説明

カートリッジ

【課題】新品検知に関わる構成の部品点数を減らす。
【解決手段】現像カートリッジ60は、筐体60Aと、画像形成装置の検出手段によって検知可能な検知突起140を有する検知ギヤ100とを備える。検知ギヤ100は、検知突起140が検知手段によって検知可能であり、ギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gと対向する第1の位置と、検知突起140が検知手段によって検知不能であり、欠け歯部122がアジテータギヤ65Gと対向する第2の位置との間で回転可能である。筐体60Aには、検知ギヤ100が第1の位置にあるときに検知ギヤ100に当接し、ギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gに向けて付勢されるような回転力を与え、検知ギヤ100が第2の位置にあるときに検知ギヤ100に当接し、欠け歯部122とアジテータギヤ65Gが対向するように検知ギヤ100の回転方向における位置を規制する、弾性を有する付勢部150が一体形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体に着脱可能に装着されるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、現像剤が収容され、プリンタなどの画像形成装置本体に着脱可能に装着されるカートリッジが知られている。また、このようなカートリッジが着脱可能に装着される画像形成装置には、装着されたカートリッジが新品であるか否か検知(新品検知)するための構成を備えるものがある。例えば、特許文献1には、装着されるカートリッジ(現像カートリッジ)の検出ギヤに設けられた当接突起が、装置内に設けられたアクチュエータに当接した場合に、カートリッジが新品であると検知する機構が開示されている。
【0003】
特許文献1の検出ギヤは、欠け歯ギヤとなっており、新品状態では歯部がアジテータ駆動ギヤと噛み合い、当接突起がアクチュエータに当接可能な位置に配置されている。そして、カートリッジが画像形成装置に装着されてウォーミングアップ動作(ガラ回し動作)が実行されると、検出ギヤが回転し、当接突起がアクチュエータと当接不能な位置に変位するとともに、欠け歯部がアジテータ駆動ギヤと向かい合って駆動の伝達が切断されるようになっている。このような構成により、使用済みのカートリッジを画像形成装置から取り外して再度装着した場合には、当接突起がアクチュエータに当接しないので、カートリッジは旧品であると検知されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−267994号公報(段落0082)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した従来技術のカートリッジには、新品状態において検出ギヤの歯部がアジテータ駆動ギヤと確実に噛み合うように、検出ギヤを付勢するコイルばねが取り付けられていた。しかしながら、カートリッジの新品検知に関わる構成は、一度作動した後は役目を終える部品であるため、可能な限り部品点数を減らして、コストを抑えたり、組み付けを容易にしたりすることが望まれる。
【0006】
本発明は、以上のような背景に鑑みてなされたものであり、新品検知に関わる構成の部品点数を減らすことができるカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した目的を達成するための本発明は、画像形成装置本体に着脱可能に装着されるカートリッジであって、現像剤を収容する筐体と、前記画像形成装置本体の検知手段によって検知可能な被検知部を有し、前記筐体に回転可能に設けられる第1回転体と、前記筐体に回転可能に設けられ、前記画像形成装置本体から入力された駆動力を前記第1回転体に伝達可能な第2回転体と、を備え、前記第1回転体は、前記第2回転体と対向したときに前記第2回転体から駆動力が伝達されることで前記第1回転体を回転させる伝達部と、前記第2回転体と対向したときに前記第2回転体からの駆動力を伝達不能とする非伝達部と、を有し、前記第1回転体は、前記被検知部が前記検知手段によって検知可能であり、前記伝達部が前記第2回転体と対向する第1の位置と、前記被検知部が前記検知手段によって検知不能であり、前記非伝達部が前記第2回転体と対向する第2の位置との間で回転可能に構成され、前記筐体には、前記第1回転体が第1の位置にあるときに前記第1回転体に当接し、前記伝達部が前記第2回転体に向けて付勢されるような回転力を与え、前記第1回転体が第2の位置にあるときに前記第1回転体に当接し、前記非伝達部と前記第2回転体が対向するように前記第1回転体の回転方向における位置を規制する、弾性を有する付勢部が一体形成されていることを特徴とする。
【0008】
このように構成されたカートリッジによれば、第1回転体が第1の位置にあるときに第1回転体に当接し、伝達部が第2回転体に向けて付勢されるような回転力を与え、第1回転体が第2の位置にあるときに第1回転体に当接し、非伝達部と第2回転体が対向するように第1回転体の回転方向における位置を規制する、弾性を有する付勢部が筐体に一体形成されているので、別部品としてのばねを省略することができ、新品検知に関わる構成の部品点数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カートリッジの筐体に付勢部が一体形成されているので、別部品としてのばねを省略することができ、新品検知に関わる構成の部品点数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係るカートリッジの一例としての現像カートリッジが着脱可能に装着されるカラープリンタの全体構成を示す図である。
【図2】カラープリンタの新品検知に関する構成の概略を示す図である。
