説明

カード用コネクタ

【課題】カードを排出する際には、プッシュ動作を複数回行うとカードが排出されるとともに、初回のプッシュ動作における往きの行程においてカードの排出が開始されたことを検出するカード排出動作検出スイッチを有することによって、構造が簡素でコストを低くすることができ、小型化することができ、十分に長いディレイタイムを確保して、カードを排出する動作を適切に検出することができるようにする。
【解決手段】カード案内機構は、プッシュ動作が複数回行われるとカードを排出し、カード排出動作検出スイッチは、カードを挿入方向に押込む初回のプッシュ動作によってカードが挿入方向に移動して終端点まで到達するまでの間に、カードの排出が開始されたことを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等の電子機器においては、SIM(Subscriber Identity Module)カード、MMC(R)(Multi Media Card)、SD(R)(Secure Digital)カード、ミニSD(R)カード、メモリスティック(R)、スマートメディア(R)等の各種メモリカードを利用するために、カード用コネクタを備えている。
【0003】
この場合、前記電子機器に装填(てん)されたメモリカードを引抜く動作を早い段階で検出するためのディレイスイッチを使用することが考えられる。例えば、電子機器の演算手段がメモリカードにアクセスしながら処理を実行している最中にメモリカードを引抜かれると、演算手段とメモリカードとを接続するデータバスがデータの転送中に切断されてしまうので、データが破壊されたり、演算手段が動作を停止したまま復帰しなくなったりしてしまうことがある。前記ディレイスイッチは、メモリカードを引抜く動作を早い段階で検出することによって、カード用コネクタの端子とメモリカードのコンタクトパッドとの接触が切断されるまでに、演算手段とメモリカードとを接続するデータバスを安全に切断するための時間を稼ぐスイッチである。
【0004】
しかし、比較的小型のメモリカードを利用するための、いわゆる、プッシュインプッシュアウトタイプ、又は、プッシュ/プッシュタイプと称されるカード用コネクタにおいては、小型であるためにメモリカードの移動距離が短くなり、メモリカードを排出するためにプッシュを行ってからカード用コネクタの端子とメモリカードのコンタクトパッドとの接触が切断されるまでの遅れ時間、すなわち、ディレイタイムを十分に長く取ることは困難である。
【0005】
もっとも、プッシュ/プッシュタイプのカード用コネクタにおいて、メモリカードの移動時間を長くするための技術は既に提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
図16は従来のカード用コネクタのハートカム機構を示す図である。
【0007】
図において、314はハートカム部材であり、コイルスプリング315によって一方向に付勢された状態で、図示されないカード用コネクタのハウジングにスライド可能に取付けられている。そして、ピン部材317の一端がハウジングの支持部304に枢着され、ピン部材317の自由端305がハートカム部材314の上面に形成されたカム溝318に係合している。また、該カム溝318は、ジグザク状に形成された第1ガイド部307及び第2ガイド部308を含んでいる。
【0008】
そして、メモリカードがハウジングに挿入されると、ハートカム部材314は、ユーザの手指によってプッシュされるメモリカードによってハウジングの奥方に押込まれ、矢印で示される方向に移動する。このとき、ピン部材317の自由端305がジグザク状に形成された第1ガイド部307を通過するので、ユーザが誤って手指を放しても、第1ガイド部307によってピン部材317にブレーキが作用し、ハートカム部材314が急速に元に戻ることがない。
【0009】
また、メモリカードをハウジングから取出す際に、ユーザの手指によってメモリカードがプッシュされると、ピン部材317の自由端305がカム溝318によって係止された状態が解除される。これにより、ハートカム部材314は開放され、メモリカードとともに、矢印で示される方向に移動する。このとき、ピン部材317の自由端305がジグザク状に形成された第2ガイド部308を通過するので、ピン部材317にブレーキが作用し、ハートカム部材314の速度が低下する。そのため、メモリカードがカード用コネクタのハウジングから飛出してしまうことがない。
【特許文献1】特開2005−302423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記従来のカード用コネクタは、ディレイスイッチを使用することを考慮していないので、メモリカードをハウジングから取出す際の時間を十分に長く取ることができなかった。前記特許文献1に記載されているようなハートカム機構では、ピン部材317の自由端305がジグザク状に形成された第2ガイド部308を通過することによってハートカム部材314の速度が低下するようになっているが、ジグザクの折曲がり方が急であると、自由端305が第2ガイド部308を通過することができず、停止してしまう。そのため、実際には、ジグザクの折曲がり方を緩くして第2ガイド部308を滑らかにせざるを得ず、ハートカム部材314の速度を大きく低下させてメモリカードをハウジングから取出す際の時間を十分に長く取ることは不可能である。
【0011】
本発明は、前記従来のカード用コネクタの問題点を解決して、カードを排出する際には、プッシュ動作を複数回行うとカードが排出されるとともに、初回のプッシュ動作における往きの行程においてカードの排出が開始されたことを検出するカード排出動作検出スイッチを有することによって、構造が簡素でコストを低くすることができ、小型化することができ、十分に長いディレイタイムを確保して、カードを排出する動作を適切に検出することができるカード用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのために、本発明のカード用コネクタにおいては、端子部材を備えるカードを収容するハウジングと、該ハウジングに取付けられ、前記カードの端子部材と接触する接続端子と、前記ハウジングからカードが排出されることを検出するカード排出動作検出スイッチと、前記カードを挿入方向と反対の方向に付勢する付勢部材を備え、前記カードをロック位置で保持してカードの端子部材が接続端子と接触している状態を維持し、前記ロック位置で保持されているカードを挿入方向に押込むプッシュ動作によってカードが挿入方向に移動して終端点まで到達すると、前記付勢部材の付勢力によって、前記カードを終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて排出するカード案内機構とを有するカード用コネクタであって、前記カード案内機構は、前記プッシュ動作が複数回行われると前記カードを排出し、前記カード排出動作検出スイッチは、前記カードを挿入方向に押込む初回のプッシュ動作によってカードが挿入方向に移動して終端点まで到達するまでの間に、前記カードの排出が開始されたことを検出する。
【0013】
本発明の他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記カード案内機構は、表面にカム溝が形成された移動カム部材、及び、前記カム溝内に一端が係合する固定カム部材を備え、前記カム溝は、前記ロック位置に対応する部位と前記終端点に対応する部位とが交互に配設された形状を備える。
【0014】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記プッシュ動作は2回であり、前記カード案内機構は、前記カードを第1のロック位置で保持してカードの端子部材が接続端子と接触している状態を維持し、前記第1のロック位置で保持されているカードを挿入方向に押込むプッシュ動作によってカードが挿入方向に移動して第1の終端点まで到達すると、前記付勢部材の付勢力によって、前記カードを第1の終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて第2のロック位置で保持し、該第2のロック位置で保持されているカードを挿入方向に押込むプッシュ動作によってカードが挿入方向に移動して第2の終端点まで到達すると、前記付勢部材の付勢力によって、前記カードを第2の終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて排出する。
