説明

ガスレーザ装置用温度調節装置

【課題】省エネルギー化を促進するとともに、装置の小型化を促進することができるガスレーザ装置用温度調節装置を提供すること。
【解決手段】精度の高い温度調節を必要とする放電部11a〜14aと放電部11a〜14aに比して低い精度の温度調節を必要とし放電部11a〜14aに比して高い温度の温度調節を許容する電源部11b〜14bとを有した複数のレーザ装置を温度調節するガスレーザ装置用温度調節装置であって、各放電部11a〜14aを温度調節する冷却水を生成するチラー32と、各電源部11b〜14bを温度調節する冷却水を生成するチラー31と、チラー32と各放電部11a〜14aとを並列接続する配管L2と、チラー31と各電源部11b〜14bとを並列接続する配管L1と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、精度の高い温度調節を必要とする第1被温度調節部と該第1被温度調節部に比して低い精度の温度調節を必要とし該第1被温度調節部に比して低いあるいは高い温度の温度調節を許容する第2被温度調節部とを有した複数の被温度調節装置を温度調節するガスレーザ装置用温度調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、たとえば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外光(EUV)光源と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
EUV光源としては、ターゲットにレーザビームを照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(Laser Produced Plasma:レーザ励起プラズマ)光源と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(Discharge Produced Plasma)光源と、軌道放射光を用いたSR(Synchrotron Radiation)光源との3種類がある。これらのうち、LPP光源は、DPP光源やSR光源と比較してプラズマ密度を大きくできるので、黒体輻射に近い極めて高い輝度が得られるという利点を有する。また、LPP光源は、ターゲット物質を選択することによって、所望の波長帯の強い光を得ることが可能であるという利点を有する。さらに、LPP光源は、光源の周囲に電極等の構造物がなく、ほぼ等方的な角度分布をもつ点光源であるので、極めて大きな捕集立体角の確保が可能である等の利点を有する。これらのような利点を有するLPP光源は、数十から数百ワット以上のパワーが要求されるEUVリソグラフィ用の光源として注目されている。
【0004】
このLPP方式による極端紫外光光源装置は、たとえば以下の特許文献1が開示するように、まず、真空チャンバ内に供給されるターゲット物質に対してレーザ光を照射することにより、ターゲット物質が励起されてプラズマ化する。すると、このプラズマからEUV光を含む様々な波長成分よりなる光が放射される。そこで極端紫外光光源装置は、所望の波長成分、たとえば13.5nmの波長成分のEUV光を選択的に反射するEUV光集光ミラーを用いてEUV光を所定の位置に集光する。集光されたEUV光は、露光装置に入力される。EUV光集光ミラーの反射面には、たとえば、モリブデン(Mo)の薄膜とシリコン(Si)の薄膜とが交互に積層された構造を持つ多層膜(Mo/Si多層膜)が形成されている。この多層膜は、波長13.5nmのEUV光に対して高反射率(約60%から70%)を示す。
【0005】
ここで特許文献2には、LPP方式によるEUV光源装置用のドライバレーザであって、マスタオシレータ(Master Oscillator:MO)にCOガスレーザを用い、MOによって発振したレーザ光を、COガスレーザによって多段増幅するドライバレーザが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−266234号公報
【特許文献2】特開2006−135298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来のドライバレーザなどは、高精度かつ大出力のレーザ光を出力するために、ミラーなどの光学素子の高精度温度調節が必要であるとともに、電源装置の冷却が必要である。そこで従来は、光学素子や電源装置毎に、チラーなどの冷却装置を個別に設けていた。
【0008】
しかしながら、多段増幅のドライバレーザなどでは、複数のレーザ装置が設置されるため、各レーザ装置に各レーザ装置内の被温度調節部に対して個別に温度調節装置を設けることは、省エネルギー化を阻害するとともに、装置の大型化を招くという問題点があった。
【0009】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、COガスレーザ等のガスレーザ装置の温度制御における省エネルギー化を促進するとともに、装置の小型化を促進することができるガスレーザ装置用温度調節装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によるガスレーザ用温度調節装置は、精度の高い温度調節を必要とする第1被温度調節部と該第1被温度調節部に比して低い精度の温度調節を必要とし該第1被温度調節部に比して低いあるいは高い温度の温度調節を許容する第2被温度調節部とを有した複数の被温度調節装置を温度調節するガスレーザ装置用温度調節装置であって、各第1被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成する第1温度調節部と、各第2被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成する第2温度調節部と、前記第1温度調節部と各第1被温度調節部とを並列接続する第1配管系と、前記第2温度調節部と各第2被温度調節部とを並列接続する第2配管系と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明によるガスレーザ装置用温度調節装置は、精度の高い温度