説明

カードコネクタ

【課題】
SIMカード等のカードが誤った向きで挿入されるのを防止することができるカードコネクタの提供。
【解決手段】
ハウジング1内を移動可能なスライダー8と、スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネ9と、所定の押し込み位置でスライダーの移動を規制するロック機構とを備え、ロック機構は、ハウジング1に回動可能に支持された回動駒10と、一端が回動駒10に支持されたロックピン11とを備え、ロックピン11は、他端にスライダーと互いに係合することによりスライダーの移動が規制されるようにする規制部14を有し、回動駒10の回動に連動して規制部14がスライダー8の移動を規制する位置と規制が解除された位置とに切り替えられるようにし、且つ、ロック機構は、カードAが誤った方向で挿入された際に回動駒10が移動を規制する位置側に回動するのを防止する誤挿入防止手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカードやSIMカード等のカードを基板に接続するためのカードコネクタであって、カードの誤挿入を防止することができるカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のカードコネクタにおいては、ICカードやSIMカード等のカード端部の一方の側縁に傾斜辺により切欠いた形状の挿入方向確認用切欠等を設け、その位置を視認することによりコネクタハウジングに対する挿入方向を確認するようになっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−309967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の如き従来の技術では、視認によりカードの挿入方向を確認するのみで機械的に誤挿入を検知することができず、且つ誤った向きでもカードを挿入することができてしまうという問題があり、使用者は、視覚に頼らなければカードをハウジングに挿入することができず使い勝手が悪いという問題があった。
【0005】
また、カードをハウジング内に誤った向きで挿入し、ハウジング内に保持されることにより破損や誤作動等の支障が生ずる虞があるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、SIMカード等のカードが誤った向きで挿入されるのを防止することができるカードコネクタの提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、カードと共にハウジング内を出入り方向に移動可能なスライダーと、該スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネと、前記カードを挿入した際に所定の押し込み位置で前記スライダーの移動を規制するロック機構とを備えてなるカードコネクタにおいて、前記ロック機構は、前記ハウジングに回動可能に支持された回動駒と、一端が該回動駒に支持されたロックピンとを備え、該ロックピンは、他端に前記スライダーと互いに係合することにより前記スライダーの移動が規制されるようにする規制部を有し、前記回動駒の回動に連動して前記規制部が前記スライダーの移動を規制する位置と規制が解除された位置とに切り替えられるようにし、且つ、前記ロック機構は、前記カードが誤った方向で挿入された際に前記回動駒が前記移動を規制する位置側に回動するのを防止する誤挿入防止手段を備えたことにある。
【0008】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記誤挿入防止手段は、前記回動駒のカード側縁部に操作用凸部を備え、該操作用凸部が前記カードの側縁部に形成された挿入方向確認用切欠部と互いに係合したときにのみ前記移動を規制する位置側に前記回動駒が回動できるようにしたことにある。
【0009】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れかの請求項の構成に加え、前記ロック機構は、前記スライダーにハートカム式のループ状をしたピンガイド溝を有し、該ピンガイド溝に前記規制部が摺動可能に挿入され、初めのカード押し込み動作により前記規制部がハートカムと係合する位置に移動し、再度の押し込み動作により前記ハートカムとの係合が解除されるプッシュイン・プッシュアウト方式とし、前記ピンガイド溝は、ハートカムの両側部に配置された往路部及び復路部を備えて構成され、前記往路部には、前記規制部がハートカムと係合する位置側と往路部側とに二分する配置に形成された段部を有し、前記カードが誤った方向で挿入された際には前記回動駒が前記規制部を往路部側に付勢する方向に回動するようにしたことにある。