【図3】現像カートリッジの側面図であり、カバー体を外した状態を示す図(a)と、カバー体を取り付けた状態を示す図(b)である。
【図4】図3のX−X断面図に相当する図であり、検知ギヤが第1の位置にあるときを示す図(a)と、検知ギヤが第2の位置にあるときを示す図(b)である。
【図5】検知ギヤとアジテータギヤの側面図であり、検知ギヤが第1の位置にあるときを示す図(a)と、検知ギヤが第2の位置にあるときを示す図(b)である。
【図6】内側から見たカバー体の斜視図である。
【図7】検知ギヤの動作を示す図であり、現像カートリッジを本体ケースに装着したときの状態を示す図(a)と、検知突起の当接により検知用アームが揺動した状態を示す図(b)と、検知用アームが中立位置に戻った状態を示す図(c)である。
【図8】検知ギヤの動作を示す図であり、検知ギヤの欠け歯部がアジテータギヤと対向した瞬間を示す図(a)と、検知ギヤが第2の位置にある状態を示す図(b)である。
【図9】第1実施形態の変形例を示す図3のX−X断面図に相当する図(a),(b)である。
【図10】第2実施形態に係る現像カートリッジの図3のX−X断面図に相当する図(a)と、第2実施形態の変形例を示す図3のX−X断面図に相当する図(b)である。
【図11】第1回転体の他の例としてのゴムローラの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、本実施形態に係るカートリッジの一例としての現像カートリッジ60が着脱可能に装着されるカラープリンタ1(画像形成装置)の全体構成および新品検知に関する構成について簡単に説明した後、現像カートリッジ60の詳細な構成について説明する。
【0012】
また、以下の説明において、方向は、カラープリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0013】
<カラープリンタの全体構成>
図1に示すように、カラープリンタ1は、画像形成装置本体の一例としての本体ケース10内に、用紙Sを供給する給紙部20と、供給された用紙Sに画像を形成する画像形成部30と、画像が形成された用紙Sを排出する排紙部90とを主に備えている。
【0014】
給紙部20は、本体ケース10内の下部に設けられ、給紙トレイ21と、用紙押圧板22と、給紙機構23とを主に備えている。給紙トレイ21に収容された用紙Sは、用紙押圧板22によって上方に寄せられ、給紙機構23によって画像形成部30に供給される。
【0015】
画像形成部30は、露光装置40と、感光体ユニット50と、4つの現像カートリッジ60と、転写ユニット70と、定着ユニット80とを主に備えている。
【0016】
露光装置40は、本体ケース10内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、ポリゴンミラー、複数のレンズ、複数の反射鏡などを備えている。画像データに基づいてレーザ光源から出射されたレーザ光は、ポリゴンミラーや反射鏡で反射されたり、レンズを通過したりして、各感光体ドラム52の表面で高速走査される(鎖線参照)。
【0017】
感光体ユニット50は、給紙トレイ21と露光装置40の間に配置され、上部が開口した略箱状のドロア51と、前後に並列配置された4つの感光体ドラム52と、各感光体ドラム52に対応して設けられた4つの帯電器53とを主に備えている。ドロア51は、本体ケース10の前側に設けられたフロントカバー11を開くことで、本体ケース10に対して前後に着脱可能(引き出し可能)に構成されている(図2参照)。
【0018】
現像カートリッジ60は、ドロア51に前後に並んで配置されている。この現像カートリッジ60は、ドロア51に対して着脱自在となっており、ドロア51に装着された状態で本体ケース10に着脱可能に装着されるように構成されている(図2参照)。現像カートリッジ60は、現像ローラ61と、供給ローラ62と、層厚規制ブレード63と、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部64と、トナー収容部64内のトナーを撹拌するアジテータ65とを主に備えている。現像カートリッジ60の詳細な構成については後述する。
【0019】
転写ユニット70は、給紙トレイ21と感光体ユニット50の間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、駆動ローラ71と従動ローラ72の間で張設された無端状の搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを主に備えている。搬送ベルト73は、外側の面が各感光体ドラム52に接しており、その内側には各転写ローラ74が各感光体ドラム52との間で搬送ベルト73を挟持するように配置されている。
【0020】
定着ユニット80は、感光体ユニット50の後方に設けられ、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを主に備えている。
【0021】
画像形成部30では、感光体ドラム52の表面が、帯電器53により一様に帯電された後、露光装置40からのレーザ光によって露光されることで、感光体ドラム52上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部64内のトナーは、供給ローラ62を介して現像ローラ61に供給され、現像ローラ61と層厚規制ブレード63の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ61上に担持される。
【0022】
そして、現像ローラ61上に担持されたトナーが感光体ドラム52に供給されることで、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム52上にトナー像が形成される。その後、給紙部20から供給された用紙Sが、感光体ドラム52と搬送ベルト73(転写ローラ74)の間を搬送されることで、各感光体ドラム52上に形成されたトナー像が用紙S上に順次重ね合わせて転写される。トナー像が転写された用紙Sは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を搬送されることでトナー像が熱定着される。