調節を必要とする第1被温度調節部と該第1被温度調節部に比して低い精度の温度調節を必要とし該第1被温度調節部に比して低いあるいは高い温度の温度調節を許容する第2被温度調節部とを有した複数の被温度調節装置を温度調節するガスレーザ装置用温度調節装置であって、各第1被温度調節部に対応して設けられ、少なくとも各第1被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成する複数の第1温度調節部と、各第1温度調節部と各第1被温度調節部とをそれぞれ接続して各第1温度調節部から前記冷却媒体あるいは加熱媒体を送出する複数の送り配管系と、各第1温度調節部と各第2被温度調節部とをそれぞれ接続して各第2被温度調節部からの前記冷却媒体あるいは加熱媒体を戻す複数の戻り配管系と、各第1被温度調節部と各第2被温度調節部とをそれぞれ連結して各第1被温度調節部から各第2被温度調節部に前記冷却媒体あるいは加熱媒体を送る複数の接続配管系と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるガスレーザ用温度調節装置は、電源部に接続された放電電極を備え、内部にガス状の増幅媒体が充填される放電部を備えたレーザ装置と、前記放電部に接続された配管と、前記配管を介して前記放電部へ供給される冷却水を冷却または加熱する熱交換器と、前記放電部を通過することで増幅されたレーザ光のエネルギーおよび/またはパワーを検出するエネルギーおよび/またはパワー検出部と、前記エネルギーおよび/またはパワー検出部の検出結果に基づいて前記冷却水を用いて前記放電部を温度制御する温度制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、第1温度調節部は、各第1被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成し、前記第1温度調節部と各第1被温度調節部とを並列接続する第1配管系を介して冷却媒体あるいは加熱媒体を各第1被温度調節部に流入させて温度調節を行い、第2温度調節部は、各第2被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成し、前記第2温度調節部と各第2被温度調節部とを並列接続する第2配管系を介して冷却媒体あるいは加熱媒体を各第2被温度調節部に流入させて温度調節を行うようにしているので、必要最小限の冷却能力のみで温度調節が可能となり、省エネルギー化を促進するとともに、装置の小型化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1において各ガスレーザ装置の増幅媒体として用いられるCOガスの温度に対する小信号利得を示す図である。
【図2】図2は、本実施の形態1によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図3】図3は、本実施の形態1の変形例によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図5】図5は、本実施の形態2の変形例1によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図6】図6は、本実施の形態2の変形例2によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図7】図7は、本実施の形態2の変形例3によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図8】図8は、本実施の形態2の変形例4によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図10】図10は、本実施の形態3の変形例によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態4によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図12】図12は、本実施の形態4の変形例によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態5によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図14】図14は、本実施の形態5の変形例1によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図15】図15は、本実施の形態5の変形例2によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図16】図16は、本実施の形態5の変形例3によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【図17】図17は、本発明の実施の形態6によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。
【図18】図18は、本実施の形態6の変形例1によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。
【図19】図19は、本実施の形態6の変形例2によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。
【図20】図20は、本発明の実施の形態7によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態によるガスレーザ装置用温度調節装置について説明する。
【0016】
(実施の形態1)
