説明

ガラス製静電チャックおよびその製造方法

【課題】吸着面の平滑性に優れ、被吸着物を汚染するパーティクルやガスの発生がなく、被吸着物の変形や損傷を防止することができ、かつ、吸着力に優れた静電チャックおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】2枚の板状ガラスの間に金属材料を挟み、加熱および加圧によりガラスを融着させることにより、ガラスの内部に金属層3が埋設され、前記金属層3が電極、前記金属層3からガラス表面までの距離が短い側が誘電層2、前記金属層3からガラス表面までの距離が長い側が基材1であり、前記誘電層2の厚さが40μm以上300μm以下である静電チャックを作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体・液晶等の製造工程において、半導体ウエハやガラス基板、マスク等の保持、固定、搬送等に用いられ、特に、高精度のパターン形成が求められる縮小露光工程におけるフォトマスクの保持、固定に好適に用いることができるガラス製静電チャックおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造において、基板上への回路パターン形成の際には、被処理面全体を均一に加工する観点から、ウエハやフォトマスクを固定する部材として、静電作用を利用して吸脱着を行う静電チャックが広く用いられている。
また、静電チャックは、真空チャックで試料を固定すると強力な吸引力によって試料が変形し、精密な測定が困難である等、真空チャックの適用に適さない分野において、計測器用の精密ステージとしても利用されている。
【0003】
近年、集積回路の集積度の向上に伴い、回路パターンの微細化が進み、高精度のパターン形成が求められている。
このため、ウエハやフォトマスクを固定する静電チャックには、温度変化に対して寸法変動の小さいこと、すなわち、低熱膨張性であること、また、吸着面が平滑であることが求められる。
また、上記パターン化処理は、高真空中で行われるため、静電チャックの特性としては、真空中でも安定した吸着力があり、ガスやパーティクルを生じないことが望ましい。
【0004】
従来、低熱膨張性材料を用いた静電チャックとしては、例えば、特許文献1に記載されているような、コーディエライト、LAS(LiO2−Al23−SiO2)系セラミックス等が用いられたものが一般的であった。
【特許文献1】特開2004−335742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、セラミックスは、多結晶体であり、微小な結晶粒子が結合して、形状を維持しているため、上記特許文献1に記載されているようなセラミックスにより作製された静電チャックは、吸着面の平滑化のための研磨加工の際、結晶粒界の部分に数nm以上の凹凸が生じたり、セラミックス中に残留した気孔等に起因する直径数十μm程度のくぼみが生じたりする。
このような微小な凹凸やくぼみは、静電チャックに対する被吸着物のたわみの原因となり、計測や露光によるパターン形成における精度の低下を招き、また、チャッキング時に被吸着物に傷を付けることとなる。
したがって、吸着面には、上記のような凹凸等のない平滑な面であることが求められる。
【0006】
また、セラミックス製の静電チャックは、使用時に、セラミックスを構成している微小な結晶粒子の一部が脱落して、被吸着物の表面に付着し、該被吸着物を汚染するパーティクル発生源となることがある。
【0007】
また、静電チャックの製造において、セラミックス基材上に誘電層を形成する方法としては、無機系または有機系の接着剤を用いて、誘電層を貼り付ける方法がある。
しかしながら、上記方法において、接着剤の均一な塗布は難しく、また、接着強度が不十分である場合もあり、誘電層を薄く平滑に加工することは困難であった。また、接合層に残留する不純物により、電圧を印加したときに、接合層で絶縁破壊を生じる場合もあった。さらに、高真空中で使用する場合、接着剤の成分が気化してガスが発生し、処理室内を汚染するという課題も有していた。