【0015】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記第2のロック位置は、前記第1のロック位置よりも前記カードの排出方向に関して前寄りの位置である。
【0016】
本発明の更に他のカード用コネクタにおいては、さらに、前記カードの端子部材と接続端子とが接触していることを検出するカード検出スイッチを更に有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カード用コネクタは、カードを排出する際には、プッシュ動作を複数回行うとカードが排出されるとともに、初回のプッシュ動作における往きの行程においてカードの排出が開始されたことを検出するカード排出動作検出スイッチを有する。これにより、構造が簡素でコストを低くすることができ、小型化することができ、十分に長いディレイタイムを確保して、カードを排出する動作を適切に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルを取除いた状態を示す斜視図、図2は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタを示す斜視図、図3は本発明の実施の形態におけるカードの下面を示す図、図4は本発明の実施の形態における第1接点部材を示す斜視図、図5は本発明の実施の形態における共通接点部材を示す斜視図、図6は本発明の実施の形態における第2接点部材を示す斜視図である。
【0020】
図において、10は本実施の形態におけるカード用コネクタであり、図示されない電子機器に取付けられる。そして、前記カード用コネクタ10の内部にはカード31が挿入され、前記カード用コネクタ10を介して、前記電子機器にカード31が装着される。なお、前記電子機器は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤ、ゲーム機、車両用ナビゲーション装置等であるが、いかなる種類の機器であってもよい。
【0021】
また、カード31は、例えば、SIMカード、MMC(R)、SD(R)カード、ミニSD(R)カード、メモリスティック(R)、スマートメディア(R)、T−Flash(Trans−Flash)メモリカード、マイクロSD(R)カード等のICカードであり、いかなる種類のカードであってもよいが、本実施の形態においては、図3に示されるような形状を有するマイクロSD(R)カードであるものとして説明する。また、本実施の形態において、カード用コネクタ10の各部の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、カード用コネクタ10又はその部品が図に示される姿勢である場合に適切であるが、カード用コネクタ10又はその部品の姿勢が変化した場合には、姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0022】
ここで、前記カード用コネクタ10は、図2に示されるように、合成樹脂等の絶縁性材料によって一体的に成形されたカード31を収容するハウジング11と、金属等の導電性材料から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって成形され、ハウジング11の上側に取付けられたシェル12とを有する。前記カード用コネクタ10は、概略、扁(へん)平な直方体形状を備え、前記電子機器に取付けられ、前方(図2における左下方)からカード31が挿入される。
【0023】
また、図1は、説明のためにシェル12を除去した状態のカード用コネクタ10を示す図である。図1に示されるように、ハウジング11は、カード31の挿入方向に関して手前側となる前縁側(図1における左下側)が略U字状又は略コ字状に切取られた形状を備える底壁部11a、及び、該底壁部11aの奥部において奥側の縁に沿って延在し、底壁部11aから立設する奥壁部11bを有する。ここで、底壁部11aの上面には、前後方向に延在するように形成された端子装填溝11eが複数形成され、各端子装填溝11eに接続端子としての端子13が挿入されて取付けられている。そして、該端子13は、その根本部が前記端子装填溝11e内における底壁部11aの手前側の縁に近い部分に取付けられ、その先端部が奥壁部11bに向けて斜め上方に延在して底壁部11aの上面より上方に突出している。前記端子13の先端部13bは、接触部として機能し、カード31の下面に配設された端子部材としてのコンタクトパッド34に接触して電気的に接続される。また、前記端子13の根本部から延在するソルダーテール部13aは、底壁部11aの手前側の縁から前方に向けて突出し、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材に、はんだ付等によって電気的に接続される。
【0024】
そして、ハウジング11は、底壁部11aの一方の側縁に沿って前後方向に延在する断面L字状の側壁部としての第1側壁部11c、及び、底壁部11aの他方の側縁に沿って前後方向に延在する側壁部としての第2側壁部11dを有する。該第2側壁部11dには、カード用コネクタ10内に挿入されたカード31を案内するためのカード案内機構のスライド部材14が前後方向にスライド可能に取付けられている。
【0025】
ここで、スライド部材14は、カード31を保持するためのカード保持部14aと、移動カム部材としてのスライドカム部14bとから成る。なお、前記カード保持部14aとスライドカム部14bとは一体的に形成されている。そして、前記カード保持部14aは、その内側の側面から突出するように形成された第1係合部14c及び第2係合部14dを備える。第1係合部14c及び第2係合部14dは、カード31の側面に形成された係合部としての係合凸部32及び係合凹部33と係合する。そして、スライド部材14は、カード保持部14aの第1係合部14c及び第2係合部14dによってカード31を保持し、該カード31とともに前後方向に移動する。
【0026】
また、カード保持部14aの外側の側面には、コイルスプリングから成る付勢部材15の付勢力を受ける付勢力受部14eが突出するように形成されている。該付勢力受部14eには、付勢部材15を係止する係止突起14fが形成され、付勢部材15の一端が取付けられている。また、該付勢部材15の他端は、奥壁部11bの係止部11fに取付けられている。なお、該係止部11fも付勢部材15を係止する係止突起を備える。これにより、前記スライド部材14は、付勢部材15によって、カード31の挿入方向と反対の方向、すなわち、カード31の排出方向に付勢される。なお、図1においては、付勢部材15の一部の図示が省略されている。
【0027】
そして、前記カード用コネクタ10は、カード用コネクタ10内にカード31を挿入する際にも、カード用コネクタ10内からカード31を取出す際にも、カード31を押込む動作を必要とする、いわゆる、プッシュインプッシュアウトタイプ、又は、プッシュ/プッシュタイプと通称されるものである。このような動作は、押しボタンスイッチの分野におけるオルタネイト動作(位置保持型、プッシュオン・プッシュオフ型)と同様のものである。そして、前記スライドカム部14bは、プッシュ/プッシュタイプの動作を行うためのカム機構におけるスライドカムとして機能する。なお、本実施の形態におけるカム機構は、後述されるように、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作として、複数回のプッシュ動作が行われる点で、従来のカード用コネクタ等において、オルタネイト動作の動作機構として使用されるハート状カム方式の機構と相違する。
