説明

ガンマ補正用テーブルの作成方法、表示装置用駆動回路、及び電気光学装置

【課題】ドライバICのコストダウンを図りつつ、複数のガンマを表現することができる
ガンマ補正用テーブルの作成方法、表示装置用駆動回路、及び電気光学装置を提供する。
【解決手段】目的とする最大のガンマにおける所定輝度となる階調以下の低階調レベル領
域のガンマ曲線に対して、目的とする最小のガンマにおける前記所定輝度となる階調以上
の高階調レベル領域のガンマ曲線をオフセットして結合した特性線に基づいて、ガンマ補
正用テーブルを作成する。そして、このガンマ補正用テーブルに合うように基準階調電圧
回路40のラダー抵抗の抵抗分圧比を設定することで、基準階調電圧回路40からガンマ
補正用テーブルに合った基準階調電圧V1〜Vnを発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示の際のガンマ補正に用いられるガンマ補正用テーブルの作成方法、
そのガンマ補正用テーブルを用いた表示装置用駆動回路、及びその表示装置用駆動回路を
備えた電気光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を表示する液晶表示装置などの電気光学装置が知られている。
電気光学装置は、例えば、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する液晶駆動回路としての
走査線駆動回路、データ線駆動回路及び階調電圧発生回路と、液晶駆動回路を制御するコ
ントロール回路とを備えている。
走査線駆動回路は、n本の走査線に対して高電位を順次印加することによって走査を行
い、各走査線に接続されたスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(以下、TFTと
称す)をオン状態とする。また、データ線駆動回路は、走査線駆動回路が走査線を走査し
ている状態において、m本のデータ線の何れかに画像データに応じた階調電圧を出力する

【0003】
これにより、オン状態となっているTFTを介して画素電極に階調電圧が書き込まれ、
一定の電位に設定された共通電極と階調電圧が印加された画素電極との間の電位差によっ
て光の透過量が制御される。
階調電圧発生回路は、データ線駆動回路に対して、画像データの階調レベルに応じて適
宜設定された階調数分の基準階調電圧を供給する。このとき、基準階調電圧は、画像デー
タの階調レベルと光透過率との関係を示すガンマ特性に合うように設定される。
【0004】
このような電気光学装置としては、ラダー抵抗から構成される階調電圧発生回路を備え
、外部から供給される基準電圧を抵抗分割して所望の階調数分の階調電圧を発生するとい
うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、表現したいガンマ特性に
合うようにラダー抵抗の抵抗分圧比を刻むことで、所望の階調電圧を生成している。
【特許文献1】特開2002−366122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、液晶パネルのカラー化に伴い、パネルの見栄えに関する要求が高まっ
ている。いくつか例を挙げると、(1)表現色数の増加、(2)ガンマカーブの複数選択
(3)広視野角液晶の採用、などがある。
このように複数のガンマを必要とした場合、上記特許文献1に記載の電気光学装置にあ
っては、必要とするガンマの数だけラダー抵抗を設ける必要があるため、回路規模が増大
すると共にコストが嵩む。
【0006】
そこで、等間隔に刻んだラダー抵抗を一つだけ設け、ガンマテーブルを必要なガンマの
数だけ持つことで、複数ガンマに対応することも考えられるが、この場合、必要とするガ
ンマの数だけレジスタを持つ必要があるため、上記と同様にコストが嵩む。
そこで、本発明は、ドライバICのコストダウンを図りつつ、複数のガンマを表現する
ことができるガンマ補正用テーブルの作成方法、表示装置用駆動回路、及び電気光学装置
を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明に係るガンマ補正用テーブルの作成方法は、目
