説明

ガゼット袋及び口部材付ガゼット袋、並びにそれらの製造方法

【課題】手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくいガゼット袋及び口部材付ガゼット袋、並びにそれらの製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】対向する一対の平面部11、12と、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部13、14からなるガゼット袋10と、口部材20とを有し、平面部11及び一対の側面部13、14が第1のフィルム材からなり、平面部12が第2のフィルム材からなり、前記第1のフィルム材と第2のフィルム材の側縁部同士がシールされて側縁シール部が形成されている口部材付ガゼット袋1。また、口部材付ガゼット袋1の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガゼット袋及び口部材付ガゼット袋、並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼリー飲料等の液体状又は半液体状の内容物の包装袋としては、スタンディングパウチや、フラットボトムタイプのガゼット袋が用いられている。特にゼリー飲料等を収容する用途の場合、手で握りつぶすようにして内容物を容易に押し出せるガゼット袋が広く用いられている。
【0003】
例えば、図12及び図13に示すように、対向する一対の平面部111、111と、平面部111、111の両方の側縁同士を接続する、それぞれ対応するように内部側に折り込まれた一対の側面部112、112とからなるガゼット袋110と、ガゼット袋110に取り付けられ、ガゼット袋110から内容物を排出する口部材120とを具備する口部材付ガゼット袋101が知られている(例えば、特許文献1)。
口部材付ガゼット袋101では、平面部111の側縁部と側面部112の側縁部がヒートシールされることで4本の側縁シール部113が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−196414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、口部材付ガゼット袋101では、手で強く握った場合に、側縁シール部113が手に当たって痛みを感じることがある。すなわち、側縁シール部113はガゼット袋110の外部方向に向かって張り出した形態となっており、側縁シール部113の剛性は高く、その末端113aが比較的鋭いため、手で握ったときに末端113aが手に食い込むことで痛みを感じることがある。特に、内容物がゼリー飲料等の場合、通常はガゼット袋110を手で握りつぶすようにして内容物を押し出して食べる。そのため、ガゼット袋110を手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくいようにすることが望まれる。
【0006】
本発明は、手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくいガゼット袋、及び該ガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋の提供を目的とする。
また、本発明は、手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくいガゼット袋の製造方法、及び該ガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]対向する一対の平面部と、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部からなるガゼット袋であって、
前記一対の平面部及び一対の側面部が、一方の平面部と少なくとも一方の側面部を形成する第1のフィルム材と、残りの部分を形成する第2のフィルム材からなり、
前記第1のフィルム材の側縁部と、前記第2のフィルム材の側縁部とがシールされて側縁シール部が形成されたガゼット袋。
[2]前記第1のフィルム材が、一方の平面部及び前記一対の側面部を形成するフィルム材であり、前記第2のフィルム材が他方の平面部を形成するフィルム材である、[1]に記載のガゼット袋。
[3][1]又は[2]に記載のガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋。
[4][2]に記載のガゼット袋を連続的に製造する方法であって、下記工程(α1)及び(α2)を有するガゼット袋の製造方法。
(α1)一方の平面部及び一対の側面部を形成する長尺の第1のフィルム材を、前記一方の平面部及び一対の側面部が複数並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、他方の平面部を形成する長尺の第2のフィルム材と共に搬送し、
前記第1のフィルム材における隣り合う側面部の間の部分、及び両端側に位置する側面部の側端側の部分と、前記第2のフィルム材とを、長手方向に沿って溶着して切断し、前記側縁シール部が2本形成された前記平面部と前記側面部を有する筒状のフィルム材を複数得る工程、
(α2)前記筒状のフィルム材に対して、短手方向に沿ったヒートシール及び切断を行い、該筒状のフィルム材を長手方向に複数に分断する工程。