【0010】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3の何れか1の請求項の構成に加え、前記回動駒は、前記ロックピンの端部が収容される押し付け凹部を備え、該押し付け凹部の内側部に押されて前記ロックピンが移動を規制する位置側又は規制を解除する位置側に移動されるようにしたことにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るカードコネクタは、上述したように、カードと共にハウジング内を出入り方向に移動可能なスライダーと、該スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネと、前記カードを挿入した際に所定の押し込み位置で前記スライダーの移動を規制するロック機構とを備えてなるカードコネクタにおいて、前記ロック機構は、前記ハウジングに回動可能に支持された回動駒と、一端が該回動駒に回動可能に支持されたロックピンとを備え、該ロックピンは、他端に前記スライダーと互いに係合することにより前記スライダーの移動が規制されるようにする規制部を有し、前記回動駒の回動に連動して前記規制部が前記スライダーの移動を規制する位置と規制が解除された位置とに切り替えられるようにし、且つ、前記ロック機構は、前記カードが誤った方向で挿入された際に前記回動駒が前記移動を規制する位置側に回動するのを防止する誤挿入防止手段を備えたことにより、挿入方向が決められたカード、例えば、斜辺で切欠いた形状の挿入方向確認用切欠部を有するカードやその他の類似する形状(斜辺で切欠いた形状の挿入方向確認用切欠部を有しないもの等)のカードの誤挿入を機械的に検知することができ効率よくカードの誤挿入を防止することができる。
【0012】
また本発明において、前記誤挿入防止手段は、前記回動駒のカード側縁部に操作用凸部を備え、該操作用凸部が前記カードの側縁部に形成された挿入方向確認用切欠部と互いに係合したときにのみ前記移動を規制する位置側に前記回動駒が回動できるようにしたことにより、的確に誤挿入を検知することができる。
【0013】
更に本発明において、前記ロック機構は、前記スライダーにハートカム式のループ状をしたピンガイド溝を有し、該ピンガイド溝に前記規制部が摺動可能に挿入され、初めのカード押し込み動作により前記規制部がハートカムと係合する位置に移動し、再度の押し込み動作により前記ハートカムとの係合が解除されるプッシュイン・プッシュアウト方式とし、前記ピンガイド溝は、ハートカムの両側部に配置された往路部及び復路部を備えて構成され、前記往路部には、前記規制部がハートカムと係合する位置側と往路部側とに二分する配置に形成された段部を有し、前記カードが誤った方向で挿入された際には前記回動駒が前記規制部を往路部側に付勢する方向に回動するようにしたことにより、プッシュイン・プッシュアウト方式においても誤挿入を防止することができる。
【0014】
更に本発明において、前記回動駒には、前記ロックピンの端部が収容される押し付け凹部を備え、該押し付け凹部の内側部に押されて前記ロックピンが移動を規制する位置側又は規制を解除する位置側に移動されるようにしたことにより、的確に切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るカードコネクタの一例を示す分解斜視図である。
【図2】(a)は図1中のカードを示す平面図、(b)は同底面図である。
【図3】図1に示すコネクタのロック機構部分であってスライダーの移動を規制する位置側に切り替えられた状態を示す平面図である。
【図4】同上のコネクタのロック機構部分であって規制が解除された位置側に切り替えられた状態を示す平面図である。
【図5】図3中のA−A線断面図である。
【図6】同上のB−B線断面図である。
【図7】同上のピンガイド溝部を示す平面図である。
【図8】同上のコネクタのロック機構部分の他の実施例を示す平面図である。
【図9】(a)〜(c)は正しい方向でカードが差し込まれる際の一連の動作を示す部分断面平面図である。
【図10】(a)〜(c)はカードが誤って挿入された際の状態を示す部分断面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係るカードコネクタの実施の態様を、図面に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号AはSIMカード等のカードである。
【0017】
このカードコネクタは、カードAをハウジング1に挿入することにより、カードAの片面に配置された端子部2,2...がハウジング1内に支持されたコンタクト3,3...と弾性的に接触し、コンタクト3を介してカードAをハウジング1が設置された基板に電気的に接続させるようになっている。