的とする最大のガンマにおける所定輝度となる階調以下の低階調レベル領域のガンマ曲線
に対して、目的とする最小のガンマにおける前記所定輝度となる階調以上の高階調レベル
領域のガンマ曲線をオフセットして結合した特性線に基づいて、ガンマ補正用テーブルを
作成することを特徴としている。
【0008】
これにより、目的とするガンマの最小と最大とを考慮したガンマ補正用テーブルが作成
されるので、このガンマ補正用テーブルを用いて画像表示の際のガンマ補正を行うことで
、比較的簡易な回路構成で複数ガンマに対応することができ、ドライバICのコストダウ
ンを図りつつパネルの見栄えを向上させることができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、目的とするガンマの最小及び最大を選択す
るステップと、
選択した最小ガンマ及び最大ガンマを夫々階調に対する輝度特性として正規化するステ
ップと、
最大ガンマにおける階調に対する輝度特性について、所定階調での単位階調変化当たり
の輝度変化量である第一輝度変化率と、最小ガンマにおける階調に対する輝度特性につい
て、前記最大ガンマにおける前記所定階調での輝度と同一輝度、若しくは直近の高輝度と
なる階調での単位階調変化当たりの輝度変化率である第二輝度変化率とを比較するステッ
プと、
前記第一輝度変化率と前記第二輝度変化率との大小関係が逆転する階調の輝度まで、前
記最大ガンマにおける階調に対する輝度特性と同等の輝度変化率で輝度をプロットし、前
記大小関係が逆転する階調の輝度から、前記最小ガンマにおける階調に対する輝度特性と
同等の輝度変化率で輝度をプロットするステップと、
を備えることを特徴としている。
【0009】
これにより、目的とするガンマの最小と最大とを考慮し、両者の階調−輝度特性の傾き
が緩やかな方をピックアップしたガンマ補正用テーブルが作成される。したがって、この
ガンマ補正用テーブルを用いることにより、最小ガンマと最大ガンマとの間の複数のガン
マを表現することができるので、表現したいガンマの数だけテーブルやガンマ補正回路を
設ける必要がなくなり、ドライバICのコストダウンを実現することができる。
【0010】
さらに、第3の発明に係る表示装置用駆動回路は、階調を示す表示データに応じた階調
表示電圧を、表示パネルに印加する表示装置用駆動回路であって、
入力電圧を分圧して所定のガンマ補正用テーブルに対応した複数の基準階調電圧を出力
する階調電圧発生回路と、
該階調電圧発生回路で出力した複数の基準階調電圧から、前記表示データに応じた前記
階調表示電圧を選択する選択回路と、を有し、
前記ガンマ補正用テーブルは、目的とする最大のガンマにおける所定輝度となる階調以
下の低階調レベル領域のガンマ曲線に、目的とする最小のガンマにおける前記所定輝度と
なる階調以上の高階調レベル領域のガンマ曲線をオフセットして結合した特性線に基づい
て作成されていることを特徴としている。
【0011】
これにより、階調電圧発生回路は、複数ガンマに対応可能な基準階調電圧を出力するこ
とができるので、ラダー抵抗を複数設けたりレジスタを複数設けたりすることなく、所望
の階調表示電圧を出力することができ、ドライバICのコストダウンを実現することがで
きる。
さらに、第4の発明は、第3の発明において、前記階調電圧発生回路は、入力電圧を所
定の抵抗分圧比で抵抗分圧するラダー抵抗を有し、当該抵抗分圧比が前記ガンマ補正用テ
ーブルに基づいて設定されていることを特徴としている。
【0012】
これにより、ラダー抵抗を一つ設けるだけで複数ガンマに対応した基準階調電圧を発生
することができるので、ラダー抵抗を必要なガンマの数だけ設ける必要がなくなり、回路
規模を小さくすることができると共に、ドライバICのコストダウンを実現することがで
きる。
また、第5の発明は、第3の発明において、前記階調電圧発生回路は、入力電圧を等間
隔に抵抗分圧するラダー抵抗と、該ラダー抵抗によって均等分割された電圧から前記基準
階調電圧を選択するための設定値を保持するレジスタとを有し、前記設定値は、前記ガン
マ補正用テーブルに基づいて定められていることを特徴としている。