[5][4]に記載のガゼット袋の製造方法を用いた口部材付ガゼット袋の製造方法であって、長手方向に複数に分断された前記筒状のフィルム材の上部を封じる際に口部材を取り付ける、口部材付ガゼット袋の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋は、手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくい。
また、本発明のガゼット袋の製造方法によれば、手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくいガゼット袋が得られる。
また、本発明の口部材付ガゼット袋の製造方法によれば、手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくいガゼット袋に、口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の口部材付ガゼット袋の一例を示した正面図である。
【図2】図1の口部材付ガゼット袋の背面図である。
【図3】図1の口部材付ガゼット袋を直線I−I’で切断したときの断面図である。
【図4】図1の口部材付ガゼット袋に内容物を収容した様子を示した斜視図である。
【図5】図1の口部材付ガゼット袋の上部シール部近傍を拡大した正面図である。
【図6】図5の口部材付ガゼット袋を直線II−II’で切断したときの断面図である。
【図7】本発明の口部材付ガゼット袋の製造工程を示した斜視図である。
【図8】本発明の口部材付ガゼット袋の製造工程を示した断面図である。
【図9】本発明の口部材付ガゼット袋の製造工程を示した斜視図である。
【図10】本発明の口部材付ガゼット袋の製造工程を示した断面図である。
【図11】本発明のガゼット袋の他の例を示した断面図である。
【図12】従来の口部材付ガゼット袋の一例を示した正面図である。
【図13】図12の口部材付ガゼット袋を直線III−III’で切断したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋は、口部材の有無以外は、同様の形態のガゼット袋である。すなわち、本発明のガゼット袋は、口部材を有さない以外は口部材付ガゼット袋と同様の形態の袋である。以下、本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋の実施形態として、口部材を有する口部材付ガゼット袋の一例を示して詳細に説明する。
【0011】
本実施形態の口部材付ガゼット袋1は、図1に示すように、ガゼット袋10と、ガゼット袋10の上部に液密に取り付けられた口部材20とを有する。
ガゼット袋10は、図1〜3に示すように、対向する一対の平面部11、12と、平面部11、12の側縁同士を接続する、対向する一対の側面部13、14とからなる。平面部11と一対の側面部13、14は、1枚のフィルム材から形成されている。つまり、この例のガゼット袋10は、平面部11及び一対の側面部13、14を形成する第1のフィルム材と、平面部12を形成する第2のフィルム材の2枚のフィルム材で形成されている。
側面部13、14は、それぞれ折込線13a、14aが対応するようにガゼット袋10の内部側に折り込まれている。
【0012】
図2及び図3に示すように、第2のフィルム材により形成される平面部12の両方の側縁部と、第1のフィルム材により形成される側面部13及び側面部14のそれぞれの側縁部がヒートシールされた側縁シール部15が2本形成され、図1及び図2に示すように、上部において平面部11、12及び側面部13、14がシールされた上部シール部16が形成され、その下部において平面部11、12及び側面部13、14の内面同士がヒートシールされた下部シール部17が形成されることで、ガゼット袋10が形成されている。これにより、口部材付ガゼット袋1は、図4に示すように、ガゼット袋10内に内容物を収容できるようになっている。
【0013】
上部シール部16においては、平面部11、12及び側面部13、14の内面同士がヒートシールされている。また、上部シール部16においては、側面部13、13及び側面部14、14の接触面同士がシールされることが好ましい。上部シール部16における側面部13、13及び側面部14、14の接触面同士のシールは、例えば、図5及び図6に示すように、側面部13及び側面部14のそれぞれの側縁近傍における対向する位置にパンチ穴が形成され、該パンチ穴内で平面部11、12の内面11a、12aがヒートシールされたシール部18が形成されることで行われる。また、上部シール部16における側面部13、13及び側面部14、14の接触面同士は、接着剤、ヒートシール性を有するフィルムを使用したヒートシール、又は両面粘着テープにより直接接着されていてもよい。
【0014】
口部材付ガゼット袋1のガゼット袋10は、第1のフィルム材の側縁部と第2のフィルム材の側縁部同士がシールされるので、側縁シール部が2本である。これにより、従来の側縁シール部が4本のガゼット袋に比べて、手に当たる側縁シール部が少なく、手で握りつぶすようにしても痛みを感じにくい。
