205は記録ヘッド105を駆動するヘッドドライバ、206,207はそれぞれ搬送モータ208、キャリアモータ108を駆動するためのモータドライバである。
【0030】
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース200に記録信号が入るとゲートアレイ204とMPU201との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ206、207が駆動されると共に、ヘッドドライバ205に送られた記録データに従って記録ヘッド105が駆動され、記録が行われる。
【0031】
次に図3を用いてカラーインクジェット記録装置における画像データの流れについて説明する。ここでは、濃度の低い淡色インクを併用して、シアン、淡シアン、マゼンタ、淡マゼンタ、イエロー、ブラックの6色のインクを使用してカラー記録を行い、原画像データは解像度が300dpi×300dpiでCMYK各色成分が8ビット(256階調)であり、記録解像度が1200dpi×1200dpiである場合を例に説明する。記録ヘッドは、上記6色のカラーインクがそれぞれ封入された6つのインクタンクと、それぞれに対応した6つの記録ヘッドが一体化した記録ヘッドとを備えているとする。
【0032】
はじめに、原画像データを誤差拡散法等の多値化処理により、例えばCMYK各色成分4ビット(16階調)の中間データに変換する。この中間データの解像度は300dpi×300dpiのまま変化しない。この処理はホスト(不図示)側のプリンタドライバで行い、中間データを記録装置へ供給しても良いし、記録装置内で中間データに変換しても良い。以下の説明においては、ホスト(不図示)側のプリンタドライバで中間データへの変換を行い記録装置へ供給するものとする。この中間データはバンドメモリと呼ばれるメモリに一時的に格納される。
【0033】
一般に記録装置においては、副走査(紙送り)方向にノズルが配列された記録ヘッドに適したデータ順序への並べ替えを実行したり、高品位画像形成のためのマルチパス記録の実現のために、バンドメモリを備えている。そして、この中間データをバンドメモリから読み出し、濃度パターン法により記録解像度である1200dpi×1200dpiに展開する。
【0034】
濃度パターン法は、1画素をM*N個(M,Nは1以上の整数)の記録ドットに展開し、面積変調により二値による濃淡表現を行うものであり、単位面積当たりに記録するドット数(インク粒数)を可変にして面積変調を実現するものである。
【0035】
このようにして、最終的な二値の記録データが生成される。バンドメモリへの格納を中間データに対して行うのは、メモリ容量の削減が主な目的である。
【0036】
図3では、入力画像データを記録解像度の二値データに展開し、さらにマルチパス記録における各パス毎のデータを生成する処理を実行するいくつかの処理ブロックを示している。
【0037】
図3において、301はデータインターフェース部であり、外部より画像データが入力され、入力処理を実行する。302はメモリ入力制御部であり、バンドメモリの入力制御を行う。303はバンドメモリであり、画像データを一時格納する。304はメモリ出力制御部であり、バンドメモリ303の出力制御を行う。305は二値化展開部であり、濃度パターン法による面積変調により記録解像度での二値データ展開を実行する。306は展開テーブルであり、二値化展開部305における二値化処理において使用される参照テーブルである。307はマルチパスデータ生成部であり、マルチパス記録のための各スキャン毎のパスデータ生成処理を行う。308はデータ処理制御部であり、図3に示したデータ処理ブロック全体を監視するとともに、CPU21からの指示に従いブロック全体を制御する。
【0038】
中間データは、解像度300dpi×300dpiの各色成分が1画素4ビットのデータであり、メモリ入力制御部302の入力制御によりバンドメモリ303へ一時格納される。バンドメモリ303は外部機器からのデータ転送と記録ヘッド105へのデータ転送との間で画像データを一時格納するものである。
【0039】
バンドメモリ303は、マルチパス記録における複数スキャンの重複領域へのデータ出力を実現するだけでなく、ラスタスキャンで転送される画像データを記録ヘッド105のインタフェースにあわせた順序に並べ替える目的にも使用されている。バンドメモリ303に格納された中間データは、キャリッジ106の位置に基づいてメモリ出力制御部304によって出力制御され、二値化展開部305へ送出される。
【0040】