【0008】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、吸着面の平滑性に優れ、被吸着物を汚染するパーティクルやガスの発生がなく、被吸着物の変形や損傷を防止することができ、かつ、吸着力に優れたガラス製静電チャックおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るガラス製静電チャックは、表裏を有する板状ガラスの内部に金属層が埋設され、前記金属層が電極であり、前記ガラスにおいて、前記金属層からガラス表面までの距離が短い側が誘電層、前記金属層からガラス表面までの距離が長い側が基材層であり、前記誘電層の厚さが40μm以上300μm以下であることを特徴とする。
このようなガラス製の静電チャックによれば、平滑性に優れた表面が得られ、また、被吸着物の汚染源となるパーティクルやガスの発生も抑制される。
【0010】
前記板状ガラスは、少なくとも誘電層がシリカガラスからなり、前記シリカガラスは0〜100℃における熱膨張係数の絶対値が5.5×10-7/K以下であることが好ましい。
あるいはまた、前記板状ガラスは、少なくとも誘電層がチタニア−シリカガラスからなり、前記チタニア−シリカガラスはチタニア成分を3重量%以上15重量%未満含み、18〜30℃における熱膨張係数の絶対値が5.0×10-8/K以下であることが好ましい。
このように、熱膨張率の小さいシリカガラスやチタニア−シリカガラスを用いることによって、温度変動による静電チャックの変形が抑制され、また、材質がガラスであるため、平滑性に優れた吸着面となり、精密ステージとしても好適に用いることができる。
【0011】
また、前記金属層は、厚さ0.3μm以上250μm以下であることが好ましい。
金属層を上記範囲内の厚さとすることにより、内部応力による静電チャックの割れや金属層のクラックを生じることなく、良好に通電し、静電チャックとして好適に使用することができる。
【0012】
また、前記金属層は、Ni、Mo、W、PtおよびTiのうちのいずれかの金属からなる単一層構造、または、これらのうちの2種以上の金属からなる多層構造であることが好ましい。
これらの金属材料によれば、汎用性やガラスとの反応性の観点から、好適な電極を構成することができる。
【0013】
前記ガラス製静電チャックは、特に、前記誘電層および基材層がいずれも、0〜100℃における熱膨張係数の絶対値が5.5×10-7/K以下であるシリカガラスからなり、前記金属層が、Ni、Mo、W、PtおよびTiのうちのいずれかの金属からなる単一層構造、または、これらのうちの2種以上の金属からなる多層構造により構成されていることが好ましい。
【0014】
あるいはまた、前記誘電層および基材層がいずれも、チタニア成分を3重量%以上15重量%未満含み、18〜30℃における熱膨張係数の絶対値が5.0×10-8/K以下であるチタニア−シリカガラスからなり、前記金属層が、Ni、Mo、W、PtおよびTiのうちのいずれかの金属からなる単一層構造、または、これらのうちの2種以上の金属からなる多層構造により構成されていることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係るガラス製静電チャックの製造方法は、上記のような静電チャックを製造する方法において、2枚の板状ガラスの間に金属材料を挟み、加熱および加圧により2枚のガラス表面を融着させて、ガラスの内部に金属層を埋設させることを特徴とする。
このように、本発明に係るガラス製静電チャックは、接着剤等を用いることなく、融着により接合することができるため、接合面に気泡や異物を含むことなく、基材と誘電層とがガラス相で一体化したガラス体の内部に電極材料を埋設させることができる。
【発明の効果】
【0016】
上述したとおり、本発明に係るガラス製静電チャックによれば、材質がガラスであるため、従来のセラミックス製のものに比べて、吸着面の平滑性に優れ、被吸着物を汚染するパーティクルの発生が抑制され、被吸着物の変形や損傷を防止することができる。
また、前記静電チャックの基材と誘電層とは、接着剤等を用いずに接合することができるため、高真空中においてもガスの発生がなく、また、誘電層の薄層化を図ることができ、吸着力の向上も図られる。
したがって、本発明に係るガラス製静電チャックは、特に、高精度でのパターン形成が求められる縮小露光工程において、フォトマスクを保持するために好適に用いることができる。また、高精度計測器用のステージにも、好適に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について、より詳細に説明する。