【0023】
排紙部90は、定着ユニット80から搬出された用紙Sを案内するための排紙経路91と、用紙Sを搬送する複数の搬送ローラ92とを主に備えている。トナー像が熱定着された用紙Sは、搬送ローラ92によって排紙経路91を搬送され、本体ケース10の外部に排出されて排紙トレイ12上に載置される。
【0024】
<カラープリンタの新品検知に関する構成>
次に、カラープリンタ1の新品検知に関する構成の概略について説明する。なお、カラープリンタ1(画像形成装置)に設けられる新品検知の構成としては、公知の構成を採用することができるので、本明細書では詳細な説明を省略する。
【0025】
図2に示すように、カラープリンタ1は、新品検知に関する構成として、現像カートリッジ60に駆動力を入力する駆動装置13と、現像カートリッジ60が新品であるか否かを検知するための新品検知装置14とを備えている。
【0026】
駆動装置13は、本体ケース10内の、ドロア51に装着された現像カートリッジ60が装着される部分に設けられ、図示しないモータと、現像カートリッジ60の後述する入力ギヤ63Gに駆動力を入力する駆動力入力部材と、モータの駆動力を駆動力入力部材に伝達する複数のギヤとを主に備えて構成されている。
【0027】
駆動力入力部材は、例えば、フロントカバー11の開閉に連動して、現像カートリッジ60に対して進退するように構成されており、現像カートリッジ60を本体ケース10に装着し、フロントカバー11を閉じることで入力ギヤ63Gに係合する。これにより、モータの駆動力が現像カートリッジ60に伝達可能となる。
【0028】
新品検知装置14は、ドロア51に設けられた検知用アーム14Aと、検知手段の一例としての光センサ14Bと、制御装置14Cとを主に備えて構成されている。
【0029】
検知用アーム14Aは、ドロア51に対して揺動可能に支持されており、図示しないばねによって常時、中立位置(図2,7(a)に示す姿勢)に付勢されている。この検知用アーム14Aは、後述するように、新品状態の現像カートリッジ60が装着されたときには、ガラ回し動作によって、被検知部の一例としての検知突起140が当接することで揺動し、検知突起140が乗り越えた後は中立位置に戻るようになっている。また、後述するように、旧品状態の現像カートリッジ60が装着されたときには、ガラ回し動作が実行されても、検知突起140が当接しないので、検知用アーム14Aは揺動しない。
【0030】
ここで、本実施形態において、「ガラ回し動作」とは、本体ケース10に現像カートリッジ60が装着されたときや画像形成動作の前などに実行される、現像ローラ61や供給ローラ62、アジテータ65などを予備的に回転駆動させる動作である。これにより、トナー収容部64内のトナーが撹拌され、供給ローラ62を介して現像ローラ61に供給されることとなる。
【0031】
光センサ14Bは、検知用アーム14Aの揺動の有無を検知するセンサであり、本体ケース10内に設けられている。本実施形態において、光センサ14Bは、検知用アーム14Aの揺動を検知すると、所定の信号を制御装置14Cに出力するように構成されている。
【0032】
制御装置14Cは、カラープリンタ1の動作を制御する装置であり、本実施形態では、さらに、光センサ14Bで検知される検知用アーム14Aの揺動の有無に応じて、現像カートリッジ60が新品であるか否かを判定する機能を有している。また、制御装置14Cは、本体ケース10に現像カートリッジ60が装着されたときに(例えば、フロントカバー11の閉動作を検知するセンサから閉信号が入力されたとき)や、画像データ(画像形成の指示)が入力されたとき、カラープリンタ1の電源を入れたときなどにガラ回し動作を実行する。
【0033】
この制御装置14Cは、ガラ回し動作の実行中において、光センサ14Bから所定の信号が出力されたときには、現像カートリッジ60が新品であると判定し、光センサ14Bから所定の信号が出力されなかったときには、現像カートリッジ60が旧品であると判定する。
【0034】
<現像カートリッジの詳細構成>
次に、現像カートリッジ60の詳細な構成について説明する。
図3(a),(b)に示すように、現像カートリッジ60は、前記した現像ローラ61などのほか、さらに、筐体60Aと、ギヤ機構60Gと、第1回転体の一例としての検知ギヤ100とを備えている。
【0035】
筐体60Aは、カートリッジ本体60Bと、カバー体60Cとを主に有して構成されている。カートリッジ本体60Bは、現像ローラ61や供給ローラ62、アジテータ65などを支持するとともに、トナーを収容するトナー収容部64を形成している。また、カバー体60Cは、ギヤ機構60Gの後述するアジテータギヤ65Gなどや検知ギヤ100を覆うように、カートリッジ本体60Bの左側面に取り付けられる。
【0036】
ギヤ機構60Gは、現像カートリッジ60の外部(駆動装置13)から入力される駆動力を現像ローラ61、供給ローラ62およびアジテータ65に伝達するための機構であり、カートリッジ本体60Bの左側面に設けられている。このギヤ機構60Gは、駆動装置13から駆動力が入力される入力ギヤ63Gと、入力ギヤ63Gと噛み合う現像ローラギヤ61Gおよび供給ローラギヤ62Gと、入力ギヤ63Gに中間ギヤ64Gを介して噛み合うアジテータギヤ65Gとから構成され、各ギヤがカートリッジ本体60B(筐体60A)に対して回転可能に設けられている。
【0037】
