説明

カートリッジ及びプロセスカートリッジ並びに画像形成装置

【課題】キー方式の色非互換であっても省スペースで、かつ十分なる強度を持ち、しかも安価なカートリッジ及びプロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】異なる色のトナー又は現像剤を包含し、色非互換のためのキー部材30がプロセスカートリッジ7の取り付け部40に設けられており、キー部材30はプロセスカートリッジ7カと別体であって、差し込み部33をプロセスカートリッジ7の装着孔46に差し込み、かつ差し込み部33と挟み部35で挟んだ状態で取り付け部に保持可能であり、各色で共通使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる色のトナー又は現像剤を包含し、色非互換のための識別部材がカートリッジの筐体に設けられているカートリッジ及びプロセスカートリッジ並びにこれらカートリッジを用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真プロセスを用いる複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの少なくとも2つの機能を有する複合機等の画像形成装置においては、高速出力化及び高画質化のカラー機器が要望されている。このような要求を満たすカラー画像形成装置として、例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色毎に画像形成ユニットを持ち、一度の画像形成工程で各色画像を順次、転写材もしくは中間転写体上に多重転写することでカラー画像の形成を行うタンデム型の画像形成装置が提案されている。
【0003】
この種の画像形成装置では、ユーザー自身で装置のメンテナンスを行うことができる画像形成ユニットの一部もしくは全部をカートリッジ化し装置本体に対して着脱するプロセスカートリッジ方式も広く採用されている。
【0004】
ところで、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色が決められているカートリッジの場合、そのトナーの色毎に画像形成装置本体への装着位置が予め定められている。すなわち、トナーの色が異なるカートリッジは所定の位置に挿入されて所定の画像が出力される。通常、カラー画像出力時にトナーが転写される順番はイエロー、シアン、マゼンダ、ブラックの順であり、この順番でトナーが転写されることにより良好な画質、良好な色調の画像が得られるように構成されている。したがって、カートリッジは誤って所定位置以外に装着してしまった場合、画像を出力することは可能だが、所望の画像を得ることが難しい。
【0005】
このように構成されたカートリッジ方式の画像形成装置において、カートリッジの配置違いを防止するため、各カートリッジが予め決められた場所以外に装着することができない色非互換方式を採用している。プロセスカートリッジの色非互換方式の1つとしては、特許文献1に記載されているようなプロセスカートリッジ筐体に各色の色非互換キーを設け、装置本体側に各色の位置を決定するキー溝を形成するものが知られている。しかし、一般的な電子写真方式の複写機やプリンタは4色であり、キー方式を採用すると、4種類のプロセスカートリッジ筐体を製造しなければならず、コスト高が避けられないという問題があった。
【0006】
さらに、色非互換キーを用いた画像形成装置ではプロセスカートリッジに無駄なスペースをなくすようにキーを配置することと、ユーザーが勢い良く挿入してもキーが破損することがないように十分なる強度を必要する等の要望があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の事情に鑑み、キー方式の色非互換であっても省スペースで、かつ十分なる強度を持ち、しかも安価なカートリッジ及びプロセスカートリッジ並びに画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、異なる色のトナー又は現像剤を包含し、色非互換のための識別部材が前記カートリッジの筐体に設けられているカートリッジにおいて、前記識別部材は前記カートリッジの筐体と別体であって、該筐体の取り付け部に差し込み、かつ挟んだ状態で当該筐体に保持可能であり、各色で共通使用可能であることを特徴とするカートリッジを提案する。
【0009】
なお、本発明のカートリッジにおいて、前記識別部材には、前記取り付け部に形成された装着孔に差し込む差し込み部と、該装着孔に差し込んだ該差し込み部との協働で筐体を挟み込む挟み部と、前記差し込み部の先端に設けられ差し込んだ識別部材を保持するための引っ掛け部とを有すると有利である。
