説明

カーエアコンディショナー用洗浄剤

【課題】洗浄性、優れた抗菌、抗黴性、消臭性を有し、しかも良好な防錆性を示すことにより、エバポレーターのような駆動部の機能を妨げることなく、長期間にわたって安定した効果を持続し得るカーエアコン用洗浄剤を提供する。
【解決手段】洗浄剤全量に基づき、(A)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキルアンモニウムカルボン酸塩0.1〜5質量%、(B)植物抽出エキス0.5〜5.0質量%、(C)ハロゲン原子を有しない有機系防錆剤0.1〜5.0質量%、(D)ハロゲン原子を有しない非イオン性界面活性剤1.0〜10.0質量%、残部アルコール性有機溶剤からなる溶液に対し、噴射剤として窒素ガスを圧入し、噴射圧0.6〜0.9MPaに調整したカーエアコンディショナー用洗浄剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム、アルミニウム基合金、マグネシウム基合金、鉄系合金のような金属や、それらの上に被覆されているアクリルアミド等の親水性樹脂のようなカーエアコンディショナーの基材に効率よく吸着し、長期の抗菌効果を有し、しかも優れた消臭効果、良好な防錆作用を示す洗浄剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のエアーコンディショナー、(以下カーエアコンと略す)の回路内に発生する細菌や黴のような微生物を撲滅したり、タバコ臭のような悪臭を消臭するためにカーエアコン用洗浄剤が用いられている。
【0003】
このカーエアコン用洗浄剤としては、ガン噴きタイプとムース状タイプのものが知られており、使用個所や使用目的に応じ、適宜選択使用されている。
例えば、ガン噴きタイプのものは、カーエアコン内、特にエバポレーターの洗浄及び抗菌、消臭処理用として用いられているが(特許文献1参照)、カーエアコン内にガンを挿入し、エバポレーターを直接洗浄処理する作業は、車内のパネルのような構造の部品脱着を伴うため、非常に熟練を要するという欠点がある。
【0004】
他方、ムース状タイプは、薬剤が泡状となって、そのままカーエアコン回路内に行き渡るため、エバポレーターのみならず、その周辺機器も効率よく洗浄することができるという利点はあるが、モーターの駆動部にまで泡が侵入し、ショート等の電気系統のトラブルを生じて作業が停止したり、モーターを錆びさせて劣化させるという欠点がある。
【0005】
そのほか、水を主体とする溶媒に第三級カルボキシル基を有する炭素数8以上の脂肪酸のアルカリ金属塩を分散剤として用いて抗菌、防黴剤を分散させて得た原液を、エアーコン回路に噴き付けて固着させる方法(特許文献2参照)や、消臭剤水性原液に対して、有機窒素硫黄系の抗菌防黴剤を5〜20重量%と、防錆剤を0.1〜7重量%と、界面活性剤を1〜10重量%と、溶剤5〜20重量%とを配合してなるエアーコン用消臭剤を自動車の室内のエアーコンの空気回路内のエバポレーター部に付着する細菌や黴を抑制し、消臭する方法や(特許文献1参照)、有機系抗菌防黴剤0.01〜5質量%、有機カルボン酸又はその塩と天然抽出物との混合物からなる消臭剤0.01〜5質量%、防錆剤0.01〜5質量%、界面活性剤0.1〜10質量%を含有してなる原液90〜70質量%とジメチルエーテルからなる噴射剤10〜30質量%とからなるカーエアコン洗浄剤(特許文献3参照)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、上記のカーエアコン用洗浄剤又は防菌、消臭剤は、洗浄効果、防菌、防黴効果を重視した処方とすると、防錆作用が低下するし、防錆作用を重視した処方とすると洗浄効果や防菌、防黴効果が低下するため、カーエアコン用洗浄剤として必ずしも満足し得るものとはいえなかった。
【0007】
【特許文献1】特開平9−108311号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献2】特開平3−146063号公報(特許請求の範囲その他)
【特許文献3】特開2003−261900号公報(特許請求の範囲その他)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来のカーエアコン用洗浄剤がもつ上記の欠点を克服し、洗浄性はもちろん、優れた抗菌、抗黴性、消臭性を有し、しかも良好な防錆性を示すことにより、エバポレーターのような駆動部の機能を妨げることなく、長期間にわたって安定した効果を持続し得るカーエアコン用洗浄剤を提供するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、カーエアコン用洗浄剤について種々研究を重ねた結果、錆の主な発生原因はハロゲンであることから、各成分としてハロゲンを含まないものを選ぶこと、すなわち抗菌、抗黴剤とし、ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキルアンモニウムカルボン酸塩を、消臭剤として植物抽出エキスを、防錆剤としてハロゲンを含まない有機系防錆剤を、洗浄成分としてハロゲンを含まない非イオン性界面活性剤をそれぞれ所定の割合で含有し、さらにハロゲンを含まない親水性皮膜形成剤を加えたものをアルコール性有機溶剤に溶解して原液とし、これに噴射剤として窒素ガスを圧入することにより、良好な洗浄性、抗菌抗黴性、消臭性を有し、しかも優れた防錆性を長期にわたって維持するカーエアコン用洗浄剤が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、洗浄剤全量に