説明

ガスタービンエンジン翼形部先端陥凹部

【課題】ガスタービンエンジン圧縮機の翼形部先端とシールとの間のクリアランス部は、運転中に摩擦により、翼形部先端において高い振動応力をもたらすことがあるため、適正な構造を提供する。
【解決手段】翼形部ベース56からその自由端87にある翼形部先端58まで、及びその前縁から後縁まで延びるガスタービンエンジン翼形部54は、翼形部先端58内に円周方向に完全に貫通して延び且つ翼形部54の前縁及び後縁の内側に位置する少なくとも1つの陥凹部92を有する。陥凹部92は、高い先端振動応力及び摩擦を受けやすい翼形部先端58の区域93に位置付けられ、スカラップ半径と、陥凹部無しの公称先端縁部106から測定したときに約0.005〜0.01インチの範囲内の数ミルの最大深さDとを有する円形スカラップ94とすることができる。翼形部は、半径方向ブレード200、ステータベーン、又はインペラブレード上に存在することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に、相対的に回転する翼形部先端とシールとの間のガスタービンエンジンクリアランスに関し、より詳細には、ブレード及び片持ちベーンの翼形部先端におけるクリアランスに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンブレードは、回転可能ブレードと固定シール又はケーシングとの間、並びにタービン及び圧縮機両方における固定片持ちベーンと回転シール又はロータとの間にギャップを有する。効率上の観点から、先端クリアランスと呼ばれることが多い回転構成要素と半径方向に隣接する固定部品との間のギャップを縮小し、このギャップをわたるガスストリームの漏洩を低減することが望ましい。この漏洩により、圧縮機又はタービンの効率が低下するだけでなく、部品に作用する高温に起因してブレード先端及びシュラウド部材の寿命も短くなる。
【0003】
一部のガスタービンエンジン設計は、ブレードが全く摩擦しないようにギャップを設定している。一部の設計者は、エンジンの最初の慣らし運転中に摩擦を生じるように負のギャップを設け、摩擦による法線方向の損耗により、滑らかで且つ可能な限りゼロに近いギャップをもたらすことができるようにしている。しかしながら、この摩耗は、回転可能ブレード又は固定片持ちベーンの翼形部先端又はインペラの先端において高い振動応力などの望ましくない結果をもたらす場合がある。摩擦は、材料の疲労強度の損失という望ましくない結果をもたらす可能性がある。
【0004】
ブレード先端クリアランスは、最良のエンジン性能を得るために摩擦を回避することと漏洩を最小限にすることの折衷の産物である。摩擦は、強度の損失、亀裂形成、及び保守整備の追加につながる可能性がある。現在のところ、特にブレードが薄肉であるLE及びTEにおいてはクリアランスがより広く設定されることが多い。これにより高応力の区域での摩耗を回避し、材料特性が維持され、先端亀裂が回避される。
【発明の概要】
【0005】
ガスタービンエンジン構成要素は、翼形部ベースからその自由端にある翼形部先端まで延び且つその前縁から後縁まで下流側に延びる翼形部を含む。少なくとも1つの陥凹部が、翼形部先端内に円周方向に完全に貫通して延び且つ翼形部の前縁及び後縁の内側に位置する。
【0006】
陥凹部は、高い先端振動応力及び摩擦を受けやすい翼形部先端の区域に位置付けることができ、スカラップ半径を有する円形スカラップとすることができる。陥凹部は、該陥凹部無しの公称先端縁部から測定したときに約5〜10ミル(0.005〜0.01インチ)の範囲内の数ミルの最大深さを有することができる。
【0007】
翼形部は、ガスタービンエンジンの半径方向又はインペラ圧縮機ブレード上に存在することができる。翼形部は、ガスタービンエンジンステータベーン上に存在し、ステータベーンの外向き端部にあるベーン翼形部のベースから、ステータベーンの半径方向内向き端部にあるベーン翼形部のベーン翼形部先端まで半径方向内向きに延び、且つベーン翼形部の前縁から後縁まで下流側に延びることができる。陥凹部は、ベーン翼形部先端内に円周方向に完全に貫通して延び、ベーン翼形部の前縁及び後縁の内側に位置する。
【0008】
ガスタービンエンジン組立体は、複数の翼形部と、翼形部先端と陥凹部又はスカラップを含んで翼形部先端を囲む環状先端シールとの間に翼形部先端クリアランスとを含むことができる。