図1に、本発明に係るガラス製静電チャックの概略構成を示す。図1に示した静電チャックは、板状ガラスの内部に金属層3が埋設され、前記金属層3が電極、前記金属層3からガラス表面までの距離が短い側(図1においては上部)が誘電層1、前記金属層3からガラス表面までの距離が長い側(図1においては下部)が基材2として構成されているものである。前記基材2には、給電端子用穴4が形成されている。
ガラス製静電チャックは、吸着面がガラス、すなわち、非晶質であるため、微小な結晶粒子の構造体である多結晶体に見られるような結晶粒界がなく、研磨加工により、平滑性に優れた表面が得られ、また、使用時においても、結晶粒子の脱落に伴うパーティクルの発生はなく、被吸着物の汚染を抑制することができる。
【0018】
前記静電チャックにおいては、誘電層と基材層は、化学的に結合して一体化しているガラスの内部に金属が埋設された構造体であるため、誘電層を薄く形成することができ、厚さ40μm以上300μm以下とすることにより、電極に対する十分な絶縁性および実用的な吸着力を有する静電チャックとすることができる。
なお、基材の厚さは、吸着面の面積、必要な吸着力等に応じて、面精度を維持するのに必要な強度が得られるように適宜定められる。
【0019】
上記のような静電チャックは、2枚の板状ガラスの間に金属材料を挟み、加熱および加圧により2枚のガラス表面を融着させて、ガラスの内部に金属層を埋設させることにより作製することができる。
このように、本発明に係るガラス製静電チャックは、接着剤等を用いることなく、熱と圧力を利用した融着により、基材、金属層および誘電層を接合することができる。このため、基材や誘電層と異なる材質の接合層が介在せず、接合面に気泡や異物を含むことなく、基材と誘電層とが一体化したガラス体の内部に電極材料が埋設された構造の静電チャックを作製することができる。
【0020】
通常、基材と誘電層との間に接合層があると、該接合層の部分で強度が低下し、加工時に割れやマイクロクラック等が発生する原因となる。
これに対して、融着により基材と誘電層とを一体化させた本発明に係る静電チャックは、上記のように、誘電層の厚さを40μm以上300μm以下と薄くした場合であっても、クラック発生等の問題を生じることなく、形状を維持して加工することができる。
【0021】
また、静電チャックは、真空中で使用されることも多いが、高真空中のチャンバ内で使用した場合においても、本発明に係るガラス製静電チャックは、接着剤を使用せずに作製されるため、被吸着物の汚染源となるような接合剤由来のガスが発生することもない。
【0022】
なお、基材1には、図1に示したような金属層2に通じる給電端子用穴4を、基材1と誘電層2とを接合させる前に予め、形成しておくことが好ましい。
これにより、接合後、前記給電端子用穴4内で、導電ペースト等を用いて、金属層2に給電端子および導線を固定することができる。
【0023】
金属層(電極)に給電する他の方法として、基材を給電端子導入部分で厚さ方向に切断し、後述する金属層の形成方法と同様に、金属電極材料を蒸着等により形成し、加熱および加圧により基材のガラスを融着させ、これを基材の面方向にスライスすることより、給電端子が予め埋め込まれた基材を作製する方法を用いることもできる。
この場合は、誘電層との接合前に導線を接続させておくことが好ましい。これにより、ガラス内に埋設された金属層と導線とを、より確実に接続することができる。
【0024】
電極に給電するための導線の接続方法は、上記方法に限定されるものではない。
静電チャックは、金属層(電極)に給電することにより、吸着力を発現するものであり、本発明においては、ガラスの内部に金属層が埋設されている点に特徴を有しており、給電方法は、適宜選択することができる。
【0025】
静電チャックは、上述したように、吸着面が温度変化による伸縮変形を生じないことが求められるため、誘電層の材質は、0〜100℃における熱膨張係数の絶対値が5.5×10-7/K以下であるシリカガラスであることが好ましい。
なお、前記シリカガラスは、VAD(Vaper-phase Axial Deposition)法や直接法により製造されたものが、気泡や不純物の混入が少なく、比較的均質であることから好ましい。このようなシリカガラスを用いれば、より高電圧を印加しても絶縁破壊し難い、安定したガラス製静電チャックを作製することができる。