現像ローラギヤ61G、供給ローラギヤ62Gおよびアジテータギヤ65Gは、それぞれ、現像ローラ61、供給ローラ62およびアジテータ65を回転駆動させるギヤであり、現像ローラ61、供給ローラ62およびアジテータ65の各回転軸の端部に一体に設けられている。また、本実施形態において、アジテータギヤ65Gは、本体ケース10内の駆動装置13から入力された駆動力を検知ギヤ100に伝達可能な第2回転体の一例である。
【0038】
検知ギヤ100は、円筒状の軸係合部110と、軸係合部110の周囲に形成されたギヤ部120および当接面130と、検知用アーム14Aを介して本体ケース10内の光センサ14Bによって検知可能な検知突起140(被検知部)とを主に備えている。
【0039】
図4(a)に示すように、軸係合部110には、カートリッジ本体60Bの左側面に設けられた回転軸67Bと、カバー体60Cの内面に設けられた回転軸67Cがそれぞれ係合している。これにより、検知ギヤ100は、カートリッジ本体60Bおよびカバー体60C(筐体60A)に対して回転可能に設けられている(軸支されている)。
【0040】
ギヤ部120は、アジテータギヤ65Gと対向するように設けられ、図5(a)に示すように、その外周に、伝達部の一例としてのギヤ歯部121と、非伝達部の一例としての欠け歯部122とを有している。
【0041】
図4(a),5(a)に示すように、現像カートリッジ60が新品状態のとき、ギヤ部120は、ギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gと対向してアジテータギヤ65Gと噛み合っている。したがって、ギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gと対向したときには、アジテータギヤ65Gから駆動力が伝達されることで、検知ギヤ100を回転させることができる。
【0042】
一方、図4(b),5(b)に示すように、現像カートリッジ60が旧品状態のとき、ギヤ部120は、欠け歯部122がアジテータギヤ65Gと対向し、アジテータギヤ65Gとは噛み合っていない。したがって、欠け歯部122がアジテータギヤ65Gと対向したときには、アジテータギヤ65Gからの駆動力を伝達不能とすることができるので、検知ギヤ100を回転させないようにすることができる。
【0043】
検知ギヤ100は、現像カートリッジ60が新品状態のとき、図4(a),5(a)に示すように、ギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gと対向する姿勢となっている(以下、この状態を「第1の位置」という。)。また、検知ギヤ100は、現像カートリッジ60が旧品状態のとき、図4(b),5(b)に示すように、欠け歯部122がアジテータギヤ65Gと対向する姿勢となっている(以下、この状態を「第2の位置」という。)。そして、検知ギヤ100は、第1の位置と第2の位置との間で回転可能に構成されている。検知ギヤ100の動作については後述する。
【0044】
図5(a),(b)に示すように、当接面130は、後述する付勢部150が当接する面であり、軸係合部110の内周面(検知ギヤ100の回転を支持する面)よりも径方向外側において軸係合部110を取り囲むように設けられ、検知ギヤ100の径方向外側を向いている。この当接面130は、図5(a)に示す第1の位置にあるときに付勢部150が当接する第1当接部131と、図5(b)に示す第2の位置にあるときに付勢部150が当接する第2当接部132とを有している。本実施形態において、当接面130は、第1当接部131から第2当接部132までが、軸係合部110の周方向に略沿うように延びる連続した面となっている。これにより、付勢部150は、ガラ回し動作のとき、当接面130上を摺接することとなる。
【0045】
また、本実施形態において、当接面130は、検知ギヤ100の回転中心Cから第2当接部132に当接する付勢部150の先端部までの距離D2が、回転中心Cから第1当接部131に当接する付勢部150の先端部までの距離D1よりも大きくなるように形成されている。これにより、第2の位置における付勢部150の付勢力(付勢部150が当接面130を押す力)を、第1の位置にあるときよりも強くすることができるようになっている。
【0046】
検知突起140は、検知ギヤ100の左側面のうち、回転中心Cに対して径方向にずれた位置、具体的には、第1当接部131と第2当接部132の間付近から外側(左側)に向けて突出するように設けられている(図4(b)も参照)。
【0047】
このような検知ギヤ100は、図7(a)に示すように、第1の位置にあるときには、ガラ回し動作の実行(図7(b)参照)によって回転し、検知突起140が検知用アーム14Aに当接して検知用アーム14Aを揺動させるので、光センサ14Bによって検知可能となる。一方、検知ギヤ100は、図8(b)に示すように、第2の位置にあるときには、ガラ回し動作を実行しても回転しないので、検知突起140が検知用アーム14Aを揺動させることはないため、光センサ14Bによって検知不能となる。
【0048】
次に、付勢部150の詳細な構成について説明する。
図6に示すように、付勢部150は、図6の上下方向に撓み変形可能に弾性を有しており、カバー体60Cの内面側においてカバー体60Cの一部として一体形成されている。ここで、「一体形成」とは、上記のとおり、カバー体60Cの一部として一体に形成されていることであり、カバー体60Cとは別部品として形成され、カバー体60Cに組み付けられているものではないことを意味する。
【0049】
このような付勢部150は、例えば、カバー体60Cが樹脂からなる場合には、射出成形など、金型に樹脂を注入して成形する方法によって、カバー体60Cの一部として一体に形成することができる。また、例えば、カバー体60Cが金属板からなる場合には、金属板の一部を切り起こすことなどによって、カバー体60Cの一部として一体に形成することができる。
【0050】
