説明

カーテン塗工装置及びそれを用いた被膜シートの製造方法

【課題】塗工液を少量にしてカーテン塗工を行っても、膜厚が均一で外観の良好な被膜シートの製造を可能にするカーテン塗工装置及びそれを用いた被膜シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るカーテン塗工装置は、走行中のウェブ上にカーテン膜状の塗工液を流下させ、前記ウェブ上に塗工膜を形成するカーテン塗工装置であって、前記塗工液を吐出する吐出部と、前記吐出部から吐出された前記塗工液をカーテン膜状に流下させる一対のエッジガイドとを有し、前記エッジガイドは直線状の剛性部分と可撓性部分とを有し、前記可撓性部分は前記エッジガイドの自由端側に少なくとも設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光学フィルム等の製造に適用可能なカーテン塗工装置及びそれを用いた被膜シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、基材フィルム等のウェブ上に塗工液を塗工した後、乾燥等を行うことで、被膜を形成した各種の被膜シートが製造されている。前記塗工液の塗工方式としては、スロットノズル塗工、リバースグラビアコート、マイクログラビア等の様々な方式が採用されている。
【0003】
前記スロットノズル塗工を被膜シートの製造に採用する場合、例えば、塗工後の塗工膜に対して乾燥速度を低速にして乾燥することで、膜厚の均一な被膜シートを製造する。しかし、スロットノズル塗工はウェブにノズルを接触させて塗工するものであるため、ウェブ表面に凹凸が存在する場合、これに起因する点状又は縞状の厚みムラが発生する。その結果、スロットノズル塗工はウェブ上に均一な塗工厚みの塗工膜を形成することが困難になる。
【0004】
一方、カーテン塗工は、塗工液からなる自由落下のカーテン膜をウエブ(支持体)上に衝突させて塗工を行なう塗工方式である(例えば、特許文献1参照)。この為、ウェブ表面に凹凸が存在しても、均一な塗工厚みの塗工膜を形成することが可能になる。しかし、カーテン塗工は大流量の塗工液によりウェブを高速で搬送させて塗工するものである。このため、スロットノズル塗工の場合と同一の乾燥設備により塗工膜を乾燥させると、急激な乾燥による乾燥ムラが発生し、膜厚の不均一化を生じる。一方、カーテン塗工の特性に応じて乾燥工程を最適化すると、スロットノズル塗工に比べて乾燥工程に於ける乾燥時間が長くなり、かつ、乾燥炉長も長くなる。その結果、カーテン塗工を被膜シートの製造に採用すると、製造コストが増大するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−246300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、塗工液を少量にしてカーテン塗工を行っても、膜厚が均一で外観の良好な被膜シートの製造を可能にするカーテン塗工装置及びそれを用いた被膜シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、カーテン塗工装置及びそれを用いた被膜シートの製造方法について検討した。その結果、下記構成を採用することにより前記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明に係るカーテン塗工装置は、前記の課題を解決する為に、走行中のウェブ上にカーテン膜状の塗工液を流下させ、前記ウェブ上に塗工膜を形成するカーテン塗工装置であって、前記塗工液を吐出する吐出部と、前記吐出部から吐出された前記塗工液をカーテン膜状に流下させる一対のエッジガイドとを有し、前記エッジガイドは直線状の剛性部分と可撓性部分とを有し、前記可撓性部分は前記エッジガイドの自由端側に少なくとも設けられていることを特徴とする。
【0009】
前記構成のカーテン塗工装置によれば、吐出部から供給される塗工液は、一対のエッジガイドによりカーテン膜となってウェブ上に流下され、ウェブ上に塗工される。前記カーテン膜は、塗工液が有する表面張力によりその幅を縮小しようとする(ネックイン)。ここで、エッジガイドが直線状の剛性部分のみからなる場合には、エッジガイドの自由端(末端)に於けるカーテン膜の最下流で、カーテン膜の破れが生じやすい。しかし、本発明のエッジガイドは少なくともその自由端側に可撓性部分を備えているので、カーテン膜に張力が発生しても前記可撓性部分がこれに追随して変形する。これにより、エッジガイドがカーテン膜に破れを生じさせることなく前記張力を吸収する。その結果、従来のカーテン塗工装置と比較して、塗工液の流量を低減することが可能になる。また、前記エッジガイドは直線状の剛性部分も有しているので、塗工液が所定の幅を維持する様にカーテン膜を拘束することができる。その結果、カーテン膜の張力により必要以上にカーテン膜の幅が減少するのを防止し、ウェブ上に幅広の塗工膜を形成することが可能になる。