【0009】
ガスタービンエンジン構成要素の翼形部の自由端にて翼形部先端の振動応力を低減する方法は、高い先端振動応力の1つ又は複数の区域を決定する段階と、高い先端振動応力の1つ又は複数の区域において翼形部先端内に円周方向に完全に貫通して延びる少なくとも1つの陥凹部又はスカラップを機械加工、カッティング、又は他の方法で形成する段階と、を含む。
【0010】
翼形部先端及び翼形部は、環状先端シールにより囲まれるブレード又はベーンの単一段又は円周方向列からの複数の翼形部先端及び翼形部内のものとすることができ、高い先端振動応力の1つ又は複数の区域を決定する段階は、ベーンをそれぞれ囲むブレード又は環状先端シールを含むロータを稼働又は回転させて、環状シール又は翼形部先端における傷又は擦り傷を観測する段階を含む。陥凹部又はスカラップは、傷又は擦り傷に隣接する高い先端振動応力の1つ又は複数の区域に形成される。
【0011】
本発明の上記の態様及び他の特徴は、添付図面と関連して以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】軸流及び遠心圧縮機段を有するガスタービンエンジンの断面図。
【図2】図1に示すエンジンの軸流圧縮機段の拡大断面図。
【図3】図2に示すエンジンの軸流圧縮機段において陥凹部を備えた翼形部先端の概略断面図。
【図4】図1に示すエンジンの遠心圧縮機段の拡大断面図。
【図5】図4に示すエンジンの遠心圧縮機段における陥凹部の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、高圧ガス発生器10を備えたガスタービンエンジン8が示されている。高圧ガス発生器10は、下流側流れ関係で、高圧圧縮機14、燃焼器52、及び高圧タービン16を含む高圧ロータ12を有する。高圧圧縮機14は、高圧多段軸流圧縮機段と、最終燃焼器段としての単一段の遠心圧縮機18とを含む。ロータ12は、前部フレーム22における前方軸受20及びタービンフレーム26内の高圧タービン16の下流側に配置される後方軸受24によってエンジン中心線28の周りに回転可能に支持される。
【0014】
本明細書で示される圧縮機14の例示的な実施形態は、5つの段の軸流圧縮機30と、その後に続いて、環状遠心圧縮機インペラ32を有する単一段の遠心圧縮機18とを含む。出口ガイドベーン40が、5段軸流圧縮機30と単一段遠心圧縮機18との間に配置される。圧縮機14は、前方ケーシング110と後方ケーシング114とを含む。前方ケーシング110は、軸流圧縮機30を全体的に囲み、後方ケーシング114は、遠心圧縮機18を全体的に囲み且つ遠心圧縮機18の直ぐ下流側にあるディフューザ42を支持する。
【0015】
更に図2を参照すると、5段軸流圧縮機30は、ブレードシュラウド69により円周方向に囲まれる回転可能圧縮機ブレード200の第3及び第4圧縮機段190、193を含む。非回転可能ステータベーン204の円周方向列は、回転可能圧縮機ブレード200の第3及び第4圧縮機段190、193の間に軸方向に配置される。図2及び3には、ブレード翼形部54を有する圧縮機ブレード200が示され、該ブレード翼形部54は、高圧ロータ12上に位置する翼形部ベース56から、ブレード翼形部54のスパンSに沿って測定されるブレード翼形部54の自由端87において半径方向外側ブレード翼形部先端58まで半径方向外向きに延びる。ブレード翼形部54は、前縁LEから後縁TEまで下流側に延びる。各半径方向外側翼形部先端58は、圧縮機前方ケーシング110上に装着されたブレードシュラウド69のブレード摩擦ランド62から内向きに隣接して半径方向に離間して配置される。環状のロータ翼形部先端クリアランス60は、半径方向外側ブレード翼形部先端58と圧縮機前方ケーシング110上のブレード摩擦ランド62との間に定められる。
【0016】
ステータベーン204は、これらの半径方向外向き端部234の前方ケーシング110から片持ちにされて且つこれに固定され、これらの半径方向内向き端部236では支持されず、自由端87となる。ベーン翼形部225は、対向する半径方向外向き及び内向き端部234、236間に半径方向に延びる。各ベーン翼形部225は、ステータベーン204の外向き端部234にてベーン翼形部225のベース228から、ステータベーン204の半径方向内向き端部236にてベーン翼形部225のベーン翼形部先端138まで半径方向内向きに延びる。ベーン翼形部225は、前縁LEから後縁TEまで下流側に延びる。各ベーン翼形部先端138は、高圧ロータ12上のロータシールランド232に外向きに隣接して半径方向に離間して配置される。環状のベーン翼形部先端クリアランス66は、ベーン翼形部先端138と高圧ロータ12上のロータシールランド232との間に定められる。
