説明

カートの空気浄化装置、及び病院などにおけるおむつ取替用カートの空気浄化装置、及び病院などにおける清掃用カートの空気浄化装置、及び病院などにおける医師が入院患者を巡回診療する時などのカートの空気浄化装置、及び病院などにおける入院患者への配膳用のカートの空気浄化装置、及びホテルなどにおける部屋の清掃用カートの空気浄化装置、及び列車などにおける飲物・弁当などを売るカートの空気浄化装置、及び航空機などにおける飛行中に飲物・食事をサービスするカートの空気浄化装置、及び客船などにおける船室の清掃用カートの空気浄化装置、及び客船などにおける食事・飲物などをサービスするカートの空気浄化装置

【課題】 人力により移動自在なカートにおける悪臭や細菌の清浄化装置に関し、移動先から発生する臭気又は移動中のカートから発生する臭気を清浄化し、併せて移動先における空気中に浮遊する細菌を低減でき、移動中のカートに載せた物への細菌の付着を低減できる、カートの空気浄化装置を提供する。
【解決手段】 人力により移動自在なカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒を用いて悪臭や細菌を分解して脱臭や殺菌を行なう空気浄化装置に関し、特に人力により移動自在なカートにおける悪臭や細菌の清浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酸化チタンなどの光反応性半導体(以下光触媒という)に紫外線光源(ブラックライト、水銀灯など)を当て励起させてOHラジカルを生成し、その活性化した光触媒に清浄化すべき空気を通過させて汚染物質を分解し、脱臭あるいは殺菌をする空気浄化装置は知られている。ここでは、殺菌する細菌とはウィルスを含む微細な病原体の総称とする。
【0003】
そのような空気浄化装置には、例えば光触媒をセラミック質の多孔性基材に塗工し、乾燥凝固させた膜を焼成して微細孔性の膜を形成した光触媒担持体が用いられる。
【0004】
一方、病院医療施設や老人介護施設などでは、排泄物などから発生する臭気や空気中に浮遊する細菌が、そこを利用する人々やそこで働く人々に苦痛や罹患の脅威を与えている。ここでは、病院医療施設や老人介護施設などを病院などとする。
【0005】
そのような病院などにおける脱臭装置として、特開2005−206号公報に示されるように、手術台、ストレッチャー、ベッド等の台部近傍に設けた臭気吸込口と、この臭気吸込口から吸い込んだ臭気を、光触媒部材とこの光触媒部材に光線を照射する光源ランプとを有する脱臭部に導入する導入路と、前記脱臭部で脱臭した浄化空気を室内に導出する導出路と、この導出路の内部に設けた送風機とを具備したものが知られている。
【0006】
また、局所で発生する臭気を吸い込むため、前記導入路の一部に台部上の分岐ホースを接続することが示されている。
【0007】
この脱臭装置では、手術室で電気メスにより体の患部を切除することにより生じる臭気を、手術台の台部近傍に設けた臭気吸込口や台部上の分岐ホースから吸い込み、速やかに脱臭する。
【0008】
また、寝たきり老人のオムツ替え時に排泄物のにおいが室内に拡散するのを防ぐため、ベッドの台部近傍に設けた臭気吸込口や台部上の分岐ホースから吸い込み、速やかに脱臭する。
【0009】
更に、台部が移動式のストレッチャーの場合には、小型の電源装置(図略)を搭載して光源ランプ及び送風機に電力を供給することが示されている。
【特許文献1】特開2005−206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
病院などにおけるおむつの取替は、手押しのおむつ取替用カート(キャリアカー)に新しいおむつと使用済みのおむつを載せ、各患者の間を回りながら行なう。その際、おむつの取替時の臭気と共に、使用済みのおむつから発生する臭気も問題となっている。つまり、使用済みのおむつはビニール袋に入れ、おむつ取替用カートの所定のバケットに入れるが、それでも臭気が発生してしまい、押して歩く人たちに苦痛を与えている。
【0011】
病院などにおける清掃は、手押しの清掃用カートに清掃用具を載せ、各病室を回りながら行なう。その際、患者からの臭気による苦痛と共に、清掃作業により細菌を浮遊させ拡散させてしまうことも懸念される。
【0012】
病院などで医師が入院患者を巡回診療する時などは、手押しのカートに診療・治療器具などを載せ、医師や看護士が各患者の間を回りながら行なう。その際、患者からの臭気による苦痛と共に、細菌による患者からの二次感染の危険も懸念される。
【0013】
病院などにおける入院患者への食事の提供は、手押しの配膳用のカートに各患者用の食事を載せ、各病室を回りながら行なう。その際、手術前や検査前などで食事を止められている患者の食事からの臭気による苦痛と共に、食事への細菌の付着による感染も懸念される。
【0014】
ホテルなどにおける清掃は、手押しの清掃用カートに清掃用具を載せ、各部屋を回りながら行なう。その際、宿泊客の残り香による苦痛と共に、清掃作業により病気の宿泊客の残した細菌を浮遊させ拡散させてしまうことも懸念される。
【0015】
列車などにおける乗客への飲物・弁当などの販売は、手押しのカートに飲物・弁当などを載せ、各客車を回りながら行なう。その際、病気の乗客からの細菌が飲物・弁当などに付着することや、アレルギーにより一般の食事を制限されている子供の弁当などからの臭気による苦痛も懸念される。
【0016】
航空機などの飛行中の乗客への飲物・食事のサービスは、手押しのカートに飲物・食事を載せ、各座席を回りながら行なう。その際、病気の乗客からの細菌が飲物・食事に付着することや、宗教的理由により提供される食事を食べられない人の食事などからの臭気による苦痛も懸念される。