【0028】
そのため、スライドカム部14bの上面には、カム溝18が形成され、該カム溝18には固定カム部材としての細長いピン部材17の自由端が係合している。また、該ピン部材17の他端は、固定端として、ハウジング11の第2側壁部11dの前端に形成されたストッパ部11gの上面に係合し、ピボット結合されている。そして、前記ピン部材17とカム溝18とが協働することによって、カード31とともに移動するスライド部材14にプッシュ/プッシュの動作を行わせるようになっている。これにより、前記カード案内機構は、カード31を挿入方向に押込むプッシュ動作によってカード31が挿入方向に移動して終端点まで到達すると、前記付勢部材15の付勢力によって、前記カード31を終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて排出することができる。なお、図1においては、ピン部材17の一部の図示が省略されている。
【0029】
前記ピン部材17は、図2に示されるようなシェル12の板ばね12aによって上から下方向に付勢されることによって保持されている。前記板ばね12aは、シェル12の一部をハウジング11の底壁部11aの方向に押圧可能に折曲げ加工することによって形成されており、ピン部材17は、前記板ばね12aとスライド部材14又はハウジング11との間に位置し、スライド部材14又はハウジング11から離脱しないように保持されている。
【0030】
また、前記ハウジング11の奥部、具体的には奥壁部11bに、ハウジング11からカード31が排出されることを検出するカード排出動作検出スイッチとしてのディレイスイッチを形成する第1接点部材21及び共通接点部材22が取付けられている。前記ディレイスイッチは、カード31が移動することによって作動し、第1接点部材21と共通接点部材22とが相互に接離することによって、導通、すなわち、ON及び非導通、すなわち、OFFの状態となる。ここで、前記ディレイスイッチは、カード案内機構にカード用コネクタ10内に挿入されたカード31を押出して排出させる動作を行わせるためのプッシュ動作を検出するスイッチである。
【0031】
本実施の形態においては、カード31を押出して排出させるためにプッシュ動作を複数回行うとカード31が排出されるようになっている。前記プッシュ動作は、複数回であれば、3回以上であってもよく、何回であってもよいが、ここでは、2回である場合、すなわち、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作として、第1のプッシュ動作及び第2のプッシュ動作が行われる場合について説明する。
【0032】
そして、第1のプッシュ動作において、カード案内機構のスライド部材14は、利用者の手指等によってカード31に付与される力を受けることにより、カード31とともに移動し、カード用コネクタ10内でカード31をロックした状態で保持する第1のロック位置から奥壁部11bに向けて移動させられ、最も前進した位置である第1の終端点に到達してフルストローク状態となる。続いて、利用者によってカード31に付与される力が解除されると、スライド部材14及びカード31は、付勢部材15の反発力を受けて奥壁部11bから離脱する向きに移動させられ、第2のロック位置で停止する。すなわち、第1のロック位置から第1の終端点までの往きの行程に続いて、第1の終端点からの第2のロック位置までの復りの工程が行われる。
【0033】
次に、第2のプッシュ動作において、カード案内機構のスライド部材14は、再び、利用者の手指等によってカード31に付与される力を受けることにより、カード31とともに移動し、第2のロック位置から奥壁部11bに向けて移動させられ、第2の終端点に到達してフルストローク状態となる。続いて、利用者によってカード31に付与される力が解除されると、スライド部材14及びカード31は、付勢部材15の反発力を受けて奥壁部11bから離脱する向きに移動させられ、第2のロック位置を通過し、カード31の挿入方向と反対の方向に向けて更に移動する。すなわち、第2のロック位置から第2の終端点までの往きの行程に続いて、第2の終端点からカード31が排出される方向への復りの工程が行われる。
【0034】
この場合、前記ディレイスイッチは、第1のプッシュ動作においてスライド部材14及びカード31が第1のロック位置から第1の終端点まで移動する往きの行程の途中で非導通状態から導通状態に変化し、これにより、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作が開始されたことを検出する。一方、カード31のコンタクトパッド34が端子13の先端部と実際に非接触となるのは、第2の終端点からの復りの行程においてスライド部材14が第2のロック位置を通過した以後である。すなわち、第1のプッシュ動作における往きの行程の途中でスライド部材14及びカード31がディレイスイッチが導通状態に変化する地点から、第2のプッシュ動作における復りの行程の途中でスライド部材14及びカード31が第2の終端点から第2のロック位置に到達するまでの時間を、ディレイタイムに含めることができる。これにより、遅れ時間、すなわち、ディレイタイムを十分に長くすることができる。なお、ディレイタイムとは、ディレイスイッチがカード31を押出して排出させるためのプッシュ動作が開始されたことを検出してから、カード31のコンタクトパッド34が端子13の先端部と非接触となるまでの時間を言う。
【0035】
そして、前記第1接点部材21は、奥壁部11bに取付けられた取付部21a、及び、該取付部21aから横方(図1における右方)に向けて延在する細長い板状のカンチレバーのような形状である本体部21bを有する。なお、前記第1接点部材21は、金属等のばね性を備えた導電性材料から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって成形された部材であり、前記取付部21aは本体部21bに対して所定の角度を形成するように曲げられている。本実施の形態においては、取付部21aと本体部21bとの間の角度が鋭角となり、第1接点部材21は概略V字状の形状を有する。そして、第1接点部材21の取付部21aは奥壁部11bの側面とほぼ平行となり、本体部21bは、カード31がカード用コネクタ10に挿入されていない状態においては、奥壁部11bの側面に対して傾斜し、カード31の挿入方向に関して手前側に向けて突出するように配設されている。
【0036】
さらに、前記取付部21aは、その下端にソルダーテール部21dを備える。該ソルダーテール部21dは、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材にはんだ付されて電気的に接続される。一方、本体部21bの先端には、第1当接部21cが接続されている。該第1当接部21cは、本体部21bに対して曲げられ、本体部21bの先端の下端縁から前方に向けて突出する。そして、第1当接部21cの下方に向けて膨出する部分の下側の面が、共通接点部材22に当接する当接面として機能する。なお、第1当接部21cは、図1に示されるように、底壁部11aの上面より下方に位置し、カード31の下面に接触しないようになっている。
【0037】
また、前記共通接点部材22は、奥壁部11bに取付けられた取付部22a、及び、該取付部22aに対してほぼ直角になるように曲げられた本体部22bを有する。なお、前記共通接点部材22は、金属等のばね性を備えた導電性材料から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって成形された部材である。そして、前記本体部22bは、底壁部11aの上面とほぼ平行であり、横方に向けて延在する細長い板状のカンチレバーのような形状である第1枝部22c及び第2枝部22dを備える。
【0038】
さらに、前記取付部22aは、その下端にソルダーテール部22gを備える。該ソルダーテール部22gは、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材にはんだ付されて電気的に接続される。また、前記第1枝部22c及び第2枝部22dは、底壁部11aの上面より下方に位置しているので、第1接点部材21の本体部21bより下方に位置する。