【0010】
さらに、本発明のカートリッジにおいて、前記識別部材を前記筐体に取り付けた際、前記識別部材と前記筐体の一方には該嵌合孔を中心としたキー部が、他方には該キー部が嵌合するキー溝がそれぞれ形成されていると有利である。
【0011】
さらにまた、本発明のカートリッジにおいて、前記取り付け部が円筒状で、前記装着孔がその円の中心に形成されているとともに、前記キー部及び前記キー溝は前記嵌合孔から所定角度毎に放射状に形成され、前記挟み部の角度により色識別されると有利である。
【0012】
さらにまた、本発明のカートリッジにおいて、前記識別部材が樹脂材料であって、少なくとも前記差し込み部が弾性変形可能であると有利である。
また、上記目的を達成するため、本発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジが、少なくとも像担持体と現像装置を備え、画像形成装置本体に着脱可能に装着されることを特徴とするプロセスカートリッジを提案する。
【0013】
さらにまた、上記目的を達成するため、本発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジまたは請求項6に記載のプロセスカートリッジを用いたことを特徴とする画像形成装置を提案する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各色で異なる識別部材及びカートリッジを使用しないため、低コスト化が得られる。さらに、識別部材の取り付け領域は小さく設定することができるので、省スペースであるとともに、識別部材がカートリッジ筐体に挟み込んだ状態で嵌合することにより、カートリッジを挿入した際の衝撃により識別部材が回転して破損してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るプロセスカートリッジを備えた画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】プロセスカートリッジの拡大説明図である。
【図3】プロセスカートリッジの外観斜視図である。
【図4】(a),(b)はキー部材のカートリッジへの取り付け前、取り付け後を示す斜視図である。
【図5】(a)はイエロー用プロセスカートリッジ、(b)はシアン用プロセスカートリッジ、(c)はマゼンタ用プロセスカートリッジ及び(d)はブラック用プロセスカートリッジを示す説明図である。
【図6】(a),(b)はキー部材のカートリッジへの取り付け前、取り付け後を示す断面説明図である。
【図7】画像形成装置のプロセスカートリッジが装着されるステーションを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を用いて説明する。
図1はフルカラー画像を形成できる画像形成装置の一例を示す垂直断面図である。ここに示した画像形成装置は、複数の支持ローラ3,4,5,6に巻き掛けられて矢印A方向に回転駆動される無端状の中間転写ベルト2と、その中間転写ベルト2に対向配置されたイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック用の各プロセスカートリッジ7Y,7C,7M,7Kを有している。各プロセスカートリッジ7Y乃至7Kは、それぞれ異なった色のトナー像が形成されるドラム状の感光体として構成された像担持体1Y,1C,1M,1Kを有し、その各像担持体上に形成された各トナー像は、中間転写ベルト2によって搬送される記録媒体に重ねて転写される。ドラム状の像担持体に代えて、無端ベルトより成る像担持体を用いることもできる。
【0017】
各プロセスカートリッジ7Y乃至7Kの各像担持体1Y乃至1K上にトナー像を形成し、そのトナー像を記録媒体に転写する構成は、トナー像の色が異なるだけで、実質的に全て同一であるため、第1のプロセスカートリッジ7Yの像担持体1Yにトナー像を形成し、これを記録媒体に転写する構成だけを説明する。
【0018】
図2は、第1のプロセスカートリッジ7Yの拡大断面図である。ここに示したプロセスカートリッジ7Yの像担持体1Yは、ユニットケース8に回転可能に支持されていて、図示していない駆動装置によって時計方向に回転駆動される。このとき、ユニットケース8に回転可能に支持された帯電ローラ9より成る帯電装置に帯電電圧が印加され、これによって像担持体1Yの表面が所定の極性に帯電される。帯電ローラ9は、像担持体を帯電する帯電装置の一例を構成するものである。
【0019】