二値化展開部305においては、展開テーブル306を用いて、入力された中間データを記録解像度である1200dpi×600dpiの二値データに展開する。二値化された記録データは、マルチパスデータ生成部307において当該スキャンにおけるデータ以外を全てマスク処理し、パスデータを生成する。こうして生成されたパス毎の記録データは、記録ヘッドドライバ205へ送出され、データに応じた画像形成が実行される。
【0041】
次に、本発明の特徴である、記録媒体上に所定の検知用画像を記録し、前記検知用画像を前記検知手段により検知した結果を用いて画像形成条件を制御し、前記検知用画像を記録した記録媒体上に前記制御結果をユーザーが目視で確認するための実画像を記録する手順について、図4を用いて説明する。本発明における実画像とは、自然画又はグラフィック又はテキスト又はパッチ等の単色もしくは2色以上からなる画像である。
【0042】
ステップ401では、予め決められた検知用画像を記録媒体上に記録する。本ステップは、ユーザーが例えばプリンタドライバ上から指定することで開始される。ここでは、プリンタドライバ上から指定すると記載したものの、ユーザーが指定できる方法であれば、前記指定方法に限られるものではない。
【0043】
次にステップ402では、検知部を用いて記録媒体上に記録された検知用画像の濃度又は色度を検知する。
【0044】
図5は、検知部501とインク吐出口502との位置関係を示す断面図である。本実施例では、検知部とインク吐出口が記録ヘッド105に設置されているものの、検知部の位置は、記録媒体上に記録された画像を検知できる位置であれば、記録ヘッド上に限られるものではない。例えば、図10に示す構成で、記録ヘッド105と連動して検知部113が記録媒体上を走査することでも良い。この場合、インク吐出口からの相対的距離があるため、飛散したインク滴による検知部の汚れを防止することも可能となる。
【0045】
ステップ403では、ステップ402にて検知した濃度又は色度と、検知用画像データの濃度又は色度とを比較し、比較結果をプリンタドライバにフィードバックする。フィードバックを受けたプリンタドライバは、検知用画像データと記録媒体上の検知用画像の濃度又は色度が一致するように変換方法に補正する、所謂カラー制御を行う。
【0046】
ステップ404では、ステップ403のカラー制御にて補正された中間データへの変換方法を用いて、予め決められた実画像データを、検知用画像が記録された記録媒体上に記録する。
【0047】
ステップ405にて、ユーザーは、記録媒体上の実画像を目視確認することで、カラー制御結果を確認する。カラー制御結果が問題なければ、本ステップを終了する。再度カラー制御を実行する場合には、ステップ401に戻る。
【0048】
図6にて、検知用画像と実画像について説明する。検知用画像は、図6に示すように記録媒体の搬送方向上流側に形成する。図6においては、検知用画像として、複数のパッチを図示してあるものの、必ずしもパッチ形状とは限らない。
【0049】
また、図6においては、実画像の一部を検知用画像と同一のものとして示してあるものの、検知用画像と実画像は完全に異なる画像でも良い。
【0050】
以上説明した構成により、カラー制御のための検知用画像とカラー制御結果をユーザーが確認するための実画像を同一の記録媒体上に形成することが可能となり、記録媒体の消費を低減することが可能となる。また、検知用画像の形成のための記録ヘッドと検知のための検知部を有しているため、検知までの時間を短縮でき、カラー制御に要する時間を低減することが可能である。
【0051】
ここでは、記録媒体上に画像形成する方式として、インクジェット方式を例に説明をしたものの、電子写真方式などでも可能であり、インクジェット方式に限られるものではない。
【実施例2】
【0052】
実施例2では、電子写真方式のカラー画像形成装置を用いて、請求項2記載の発明について説明する。
【0053】
電子写真方式のカラー画像形成装置は、画像処理部と画像形成部により構成される。画像処理部では、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像の色を表すRGB信号をカラー画像形成装置の色再現域に合わせたデバイスRGB信号(以下DevRGBという)へカラーマッチングテーブルで変換する。次に、変換したDevRGB信号を、色分解テーブルで、カラー画像形成装置のトナー色材色であるCMYK信号へ変換する。キャリブレーションテーブルは各々のカラー画像形成装置に固有の濃度−階調特性を補正するテーブルであり、前記CMYK信号を濃度−階調特性の補正を加えたC’M’Y’K’信号へ変換する。ディザテーブルは、ディザ処理を行い、C’’M’’Y’’K’’信号に変換する。さらに、PWM(Pulse Width Modulation)テーブルで、前記C’’M’’Y’’K’’信号を対応する図7に示すスキャナ部24C、24M、24Y、24Kの露光時間Tc、Tm、Ty、Tkへ変換する。