【0018】
カードAは、図2に示すように、端部の一方の側縁に斜辺4aにより切り欠いた形状の挿入方向確認用切欠部4が形成されており、この挿入方向確認用切欠部4のハウジング1に対する位置により挿入方向の正誤が確認できるようになっている。
【0019】
ハウジング1は、絶縁樹脂製のモールドケース5と、シールドケース6とを組み合わせて構成され、前面に開口したカード挿入部7を有している。
【0020】
このカード挿入部7の側部には、カードAの出入り方向に移動可能なスライダー8と、モールドケース5に反力をとってスライダー8を押し出し方向に付勢する復帰バネ9とを備え、カードAと共にスライダー8が出入り方向に移動するようになっている。
【0021】
スライダー8は、矩形状に形成され、そのカード挿入部側端部側縁にカードAの前縁部が当接される受け用凸部8aが突設されている。
【0022】
また、このハウジング1の側部には、所定の押し込み位置でスライダー8の移動を規制するロック機構を備えている。
【0023】
ロック機構には、所謂プッシュイン・プッシュアウト方式のものを使用し、初めのカードA挿入動作時に所定の押し込み位置で停止させ、再度の押し込み動作により停止状態が解除されてカードAが押し出されるようになっている。
【0024】
また、このロック機構は、ハウジング1に回動可能に支持された回動駒10と、回動駒10と連動するロックピン11とを備え、回動駒10の回動に連動してロックピン11がスライダー8に対してその移動を規制する位置と規制を解除した位置とに切り替えられるようになっており、且つロック機構は、カードAが誤った方向で挿入された際には回動駒10が移動を規制する位置側に回動するのを防止する誤挿入防止手段を備えている。
【0025】
ロックピン11は、図5に示すように、一端に下向きに折り曲げた形状の駒側枢軸部12を備え、この枢軸部12が回動駒10の枢支穴13に挿入され、ロックピン11の回動中心軸を構成している。また、ロックピン11の他端部には、下向きに折り曲げた形状の規制部14が形成されており、この規制部14が後述するスライダー8に形成されたピンガイド溝15内に挿入されている。
【0026】
また、ロックピン11は、シールドケース6に打ち抜きにより形成された押し下げバネ6aによってピンガイド溝15の底部側に付勢され、規制部14がピンガイド溝15の底部より浮き上がらないようにしている。
【0027】
ピンガイド溝15は、図7に示すように、スライダー8の表面にハートカム式のループ状に形成され、ハートカム16の両側部に配置された往路部15A及び復路部15Bと、ハートカム16のくぼみ側に配置されたロック部15Cとにより構成されている。尚、図中符号15Dは、往路部15Aと復路部15Bとが合流する往復共通部である。
【0028】
このピンガイド溝15にロックピン11の先端の規制部14が挿入されて、往路部15A、ロック部15C及び復路部15Bに沿って順次循環するようになっており、規制部14が循環中逆戻りしないように、往路部15A、ロック部15C及び復路部15Bの底部は、移動方向の終端側が高くなるように傾斜して形成され、各部の繋ぎ目部分に移動方向規制用の段部17,18,19,20が形成されている。
【0029】
段部17は、往路部15Aの終端部に配置され、終端部をカードA側とロック部側15Aaとに二分する配置に形成されている。
【0030】
規制部14が往路部15AのカードA側を移動する際には、段部17から落ち込むことなく底部上を移動でき、往路部15Aのハートカム側を移動する際には、底部より低い往路ロック部側15Aaに落ち込むようになっている。
【0031】
段部18は、往路ロック部側15Aaに落ち込んだ規制部14が、往路部15A側には戻らずにロック部15Cのハートカム16の窪み部である戻り止め停止位置dに移動するように設けられている。
【0032】
段部19は、戻り止め停止位置dから復路部15Bに進むロックピン11の規制部14が戻り止め停止位置dに戻らないように設けられている。
【0033】
段部20は、ハートカム16の先端部で復路部15Bの末端から往復共通部15Dに移動したロックピン11の規制部14が復路部15Bに戻らないように設けられている。
【0034】