基づき、(A)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキルアンモニウムカルボン酸塩0.1〜5質量%、(B)植物抽出エキス0.5〜5.0質量%、(C)ハロゲン原子を有しない有機系防錆剤0.1〜5.0質量%、(D)ハロゲン原子を有しない非イオン性界面活性剤1.0〜10.0質量%、残部アルコール性有機溶剤からなる溶液に対し、噴射剤として窒素ガスを圧入し、噴射圧0.6〜0.9MPaに調整してなるカーエアコンディショナー用洗浄剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、カーエアコンの汚染を効率よく洗浄し得るとともに、カーエアコン内で結露を生じる箇所に抗菌抗黴性を与え、微生物の繁殖に起因する臭気の発生を長期間にわたって抑制し得る良好なカーエアコン用洗浄剤が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明洗浄剤における抗菌抗黴剤としては、エアコン回路内の金属部材やエアゾール金属への腐食性が少なく、エアコンを構成する金属素材や表面被覆樹脂基材への吸着性を考慮し、対イオンとしてハロゲンを含まないジ長鎖アルキルジ短鎖アルキルアンモニウムカルボン酸塩を用いることが必要である。
【0013】
上記の長鎖アルキル基としては、炭素数8〜12のアルキル基が、また短鎖アルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
また、対イオンを形成するカルボン酸としては、炭素数2〜8のモノ又はジカルボン酸が好ましい。
【0014】
(A)成分として特に好ましいのは、ジデシルジメチルアンモニウムアジピン酸塩である。この(A)成分としては、適用時の除菌効果を増強するために、2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン、1,2‐ベンゾイソチアゾリン‐3‐オン、N‐n‐ブチル‐1,2‐ベンゾイソチアゾリン‐3‐オンなどや、分子内にアミノ基、カルボキシル基をもつアミノ酸、例えばナトリウムアルキルジ(アミノエチル)グリシン、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどを併用することができる。
【0015】
次に、本発明洗浄剤においては、(B)成分として、適用時における速効的な消臭を与え、或いは微生物繁殖時の臭気、タバコ臭、部材より発生する樹脂臭などの臭気を効率よく抑制するために、植物抽出エキスからなる消臭剤が用いられる。この植物抽出エキスとしては、例えば柿や茶のようなポリフェノールを含むものが好ましい。この(B)成分には、臭気の発生源物質、例えばアンモニア、アセトアルデヒド、各種脂肪酸と直接反応できる官能基をもつ化合物を重合させたグラフト重合系消臭剤、例えばグラフトン社製、商品名「グラフトン」を併用することもできる。
【0016】
また、本発明洗浄剤においては、(C)成分として、有機系防錆剤を用いることが必要であるが、このものはエアコン部材やエアゾール金属容器への悪影響がないように、ハロゲン原子を有しないベンゾトリアゾール系、アンモニウム塩系、ジカルボン酸系のものや、p‐t‐ブチル安息香酸などが用いられる。
【0017】
中でも特にベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトリト、ジイソプロピルアンモニウムニトリト、炭素数21の二塩基脂肪酸などが好ましい。
これらは、市販品、例えば商品名「ダイアシッド1550」(ハリマ化成社製)、商品名「BT−120」(城北化学工業社製)として容易に入手できる。
これらは単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。
【0018】
本発明洗浄剤においては、(D)成分として洗浄成分を用いることが必要であるが、この(D)成分は、溶液としたときに安定的に溶解し、エバポレーターその他の固体表面に適用したときに、処理面を損うことなく、清浄化し得るように、ハロゲン原子を有しない非イオン性界面活性剤が用いられる。
【0019】
このような非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルアミンエチレンオキシド付加物、アルキルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリオキシエチレンメチルエーテル、アルキルジメチルアミンオキシドなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。これらの中で適用時の除菌性を有するという点で、特にアルキルアミンオキシドが好ましい。
【0020】
本発明洗浄剤においては、上記の(A)〜(D)成分の混合割合を特定範囲内で選ぶことも重要な条件である。
すなわち、洗浄剤全量に基づき、(A)成分は、0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%、(B)成分は0.5〜5.0質量%、好ましくは1.0〜2質量%、(C)成分は0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜2質量%、(D)成分は1.0〜10.0質量%、好ましくは2.0〜5.0質量%であり、残りは溶剤である。
【0021】
(A)成分が0.1質量%よりも少ないと、抗菌抗黴効果が不十分になるし、また5質量%以上になると、溶液自体が不安定になり、固形分が析出し、エアゾールとして使用する際、噴射不能を起す上に、噴射後の液の付着量が多くなりすぎ、エアコン部位に悪影響を与えるおそれがある。