【0010】
前記ウェブの塗工面側に於いて、前記塗工液により形成されたカーテン膜が走行する前記ウェブに衝突するビード部の直前には、前記ウェブの搬送に同伴して流れる空気を遮断するためのエアーシールドが設けられていることが好ましい。走行するウェブの塗工面側に前記エアーシールドを設けることにより、ウェブが空気の気流を同伴させるのを防止することができる。その結果、前記ビード部において、自由落下する塗工液のカーテン膜と走行するウェブとの間に微小な空気が巻き込まれる空気同伴現象の発生を低減することができる。これにより、ウェブ上に未塗布部分が形成される塗布欠陥を低減できる。また、気流によるカーテン膜の外乱により、カーテン膜の安定性が失われるのを防止することも可能になる。これにより、ウェブ上に膜厚の均一な塗工膜を形成することができる。
【0011】
本発明に係る被膜シートの製造方法は、前記の課題を解決する為に、前記に記載のカーテン塗工装置を用いた被膜シートの製造方法であって、前記吐出部から吐出された塗工液を、前記一対のエッジガイドによりカーテン膜状に流下させ、所定方向に走行するウェブの塗工面上に前記カーテン膜を衝突させて前記塗工液を塗工する工程を含むことを特徴とする。
【0012】
前記の方法によれば、吐出部から供給される塗工液は、一対のエッジガイドによりカーテン膜となってウェブ上に流下され、ウェブ上に塗工される。前記カーテン膜は、塗工液が有する表面張力によりその幅を縮小しようとする(ネックイン)。ここで、エッジガイドが直線状の剛性部分のみからなる場合には、エッジガイドの自由端(末端)に於けるカーテン膜の最下流で、カーテン膜の破れが生じやすい。しかし、本発明のエッジガイドは少なくともその自由端側に可撓性部分を備えているので、カーテン膜に張力が発生しても前記可撓性部分がこれに追随して変形する。これにより、エッジガイドがカーテン膜に破れを生じさせることなく前記張力を吸収する。その結果、従来のカーテン塗工装置と比較して、塗工液の流量を低減することが可能になる。また、前記エッジガイドは直線状の剛性部分も有しているので、塗工液が所定の幅を維持する様にカーテン膜を拘束することができる。その結果、カーテン膜の張力により必要以上にカーテン膜の幅が減少するのを防止し、ウェブ上に幅広の塗工膜を形成することが可能になる。
【0013】
前記の方法に於いては、前記塗工液からなるカーテン膜の高さを150mm以上にすることが好ましい。前記カーテン膜の高さを150mm以上にすることにより、自由落下させるカーテン膜のエネルギー量を増大させることができ、走行するウェブに同伴している空気の影響を低減させることができる。その結果、カーテン膜の形状安定性を一層向上させることができる。
【0014】
前記の方法に於いては、前記塗工液からなるカーテン膜の単位幅当たりの体積流量を0.1〜0.6cm/sの範囲内にすることができる。体積流量を0.6cm/s以下にすることにより、ウェブの走行速度を低速にすることができ、膜厚の均一な塗工膜を形成することができる。その一方、体積流量を0.1cm/s以上にすることにより、自由落下させるカーテン膜のエネルギー量を増大させ、走行するウェブに同伴している空気の影響を低減させることができる。その結果、カーテン膜の形状安定性を一層向上させることができる。
【0015】
また、前記方法に於いては、前記ウェブの走行速度を10〜100m/minの範囲内にすることができる。走行速度を10m/min以上にすることにより、製造効率の向上が図れる。その一方、100m/min以下にすることにより、例えば、塗工膜の乾燥を行う工程までの搬送時間を、乾燥速度の速い恒率乾燥の時間として確保できる。即ち、搬送時間を恒率乾燥の段階にすることで、乾燥工程に搬送される前に塗工膜をある程度乾燥させる。これにより、塗工膜中の溶媒が急激に揮発し、塗工膜表面に乾燥ムラが生じるのを防止することができる。
【0016】
前記の方法に於いては、前記塗工液として粘度が100〜4000mPa・sの範囲内のものを使用することが好ましい。塗工液の粘度を100mPa・s以上にすることにより、塗布液からなるカーテン膜の破れの発生を低減することができる。その一方、粘度を4000mPa・s以下にすることにより、塗工液からなるカーテン膜の安定性を向上させ、未塗布部分の発生を防止することができる。
【0017】