図4(a)に示すように、付勢部150は、カバー体60Cの内面から内側(右側)に向けて延びる基部151と、基部151の右端から第1当接部131(当接面130)に向けて延び、当接面130に当接(接触)する接触部152とを有して構成されている。付勢部150は、基部151が上下に弾性的に撓み変形することで、接触部152が当接面130に対して弾性的に当接可能となっている。
【0051】
基部151は、第1当接部131(当接面130)よりも径方向外側に設けられており、接触部152は、径方向外側を向く当接面130に対して外側から当接している。
【0052】
図5(a)に示すように、付勢部150は、検知ギヤ100が第1の位置にあるときには、検知ギヤ100の第1当接部131に弾性的に当接し、検知ギヤ100のギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gに向けて付勢されるような回転力(矢印参照)を与える。
【0053】
本実施形態においては、付勢部150(接触部152)が、軸係合部110を取り囲むように設けられた第1当接部131(当接面130)、言い換えると、軸係合部110よりも回転中心Cから遠い位置に設けられた第1当接部131に当接している。そのため、付勢部150が回転中心Cに近い位置で検知ギヤ100に当接するような構成と比較して、小さな付勢力でも効率的に、検知ギヤ100のギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gに向けて付勢されるような回転力を与えることができるようになっている。
【0054】
一方、図5(b)に示すように、付勢部150は、検知ギヤ100が第2の位置にあるときには、検知ギヤ100の第2当接部132に弾性的に当接し、検知ギヤ100の欠け歯部122とアジテータギヤ65Gが対向するように検知ギヤ100の回転方向における位置を規制する。
【0055】
本実施形態において、第2当接部132は、側面視において凹み状(略V字溝状)に形成されているので、この凹み部分に付勢部150(山形状の接触部152)の先端部が係合可能となっている。これによって、ガラ回し動作により、検知ギヤ100が、第2の位置に到達した後は、検知ギヤ100の回転自体を規制することができるようになっている。
【0056】
<検知ギヤの動作>
次に、検知ギヤ100の動作について詳細に説明する。
【0057】
図2,7(a)に示すように、まず、新品状態(検知ギヤ100が第1の状態にあるとき)の現像カートリッジ60をドロア51に装着する。このときには、検知ギヤ100の検知突起140が、検知用アーム14Aに当接しないので、検知用アーム14Aは中立位置に維持されている。
【0058】
次に、ドロア51に装着された状態の現像カートリッジ60を本体ケース10に装着する。そうすると、制御装置14Cによりガラ回し動作が実行され、検知ギヤ100が回転を始める。具体的には、図7(b)に示すように、駆動装置13の駆動力が入力ギヤ63G、中間ギヤ64Gおよびアジテータギヤ65Gを介して検知ギヤ100のギヤ歯部121に伝達され、これによって、検知ギヤ100が図示反時計回り方向に回転する。
【0059】
検知ギヤ100が回転すると検知突起140が検知用アーム14Aに当接し、検知用アーム14Aを揺動させる。このとき、光センサ14Bによって、検知用アーム14Aの揺動が検知されるので、光センサ14Bは、所定の信号を制御装置14Cに出力する。その結果、制御装置14Cでは、現像カートリッジ60が新品であると判定されることとなる。
【0060】
その後、図7(c)に示すように、検知ギヤ100の回転に伴って、検知突起140が検知用アーム14Aを乗り越えると、検知用アーム14Aが中立位置に戻る。これにより、光センサ14Bから制御装置14Cへの所定の信号の出力が停止されることとなる。
【0061】
検知ギヤ100がさらに回転すると、図8(a)に示すように、検知ギヤ100の欠け歯部122がアジテータギヤ65Gと対向し、アジテータギヤ65Gから駆動力が伝達されなくなる。本実施形態では、付勢部150の先端部が凹み状の第2当接部132に完全に係合する前に、欠け歯部122とアジテータギヤ65Gが対向するようにギヤ部120および当接面130が構成されている。
【0062】
そして、図8(b)に示すように、検知ギヤ100は、付勢部150の付勢力(付勢部150が第2当接部132の凹み部分に係合しようとする力)により、わずかに図示反時計回り方向に回転し、付勢部150の先端部が第2当接部132の凹み部分に完全に係合することで、その回転が規制される。これにより、検知ギヤ100は、欠け歯部122がアジテータギヤ65Gと対向する第2の位置で停止し、現像カートリッジ60は旧品状態となる。
【0063】
なお、旧品状態(検知ギヤ100が第2の状態にあるとき)の現像カートリッジ60を本体ケース10に装着してガラ回し動作を実行しても、図8(b)に示すように、検知ギヤ100は回転しないので、検知突起140が検知用アーム14Aに当接することはない。したがって、光センサ14Bが検知用アーム14Aの揺動を検知して、制御装置14Cに所定の信号を出力することもないので、制御装置14Cでは、現像カートリッジ60が旧品であると判定されることとなる。
【0064】
以上によれば、本実施形態において以下のような作用効果を得ることができる。
現像カートリッジ60の筐体60Aには、検知ギヤ100が第1の位置にあるときにギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gに向けて付勢されるような回転力を与え、検知ギヤ100が第2の位置にあるときに欠け歯部122とアジテータギヤ65Gが対向するように検知ギヤ100の回転方向における位置を規制する、弾性を有する付勢部150が一体形成されているので、従来の構成において必要であった別部品としてのばねを省略することができる。これにより、現像カートリッジ60の新品検知に関わる構成の部品点数を減らすことができる。その結果、従来のカートリッジと比較して、コストを抑えたり、組み付けを容易にしたりすることが可能となる。