まず、図2は、本発明の実施の形態1によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。図2に示すように、ドライバレーザは、MOとしてのマスタOSCレーザ装置11、プリアンプレーザ装置12、第1メインアンプレーザ装置13、および第2メインアンプレーザ装置14を有する。マスタOSCレーザ装置11から出力された10.6μmの種光は、プリアンプレーザ装置12、第1メインアンプレーザ装置13、および第2メインアンプレーザ装置14を介して順次増幅される。増幅された大出力レーザ光は、EUV光を生成する極端紫外光光源装置15に入力される。ここで、マスタOSCレーザ装置11、プリアンプレーザ装置12、第1メインアンプレーザ装置13、および第2メインアンプレーザ装置14は、クリーンルームCR内に配置されるか、またはクリーンルームCR外でも極端紫外光光源装置15の近く(例えば階下など)に配置される。極端紫外光光源装置15は、クリーンルームCR内に配置される。もちろん、極端紫外光光源装置15が生成したEUV光を用いて露光する図示しない露光装置も、クリーンルームCR内に配置される。
【0017】
マスタOSCレーザ装置11、プリアンプレーザ装置12、第1メインアンプレーザ装置13、および第2メインアンプレーザ装置14のそれぞれは、放電部11a〜14a(11a,12a,13a,14a)および電源部11b〜14b(11b,12b,13b,14b)を有する。放電部11a〜14aは、出力ミラーなどの高精度の温度調節が必要なものを有する。たとえば、出力ミラーは、26±0.5℃に温度調節されることが必要とされる。一方、電源部11b〜14bは、出力ミラーほどの高精度の温度調節範囲は不要であり、かつ出力ミラーの調節温度よりも高い温度領域が許容される。たとえば、電源部11b〜14bは、35℃未満に温度調節されることが要求される。
【0018】
また、図1は、本実施の形態1において各ガスレーザ装置の増幅媒体として用いられるCOガスの温度に対する小信号利得を示す図である。なお、図1において、ラインL1〜L4は、放電部内における単位堆積あたりの分子数nが、それぞれ、n=0.5×1016−3、n=1×1016−3、n=2×1016−3、または、n=3×1016−3の場合のガス温度に対する小信号利得を示している。図1から明らかなように、COガスの温度が低下すればするほど、各ガスレーザ装置11〜14の小信号利得は増加する。すなわち、チラー1〜4の冷却能力を上げてガス温度を低くすることによって、電源部11b〜14bが放電部11a〜14aに供給する電力を小さくしてもレーザ光を所望のエネルギーおよび/またはパワーに増幅することが可能となる。これにより、各ガスレーザ装置11〜14の省エネルギー化、およびこれを備えた極端紫外光光源装置の省エネルギー化を実現することが可能となる。
【0019】
そこで、この実施の形態1では、各放電部11a〜14aを温度調節する冷却媒体、たとえば冷却水を生成するチラー1〜4を、それぞれ各放電部11a〜14aに対応して設ける。チラー1〜4は、温度調節された冷却排水を各放電部11a〜14aに供給することで、各電源部11b〜14bを冷却する。
【0020】
各チラー1〜4は、既存の冷却水を生成する工場内などの冷却水設備10から冷却水を取り込み、この冷却水を利用した熱交換器により、各放電部11a〜14aを温度調節する冷却水を生成する。各チラー1〜4と各放電部11a〜14aとの間には、温度調節用の冷却水を各放電部11a〜14aに送る送り配管L11〜L41(L11,L21,L31,L41)が設けられる。各放電部11a〜14aと各電源部11b〜14bとの間には、各放電部11a〜14aからの冷却排水を各電源部11b〜14bに送る接続配管L12〜L42(L12,L22,L32,L42)が設けられる。さらに、各電源部11b〜14bと各チラー1〜4との間には、電源部11b〜14bから排出された冷却排水を各チラー1〜4に戻す戻し配管L13〜L43(L13,L23,L33,L43)が設けられる。
【0021】
すなわち、各チラー1〜4によって冷却された冷却水は、各放電部11a〜14aに配管L11〜L41を介して送られ、高精度の温度調節に用いられる。この温度調節使用後の冷却排水は、電源部11b〜14bをたとえば35℃未満に冷却する能力を有する。そこで本実施の形態1では、各放電部11a〜14aを通過した冷却排水を、接続配管L12〜L42を介して電源部11b〜14bに入力する。これにより、電源部11b〜14bは、冷却排水を用いて温度調節される。そして、電源部11b〜14bを通過した温度調節使用後の冷却排水は、それぞれ戻り配管L13〜L43を介してチラー1〜4に戻る。チラー1〜4は、戻ってきた冷却排水を再び熱交換器により冷却する。これにより、冷却排水が、各放電部11a〜14aを温度調節する冷却水として再生される。なお、チラー1〜4内の熱交換器に使用された冷却水設備10からの冷却水は、冷却水設備10側に戻される。
【0022】
この実施の形態1では、各放電部11a〜14aおよび各電源部11b〜14bに対してそれぞれ個別にチラーなどの冷却装置を設けず、高精度の温度調節が必要な放電部11a〜14aに対してのみ個別に冷却装置を設けて高精度の温度調節を行い、この温度調節後の冷却排水を用いて、放電部11a〜14aに比して、精度が低く、高い温度の冷却水でも温度調節が可能な電源部11b〜14bを冷却するようにしているので、チラーなどの冷却能力を低減でき、省エネルギー化を促進するとともに、少ない数のチラーおよび配管で済むため、装置の小型化を促進することができる。
【0023】
(実施の形態1の変形例)
なお、放電部11a〜14aのそれぞれが異なる精度の被温度調節部を有する場合、たとえば、26±0.5℃に温度調節する必要がある出力ミラーの他に、23±1℃の温度調節を必要とする光学素子がある場合、図3に示すように、新たに、各放電部11a〜14aに対応したチラー21〜24および配管L14〜L44が設けられる。図3は、本実施の形態1の変形例によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。各放電部11a〜14aは、この個別に設けられたチラー21〜24を用いて個別に高精度に温度調節される。なお、チラー1〜4からの冷却排水に加えて、この高精度温度調節使用後の冷却排水を電源部11b〜14bの冷却に用いるようにしてもよいし、単独で電源部11b〜14bの冷却に用いるようにしてもよい。