前記の方法に於いては、前記塗工液として表面張力が30mN/m以下のものを使用することが好ましい。塗工液として表面張力が30mN/m以下のものを使用することにより、塗布液からなるカーテン膜の破れの発生を低減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、可撓性部分と直線状の剛性部分とを有するエッジガイドを用いてカーテン塗工を行うので、当該可撓性部分によりカーテン膜の張力を吸収させると共に、剛性部分によりカーテン膜の過度なネックインを抑制させることができる。これにより、従来のカーテン塗工装置と比較して、塗工液の流量を低減させると共に、ウェブの高速走行も抑制可能になる。更に、ウェブ上に塗工された塗工膜の乾燥時間や乾燥炉長の短縮も可能になる。その結果、膜厚が均一で外観の良好な被膜シートの製造を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の一形態に係るカーテン塗工装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】前記カーテン塗工装置に於けるエッジガイドの説明図である。
【図3】前記エッジガイドに於ける剛性部分を説明するための概略図である。
【図4】前記エッジガイドの他の態様を模式的に示す説明図である。
【図5】前記カーテン塗工装置を概略的に示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係るカーテン塗工装置を概略的に示す説明図である。
【図7】比較例に係るカーテン塗工装置のエッジガイドを模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に於けるカーテン塗工装置について、スライドカーテン塗工装置を例にして以下に説明する。
本実施の形態に係るスライドカーテン塗工装置10は、図1に示すように、塗工液1を吐出する吐出部としてのスリット3を備えている。また、スリット3から吐出された塗工液1が流れるスライド面と、該スライド面の両側に設けられ、該スライド面を流れる塗工液1をガイドするスライド面エッジガイドを備える。更に、スライド面エッジガイドの末端には、一対のエッジガイド5が垂下させて設けられている。当該エッジガイド5は、ウェブ9の幅に応じて塗工幅の調整が可能になるよう、幅方向にスライド可能に設けられている。また、スライドカーテン塗工装置10は、ウェブ9を搬送させる為の搬送ロール2も備えている。
【0021】
前記エッジガイド5は、吐出された塗工液1を自由落下するカーテン膜7となる様にガイドして流下させる。これにより、スライドカーテン塗工装置10の直下を矢印で示す方向に走行するウェブ9の塗工面に塗工液1を塗工し、塗工膜11を形成する。エッジガイド5は、図2に示すように、直線状の剛性部分5aと可撓性部分5bとを有する。また、可撓性部分5bは、エッジガイド5の末端(自由端)側に設けられている。
【0022】
前記剛性部分5aとしては、直線状であり、かつ、カーテン膜7の幅を維持し得る程度に拘束可能な剛性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、SUS等の金属、ガラス等が挙げられる。また、剛性部分5aの形状は特に限定されず、例えば、角柱状(例えば、四角柱、六角形柱等)、円柱状等が挙げられる。剛性部分5aの最大径は2〜20mmが好ましく、3〜10mmがより好ましい。
【0023】
前記可撓性部分5bは、エッジガイド5に於いて柔軟性やたわみ性を有する部分を意味する。より具体的には、鎖状チェーンや球状チェーン等からなるものが挙げられる。
【0024】
前記可撓性部分5bに於ける鎖状チェーンとしては、例えば、ベーシックリンクチェーン、マンテルチェーン等が挙げられる。これらの鎖状チェーンは、その内長aが小さい程、塗工液1の流量を抑制してカーテン膜7を形成することができる(図3(a)参照)。より具体的には、内長aは5〜28mmが好ましく、5〜15mmがより好ましい。また、内幅bは2〜9mmが好ましく、2〜3mmがより好ましい。更に、線径cは1〜5mmが好ましく、1〜2mmがより好ましい。
【0025】
また、前記球状チェーンとしては、球状体21同士がロッド22を介して互いに回転自在かつ離間接近自在に連結されてなるものが挙げられる(図3(b)参照)。球状体21の球径rとしては特に限定されず、例えば、2〜6mmが好ましく、2〜3mmがより好ましい。また、球状体21同士の距離dは0.5〜2mmが好ましく、0.5〜1mmがより好ましい。球状チェーンは球状体21同士が回転自在にロッド22を介して連結された形状であるため、鎖状チェーンの様に捻れることがない。その為、カーテン膜7にも捻れが生じるのを防止し、その安定性を一層向上させることができる。また、鎖状チェーンと比較して塗工液1の流量を一層低減させることができる。
【0026】