【0039】
そして、第1枝部22cの先端には、共通接点第1当接部22eが接続されている。該共通接点第1当接部22eは、第1枝部22cの先端から前方に向けて突出し、その上側の面が、第1接点部材21の第1当接部21cの下方に向けて膨出する部分の下側の面に当接する当接面として機能する。
【0040】
一方、第2枝部22dの先端には、共通接点第2当接部22fが接続されている。該共通接点第2当接部22fは、第2枝部22dの先端から前方に向けて突出し、その上側の面が、第2接点部材23に当接する当接面として機能する。
【0041】
ここで、前記共通接点部材22は、第2接点部材23とともに、カード31の端子部材としてのコンタクトパッド34と端子13とが接触していることを検出して、カード31がカード用コネクタ10に装填されていることを検出するカード検出スイッチを形成する。該カード検出スイッチは、カード31が移動することによって作動し、第2接点部材23と共通接点部材22とが相互に接離することによって、導通、すなわち、ON及び非導通、すなわち、OFFの状態となる。なお、本実施の形態において、カード検出スイッチは、カード31がカード用コネクタ10内に挿入されていない状態ではOFFであり、カード31がカード用コネクタ10内に装填されるとONになる初期OFFタイプのものであるとして説明する。
【0042】
そして、前記第2接点部材23は、第1側壁部11cに取付けられた取付部23a、及び、該取付部23aから奥方に向けて延在する細長い板状のカンチレバーのような形状である本体部23bを有する。なお、前記第2接点部材23は、金属等のばね性を備えた導電性材料から成る板材に打抜き、折曲げ等の加工を施すことによって成形された部材であり、前記取付部23aは本体部23bに対して所定の角度を形成するように曲げられている。本実施の形態においては、取付部23aと本体部23bとの間の角度が鋭角となり、第2接点部材23は概略V字状の形状を有する。そして、第2接点部材23の取付部23aは第1側壁部11cの側面とほぼ平行となり、本体部23bは、カード31がカード用コネクタ10に挿入されていない状態においては、第1側壁部11cの側面に対して傾斜し、内側に向けて突出するように配設されている。また、前記本体部23bは、底壁部11aの上面より下方に位置している。
【0043】
さらに、前記取付部23aは、その下端にソルダーテール部23fを備える。該ソルダーテール部23fは、前記電子機器における配線基板等に形成された信号線、コンタクトパッド、端子等、すなわち、相手側端子部材にはんだ付されて電気的に接続される。
【0044】
そして、本体部23bの先端には、上方突出部23eを介して第2当接部23dが接続されている。該第2当接部23dは、本体部23bに対してほぼ直角になるように曲げられ、上方突出部23eの下端縁から内方に向けて突出する。そして、第2当接部23dの下方に向けて膨出する部分の下側の面が、共通接点部材22の共通接点第2当接部22fに当接する当接面として機能する。なお、第2当接部23dは、底壁部11aの上面より下方に位置し、カード31の下面に接触しないようになっている。
【0045】
また、上方突出部23eの手前側縁には、外方に向けて斜めに突出するカード当接部23cが接続されている。該カード当接部23cは、カード31の挿入方向に関して傾斜しており、挿入されたカード31の前端から所定範囲の側面が当接することによって、外方に移動させられる。これにより、第2当接部23dも外方に移動させられ、共通接点第2当接部22fに当接する。
【0046】
次に、前記構成のカード用コネクタ10の動作について説明する。まず、プッシュ/プッシュタイプの動作を行うためのカム機構の動作について説明する。
【0047】
図7は本発明の実施の形態におけるカム機構の動作を示す図である。なお、図7(a)はカード挿入の初期の状態、図7(b)は第1の終端点に到達した状態、図7(c)は第1のロック位置に到達した状態、図7(d)は第1の終端点に再び到達した状態、図7(e)は第2のロック位置に到達した状態、図7(f)は第2の終端点に到達した状態、図7(g)はカード挿入の初期の状態に復帰した状態を示している。
【0048】
本実施の形態におけるカム機構は、プッシュ/プッシュタイプの動作を行うためのものであるが、前述のように、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作として、第1のプッシュ動作及び第2のプッシュ動作が行われる点において、通常のハート状カム方式の機構と、相違するものである。すなわち、通常のハート状カム方式の機構において、上面から観たカム溝の形状は、ハートの周囲を巡るような形状であって、スライド部材が押込まれてロックされるロック位置とその周辺に対応する部分が略V字状である。これに対し、本実施の形態におけるカム機構において、上面から観たカム溝18の形状は、図7に示されるように、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作が2回行われるために、スライド部材14が押込まれる終端点に対応する部位と、ロックされるロック位置に対応する部位とを接続する溝が、2つのV字を横に接続したような形状、すなわち、W字のような形状となっている。図7に示される例において、カム溝18のカード保持部14a側、すなわち、上端側の部分が、W字のような形状となっていることが分かる。そして、第1のロック位置に対応する第1ロック凹部18a及び第2のロック位置に対応する第2ロック凹部18bが形成され、さらに、第1の終端点に対応する第1終端凹部18c及び第2終端凹部18d並びに第2の終端点に対応する第3終端凹部18eが形成されている。
【0049】
なお、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作が3回行われるようにするためには、W字の横に更にV字を接続すればよいことが分かる。すなわち、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作が複数回である場合には、その回数に応じた数のV字を横に接続すればよいことが分かる。ただし、カム溝18の底面は、通常のハート状カム方式の機構と同様に、ピン部材17の自由端が一方向のみにカム溝18内を移動するような段差を有する。
【0050】
まず、利用者が手指等によってカード31をカード用コネクタ10の前方から挿入すると、挿入の初期の状態においては、カード31の一方の側辺に形成された係合凸部32及び係合凹部33は、カード案内機構のスライド部材14の第1係合部14c及び第2係合部14dと係合していない。そのため、スライド部材14はカード31挿入の初期の状態にあり、カム溝18内におけるピン部材17の自由端も、図7(a)に示されるように、カード31挿入の初期の状態にある。なお、図7において、黒丸はピン部材17の自由端の現在位置を示し、線Aはピン部材17の自由端の軌跡を示し、線Aに付された矢印はピン部材17の移動方向を示し、白丸はピン部材17の自由端の軌跡上の主要な位置を示している。
【0051】
続いて、利用者がカード31をプッシュして更に押込むと、カード31の係合凸部32及び係合凹部33がスライド部材14の第1係合部14c及び第2係合部14dと係合し、カード31は、スライド部材14とともに、奥壁部11bに向けて移動する。この際、スライド部材14がコイルスプリングから成る付勢部材15を圧縮するので、スライド部材14及びカード31は、付勢部材15の反発力に抗して移動する。そして、スライド部材14及びカード31が最も前進した位置である第1の終端点に到達してフルストローク状態になると、図7(b)に示されるように、ピン部材17の自由端は、カム溝18の上端の最奥部である第1終端凹部18cに到達する。
【0052】