【0017】
図1及び4を参照すると、圧縮機吐出圧(CDP)空気76は、遠心圧縮機18のインペラ32から吐出されてディフューザ42に直接流入し、次いで、デスワールカスケード44を通って燃焼器52内の燃焼室45に流入する。図1を更に詳細に参照すると、インペラ32は、ロータディスク部分82上のインペラ翼形部ベース91からインペラ翼形部88の自由端87に位置するインペラ翼形部先端86まで外向きに延びたインペラ翼形部88を有する複数のインペラ圧縮機ブレード84を含む。インペラ翼形部88の各々は、インペラ翼形部88の前縁LEから後縁TEまで下流側に延びる。環状遠心ブレード先端シュラウド90は、インペラ圧縮機ブレード84及びインペラ翼形部88を囲む。遠心ブレード先端シュラウド90は、インペラ翼形部先端86に隣接し、これらの間に環状のインペラ翼形部先端クリアランス80を定める。インペラ翼形部先端クリアランス80は、エンジン中心線28から測定して半径方向Rの軸方向幅Wが変化している。
【0018】
エンジン作動サイクル中にロータ翼形部先端クリアランス60、ステータ翼形部先端クリアランス66、及びインペラ翼形部先端クリアランス80を最小限にし、特に低温バースト中などのエンジン加速中に関連するランド及び翼形部とブレード先端との間の摩擦を排除又は最小限にすることが望ましい。より一般的に言えば、翼形部先端142(本明細書ではブレード、ベーン、及びインペラ翼形部先端58、138、86として示される)と環状先端シール144(本明細書では、圧縮機前方ケーシング110上のブレード摩擦ランド62、高圧ロータ12上のロータシールランド232、及び遠心ブレード先端シュラウド90として示される)との間の翼形部先端クリアランス140(本明細書では、ロータ、ベーン、及びインペラ翼形部先端クリアランス60、66、80として示される)を最小限にすることが望ましい。このために、ロータ及びベーン翼形部先端58、138並びにインペラ翼形部先端86は、図3及び4に示すように、高い先端振動応力を受けやすい区域93に陥凹部92を有し、高応力の区域93における摩擦を回避し、材料特性を維持し、先端亀裂形成を回避するようにする。
【0019】
図3で例示されるように、翼形部先端及びインペラブレード先端における陥凹部92は、翼形部の前縁LE及び後縁TEから内向きに位置付けられ、本発明では円形スカラップ94の形態で示されている。翼形部及びインペラは中実であり、陥凹部92及びスカラップ94は、先端を円周方向に完全に貫通して延びる。翼形部先端はまた、特に薄肉の前縁LE及び後縁TEに有効な翼形部先端の振動応力による劣化を更に低減するために、前縁及び後縁コーナカット96、98を有することができる。
【0020】
陥凹部92及びスカラップ94は、図3では破線で示されたロータ翼形部先端58の公称翼形部先端縁部106内に形成され、又は該公称翼形部先端縁部106内に切り込まれる。陥凹部92及びスカラップ94はまた、図4に示すようなインペラ翼形部先端86のインペラ先端縁部108から形成され、又はインペラ先端縁部108に切り込まれるように図示される。公称翼形部先端及びインペラブレード先端形状100、102は、図3及び5に破線で示されている。公称形状は、陥凹部又はスカラップが先端に形成され又は切り込まれる前の当初の設計先端形状である。公称翼形部先端縁部106は、ブレード摩擦ランド62から等間隔で配置され、すなわち、図3に示すような円錐形であるか、又は円筒形である。公称インペラ先端縁部108は、単純曲線又は図5に示すような第1の曲率半径R1を有する少なくとも1つの第1のセクタ120を含む複合曲線とすることができるインペラブレード先端形状102を有する。
【0021】