帯電後の像担持体1Yには、プロセスカートリッジ7Yとは別体の図1に示した露光装置10から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、これによって像担持体1Yに静電潜像が形成される。このようにして形成された静電潜像は現像装置11によってイエロートナー像として可視像化される。
【0020】
一方、中間転写ベルト2を挟んでプロセスカートリッジ7Yと反対側には一次転写ローラ12が配置され、この一次転写ローラ12に転写電圧が印加されることによって、像担持体1Y上のトナー像が、矢印A方向に回転駆動される中間転写ベルト2上に一次転写される。トナー像転写後の像担持体1Yは潤滑剤塗布ブラシ13によって潤滑剤が塗布されるとともに、転写残トナーが拭き取られる。そして、潤滑剤塗布ブラシ13が取りきれなかった転写残トナーはクリーニングブレード15aを有するクリーニング装置14によって掻き取り除去される。除去されたトナーは、回転駆動されるトナー搬送スクリュー15bによってクリーニングケース外に搬送される。このようにして、クリーニング装置14は、トナー像転写後の像担持体表面をクリーニングする用をなす。
【0021】
上述したところと全く同様にして、図1に示した第2乃至第4の像担持体1C,1M,1K上にシアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像がイエロートナー像の転写された中間転写ベルト2上に順次重ねて一次転写され、中間転写ベルト2上に合成トナー像が形成される。トナー像転写後の各像担持体1C,1M,1K上の転写残トナーがクリーニング装置により除去されることも第1の像担持体2Yの場合と変わりはない。
【0022】
一方、図1に示すように、画像形成装置本体内の下部には、例えば転写紙より成る記録媒体を給紙する給紙装置16が配置され、該給紙装置16によって送り出された記録媒体は、レジストローラ対17によって、所定のタイミングで支持ローラ3に巻き掛けられた中間転写ベルト2の部分と、これに対置された二次転写ローラ18との間に給送される。このとき、二次転写ローラ18には所定の転写電圧が印加され、これによって中間転写ベルト2上の合成トナー像が記録媒体に二次転写される。
【0023】
合成トナー像を二次転写された記録媒体は、さらに上方に搬送されて定着装置19を通り、このとき記録媒体上のトナー像が熱と圧力の作用により定着される。定着装置19を通過した記録媒体は、画像形成装置本体の上部の排紙部22に排出される。また、トナー像転写後の中間転写ベルト2上に付着する転写残トナーはクリーニング装置20によって除去される。
【0024】
かく構成される画像形成装置では、プロセスカートリッジ7Y,7C,7M,7Kを有しており、各プロセスカートリッジ7Y乃至7Kは良好な画質、良好な色調の画像を得るべく、予め装置本体に装着する位置が定められている。さらに、装置本体の上部には各プロセスカートリッジ7Y乃至7Kの現像装置11にトナー補給するトナーボトル23が上部に設けられ、各プロセスカートリッジ7Y乃至7Kの現像装置11には定められた色のトナーが補給される。
【0025】
このように、プロセスカートリッジ7Y乃至7Kは予め決められた位置に装着しなければならないため、装着位置の間違えを阻止する色非互換機能を持たせる必要がある。
そこで、本実施形態のプロセスカートリッジ7Y乃至7Kは次に説明するように構成している。
【0026】
図3はプロセスカートリッジ7の外観図である。
プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体に対しB方向にスライドさせることで図7に示す画像形成装置の各ステーション50にセットできるようになっている。プロセスカートリッジ7には、色非互換のためのキー部材30として構成された識別部材がその画像形成装置本体への装着方向下流側の側面に取り付けられている。より具体的に説明すると、キー部材30は図3においてプロセスカートリッジ7装着方向下流側の側面7aにおける左下部に設けられた取り付け部40に取り付けられている。
【0027】
このキー部材30は、図4(a),(b)、図5(a),(b),(c),(d)及び図6(a),(b)に示すように、円板状に形成された基部31に十字状に形成されたキー部32が設けられている。キー部32の十字が交叉する位置には取り付け部40に形成された装着孔46に差し込む棒状の差し込み部33が設けられ、差し込み部33の先端には装着孔46の端部47に引っ掛かる鉤状の引っ掛け部34が設けられている。十字状のキー部32の1つには、装着孔46に差し込んだ差し込み部33との取り付け部40を挟み込む挟み部35が設けられている。この挟み部35は、図4に明示するように、キーの1つが同幅のまま側面側に張り出し、差し込み部33と同方向に延在させた板片で形成されている。なお、キー部材30は基部31、キー部32、差し込み部33、引っ掛け部34及び挟み部35が一体成形された樹脂材料から作られ、その好ましい樹脂材料については後で詳述する。