また、口部材付ガゼット袋1は、ガゼット袋10の平面部11及び側面部13、14が1枚のフィルム材で形成されているので、図4に示すように、ガゼット袋10の平面部11側には側縁シール部が形成されておらず、張り出した部分が存在しない。そのため、ガゼット袋10を平面部11側から手で把持した場合に、ガゼット袋10の手の平に触れる部分が滑らかであるのでさらに痛みを感じにくい。
【0015】
第2のフィルム材により形成される平面部12の幅d(図3)は、第1のフィルム材により形成される平面部11の幅d(図3)に対して、±5mmの範囲内であることが好ましい。これにより、握ったときに痛みを感じにくいガゼット袋10をより簡便に製造できる。
【0016】
対向する一対の平面部11、12は、口部材付ガゼット袋1の前面と背面をそれぞれ構成している。本発明では、平面部11を前面、平面部12を背面として使用してもよく、平面部12を前面、平面部11を背面として使用してもよい。
【0017】
平面部11及び側面部13、14を形成する第1のフィルム材としては、単層フィルム、又は多層構造を有する積層フィルムが挙げられる。第1のフィルム材は、様々な機能を付与できる点から、積層フィルムであることが好ましく、ヒートシールが可能な最内層と、機能層と、最外層とを有する積層フィルムがより好ましい。
【0018】
最内層として用いるフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリオレフィン樹脂、又はこれらの混合樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、及びエチレン−メタクリル酸共重合体からなる群から選ばれる1種以上からなる未延伸フィルムが挙げられる。
最内層の厚さは、30〜200μmが好ましい。
【0019】
最外層として用いるフィルムとしては、機械適性、印刷適性が高いフィルムが好ましい。例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系等の合成樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのフィルムは、未延伸フィルムであってもよく、一軸方向又は二軸方向に延伸した延伸フィルムであってもよい。最外層として用いるフィルムは、印刷適性の点から、一軸方向又は二軸方向に延伸した延伸フィルムを用いることが好ましい。
具体的には、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリアミド(ONY)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)等の延伸プラスチックフィルム等が挙げられる。
また、必要に応じて合成紙、セロハン、紙、不織布等を使用することもできる。
最外層の厚さは、12〜25μmが好ましい。
【0020】
機能層は、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等、要求される機能に応じて適宜選択できる。
機能層に用いるフィルムとしては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルム、又はこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルム若しくはアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機物を蒸着したフィルム、ポリ塩化ビニリデン等のフィルムや、断熱性を有する不織布や発泡フィルムが挙げられる。
機能層は、1層であってもよく、2層以上であってもよい。
機能層の厚さは、ガセット袋10に要求される機能を満たすことができる厚さであればよく、6〜20μmが好ましい。
【0021】
また、第1のフィルム材は、機能層を設ける代わりに、最外層に用いるフィルムとして、蒸着層を設けた蒸着フィルムを用いてもよい。
蒸着層としては、例えば、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機物が挙げられる。
第1のフィルム材の具体例としては、例えば、最外層から順に、PET(12μm)/Al(7μm)/ONY(15μm)/LLDPE(60μm)からなるフィルムが挙げられる。
【0022】
平面部12を形成する第2のフィルム材は、平面部11及び側面部13、14を形成する第1のフィルム材として挙げたものと同じものが使用できる。第2のフィルム材の少なくとも最内層は、シール性の点から、第1のフィルム材の最内層と同一であることが好ましい。
【0023】
口部材20は、図1及び図2に示すように、ガゼット袋10内に挿入され、内容物を注出する注出管21と、注出管21の上部に螺合せしめて、注出管21の注出口を密閉するキャップ22とを有する。口部材20は、注出管21が平面部11、12の上縁部同士で挟持された状態で、ヒートシールにより上部シール部16に液密に取り付けられている。
【0024】
口部材20の材質としては、少なくとも注出管21の平面部11の内面とシールされる部分は合成樹脂である。
口部材20の注出管21の少なくともシール部分を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。なかでも、加工性に優れ、低コストである点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、性能向上のためにブレンドされていてもよく、耐熱性向上等を目的として一部架橋されていてもよい。