【0017】
客船などにおける清掃は、手押しの清掃用カートに清掃用具を載せ、各船室を回りながら行なう。その際、乗船客の残り香による苦痛と共に、清掃作業により病気の乗船客の残した細菌を浮遊させ拡散させてしまうことも懸念される。
【0018】
客船などの乗船客への食事・飲物などのサービスは、手押しのカートに食事・飲物などを載せ、各船室を回りながら行なう。その際、病気の乗船客からの細菌が食事・飲物などに付着することも懸念される。
【0019】
そこで本発明は、移動先から発生する臭気又は移動中のカートから発生する臭気を清浄化し、併せて移動先における空気中に浮遊する細菌を低減でき、移動中のカートに載せた物への細菌の付着を低減できる、カートの空気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
請求項1の発明によるカートの空気浄化装置は、人力により移動自在なカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0021】
請求項2の発明による病院などにおけるおむつ取替用カートの空気浄化装置は、人力により移動自在なおむつ取替用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0022】
請求項3の発明による病院などにおける清掃用カートの空気浄化装置は、人力により移動自在な清掃用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0023】
請求項4の発明による病院などにおける医師が入院患者を巡回診療する時などのカートの空気浄化装置は、人力により移動自在な医師が入院患者を巡回診療する時などのカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0024】
請求項5の発明による病院などにおける入院患者への配膳用のカートの空気浄化装置は、人力により移動自在な入院患者への配膳用のカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0025】
請求項6の発明によるホテルなどにおける部屋の清掃用カートの空気浄化装置は、人力により移動自在な部屋の清掃用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0026】
請求項7の発明による列車などにおける飲物・弁当などを売るカートの空気浄化装置は、人力により移動自在な飲物・弁当などを売るカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0027】
請求項8の発明による航空機などにおける飛行中に飲物・食事をサービスするカートの空気浄化装置は、人力により移動自在な飛行中に飲物・食事をサービスするカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0028】
請求項9の発明による客船などにおける船室の清掃用カートの空気浄化装置は、人力により移動自在な船室の清掃用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【0029】
請求項10の発明による客船などにおける食事・飲物などをサービスするカートの空気浄化装置は、人力により移動自在な食事・飲物などをサービスするカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【発明の効果】
【0030】
請求項1の発明によれば、人力により移動自在なカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先から発生する臭気又は移動中のカートから発生する臭気を清浄化し、併せて移動先における空気中に浮遊する細菌を低減でき、移動中のカートに載せた物への細菌の付着を低減できる。
【0031】
請求項2の発明によれば、人力により移動自在なおむつ取替用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先の患者から発生する臭気又は移動中のカートに載せた使用済みのおむつから発生する臭気を清浄化でき、交換作業者の苦痛を軽減できる。
【0032】
請求項3の発明によれば、人力により移動自在な清掃用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先の患者から発生する臭気を清浄化して、清掃作業者の苦痛を軽減できる。また、移動先における清掃作業により細菌を空気中に浮遊させても、その細菌の数を低減でき、清掃作業者及び患者の感染の危険を軽減できる。
【0033】
請求項4の発明によれば、人力により移動自在な医師が入院患者を巡回診療する時などのカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先の患者から発生する臭気を清浄化して、医師や看護士の苦痛を軽減できる。また、移動先における患者から空気中に浮遊する細菌を低減して、医師や看護士への二次感染の危険を軽減できる。
【0034】
請求項5の発明によれば、人力により移動自在な入院患者への配膳用のカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先又は移動中の配膳用のカートに載せた食事から発生する臭気を清浄化して、食事からの臭気による、手術前や検査前などで食事を止められている患者の、食事を取れないことを思い知らされる苦痛を軽減できる。また、移動先又は移動中のカートに載せた食事への細菌の付着を低減でき、別の患者への二次感染の危険を軽減できる。
【0035】