続いて、利用者がカード31をプッシュする動作を止め、カード31に対する押込力を解除すると、付勢部材15の反発力によって、スライド部材14及びカード31は奥壁部11bから離脱する向きに移動させられる。そして、スライド部材14及びカード31は、カード用コネクタ10内でカード31をロックした状態で保持する第1のロック位置で停止する。この場合、図7(c)に示されるように、ピン部材17の自由端は、カム溝18の第1ロック凹部18a内において係止される。これにより、ピン部材17とスライドカム部14bとの相対的な移動が規制され、スライド部材14及びカード31は、第1のロック位置で停止させられる。そして、カード31は、第1のロック位置に保持されることによって、カード用コネクタ10が取付けられた電子機器の演算手段等との間でデータの送受信を行うことができる状態となる。
【0053】
次に、カード31をカード用コネクタ10から排出させて取出す場合、利用者が手指等によってカード31をプッシュして押込むと、スライド部材14及びカード31は、第1のロック位置から奥壁部11bに向けて移動させられる。そして、スライド部材14及びカード31が第1の終端点に到達してフルストローク状態になると、図7(d)に示されるように、ピン部材17の自由端はカム溝18の第2終端凹部18dに到達する。
【0054】
続いて、利用者がカード31をプッシュする動作を一旦(たん)止めて、カード31に対する押込力を解除すると、付勢部材15の反発力によって、スライド部材14及びカード31は奥壁部11bから離脱する向きに移動させられ、第2のロック位置で停止する。この場合、図7(e)に示されるように、ピン部材17の自由端は、カム溝18の第2ロック凹部18b内において係止される。なお、図示される例においては、第1ロック凹部18aよりも第2ロック凹部18bのほうが深く形成されている。そのため、スライド部材14及びカード31は、第2のロック位置で停止したときのほうが、第1のロック位置で停止したときよりも、奥壁部11bから離れてカード用コネクタ10の前方に近付いている。すなわち、第2のロック位置は、第1のロック位置よりもカード31の排出方向に関して前寄りの位置となっている。これにより、カード31の後端のカード用コネクタ10からの突出量が、第2のロック位置で停止したときのほうが、第1のロック位置で停止したときよりも大きくなるので、利用者は、目視によっても、手指等の感触によっても、第2のロック位置で停止している状態と第1のロック位置で停止している状態とを識別することができる。
【0055】
続いて、利用者が再びカード31をプッシュして押込むと、スライド部材14及びカード31は、第2のロック位置から奥壁部11bに向けて再び移動させられる。そして、スライド部材14及びカード31が第2の終端点に到達すると、図7(f)に示されるように、ピン部材17の自由端はカム溝18の第3終端凹部18eに到達する。
【0056】
続いて、利用者がカード31をプッシュする動作を止め、カード31に対する押込力を解除すると、付勢部材15の反発力によって、スライド部材14及びカード31は奥壁部11bから離脱する向きに移動させられ、第1のロック位置及び第2のロック位置を通過して、カード31の挿入方向と反対の方向に更に移動する。そして、カード31の係合凸部32及び係合凹部33とスライド部材14の第1係合部14c及び第2係合部14dとの係合が解除され、スライド部材14及びカード31は、挿入の初期の状態に復帰する。この場合、図7(g)に示されるように、ピン部材17の自由端はカード31挿入の初期の状態における位置に復帰する。
【0057】
図7(g)に示される線Aによって、カム溝18における第1のロック位置に対応する第1ロック凹部18a及び第2のロック位置に対応する第2ロック凹部18bと、第1の終端点に対応する第1終端凹部18c及び第2終端凹部18d並びに第2の終端点に対応する第3終端凹部18eとを接続する部分の形状が、2つのV字を横に接続したW字のような形状となっていることを明瞭に把握することができる。なお、図7に示されるカム溝18の形状は、一例に過ぎず、適宜変更することができる。すなわち、カード31を押出して排出させるためのプッシュ動作が複数回行われるような形状であれば、いかなる形状であってもよい。
【0058】
次に、カード用コネクタ10全体の動作について説明する。まず、カード31をカード用コネクタ10に挿入して、該カード用コネクタ10が取付けられた電子機器にカード31を装着する動作について説明する。
【0059】
図8は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのカード挿入の初期の状態を示す図、図9は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第1のカードフルストローク状態を示す図、図10は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第1のカードロック状態を示す図である。
【0060】
まず、利用者が手指等によってカード31をカード用コネクタ10の前方から挿入する。図8に示されるように、挿入の初期の状態において、カード31の下面に配設されたコンタクトパッド34は、端子13の位置にまで到達していない。なお、図8〜10は、図1と同様に、説明のためにシェル12を除去した状態を示している。また、カード31の一方の側辺に形成された係合部としての係合凸部32及び係合凹部33は、カード案内機構のスライド部材14の第1係合部14c及び第2係合部14dと係合していない。さらに、カム溝18内におけるピン部材17の自由端は、図7(a)に示されるように、カード31挿入の初期の状態における位置にある。そして、第1接点部材21と共通接点部材22とが当接しておらず、ディレイスイッチはOFFの状態になっている。また、第2接点部材23と共通接点部材22とが当接しておらず、カード検出スイッチはOFFの状態になっている。
【0061】
続いて、利用者がカード31をプッシュして更に押込むと、カード31の係合凸部32及び係合凹部33がスライド部材14の第1係合部14c及び第2係合部14dと係合し、カード31は、スライド部材14とともに、奥壁部11bに向けて移動する。この際、スライド部材14がコイルスプリングから成る付勢部材15を圧縮するので、スライド部材14及びカード31は、付勢部材15の反発力を受けるが、該反発力が利用者の手指等が発揮する押込力よりも小さいので、前記反発力に抗して移動する。
【0062】
そして、図9に示されるように、スライド部材14及びカード31は、最も前進した位置である第1の終端点に到達してフルストローク状態となる。なお、カード31は、第1の終端点に到達するまでの行程の途中において、その前端の一側端(図9における右側端)及び側端から所定範囲の側面(図9における右側面)が第2接点部材23のカード当接部23c及び上方突出部23eに当接し、本体部23bの先端を外方に変位させる。これにより、第2接点部材23の第2当接部23dが共通接点部材22の共通接点第2当接部22fに当接するので、カード検出スイッチがONの状態になる。また、カード31の挿入方向の前面が第1接点部材21の本体部21bに当接し、該本体部21bを奥壁部11bの方向に変位させる。そして、カード31が奥壁部11bに向けて移動するにつれて、本体部21bが大きく変位し、第1接点部材21の第1当接部21cが共通接点部材22の共通接点第1当接部22eに当接する。最終的に、フルストローク状態となると、第1接点部材21の本体部21bは、カード31によって奥壁部11bの側面に押付けられた状態となる。さらに、カム溝18内におけるピン部材17の自由端は、図7(b)に示されるように、カム溝18の上端の最奥部に到達する。
【0063】
続いて、利用者がカード31をプッシュする動作を止め、カード31に対する押込力を解除すると、付勢部材15の反発力によって、スライド部材14及びカード31は奥壁部11bから離脱する向きに移動させられる。そして、スライド部材14及びカード31は、図10に示されるように、カード用コネクタ10内でカード31をロックした状態で保持する第1のロック位置で停止する。これは、図7(c)に示されるように、ピン部材17の自由端は、カム溝18の第1ロック凹部18a内において係止されるからである。