【0065】
検知ギヤ100の回転中心Cから第2当接部132に当接する付勢部150の先端部までの距離D2が、回転中心Cから第1当接部131に当接する付勢部150の先端部までの距離D1よりも大きいので、付勢部150は、図4(a)に示す検知ギヤ100が第1の位置にあるときよりも、図4(b)に示す検知ギヤ100が第2の位置にあるときの方が、基部151を大きく反らせることができる。これにより、付勢部150は、検知ギヤ100が第1の位置にあるときよりも第2の位置にあるときの方が、より強い付勢力で検知ギヤ100に当接するので、検知ギヤ100が第2の位置にあるときにおいて、より確実に検知ギヤ100の回転方向における位置を規制することができるようになっている。
【0066】
また、仮に、運搬中や保管中などに、新品状態(検知ギヤ100が第1の位置にあるとき)の現像カートリッジ60の付勢部150が、材料のクリープなどによって塑性変形し、付勢力が弱くなったとしても、検知ギヤ100が第2の位置になったときには、基部151を第1の位置にあったときよりも大きく撓ませることができるので、付勢部150の付勢力を回復させることが可能となっている。
【0067】
なお、図5(a),(b)に示すように、本実施形態においては、当接面130(第1当接部131と第2当接部132との間の面)のうちの大部分は、回転中心Cからの距離が距離D1よりも大きくなるように形成されている。そのため、仮に、検知ギヤ100が第1の位置にあるときに、付勢部150が塑性変形し、付勢力が弱くなっていたとしても、ガラ回し動作が実行されて検知ギヤ100が回転し始めることで、基部151を第1の位置にあるときよりも大きく撓ませることができる。これにより、付勢部150の付勢力を回復させることができる。
【0068】
付勢部150がカバー体60Cに形成されているので、トナー収容部64の側壁でもあるカートリッジ本体60Bの側面に付勢部150を形成する場合よりも、樹脂の射出成形や金属板の切り起こしなどによって、付勢部150を容易に一体形成することができる。
【0069】
付勢部150が、軸係合部110よりも回転中心Cから遠い位置に設けられた第1当接部131に当接しているので、回転中心Cに近い位置で検知ギヤ100に当接するような構成と比較して、小さな付勢力でも効率的に、検知ギヤ100のギヤ歯部121がアジテータギヤ65Gに向けて付勢されるような回転力を与えることができる。
【0070】
本発明では、付勢部150によって検知ギヤ100に適切な付勢力を与えるため、付勢部150と検知ギヤ100(回転中心C)との位置関係が重要となる。前記した実施形態においては、カバー体60Cが(カートリッジ本体60Bとともに)検知ギヤ100を回転可能に軸支している、言い換えると、カバー体60Cに付勢部150と回転軸67Cが設けられるので、付勢部150と回転軸67Cの位置精度を向上させることができる。これにより、付勢部150と、回転軸67Cが軸支する検知ギヤ100(回転中心C)の位置精度を向上させることが可能となる。
【0071】
なお、本実施形態では、カバー体60Cが、カートリッジ本体60Bとともに検知ギヤ100を回転可能に軸支する構成として、カバー体60Cおよびカートリッジ本体60Bのそれぞれに設けられた回転軸67C,67Bが検知ギヤ100の軸係合部110に係合している構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように、カバー体60Cだけに回転軸67Cを設け、この回転軸67Cが検知ギヤ100の軸係合部110に係合することで、カバー体60Cが、単独で、検知ギヤ100を回転可能に軸支する構成としてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、検知ギヤ100を回転可能に支持する構成として、カバー体60Cおよびカートリッジ本体60B(筐体60A)に設けられた回転軸67C,67Bが検知ギヤ100を軸支している構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、図9(b)に示すように、検知ギヤ100に回転軸111を設け、この回転軸111を、カートリッジ本体60Bに設けられた軸受凹部68Bと、カバー体60Cに設けられた軸受穴68Cとで回転可能に軸支する構成としてもよい。
【0073】
なお、図9(a),(b)のいずれの形態においても、カバー体60Cに付勢部150と、検知ギヤ100を回転可能に軸支する回転軸67Cまたは軸受穴68Cとが設けられているので、付勢部150と検知ギヤ100(回転中心C)の位置精度を向上させることが可能となっている。
【0074】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態では、前記した第1実施形態と同様の構成要素については、同一符号を付して、その説明を省略することとする。
【0075】
前記した第1実施形態では、付勢部150が設けられたカバー体60Cが、検知ギヤ100を回転可能に軸支することで、付勢部150と検知ギヤ100(回転中心C)の位置精度を向上させていた。本実施形態は、カバー体60Cが検知ギヤ100を直接軸支はしないが、付勢部150と検知ギヤ100の位置精度は向上させることができるという形態である。
【0076】
具体的には、図10(a)に示すように、本実施形態では、カートリッジ本体60Bだけが、円筒状の回転軸67Bを有し、この回転軸67Bに検知ギヤ100の軸係合部110が係合することで、カートリッジ本体60Bが検知ギヤ100を回転可能に軸支している。
【0077】
本実施形態のカバー体60Cは、位置決め部の一例として、内面側から内側(右側)に向けて突出するボス69を有している。ボス69は、その先端(右端)が円筒状の回転軸67Bと係合可能となっている。このボス69は、カバー体60Cをカートリッジ本体60Bに取り付けるときに、回転軸67Bに係合することで、カバー体60Cのカートリッジ本体60Bに対する取付位置を決めることができるように形成されている。
