説明

ガラスからセラミック物品を製造する方法

ガラスから物品を製造するための本発明の方法は、外側表面を備える基材を供給する工程と、少なくとも2種の異なる金属酸化物を含む、少なくとも第1のガラスを供給する工程であって、第1のガラスがT及びTを有し、第1のガラスのTとTとの間の差異が少なくとも5Kであり、第1のガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有する、少なくとも第1のガラスを供給する工程と、ガラスの少なくとも一部が基材の外側表面の少なくとも一部を濡らすように、第1のガラスを周囲気圧以下でそのT超まで加熱する工程と、ガラスを冷却して、基材の外側表面の少なくとも一部に付着したガラスを含むセラミックを含む物品を供給する工程と、を含む。このセラミックの気孔率は、20体積%未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願番号第60/917520号(2007年5月11日出願)の優先権を主張し、この開示は本明細書にその全体が参照により組み込まれている。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、特殊加工(non-traditional)ガラスからセラミック物品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くのガラス及びガラス−セラミック組成物が既知である。例えば、PbOに基づくガラス、並びに、SiO及びBなどのガラス形成剤は、封止ガラスとして一般に使用されている。重量に基づいて、これらの封止ガラスは典型的に、多量の高分子量PbO並びに相対的に少量のSiO及びBを有する。典型的には、これらのガラスは、効率的な封止を促進するために、封止プロセスの間に結晶化しない(すなわち、これらはTを有さない)ように設計されている。
【0004】
大多数の酸化物ガラス系は、SiO、B、P、GeO、TeO、As、及びVなどの周知のガラス形成剤を相対的に多量に使用して、ガラスの形成を助けている。これらのガラス形成剤で形成されるガラス組成物の中には、加熱処理してガラス−セラミックスを形成できるものがある。ガラスの、及びこのようなガラス形成剤から形成されるガラス−セラミックスの上限使用温度は、通常1200℃未満であり、典型的には約700〜800℃である。ガラス−セラミックスは、これらが形成されるガラスよりも優れた温度耐性である傾向を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの金属酸化物は溶融して高速急冷することにより非晶質状態で得ることができるが、ほとんどは、結晶質材料よりも非晶質を供給するためのきわめて迅速な急冷速度に対する必要から、バルク又は複雑な形状に形成することができない。通常、このような系は、後に続く再加熱の間、結晶化に対して非常に不安定であり、それゆえに粘性流動などのガラスの典型的な特性を呈さない。一方で、既知の網目形成酸化物に基づくガラス(例えば、SiO及びB)は通常、再加熱の間、結晶化に対して相対的に安定であり、これに対応して、粘性流動が生じる「機能」範囲に容易に到達することができる。ガラス転移温度を超える温度での粘稠焼結(viscoussintering)を介して既知のガラス(例えば、SiO及びB)の粉末から大きな物品を形成することは周知である。例えば、研磨産業では、研磨剤粒子を共に固着させるために、陶化結合剤を使用して研削砥石を製造する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述のことを考慮し、我々は、大きな物品、並びに/又は、特殊加工ガラス及びガラス−セラミック組成物を含む複雑な形状を供給することが望ましいことを認識している。
【0007】
本発明は、特殊加工ガラスから物品を製造する方法を提供する。物品は相対的に大きなものであることができる(例えば、約500マイクロメートルを超えるx、y、及びz寸法を有する)。
【0008】
ガラスから物品を製造するための本発明の方法は、外側表面を備える基材を供給する工程と、少なくとも2種の異なる金属酸化物(すなわち、これらの金属酸化物は同一のカチオンを有さない)を含む少なくとも第1のガラス(例えば、ガラスシート、粒子(微小球など)、又は繊維)を供給する工程であって、第1のガラスがT及びTを有し、第1のガラスのTとTとの間の差異が少なくとも5Kであり、第1のガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有する、少なくとも第1のガラスを供給する工程と、ガラスの少なくとも一部が基材の外側表面の少なくとも一部を濡らすように、第1のガラスを周囲気圧以下でそのT超まで加熱する工程と、ガラスを冷却して、基材の外側表面の少なくとも一部に付着したガラスを含むセラミックを含む物品を供給する工程と、を含む。このセラミックの気孔率は、20体積%未満である。
【0009】
ガラスから物品を製造するための本発明の別の方法は、外側表面を備える基材を供給する工程と、ガラス(ガラス粒子など)を含む少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程であって、ガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、ガラスがT及びTを有し、ガラスのTとTとの間の差異が少なくとも5Kであり、ガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有する、少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程と、ガラスの少なくとも一部が基材の外側表面の少なくとも一部を濡らすように、ガラスを周囲気圧以下でそのT超まで加熱する工程と、ガラスを冷却して、基材の外側表面の少なくとも一部に付着したガラスを含むセラミックを含む物品を供給する工程と、を含む。このセラミックの気孔率は、20体積%未満である。
【0010】
ガラスから物品を製造するための本発明の更に別の方法は、外側表面を備える基材を供給する工程と、少なくとも第1のガラス及び第2のガラスを供給する工程であって、第1のガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、第1のガラスがTg1及びTx1を有し、第1のガラスのTg1とTx1との間の差異が少なくとも5Kであり、第1のガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有し、第2のガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、第2のガラスがTg2及びTx2を有し、第2のガラスのTg2とTx2との間の差異が少なくとも5Kであり、第2のガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、及び40重量%未満のPを含有する、少なくとも第1のガラス及び第2のガラスを供給する工程と、ガラスを周囲気圧以下でTg1とTg2のうちのより高い方を超えるまで加熱し、第1及び第2のガラスを合体させて、物品を供給する工程と、を含む。この物品の気孔率は、20体積%未満である。
【0011】
ガラスから物品を製造するための本発明の更に別の方法は、ガラスを含む少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程であって、ガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、ガラスがT及びTを有し、ガラスのTとTとの間の差異が少なくとも5Kであり、ガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有する、少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程と、ガラスを周囲気圧以下でそのT超まで加熱し、第1の複数の粒子の一部に合体させて、物品を供給する工程と、を含む。このセラミックの気孔率は、20体積%未満である。
【0012】
典型的には、特殊加工バルクガラスは、例えば、加熱プレス又は高温静水圧プレス(hipping)によるなどの、単軸又は多軸荷重により生じる圧力下でガラスの粒子を合体又は焼結することによって調製されてきた。しかし、驚くことに、本発明の方法は、周囲気圧以下で行われながら、特殊加工ガラスからのセラミック物品を供給する。それゆえに本発明の方法は、圧力下で行われなければならない方法よりも費用効果的であり、大量生産に向けてより好適であることができる。
【0013】
別の態様では、本発明は、特殊加工ガラスを含むセラミック物品を提供する。セラミック物品はガラスを含み、このガラスは
35重量%〜55重量%のRe(I)
0重量%〜20重量%のRe(II)
5重量%〜40重量%の、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、遷移金属酸化物又はこれらの組み合わせ、
0重量%〜15重量%のSiO、及び
総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、並びに、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物のうちの少なくとも1つ、を含み、
Alは、(Re(I)の重量%−10重量%)から40重量%までの量で存在し、
ガラスはT及びTを有し、ガラスのTとTとの間の差異が少なくとも100Kである。
【0014】
本発明のセラミック物品は、少なくとも2つの、約500マイクロメートルを超える寸法(好ましくは、x、y、及びz寸法)を有することができる。これらはまた、20体積%(又は更には15体積%)未満の気孔率を有することができる。
【0015】
これらのガラスが、周囲気圧以下で行われる本発明の方法を使用してセラミック物品を製造するのに特によく適していることが判明している。
【0016】
本明細書で使用する場合:
「アルカリ金属酸化物」は、酸化リチウム(例えば、LiO)、酸化ナトリウム(例えば、NaO)、酸化カリウム(例えば、KO)、及びこれらの組み合わせを指す;
「アルカリ土類金属酸化物」は、酸化ベリリウム(例えば、BeO)、酸化マグネシウム(例えば、MgO)、酸化カルシウム(例えば、CaO)、酸化ストロンチウム(例えば、SrO)、酸化バリウム(例えば、BaO)、及びこれらの組み合わせを指す;
「セラミック」には、ガラス、結晶性セラミック、ガラス−セラミック、及びこれらの組み合わせが挙げられる;
「ガラス」は、X線回折によって測定されるいかなる長い結晶構造も含有せず、及び/又はDTA(示差熱分析)によって測定される、すなわち「示差熱分析」という名称で本明細書に記述されている試験によって測定される、ガラスの結晶化に対応する発熱ピークを有する溶融相及び/又は気相から得られた材料を指す;
「ガラス−セラミック」は、ガラスを加熱処理することによって形成された結晶を含んだセラミックを指す;
「気孔率」は、材料の総体積に対する非固体体積の比率を指し、下記の比により定義される:
【0017】
【数1】

【0018】
式中、Vはボイド体積であり、Vは固体及び非固体部分を含む材料の総体積である;
「希土類酸化物」は酸化セリウム(例えば、CeO)、酸化ジスプロシウム(例えば、Dy)、酸化エルビウム(例えば、Er)、酸化ユーロピウム(例えば、Eu)、ガドリニウム(例えば、Gd)、酸化ホルミウム(例えば、Ho)、酸化ランタン(例えば、La)、酸化ルテチウム(例えば、Lu)、酸化ネオジム(例えば、Nd)、酸化プラセオジム(例えば、Pr11)、酸化サマリウム(例えば、Sm)、酸化テルビウム(例えば、Tb)、酸化トリウム(例えば、Th)、ツリウム(例えば、Tm)、酸化イットリウム(例えば、Y)及び酸化イッテルビウム(例えば、Yb)、及びこれらの組み合わせを指す;
「REO」は、希土類酸化物を指す;
「基材」は、ガラスが濡らす任意の材料(例えば、ガラス(焼結されているものと同一のガラス又は他のガラス)、セラミックス、金属、合金、及びこれらの複合材料)を指し、バルク材料、粒子、ワイヤ、繊維、シート、又は成形物品であることができる;
「T」は、示差熱分析(DTA)により測定されるガラス転移温度を指す;並びに
「T」はDTAにより測定される結晶化開始温度を指す。いくつかの実施形態では、典型的なDTAスキャンの間に1つ以上の結晶化開始温度(すなわち、Tx1、Tx2、など)が存在する。