【0013】
これにより、レジスタを一つ設けるだけで複数ガンマに対応した基準階調電圧を発生す
ることができるので、レジスタを必要なガンマの数だけ設ける必要がなくなり、ICドラ
イバのコストダウンを実現することができる。
さらに、第6の発明の電気光学装置は、前記第3乃至第5の発明の何れか1つの表示装
置用駆動回路を備えていることを特徴としている。
【0014】
これにより、ドライバICのコストダウンを図りつつ、複数ガンマを表現することがで
きる電気光学装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の電気光学装置100のブロック図である。この電気光学装置100
は、液晶パネル10と、液晶パネル10を駆動する走査線駆動回路20及びデータ線駆動
回路30と、データ線駆動回路30にガンマ補正用の基準階調電圧を供給する基準階調電
圧発生回路40と、走査線駆動回路20及びデータ線駆動回路30を制御するコントロー
ル回路50と、液晶パネル10、走査線駆動回路20、データ線駆動回路30及び基準階
調電圧発生回路40に電圧を供給する液晶駆動用電源回路60とを備えている。ここで、
走査線駆動回路20、データ線駆動回路30及び基準階調電圧発生回路40で表示装置用
駆動回路としての液晶駆動回路15を構成している。
【0016】
コントロール回路50には、画像信号(デジタルRGB表示データ)と共に、画像信号
の表示を制御する制御信号(水平同期信号、垂直同期信号、データイネーブル信号、クロ
ック信号)が入力される。
そして、コントロール回路50は、これらの入力信号をデジタル的に信号処理し、デジ
タルRGB表示データをデータ線駆動回路30に供給し、クロックパルスを液晶駆動用電
源回路60及び走査線駆動回路20へ供給する。また、フレーム信号(スタートパルス)
も走査線駆動回路20へ供給する。
【0017】
液晶駆動用電源回路60は、供給された入力電圧VINをもとに、電気光学装置100
内で使用される各種の電圧、具体的には、コントロール回路50、走査線駆動回路20及
びデータ線駆動回路30に対する駆動用電圧を生成する。また、液晶駆動用電源回路60
は、ガンマ補正用の基準階調電圧発生回路40へ供給する基準電圧VCOMを生成する。
さらに、液晶駆動用電源回路60は、データ線駆動回路30を介して液晶パネル10の
データ線に印加するための電圧や、走査線駆動回路20を介して液晶パネル10の走査線
に印加するための電圧、液晶パネル10の共通電極に印加するための電圧を生成する。
【0018】
基準階調電圧発生回路40は、液晶駆動用電源回路60から供給された基準電圧VCO
M及びGNDを抵抗分圧することにより、複数の基準階調電圧V1〜Vnを生成し、これ
らをデータ線駆動回路30へ供給する。
データ線駆動回路30は、基準階調電圧発生回路40から供給された基準階調電圧V1
〜Vnの中から、入力される表示データに応じた階調電圧を選択すると共に、選択した電
圧を液晶パネル10のデータ線に供給する。
【0019】
図2は、データ線駆動回路30の構成を示すブロック図である。
この図2に示すように、データ線駆動回路30は、入力ラッチ回路31と、シフトレジ
スタ回路32と、サンプリングメモリ回路33と、ホールドメモリ回路34と、レベルシ
フタ回路35と、選択回路としてのDA変換回路36と、出力バッファ回路37と、を備
えている。
【0020】
コントロール回路50から入力されたRGB各mビットのデジタルRGB表示データD
R,DG,DBは、入力ラッチ回路31において時分割で内部にラッチされる。そして、
その表示データは、サンプリングメモリ回路33、ホールドメモリ回路34、レベルシフ
タ回路35を経て、水平同期信号(ラッチ信号LS)に同期して発生される水平スタート
パルスSPに基づいて、基準階調電圧発生回路40から供給される基準階調電圧V1〜V
nをもとに、DA変換回路36によりDA変換される。
【0021】
DA変換回路36は、基準階調電圧発生回路40から供給される基準階調電圧V1〜V
nから、レベルシフタ回路35でレベル変換された表示データに応じたアナログ電圧(階