【0024】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2によるガスレーザ装置用温度調節装置について、図面を用いて詳細に説明する。上述した実施の形態1では、放電部11a〜14aの冷却排水を電源部11b〜14bで用いた。これに対し、この実施の形態2では、複数の放電部11a〜14aを共通の1つのチラー32で温度調節するとともに、複数の電源部11b〜14bを共通の1つのチラー31で温度調節する。
【0025】
図4は、本実施の形態2によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。図4に示すように、チラー32と各放電部11a〜14aとは、配管L2によって共通接続される。これにより、複数の放電部11a〜14aが並列接続された状態となる。また、チラー31と各電源部11b〜14bとは、配管L1によって共通接続される。これにより、複数の電源部11b〜14bが並列接続された状態となる。
【0026】
この実施の形態2では、被温度調節部の温度調節内容毎に1つのチラー31または32を設けているので、それぞれのチラー31および32は、共通の被温度調節部の排熱に必要なだけの冷却能力を持てばよい。この構成により、効率のよい温度調節が可能となり、この結果、省エネルギー化と装置の小型化とを促進することができる。
【0027】
(実施の形態2の変形例1)
ここで、後段の増幅段ほど大きなレーザ出力を行うため、放電部11a〜14aのうち後段の増幅段の放電部ほど大きな冷却能力を必要とする。このため、同じ温度調節範囲の放電部が異なる冷却能力を要求する場合がある。たとえば、放電部12aの冷却能力に比して、放電部13aは大きな冷却能力を必要とする。
【0028】
そこで本実施の形態2の変形例1では、図5に示すように、各放電部11a〜14aに流入する冷却水の流量を調節する調節弁41〜44が設けられる。放電部11a〜14aの冷却能力は、放電部11a、放電部12a、放電部13a、放電部14aの順で大きくなる。また、調節弁41〜44の開口の大きさは、調節弁41、調節弁42、調節弁43、調節弁44の順で大きくなる。これにより、各放電部11a〜14aの冷却容量が異なっていても、1つのチラー32で全ての放電部11a〜14aを効率よく冷却することができる。また、全ての放電部11a〜14aを冷却するのに必要となるチラー32の冷却能力を小さくすることが可能となる。
【0029】
なお、図5に示すように、各調節弁41〜44の開口度を、各放電部11a〜14aの温度状態に応じてアクティブに調節可能に構成してもよい。この場合、弁制御部40が、各放電部11a〜14aの温度状態を検出し、得られた検出値に基づいて各調節弁41〜44の開口度を調節するフィードバック制御を行うことによって、流量制御を行うようにしてもよい。
【0030】
また、調節弁41〜44に替えて、配管径が異なる配管を放電部11a〜14aに接続してもよい。すなわち、各放電部11a〜14aの配管径が、放電部11a、放電部12a、放電部13a、放電部14aの順で大きくなるように予め設定しておいてもよい。
【0031】
さらに、図5に示すように、放電部11a〜14aと同様に、電源部11b〜14bを1つのチラー31に対して並列接続状態に共通接続して温度調節するようにしてもよい。この場合も、上述における放電部11a〜14aと同様に、電源部11b〜14bの必要な排熱機能も後段になるにしたがって大きくなるため、電源部11b〜14b側に調節弁を設けるか、あるいは配管径の異なる配管を電源部11b〜14bに接続してもよい。
【0032】
(実施の形態2の変形例2)
また、図6は、本実施の形態2の変形例2によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。図6に示すように、放電部11a〜14a内に異なる高精度の温度調節が必要な部分(高精度被温度調節部)がある場合、新たに1つのチラー33と、この高精度被温度調節部に共通接続される配管L3とが設けられる。配管L3によって、放電部11a〜14aが並列接続された状態になる。これにより、各放電部11a〜14a内の高精度被温度調節部に対する温度調節を一括して行うことが可能となる。
【0033】
(実施の形態2の変形例3)
ところで、上述した電源部11b〜14bは、温度調節範囲が広く、許容温度の上限も放電部11a〜14aに比して高いため、図7に示すように、チラー31を設けずに、冷却水設備10の冷却水をそのまま用いて冷却されてもよい。この場合も、配管は複数の電源部11b〜14bに共通接続される。これにより、配管の構成が小さくなる。なお、図7は、本実施の形態2の変形例3によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【0034】
(実施の形態2の変形例4)
また、上述した実施の形態2の変形例3によるガスレーザ装置用温度調節装置は、図5に示したガスレーザ装置用温度調節装置の構成に対してチラー31が削除された構成を備えた。これに対し、この実施の形態2の変形例4は、図8に示すように、図6に示したガスレーザ装置用温度調節装置の構成に対してチラー33が削除された構成を備える。この構成によっても、ガスレーザ装置用温度調節装置の省エネルギー化および小型化を一層促進することができる。なお、図8は、本実施の形態2の変形例4によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。
【0035】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3によるガスレーザ装置用温度調節装置について、図面を用いて詳細に説明する。上述した実施の形態1では、放電部11a〜14aからの冷却排水を、電源部11b〜14bに用いていた。これに対し、この実施の形態3では、実施の形態2と同様な共通接続を行う場合に、冷却排水を利用する。これにより、さらなる省エネルギー化を実現することができる。
【0036】