【0019】
更に、金属酸化物(例えば、Al、錯体Al・金属酸化物など)は、例えばガラス−セラミック中で結晶質である、との指定がない限り、それは、非晶質、結晶質、及び部分結晶質であってもよいことが本明細書において理解される。例えば、ガラス−セラミックがAl及びZrOを含む場合、Al及びZrOは、それぞれ非晶質状態、結晶質状態、又は非晶質状態部分、及び結晶質状態部分であってもよく、あるいは、更には別の金属酸化物(単数又は複数)との反応生成物であってもよい(例えば、Alが、結晶質のAl又はAlの特定の結晶相(例えば、αAl)として存在しているとの指定がない限り、それは結晶質のAl及び/又は1つ以上の結晶質の錯体Al・金属酸化物の部分として存在してもよい)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
通常、本発明によるセラミックスは、適切な金属酸化物供給源を加熱(火炎の中で、など)して、溶融物、望ましくは均質な溶融物を形成し、次に溶融物を急冷して、ガラス又はガラスを含むセラミックを供給することによって製造することができる。本発明によるガラス又はガラスを含むセラミックスは、例えば、適切な金属酸化物供給源を加熱(火炎の中で、など)して、溶融物、望ましくは均質な溶融物を形成し、次に溶融物を急冷して、ガラスを供給することによって製造することができる。ガラスの実施形態は、任意の好適な炉(例えば、誘導加熱炉、ガス燃焼炉、若しくは電気炉)の中で、又は、例えば、プラズマの中で、例えば、金属酸化物供給源を溶融することによって製造することができる。生じた溶融物は冷却される(例えば、溶融物を冷却媒体(例えば、高速のエアジェット、液体(水など)、金属プレート(冷却した金属ロールなど)、金属ボール(冷却した金属ボールなど)、及びこれらに類するもの)の中に注ぐ)。
【0021】
ガラスの実施形態はまた、例えば、自由落下冷却を用いるレーザースピン溶融法、テイラーワイヤ法(Taylor wire technique)、プラズマトロン法、ハンマーアンビル法(hammer and anvil technique)、遠心急冷法、エアガンスプラット冷却法、シングルローラー及びツインローラー急冷法(single roller and twin roller quenching)、ローラープレート急冷法(roller-plate quenching)、及びペンダントドロップ溶融引出法(pendant drop melt extraction)などの、他の技術によって得ることもできる(例えば、ブロックウェイ(Brockway)らの「セラミックスの急速凝固(Rapid Solidification of Ceramics)」(金属及びセラミック情報センター(Metals And Ceramics Information Center)、国防総省情報分析センター(A Department of Defense Information Analysis Center)、オハイオ州コロンバス(Columbus)、1984年1月)を参照されたい)。ガラスの実施形態はまた、好適な前駆体の加熱式(火炎又はレーザー又はプラズマ支援など)高温分解、金属前駆体の物理蒸着合成法(PVS)、及びメカノケミカル処理などの、他の技術によって得てもよい。
【0022】
1つの方法では、本発明に有用なガラスは、米国特許第6,254,981号(キャッスル(Castle))に記載の炎融を利用して製造することができる。この方法では、金属酸化物供給源を(例えば、時に「供給粒子(feed particles)」とも称される粒子の形態で)バーナー(例えば、メタン・エアバーナー、アセチレン−酸素バーナー、水素−酸素バーナー及びこれらに類するもの)に直接供給し、次いで、例えば、水、冷却油、空気、又はこれらに類するもので急冷する。供給粒子は、例えば、金属酸化物供給源を研削、凝集(例えば、粉霧乾燥)、溶融、又は焼結することによって形成することができる。一般に、火炎の中へと供給される供給粒子の寸法が、生じるガラス粒子/ビーズの寸法を決定する。
【0023】
本発明の方法に有用であるガラスには、少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有するものが挙げられる。有用なガラスはT及びTを有し、TとTとの間の差異は少なくとも5K(好ましくは少なくとも25K又は少なくとも50K)である。
【0024】
好ましくは、ガラスはREO−Alガラスである。特定の有用なREO−Alガラスは、30重量%〜70重量%のRe(I)、0重量%〜20重量%のRe(II)、及び15重量%〜40重量%のAl(好ましくは、20重量%〜35重量%のAl)を含み、式中、Re(I)はLa若しくはGd又はこれらの組み合わせであり、R(II)はCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Tm、Y、若しくはYb、又はこれらの組み合わせである。
【0025】
いくつかの実施形態では、REO−Alガラスは、5重量%〜40重量%の、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物(alkaline metal oxide)、遷移金属酸化物、又はこれらの組み合わせを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、REO−Alガラスは、0重量%〜15重量%のSiOを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、REO−Alガラスは、総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、並びに、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物のうちの少なくとも1つ(好ましくは、総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、及び、ZrO)を含む。他の実施形態では、REO−Alガラスは、70重量%を超える、Re(I)、Al、並びに、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、REO−Alガラスは、(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、REO−Alガラスは、40重量%〜65重量%のRe(I)(好ましくは、45重量%〜60重量%のRe(I))を含む。他の実施形態では、REO−Alガラスは、30重量%〜65重量%のRe(I)(好ましくは、35重量%〜55重量%のRe(I))を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、REO−Alガラスは、総じて5重量%〜25重量%の、ZrO及びHfO(好ましくは、5重量%〜25重量%のZrO及びHfO)を含む。他の実施形態では、REO−Alガラスは、5重量%〜40重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ(好ましくは、5重量%〜35重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ;より好ましくは、15重量%〜35重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ)を含む。
【0031】
好ましいREO−Alガラスは、30重量%〜70重量%のRe(I);0重量%〜20重量%のRe(II);15重量%〜40重量%のAl;5重量%〜40重量%の、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物(alkaline metal oxide)、遷移金属酸化物、又はこれらの組み合わせ;0重量%〜15重量%のSiO;総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、並びに、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物のうちの少なくとも1つ、を含み;(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを有する。
【0032】
別の好ましいREO−Alガラスは、40重量%〜65重量%のRe(I);0重量%〜20重量%のRe(II);15重量%〜40重量%のAl;総じて5重量%〜25重量%の、ZrOとHfO;0重量%〜15重量%のSiO;総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、及びZrO、を含み;(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを有する。
【0033】
更に別の好ましいREO−Alガラスは、35重量%〜55重量%のRe(I);0重量%〜20重量%のRe(II);15重量%〜40重量%のAl;5重量%〜40重量%の、ZrO、HfO、TiOのうちの1つ、又はこれらの組み合わせ;0重量%〜15重量%のSiO;70重量%を超える、Re(I)、Al、及び、ZrO、HfO、又はTiOのうちの少なくとも1つ、を含み;(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを有する。
【0034】
更に別の好ましいREO−Alガラスは、45重量%〜60重量%のRe(I);0重量%〜20重量%のRe(II);20重量%〜35重量%のAl;総じて5重量%〜20重量%の、ZrO及びHfO;0重量%〜15重量%のSiO;総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、及びZrO、を含み;(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを有する。
【0035】
本発明にしたがって製造される特定のセラミック物品は、セラミックの総金属酸化物の重量に基づき、20重量%未満のSiO(又は更には15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量パーセントの、SiO)、20重量%未満のB(又は更には15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量%の、B)、40重量%未満のP(又は更には35重量%未満、30重量%未満、25重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、又は更には0重量パーセントの、P)、及び50重量%未満のPbO(又は更には25重量%未満、10重量%未満、又は更には0重量パーセントの、PbO)を含有する。
【0036】
本発明を行うために有用なガラスの例には、CaO−Al、CaO−Al−ZrO、BaO−TiO、La−TiO、REO−Al、REO−Al−ZrO、REO−Al−ZrO−SiO、及びSrO−Al−ZrOガラスを含むものが挙げられる。有用なガラス形成には、共晶組成物又はそれに近いものが挙げられる。CaO−Alに加えて、本明細書に開示されているCaO−Al−ZrO、BaO−TiO、La−TiO、REO−Al、REO−Al−ZrO、REO−Al−ZrO−SiO、及びSrO−Al−ZrO組成物、他の組成物、共晶組成物など、が本開示を精査したのち、当業者には明白になるであろう。例えば、共晶組成物などの種々の組成物を表す相ダイアグラムが当該技術分野において既知である。
【0037】