請求項6の発明によれば、人力により移動自在な部屋の清掃用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先の各部屋に宿泊客の残した臭気を清浄化して、清掃作業者及び次の宿泊客の苦痛を軽減できる。また、移動先の各部屋の清掃作業により、病気の宿泊客の残した細菌を空気中に浮遊させても、その細菌の数を低減でき、清掃作業者の感染の危険を軽減できる。
【0036】
請求項7の発明によれば、人力により移動自在な飲物・弁当などを売るカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動中のカートに載せた飲物・弁当などへの病気の乗客からの細菌の付着を低減でき、飲物・弁当などを買った乗客への二次感染の危険を軽減できる。また、移動中のカートに載せた弁当などから発生する臭気を清浄化して、弁当などからの臭気による、例えばアレルギーにより一般の食事を制限されている子供の、食事を取れないことを思い知らされる苦痛を軽減できる。
【0037】
請求項8の発明によれば、人力により移動自在な飛行中に飲物・食事をサービスするカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動中のカートに載せた飲物・食事への病気の乗客からの細菌の付着を低減でき、飲物・食事を提供された乗客への二次感染の危険を軽減できる。また、移動中のカートに載せた食事から発生する臭気を清浄化して、食事からの臭気による、例えば宗教的理由により提供される食事を食べられない人の、食事を取れないことを思い知らされる苦痛を軽減できる。
【0038】
請求項9の発明によれば、人力により移動自在な船室の清掃用カート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先の各船室に乗船客の残した臭気を清浄化して、清掃作業者及び次の乗船客の苦痛を軽減できる。また、移動先の各船室の清掃作業により、病気の乗船客の残した細菌を空気中に浮遊させても、その細菌の数を低減でき、清掃作業者の感染の危険を軽減できる。
【0039】
請求項10の発明によれば、人力により移動自在な食事・飲物などをサービスするカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうから、移動先又は移動中のカートに載せた食事・飲物などへの病気の乗船客からの細菌の付着を低減でき、食事・飲物などを提供された乗船客への二次感染の危険を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
移動先から発生する臭気又は移動中のカートから発生する臭気を清浄化し、併せて移動先における空気中に浮遊する細菌を低減し、移動中のカートに載せた物への細菌の付着を低減するという目的を、人力により移動自在なカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうことで実現した。
【実施例1】
【0041】
図1は、本発明の実施例1に係る病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30の側面図であって、おむつ取替用カート1に新しいおむつと使用済みのおむつを載せて移動する。
【0042】
おむつ取替用カート1にはその枠体2と、枠体2間に渡した新しいおむつを載せる棚3と、枠体2下部のおむつ取替用カート1を移動自在とするための四つの車輪4と、枠体2の片側上部の取替用カート1を押して歩くための取手5と、使用済みのおむつを入れるバケット6を設ける。
【0043】
枠体2下部の車輪4の間に電源部枠10を設け、電源部枠10に電源ケーブル11と、充電器12と、リレーボツクス13と、バッテリー14と、インバーター15を設ける。
【0044】
電源ケーブル11は外部から交流100V電源を装置に供給するもので、コードリール式に巻取り自在となっている。
【0045】
充電器12は交流100Vを直流に変換しバッテリー14に充電するもので、バッテリー14が過充電とならないように制御されるものである。
【0046】
バッテリー14はおむつの取替作業に見合った時間、空気浄化装置20を稼動させられる容量を有するもので、通常、空気浄化装置20を1時間稼動させられる容量とする。
【0047】
インバーター15はバッテリー14の直流を交流100Vに変換するもので、正弦波インバーターや擬似正弦波インバーターを用いる。
【0048】
リレーボツクス13は、バッテリー14の電圧を監視し過放電を防ぐもので、図6に示す回路図では、空気浄化装置20に直接交流100Vを通電し、バッテリー14に充電器12を通じて充電している状態である。この状態では、定置で空気浄化装置20を稼動させることはできる。バッテリー14が充電されていれば、電源ケーブル11を巻取り収納し、充電器12側の回路を遮断し、インバーター15側の回路を接続し、バッテリー14の電源で空気浄化装置20を稼動させる。
【0049】
枠体2の片側に設けた空気浄化装置20は、光触媒担持体25と紫外線光源26により汚染物質を分解し、バッテリー14電源と直接交流100Vの両方で稼動するもので、使用済みのおむつを入れるバケット6の近傍に枠体2に取り付けて設ける。
【0050】
空気浄化装置20には、取り外し可能な覆体21と、覆体21の上面に空気取入口22を設け、空気取入口22の直下にプレフィルタ22aを設ける。
【0051】
覆体21内で空気浄化装置20本体側から複数枚の光触媒担持体25と複数本の紫外線光源26を交互に設ける。
【0052】
光触媒担持体25はセラミック質の多孔性基材の表面に酸化チタンなどの光触媒を担持させたもので、板形状体に形成された多数の孔を汚染空気が通過する。光触媒担持体25としては、繊維基材のものなどに光触媒を担持させたものでも良い。