図9は、本発明の実施の形態3によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。図9に示すように、チラー32と各放電部11a〜14aとは、並列に共通接続される。各放電部11a〜14aからの冷却排水は、再びチラー32に戻される。ここで、冷却水設備10から供給される冷却水の温度が十分に低ければ、チラー32での熱交換に使われた後の冷却排水でも、電源部11b〜14bの冷却に十分な冷却能力を有する。そこで本実施の形態3では、チラー32から電源部11b〜14bに並列に共通接続された送り配管L1aを設ける。各電源部11b〜14bは、送り配管L1aを介して送られるチラー32からの冷却排水によって冷却される。この電源部11b〜14bを通った冷却排水は、各電源部11b〜14bと冷却水設備10との間を共通接続する戻り配管によって冷却水設備10側に戻される。
【0037】
この実施の形態3では、チラー32からの冷却排水を再利用して電源部11b〜14bを冷却するので、一層、省エネルギー化を促進することができる。加えて、電源部11b〜14bを冷却するためのチラーを設ける必要がないので、装置の小型化をも促進することができる。特に、図7に示した実施の形態2の変形例2では、冷却水設備10から供給する水量がチラー32の冷却に必要な分と各電源部11b〜14bの冷却に必要な分との合計であるのに対し、図9に示した実施の形態3では、チラー32に必要な分の水量で済む。これにより、省エネルギー化を促進することができる。
【0038】
(実施の形態3の変形例)
図10は、本実施の形態3の変形例によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。図10に示すように、図8に対応した構成の場合にも、送り配管L1aを用いて、チラー32からの冷却排水を有効利用するようにしてもよい。
【0039】
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4によるガスレーザ装置用温度調節装置について、図面を用いて詳細に説明する。この実施の形態4では、1つのチラーが複数の放電部に並列接続された構成において、実施の形態1と同様に、各レーザ装置内で放電部11a〜14aからの冷却排水を直接、電源部11b〜14bに用いる。
【0040】
図11は、本発明の実施の形態4によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。図11に示すように、チラー51から放電部11a〜14aへの送り配管L5aは、並列に共通接続される。また、各放電部11a〜14aからの冷却排水は、各放電部11a〜14aと各電源部11b〜14bとの間を接続する接続配管L51〜L54を介してそれぞれ各電源部11b〜14b側に送られる。さらに、各電源部11b〜14bからチラー51への戻り配管L5bは、各電源部11b〜14bに並列に共通接続される。
【0041】
この結果、実施の形態1と同様に、各レーザ装置内で、放電部11a〜14aからの冷却排水が電源部11b〜14bで用いられる。しかも、チラー51と各放電部11a〜14aと各電源部11b〜14bとは並列接続されているため、1つのチラー51のみを用いて実現できる。したがって、この実施の形態4では、省エネルギー化と装置の小型化とを促進することができる。
【0042】
(実施の形態4の変形例)
図12は、本実施の形態4の変形例によるガスレーザ装置用温度調節装置を極端紫外光光源装置のドライバレーザに適用した場合の構成を示す模式図である。図12に示すように、放電部11a〜14aに異なる高精度の被温度調節部がある場合には、この被温度調節部を共通接続した配管L6aおよびL6bと、1つのチラー61とを設けることによって、複数の高精度被温度調節部に対する効率的な温度調節を行うことができる。
【0043】
(実施の形態5)
上述した実施の形態1〜4では、冷却水設備10とは別のチラーを設けた。ただし、このチラーは、冷却水設備10内に組み込まれていてもよい。
【0044】
たとえば、図13に示す例では、図7に示したチラー32が冷却水設備10内に組み込まれる。これにより、高精度冷却装置10aとしてチラー32の機能が実現される。また、図14に示す例では、図8に示したチラー31および32が冷却水設備10内に組み込まれる。これにより、高精度冷却装置10bおよび10aとしてチラー31および32の機能が実現される。さらに、図15に示す例では、図11に示したチラー51が冷却水設備10内に組み込まれる。これにより、高精度冷却装置10aとしてチラー51の機能が実現される。さらに、図16に示す例では、図12に示したチラー51および61が冷却水設備10内に組み込まれる。これにより、高精度冷却装置10aおよび10bとしてチラー51および61の機能が実現される。なお、大きな冷却能力を必要としない電源部11b〜14bに対しては、図13または図14に示すように、チラーを設けずに、直接、冷却水設備10の冷却水を用いることが好ましい。
【0045】
この実施の形態5では、チラーを別途、独立配置せずに、冷却水設備10内に設けたので、装置全体を小型化することができるとともに、冷却装置としてのチラーの構成を容易かつ簡易に実現することができる。
【0046】
(実施の形態6)
つぎに、本発明の実施の形態6について、図面を用いて詳細に説明する。図17は、本実施の形態6によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。図17に示すように、本実施の形態6によるガスレーザ装置用温度調節装置は、結露防止パージがされたレーザ装置111およびチラー101を備える。レーザ装置111は、対向する放電電極111cおよび111dが設けられた放電部111aと、放電部111a内に充填されたCOガスの温度を検出するガス温度センサ112と、放電電極111cおよび111dに電圧を印加する電源部111bと、を備える。一方、チラー101は、温調器102と熱交換器103とを備える。レーザ装置111とチラー101とは、結露防止された断熱配管104によって接続される。
【0047】
チラー101からレーザ装置111へ接続される断熱配管104の内部には、熱交換器103によって冷却された冷却水が流れる。この断熱配管104は、レーザ装置111の放電部111aにまで配管されている。したがって、放電部111a内のCOガスは、チラー101から断熱配管104を介して送られた冷却水によって冷却される。放電部111aにはガス冷却を効率的に行うために、冷却水が通過する図示しないラジエータがガス流路上に設置されていても良い。放電部111aを冷却した後の冷却排水は、たとえば上述の実施の形態1と同様に、レーザ装置111から電源部111bを経由してチラー101へ戻る断熱配管104を通ってチラー101へ戻る。この際、電源部111bを冷却する。その後、チラー101内に戻った冷却排水は、断熱配管104上に配置された熱交換器103によって冷却水に再生される。