調表示電圧)を選択する。この階調表示を表すアナログ電圧は、出力バッファ回路37を
介して、液晶パネル10の各ゲート線へ出力される。
このようにして、データ線駆動回路30において、階調表示電圧としてのアナログ電圧
を液晶パネル10のデータ線に印加することにより、液晶パネル10の光透過率がRGB
の各画素に対して、例えば、8ビット即ち28(=256)段階の階調表示ができるよう
になっている。
【0022】
また、基準階調電圧発生回路40は、複数の抵抗を直列接続したラダー抵抗からなる抵
抗分圧回路であり、その抵抗分圧比により基準電圧VCOMとGND間から生成される各
階調電圧V1〜Vnの電圧値が決定する。
ここで、第1の実施形態では、上記ラダー抵抗の抵抗値が後述するガンマ補正用テーブ
ルに合うように設定されて、その抵抗分圧比が決定されており、基準電圧VCOMをもと
に生成される階調電圧V1〜Vnは、当該ガンマ補正用テーブルに対応した値となってい
るものとする。つまり、基準階調電圧発生回路40は、ガンマ補正回路として機能するも
のである。
【0023】
次に、上記ガンマ補正用テーブルの作成方法について詳述する。
ガンマ補正用テーブルは、目的とするガンマの最小γMINと最大γMAXとを考慮し、最大
ガンマγMAXにおける所定輝度となる階調以下の低階調レベル領域のガンマ曲線に、最小
ガンマγMINにおける前記所定輝度となる階調以上の高階調レベル領域のガンマ曲線をX
軸方向にオフセットして結合した特性線に基づいて作成する。
【0024】
図3は、ガンマ補正用テーブルの作成処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1で、表現したいガンマの最小γMINと最大γMAXとを選択する。ここ
では、例えば、γMIN=1.0、γMAX=2.5とする。
次に、ステップS2で、前記ステップS1で選択した2つのガンマを、それぞれ階調に
対する輝度特性(階調−輝度特性)として正規化し、ステップS3に移行する。
【0025】
表1は、正規化した階調−輝度特性データである。なお、ここでは説明を簡略化するた
めに、16階調を前提として輝度を0−1で正規化している。
【0026】
【表1】

【0027】
ステップS3では、前記ステップS2で正規化した2つの階調−輝度特性に基づいて、
それぞれ1階調毎の輝度変化量を求める。
表2は、γMINとγMAXにおける階調差と輝度差との関係である。
【0028】
【表2】

【0029】
そして、2つのガンマにおける0−1階調間の輝度差を比較し、小さい方のガンマ(γ
2.5)を選択する。このとき、ステップS1で選択した2つのガンマのうち、最大ガン
マγMAXが選択される。
次に、ステップS4では、他方のガンマ(最小ガンマγMIN)における同一輝度(若し
くは、直近の高輝度)からの輝度差が小さくなるまで、前記ステップS3で選択したガン
マにおける輝度をプロットする。
【0030】
すなわち、最大ガンマγMAXの所定階調での単位階調変化当たりの輝度変化量である第
一輝度変化率と、最小ガンマγMINにおける最大ガンマγMAXの前記所定階調での輝度と同
一輝度(若しくは直近の高輝度)となる階調での単位階調変化当たりの輝度変化量である
第二輝度変化率とを比較し、第一輝度変化率と第二輝度変化率との大小関係が逆転する階
調での輝度まで、最大ガンマγMAXの階調−輝度特性と同等の輝度変化率で輝度をプロッ
トする。
【0031】
具体的には、先ず、γ2.5の0−1階調間の輝度差(第一輝度変化率)と、γ2.5
の0階調の輝度0.000と同一輝度(若しくは、直近の高輝度)であるγ1.0の0階
調の輝度からの輝度差即ちγ1.0の0−1階調間の輝度差(第二輝度変化率)とを比較
する。表2に示すように、γ2.5の0−1階調間の輝度差の方が、γ1.0の0−1階
調間の輝度差より小さいため、γ2.5の1階調の輝度をガンマ補正用テーブルにプロッ
トする。
【0032】
次に、γ2.5の1−2階調間の輝度差(第一輝度変化率)と、γ2.5の1階調の輝
度0.001と同一輝度(若しくは、直近の高輝度)であるγ1.0の1階調の輝度から
の輝度差即ちγ1.0の1−2階調間の輝度差(第二輝度変化率)とを比較する。表2に