【0064】
そして、カード31は、第1のロック位置に保持されることによって、カード用コネクタ10が取付けられた電子機器の演算手段等との間でデータの送受信を行うことができる状態となる。なお、カード31が第1のロック位置に保持されている場合、カード31の下面のコンタクトパッド34は、端子13の先端部と接触して導通している。そして、第2接点部材23は、本体部23bの先端を外方に変位させられ、第2当接部23dが共通接点部材22の共通接点第2当接部22fに当接した状態を維持している。そのため、カード検出スイッチはONの状態になっている。また、第1接点部材21の第1当接部21cが共通接点部材22の共通接点第1当接部22eに当接していないので、ディレイスイッチはOFFの状態になっている。
【0065】
次に、カード31をカード用コネクタ10から排出させて取出す動作について説明する。
【0066】
図11は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第2のカードフルストローク状態を示す図、図12は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第2のカードロック状態を示す図、図13は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第3のカードフルストローク状態を示す図、図14は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのカードの挿入の初期の状態に復帰した状態を示す図である。
【0067】
この場合、利用者が手指等によってカード31をプッシュして押込むと、スライド部材14及びカード31は、第1のロック位置から奥壁部11bに向けて移動させられる。すると、カード31の挿入方向の前面が第1接点部材21の本体部21bに当接し、該本体部21bを奥壁部11bの方向に変位させ、第1当接部21cを共通接点部材22の共通接点第1当接部22eに当接させる。これにより、ディレイスイッチは、非導通状態から導通状態に、すなわち、OFFからONに変化し、カード31を排出させるプッシュ動作が開始されたことを検出する。この間、第2接点部材23と共通接点部材22とが当接した状態を維持するので、カード検出スイッチはONの状態を維持している。
【0068】
続いて、利用者がカード31をプッシュして更に押込むと、スライド部材14及びカード31は、図11に示されるように、最も前進した位置である第1の終端点に到達してフルストローク状態となる。また、カム溝18内におけるピン部材17の自由端は、図7(d)に示されるように、カム溝18の上端の最奥部に到達する。この間、第1接点部材21と共通接点部材22とが当接した状態を維持するので、ディレイスイッチはONの状態を維持している。また、第2接点部材23と共通接点部材22とも当接した状態を維持するので、カード検出スイッチもONの状態を維持している。
【0069】
続いて、利用者がカード31をプッシュする動作を一旦止めて、カード31に対する押込力を解除すると、付勢部材15の反発力によって、スライド部材14及びカード31は奥壁部11bから離脱する向きに移動させられ、図12に示されるように、第2のロック位置で停止する。また、カム溝18内におけるピン部材17の自由端は、図7(e)に示されるように、カム溝18の第2ロック凹部18b内において係止される。前述のように、第1ロック凹部18aよりも第2ロック凹部18bのほうが深く形成されているので、図9と図12とを比較すると明らかなように、スライド部材14及びカード31は、第2のロック位置で停止したときのほうが、第1のロック位置で停止したときよりも、奥壁部11bから離れてカード用コネクタ10のカード31の排出方向側に近付いている。また、カード31の後端のカード用コネクタ10からの突出量が、第2のロック位置で停止したときのほうが、第1のロック位置で停止したときよりも、大きくなるので、利用者は、目視によっても、手指等の感触によっても、第2のロック位置で停止している状態と第1のロック位置で停止している状態とを識別することができる。
【0070】
そして、第2接点部材23は、本体部23bの先端を外方に変位させられ、第2当接部23dが共通接点部材22の共通接点第2当接部22fに当接した状態を維持している。そのため、カード検出スイッチはONの状態になっている。また、第1接点部材21の第1当接部21cが共通接点部材22の共通接点第1当接部22eに当接していないので、ディレイスイッチはOFFの状態になる。前述のように、スライド部材14及びカード31が第1のロック位置から奥壁部11bに向けて移動させられる際に、ディレイスイッチがOFFからONに変化したことによって、カード31を排出させるプッシュ動作が開始されたことが既に検出されているので、その後は、ディレイスイッチがOFFであってもONであっても構わない。
【0071】
続いて、利用者が再びカード31をプッシュして押込むと、スライド部材14及びカード31は、第2のロック位置から奥壁部11bに向けて再び移動させられる。そして、図13に示されるように、スライド部材14及びカード31が第2の終端点に到達する。また、ピン部材17の自由端は、図7(f)に示されるように、カム溝18の上端の最奥部に到達する。この間、第2接点部材23と共通接点部材22とは、当接した状態を維持するので、カード検出スイッチはONの状態を維持している。また、第1接点部材21と共通接点部材22とが当接するので、ディレイスイッチはOFFからONの状態に変化する。
【0072】
続いて、利用者がカード31をプッシュする動作を止め、カード31に対する押込力を解除すると、付勢部材15の反発力によって、スライド部材14及びカード31は奥壁部11bから離脱する向きに移動させられる。この場合、ピン部材17の自由端は、動きが規制されることなくカム溝18内を移動することができるので、スライド部材14は、第1のロック位置でも第2のロック位置でも停止させられることがない。そして、スライド部材14及びカード31は、第1のロック位置及び第2のロック位置を通過し、カード31の挿入方向と反対の方向に更に移動する。そして、カード31の係合凸部32及び係合凹部33とスライド部材14の第1係合部14c及び第2係合部14dとの係合が解除され、スライド部材14及びカード31は、図14に示されるように、挿入の初期の状態に復帰する。なお、第1の終端点から第1のロック位置に復帰するまでの途中において、第1接点部材21の本体部21bは、それ自体のばね性によって元の姿勢に戻るので、第1接点部材21と共通接点部材22とは互いに非当接となる。そのため、ディレイスイッチはONからOFFに変化する。また、第2接点部材23の本体部23bも、それ自体のばね性によって元の姿勢に戻るので、第2接点部材23と共通接点部材22とは互いに非当接となる。そのため、カード検出スイッチもONからOFFに変化する。
【0073】
次に、カード31の動きに関連したディレイスイッチの動作タイミングについて説明する。
【0074】
図15は本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのカードの動きに関連した信号のタイミングを示す図である。
【0075】
図において、実線の矢印は、カード31をプッシュしてカード用コネクタ10に挿入する、すなわち、プッシュインの際、及び、カード31をプッシュしてカード用コネクタ10から取出す、すなわち、プッシュアウトの際のカード31の動きを示している。また、カード移動距離は、本発明の発明者が試作したカード用コネクタを使用した場合の実測値であり、単位は〔mm〕である。なお、カード31のコンタクトパッド34と端子13との接続、カード検出スイッチ及びディレイスイッチは、図示されるONの位置よりも右側においてONの状態を維持するようになっている。
【0076】