【0048】
レーザ装置111の放電部111aを通過することで増幅されたレーザ光LL1は、その一部がビームサンプラー121によって反射される。ビームサンプラー121の反射先には、レーザ光のエネルギーおよび/またはパワーを検出するディテクタ120が配置される。これにより、増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーが検出される。
【0049】
ガス温度センサ112により検出された放電部111a内のCOガスの温度と、ディテクタ120により検出された増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーとは、レーザコントローラ100に入力される。レーザコントローラ100は、ガス温度センサ112からの温度とディテクタ120からのエネルギーおよび/またはパワーとに基づいて温調器102と電源部111bを制御する。たとえば、所望のエネルギーおよび/またはパワーとなるよう電源部111bを運転し、温調器102はガス温度が一定となるよう動作させておく。このような場合において、電極消耗や放電部の劣化等によって、ある電源出力に対して所望のエネルギーおよび/またはパワーが得られなくなったとき、レーザコントローラ100は温調器102により冷却水温度を低下させることでガス温度を低下させ、所望のエネルギーおよび/またはパワーを得られるようにする。このようなことが可能なのは、図1において説明したようにガス温度を低下させて小信号利得を増加させ、増幅後のエネルギーおよび/またはパワーを増加させ得るためである。または、予め温調器102を最大能力で運転しておき、電源部111bから放電部111aに供給する電力を所望のエネルギーおよび/またはパワーが得られる範囲で低下させ、電源部111bにおける消費電力を低減するようにしても良い。本実施例のような多段のレーザ増幅システムの構成要素の中では電源部の消費電力が最も大きい。このため電源部の消費電力を低減することは劇的な省エネルギーを実現する。このように、放電部111a内のCOガスの温度と増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーとが所望の値となるように、レーザ装置111へ供給する冷却水の温度と電源部111bの出力電力が制御される。
【0050】
(実施の形態6の変形例1)
なお、上記の実施の形態6では、放電部111a内のCOガスの温度と増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーとに基づいて、チラー101からレーザ装置111へ供給する冷却水の温度と電源部111bの出力電力を制御する場合を例に挙げた。ただし、これに限らず、たとえば図18に示すように、チラー101からレーザ装置111への断熱配管104上にコントロールバルブ105を設けるとともに、レーザ装置111からチラー101への断熱配管104上に圧送ポンプ106を設けてもよい。図18は、本実施の形態6の変形例1によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。図18に示す構成では、レーザコントローラ100には、ディテクタ120で検出された増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーが入力される。レーザコントローラ100は、入力されたエネルギーおよび/またはパワーが所定値となるように、コントロールバルブ105および圧送ポンプ106を制御する。これにより、チラー101からレーザ装置111へ流れる冷却水の流量が制御され、この結果、放電部111a内のCO2ガスの温度が調節される。
【0051】
(実施の形態6の変形例2)
また、たとえば図19に示すように、図18に示す構成において、チラー101からレーザ装置111への断熱配管104上に、チラー101からレーザ装置111へ流れる冷却水の流量を検出する流量センサ107を設けてもよい。図19は、本実施の形態6の変形例2によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。図19に示す構成では、レーザコントローラ100には、ディテクタ120で検出された増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーと、流量センサ107で検出された冷却水の流量とが入力される。レーザコントローラ100は、入力された増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーと冷却水の流量とに基づいてコントロールバルブ105を制御する。これにより、増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーとチラー101からレーザ装置111へ流れる冷却水の流量とが所望の値もしくはそれ以上となるように、レーザ装置111へ供給する冷却水の流量が制御される。
【0052】
(実施の形態7)
つぎに、本発明の実施の形態7について、図面を用いて詳細に説明する。図20は、本実施の形態7によるガスレーザ装置用温度調節装置の概略構成を示す模式図である。図20に示すように、本実施の形態7によるガスレーザ装置用温度調節装置は、図17に示すガスレーザ装置用温度調節装置と同様の構成において、チラー101およびレーザ装置111それぞれの内部に露点計108および118が設けられる。なお、チラー101およびレーザ装置111の内部は、結露防止パージがなされていなくともよい。
【0053】