【0053】
紫外線光源26は「U」の字形状(ツイン型)のものを垂直方向に長く配置したブラックライトで、光触媒担持体25の間に平行に配置する。これにより、光触媒担持体25表面の光触媒は紫外線光源26からの紫外線により励起され、光触媒担持体25を通過する汚染物質を分解して清浄化する。紫外線光源26は水銀灯や捕虫器用蛍光灯などでも良い。
【0054】
空気浄化装置20の側面に排出口23を設け、排出口23の装置側直近に送風機23aを設け、光触媒担持体25で清浄化された空気を排出口23から排出する。
【0055】
これにより、バケット6の使用済みのおむつからの臭気による汚染空気24を空気取入口22から取り入れ、空気取入口22から入った臭気や細菌の汚染空気は光触媒担持体25で清浄化され、排出口23から排出される。
【0056】
また、空気浄化装置20では、送風機23aと紫外線光源26に電源を必要とする。
【0057】
枠体2の空気浄化装置20の反対側に設けた空気浄化装置30は、空気浄化装置20と同様のものであるが、交流100Vのみで稼動する点が異なる。
【0058】
空気浄化装置30には、取り外し可能な覆体31と、覆体31の上面に空気取入口32を設ける。
【0059】
空気浄化装置30の側面に排出口33を設け、清浄化された空気を排出口33から排出する。
【0060】
空気浄化装置30の下部に電源ケーブル34を設ける。電源ケーブル34は外部から交流100V電源を空気浄化装置30に供給するもので、コードリール式に巻取り自在となっている。
【0061】
これにより、おむつの取替時にベッド脇のコンセントに電源ケーブル34差し込み空気浄化装置30を稼動させ、おむつの取替時における臭気による汚染空気35を空気取入口32から取り入れ、空気取入口32から入った臭気や細菌の汚染空気は光触媒担持体25で清浄化され、排出口33から排出され、簡便に清浄化できる。
【0062】
また、おむつの取替時に空気浄化装置20も稼動させることにより、強力に脱臭することができる。
【0063】
以上の実施例では、おむつ取替用カート1にバッテリー14電源で稼動する空気浄化装置20と交流100Vのみで稼動する空気浄化装置30の両方を取り付けた例を示したが、いずれか一方の装置のみを取り付けるようにしても良い。
【0064】
また、バッテリー14電源と直接交流100Vの両方で稼動する空気浄化装置20を使用済みのおむつを入れるバケット6の近傍に設けた例を示したが、バケット6内の空気をダクトなどにより直接取り入れるようにしても良い。
【0065】
また、人力により移動自在なカートとして手押し式のものを示したが、足でペダルを踏むと移動するようなものでも良い。
【実施例2】
【0066】
本発明の実施例2に係る病院などにおける清掃用カートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しの清掃用カート(ワゴンを含む)に清掃用具を載せ、清掃作業者が各病室を回りながら清掃作業を行なうものである。
【0067】
その、人力により移動自在な清掃用カートに光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【実施例3】
【0068】
本発明の実施例3に係る病院などにおける医師が入院患者を巡回診療する時などのカートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しのカート(ワゴンを含む)に診療・治療器具などを載せ、医師や看護士が各患者の間を回りながら診療・治療を行なうものである。
【0069】
その、人力により移動自在な医師が入院患者を巡回診療する時などのカートに光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【実施例4】
【0070】
本発明の実施例4に係る病院などにおける入院患者への配膳用のカートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しの配膳用のカート(ワゴンを含む)に各患者用の食事を載せ、各病室を回りながら患者への食事の提供を行なうものである。
【0071】
その、人力により移動自在な入院患者への配膳用のカートに光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【実施例5】
【0072】
本発明の実施例5に係るホテルなどにおける部屋の清掃用カートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しの清掃用カート(ワゴンを含む)に清掃用具や交換用寝具などを載せ、清掃作業者が各部屋を回りながら清掃作業や寝具などの交換を行なうものである。ここでは、ホテルや旅館・民宿などの宿泊を提供する施設をホテルなどとする。
【0073】
その、人力により移動自在な部屋の清掃用カートに光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【実施例6】
【0074】
本発明の実施例6に係る列車などにおける飲物・弁当などを売るカートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しのカート(ワゴンを含む)に飲物・弁当などを載せ、販売員が各客車を回りながら乗客に対して飲物・弁当などの販売を行なうものである。ここでは、陸上において乗客を乗せて比較的長距離を移動する乗物を列車などとする。
【0075】
その、人力により移動自在な飲物・弁当などを売るカートに光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【実施例7】