【0026】
また、温度変化等による伸縮がより小さいものが求められる場合には、18〜30℃での熱膨張係数の絶対値が5.0×10-8/K以下であり、シリカを主成分とし、チタニアが3%以上15%未満であるチタニア−シリカガラスを用いることが好ましい。
前記チタニア含有量が15%以上である場合、チタニア成分が結晶化したり、熱膨張係数の絶対値が大きくなる。
一方、前記チタニア含有量が3%未満である場合は、熱膨張係数の絶対値を小さくする効果が十分に得られない。
【0027】
また、前記金属層を構成する金属材料には、汎用性やガラスとの反応性の観点から、Ni、Mo、W、PtおよびTiのうちのいずれかを用いることが好ましい。
前記金属層は、これらのうちの1種を用いた単一層構造であっても、あるいはまた、2種以上による多層構造であってもよい。
【0028】
また、前記金属層は、厚さ0.3μm以上250μm以下であることが好ましい。
前記厚さが250μmを超える場合、材料の変形や熱膨張係数の差により、内部に応力が発生し、取扱いの際、静電チャックが割れるおそれがある。
一方、前記厚さが0.3μm未満である場合、誘電層と基材との融着時に、金属層が変形してクラックが生じ、電圧を印加した際、通電不良となりやすい。
【0029】
前記金属層の作製は、蒸着により誘電層または基材のガラス材に、金属膜を成膜した後、エッチングによりパターン形成したり、加工した金属箔や金属メッシュを誘電層と基材との間に挿入したりすることにより行うことができる。
また、用途に応じて電極パターン構成を変化させることにより、双極タイプにも、単極タイプにも適用可能である。
【0030】
本発明に係る静電チャックは、金属をシリカガラスに埋設した構造であることから、高温や酸性雰囲気中においても金属の酸化や溶解が防止されるため、電磁シールドとしても好適に使用することができる。
また、低熱膨張性材料により構成されていることから、温度変化による寸法変形の小さい高精度計測器におけるステージ等にも好適に適用することができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1,2]
VAD法により製造したシリカガラスから、50mm×50mm×厚さ6mmと50mm×50mm×厚さ1mmの板状ガラス2枚を切り出し、接合させる面を鏡面研磨した。
厚さ1mmの板状ガラス(誘電層)の接合させる面に、電極パターンを形成した。蒸着により、面内の40mm×40mmの範囲内に、Moを厚さ約0.5μmで、Line/Space=2mm/0.2mmのくし型状に蒸着し、双極型電極とした。
一方、厚さ6mmの板状ガラス(基材)には、給電端子用穴を加工した。
前記2枚の板状ガラスを、電極が挟み込まれるようにホットプレスにセットした。真空中で1200℃、保持時間1hr、プレス圧力20MPaで処理し、シリカガラス内部に金属層(電極)を埋設させた。
この表面を平面研削機で研削した後、吸着面側を研磨機で鏡面研磨して、表1の実施例1〜4および比較例1,2に示すような各厚さの誘電層を備えた静電チャックを作製した。
【0032】
得られた静電チャックの吸着面を、非接触粗測定器(New View 6300:Zygo社製)により測定したところ、表面粗さRaは0.86nm(測定範囲:690μm×520μm)であり、また、表面には、多結晶体にみられるような粒界による凹凸や材料内部に残留した微小な気孔に起因するくぼみ等は観察されなかった。
【0033】
さらに、基材に加工した給電端子用穴内に、導電ペーストを用いて、金属層に導線を固定した。
この静電チャックを用いて、導電膜を蒸着した直径30mmの板状シリカガラスを被吸着物として、吸着力の評価を行った。評価方法は、約10-6Torrの高真空中で、±2kVの電圧を印加して、被吸着物を静電チャックから引き離す方向に力を加え、被吸着物が静電チャックから離れたときの力をロードセルにより計測することにより行った。
これらの評価結果を表1にまとめて示す。






【0034】
【表1】

【0035】
表1に示したように、融着により接合した静電チャックは、誘電層の厚さを30μm以下とすると(比較例1)、加工中にクラックが発生して、作製することができなかった。