示すように、γ2.5の1−2階調間の輝度差の方が、γ1.0の1−2階調間の輝度差
より小さいため、γ2.5の2階調の輝度をガンマ補正用テーブルにプロットする。
【0033】
このように、第一輝度変化率が第二輝度変化率より小さい間は、最大ガンマ(γ2.5
)の輝度をガンマ補正用テーブルにプロットする。
そして、ステップS5では、他方のガンマにおける同一輝度(若しくは、直近の高輝度
)からの輝度差が小さくなった時点から、当該他方のガンマにおける輝度をプロットし、
ガンマ補正用テーブルの作成処理を終了する。
【0034】
すなわち、前記第一輝度変化率と前記第二輝度変化率との大小関係が逆転する(第二輝
度変化率が第一輝度変化率より小さくなる)階調での輝度から、最小ガンマγMINの階調
−輝度特性と同等の輝度変化率で輝度をプロットする。
具体的には、γ2.5の8−9階調間の輝度差よりも、γ2.5の8階調の輝度0.2
08と同一輝度(若しくは、直近の高輝度)であるγ1.0の4階調の輝度からの輝度差
即ちγ1.0の4−5階調間の輝度差の方が小さいため、この時点をガンマ補正用テーブ
ルの変曲点とし、γ1.0の4階調の輝度をガンマ補正用テーブルにプロットする。
その後は、γ1.0の4階調以降の輝度を順次プロットする。
表3は、上記の手順により作成したガンマ補正用テーブルである。
【0035】
【表3】

【0036】
この表3に示すように、16階調の場合、0から20までの21ステップのテーブルが
作成されることになる。
同様の手順により、γMIN=1.0、γMAX=2.2とし、256階調を前提として輝度
を0−255で正規化したものを採用した場合、339ステップのテーブルが作成される

【0037】
図4は、256階調の場合の作成テーブルを示す図である。
この図4において、破線はγ1.0のガンマ曲線、一点鎖線はγ2.2のガンマ曲線、
実線は作成されたテーブルである。ここで、γ1.0の特性線の傾きは1である。これよ
りも小さい傾きの階調をγ2.2から選択するものとすると、1階調差に対する輝度差が
1未満のものを選べばよい。すると、132階調までがその条件に当てはまり、そのとき
の輝度は59.89となる。次に、γ1.0で59.89より大きな輝度(=階調)を選
択すると、60以上となる。これを加えてテーブルとすると、339ステップのテーブル
が作成される。
【0038】
このように、ガンマ補正用テーブルは、表現したいガンマの最小と最大とを考慮し、そ
れぞれの階調−輝度特性を示すガンマ曲線の傾きの緩やかな方を選択し、所定の変曲点を
境に両者を結合した特性線をもとに作成される。
次に、第1の実施形態におけるガンマ補正回路の設計手順について説明する。
本実施形態では、前述したように、ガンマ補正用テーブルに合うように基準階調電圧発
生回路40のラダー抵抗の抵抗分圧比を設定するものとする。
【0039】
図5は、ガンマ補正回路の設計処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS11で、液晶の印加電圧と輝度との関係を示す電圧−輝度特性データ
を正規化し、ステップS12に移行する。
ステップS12では、図3に示す手順に基づいて作成されたガンマ補正用テーブル(S
tep−輝度データ)を参照し、前記ステップS11で正規化した電圧−輝度特性データ
をもとに、電圧−Stepデータを抽出する。
【0040】
次に、ステップS13で、前記ステップS12で抽出した電圧−Stepデータをもと
に、各Stepの電圧が夫々出るようにラダー抵抗の刻みを設計し、ガンマ補正回路の設
計処理を終了する。
次に、本発明の第1の実施形態における動作について説明する。
先ず、走査線駆動回路20は、液晶パネル10の走査線に選択電圧を順次供給する。具
体的には、コントロール回路50から入力されるクロック信号によってレジスタをシフト
動作させ、レジスタの内部データがHレベルであればTFTのオン電圧を走査線に供給し
、レジスタの内部データがLレベルであればTFTのオフ電圧を走査線に供給する。
【0041】
データ線駆動回路30は、基準階調電圧発生回路40から入力される基準階調電圧V1