露点計108および118で検出された露点温度は、レーザコントローラ100に入力される。レーザコントローラ100には、ガス温度センサ112で検出された放電部111a内部のCOガスの温度と、ディテクタ120で検出された増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーも入力される。レーザコントローラ100は、露点計108および118で検出された露点温度の低い方の露点温度と放電部111a内部のCOガスの温度とを比較して、たとえばCOガスの温度が露点温度より低くならないように温調器102を制御する。レーザコントローラ100はまた、増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーとに基づいて温調器102を制御する。これにより、チラー101およびレーザ装置111内の結露を防止しつつ、放電部111a内のCOガスの温度と増幅後のレーザ光LL1のエネルギーおよび/またはパワーとが所望の値もしくはそれ以上となるように、レーザ装置111へ供給する冷却水の温度が制御される。なお、本実施例では露点計を用いているが、これに限らず結露発生の有無を検出できれば良いのであって、レーザ装置およびチラーにおいて最も低温となる部位に曇りセンサーを配して代替としても良い。また、たとえば気温を検出する温度センサーと湿度計等の空気中の水蒸気圧を検出するセンサーを組み合わせても良い。レーザコントローラは、これらセンサーの検出値から露点温度を計算するようにする。
【0054】
なお、上述した実施の形態1〜7では、いずれもガスレーザ装置用温度調節装置としてチラーなどの冷却装置について説明したが、これに限らず、加熱装置によって温度調節するものであってもよい。
【0055】
さらに、冷却水を一例にあげて説明したが、冷却媒体は、冷却水に限らない。さらに、加熱媒体であってもよい。また、媒体は、流体であればよく、液体に限らず、気体であってもよい。
【0056】
また、上述した実施の形態1〜7では、極端紫外光光源装置に用いられるドライバレーザを一例にあげて説明したが、これに限らず、加工用のドライバレーザであってもよく、さらには、複数の被温度調節装置内に、異なる精度の被温度調節対象が含まれる装置であればよい。
【符号の説明】
【0057】
1〜4,21〜24,31〜33,51,61 チラー
10 冷却水設備
10a,10b 高精度冷却装置
11 マスタOSCレーザ装置
11a,12a,13a,14a 放電部
11b,12b,13b,14b 電源部
12 プリアンプレーザ装置
13 第1メインアンプレーザ装置
14 第2メインアンプレーザ装置
15 極端紫外光光源装置
40 弁制御部
41〜44 調節弁
100 レーザコントローラ
101 チラー
102 温調器
103 熱交換器
104 断熱配管
105 コントロールバルブ
106 圧送ポンプ
107 流量センサ
108、118 露点計
111 レーザ装置
111a 放電部
111b 電源部
111c、111d 放電電極
112 ガス温度センサ
120 ディテクタ
121 ビームサンプラー
CR クリーンルーム
L,L1〜L3,L1a,L11〜L14,L21〜L24,L31〜L34,L41〜L44,L51〜L54,L5a,L5b,L6a,L6b 配管
LL1 レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精度の高い温度調節を必要とする第1被温度調節部と該第1被温度調節部に比して低い精度の温度調節を必要とし該第1被温度調節部に比して低いあるいは高い温度の温度調節を許容する第2被温度調節部とを有した複数の被温度調節装置を温度調節するガスレーザ装置用温度調節装置であって、
各第1被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成する第1温度調節部と、
各第2被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成する第2温度調節部と、
前記第1温度調節部と各第1被温度調節部とを並列接続する第1配管系と、
前記第2温度調節部と各第2被温度調節部とを並列接続する第2配管系と、
を備えたことを特徴とするガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項2】
各第1被温度調節部および/または各第2被温度調節部に対して流れる媒体の流量を調節する流量調節部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項3】
各第1被温度調節部および/または各第2被温度調節部の温度調節容量に応じて各第1被温度調節部および/または各第2被温度調節部に対する配管径を異ならせることを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項4】
前記第1温度調節部および前記第2温度調節部は、1つの温度調節部であり、
前記第2配管系の各第2被温度調節部への出力配管の基端は前記1つの温度調節部に接続され、
前記1つの温度調節部は、前記第1配管系の戻り配管内の媒体を温度調節して各第2被温度調節部に送ることを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項5】
前記冷却媒体は、既存の冷却水であり、
前記第1温度調節部および/または前記第2温度調節部は、前記冷却水をそのまま各第1被温度調節部および/または各第2被温度調節部に出力することを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項6】
前記既存の冷却水は、上位の冷却設備内で一括生成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項7】
前記第1温度調節部および/または前記第2温度調節部は、前記所定の冷却設備内に組み込まれていることを特徴とする請求項6に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項8】
精度の高い温度調節を必要とする第1被温度調節部と該第1被温度調節部に比して低い精度の温度調節を必要とし該第1被温度調節部に比して低いあるいは高い温度の温度調節を許容する第2被温度調節部とを有した複数の被温度調節装置を温度調節するガスレーザ装置用温度調節装置であって、