一方、誘電層の厚さが350μmである場合(比較例2)、静電チャックを作製することができたが、吸着力が微弱なため、測定できなかった。
【0036】
[比較例3]
2枚の板状ガラスの接合の際、エポキシ系樹脂接着剤を用いて接合し、それ以外については、実施例1と同様にして、静電チャックの作製を行ったところ、誘電層の厚さを薄く、かつ、平滑に加工すると、クラックが発生し、誘電層が薄い静電チャックを作製することが困難であった。
また、誘電層を厚くして作製した静電チャックをチャンバ内に設置し、10-6Paの真空状態にしようとしたところ、接着剤からの脱ガスにより、所望の真空度まで到達させることが困難であった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るガラス製静電チャックの構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 基材
2 誘電層
3 金属層
4 給電端子用穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏を有する板状ガラスの内部に金属層が埋設され、前記金属層が電極であり、前記ガラスにおいて、前記金属層からガラス表面までの距離が短い側が誘電層、前記金属層からガラス表面までの距離が長い側が基材層であり、前記誘電層の厚さが40μm以上300μm以下であることを特徴とするガラス製静電チャック。
【請求項2】
前記板状ガラスは、少なくとも誘電層がシリカガラスからなり、前記シリカガラスは0〜100℃における熱膨張係数の絶対値が5.5×10-7/K以下であることを特徴とする請求項1記載のガラス製静電チャック。
【請求項3】
前記板状ガラスは、少なくとも誘電層がチタニア−シリカガラスからなり、前記チタニア−シリカガラスはチタニア成分を3重量%以上15重量%未満含み、18〜30℃における熱膨張係数の絶対値が5.0×10-8/K以下であることを特徴とする請求項1記載のガラス製静電チャック。
【請求項4】
前記金属層が、Ni、Mo、W、PtおよびTiのうちのいずれかの金属からなる単一層構造、または、これらのうちの2種以上の金属からなる多層構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス製静電チャック。
【請求項5】
前記誘電層および基材層がいずれも、0〜100℃における熱膨張係数の絶対値が5.5×10-7/K以下であるシリカガラスからなり、前記金属層が、Ni、Mo、W、PtおよびTiのうちのいずれかの金属からなる単一層構造、または、これらのうちの2種以上の金属からなる多層構造により構成されていることを特徴とする請求項1記載のガラス製静電チャック。
【請求項6】
前記誘電層および基材層がいずれも、チタニア成分を3重量%以上15重量%未満含み、18〜30℃における熱膨張係数の絶対値が5.0×10-8/K以下であるチタニア−シリカガラスからなり、前記金属層が、Ni、Mo、W、PtおよびTiのうちのいずれかの金属からなる単一層構造、または、これらのうちの2種以上の金属からなる多層構造により構成されていることを特徴とする請求項1記載のガラス製静電チャック。
【請求項7】
前記金属層が、厚さ0.3μm以上250μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガラス製静電チャック。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のガラス製静電チャックの製造方法において、2枚の板状ガラスの間に金属材料を挟み、加熱および加圧により2枚のガラス表面を融着させて、ガラスの内部に金属層を埋設させることを特徴とするガラス製静電チャックの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−32718(P2009−32718A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191984(P2007−191984)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(507182807)コバレントマテリアル株式会社 (506)
【Fターム(参考)】