【0078】
このような本実施形態によれば、カバー体60Cに付勢部150とボス69が設けられるので、付勢部150とボス69の位置精度を向上させることができる。そして、ボス69は、カートリッジ本体60Bの回転軸67Bに係合して、カートリッジ本体60B(検知ギヤ100)に対するカバー体60C(付勢部150)の位置を決める部分であるから、付勢部150とボス69の位置精度が向上することで、結果として、付勢部150と検知ギヤ100(回転中心C)の位置精度を向上させることが可能となる。
【0079】
また、本実施形態の構成では、カバー体60Cだけが検知ギヤ100を直接軸支する構成と比較して、最初に検知ギヤ100をカートリッジ本体60Bに軸支させて安定させた上で、カートリッジ本体60Bにカバー体60Cを取り付けることができるので、現像カートリッジ60の組み立てを容易とすることができる。
【0080】
なお、本実施形態では、位置決め部として、カバー体60Cの内面側から内側に向けて突出するボス69を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、位置決め部として、図10(b)に示すように、カートリッジ本体60Bの回転軸67Bの先端(左端)が係合する凹部69Aや貫通孔(図示せず)などを採用してもよい。
【0081】
ちなみに、位置決め部は、付勢部150と検知ギヤ100の位置精度を向上させることができるのであれば、カートリッジ本体60Bの回転軸67Bと係合する構成でなくてもよい(すなわち、カバー体60Cの他の位置に設けてもよい。)。ただし、回転軸67Bと係合する構成とすることで、カバー体60Cの製造時において、位置決め部に対する付勢部150の位置を決めることで、より直接的に検知ギヤ100(回転中心C)に対する付勢部150の位置を決めることが可能となるので、位置精度を高めることができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0083】
前記実施形態では、第1回転体として、ギヤ部120を備える検知ギヤ100を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1回転体として、図11に示すように、ゴムローラ200を採用してもよい。補足すると、ゴムローラ200は、前記実施形態のギヤ部120の代わりに、円板の一部が略扇状に切り欠かれたベルト支持部220を有しており、このベルト支持部220の外周に無端状のゴムベルト223が張設されることで構成されている。
【0084】
ゴムローラ200において、ゴムベルト223のベルト支持部220の外周に当接する部分は、前記実施形態のアジテータギヤ65Gなどの第2回転体と対向したときに第2回転体と接触し、第2回転体から駆動力が伝達されることでゴムローラ200を回転させる伝達部221となっている。また、ゴムベルト223のうち、内周がベルト支持部220の切欠部224に面する部分は、第2回転体と対向したときに第2回転体と非接触となることで、第2回転体からの駆動力を伝達不能とする非伝達部222となっている。
【0085】
前記実施形態では、第2回転体としてアジテータギヤ65Gを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図示はしないが、前記実施形態のアジテータギヤ65Gと検知ギヤ100との間に設けられた駆動力伝達用のギヤなどを採用してもよい。また、第2回転体として、摩擦車(ローラ)や、無端状のベルト、無端状のチェーンなどを採用してもよい。
【0086】
前記実施形態では、検知ギヤ100(第1回転体)の回転中心Cから第2当接部132に当接する付勢部150の先端部までの距離D2が、回転中心Cから第1当接部131に当接する付勢部150の先端部までの距離D1よりも大きくなっていた。すなわち、前記実施形態では、回転中心Cから各当接部131,132に当接する付勢部150の先端部までの距離D1,D2を比較していたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、回転中心Cから、各当接部131,132に当接する付勢部150の基部151までの距離を比較してもよい。補足すると、本発明における、回転中心から付勢部までの距離は、第1の位置と第2の位置の各位置において、回転中心から付勢部の同じ部位までの距離を比較すればよい。
【0087】
前記実施形態では、検知ギヤ100(第1回転体)は、第1当接部131から第2当接部132までの間が軸係合部110の周方向に略沿うように延びる連続した当接面130を備える構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1回転体は、周方向において、第1当接部から第2当接部までの間が不連続な当接面である構成であってもよい。また、第1回転体は、付勢部と当接する部分が、第1当接部(付近)と第2当接部(付近)だけである構成、すなわち、主に、第1の位置にあるときと第2の位置にあるときだけ付勢部が当接するような構成であってもよい。
【0088】
前記実施形態では、カバー体60Cの内面から延びる基部151と、基部151から第1当接部131に向けて延びる接触部152とを有する付勢部150を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、付勢部は、前記実施形態の接触部152を有さない構成であってもよい。
【0089】
前記実施形態では、付勢部150がカバー体60Cに形成されていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、カートリッジ本体60Bに形成されていてもよい。また、前記実施形態では、カートリッジ本体60Bとカバー体60Cとを有する筐体60Aを例示したが、筐体の構成は前記実施形態の構成に限定されるものではない。