驚くことに、本発明のセラミックスを寸法の制限なく得ることができることが判明した。これは、周囲気圧以下でガラス転移温度を超える温度での合体工程を通して可能であることが判明した。本明細書で使用する時、「周囲気圧」は約3気圧までの圧力を含む。これは、焼結/合体の間にわずかな背圧が利用される状況を除外するものではない。合体は、ガラスを加熱処理してガラス−セラミックスを供給するための、当技術分野で既知の方法を含む種々の方法のいずれかで行うことができる。例えば、合体は、例えば抵抗、誘導又はガス加熱炉を使用して、数回に分けて実行することができる。あるいは、例えば、合体は、例えば、回転窯を使用して連続的に実行することができる。回転窯の場合、材料は、高温で動作する窯の中に直接供給される。高温にある時間は、数秒間(いくつかの実施形態においては5秒未満)から、数分間、数時間の範囲に及び得る。この場合の温度は、700℃〜1100℃の範囲のいずれか、典型的には800℃〜1000℃にしてよい。合体の一部を(例えば核生成工程のために)数回に分けて行い、別の合体を(例えば、結晶成長工程のために、及び所望される密度を実現させるために)連続して行うことも本発明の範囲内である。核生成工程では、温度は典型的には約800℃〜約1000℃の範囲であり、いくつかの実施形態では、好ましくは約850℃〜約1000℃の範囲内にある。この合体は、例えば、高温の炉の中に材料を直接送り込むことによって、発生し得る。あるいは、例えば、材料を、はるかに低い温度(例えば、室温)の炉の中に送り込み、次に、所定の加熱速度で所定の温度まで加熱することができる。空気以外の雰囲気の中で合体を実行することも、本発明の範囲内である。いくつかの場合、還元性雰囲気中で加熱処理することが、一層望ましいことがある。
【0038】
本発明を行うのに有用なガラスは、有意な結晶化が生じる(T)前に、ガラス転移(T)を経る。これは、相対的に小さなガラス片からいずれかの寸法の物品をバルク製造することを可能にする。より具体的には、例えば、本発明による物品は、ガラス粒子などが合体してある形状を形成し、合体した形状を冷却して物品を供給するように、本発明を周囲気圧以下でT超の温度まで行うのに有用な、例えば、ガラス粒子(ビーズ及び微小球など)、繊維などを加熱することにより、供給することができる。生じる物品は500マイクロメートルを超える寸法(例えば、500マイクロメートルを超える、少なくとも1つの寸法、又は少なくとも2つの寸法、又は更には3つの寸法(すなわち、x、y、及びz寸法))を有することができる。特定の実施形態では、加熱は約725℃〜約1100℃の範囲の少なくとも1つの温度で行われる。
【0039】
驚くことに、本発明による特定の実施形態では、合体は、結晶化温度(T)よりも有意に高い温度で実行してもよい。これは多くの場合、材料が加熱の間に多結晶化発生を呈する時の事例である。例えば、Tx1及びTx2結晶化温度が典型的なDTAスキャンの間に観察されるならば、Tx1についての合体を容易に実行することができ、高密度を達成することができる。理論に束縛されるものではないが、結晶化の相対的に緩慢な動態により、粘性流動が、より高い温度で利用可能になると考えられる。物品の望ましい特性を更に改善するために追加的な合体を実行することもまた本発明の範囲内である。
【0040】
Al、BaO、CaO、希土類酸化物(例えば、CeO、Dy、Er、Eu、Gd、Ho、La、Lu、Nd、Pr11、Sm、Th、Tm、Yb、及びYb、並びにこれらの組み合わせ)、TiO、ZrOなどの金属酸化物の、市販の供給源などの供給源は当該技術分野において既知である。例えば、(理論上の酸化物ベースでの)Alの供給源には、ボーキサイト(天然に生じるボーキサイトと合成的に製造されたボーキサイトの両方を含む)、焼成ボーキサイト、水和アルミナ(例えば、ベーマイトとギブサイト)、アルミニウム、バイエル(Bayer)法アルミナ、アルミニウム鉱石、ガンマアルミナ、アルファアルミナ、アルミニウム塩、硝酸アルミニウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。Al供給源は、Alを含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、Al供給源は、Al、並びにAl以外の1つ以上の金属酸化物(錯体Al・金属酸化物(例えば、DyAl12、YAl12、CeAl1118など)からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0041】
希土類酸化物の、市販の供給源などの供給源には、希土類酸化物粉末、希土類金属、希土類含有鉱石(例えばバストネサイト及びモナザイト)、希土類塩、希土類硝酸塩、及び希土類炭酸塩が挙げられる。希土類酸化物(単数又は複数)の供給源は、希土類酸化物(単数又は複数)を含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、希土類酸化物(単数又は複数)の供給源は、希土類酸化物(単数又は複数)、並びに、希土類酸化物(単数又は複数)以外の1つ以上の金属酸化物(錯体希土類金属酸化物・他の金属酸化物(例えば、DyAl12、CeAl1118など)からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0042】
(理論上の酸化物ベースでの)ZrOの、市販の供給源などの供給源には、酸化ジルコニウム粉末、ジルコンサンド、ジルコニウム、ジルコニウム含有鉱石、及びジルコニウム塩(例えば、炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、及びこれらの組み合わせ)が挙げられる。それに加えて又はそれに代わって、ZrO供給源はZrOを含有又は供給してもよく、並びに、ハフニアなどの他の金属酸化物を含有又は供給してもよい。(理論上の酸化物ベースでの)HfOの、市販の供給源などの供給源には、酸化ハフニウム粉末、ハフニウム、ハフニウム含有鉱石、及びハフニウム塩が挙げられる。それに加えて又はそれに代わって、HfO供給源は、HfO及びZrOなどの他の金属酸化物を含有又は供給してもよい。
【0043】
BaOの、市販の供給源などの供給源には、酸化バリウム粉末、バリウム含有鉱石、バリウム塩、硝酸バリウム、及び炭酸バリウムが挙げられる。酸化バリウム供給源は、酸化バリウムを含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、酸化バリウム供給源は、酸化バリウム、並びに、酸化バリウム以外の1つ以上の金属酸化物(錯体酸化バリウム・他の金属酸化物からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0044】
CaOの、市販の供給源などの供給源には、酸化カルシウム粉末及びカルシウム含有鉱石が挙げられる。酸化カルシウム(単数又は複数)供給源は、酸化カルシウムを含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、酸化カルシウム供給源は、酸化カルシウム、並びに、酸化カルシウム以外の1つ以上の金属酸化物(錯体酸化カルシウム・他の金属酸化物からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0045】
希土類酸化物の、市販の供給源などの供給源には、希土類酸化物粉末、希土類金属、希土類含有鉱石(例えばバストネサイト及びモナザイト)、希土類塩、希土類硝酸塩、及び希土類炭酸塩が挙げられる。希土類酸化物(単数又は複数)の供給源は、希土類酸化物(単数又は複数)を含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、希土類酸化物(単数又は複数)供給源は、希土類酸化物(単数又は複数)、並びに、希土類酸化物(単数又は複数)以外の1つ以上の金属酸化物(錯体希土類金属酸化物・他の金属酸化物(例えば、DyAl12、CeAl1118など)からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0046】
SiOの、市販の供給源などの供給源には、シリカ粉末、シリコン金属及びシリコン含有鉱石が挙げられる。酸化ケイ素供給源は、酸化ケイ素を含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、酸化ケイ素供給源は、酸化ケイ素、並びに、酸化ケイ素以外の1つ以上の金属酸化物(錯体酸化ケイ素・他の金属酸化物からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0047】
SrOの、市販の供給源などの供給源には、酸化ストロンチウム粉末、炭酸ストロンチウム、及びストロンチウム含有鉱石が挙げられる。酸化ストロンチウム供給源は、酸化ストロンチウムを含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、酸化ストロンチウム供給源は、酸化ストロンチウム、並びに、酸化ストロンチウム以外の1つ以上の金属酸化物(錯体酸化ストロンチウム・他の金属酸化物からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0048】
TiOの、市販の供給源などの供給源には、酸化チタン粉末、チタン金属、及びチタン含有鉱石が挙げられる。酸化チタン供給源は、酸化チタンを含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、酸化チタン供給源は、酸化チタン、並びに、酸化チタン以外の1つ以上の金属酸化物(錯体酸化チタン・他の金属酸化物からなるか又はこれを含有する材料など)を含有又は供給してもよい。
【0049】
(理論上の酸化物ベースでの)ZrOの、市販の供給源などの供給源には、酸化ジルコニウム粉末、ジルコンサンド、ジルコニウム、ジルコニウム含有鉱石、及びジルコニウム塩(例えば、炭酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、及びこれらの組み合わせ)が挙げられる。それに加えて又はそれに代わって、ZrO供給源は、ZrO、並びにハフニアなどの他の金属酸化物を含有又は供給してもよい。(理論上の酸化物ベースでの)HfOの、市販の供給源などの供給源には、酸化ハフニウム粉末、ハフニウム、ハフニウム含有鉱石、及びハフニウム塩が挙げられる。それに加えて又はそれに代わって、HfO供給源は、HfO及びZrOなどの他の金属酸化物を含有又は供給してもよい。
【0050】
所望により、本発明によるセラミックスは、更に、通常組成物に対して必要とされるものを上回る追加的な金属酸化物を含む。特定の金属酸化物の添加は、本発明にしたがって製造されるセラミックスの特性及び/又は結晶構造若しくはミクロ構造、並びにセラミックを製造する際の原材料及び中間体の加工を変化させることがある。例えば、MgO、CaO、LiO、及びNaOなどの酸化物添加物は、ガラスのT及びTの両方を変化させることが観察されている。理論に束縛されるものではないが、このような添加物がガラス構成に影響を与えると考えられている。更に、例えば、このような酸化物添加物は、系全体の溶融温度を低下させ(すなわち、系をより融点の低い共晶に近いものにし)、ガラス形成を容易にすることができる。多成分系(四元など)の中の錯体共晶によって、より良好なガラス形成能を生じることができる。液体溶融物の粘性及びその「機能」範囲内のガラスの粘性もまた、通常組成物に対して必要とされるものを上回る金属酸化物の添加によって、影響を受けることができる。
【0051】
場合によっては、NaO、P、SiO、TeO、V、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される限定量の金属酸化物を組み込むことが好ましいことがある。市販の供給源などの供給源には、酸化物それ自体、錯体酸化物、鉱石、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物などが挙げられる。これらの金属酸化物を、例えば、生じる研磨剤粒子の物理的特性を改変するために、及び/又は加工を改善するために、添加してもよい。これらの金属酸化物は、使用時に、典型的には、例えば、所望される特性に応じて、0重量%超〜20重量%、好ましくは0重量%超〜5重量%、より好ましくは0重量%超〜2重量%の、ガラス−セラミックから添加される。
【0052】
本発明を行うのに必要とされるガラスと共に使用してもよい更なる他のガラス組成物には、当該技術分野において周知の従来のガラスが挙げられ、これらの供給源も含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明にしたがって製造されるセラミックスは、合体工程後に良好な光透過を呈する。光透過は、光学的半透明性が所望される用途に有用な特性である。これらの材料は、1ミリメートル厚試料を通して少なくとも約10%、約20%、又は更には約30%の総光透過を呈することができる。良好な光透過は、例えば、ガラスから失透する結晶子の寸法を約200nmよりも低く(好ましくは約150nmよりも低く、より好ましくは約100nmよりも低く)維持しながら、約10体積%よりも低い(好ましくは約5体積%、4体積%、3体積%、2体積%、又は更には1体積%、よりも低い)気孔率レベルにガラス粒子を合体させることにより、得ることができる。更に、特定の実施形態では、初期ガラス粒子が数マイクロメートル〜約100マイクロメートルの範囲にある粒子寸法の二峰性分布を少なくとも1つ含む時に、透過レベルは増加する。好ましい粒子集合は、約10マイクロメートルよりも小さな平均寸法を有する粒子を50体積%まで含み、残部は約20マイクロメートルを超える平均寸法を有する粒子である。