〜Vnから、階調データに応じた階調表示電圧を選択し、これをデータ線に出力する。
このように、走査線駆動回路20からのゲート電圧によってTFTが1行ずつオン/オ
フされ、データ線駆動回路30からの出力電圧がデータ線からオン状態のTFTのソース
電極、TFT、ドレイン電極を介してドレイン電極側にある画素電極に印加され、画像表
示が行われる。このとき、画素電極の電位と対向電極の電位との差が液晶層の印加電圧と
なる。
【0042】
ここで、基準階調電圧発生回路40のラダー抵抗の抵抗分圧比は、所定のガンマ補正用
テーブルに合うように設定されている。したがって、基準階調電圧発生回路40から出力
される階調電圧V1〜Vnは、上記ガンマ補正用テーブルに対応した値となっている。2
56階調の場合、前述したように339ステップのテーブルが作成されるため、この基準
階調電圧発生回路40からは、339レベルの階調電圧V1〜V339が出力されること
になる。
【0043】
256階調の場合、階調をG(0〜255)、ガンマをγとすると、正規化された輝度
Tは次式で求められる。
T=((G/255)^γ)*255 ………(1)
よって、γが決まれば、上記(1)式をもとに各階調の輝度が一義的に決まるため、ラ
ダー抵抗のどのポイントを使用するか、即ち階調電圧V1〜V339のうちどの値を階調
表示電圧として選択するかは一義的に決まることになる。
【0044】
このように、表現したいガンマの0〜255の階調に対して、それぞれ一番近い輝度と
なるステップNoを選択することで、データ線へ印加する階調表示電圧を選択することが
できる。なお、異なる階調で同じステップNoを選ばないように配慮することが望ましい

データ線駆動回路30のDA変換回路36で、レベルシフタ回路35でレベル変換され
た表示データに応じて選択された階調表示電圧は、出力バッファ回路37を介して液晶パ
ネル10の各ゲート線へ印加され、これにより液晶パネル10の各画素の階調表示が可能
となる。
【0045】
そして、このガンマ補正用テーブルは、表現したいガンマの最小γMINと最大γMAXとを
考慮し、両者のガンマ曲線の傾き(階調変化に対する輝度変化)の緩やかな方をピックア
ップすることにより作成されているため、γMINとγMAXとの間のガンマであれば何れであ
っても再現することができる。
ところで、所定のガンマ曲線に応じて抵抗分圧比が固定されたラダー抵抗から構成され
、当該ラダー抵抗の基準電圧とGND間を抵抗分圧することにより各階調電圧を生成する
階調電圧発生回路を具備した液晶表示装置が知られている。
【0046】
この場合、透過時と反射時とでガンマをγ2.2やγ1.0に変える場合など、複数の
ガンマに対応するためにはラダー抵抗を表現したいガンマの数だけ持つ必要があり、回路
規模が大きくなると共に、ドライバICのコストアップの要因となる。
近年、液晶パネルのカラー化に伴い、パネルの見栄えに関する要求が高まっており、R
GB=8bit、16M色を標準にするなど、表現色を増加する傾向にある。このように
、データビット数が増加すると、必要な階調電圧の数も増加させなくてはならない。した
がって、データビット数の増加に加えて複数ガンマの対応を実現しようとすると、さらに
回路規模が増大すると共にコストが嵩む。
【0047】
そこで、ラダー抵抗を等間隔に刻んで基準電圧を例えば1024で均等分割し、ガンマ
テーブルをもとに1024分割したうちの例えば256箇所を選択することで、各階調電
圧を生成することが考えられている。この場合、ガンマテーブルを複数持つことで複数の
ガンマに対応することが可能であるため、ラダー抵抗を複数持つ必要がなくなり、回路規
模の増大を抑えることができる。
【0048】
しかしながら、複数のガンマに対応するために複数のガンマテーブルを持った場合、対
応するガンマの数だけレジスタが必要となり、EEPROM容量としては(1024bi
t×ガンマの数)の記憶領域が必要となる。その結果、コストアップ要因につながる。
これに対して、本実施形態では、表現したいガンマの最小と最大とを考慮し、この範囲
内のガンマをすべて表現可能なガンマ補正用テーブルを作成する。そして、そのガンマ補