前記エッジガイド5は、可撓性部分5bが少なくともエッジガイド5の末端(自由端)側に設けられた構成であれば特に限定されない。例えば、図4(a)に示すように、可撓性部分5bの間に剛性部分5aを設けたエッジガイド13を用いることができる。しかし、同図(b)に示すように、剛性部分5aをエッジガイドの末端(自由端)に設けたエッジガイド15の構成であると、エッジガイド15の自由端(末端)に於けるカーテン膜の最下流で、カーテン膜の破れが生じやすいため好ましくない。
【0027】
前記可撓性部分5bのエッジガイド5の全体に対する長さの比率は、5〜25%が好ましく、5〜15%がより好ましい。可撓性部分5bの長さの比率を5%以上にすることにより、エッジガイド5の自由端に於けるカーテン膜7の最下流においてカーテン膜に破れが生じるのを防止することができる。その一方、前記長さの比率を25%以下にすることにより、カーテン膜の張力により必要以上にカーテン膜の幅が減少するのを防止することができる。
【0028】
前記カーテン膜7の高さ(カーテン高さ)hは150mm以上が好ましく、200mm以上がより好ましい(図2参照)。これにより、自由落下させるカーテン膜7のエネルギー量を増大させることができ、カーテン膜7の形状安定性の向上が可能になる。尚、カーテン膜7の高さが高くなり過ぎると、カーテン膜7が揺らいで周辺を汚染したり、それにより二次的な膜厚のバラツキを生じる場合がある。この様な点を考慮すると、前記カーテン高さhは350mm以下であることが好ましい。
【0029】
前記エッジガイド5の長さは前記カーテン膜7のカーテン高さhに応じて適宜設定される。具体的には、カーテン高さhとエッジガイド5の長さeの差(h−e)は0mm≦(h−e)≦30mmであることが好ましく、1mm≦(h−e)≦10mmであることがより好ましい。(h−e)が30mmより大きくなると、塗工幅の制御が困難になり幅が狭くなって好ましくない。(h−e)が0mmより小さくなると、エッジガイド5がウェブ9に接触し、ウェブ9あるいは塗工膜にダメージを与えたり、ウェブ9の振動がエッジガイド5に伝達されたり、エッジガイド5がウェブ9の進行方向に流されてカーテン膜7が破断しやすくなり好ましくない。
【0030】
前記エッジガイド5の構成材料としては、例えば、プラスチックや当該プラスチックに表面処理を施したもの、SUS等の金属からなるもの等が挙げられる。エッジガイド5は軽量である程、カーテン膜7の張力に対する追従性を向上させ、その影響を吸収することが可能になる。しかし、前記プラスチックの場合、塗工液1の種類によっては、エッジガイド5が膨潤や溶解する恐れががある。また、プラスチックに表面処理を施したものであると、表面処理の劣化やコストの増大が生じる。従って、この様な短所を持たないSUS等の金属からなるエッジガイド5の使用がより好ましい。
【0031】
前記一対のエッジガイド5の間の距離w(mm)は特に限定されず、塗工幅w(mm)に応じて適宜設定される(図2参照)。通常は、w〜(w+30)mmが好ましく、w〜(w+5)mmがより好ましい。尚、塗工幅wは任意に設定されるものであるが、通常は200〜1500mmの範囲内である。
【0032】
搬送ロール2は、回転自在のロール形状を有している。また、前記搬送ロール2の直径は特に限定されず、適宜設定され得る。
【0033】
本実施の形態に係るスライドカーテン塗工装置10には、ウェブ9の走行に同伴して流れる空気を遮断するためのエアーシールド17が設けられていてもよい(図5参照)。この場合、エアーシールド17は、ウェブ9の塗工面側に於いて、塗工液1により形成されたカーテン膜7が衝突するビード部19の直前に設けられる。これにより、ビード部19に於いてカーテン膜7と走行するウェブ9との間に微小な空気が巻き込まれるのを低減させ、ウェブ9上に未塗布部分が形成される塗布欠陥の発生を防止することができる。また、気流によりカーテン膜7の安定性が損なわれるのを防止することができる。但し、エアーシールド17とウェブ9とは接触させないのが好ましい。
【0034】
塗工液1からなるカーテン膜7の単位幅当たりの体積流量は0.1〜0.6cm/sが好ましく、0.1〜0.5cm/sがより好ましく、0.2〜0.3cm/sが特に好ましい。体積流量を0.6cm/s以下にすることにより、ウェブ9の走行速度を低速にすることができ、均一な膜厚の塗工膜を形成できる。その一方、体積流量を0.1cm/s以上にすることにより、自由落下させるカーテン膜7のエネルギー量を増大させ、走行するウェブ9に同伴している空気の影響を低減させることができる。その結果、カーテン膜7の形状安定性を一層向上させることができる。
【0035】