【0054】
更なる実施形態では、本発明にしたがって製造されるセラミックスは、約70体積%よりも低い濃度で使用される場合でも、無機充填剤のための結合剤として有用である。このようなガラスマトリックス複合材料は、例えば、砥粒(super-abrasive)(ダイヤモンド及び立方晶BNなど)及び/又は従来の研磨剤(例えば、溶融アルミナ、ゾル−ゲルアルミナ又は溶融アルミナ−ジルコニア)を有する種々の研削砥石のために有用である。無機充填剤のための結合剤として使用するのに好適である組成物は、典型的には、結晶化に先立って、低い粘性レベルを有する。研削砥石マトリックスのために好ましいREO−Alガラスは、35重量%〜55重量%のRe(I);0重量%〜20重量%のRe(II);15重量%〜40重量%のAl;5重量%〜40重量%の、ZrO、HfO、若しくはTiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ;0重量%〜15重量%のSiO;70重量%を超える、Re(I)、Al、及び、ZrO、TiO、又はHfOのうちの少なくとも1つ、を含み;(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを有する。アルカリ及びアルカリ土類酸化物もまた、液体の粘性を低減するために、及び、マトリックスへの充填剤の固着を改善するために、添加することができる。
【0055】
失透してガラス−セラミックスを形成するガラスのために、結晶化もまた、通常組成物に対して必要とされるものを上回る材料の添加によって、影響を受けることができる。例えば、特定の金属、金属酸化物(例えば、チタネート及びジルコネート)及びフルオライドは、例えば、核生成剤として作用することができ、結晶の有益な不均質核形生成をもたらす。また、いくつかの酸化物の添加は、再加熱の際にガラスから失透する準安定相の性質を変えることができる。他の態様では、結晶質ZrOを含む本発明によるセラミックスに関して、ZrOの正方晶/立方体形状を安定化させることが知られている金属酸化物(例えば、Y、TiO、CaO、及びMgO)を添加するのが望ましいことがある。
【0056】
任意の金属酸化物(すなわち、通常組成物に対して必要とされるものを上回る金属酸化物)の例には、理論上の酸化物ベースで、Al、BaO、CaO、Cr、CoO、Fe、GeO、HfO、LiO、MgO、MnO、NiO、NaO、P、希土類酸化物、Sc、SiO、SrO、TeO、TiO、V、Y、ZnO、ZrO、及びこれらの組み合わせを挙げてもよい。市販の供給源などの供給源には、酸化物それ自体、錯体酸化物、鉱石、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、塩化物、水酸化物などが挙げられる。更に、例えば、Yに関して、(理論上の酸化物ベースでの)Yの、市販の供給源などの供給源には、酸化イットリウム粉末、イットリウム、イットリウム含有鉱石、及びイットリウム塩(例えば、炭酸イットリウム、硝酸イットリウム、塩化イットリウム、水酸化イットリウム、及びこれらの組み合わせ)が挙げられる。Y供給源は、Yを含有してもよく、又は供給のみ行ってもよい。あるいは、Y供給源は、Y、及びY以外の1つ以上の金属酸化物(錯体Y・金属酸化物(例えば、YAl12)など)を含有又は供給してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、酸化物形成について負のエンタルピーを有する金属(例えば、Al、Ca、Cu、Cr、Fe、Li、Mg、Ni、Ag、Ti、Zr、及びこれらの組み合わせ)Mのうち少なくとも1つを含む粒子状の金属材料若しくはこれらの合金を溶融物に添加することによって、又は別の方法で他の原材料で被覆する(metal)ことによって、金属酸化物供給源の少なくとも一部分(いくつかの実施形態では、好ましくは、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は更には少なくとも95重量パーセント)を得ることが有利となることもある。理論に束縛されるものではないが、金属の酸化に関連する発熱反応から生じる熱が、均質な溶融物及び生じるガラスの形成では有益であると考えられている。例えば、原料内での酸化反応により生じる追加的な熱は、特に150マイクロメートルを超えるx、y、及びz寸法を有する非晶質粒子を形成する時に、不十分な熱移動をなくすか又は最小化し、それゆえに溶融物の形成及び均質性を促進すると考えられている。また、種々の化学的反応と物理的処理(例えば、高密度化及び球状化)を完了の段階まで進行させるために、追加的な熱は有用であると考えられている。更に、いくつかの実施形態では、酸化反応により生じた追加的な熱の存在によって、そうでなければ材料の高い融点のために困難であるか又は実用的ではない溶融物の形成を実際に可能にすると考えられる。更に、酸化反応によって生じた更なる熱が存在することで、そうでなければ成し得ない又は所望の寸法範囲では成し得ないガラスの形成が実際に可能となる。本発明の別の利点には、ガラス形成において、溶融、高密度化、及び球状化などの化学的及び物理的処理の多くを短時間に実行して、その結果、非常に高い急冷速度を達成できることが挙げられる。更なる詳細に関しては、米国シリアル番号第10/211,639号を有する同時係属出願(2002年8月2日出願)を参照されたい。
【0058】
酸化物供給源及び本発明にしたがってセラミックスを製造するための他の添加剤の特定の選択は、典型的には、例えば、生じるセラミックスの所望される組成及びミクロ構造、結晶化度の所望される程度、もしあれば、生じるセラミックスの所望される物理的特性(例えば、硬さ若しくは強靭性)、望ましくない不純物の存在の防止若しくは最小化、生じるセラミックスの所望される性質、並びに/又はセラミックスを調製するために使用されている特定の方法(設備、並びに、溶融及び/若しくは凝固の、前及び/若しくは後での原料の任意の精製など)を考慮に入れる。
【0059】
金属酸化物供給源及び他の添加剤は、本発明に利用される方法及び設備に好適な任意の形態であることができる。原料は、酸化物ガラス及び非晶質金属を製造するための、当該技術分野において既知の技術及び設備を使用して、溶融及び急冷することができる。望ましい冷却速度には、50K/秒以上の速度が挙げられる。当技術分野において既知の冷却技術には、ロール冷却が挙げられる。ロール冷却は、例えば、金属酸化物供給源を、典型的には融点よりも20℃〜200℃高い温度で溶融させ、その溶融物を高圧下で(例えば、空気、アルゴン、窒素、又はこれらに類するガスを使用して)高速回転ロール(単数又は複数)上に噴射して冷却/急冷することによって行うことができる。典型的にはロールは金属製であり、水冷式である。金属製のブックモールドもまた、溶融物の冷却/急冷に有用であり得る。
【0060】
溶融物を形成するための、溶融物を冷却/急冷するための、及び/又は別の方法でガラスを形成するための、他の技術には、気相急冷、プラズマ溶射、溶融抽出、及びガス噴霧法が挙げられる。気相急冷は、例えば、スパッタリングにより行うことができ、その場合、金属合金又は金属酸化物供給源は、使用されるスパッタリング標的(単数又は複数)の中に形成される。標的は、スパッタリング装置の中の所定の位置に固定され、コーティングされる基材(単数又は複数)は標的(単数又は複数)に対向する位置に配置される。0.13Pa(10−3torr)という典型的な圧力の酸素ガス及びArガスの吐出が標的(単数又は複数)と基材(単数又は複数)との間に生み出され、Ar又は酸素イオンが標的に対して衝突して、反応スパッタリングを開始し、これにより基材上に組成物の被膜を付着させる。プラズマ溶射に関する更なる詳細は、例えば、米国シリアル番号第10/211,640号を有する同時係属出願(2002年8月2日出願)を参照されたい。
【0061】
ガス噴霧法は、供給粒子を溶融して、それらを溶融物に変換することを必要とする。このような溶融物の細い流れは、破裂的な空気ジェットに接触して霧状になる(すなわち、細い流れは微細な液滴に分割される)。次いで、生じる相当に孤立した通常楕円体のガラス粒子が回収される。溶融抽出法を、例えば、米国特許第5,605,870号(ストロム−オルセン(Strom-Olsen)ら)に開示されているように、行うことができる。例えば、公開番号WO01/27046A1号を有するPCT出願(2001年4月4日公開)に開示されているレーザービーム加熱を利用する無容器ガラス形成技術もまた、本発明にしたがってガラスを製造するのに有用であり得る。
【0062】
冷却速度は、急冷されたガラスの性質に影響を及ぼすと考えられる。例えば、ガラス転移温度、ガラスの密度、及び他の特性は、通常、冷却速度によって変化する。
【0063】
また、急速な冷却を還元性、中性、又は酸化性環境などの制御雰囲気下で実施して、冷却中に、望ましい酸化状態などを維持及び/又は操作してもよい。また、雰囲気は過冷却液体から結晶化動力学に影響を与えることによって、ガラス形成に影響を与えることができる。例えば、空気中の事例と比較して、アルゴン雰囲気中の結晶化工程を除いたAl溶融物のより大規模な過冷却の事例が報告されている。
【0064】
粒子の製造に関し、例えば、生じるセラミック(例えば、ガラス又は、ガラスを含むセラミック)は所望されるものよりも寸法が大きくてもよい。セラミックは、ロール粉砕、カナリーミリング(canary milling)、ジョー粉砕、ハンマーミリング、ボールミリング、ジェットミリング、衝撃粉砕、及びこれらに類するものなどの、当該技術分野で既知の粉砕及び/又は細かく粉砕する技術を使用することによって、より小さな片に変換することができ、典型的にそのようにされている。場合によっては、2つ以上の粉砕工程を有することが望ましい。例えば、セラミックは、形成(固化)された後に、所望されるよりも大きな形状であってもよい。第1の粉砕工程は、これらの比較的大きな集合体、すなわち「塊」を粉砕して、より小さな片を形成することを含んでいてもよい。これらの塊のこの粉砕は、ハンマーミル、衝撃粉砕機又はジョー粉砕機を用いて達成してもよい。次いで、これらのより小さな片は、望ましい粒径分布を生じるように、引き続き粉砕してもよい。望ましい粒径分布(ときにはグリットサイズ又は等級と呼ばれる)を生じるために、複数の粉砕工程を実施することが必要となる場合もある。一般に、粉砕条件は、望ましい粒形(単数又は複数)及び粒径分布を達成するように最適化される。
【0065】
粒子の形状は、例えば、ガラスの組成、ガラスを冷却した幾何学的形状、及び、粒子が粉砕により形成された場合には、ガラスを粉砕する様式(すなわち、使用される粉砕法)に依存することがある。
【0066】
ガラスを含む本発明による特定の物品は、加熱処理されて、ガラスを増加又は少なくとも部分的に結晶化(ガラスの結晶化を含む)して、ガラス−セラミックを供給することができる。ガラス−セラミックスを形成するための特定のガラスの加熱処理は当該技術分野において周知である。核形生成してガラス−セラミックスを成長させる加熱条件は、種々のガラスについて既知である。あるいは、当業者であれば、当該技術分野において既知の技法を使用して、ガラスの温度時間変態(TTT)を検討することにより、適当な条件を求めることができる。当業者であれば、本発明の開示を読んだ後で、本発明によるガラスのためのTTT曲線を提供すること、本発明による結晶質セラミックス、ガラス−セラミックス、及びガラスを含むセラミックを供給するために適切な核生成及び/又は結晶成長条件を求めることができるべきである。いくつかの実施形態では、二段階結晶化が好ましいことがある。二段階結晶化では、少なくとも2つの異なる温度が結晶化に利用される。第1の結晶化工程はより低い温度で実行され、典型的には核形生成処理として示される。これは、例えば、セラミック機械的特性を増強すること、破損の可能性を低減すること、及び、光学特性を改善することができる。第2の結晶化工程はより高い温度で実行され、例えば、残留非晶質相を失透させて、セラミック特性を更に改善するために使用することができる。
【0067】