【0054】
次に画像形成部について説明する。画像形成に関わる主な手段は、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、定着手段である。それらをCPUにより制御している。更に、カラーセンサもCPUに接続されている。
【0055】
図7は、電子写真方式のカラー画像形成装置の一例である中間転写体28を採用したタンデム方式のカラー画像形成装置である。図7を用いて、電子写真方式のカラー画像形成装置における画像形成部の動作の概略を説明する。
【0056】
画像データに基づき、感光体22上に露光光により静電潜像が形成される。感光体22上の静電潜像を現像することで、単色トナー像を形成する。ステーション毎に単色トナー像を中間転写体28上に重ね合わせ、重ね合わせた多色トナー像を中間転写体28上に形成する。記録媒体12を給紙トレイ21a又は21bから二次転写ローラ29へ狭持搬送し、記録媒体12に中間転写体28上の多色トナー像を転写する。定着装置31で、多色トナー像を保持した記録媒体12を定着ローラ32と加圧ローラ33により搬送するとともに、熱および圧力を加え、トナーを記録媒体12に定着させる。
【0057】
トナー定着後の記録媒体12は、その後図示しない排出ローラによって図示しない排紙トレイに排出して画像形成動作を終了する。
【0058】
カラーセンサ42は記録媒体搬送路の定着装置31より下流に記録媒体12の画像形成面へ向けて配置されており、記録媒体12上に形成された定着後の混色パッチの色を検知し、RGB値を出力する。カラー画像形成装置内部に配置することにより、定着後の画像を排紙部に排紙する前に、自動的に検知することが可能となる。
【0059】
本発明の特徴である、カラー制御のための検知用画像の形成からカラー制御結果確認のための実画像の形成までを、一連の単一の制御とする方法について、図8を用いて説明する。
【0060】
図8中のステップ801にて、ユーザーは記録媒体を給紙トレイ21bにセットする。記録媒体の搬送方向の長さLは、以下の式(1)を満たす必要がある。
【0061】
記録媒体の搬送方向の長さ:L ≧ カラーセンサ41と転写ローラ29aとの距離:L1 + 実画像の紙搬送方向の長さ:L2 ・・・ 式(1)
【0062】
ステップ802にて、前述の画像形成動作により、予め決められた検知用画像を記録媒体上に形成し、カラーセンサ41まで搬送する。
【0063】
ステップ803にて、カラーセンサにて、検知用画像を検知し、記録媒体の搬送を停止する。
【0064】
ステップ804にて、カラーセンサでの検知結果をCPUにフィードバックし、カラー制御を実行する。
【0065】
ステップ805にて、実画像を中間転写体上に形成し、転写ローラ29で記録媒体へ転写し、定着装置31にて記録媒体上に定着する。定着後、記録媒体は、図8に不図示の排紙トレイに排紙される。中間転写体上に形成された実画像のトナー像が、転写部に搬送されるまで、転写ローラ29は中間転写体から離間しており、記録媒体も停止している。トナー像が転写部に到達する直前に転写ローラ29が、中間転写体へ当接し、記録媒体上にトナー像を転写する。これにより、記録媒体の長さを短縮することが可能となる。
【0066】
ステップ806にて、ユーザーが実画像を目視で確認し、カラー制御結果を判断する。カラー制御結果が問題なければ、本ステップを終了する。再度カラー制御を実施する場合には、ステップ801に戻る。
【0067】
以上説明して構成により、カラー制御のための検知用画像の形成、カラーセンサでの検知、実画像の形成とユーザーの確認までを一連の制御で実行可能となる。
【実施例3】
【0068】
実施例3では、実施例1または実施例2での実画像をユーザーが任意に指定する方法について図9を用いて説明する。
【0069】
ステップ901で、カラー制御を開始する。ステップ902で、ユーザ−はカラー制御の開始を指定する際に、実画像を予め決められた画像を使用するか、任意の画像を使用するかをする。画像の指定は、プリンタドライバ上から実施する。ユーザーが任意の画像を指定した場合、ステップ903にて記録媒体が検知用画像及びユーザー指定の画像を記録可能なサイズであるかを、プリンタドライバからユーザーに確認する。確認の方法は、PCのディスプレイ上にメッセージを表示することでも、画像形成装置のボタンをユーザーに押させることでも、ユーザーが、記録媒体サイズが問題ないことを確認できる方法であれば構成は限定しない。