図から明らかなように、カード31をカード用コネクタ10から排出させて取出す場合、ディレイスイッチは、1回目のプッシュ動作において、カード31が第1のロック位置から第1の終端点まで移動する往きの行程の途中でOFFからONに変化して、プッシュ動作が開始されたことを検出するようになっている。そして、カード31のコンタクトパッド34が端子13と実際に非接触となるのは、2回目のプッシュ動作の後において、第2の終端点からの復りの行程においてスライド部材14が第2のロック位置を通過して以降である。
【0077】
そのため、1回目のプッシュ動作による第1のロック位置からの往きの行程においてカード31がディレイスイッチが導通状態に変化する地点から第1の終端点に到達するまでの時間と、1回目のプッシュ動作の後の復りの行程においてカード31が第1の終端点から第2のロック位置に到達するまでの時間とに加えて、2回目のプッシュ動作による第2のロック位置からの往きの行程においてカード31が第2の終端点に到達するまでの時間と、2回目のプッシュ動作の後の復りの行程においてカード31が第2の終端点から第2のロック位置に到達するまでの時間とを、ディレイタイムに含めることができる。これにより、ディレイスイッチがプッシュ動作が開始されたことを検出してから実際にカード31のコンタクトパッド34が端子13と非接触となるまでのディレイタイムを十分に長くすることができる。
【0078】
また、1回目のプッシュ動作の後にカード31が第2のロック位置に到達してから、2回目のプッシュ動作が開始されるまでに遅れがある場合には、この遅れもディレイタイムに含まれるので、ディレイタイムが更に長くなる。
【0079】
携帯電話機等の電子機器においては、一般的に、ディレイスイッチがプッシュ動作が開始されたことを検出すると、カードへのアクセスをソフトウェアによって停止するようになっている。そのため、プッシュ動作が開始されたことを検出してから、カードへのアクセスを停止するプログラムの動作が完了するまでには、通常、250ミリ秒以上の時間がかかる。一方、コイルスプリングによって付勢されたスライド部材がカードを排出する際の移動速度は、通常、0.1〔mm/ミリ秒〕程度である。そのため、ロック位置から終端点までのカード移動距離が2〔mm〕程度である小型のカード用コネクタでは、250ミリ秒以上のディレイタイムを確保することが困難である。
【0080】
これに対し、本実施の形態においては、カード31を排出するためのプッシュ動作が2回行われ、かつ、1回目及び2回目のプッシュ動作によってカード31が2往復する行程に要する時間がディレイタイムに含まれるので、十分に長いディレイタイムを確保することができる。
【0081】
なお、本実施の形態においては、図15に示されるように、第2の終端点の位置が第1の終端点の位置と相違する場合について説明したが、第2の終端点の位置は、スライドカム部14bの上面に形成されたカム溝18の形状を調整することによって、任意に変更することができる。例えば、第2の終端点を第1の終端点と同一位置にすることもできるし、また、第2の終端点を第1の終端点から更に離間した位置にすることもできる。これらの場合、カード31の動きは図11において破線の矢印で示されるようになる。また、同様に、第2のロック位置も、前記カム溝18の形状を調整することによって、任意に変更することができ、例えば、第1のロック位置と同一にすることもできるし、また、第2のロック位置を第1のロック位置から更に離間した位置とすることもできる。
【0082】
このように、本実施の形態において、カード用コネクタ10は、カード31を排出する際には、プッシュ動作を複数回行うとカード31が排出されるとともに、初回のプッシュ動作における往きの行程においてカード31の排出が開始されたことを検出するカード排出動作検出スイッチを有する。そのため、カード31を排出する際の複数回のプッシュ動作における往復の行程をディレイタイムに含むので、十分に長いディレイタイムを確保することができる。したがって、カード31をカード用コネクタ10から排出させて取出す場合、カード用コネクタ10が取付けられた電子機器は、十分に長いディレイタイムの間に演算手段等とカード31とを接続する回路を確実に遮断することができる。
【0083】
また、カード31を排出する際の各プッシュ動作における往きの行程は、利用者が手指等によって付勢部材15の反発力に抗して行うカード31を押込む動作によるものなので、カード31の移動速度が低くなる。そのため、前記往きの行程を複数回含むディレイタイムを十分に長くすることができる。さらに、カード用コネクタ10も、構造を簡素化してコストを低くすることができ、小型化することができる。
【0084】
さらに、複数回のプッシュ動作が行われないとカード31が排出されないので、利用者が手指等で誤ってカード31をプッシュしても、カード31がカード用コネクタ10から飛出してしまうことがなく、誤操作に起因する飛出しによるカード31の紛失を防止することができる。
【0085】
さらに、カード案内機構は、表面にカム溝18が形成されたスライドカム部14b、及び、カム溝18内に一端が係合するピン部材17を備え、カム溝18は、ロック位置に対応する部位と終端点に対応する部位とを接続する部分が複数のV字を横に接続した形状を備える。この場合、前記カード案内機構は、通常のハート状カム方式の機構におけるカム溝の形状を変更することによって得ることができるので、コストが低く、かつ、簡素な構造を備える。
【0086】
さらに、カード31を排出する際のプッシュ動作を2回とした場合、カード案内機構は、カード31を第1のロック位置で保持してカード31のコンタクトパッド34が端子13と接触している状態を維持し、第1のロック位置で保持されているカード31を挿入方向に押込むプッシュ動作によってカード31が挿入方向に移動して第1の終端点まで到達すると、付勢部材15の付勢力によって、カード31を第1の終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて第2のロック位置で保持し、該第2のロック位置で保持されているカード31を挿入方向に押込むプッシュ動作によってカード31が挿入方向に移動して第2の終端点まで到達すると、付勢部材15の付勢力によって、カード31を第2の終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて排出する。
【0087】
そのため、1回目のプッシュ動作による第1のロック位置からの往きの行程においてカード31がディレイスイッチが導通状態に変化する地点から第1の終端点に到達するまでの時間と、1回目のプッシュ動作の後の復りの行程においてカード31が第1の終端点から第2のロック位置に到達するまでの時間とに加えて、2回目のプッシュ動作による第2のロック位置からの往きの行程においてカード31が第2の終端点に到達するまでの時間と、2回目のプッシュ動作の後の復りの行程においてカード31が第2の終端点から第2のロック位置に到達するまでの時間とを、ディレイタイムに含めることができる。これにより、ディレイスイッチがプッシュ動作が開始されたことを検出してから実際にカード31のコンタクトパッド34が端子13と非接触となるまでのディレイタイムを十分に長くすることができる。さらに、1回目のプッシュ動作の後にカード31が第2のロック位置に到達してから、2回目のプッシュ動作が開始されるまでに遅れがある場合には、この遅れもディレイタイムに含まれるので、ディレイタイムが更に長くなる。
【0088】
さらに、第2のロック位置は、第1のロック位置よりもカード31の排出方向に関して前寄りの位置である。
【0089】
この場合、カード31の後端のカード用コネクタ10からの突出量が、第2のロック位置で停止したときのほうが、第1のロック位置で停止したときよりも、大きくなるので、利用者は、目視によっても、手指等の感触によっても、第2のロック位置で停止している状態と第1のロック位置で停止している状態とを識別することができる。そのため、利用者は、カード31の排出されるタイミングを正確に把握することができ、カード31を紛失してしまうことがない。
【0090】