加熱処理は、ガラスを加熱処理してガラス−セラミックスを供給するために当該技術分野において既知である方法などの種々の方法のいずれかで行うことができる。例えば、加熱処理は、数回に分けて、例えば、抵抗加熱、誘導加熱、又はガス加熱炉を使用して行うことができる。あるいは、例えば、加熱処理は、例えば、回転窯を使用して連続的に実行することができる。回転窯の場合、材料は、高温で動作する窯の中に直接供給される。高温にある時間は、数秒間(いくつかの実施形態においては5秒未満)から、数分間、数時間の範囲に及び得る。この場合の温度は、900℃〜1600℃の範囲のいずれか、典型的には1200℃〜1500℃にしてよい。また、加熱処理のうちのいくつかを数回に分けて(例えば、核生成工程用)及び他を連続的に(例えば、結晶成長工程用及び所望の密度を得るために)実施することも本発明の範囲に含まれる。核生成工程では、温度は典型的には約900℃〜約1100℃の範囲であり、いくつかの実施形態では、好ましくは約925℃〜約1050℃の範囲内にある。追加的な結晶化/密度工程についても同様に、温度は典型的には、約1100℃〜約1600℃の範囲内にあり、いくつかの実施形態では、好ましくは約1200℃〜約1500℃の範囲内にある。加熱処理は、例えば、材料を高温の炉に直接供給することによって発生させてもよい。あるいは、例えば、材料を、はるかに低い温度(例えば、室温)の炉の中に送り込み、次に、所定の加熱速度で所望の温度まで加熱することができる。空気以外の雰囲気の中で加熱処理を行うことは、本発明の範囲の中である。いくつかの場合、還元性雰囲気中で加熱処理することは、一層望ましいかもしれない。
【0068】
通常、ガラス−セラミックスはそれらが形成されるガラスより高い強度である。したがって、材料の強度を、例えば、ガラスが結晶質セラミック相に変換される程度によって調節してもよい。それに代わって又はそれに加えて、材料の強度はまた、例えば、生成された核生成域の数によっても影響を受けることがあり、この核生成域の数は、順に結晶相(単数又は複数)の結晶の数に、次いで順にその結晶の寸法に影響を与えるために使用することができる。ガラス−セラミックスの形成についての更なる詳細に関しては、例えば、「ガラス−セラミックス(Glass-Ceramics)」(P.W.マクミラン(P.W. McMillan)、アカデミック・プレス社(Academic Press, Inc.)、第2版、1979年)を参照されたい。
【0069】
例えば、LaZrなどの、Al、La、及びZrOの相形成を含むガラスなどのガラスの加熱処理の間、ZrOが存在する場合には、立方体/正方晶ZrOは、いくつかの場合は単斜ZrOであり、約900℃を超える温度で観察されている。理論に束縛されるものではないが、ジルコニア関連相は、ガラスから核生成する最初の相であると考えられている。例えば、Al、ReAlO(式中、Reは少なくとも1つの希土類カチオンである)、ReAl1118、ReAl12、YAl12、などの相は、約925℃を超える温度で通常生じると考えられている。この核生成工程の間の結晶子寸法は、ナノメートルのオーダーであることができる。例えば、10ナノメートル〜15ナノメートルほどの小さな結晶が観測されている。より長い加熱処理の温度は典型的には結晶子の成長及び結晶化の進展を導く。少なくともいくつかの実施形態では、約1300℃で約1時間の加熱処理は、完全な結晶化をもたらす。
【0070】
材料のミクロ構造又は相組成(ガラス質/非晶質/結晶質)は、多くの方法で求めることができる。例えば、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、示差熱解析(DTA)、及びX線回析(XRD)を使用して、種々の情報を得ることができる。
【0071】
光学顕微鏡法を使用すると、ガラスは、典型的には、結晶境界などの光の散乱中心がないために、主に透明であるが、一方、結晶質材料は結晶構造を示し、光の散乱効果のために、不透明である。
【0072】
光透過は、例えば、マクベス(Macbeth)型式TD−504濃度計などの市販の器具を使用する従来の透過濃度計技術により測定することができる。
【0073】
DTAを使用して、対応する材料のDTAトレースが発熱性の結晶化現象(T)を含む場合、その材料を非晶質として分類する。また、同じトレースにTより低い温度における吸熱現象(T)が含まれる場合、その材料はガラス相からなると考えられている。材料のDTAトレースがそのような現象を含んでいない場合、その材料は、結晶相を含んでいるとみなされる。
【0074】
示差熱分析法(DTA)は、以下の方法を使用して実施することができる。DTA試験は、(ドイツ、ゼルブ(Selb)のネッツインスツルメンツ社(Netzsch Instruments)から商品名「ネッツ(NETZSCH)STA409DTA/TGA」として入手されるものなどの計器を使用して)、−140+170メッシュ寸法分画(すなわち、105−マイクロメートルの開口径と90−マイクロメートルの開口径のスクリーンとの間で回収される分画)を使用して、実行することができる。スクリーニングされた試料(通常、約400ミリグラム(mg))の総量を、100−マイクロメートルAl試料ホルダーに置く。各試料を静止大気中で10℃/分の割合で室温(約25℃)〜1100℃に加熱する。
【0075】
粉末X線回折法、XRDを使用すると(1.54050オングストロームの銅のKα1線を用いた、ニュージャージー州モーウォー(Mahwah)のフィリップス社(Phillips)から商品名「PHILLIPS XRG 3100」として入手されるものなどのX線回折計を使用して)、材料内に存在する相は、結晶化した材料のXRDトレース内に存在するピークを、国際回折データセンター(International Center for Diffraction Data)によって公開されているJCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)データベースに定められた結晶相のXRDパターンと比較することによって判定することができる。更に、XRDは相の種類を判定するために定性的に使用することができる。広い拡散強度ピークの存在は、材料の非晶質性の表れとしてみなされる。広いピークと明確なピークの両方の存在は、非晶質マトリックス内に結晶質物質が存在することの表れとしてみなされる。最初に形成されたガラス又はセラミック(結晶化前のガラスを含む)は、所望のものよりも寸法が大きいことがある。ガラス又はセラミックは、ロール粉砕、カナリーミリング、ジョー粉砕、ハンマーミリング、ボールミリング、ジェットミリング、衝撃粉砕、及びこれらに類するものなどの、当該技術分野で既知の粉砕及び/又は細かく粉砕する技術を使用することによって、より小さい片に変換することができる。場合によっては、2つ以上の粉砕工程を有することが望ましい。例えば、セラミックは、形成(固化)された後に、所望されるよりも大きな形状であってもよい。第1の粉砕工程は、これらの比較的大きな集合体、すなわち「塊」を粉砕して、より小さな片を形成することを含んでいてもよい。これらの塊のこの粉砕は、ハンマーミル、衝撃粉砕機又はジョー粉砕機を用いて達成してもよい。次いで、これらのより小さな片は、望ましい粒径分布を生じるように、引き続き粉砕してもよい。望ましい粒径分布(ときにはグリットサイズ又は等級と呼ばれる)を生じるために、複数の粉砕工程を実施することが必要となる場合もある。一般に、粉砕条件は、望ましい粒形(単数又は複数)及び粒径分布を達成するように最適化される。所望される寸法である生じた粒子は、それらが大きすぎる場合には再粉砕するか、又は「再利用」してもよく、それらが小さすぎる場合には再溶融するための原材料として使用してもよい。
【0076】
粒子の形状は、例えば、セラミックの組成及び/又はミクロ構造、セラミックを冷却された幾何学的形状、並びにセラミックを粉砕する様式(すなわち、使用する粉砕法)に依存することがある。一般に、「がっしりとした」形状が好ましい場合、より多くのエネルギーが、この形状を達成するのに用いられることがある。逆に、「とがった」形状が好ましい場合、より少ないエネルギーが、この形状を達成するのに用いられることがある。また、粉砕法は、様々な望ましい形状を達成するために変更してもよい。ある粒子に対し、1:1から5:1の範囲に及ぶ平均縦横比が典型的には望ましく、また、いくつかの実施形態においては、1.25:1から3:1、又は1.5:1から2.5:1の範囲に及ぶ平均縦横比が望ましい。
【0077】
本発明にしたがって製造されるセラミック物品(ガラス−セラミックスなど)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントの結晶子を含んでもよく、ここで結晶子は1マイクロメートル未満の平均寸法を有する。別の態様では、本発明にしたがって製造されるセラミック物品(ガラス−セラミックスなど)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセント、未満の結晶子を含んでもよく、ここで結晶子は0.5マイクロメートル未満の平均寸法を有する。別の態様では、本発明によるセラミックス(ガラス−セラミックスなど)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセント、未満の結晶子を含み、ここで結晶子は0.3マイクロメートル未満の平均寸法を有する。別の態様では、本発明にしたがって製造されるセラミック物品(ガラス−セラミックスなど)は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセント、未満の結晶子を含んでもよく、ここで結晶子は0.15マイクロメートル未満の平均寸法を有する。別の態様では、本発明にしたがって製造されるセラミック物品(ガラス−セラミックスなど)は、共晶ミクロ構造の特徴(すなわち、コロニー及び層状構造を有さない)又は非セル状ミクロ構造の少なくとも1つを有さなくてもよい。
【0078】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定のセラミック物品は、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は更には100体積パーセントのガラスを含んでもよい。別の態様では、本発明にしたがって製造される特定のセラミック物品は、例えば、100又は、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0079】
本発明にしたがって製造される特定の物品は、CaO及びAlを含むガラスを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがCaO及びAlを含む。
【0080】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、ガラス(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントのガラス)を含むセラミックを供給し、このガラスはCaO及びAlを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがCaO及びAlを含む。
【0081】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、CaO及びAlを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラス−セラミックがCaO及びAlを含む。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0082】
本発明にしたがって製造される特定の物品は、CaO、Al、及びZrOを含むガラスを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがCaO、Al、及びZrOを含む。
【0083】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、ガラス(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントのガラス)を含むセラミックを供給し、このガラスはCaO、Al、及びZrOを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがCaO、Al、及びZrOを含む。