ロックピン11の規制部14は、押し出し状態、即ちカードAが引き出し方向に移動されている状態では、押し出し停止位置aにあり、カードA押し込み動作の際、回動駒10に連動してロックピン11がスライダー8に対して規制を解除した位置に切り替えられて往路部15AのカードA側を移動し、切り替えがなされない限り、往路終端位置bまで往路15Aのカード側を移動し、押し込み操作力を解除すると復帰バネ9により押し出し停止位置a側に戻るようになっている。一方、往路部15Aの末端位置において、回動駒10に連動してロックピン11がスライダー8に対してその移動を規制する位置に切り替えられた場合は、ロック部側15Aaに落ち込み動作末端停止位置cに移動し、その位置で押し込み操作力を解除することにより戻り止め停止位置dに移動する。
【0035】
戻り止め停止位置dに規制部14が位置することにより、ハートカム16を介して規制部14がスライダー8と互いに係合され、それによりロックピン11が突っかえ棒の役割を担い、スライダー8の移動を規制するようになっている。
【0036】
一方、係止解除のために再度のカードA押し込み動作、即ちプッシュアウト動作によって動作末端停止位置eに移動し、その位置で押し込み操作力を解除することにより復路部15B及び往路復路共通部15Dを通って押し出し停止位置aに復帰するようになっている。
【0037】
回動駒10は、矩形状に形成され、支持軸10aがモールドケース5に形成された枢支穴5aに挿入されてハウジング1に回動可能に支持されている。
【0038】
また、回動駒10には、その出入方向手前側のカードA側部に誤挿入防止手段を構成する操作用凸部21が突設されている。
【0039】
操作用凸部21は、三角形状に形成され、開口側の斜辺はカード側面と鋭角を成す形状とし、奥側の斜辺はカードの挿入方向確認用切欠部4と互いに係合するような形状に形成されている。
【0040】
更に、出入方向奥側のカードA側部には、カードA挿入時に規制が解除された位置側(反時計回り)に回動できるようにするための傾斜した逃げ部22が形成されている。
【0041】
尚、図中符号23は押し出しバネであり、操作用凸部21がカードA側に突出する向きに回動駒10を付勢するようになっている。この押し出しバネ23は、シールドケース6の側部に切り出し加工により形成されている。
【0042】
また、回動駒10には、スライダー側に開口してロックピン11の端部が収容される押し付け凹部24が形成されている。
【0043】
この押し付け凹部24は、枢支穴部を要としてスライダー8側に広がる扇型状に形成され、回動駒10の回動に伴い凹部24の内側面に押されてロックピン11を移動を規制する位置側又は規制を解除する位置側に移動させるようになっている。
【0044】
尚、押し付け凹部24の形状は、上記扇型状、図8に示すU字型状の他、四角形状等であって回動駒10の回動に伴い凹部24の内側部(内側面又は開口側角部等)に押されてロックピン11を、移動を規制する位置側又は規制を解除する位置側に移動させることができる形状であればよい。また、押し付け凹部24の形状は、凹部内でロックピン11が回動駒10に対し回動できるようにしてもよく、両内側面でロックピン11の端部を挟み込み回動駒10に対しロックピン11の回動を規制するようにしてもよい。
【0045】
この回動駒10は、カードAが挿入された際に、操作用凸部21がカードの側面に接触し、カードA側面に押されて回動軸12を中心に反時計回りに回動し、押し付け凹部24の内側面24aに押されてロックピン11を規制が解除されている位置、即ちガイド溝往路部15AのカードA側に付勢し、挿入方向確認用切欠部4と操作用凸部21が互いに係合することにより移動を規制する位置側(時計回り)に回動し、押し付け凹部24の内側面24bに押されてロックピン11が移動を規制する位置、即ちロック部側に付勢される。
【0046】
このように構成されたカードコネクタでは、カードAが正しい方向で挿入された際には、まず、図9(a)〜(b)に示すように、操作用凸部21がカードAの側縁に押されて回動駒10を規制が解除された位置側、即ち反時計回りに回動させ、それに伴い押し付け凹部24の内側面24aに押されてロックピン11を往路部15AのカードA側に付勢する。そして、所定の押し込み位置に到達すると、図9(c)に示すように、その位置で操作用凸部21が挿入方向確認用切欠部4と互いに係合することができ、回動駒10が移動を規制する位置側、即ち時計回りに回動し、それに伴い押し付け凹部24内側面24bに押されてロックピン11をロック部側に付勢し、ロックピン11の規制部14が往路ロック部側に落ち込み動作末端停止位置cを経て戻り止め停止位置dに移動する。
【0047】
一方、図10(a)〜(c)に示すように、カードAが誤った方向に挿入された際には、操作用凸部21がカードAの側縁に押されて回動駒10を規制が解除された位置側、即ち反時計回りに回動させ、それに伴い押し付け凹部24の内側面24aに押されてロックピン11を往路部15Aカード側に付勢する。
【0048】