陥凹部92及びスカラップ94は、極めて浅いものであり、本明細書で示される例示的なエンジンにおいて公称翼形部及びインペラ先端縁部106、108それぞれから測定したときに、約5〜10ミル(0.005〜0.01インチ)の範囲のような、数ミルほどの最大深さDを有する。より大きなエンジンは、より大きな陥凹部及びスカラップを有することができる。スカラップ94は、スカラップ半径SRを有する円形である。インペラ翼形部先端86のインペラ先端縁部108におけるスカラップ94のスカラップ半径SRは、インペラブレード先端形状102の第1の曲率半径R1よりも小さい。
【0022】
翼形部先端及びインペラブレード先端における高い先端振動応力の区域を決定する公知の方法が存在する。応力が亀裂を生成するかどうか、又は望ましくない摩擦があるかどうかを判定するために試験及び分析方法の組み合わせが使用される、有限要素解析、経験的手法、及び半経験的手法のような分析方法が存在する。エンジンの製造及びオーバーホール中に、エンジンは稼働又は回転されていることが多く、翼形部先端と周囲のシールとの間に摩擦が生じる可能性があり、これは翼形部先端とインペラブレード先端における高い先端振動応力の区域を示している。このようなエンジンが稼働した後に観測される傷及び擦り傷は、このような区域であることを示しており、ここで翼形部先端及びインペラブレード先端上に陥凹部及びスカラップを設定すべきある。傷及び擦り傷に隣接する翼形部先端内に陥凹部及びスカラップを機械加工又は切り込むことができる。陥凹部及びスカラップのサイズ及び深さは、各個々の翼形部に合わせて調整され、従って、ブレード、ベーン、又はインペラブレードの段又は環状列内で翼形部毎に変えることができる。
【0023】
以上、例示的な方法で本発明を説明してきた。使用した技術用語は、限定の用語としてではなく、説明の用語の性質のものであることが意図される点を理解されたい。本明細書では本発明の好ましく例示的な実施形態であると考えられるものについて説明してきたが、当業者であれば、本明細書の教示から本発明の他の修正が明らかになる筈であり、従って、全てのこのような修正は、本発明の技術思想及び技術的内に属するものとして特許請求の範囲において保護されることが望まれる。
【0024】
従って、本特許により保護されることを望むものは、特許請求の範囲に記載し且つ特定した発明である。
【符号の説明】
【0025】
8 ガスタービンエンジン
10 高圧ガス発生器
12 高圧ロータ
14 高圧圧縮機
16 高圧タービン
18 遠心圧縮機
20 前方軸受
22 前部フレーム
24 後方軸受
26 タービンフレーム
28 エンジン中心線
30 軸流圧縮機
32 環状遠心圧縮機インペラ
40 出口ガイドベーン
42 ディフューザ
52 燃焼器
110 前方ケーシング
114 後方ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン構成要素(200、203、84)であって、
翼形部ベース(56、228、91)からその自由端(87)にある翼形部先端(58、138、86)まで延び且つその前縁(LE)から後縁(TE)まで下流側に延びる翼形部(54、225、88)と、
前記翼形部先端(58、138、86)内に円周方向に完全に貫通して延び且つ前記翼形部(54、225、88)の前縁(LE)及び後縁(TE)の内側に位置する少なくとも1つの陥凹部(92)と、
を備える、ガスタービンエンジン構成要素(200、203、84)。
【請求項2】
前記陥凹部(92)が、高い先端振動応力及び摩擦を受けやすい前記翼形部先端(58、138、86)の区域(93)に位置付けられる、請求項1に記載のガスタービンエンジン構成要素(200、203、84)。
【請求項3】
前記陥凹部(92)が、スカラップ半径(SR)を有する円形スカラップ(94)である、請求項2に記載のガスタービンエンジン構成要素(200、203、84)。
【請求項4】
前記陥凹部92が、前記陥凹部無しの公称先端縁部(106、108)から測定したときに約0.005〜0.01インチの範囲内の数ミルの最大深さ(D)を有する、請求項2に記載のガスタービンエンジン構成要素(200、203、84)。
【請求項5】
ガスタービンエンジン圧縮機ブレード(200、84)であって、
ガスタービンエンジンロータ(12)上に位置する翼形部ベース(56、91)からその自由端(87)にある翼形部先端(58、86)まで半径方向外向きに延び且つその前縁(LE)から後縁(TE)まで延びる翼形部(54、225、88)と、
前記翼形部先端(58、138、86)内に円周方向に完全に貫通して延び且つ前記翼形部(54、225、88)の前縁(LE)及び後縁(TE)の内側に位置する少なくとも1つの陥凹部(92)と、