また、前記塗工液1の粘度は、23℃に於けるせん断速度100(1/s)で測定した値が、100〜4000mPa・sが好ましく、100〜1000mPa・sがより好ましく、100〜800mPa・sが特に好ましい。塗工液1の粘度を100mPa・s以上にすることにより、カーテン膜7の破れの発生を低減することができる。その一方、粘度を4000mPa・s以下にすることにより、カーテン膜7中に存在する気泡の存在確率を低減し、これによりカーテン膜7の破れの発生を低減することができる。
【0036】
塗工膜11の膜厚は10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜50μmが特に好ましい。尚、前記膜厚は、塗工直後であって、乾燥前の塗工膜11の膜厚を意味する。
【0037】
ウェブ9の走行速度(塗工速度)は10〜100m/minが好ましく、20〜70m/minがより好ましく、20〜50m/minが特に好ましい。走行速度を10m/min以上にすることにより、製造効率の向上が図れる。その一方、100m/min以下にすることにより、例えば、塗工膜の乾燥を行う工程までの搬送時間を、乾燥速度の速い恒率乾燥の時間として確保できる。恒率乾燥の段階で加熱や乾燥風の吹き付け等による乾燥工程を行うと、塗工膜11中に含まれる溶媒が急激に揮発する結果、塗工膜11表面に乾燥ムラが生じる。しかし、塗工膜11がある程度乾燥された減率乾燥の段階で前記乾燥工程を行えば、塗工膜11中に存在していた溶媒がすでに一定程度揮発した後であるので、乾燥ムラを生じるほどの溶媒の揮発が防止することができる。
【0038】
前記乾燥工程に於ける乾燥方法は特に制限されず、従来公知の加熱手段を採用できる。例えば、熱風器、加熱ロール、遠赤外線ヒーター等が使用可能である。乾燥温度としては、塗工液の種類や物性、塗工条件等にもよるが、40〜150℃が好ましく、60〜120℃がより好ましい。また、乾燥時間についても任意の適切な乾燥時間が採用され得る。表面均一性の優れた被膜を形成するには、1〜5分が好ましく、1〜2分がより好ましい。尚、乾燥風(40〜150℃程度の熱風を含む、)を用いて乾燥を行う場合、平均風速としては0.5〜15m/sが好ましく、0.5〜5m/sがより好ましい。乾燥は前記温度範囲内に於いて一定温度で行ってもよく、段階的に又は連続的に温度を上昇又は下降させながら行ってもよい。段階的な乾燥処理を行うことによって、より一層表面均一性に優れた被膜を形成することができる。
【0039】
以上の説明に於いてはスライドカーテン塗工装置を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、塗工液の吐出部3がスロットダイ32を備えたスロットカーテン塗工装置31を用いることも可能である。
【0040】
本発明は、ウェブ9が大面積の場合や、比較的小面積の場合にも好適に適用できる。例えば、ウェブ9の幅は大面積の場合1000mm以上、更に2000mm以上の場合にも好適に適用できる。小面積の場合300mm以上、更に100mm以上程度の場合にも好適に適用できる。
【0041】
また、ウェブ9の厚さは適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性等の点より10〜500μm程度である。特に20〜300μmが好ましく、30〜200μmがより好ましい。
【0042】
本発明で使用される塗工液1やウェブ9は、形成する被膜の種類、その適用用途に応じて適宜に決定される。塗工液1は、例えば、プラスチックあるいは液晶材料などを有機溶剤や水系溶剤、あるいはエマルジョンにしたものが好適に用いられる。光学補償層を形成するのであれば、後述するようにポリイミド系の樹脂を有機溶剤に溶かした塗工液が好適に用いられる。また、粘着剤系の塗工液としては、紫外線硬化型粘着剤、エマルジョン粘着剤、アクリル系粘着剤などが挙げられる。アクリル系粘着剤としては、アルキル基の炭素数が1〜9のアクリル酸アルキルエステルを70〜99重量%含有するモノマーから得られるアクリル共重合体を用いたものに、架橋剤を配合したものが適用できる。アクリル系共重合体は、溶液重合方式、乳化重合法式、懸濁重合法式等の適宜な方式で調整することができる。
【0043】
更に、ハードコート系の塗工液としては、シロキサン系樹脂などの熱硬化型樹脂、エステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系、エポキシ系等のモノマーやオリゴマーを光重合開始剤により硬化処理するタイプの紫外線硬化型樹脂、アクリル・ウレタン系やアクリル・エポキシ系などの前記モノマーやオリゴマーの複合型紫外線硬化型樹脂などに光重合開始剤を加えた樹脂組成物を希釈溶媒で希釈することで作製された塗工液などが挙げられる。これを保護したいフィルムの表面に塗工した後に、熱や紫外線照射で硬化させ硬化皮膜を形成することで、製品表面の傷付き防止など行うことができる。