【0090】
前記実施形態では、現像カートリッジ60(カートリッジ)が、ドロア51に装着された状態で本体ケース10(画像形成装置本体)に着脱可能に装着される構成であったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カートリッジが、直接画像形成装置本体に対して着脱可能に装着される構成であってもよい。
【0091】
前記実施形態では、カートリッジとして、現像ローラ61やトナー収容部64などを備える現像カートリッジ60を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像ローラやトナー収容部などのほかに、さらに感光体ドラムなどを備えるプロセスカートリッジであってもよいし、トナー収容部とアジテータを備える(現像ローラを備えない)トナーカートリッジであってもよい。
【0092】
前記実施形態で示した、検知ギヤ100の検知突起140(第1回転体の被検知部)を検知する構成(カラープリンタ1の新品検知の構成)は一例であり、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではない。すなわち、画像形成装置の新品検知の構成は、前記したとおり、広く公知の構成を採用することができる。なお、第1回転体の被検知部の構成は、画像形成装置の新品検知の構成に対応させて適宜変更することができる。
【0093】
前記実施形態では、本発明のカートリッジが装着される画像形成装置として、カラープリンタ1を例示したが、これに限定されず、例えば、モノクロ画像を形成するプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
【符号の説明】
【0094】
1 カラープリンタ
10 本体ケース
14A 検知用アーム
14B 光センサ
60 現像カートリッジ
60A 筐体
60B カートリッジ本体
60C カバー体
65G アジテータギヤ
67C 回転軸
100 検知ギヤ
121 ギヤ歯部
122 欠け歯部
131 第1当接部
132 第2当接部
140 検知突起
150 付勢部
151 基部
152 接触部
D1 距離
D2 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能に装着されるカートリッジであって、
現像剤を収容する筐体と、
前記画像形成装置本体の検知手段によって検知可能な被検知部を有し、前記筐体に回転可能に設けられる第1回転体と、
前記筐体に回転可能に設けられ、前記画像形成装置本体から入力された駆動力を前記第1回転体に伝達可能な第2回転体と、を備え、
前記第1回転体は、前記第2回転体と対向したときに前記第2回転体から駆動力が伝達されることで前記第1回転体を回転させる伝達部と、前記第2回転体と対向したときに前記第2回転体からの駆動力を伝達不能とする非伝達部と、を有し、
前記第1回転体は、前記被検知部が前記検知手段によって検知可能であり、前記伝達部が前記第2回転体と対向する第1の位置と、前記被検知部が前記検知手段によって検知不能であり、前記非伝達部が前記第2回転体と対向する第2の位置との間で回転可能に構成され、
前記筐体には、前記第1回転体が第1の位置にあるときに前記第1回転体に当接し、前記伝達部が前記第2回転体に向けて付勢されるような回転力を与え、前記第1回転体が第2の位置にあるときに前記第1回転体に当接し、前記非伝達部と前記第2回転体が対向するように前記第1回転体の回転方向における位置を規制する、弾性を有する付勢部が一体形成されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記第1回転体は、第1の位置にあるときに前記付勢部が当接する第1当接部と、第2の位置にあるときに前記付勢部が当接する第2当接部と、を有し、
前記第1回転体の回転中心から前記第2当接部に当接する前記付勢部までの距離は、前記第1回転体の回転中心から前記第1当接部に当接する前記付勢部までの距離よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記筐体は、現像剤を収容するカートリッジ本体と、前記第1回転体および前記第2回転体を覆うように取り付けられるカバー体と、を有し、
前記付勢部は、前記カバー体に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジ本体は、前記第1回転体を回転可能に軸支する回転軸を有し、
前記カバー体は、前記カートリッジ本体に対する取付位置を決めるため、前記回転軸と係合する位置決め部を有することを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記カバー体は、前記第1回転体を回転可能に軸支していることを特徴とする請求項3に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記第1回転体は、第1の位置にあるときに前記付勢部が当接する第1当接部を有し、
前記第1当接部は、前記第1回転体の回転を支持する面よりも径方向外側に設けられるとともに、前記第1回転体の径方向外側を向いており、
前記付勢部は、前記第1当接部よりも径方向外側に設けられた基部と、前記基部から前記第1当接部に向けて延び、前記第1当接部に接触する接触部と、を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−118196(P2012−118196A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266412(P2010−266412)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】