【0028】
一方、プロセスカートリッジ7の取り付け部40は、基板部41と、該基板部41に円筒状に突出した円筒部42からなり、基板部41は図6に示すスペーサ43を介してプロセスカートリッジ7の側板7aと隙間44をもって配置されている。円筒部42の先端にはキー部32が嵌合される十字状のキー溝45が形成され、このとき、十字状のキー溝45の交差位置が円筒部42の円の中心であってこの中心に上記隙間44まで達する装着孔46が形成されている。
【0029】
このように構成された色非互換のキー部材30の取り付けについて説明する。
キー部材30の取り付けは非常に簡単であって差し込み部33を装着孔46に挿入し、先端の引っ掛け部34が装着孔46の端部47に引っ掛かれば完了するものである。そして、挿入時には引っ掛け部34が装着孔46の内周壁面に当って差し込み部33が弾性変形し、引っ掛け部34が端部47に達するとその弾性によって元に状態に戻って差し込み部33と挟み部35とで円筒部42を挟み付け、かつ、引っ掛け部34が装着孔46の端部47に引っ掛かるとともに、キー部32がキー溝45に嵌合される。このとき、キー部材30は図5(a)〜(d)に示すように、十字のキー溝45に合わせて挟み部35の位置が90°ずつずれる4つの位置を取ることができる。なお、図5(a)はイエロー用プロセスカートリッジを示し、図5(b)はシアン用プロセスカートリッジを示し、図5(c)はマゼンタ用プロセスカートリッジを示し、図5(d)は、ブラック用プロセスカートリッジを示している。
【0030】
他方、装置本体には図7に示すように、各色のプロセスカートリッジ7がセットされるステーション50Y,50C,50M,50Kが設けられ、そのステーション50の奥側側板51にキー部材30が取り付けられた円筒部42が嵌り込む円形孔53とその円形孔53の周に形成された挟み部35が嵌合するキー孔52が形成され、各色のキー孔52Y,52C,52M,52Kは90°毎に位置を変えて設けられている。そして、このキー部材30の挟み部35の向きと画像形成装置本体側のキー孔52の向きが一致しないと、各色のプロセスカートリッジ7は所定のステーション50にセットすることができない構成となっている。
【0031】
このように構成されたプロセスカートリッジ7は、キー部材30のプロセスカートリッジ7に取り付ける位置を変えることで色非互換が得られるので、すべての色においてプロセスカートリッジの筐体と色非互換のキー部材30とが同一のものを共通に使用することができる。したがって、プロセスカートリッジ7やキー部材30を製造する際、色の異なるプロセスカートリッジ7毎にその形状や構成の一部を変える必要がないので、製造コストが廉価になるとともに、キー部材30がプロセスカートリッジの外側より容易に嵌合可能であることで、キー部材30以外のプロセスカートリッジ7の組立が完成した後に「色」を決めるが可能となり、プロセスカートリッジ7を各色に柔軟に振り分けることができ、プロセスカートリッジ生産性が向上する。
【0032】
さらに、キー部材30の取り付けは挟み部35の位置が所定の位置になるようにして差し込むという簡単な作業で済む。さらにまた、キー部材30のためのスペースは装着穴46を中心とした図5(b)に示す円30B内で済むため、キー部材30の強度を維持しつつ、各色毎のキー部材30のスペースは最小限にすることができる。
【0033】
ところで、キー部材30は取り付け時に差し込み部33が弾性変形をするが、かかる弾性変形は差し込み部33を肉薄にする及び/またはキー部材30自体を弾性変形な材質の樹脂で作ることにより得ることができる。そして、キー部材30の差し込み部33が弾性変形可能であることで、弾性変形を利用してプロセスカートリッジ7に嵌合することができる。このため、ネジ止めや圧入といった方法を用いないでキー部材30をプロセスカートリッジ7に保持することができ、プロセスカートリッジ7のリサイクル時の分解を容易に行い得るので、リサイクル性が向上する。さらに、キー部材30の全体が弾性変形可能であると、誤って色の違ったプロセスカートリッジ7を装着してキー部材30が奥側側板51に衝突したときに発生する衝撃を緩衝する効果が得られる。
【0034】
なお、本実施形態は色非互換機能を持たせるカートリッジとしてプロセスカートリッジで説明したが、その他のカートリッジ、例えばトナーカートリッジ等にも適用することができる。また、本発明が対象とするプロセスカートリッジとしては感光体である像担持体と現像装置を備えたものであれば、すべて適用することができる。