【0084】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、CaO、Al、及びZrOを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラス−セラミックがCaO、Al、及びZrOを含む。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0085】
本発明にしたがって製造される特定の物品は、BaO及びTiOを含むガラスを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがBaO及びTiOを含む。
【0086】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、ガラス(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントのガラス)を含むセラミックを供給し、このガラスはBaO及びTiOを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがBaO及びTiOを含む。
【0087】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、BaO及びTiOを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラス−セラミックがBaO及びTiOを含む。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0088】
本発明にしたがって製造される特定の物品は、La及びTiOを含むガラスを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがLa及びTiOを含む。
【0089】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、ガラス(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントのガラス)を含むセラミックを供給し、このガラスはLa及びTiOを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがLa及びTiOを含む。
【0090】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、La及びTiOを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラス−セラミックがLa及びTiOを含む。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0091】
本発明にしたがって製造される特定の物品は、REO及びAlを含むガラスを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがREO及びAlを含む。
【0092】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、ガラス(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントのガラス)を含むセラミックを供給し、このガラスはREO及びAlを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがREO及びAlを含む。
【0093】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、REO及びAlを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラス−セラミックがREO及びAlを含む。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0094】
別の態様では、本発明は、REO及びAlを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、例えば、ガラス−セラミックは、1マイクロメートル未満(典型的には、500ナノメートル未満、更には300、200、又は150ナノメートル未満;及びいくつかの実施形態では、100、75、50、25、又は20ナノメートル未満)の平均結晶子寸法を有する結晶子を含むミクロ構造を呈し、(b)共晶ミクロ構造の特徴又は非セル状ミクロ構造の少なくとも1つを有さない。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0095】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、ガラス(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントのガラス)を含むセラミックを供給し、このガラスはREO、Al、及びZrOを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがREO及びAl及びZrOを含む。
【0096】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、REO、Al、及びZrOを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラス−セラミックがREO及びAl及びZrOを含む。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0097】
別の態様では、本発明は、REO、Al、及びZrOを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックは、(a)1マイクロメートル未満(典型的には、500ナノメートル未満、更には300、200、又は150ナノメートル未満;及びいくつかの実施形態では、100、75、50、25、又は20ナノメートル未満)の平均結晶子寸法を有する結晶子を含むミクロ構造を呈し、(b)共晶ミクロ構造の特徴又は非セル状ミクロ構造の少なくとも1つを有さない。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0098】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、ガラス(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99、又は更には100体積パーセントのガラス)を含むセラミックを供給し、このガラスはREO、Al、ZrO、及びSiOを含み、ここで、ガラスの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラスがREO及びAl及びZrOを含む。
【0099】
別の態様では、本発明にしたがって製造される特定の物品は、REO、Al、ZrO、及びSiOを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックの総重量に基づいて、総じて少なくとも80(85、90、95、97、98、99、又は更には100)重量パーセントのガラス−セラミックがREO及びAl及びZrOを含む。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0100】
別の態様では、本発明は、REO、Al、ZrO、及びSiOを含むガラス−セラミックを供給し、ここで、ガラス−セラミックは、(a)1マイクロメートル未満(典型的には、500ナノメートル未満、更には300、200、又は150ナノメートル未満;及びいくつかの実施形態では、100、75、50、25、又は20ナノメートル未満)の平均結晶子寸法を有する結晶子を含むミクロ構造を呈し、(b)共晶ミクロ構造の特徴又は非セル状ミクロ構造の少なくとも1つを有さない。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95体積パーセントのガラスを含んでもよい。ガラス−セラミックは、例えば、少なくとも99、98、97、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、又は5体積パーセントの結晶質セラミックを含んでもよい。
【0101】
本発明によるセラミックスの中に存在してもよい結晶質相には、アルミナ(例えば、α及び遷移アルミナ)、BaO、CaO、Cr、CoO、Fe、GeO、HfO、LiO、MgO、MnO、NiO、NaO、P、REO、Sc、SiO、SrO、TeO、TiO、V、Y、ZnO、ZrO、「錯体金属酸化物」(「錯体Al3・金属酸化物(例えば、錯体Al3・REO)など)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0102】
製造、使用及び特性などの、Alと、REO又はYのうちの少なくとも1つと、ZrO又はHfOのうちの少なくとも1つとを含むセラミックスについての更なる詳細に関しては、米国シリアル番号第09/922,527号、第09/922,528号、及び第09/922,530号(2001年8月2日出願)並びに米国シリアル番号第10/211,598号、第10/211,630号、第10/211,639号、第10/211,634号、第10/211,044号、第10/211,628号、第10/211,640号、及び第10/211,684号(2002年8月2日出願)を有する出願に見出すことができる。
【0103】
典型的には及び望ましくは、本発明によるセラミックの(真)密度は、比重として示されることもあり、理論上の密度の少なくとも70%である。より望ましくは、本発明によるセラミックの(真)密度は、理論上の密度の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は100%である。
【0104】
典型的には及び望ましくは、本発明によるセラミックの気孔率は、少なくとも25体積%、20体積%、15体積%、10体積%、5体積%、4体積%、3体積%、2体積%、1体積%、0.5体積%、未満、又は0体積%である。
【0105】
本発明によるセラミック物品の密度又は気孔率は、例えば、水銀ポロシメトリー、ガスピクノメトリーなどの既知の試験方法を使用して、又はアルキメデス法を使用することにより、測定することができる。
【0106】
本発明による物品の例には、キッチン用品(例えば、食器)、歯科材料、及び強化繊維、切削工具インサート、研磨材料、及びガスエンジンの構造部材(例えば、バルブ及びベアリング)が挙げられる。歯科材料などの物品の使用についての更なる情報は、米国特許第6,984,261号(カミングス(Cummings)ら)及び同第7,022,173号(カミングスら)、並びに、米国シリアル番号第11/018520号及び同第11/018117号(どちらも2004年12月21日出願)に見出すことができる。他の物品には、本体又は他の基材の外側表面上にセラミックの保護コーティングを有するものが挙げられる。更に、例えば、本発明によるセラミックは、マトリックス材料として使用することができる。例えば、本発明によるセラミックスは、ダイヤモンド、立方晶BN、Al、ZrO、Si、及びSiCなどの、セラミック材料及びこれに類するもののための結合剤として使用することができる。このような材料を含む有用な物品の例には、複合基材コーティング、切削工具インサート研磨剤凝集体、及び結合された陶化砥石などの研磨物品が挙げられる。本発明によるセラミックスの使用は、結合剤が、例えば、複合物品の、弾性、耐熱性、耐磨耗性、及び/又は強度を高め得るように用いることができる。
【実施例】
【0107】
本発明の目的及び利点は、下記の実施例によって更に例示されるが、これらの実施例において列挙された特定の材料及びその量は、他の諸条件及び詳細と同様に本発明を過度に制限するものと解釈すべきではない。
【0108】
(実施例1)