【0070】
ユーザーが、記録媒体のサイズを確認した後、画像形成装置はステップ904、ステップ905の順にカラー制御を実行し、ステップ906にて実画像を記録媒体上に記録する。
【0071】
例えば、人肌、青空、りんごの色等の記憶色やユーザーが指定する特色を含む画像を印字する際には、ユーザー指定の画像に、記憶色又は特色のパッチを含めることで、カラー制御後の記憶色又は特色をより明確に確認することが可能となる。
【0072】
また、検知用画像を切り取ることで、実画像のみが印字された記録媒体をユーザーが入手することも可能である。そのため、実画像にユーザーが印字したい画像を指定することで、確実にカラー制御を実行した後に印字された実画像をユーザーは入手可能である。これにより、例えば記録媒体を交換した直後でも、ユーザーが所望する品質で実画像を印字することが可能となり、記録媒体の消費を低減することが可能となる。
【0073】
以上説明した構成により、カラー制御のための検知用画像とユーザー指定の画像を同じ記録媒体上に記録することができ、記録媒体の消費を低減することができる。また、記憶色又は特色などのユーザーが特に色味にこだわる画像を印字する際には、カラー制御結果をユーザーの所望している画像と同じ記録媒体上で確認でき、出力した色味への信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明を説明するためのカラー画像形成装置の全体構成
【図2】カラー画像形成装置のブロック図
【図3】データ処理を説明するブロック図
【図4】実施例1での制御を説明する図
【図5】検知部とインク吐出口の位置関係を説明する図
【図6】検知用画像および実画像を説明する図
【図7】実施例2を説明するためのカラー画像形成装置の全体構成図
【図8】実施例2での制御を説明する図
【図9】実施例3での制御を説明する図
【図10】記録ヘッドと連動して検知部が記録媒体上を走査する構成図
【符号の説明】
【0075】
10 画像処理部
11 画像形成部
12 記録媒体
21 給紙トレイ
22 感光体、感光体
23 一次帯電手段
24 スキャナ部
25 トナーカートリッジ
26 現像手段
27 一次転写ローラ
28 中間転写体
29 二次転写ローラ
30 クリーニング手段
31 定着装置
40 バイアス電源
101 ブレード
102 キャップ
103 インク吸収体
104 回復部
105 記録ヘッド
106 キャリッジ
107 ガイド軸
108 キャリアモータ
109 ベルト
110 給紙部
111 紙送りモータ
112 排紙モータ
200 インタフェース
201 MPU
202 ROM
203 RAM
204 ゲートアレイ
205 ヘッドドライバ
206、207 モータドライバ
208 搬送モータ
301 データインターフェース部
302 メモリ入力制御部
303 バンドメモリ
304 メモリ出力制御部
305 二値化展開部
306 展開テーブル
307 マルチパスデータ生成部
308 データ処理制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に形成された検知用画像の濃度又は色度を検知する手段を有するカラー画像形成装置において、記録媒体上に所定の検知用画像を記録し、前記検知用画像を前記検知手段により検知した結果を用いて画像形成条件を制御し、前記検知用画像を記録した記録媒体上に実画像を記録することを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記検知用画像の記録媒体上への形成と、前記検知用画像の検知と、前記画像形成条件の制御と、前記実画像の記録媒体への形成が、連続した単一の制御であることを特徴とした請求項1記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
記録媒体上に画像を形成する手段が記録媒体と相対的に走査するカラー画像形成装置において、前記濃度又は色度の検知手段が、前記画像形成部と連動して走査可能であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記実画像をユーザーが任意に指定可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−305766(P2006−305766A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128090(P2005−128090)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】