【0044】
ウェブ9としては、例えば、紙、不織布、プラスチックフィルムなどが適宜用いられるが、機械的強度、熱安定性や水分遮断性などに優れるプラスチックフィルムが好ましく用いられる。
【0045】
ウェブ9として好適なプラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、二酢酸セルロースや三酢酸セルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリマーのブレンド物なども好適なプラスチックフィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。この中で特にセルロース系ポリマーが塗工性とハンドリング性に優れており好適である。ウェブ9は塗工液1の乾燥固化層を形成するための単なる基材フィルムとしてもよいが、剛性や光学特性など他の機能を持たせてもよい。
【0046】
ポリイミド系の樹脂としては、例えば、芳香族ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、含フッ素ポリイミド、感光性ポリイミド、脂環式ポリイミド、液晶性ポリイミド、及びポリシロキサンブロックポリイミド等が挙げられる。これらのポリイミド系の樹脂は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。更に、ポリイミド系の樹脂とその前駆体であるポリアミック酸とをブレンドした樹脂組成物等も用いることができる。
【0047】
また、ポリイミド系の樹脂としては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られる少なくとも1つを適宜選択して用いることができる。ただし、ポリイミド系の樹脂はこれらに限定されず、本発明の効果が得られる限りに於いて、任意の適切なポリイミドが採用され得る。透明性、溶解性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、位相差値の安定性等に優れるポリイミドが好ましく用いられる。本発明に於いては、透明性、溶解性に特に優れるという理由で、分子中にC−F結合を有する含フッ素ポリイミドが好ましく用いられる。含フッ素ポリイミドの具体例としては、日本ポリイミド研究会編「最新ポリイミド」p.274〜p.275(2002年版)に開示されているポリイミドが挙げられる。更に好ましくは、テトラカルボン酸二無水物として2,2′−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物を用い、ジアミンとして2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニルを用いて得られる下記式で表される繰り返し単位からなるポリイミドが用いられる。
【0048】
【化1】

【0049】
また、他の実施態様のポリイミドとしては、下記一般式で示す構造のものが挙げられる。下記一般式の構造を有するポリイミドは、光学補償層を薄くすることができる。尚、下記一般式に於いて、XとYの和を100とした場合に、Xは30〜70であり、Yは70〜30である。
【0050】
【化2】

【実施例】
【0051】
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明する。但し、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0052】
(実施例1)
【0053】
ポリイミド系樹脂((株)カネカ製、商品面:エオリス)4kgに対してメチルイソブチルケトン36kgを加えて溶解し、濃度10重量%のポリイミド溶液を調製した。このポリイミド溶液にマジックインキ(青)80gを添加し着色して本実施例に係る塗工液を作製した。本塗工液の粘度は120mPa・sであった。
【0054】
次に、図1に示すスライドカーテン塗工装置に於いて図5に示すエアーシールド17を備えた装置を用いて、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムの表面に塗工液を塗工した。一対のエッジガイドの距離(スライド面幅)は800mmとした。その他の塗工条件は、下記表1に示す通りである。また、塗工膜の乾燥は、塗工から3秒間経過した後に、乾燥装置内に於いて乾燥温度120℃、乾燥時間48秒で行った。これにより、本実施例に係るポリイミド層を形成した。
【0055】
(実施例2)