実施例1の材料は、アルコア・インダストリアル・ケミカルズ(Alcoa Industrial Chemicals)(アーカンソー州ボーキサイト(Bauxite))から商品名「Al6SG」として入手された1090.4グラムのアルミナ粒子、2096グラムの酸化ランタン粒子(モリコープ社(Molycorp, Inc.)から入手された)、600グラムのイットリア安定化酸化ジルコニア粒子(ZrO(+HfO)94.6重量%とY5.4重量%の公称組成を有する;ジルコニア・セールス社(Zirconia Sales, Inc.)(ジョージア州マリエッタ(Marietta))から商品名「HSY−3」として入手された)、240グラムの二酸化ケイ素粉末、1600グラムのイソプロピルアルコール、40gの分散剤ゾルスパース(Solsperse)2000、120gのPVP結合剤、及び3000グラムのアルミナミリング媒体(円筒形、高さ及び直径のどちらも0.635cm;99.9%アルミナ;クアーズ(Coors)(コロラド州ゴールデン(Golden))から入手された)で磁製ミルを充填することにより、調製された。
【0109】
磁製ミルの内容物を、16時間にわたって、60回転毎分(rpm)でミル処理した。ミル処理後、ミリング媒体を取り出し、スラリーを温かい(約75℃)ガラス(「パイレックス(登録商標)(PYREX(登録商標))」)受皿上に一層をなすように注ぎ、冷ましておき、オーブンの中で110℃で乾燥させた。乾燥した混合物は塗装刷毛を利用して30メッシュスクリーン(600マイクロメートル開口部寸法)を通してスクリーニングすることにより磨り潰され、電気加熱炉(CMファーニシズ(CM Furnaces)(ニュージャージー州ブルームフィールド(Bloomfield))から商品名「ラピッド・テンプ・ファーニス(Rapid Temp Furnace)」として入手される)内で2時間にわたって空気中において1325℃で焼成した。
【0110】
焼結した混合物を選別して、−80+100メッシュ分画(すなわち、180マイクロメートル開口部寸法と150マイクロメートル開口部寸法スクリーンとの間で回収され、約165マイクロメートルの平均粒径を有する分画)を保持した。5標準リットル毎分(SLPM)の窒素ガス雰囲気下において、生じたスクリーニング済み粒子を粉末供給装置に取り付けられた漏斗を通してゆっくりと(約0.5グラム/分)粒子が溶解する水素/酸素トーチ火炎に供給し、これを連続的に循環する乱流水(20℃)の入った19リットル(5ガロン)の矩形の容器(41センチメートル(cm)×53cm×18cm高さ)に直接運び、溶融した液滴を迅速に急冷した。粉末供給装置は、底部に70メッシュスクリーン(212マイクロメートル開口部寸法)があるキャニスター(8cm直径)を備えた。キャニスターの中に粉末を充填し、回転刷毛を使用してスクリーンの開口部を通過させた。トーチは、ペンシルバニア州ヘラータウン(Hellertown)のベスレヘムアパレイタス社(Bethlehem Apparatus Co.)から入手のベスレヘムベンチバーナー(Bethlehem bench burne)PM2DモデルBであった。トーチは中央供給ポート(内径0.475cm(3/16インチ))を有しており、この中央供給ポートを通じて、供給粒子を火炎の中に導いた。トーチにおける水素及び酸素流量は、次のとおりである。水素流量は42標準リットル毎分(SLPM)、及び酸素流量は18SLPM。火炎が水に当たる角度はおよそ90°であり、バーナーから水表面までの火炎の長さはおよそ38センチメートル(cm)であった。生じた(急冷された)粒子を受皿に回収し、乾燥するまで(約30分間)電気加熱炉内で110℃で加熱した。粒子は透明なガラスで、形状は球体であり、50マイクロメートルから180マイクロメートルまでの寸法の範囲にあり、約90マイクロメートルの平均粒径を有した。
【0111】
示差熱分析(DTA)について、粒子は90〜125マイクロメートル寸法範囲内のビーズを保持するようにスクリーニングされた。DTA試験は、(ドイツ、ゼルブ(Selb)のネッツインスツルメンツ社(Netzsch Instruments)から商品名「ネッツ(NETZSCH)STA409DTA/TGA」として入手されるものなどの計器を使用して)行われた。100マイクロリットルAl試料ホルダーに置かれたスクリーニング済み試料の量は400ミリグラムであった。試料は静的な空気中において10℃/分の速度で室温(約25℃)から1200℃まで加熱された。
【0112】
このガラスのガラス転移温度を測定したところ830℃であり、結晶化温度は1010℃であった。
【0113】
約8グラムの50〜106マイクロメートル寸法のビーズをアルミナるつぼの中に置き、軽くたたいて圧縮密度を高め、1000℃に予め加熱された電気加熱炉(キース・ファーニシズ(Keith Furnaces)(カリフォルニア州ピコリベラ(Pico Rivera))から商品名「型式KKSK−666−3100」として入手された)の中に挿入した。周囲気圧で8分間にわたって温度を保持した後、るつぼを炉から取り出した。驚くことに、ビーズは完全に合体して、外見が白い自立円筒体になった。焼結体の密度はアルキメデス法により測定され、95.7%であった。
【0114】
(実施例2)
実施例1の調製されたビーズ50グラムをサファイア乳鉢及び乳棒(pestel)を使用して20〜50マイクロメートルのおよその粒径まで粉砕した。保持時間が6分に短縮されたことを除き、約8グラムの粉砕されたビーズを実施例1に記載されているように焼結した。外見が半透明な自立黄色円筒体が得られた。焼結体の密度を測定したところ、99.1%であった。
【0115】
材料の2ミリメートル厚ディスクを円筒ブロックから切り出し、「マクベス(Macbeth)TD504」不透明度計を使用して光透過率を測定した。透過率は29%であると判明した。
【0116】
(実施例3)
実施例1で調製されたビーズ300gを、セラミックライニングされたミルを使用してジェットミル処理し、5〜12マイクロメートルの粒径を有するガラス粉末を生成させた。8グラムのミル処理された粉末を鋼製型の中に置き、684kPa(45ksi)で一軸プレスして、自立緑色体を形成した。保持時間が6分に短縮されたことを除き、緑色体を実施例2に記載されるように焼結した。高密度の黄色でほぼ不透明な自立円筒ブロックが得られた。この材料の密度を測定したところ、99.5%であった。
【0117】
(実施例4)
実施例3のジェットミル処理されたガラス粒子4gをダイヤモンド粉末(30マイクロメートル平均寸法)2gと混合した。混合物を鋼製型の中に装填し、100MPaで一軸圧縮して自立緑色体を形成した。続けて、複合体を実施例1に記載されているように焼結した。緑っぽい色(出発ダイヤモンド粉末の色であった)を有する不透明な自立円筒ブロックが得られた。
【0118】
(実施例5)
実施例3のジェットミル処理されたガラス粒子4gをアルミナるつぼの中に置き、軽くたたいた。W−Re(6%)ワイヤをるつぼの中央に置き、次にこれを実施例1の加熱サイクルにかけた。ワイヤを完全に封入する不透明な自立円筒ブロックが得られた。
【0119】
(実施例6〜21)
表1に報告されている組成であることを除き、実施例6〜21を本質的に実施例1に記載されているように調製した。
【0120】
【表1】

【0121】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する特許請求の範囲によってのみ限定されると意図される、本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスから物品を製造する方法であって、
外側表面を備える基材を供給する工程と、
少なくとも2種の異なる金属酸化物を含む少なくとも第1のガラスを供給する工程であって、前記第1のガラスがT及びTを有し、前記第1のガラスの前記Tと前記Tとの間の差異が少なくとも5Kであり、前記第1のガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有する、少なくとも第1のガラスを供給する工程と、
前記ガラスの少なくとも一部が前記基材の前記外側表面の少なくとも一部を濡らすように、前記第1のガラスを周囲気圧以下でそのT超まで加熱する工程と、
前記ガラスを冷却して、前記基材の前記外側表面の前記少なくとも一部に付着した前記ガラスを含むセラミックを含む物品を供給する工程と、を含み、前記セラミックの気孔率が20体積%未満である、方法。
【請求項2】
前記第1のガラスがREO−Alガラスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のガラスが、
30重量%〜70重量%のRe(I)
0重量%〜20重量%のRe(II)、及び
15重量%〜40重量%のAl、を含み、
式中、Re(I)=La若しくはGd又はこれらの組み合わせ、及び、
Re(II)=Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Tm、Y、若しくはYb、又はこれらの組み合わせである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のガラスが5重量%〜40重量%の、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、遷移金属酸化物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のガラスが0重量%〜15重量%のSiOを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のガラスが、総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、並びに、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物のうちの少なくとも1つ、を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のガラスが、総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、及びZrOを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のガラスが(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のガラスが30重量%〜65重量%のRe(I)を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のガラスが35重量%〜55重量%のRe(I)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のガラスが5重量%〜40重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のガラスが15重量%〜35重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のガラスが20重量%〜35重量%のAlを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のガラスが、
35重量%〜55重量%のRe(I)
0重量%〜20重量%のRe(II)
15重量%〜40重量%のAl
5重量%〜40重量%の、ZrO、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ、
0重量%〜15重量%のSiO、並びに、
70重量%を超える、Re(I)、Al、及び、ZrO、HfO、又はTiOのうちの少なくとも1つ、を含み、
Alの重量%が(Re(I)の重量%−10重量%)未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のガラスが、
20重量%〜35重量%のAl、及び、
5重量%〜35重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のガラスの前記Tと前記Tとの間の前記差異が少なくとも25Kである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のガラスの前記Tと前記Tとの間の前記差異が少なくとも50Kである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のガラスの前記Tと前記Tとの間の前記差異が少なくとも100Kである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記セラミックの前記気孔率が15体積%未満である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記セラミックの前記気孔率が10体積%未満である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記セラミックの前記気孔率が5体積%未満である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のガラスを加熱処理してガラス−セラミックを供給する工程を更に含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