【0022】
また、(B)成分の量が0.5質量%よりも少ないと消臭効果が不十分になるし、5質量%よりも多くなると溶液自体の安定性を欠き、固形分の析出によるエアゾールの噴射障害をもたらす。
【0023】
次に、(C)成分が0.1質量%よりも少ないと防錆効果が不十分になって、エアーコンディショナー基材の保護が十分に行われなくなるし、5質量%以上になると、溶液自体の安定性が確保されず、また固形分の析出による噴射不能が引き起こされる。
【0024】
さらに、(D)成分の非イオン性界面活性剤が1.0質量%よりも少ないと、原液の安定性が損なわれ、分離しやすくなる結果、洗浄力が低下するし、10質量%よりも多くなるとエアコン素材に悪影響を与える。
【0025】
したがって、十分な洗浄力を保ち、かつ良好な抗菌抗黴作用及び消臭作用を発揮させ、長期間にわたって優れた防錆性を持続させるには、洗浄剤全量に基づき、(A)成分0.1〜5質量%、(B)成分0.5〜5.0質量%、(C)成分0.1〜5.0質量%、(D)成分は1.0〜10.0質量%の範囲内で選ぶことが必要である。
【0026】
そして、一般に車両のエアコン構造は、複雑で脱着可能に取り付けたフィルターは送風ファン上部に配置されているので、処理しようとするエバポレーターへ洗浄剤を効率よく供給し、送風ファン周囲部分に装着されている電子部品へ悪影響を及ぼさないように注意し、微生物の胞子やタバコのヤニによる微細な汚れを除去し、かつ洗浄剤中の必要成分をエアコンの必要部分に定着させるには、容易に揮発するアルコール性有機溶剤を用いることが必要である。
【0027】
このアルコール性有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n‐プロピルアルコール、イソプロピルアルコールのような低級アルコールや、エチレングリコールメチルエーテルなどが用いられるが、各成分に対する分散性がよい上に、人体に対する毒性が少なく、蒸発しやすいという点でエチルアルコール又はエチルアルコール含有量70体積%以上のエチルアルコール水溶液が好ましい。
【0028】
このアルコール性有機溶剤は、洗浄剤全量に基づき70〜99質量%の割合で用いられる。これよりも少ない場合は、洗浄剤の乾燥性が失われ、またミストが粗くなってエバポレーターへの到達率が低下する。また、99質量%よりも多くなると、洗浄液が不安定になり、固形分が析出してエアゾールの噴射を阻害する。
【0029】
本発明洗浄剤においては、上記の(A)成分ないし(D)成分に加えて、さらに(E)成分として、乾燥後、洗浄剤有効成分の(A)ないし(D)成分が処理面に定着するのを補助するために、親水性皮膜形成剤を配合させることができる。
【0030】
この親水性皮膜形成剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリエーテルポリオール系ウレタンポリマー、例えば商品名「アデカノールUH−140S」[(株)ADEKA社製]などが用いられる。
【0031】
本発明洗浄剤においては、先ずアルコール性有機溶剤に上記(A)ないし(D)又は所望により(E)を溶解して、固形分濃度1〜30質量%の原液が調製される。
そして、このようにして調製された原液に対し、噴射剤として窒素ガスを圧入し、噴射圧0.6〜0.9MPaに調整し、エアゾール容器に充填する。噴射圧がこれよりも低いと微細なミストの形成ができないし、またこれよりも高いと破裂するおそれがあり、危険である。
【0032】
エアゾールとして用いる場合、ミストをより細かくするために、エアゾール容器の出口にたわみ性細管を付設するのがよい。
この場合の細管の出口の孔径を0.4mm以下、好ましくは0.1〜0.3mmにする。このようにして、噴射するミストをエアコンの送風によりエバポレーターに到着させることができる。
【0033】
次に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これによりなんら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例中の物性の評価は以下の方法により行った。
【0034】
(1)安定性
試料原液をよく混合して冷蔵庫(約4℃)に入れ、1週間放置後、次の基準で目視により評価した。
○:液が透明で、析出物の浮遊又は沈殿は認められない。
×:液が白濁しており、析出物の浮遊又は沈殿が認められる。
【0035】
(2)抗菌性
アルミニウムと6‐ナイロンの標準試験板(10×25mm)に各試料液を塗布し、乾燥後、塩水噴霧試験機(スガ試験機社製)中にセットし、静置した。14日後、上記各試験板を取り出し、乾燥後、直径90mmのシャーレに用意した普通寒天培地(予め枯草菌を塗布)の中央に置いた。25℃で3日間培養した後、阻止円の直径の大きさにより次の基準で評価した。
○:20mm以上
△:10mm以上20mm未満
×:10mm未満
【0036】
(3)防黴性
直径8mmの紙製ディスクに各試料液を塗布し、直径90mmのシャーレ中に用意したポテトデキストロース寒天培地(予め黒麹菌を塗布)の中央に置いた。25℃で3日間培養した後、阻止円の直径の大きさにより次の基準で評価した。
○:20mm以上
△:10mm以上20mm未満
×:10mm未満
【0037】
(4)消臭性
悪臭源(0.5%アンモニア−エタノール溶液0.2cc)を5リットル容デシケータ中のビーカーに入れ、30分放置後、ガステック社製ガス検知管で濃度測定を行い、コントロールとした。次に、デシケータ内に各試料液0.5ccを染み込ませたネル布(50×50mm)を入れて、同様に臭気濃度測定を行い、コントロールとの差を消臭率とした。このとき悪臭源と試料液は接触させず、揮発したもの同士が反応するようにした。