しかし、誤った方向で挿入された場合には、誤挿入防止手段を構成する操作用凸部21が挿入方向確認用切欠部4と係合することができず、ロックピン11を往路部15AのカードA側に付勢したままの状態とし、回動駒10が移動を規制する位置側に回動するのを防止する。それによって、ロックピン11の規制部14は、往路部ロック部側15Aaに落ち込むことができず、押し込み停止位置dに移動することもできないので、スライダー8は、ロックピン11によりロックされることなく、カードAに対する押し込み操作力を解除するとスライダー8が復帰バネ9により押し出し方向に移動され、それに伴いカードAも排出されてカードAの誤挿入を防止することができる。
【0049】
尚、上述の実施例では、ロック機構にハートカム式のプットイン・プットアウト機構を用いた例について説明したが、その他、規制部の位置を切り替えることにより所定の押し込み位置においてスライダーの移動を規制することができる機構であればよい。
【0050】
また、上述の実施例では、カードの移動方向確認用切欠き部を斜辺により切欠いた形状のものについて説明したが、その他、カードの側縁に凹みを設けた形状であってもよい。
【0051】
更に、誤挿入防止手段は、上述の回動駒に備えた操作用凸部をもって構成したものの他、カードの側縁に凸部を設け、該凸部と接触したときのみ回動駒の回動を操作するようにしたもの等、カードが誤って挿入された際に回動駒が移動を規制する位置側に回動するのを防止することができるものであればよい。
【符号の説明】
【0052】
A カード
1 ハウジング
2 端子部
3 コンタクト
4 挿入方向確認用切欠部
5 モールドケース
6 シールドケース
7 カード挿入部
8 スライダー
9 復帰バネ
10 回動駒
11 ロックピン
12 枢軸部
13 枢支穴
14 規制部
15 ピンガイド溝
15A 往路部
15Aa 往路ロック部側部
15B 復路部
15C ロック部
15D 往路復路共通部
16 ハートカム
17〜20 段部
21 操作用凸部
22 逃げ部
23 押し出しバネ
24 押し付け凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードと共にハウジング内を出入り方向に移動可能なスライダーと、該スライダーを押し出し方向に付勢する復帰バネと、前記カードを挿入した際に所定の押し込み位置で前記スライダーの移動を規制するロック機構とを備えてなるカードコネクタにおいて、
前記ロック機構は、前記ハウジングに回動可能に支持された回動駒と、一端が該回動駒に支持されたロックピンとを備え、該ロックピンは、他端に前記スライダーと互いに係合することにより前記スライダーの移動が規制されるようにする規制部を有し、前記回動駒の回動に連動して前記規制部が前記スライダーの移動を規制する位置と規制が解除された位置とに切り替えられるようにし、
且つ、前記ロック機構は、前記カードが誤った方向で挿入された際に前記回動駒が前記移動を規制する位置側に回動するのを防止する誤挿入防止手段を備えたことを特徴としてなるカードコネクタ。
【請求項2】
前記誤挿入防止手段は、前記回動駒のカード側縁部に操作用凸部を備え、該操作用凸部が前記カードの側縁部に形成された挿入方向確認用切欠部と互いに係合したときにのみ前記移動を規制する位置側に前記回動駒が回動できるようにした請求項1に記載のカードコネクタ。
【請求項3】
前記ロック機構は、前記スライダーにハートカム式のループ状をしたピンガイド溝を有し、該ピンガイド溝に前記規制部が摺動可能に挿入され、初めのカード押し込み動作により前記規制部がハートカムと係合する位置に移動し、再度の押し込み動作により前記ハートカムとの係合が解除されるプッシュイン・プッシュアウト方式とし、
前記ピンガイド溝は、ハートカムの両側部に配置された往路部及び復路部を備えて構成され、前記往路部には、前記規制部がハートカムと係合する位置側と往路部側とに二分する配置に形成された段部を有し、前記カードが誤った方向で挿入された際には前記回動駒が前記規制部を往路部側に付勢する方向に回動するようにした請求項1又は2に記載のカードコネクタ。
【請求項4】
前記回動駒には、前記ロックピンの端部が収容される押し付け凹部を備え、該押し付け凹部の内側部に押されて前記ロックピンが移動を規制する位置側又は規制を解除する位置側に移動されるようにした請求項1、2又は3に記載のカードコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−119066(P2012−119066A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264846(P2010−264846)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】