ポリイミド系樹脂((株)カネカ製、商品面:エオリス)5.4kgに対してメチルイソブチルケトン34.6kgを加えて溶解し、濃度13.5重量%のポリイミド溶液を調製した。このポリイミド溶液にマジックインキ(青)80gを添加し着色して本実施例に係る塗工液を作製した。本塗工液の粘度は700mPa・sであった。
【0056】
(実施例3)
本実施例に於いては、実施例1で使用したスライドカーテン塗工装置を用いたこと以外は、前記実施例2と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0057】
(実施例4)
本実施例に於いては、実施例1で使用したスライドカーテン塗工装置に於いて、エッジガイドとして図4(a)に示すものを用いたこと以外は、前記実施例3と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0058】
(比較例1)
本比較例に於いては、図1に示すスライドカーテン塗工装置のエッジガイドに於いて、エッジガイドとして図7(a)に示すものを用いたこと以外は、前記実施例1と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0059】
(比較例2)
本比較例に於いては、塗工液からなるカーテン膜の単位幅当たりの体積流量を0.4cm/sに変更したこと以外は、前記比較例1と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0060】
(比較例3)
本比較例に於いては、塗工液からなるカーテン膜の単位幅当たりの体積流量を0.6cm/sに変更したこと以外は、前記比較例1と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0061】
(比較例4)
本比較例に於いては、塗工液からなるカーテン膜の単位幅当たりの体積流量を0.7cm/sに変更したこと以外は、前記比較例1と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0062】
(比較例5)
本比較例に於いては、TACフィルムの走行速度を100m/minに変更し、更に、塗工膜の乾燥を塗工から1.8秒間経過した後に行い、乾燥時間を29秒にしたこと以外は、前記比較例4と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0063】
(比較例6)
本比較例に於いては、図1に示すスライドカーテン塗工装置のエッジガイドとして、図7(a)に示すエッジガイドを用い、更に塗工液からなるカーテン膜の単位幅当たりの体積流量を0.7cm/sに変更したこと以外は、前記実施例2と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0064】
(比較例7)
本比較例に於いては、TACフィルムの走行速度を100m/minに変更し、塗工膜の乾燥を塗工から1.8秒間経過した後に行い、乾燥時間を29秒にしたこと以外は、前記比較例6と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0065】
(比較例8)
本比較例に於いては、実施例1で使用したスライドカーテン塗工装置に於いて、エッジガイドとして図7(a)に示すものを用い、更に塗工液からなるカーテン膜の単位幅当たりの体積流量を0.3cm/sに変更したこと以外は、前記比較例7と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0066】
(比較例9)
本比較例に於いては、実施例1で使用したスライドカーテン塗工装置のエッジガイドとして、図7(b)に示すエッジガイドを用いたこと以外は、前記比較例8と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0067】
(比較例10)
本比較例に於いては、実施例1で使用したスライドカーテン塗工装置のエッジガイドとして図4(b)に示すエッジガイドを用いたこと以外は、前記実施例3と同様にしてポリイミド層を形成した。結果を下記表1及び表2に示す。
【0068】
(粘度)
各実施例及び比較例に於ける塗工液の粘度は、粘度測定装置(HAAKE社製:レオメーターRS−1)を用いて、温度23℃、せん断速度が100〜1000[1/s]の範囲で測定した平均値である。
【0069】
(外観検査)
各実施例及び比較例で得られたポリイミド層がTACフィルム上に形成されたサンプルを200mm×200mmになるように切り出した。次に、三波長の蛍光灯下で目視により、各サンプルのポリイミド層を観察した。
【0070】
(膜厚)
ポリイミド層の乾燥後の膜厚は、大塚電子MCPD−3700を用いて測定した。
【0071】
(膜厚のバラツキ)