各第1被温度調節部に対応して設けられ、少なくとも各第1被温度調節部を温度調節する冷却媒体あるいは加熱媒体を生成する複数の第1温度調節部と、
各第1温度調節部と各第1被温度調節部とをそれぞれ接続して各第1温度調節部から前記冷却媒体あるいは加熱媒体を送出する複数の送り配管系と、
各第1温度調節部と各第2被温度調節部とをそれぞれ接続して各第2被温度調節部からの前記冷却媒体あるいは加熱媒体を戻す複数の戻り配管系と、
各第1被温度調節部と各第2被温度調節部とをそれぞれ連結して各第1被温度調節部から各第2被温度調節部に前記冷却媒体あるいは加熱媒体を送る複数の接続配管系と、
を備えたことを特徴とするガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項9】
1つの前記第1被温度調節部に精度の高い異なる温度調節を必要する複数の高精度被温度調節部がある場合、各高精度被温度調節部に対して前記第1温度調節部に対応する高精度温度調節部、および該高精度温度調節部と高精度被温度調節部とを接続する配管系をさらに設けることを特徴とする請求項8に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項10】
前記複数の第1温度調節部は、1つの温度調節部であり、
各送り配管系は、前記1つの温度調節部に共通接続されて各第1被温度調節部が並列接続され、
各戻り配管系は、前記1つの温度調節部に共通接続されて各第2被温度調節部が並列接続されることを特徴とする請求項8に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項11】
各第1被温度調節部に対して流れる媒体の流量を調節する流量調節部を備えたことを特徴とする請求項10に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項12】
各第1被温度調節部の温度調節容量に応じて前記送り配管系、前記戻り配管系、および接続配管系の配管径を異ならせることを特徴とする請求項10に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項13】
前記冷却媒体は、既存の冷却水であり、
前記第1温度調節部および/または前記高精度温度調節部は、前記冷却水をそのまま各第1被温度調節部および/または各高精度被温度調節部に送ることを特徴とする請求項8に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項14】
前記既存の冷却水は、上位の冷却設備内で一括生成されたものであることを特徴とする請求項8に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項15】
前記第1温度調節部および/または前記高精度温度調節部は、前記所定の冷却設備内に組み込まれていることを特徴とする請求項14に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項16】
電源部に接続された放電電極を備え、内部にガス状の増幅媒体が充填される放電部を備えたレーザ装置と、
前記放電部に接続された配管と、
前記配管を介して前記放電部へ供給される冷却水を冷却または加熱する熱交換器と、
前記放電部を通過することで増幅されたレーザ光のエネルギーおよび/またはパワーを検出するエネルギーおよび/またはパワー検出部と、
前記エネルギーおよび/またはパワー検出部の検出結果に基づいて前記冷却水を用いて前記放電部を温度制御する温度制御部と、
を備えたことを特徴とするガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項17】
前記熱交換器による冷却または加熱を制御する温調器をさらに備え、
前記温度制御部は、前記エネルギーおよび/またはパワー検出部で検出されたエネルギーおよび/またはパワーに基づいて前記温調器を制御して前記放電部へ供給される前記冷却水の温度を調整することで、前記放電部を温度制御することを特徴とする請求項16に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項18】
前記配管を介して前記放電部へ流れる前記冷却水の流量を制御する流量制御部をさらに備え、
前記温度制御部は、前記エネルギーおよび/またはパワー検出部で検出されたエネルギーおよび/またはパワーに基づいて前記流量制御部を制御して前記放電部へ供給される前記冷却水の流量を調整することで、前記放電部を温度制御することを特徴とする請求項16に記載のガスレーザ装置用温度調節装置。
【請求項19】
前記放電部内部の前記増幅媒体の温度を検出する温度検出部をさらに備え、
前記温度制御部は、前記エネルギーおよび/またはパワー検出部で検出されたエネルギーおよび/またはパワーおよび前記温度検出部で検出された温度に基づいて、前記冷却水を用いて前記放電部を温度制御することを特徴とする請求項16に記載のガスレーザ用温度調節装置。
【請求項20】
前記配管を介して前記放電部へ流れる前記冷却水の流量を検出する流量検出部をさらに備え、
前記温度制御部は、前記エネルギーおよび/またはパワー検出部で検出されたエネルギーおよび/またはパワーおよび前記流量検出部で検出された流量に基づいて、前記冷却水を用いて前記放電部を温度制御することを特徴とする請求項16に記載のガスレーザ用温度調節装置。
【請求項21】
前記レーザ装置内部で結露が発生したか否かを検出する露点検出部をさらに備え、
前記温度制御部は、前記エネルギーおよび/またはパワー検出部で検出されたエネルギーおよび/またはパワーおよび前記露点検出部で検出された結露発生の有無に基づいて、前記冷却水を用いて前記放電部を温度制御することを特徴とする請求項16に記載のガスレーザ用温度調節装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−219516(P2010−219516A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35305(P2010−35305)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】