第2のガラスを供給する工程と、前記第1のガラス及び前記第2のガラスを少なくとも前記第1のガラスのTを超えて加熱する工程とを更に含み、少なくとも前記第1のガラスが前記第2のガラスと合体して、前記物品を供給する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のガラスを粉砕する工程を更に含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ガラスを含むセラミックを含む1ミリメートル厚物品を通過する光透過率が少なくとも約25%である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
ガラスから物品を製造する方法であって、
外側表面を備える基材を供給する工程と、
ガラスを含む少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程であって、前記ガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、前記ガラスがT及びTを有し、前記ガラスの前記Tと前記Tとの間の差異が少なくとも5Kであり、前記ガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有する、少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程と、
前記ガラスの少なくとも一部が前記基材の前記外側表面の少なくとも一部を濡らすように、前記ガラスを周囲気圧以下でそのT超まで加熱する工程と、
前記ガラスを冷却して、前記基材の前記外側表面の前記少なくとも一部に付着した前記ガラスを含むセラミックを含む物品を供給する工程と、を含み、前記セラミックの気孔率が20体積%未満である、方法。
【請求項27】
ガラスから物品を製造する方法であって、
外側表面を備える基材を供給する工程と、
少なくとも第1のガラス及び第2のガラスを供給する工程であって、前記第1のガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、前記第1のガラスがTg1とTx1を有し、前記第1のガラスの前記Tg1と前記Tx1との間の差異が少なくとも5Kであり、前記第1のガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有し、前記第2のガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、前記第2のガラスがTg2及びTx2を有し、前記第2のガラスの前記Tg2と前記Tx2との間の差異が少なくとも5Kであり、前記第2のガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、及び40重量%未満のPを含有する、少なくとも第1のガラス及び第2のガラスを供給する工程と、
前記ガラスを周囲気圧以下で前記Tg1と前記Tg2のうちのより高い方を超えるまで加熱し、前記第1及び第2のガラスを合体させて、前記物品を供給する工程と、を含み、
前記物品の気孔率が20体積%未満である、方法。
【請求項28】
ガラスから物品を製造する方法であって、
ガラスを含む少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程であって、前記ガラスが少なくとも2種の異なる金属酸化物を含み、前記ガラスがT及びTを有し、前記ガラスの前記Tと前記Tとの間の差異が少なくとも5Kであり、前記ガラスが20重量%未満のSiO、20重量%未満のB、40重量%未満のP、及び50重量%未満のPbOを含有する、少なくとも第1の複数の粒子を供給する工程と、
前記ガラスを周囲気圧以下で前記T超まで加熱し、前記第1の複数の粒子の一部に合体させて、前記物品を供給する工程と、を含み、
前記セラミックの気孔率が20体積%未満である、方法。
【請求項29】
前記ガラスがREO−Alガラスである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ガラスが、
30重量%〜70重量%のRe(I)
0重量%〜20重量%のRe(II)、及び
15重量%〜40重量%のAl、を含み、
式中、Re(I)=La若しくはGd又はこれらの組み合わせ、及び、
Re(II)=Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Tm、Y、若しくはYb、又はこれらの組み合わせである、請求項29又は請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のものが5重量%〜40重量%の、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、遷移金属酸化物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
前記ガラスが0重量%〜15重量%のSiOを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項33】
前記ガラスが、総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、並びに、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物のうちの少なくとも1つ、を含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項34】
前記ガラスが、総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、及びZrOを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ガラスが(Re(I)の重量%−10重量%)未満の重量%でAlを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項36】
前記ガラスが30重量%〜65重量%のRe(I)を含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項37】
前記ガラスが35重量%〜55重量%のRe(I)を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ガラスが5重量%〜40重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項39】
前記ガラスが15重量%〜35重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ガラスが20重量%〜35重量%のAlを含む、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項41】
前記ガラスが、
35重量%〜55重量%のRe(I)
0重量%〜20重量%のRe(II)
15重量%〜40重量%のAl
5重量%〜40重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つ、
0重量%〜15重量%のSiO、並びに、
70重量%を超える、Re(I)、Al、及び、ZrO、HfO、又はTiOのうちの少なくとも1つ、を含み、
Alの重量%が(Re(I)の重量%−10重量%)未満である、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項42】
前記ガラスが、
20重量%〜35重量%のAl、及び、
5重量%〜35重量%の、ZrO、HfO、TiO、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ガラスの前記Tと前記Tとの間の前記差異が少なくとも25Kである、請求項29〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記ガラスの前記Tと前記Tとの間の前記差異が少なくとも50Kである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ガラスの前記Tと前記Tとの間の前記差異が少なくとも100Kである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記セラミックの前記気孔率が15体積%未満である、請求項29〜45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記セラミックの前記気孔率が10体積%未満である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記セラミックの前記気孔率が5体積%未満である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第1のガラスを加熱処理してガラス−セラミックを供給する工程を更に含む、請求項29〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記ガラスを含む1ミリメートル厚物品を通過する光透過率が少なくとも約25%である、請求項29〜49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記粒子の約50体積%までが約10マイクロメートル未満の平均粒子寸法を有する、請求項29〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
ガラスを含むセラミック物品であって、前記ガラスが、
30重量%〜55重量%のRe(I)
0重量%〜20重量%のRe(II)
(式中、Re(I)=La若しくはGd又はこれらの組み合わせ、並びに、
Re(II)=Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Tm、Y、若しくはYb、又はこれらの組み合わせである)、
5重量%〜40重量%の、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、遷移金属酸化物又はこれらの組み合わせ、
0重量%〜15重量%のSiO、並びに、
総じて70重量%を超える、Re(I)、Al、並びに、ZrO、TiO、アルカリ金属酸化物、及びアルカリ土類金属酸化物のうちの少なくとも1つ、を含み、
Alは、(Re(I)の重量%−10重量%)から40重量%までの量で存在し、
前記ガラスはT及びTを有し、前記ガラスの前記Tと前記Tとの間の差異が少なくとも100Kである、セラミック物品。
【請求項53】
前記セラミック物品が少なくとも2つの、約500マイクロメートルを超える寸法を有する、請求項52に記載のセラミック物品。
【請求項54】
前記セラミック物品が約500マイクロメートルを超える、x、y、及びz寸法を有する、請求項53に記載のセラミック物品。
【請求項55】
前記セラミック物品の気孔率が20体積%未満である、請求項52〜54のいずれか一項に記載のセラミック物品。
【請求項56】
前記セラミック物品の前記気孔率が15体積%未満である、請求項55に記載のセラミック物品。
【請求項57】
前記セラミック物品の前記気孔率が10体積%未満である、請求項56に記載のセラミック物品。
【請求項58】
ダイヤモンド、立方晶BN、Al、ZrO、Si、及びSiCからなる群から選択されるセラミック材料を更に含む、請求項52〜57のいずれか一項に記載のセラミック物品。

【公表番号】特表2011−502089(P2011−502089A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507699(P2010−507699)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/063255
【国際公開番号】WO2008/141188
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】