膜厚のバラツキ(6σ/ave)(%)の測定方法は、縦200mm、横200mmの対象エリアに対して縦横とも1mmピッチで膜厚を測定し、合計40401点の測定を行った。これらの測定値の平均値aveと標準偏差σから6σ/aveを計算した。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
(結果)
表1及び表2から分かる通り、比較例1、8、10では、カーテン膜の体積流量を0.3cm/sにすることにより、カーテン膜が形成されず滴状になったり破れが生じた。また、比較例9ではカーテン膜の体積流量が0.3cm/sの場合でもカーテン膜を形成することができたが、ネックイン現象により塗工幅が750mmに縮小した。その一方、実施例1〜4では、カーテン膜に破れを生じることなくカーテン塗工をすることができた。また、ネックイン現象も抑制することができ、塗工幅は770、774mm程度に維持できた。
【0075】
また比較例4、6では、カーテン膜を形成させるためにカーテン膜の体積流量を0.7cm/sにしたが、走行速度が60m/minであるため、乾燥後のポリイミド層の膜厚が厚くなった。その一方、実施例1〜4では、体積流量を0.3cm/sに抑えても安定したカーテン膜の形成が可能であったことから、走行速度を60m/minの低速にして膜厚の薄いポリイミド層の形成が可能となった。
【0076】
比較例5、7では、カーテン膜の体積流量0.7cm/sの場合でも膜厚の薄いポリイミド層を形成するため、走行速度を100m/minにした。しかし、走行速度を速くしたことにより、乾燥工程に搬送される時間が短縮された結果、塗工膜中の溶媒が急激に揮発し、乾燥ムラが生じた。その一方、実施例1〜4では、走行速度を60m/minに維持できた為、乾燥工程までの搬送時間を確保することができ、塗工膜中の溶媒を急激に揮発させることなく乾燥を行うことができた。
【符号の説明】
【0077】
1 塗工液
2 搬送ロール
3 吐出部(スリット)
5 エッジガイド
5a 剛性部分
5b 可撓性部分
7 カーテン膜
9 ウェブ
10 スライドカーテン塗工装置
11 塗工膜
13 エッジガイド
15 エッジガイド
17 エアーシールド
19 ビード部
21 球状体
22 ロッド 31 スロットカーテン塗工装置
32 スロットダイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行中のウェブ上にカーテン膜状の塗工液を流下させ、前記ウェブ上に塗工膜を形成するカーテン塗工装置であって、
前記塗工液を吐出する吐出部と、
前記吐出部から吐出された前記塗工液をカーテン膜状に流下させる一対のエッジガイドとを有し、
前記エッジガイドは直線状の剛性部分と可撓性部分とを有し、前記可撓性部分は前記エッジガイドの自由端側に少なくとも設けられているカーテン塗工装置。
【請求項2】
前記ウェブの塗工面側に於いて、前記塗工液により形成されたカーテン膜が走行する前記ウェブに衝突するビード部の直前には、前記ウェブの搬送に同伴して流れる空気を遮断するためのエアーシールドが設けられている請求項1に記載のカーテン塗工装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカーテン塗工装置を用いた被膜シートの製造方法であって、
前記吐出部から吐出された塗工液を、前記一対のエッジガイドによりカーテン膜状に流下させ、所定方向に走行するウェブの塗工面上に前記カーテン膜を衝突させて前記塗工液を塗工する工程を含む被膜シートの製造方法。
【請求項4】
前記塗工液からなるカーテン膜の高さを150mm以上にする請求項3に記載の被膜シートの製造方法。
【請求項5】
前記塗工液からなるカーテン膜の単位幅当たりの体積流量が0.1〜0.6cm/sの範囲内である請求項3又は4に記載の被膜シートの製造方法。
【請求項6】
前記ウェブの走行速度を10〜100m/minの範囲内にする請求項3〜5の何れか1項に記載の被膜シートの製造方法。
【請求項7】
前記塗工液として粘度が100〜4000mPa・sの範囲内のものを使用する請求項3〜6の何れか1項に記載の被膜シートの製造方法。
【請求項8】
前記塗工液として表面張力が30mN/m以下のものを使用する請求項3〜7の何れか1項に記載の被膜シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−11191(P2011−11191A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159952(P2009−159952)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】