さらに、カード用コネクタ10は、カード31のコンタクトパッド34と端子13とが接触していることを検出するカード検出スイッチを更に有する。そのため、カード31のコンタクトパッド34が端子13と接触していることを確実に検出することができ、カード用コネクタ10が取付けられた電子機器は、ディレイタイムの間に演算手段等とカード31とを接続する回路を安全に導通状態にすることができる。
【0091】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのシェルを取除いた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるカードの下面を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における第1接点部材を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態における共通接点部材を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態における第2接点部材を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるカム機構の動作を示す図であり、(a)はカード挿入の初期の状態、(b)は第1の終端点に到達した状態、(c)は第1のロック位置に到達した状態、(d)は第1の終端点に再び到達した状態、(e)は第2のロック位置に到達した状態、(f)は第2の終端点に到達した状態、(g)はカード挿入の初期の状態に復帰した状態を示している。
【図8】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのカード挿入の初期の状態を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第1のカードフルストローク状態を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第1のカードロック状態を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第2のカードフルストローク状態を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第2のカードロック状態を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタの第3のカードフルストローク状態を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのカードの挿入の初期の状態に復帰した状態を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態におけるカード用コネクタのカードの動きに関連した信号のタイミングを示す図である。
【図16】従来のカード用コネクタのハートカム機構を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
10 カード用コネクタ
11 ハウジング
11a 底壁部
11b 奥壁部
11c 第1側壁部
11d 第2側壁部
11e 端子装填溝
11f 係止部
11g ストッパ部
12 シェル
12a 板ばね
13 端子
13a ソルダーテール部
13b 先端部
14 スライド部材
14a カード保持部
14b スライドカム部
14c 第1係合部
14d 第2係合部
14e 付勢力受部
14f 係止突起
15 付勢部材
17、317 ピン部材
18、318 カム溝
18a 第1ロック凹部
18b 第2ロック凹部
18c 第1終端凹部
18d 第2終端凹部
18e 第3終端凹部
21 第1接点部材
21a、22a、23a 取付部
21b、22b、23b 本体部
21c 第1当接部
21d、22g、23f ソルダーテール部
22 共通接点部材
22c 第1枝部
22d 第2枝部
22e 共通接点第1当接部
22f 共通接点第2当接部
23 第2接点部材
23c カード当接部
23d 第2当接部
23e 上方突出部
31 カード
32 係合凸部
33 係合凹部
34 コンタクトパッド
304 支持部
305 自由端
307 第1ガイド部
308 第2ガイド部
314 ハートカム部材
315 コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)端子部材を備えるカード(31)を収容するハウジング(11)と、
(b)該ハウジング(11)に取付けられ、前記カード(31)の端子部材と接触する接続端子(13)と、
(c)前記ハウジング(11)からカード(31)が排出されることを検出するカード排出動作検出スイッチと、
(d)前記カード(31)を挿入方向と反対の方向に付勢する付勢部材(15)を備え、前記カード(31)をロック位置で保持してカード(31)の端子部材が接続端子(13)と接触している状態を維持し、前記ロック位置で保持されているカード(31)を挿入方向に押込むプッシュ動作によってカード(31)が挿入方向に移動して終端点まで到達すると、前記付勢部材(15)の付勢力によって、前記カード(31)を終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて排出するカード案内機構とを有するカード用コネクタ(10)であって、
(e)前記カード案内機構は、前記プッシュ動作が複数回行われると前記カード(31)を排出し、
(f)前記カード排出動作検出スイッチは、前記カード(31)を挿入方向に押込む初回のプッシュ動作によってカード(31)が挿入方向に移動して終端点まで到達するまでの間に、前記カード(31)の排出が開始されたことを検出することを特徴とするカード用コネクタ(10)。
【請求項2】
(a)前記カード案内機構は、表面にカム溝(18)が形成された移動カム部材(14b)、及び、前記カム溝(18)内に一端が係合する固定カム部材(17)を備え、
(b)前記カム溝(18)は、前記ロック位置に対応する部位と前記終端点に対応する部位とが交互に配設された形状を備える請求項1に記載のカード用コネクタ(10)。
【請求項3】
(a)前記プッシュ動作は2回であり、
(b)前記カード案内機構は、前記カード(31)を第1のロック位置で保持してカード(31)の端子部材が接続端子(13)と接触している状態を維持し、前記第1のロック位置で保持されているカード(31)を挿入方向に押込むプッシュ動作によってカード(31)が挿入方向に移動して第1の終端点まで到達すると、前記付勢部材(15)の付勢力によって、前記カード(31)を第1の終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて第2のロック位置で保持し、該第2のロック位置で保持されているカード(31)を挿入方向に押込むプッシュ動作によってカード(31)が挿入方向に移動して第2の終端点まで到達すると、前記付勢部材(15)の付勢力によって、前記カード(31)を第2の終端点から挿入方向と反対の方向に移動させて排出する請求項1に記載のカード用コネクタ(10)。
【請求項4】
前記第2のロック位置は、前記第1のロック位置よりも前記カード(31)の排出方向に関して前寄りの位置である請求項3に記載のカード用コネクタ(10)。
【請求項5】
前記カード(31)の端子部材と接続端子(13)とが接触していることを検出するカード検出スイッチを更に有する請求項1に記載のカード用コネクタ(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−324094(P2007−324094A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156381(P2006−156381)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレーテッド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】