【0025】
口部材20は単一の材料から形成されていてもよく、あるいは種々の樹脂層からなる多層構造が形成されていてもよい。
口部材20の注出管21の少なくともシール部分を形成する樹脂は、シール性の点から、平面部11の最内層及び平面部12の最内層を形成する樹脂と同種の樹脂で形成されていることが好ましい。
【0026】
(製造方法)
本発明のガゼット袋の製造方法としては、下記工程(α1)及び工程(α2)を有する方法が挙げられる。該製造方法は、第1のフィルム材が一方の平面部及び一対の側面部を形成するフィルム材であり、第2のフィルム材が他方のフィルム材を形成するフィルム材であるときに好適である。
(α1)一方の平面部及び一対の側面部を形成する長尺の第1のフィルム材を、前記一方の平面部及び一対の側面部が複数並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、他方の平面部を形成する長尺の第2のフィルム材と共に搬送し、
前記第1のフィルム材における隣り合う側面部の間の部分、及び両端側に位置する側面部の側端側の部分と、前記第2のフィルム材とを、長手方向に沿って溶着して切断し、前記側縁シール部が2本形成された前記平面部と前記側面部を有する筒状のフィルム材を複数得る工程、
(α2)前記筒状のフィルム材に対して、短手方向に沿ったヒートシール及び切断を行い、該筒状のフィルム材を長手方向に複数に分断する工程。
口部材付ガゼット袋の製造の場合は、工程(α2)において、複数に分断した前記筒状のフィルム材の上部を封じる際に口部材を取り付ける。
以下、ガゼット袋10を有する口部材付ガゼット袋1の場合を例にして詳細に説明する。
【0027】
工程(α1):
図7に示すように、平面部11及び一対の側面部13、14を形成する長尺の第1のフィルム材10Aを、平面部11及び一対の側面部13、14が複数並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、平面部12を形成する長尺の第2のフィルム材10Bと共に、ロール等で搬送する。
次いで、図8に示すように、第1のフィルム材10Aにおける隣り合う側面部13と側面部14の間の部分と、第2のフィルム材10Bとを、長手方向に沿ってヒートシールする。さらに、第1のフィルム材10Aの一方の側端側に位置する側面部13から該側端側の部分、及び第1のフィルム材10Aの他方の側端側に位置する側面部14から該側端側の部分と、第2のフィルム材10Bとも、長手方向に沿ってヒートシールして、側縁シール部15となるヒートシール部15Aを形成していく。そして、第1のフィルム材10Aと第2のフィルム材10Bのヒートシール部15Aを、直線Xに沿って、すなわちヒートシール部15Aの中央部分で長手方向に沿って切断して、図9に示すように、側縁シール部15が2本形成された平面部11、12及び側面部13、14を有する筒状のフィルム材を複数切り出す。
【0028】
工程(α2):
工程(α1)で得られた筒状のフィルム材に対して、直線Yに沿って、すなわち第1のフィルム材10Aと第2のフィルム材10Bの長手方向に一定の間隔を空けて、短手方向に沿って、下部シール部17となる部分の平面部11、12及び側面部13、4の内面同士をヒートシールしていく。その後、第1のフィルム材10Aと第2のフィルム材10Bを、直線Yに沿って、すなわち第1のフィルム材10Aと第2のフィルム材10Bの長手方向に一定の間隔を空けて短手方向に沿って切断し、長手方向に複数に分断して、平面部11、12及び側面部13、14の下部に下部シール部17が形成された袋状のフィルム材を得る。
【0029】
次いで、複数に分断した袋状のフィルム材の平面部11、12及び側面部13、14の上部において、ヒートシールにより、平面部11、12の内面同士及び平面部11、12と側面部13、14の接触面のシールと、口部材20の取り付けを行う。さらに側面部13、13及び側面部14、14の接触面同士をシールして上部シール部16を形成する。上部シール16において側面部13、13及び側面部14、14の接触面同士をシールする方法は、例えば、下記の方法が挙げられる。
図10に示すように、側面部13の側縁近傍に、対向するようにパンチ穴13b、13bをそれぞれ形成する。同様に、側面部14の側縁近傍に、対向するようにパンチ穴14b、14bをそれぞれ形成する。そして、図5及び図6に示すように、形成したパンチ穴13b、13bの部分で、対向する平面部11の内面11aと平面部12の内面12aを接触させてヒートシールし、シール部18を形成する。同様に、形成したパンチ穴14b、14bの部分で、対向する平面部11の内面11aと平面部12の内面12aを接触させてヒートシールし、シール部18を形成する。これにより、側面部13、13と側面部14、14の接触面同士をシールする。
また、上部シール部16において側面部13、13及び側面部14、14の接触面同士をシールする方法は前記方法には限定されず、側面部13、13及び側面部14、14の接触面同士を、接着剤、ヒートシール性を有するフィルム、又は両面粘着テープを使用して接着固定する方法であってもよい。
以上の工程により口部材付ガゼット袋1が得られる。