【実施例1】
【0035】
プロセスカートリッジ7はその筐体を黒色のABS樹脂で、キー部材30は乳白色のポリアセタール樹脂で作ったところ、両者の目視での識別が容易にでき、キー部材30の付け忘れ等を防止するのに効果があった。また、取り付け部4は図5(a)及び図6(a)に示すように、円筒部42の直径を6mm、装着孔46の直径を3mmとし、キー部材30は挟み部35の張り出し長さ4mm(10mm−6mm)、厚み2mm、奥行12mmのように設定したところ、挟み部35の強度が高まり、挟み部35が破損して機能しなくなることが防止できた。さらに、上記樹脂で作ったキー部材30は差し込み部33の厚みを1mm、その部分の長さを10mmにしたところ、好ましい弾性力が得られた。
【0036】
また、挟み部35が非互換として機能する際、キー部32周辺と干渉する箇所は図6(b)において符号36で示す挟み部の付け根36の位置であり、付け根36へ衝撃力Fと挟み部35の円筒部42の当接部36は装着孔46を中心としたモーメントMが作用する。このとき付け根36の幅は十分に確保されており、またモーメントMに対して、挟み部35の奥行長さが12mmとなっており、挟み部35の張り出し方向の長さ4mmに対して十分に長いため、挟み部35はモーメントMを支えることができる。もし、キー部材30が挟み部35で挟み込まずに差し込み部33を差し込んだだけの場合であると、上記モーメントMを支えることはできない。
【0037】
このようにキー部材30は上記のような形状、寸法にすることで破損しにくく、良好な色非互換機能が得られる。
【符号の説明】
【0038】
1 像担持体
11 現像装置
30 キー部材
32 キー部
33 差し込み部
34 引っ掛け部
35 挟み部
40 取り付け部
45 キー溝
46 装着孔
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】特開2003−84534号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色のトナー又は現像剤を包含し、色非互換のための識別部材がカートリッジの筐体に設けられているカートリッジにおいて、
前記識別部材は前記カートリッジの筐体と別体であって、該筐体の取り付け部に差し込み、かつ挟んだ状態で当該筐体に保持可能であり、各色で共通使用可能であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載のカートリッジにおいて、前記識別部材には、前記取り付け部に形成された装着孔に差し込む差し込み部と、該装着孔に差し込んだ該差し込み部との協働で筐体を挟み込む挟み部と、前記差し込み部の先端に設けられ差し込んだ識別部材を保持するための引っ掛け部とを有することを特徴とするカートリッジ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカートリッジにおいて、前記識別部材を前記筐体に取り付けた際、前記識別部材と前記筐体の一方には該嵌合孔を中心としたキー部が、他方には該キー部が嵌合するキー溝がそれぞれ形成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記取り付け部が円筒状で、前記装着孔がその円の中心に形成されているとともに、前記キー部及び前記キー溝は前記嵌合孔から所定角度毎に放射状に形成され、前記挟み部の角度により色識別されることを特徴とするカートリッジ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のカートリッジにおいて、前記識別部材が樹脂材料であって、少なくとも前記差し込み部が弾性変形可能であることを特徴とするカートリッジ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジが、少なくとも像担持体と現像装置を備え、画像形成装置本体に着脱可能に装着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載のカートリッジまたは請求項6に記載のプロセスカートリッジを用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−204353(P2010−204353A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49171(P2009−49171)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】