○:消臭率70%以上
△:消臭率30%以上70%未満
×:消臭率30%未満
【0038】
(5)洗浄性
未使用のタバコをエタノールで抽出し、テストピース(25×50mm)に塗布したものを汚染板とし、色差を予め色彩色差計(ミノルタ社製、CR−200)により測定した。100mlビーカーに試料液を100g取り、汚染板を入れ、450rpmで10分間撹拌した後、再度色差測定し、以下の数式により洗浄率を求めた。
洗浄率(%)=(ΔE1−ΔE2)×100/ΔE1
(ΔE1:洗浄前の汚染板色差、ΔE2:洗浄後の汚染板色差)
○:洗浄率80%以上
△:洗浄率50%以上80%未満
×:洗浄率50%未満
【0039】
(6)防錆性
各試料液中に、磨した鉄板を全体の下半分が漬かるように浸漬し、1週間50℃の恒温槽中に放置した後での錆の有無を外観観察した。
○:錆発生無し
△:部分的に錆発生
×:錆発生無し
【0040】
(7)液到達性
実車に搭載されているカーエアコン、ブロアユニット、エバポレーターを各ユニットを用いて連結し、エバポレーターの吸気面にB5版サイズ(182×257mm)の紙を当接し、ブロアユニット内気取り入れ口から各試料の原液を充填したエアゾールを噴射し、原液が紙上に付着した面積を測定し、占有割合を下記の基準により評価した。
○:80%以上
△:70%以上80%未満
×:70%未満
【0041】
実施例1〜4、比較例1〜4
表1に示す組成のカーエアコン用洗浄剤を調製して、その物性を評価し、その結果を表1に示した。
【0042】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0043】
自動車のエアコン用洗浄剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄剤全量に基づき、(A)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキルアンモニウムカルボン酸塩0.1〜5質量%、(B)植物抽出エキス0.5〜5.0質量%、(C)ハロゲン原子を有しない有機系防錆剤0.1〜5.0質量%、(D)ハロゲン原子を有しない非イオン性界面活性剤1.0〜10.0質量%、残部アルコール性有機溶剤からなる溶液に対し、噴射剤として窒素ガスを圧入し、噴射圧0.6〜0.9MPaに調整してなるカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項2】
(A)成分のジ長鎖アルキルジ短鎖アルキルアンモニウムカルボン酸塩における長鎖アルキルが炭素数8〜12のアルキル基であり、短鎖アルキルが炭素数1〜3のアルキル基である請求項1記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項3】
(A)成分がジデシルジメチルアンモニウムアジピン酸塩である請求項2記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項4】
(B)成分が柿又は茶の抽出エキスである請求項1ないし3のいずれかに記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項5】
(C)成分が脂肪族ジカルボン酸系防錆剤又はそれとベンゾトリアゾール及びジイソプロピルアンモニウムニトリトのいずれか一方若しくは両方との混合物である請求項1ないし4のいずれかに記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項6】
(D)成分がポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミンエチレンオキシド、アルキルジエタノールアミド、ポリオキシエチレン付加脂肪酸エステル及び脂肪酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルの中から選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし5のいずれかに記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項7】
(A)〜(D)成分に加え、さらに(E)成分として親水性皮膜形成剤を含む請求項1ないし6のいずれかに記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項8】
(E)成分がポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物及びポリエーテルポリオール系ウレタンポリマーの中から選ばれた少なくとも1種である請求項7記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。
【請求項9】
アルコール性有機溶剤がエチルアルコール少なくとも70体積%を含むエチルアルコールと水との混合物である請求項1ないし8のいずれかに記載のカーエアコンディショナー用洗浄剤。

【公開番号】特開2010−138295(P2010−138295A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316155(P2008−316155)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000197975)石原薬品株式会社 (83)
【Fターム(参考)】