【0076】
本発明の実施例7に係る航空機などにおける飛行中に飲物・食事をサービスするカートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しのカート(ワゴンを含む)に飲物・食事を載せ、客室乗務員が各座席を回りながら乗客に対して飲物・食事の提供を行なうものである。ここでは、空中において乗客を乗せて比較的長距離を移動する乗物を航空機などとする。
【0077】
その、人力により移動自在な飛行中に飲物・食事をサービスするカートに光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【実施例8】
【0078】
本発明の実施例8に係る客船などにおける船室の清掃用カートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しの清掃用カート(ワゴンを含む)に清掃用具や交換用寝具などを載せ、清掃作業者が各船室を回りながら清掃作業や寝具などの交換を行なうものである。ここでは、海上及び海中において乗客を乗せて比較的長距離を移動する乗物を客船などとする。
【0079】
その、人力により移動自在な船室の清掃用カートに光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【実施例9】
【0080】
本発明の実施例9に係る客船などにおける食事・飲物などをサービスするカートの空気浄化装置は、実施例1の病院などにおけるおむつ取替用カート1の空気浄化装置20,30と同様のものであって、手押しのカート(ワゴンを含む)に食事・飲物などを載せ、乗務員が各船室を回りながら乗船客に対して食事・飲物などの提供を行なうものである。
【0081】
その、人力により移動自在な食事・飲物などをサービスするカート1に光触媒担持体25と紫外線光源26による空気浄化装置20,30を設け、その空気浄化装置20,30に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力により移動自在なカートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうカートの空気浄化装置。
【請求項2】
人力により移動自在なおむつ取替用カートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう病院などにおけるおむつ取替用カートの空気浄化装置。
【請求項3】
人力により移動自在な清掃用カートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう病院などにおける清掃用カートの空気浄化装置。
【請求項4】
人力により移動自在な医師が入院患者を巡回診療する時などのカートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう病院などにおける医師が入院患者を巡回診療する時などのカートの空気浄化装置。
【請求項5】
人力により移動自在な入院患者への配膳用のカートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう病院などにおける入院患者への配膳用のカートの空気浄化装置。
【請求項6】
人力により移動自在な部屋の清掃用カートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なうホテルなどにおける部屋の清掃用カートの空気浄化装置。
【請求項7】
人力により移動自在な飲物・弁当などを売るカートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう列車などにおける飲物・弁当などを売るカートの空気浄化装置。
【請求項8】
人力により移動自在な飛行中に飲物・食事をサービスするカートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう航空機などにおける飛行中に飲物・食事をサービスするカートの空気浄化装置。
【請求項9】
人力により移動自在な船室の清掃用カートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう客船などにおける船室の清掃用カートの空気浄化装置。
【請求項10】
人力により移動自在な食事・飲物などをサービスするカートに光触媒担持体と紫外線光源による空気浄化装置を設け、その空気浄化装置に電源を供給して移動先又は移動中の空気の浄化を行なう客船などにおける食事・飲物などをサービスするカートの空気浄化装置。

【図1】病院などにおけるおむつ取替用カートの空気浄化装置の一実施例を示す側面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その背面図である。
【図4】その正面図である。
【図5】図2の要部を示す一部を切り欠いた図である。
【図6】空気浄化装置の回路図である。
【符号の説明】
【0083】
1 カートとしてのおむつ取替用カート
20 空気浄化装置
25 光触媒担持体
26 紫外線光源
30 空気浄化装置
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−190111(P2007−190111A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9424(P2006−9424)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(304016516)有限会社関 (6)
【Fターム(参考)】