を備える、ガスタービンエンジン圧縮機ブレード(200、84)。
【請求項6】
前記陥凹部(92)が、高い先端振動応力及び摩擦を受けやすい前記翼形部先端(58、86)の区域(93)に位置付けられる、請求項5に記載のガスタービンエンジン圧縮機ブレード(200、84)。
【請求項7】
前記ガスタービンエンジン圧縮機ブレード(200、84)が、半径方向圧縮機ブレード(200)又はインペラ圧縮機ブレード(84)である、請求項6に記載のガスタービンエンジン圧縮機ブレード(200、84)。
【請求項8】
ガスタービンエンジンステータベーン(204)であって、
前記ステータベーン(204)の外向き端部(234)にあるそのベース(228)から前記ステータベーン(204)の半径方向内向き端部(236)にあるベーン翼形部先端(138)まで半径方向内向きに延び且つその前縁(LE)から後縁(TE)まで下流側に延びるベーン翼形部(225)と、
前記ベーン翼形部先端(138)内に円周方向に完全に貫通して延び且つ前記ベーン翼形部(225)の前縁(LE)及び後縁(TE)の内側に位置する少なくとも1つの陥凹部(92)と、
を備える、ガスタービンエンジンステータベーン(204)。
【請求項9】
ガスタービンエンジン組立体(10)であって、
翼形部ベース(56、228、91)からその自由端(87)にある翼形部先端(58、138、86)まで各々が延び且つその前縁(LE)から後縁(TE)まで下流側に各々が延びる、複数の翼形部(55、225、88)と、
翼形部先端(142)と該翼形部先端(142)を囲む環状先端シール(144)との間の翼形部先端クリアランス(140)と、
前記翼形部先端(142)の各々内に円周方向に完全に貫通して延び且つ前記翼形部(54、225、88)の前縁(LE)及び後縁(TE)の内側に位置する少なくとも1つの陥凹部(92)と、
を備える、ガスタービンエンジン組立体(10)。
【請求項10】
前記翼形部(55、88)を含む複数のブレード(200)を更に備え、前記翼形部(55、225、88)が、前記翼形部ベース(56、228、91)から前記翼形部先端(58、138、86)まで半径方向外向きに延びており、前記翼形部ベース(56、91)が、ガスタービンエンジンロータ(19)上に装着され、前記環状先端シール(144)がブレード摩擦ランド(62)である、請求項9に記載のガスタービンエンジン組立体(10)。
【請求項11】
前記翼形部(225)が、前記ステータベーン(204)の半径方向外向き端部(234)においてエンジンケーシング(110)から片持ちにされ且つこれに固定されたステータベーン(204)上のベーン翼形部(225)であり、前記翼形部(225)が、その半径方向内向きの自由端(236)では支持されておらず、前記環状先端シール(144)が、前記組立体のロータ(12)上のロータシールランド(232)である、請求項9に記載のガスタービンエンジン組立体(10)。
【請求項12】
前記翼形部(88)が、インペラ(32)のロータディスク部分(82)上のインペラ翼形部ベース(91)から、自由端(87)にあるインペラ翼形部先端(86)まで外向きに延びるインペラ翼形部(88)であり、前記環状先端シール(144)が環状遠心ブレード先端シュラウド(90)である、請求項10に記載のガスタービンエンジン組立体(10)。
【請求項13】
ガスタービンエンジン構成要素(200、203、84)の翼形部(54、225、88)の自由端(87)にて翼形部先端(58、138、86)の振動応力を低減する方法であって、
高い先端振動応力の1つ又は複数の区域を決定する段階と、
前記高い先端振動応力の1つ又は複数の区域において前記翼形部先端(58、138、86)内に円周方向に完全に貫通して延びる少なくとも1つの陥凹部(92)又はスカラップ(94)を機械加工、カッティング、又は他の方法で形成する段階と、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−83251(P2013−83251A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−219936(P2012−219936)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】