【0030】
尚、本発明のガゼット袋の製造方法及び口部材付ガゼット袋の製造方法は、製造が容易な点で前述した方法が好ましいが、前述した方法には限定されない。
工程(α1)において、側縁シール部15が2本形成された平面部11、12及び側面部13、14を有する筒状のフィルム材を複数切り出す方法は、前述の方法では長手方向に沿ってヒートシールした後に切断する操作であったが、長手方向に沿って溶断シールすることにより溶着と切断を同時に行ってもよい。
また、工程(α2)における、下部シール部17を形成する操作、筒状のフィルム材を短手方向に沿って切断して長手方向に複数に分断する操作、及び上部シール部16を形成すると共に口部材20を取り付ける操作は、いずれを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。例えば、筒状のフィルム材を短手方向に沿って切断して長手方向に複数に分断した後に、その分断したそれぞれの筒状のフィルム材の下部を封じ、最後に上部を、口部材を取り付けて封じてもよい。
【0031】
以上説明した本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋は、ガゼット袋の一対の平面部と一対の側面部が、第1のフィルム材と第2のフィルム材の2枚のフィルム材で形成され、側縁シール部が2本と少ないため、手で握ったときに痛みを感じにくい。特に、第1のフィルム材が一方の平面部と一対の側面部を形成する場合は、該第1のフィルム材によって形成される平面部の側面に側縁シール部がなく、手の平に触れる部分が滑らかである。そのため、ガゼット袋を手で握りつぶすようにして内容物を押し出すときでも、より痛みを感じにくい。
【0032】
尚、本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋は、前述したガゼット袋10及び口部材付ガゼット袋1には限定されない。例えば、本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋には、袋を開封するノッチや切り取り線が形成されていてもよい。
また、本発明のガゼット袋は、図11に示すように、第1のフィルム材が平面部11と側面部14を形成するフィルム材であり、第2のフィルム材が平面部12と側面部13を形成するフィルム材であり、対角位置に2本の側縁シール部15が形成されたガゼット袋10Aであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 口部材付ガゼット袋
10 ガゼット袋
10A 第1のフィルム材
10B 第2のフィルム材
11、12 平面部
13、14 側面部
15 側縁シール部
20 口部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の平面部と、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部からなるガゼット袋であって、
前記一対の平面部及び一対の側面部が、一方の平面部と少なくとも一方の側面部を形成する第1のフィルム材と、残りの部分を形成する第2のフィルム材からなり、
前記第1のフィルム材の側縁部と、前記第2のフィルム材の側縁部とがシールされて側縁シール部が形成されたガゼット袋。
【請求項2】
前記第1のフィルム材が、一方の平面部及び前記一対の側面部を形成するフィルム材であり、前記第2のフィルム材が他方の平面部を形成するフィルム材である、請求項1に記載のガゼット袋。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋。
【請求項4】
請求項2に記載のガゼット袋を連続的に製造する方法であって、下記工程(α1)及び(α2)を有するガゼット袋の製造方法。
(α1)一方の平面部及び一対の側面部を形成する長尺の第1のフィルム材を、前記一方の平面部及び一対の側面部が複数並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、他方の平面部を形成する長尺の第2のフィルム材と共に搬送し、
前記第1のフィルム材における隣り合う側面部の間の部分、及び両端側に位置する側面部の側端側の部分と、前記第2のフィルム材とを、長手方向に沿って溶着して切断し、前記側縁シール部が2本形成された前記平面部と前記側面部を有する筒状のフィルム材を複数得る工程、
(α2)前記筒状のフィルム材に対して、短手方向に沿ったヒートシール及び切断を行い、該筒状のフィルム材を長手方向に複数に分断する工程。
【請求項5】
請求項4に記載のガゼット袋の製造方法を用いた口部材付ガゼット袋の製造方法であって、長手方向に複数に分断された前記筒状のフィルム材の上部を封じる際に口部材を取り付ける、口部材付ガゼット袋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−49458(P2013−49458A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188309(P2011−188309)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000143880)株式会社細川洋行 (130)
【Fターム(参考)】