正用テーブルに合うようにラダー抵抗の抵抗分圧比を設計する。これにより、複数のラダ
ー抵抗を必要とすることなく、またレジスタも必要とすることなく、複数のガンマを表現
することができる。
【0049】
図6は、本実施形態の効果を説明する図である。
この図6において、直線A及び曲線B〜Eは、夫々γMIN=1.0、γMAX=2.5、1
6階調としたときのγ1.0,γ1.5,γ2.0,γ2.2,γ2.5の階調と輝度と
の関係を示す出力特性線である。
表4〜表6は、それぞれγ1.0,γ2.0,γ2.5のときの出力特性と理想出力特
性との関係であり、出力特性の理想出力特性に対する誤差は数パーセント程度となってい
ることがわかる。
【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
このように、γ1.0からγ2.5の間のガンマは何れであっても精度良く実現するこ
とができ、液晶パネルの色再現性を向上させることができる。
このように、第1の実施形態では、目的とする最大のガンマにおける所定輝度となる階
調以下の低階調レベル領域のガンマ曲線に対して、目的とする最小のガンマにおける前記
所定輝度となる階調以上の高階調レベル領域のガンマ曲線をオフセットして結合した特性
線に基づいて、ガンマ補正用テーブルを作成するので、このガンマ補正用テーブルを用い
て画像表示の際のガンマ補正を行うことで、比較的簡易な構成で複数ガンマに対応するこ
とができ、ドライバICのコストダウンを図りつつパネルの見栄えを向上させることがで
きる。
【0054】
また、目的とするガンマの最小及び最大を選択し、選択した最小ガンマ及び最大ガンマ
を夫々階調に対する輝度特性として正規化し、最大ガンマにおける階調に対する輝度特性
について、所定階調での単位階調変化当たりの輝度変化量である第一輝度変化率と、最小
ガンマにおける階調に対する輝度特性について、前記最大ガンマにおける前記所定階調で
の輝度と同一輝度、若しくは直近の高輝度となる階調での単位階調変化当たりの輝度変化
率である第二輝度変化率とを比較し、前記第一輝度変化率と前記第二輝度変化率との大小
関係が逆転する階調の輝度まで、前記最大ガンマにおける階調に対する輝度特性と同等の
輝度変化率で輝度をプロットし、前記大小関係が逆転する階調の輝度から、前記最小ガン
マにおける階調に対する輝度特性と同等の輝度変化率で輝度をプロットすることでガンマ
補正用テーブルを作成するので、表現したいガンマの最小と最大とを考慮し、両者の階調
−輝度特性の傾きが緩やかな方をピックアップしたガンマ補正用テーブルを作成すること
ができる。
【0055】
したがって、このガンマ補正用テーブルを用いることにより、最小ガンマと最大ガンマ
との間の複数のガンマを表現することができるので、表現したいガンマの数だけテーブル
やガンマ補正回路を設ける必要がなくなり、ドライバICのコストダウンを実現すること
ができる。
さらに、上記の手順により作成したガンマ補正用テーブルに対応した基準階調電圧を出
力する階調電圧発生回路を備えるので、最大ガンマと最小ガンマとの間の複数のガンマに
対応した表示装置用駆動回路とすることができる。
【0056】
また、階調電圧発生回路は、前記ガンマ補正用テーブルに合うように抵抗分圧比が設計
されたラダー抵抗を有するので、必要とするガンマの数だけラダー抵抗を設ける必要がな
く、1つのラダー抵抗で複数ガンマに対応することができ、回路規模を小さくすることが
できると共にコストダウンを実現することができる。
さらに、このような表示装置用駆動回路を備えた電気光学装置とすることで、ドライバ
ICのコストダウンを図りつつ、表現色の増加や複数ガンマの対応など、液晶パネルの見
栄えに関する要求を満足させることができる。
【0057】
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、ラダー抵抗の刻みを変えて
ガンマ補正用テーブルに合った基準階調電圧を生成しているのに対し、ラダー抵抗を等間
隔で刻み、ガンマ補正用テーブルに合った基準階調電圧を生成するようにしたものである

【0058】
すなわち、第2の実施形態では、基準階調電圧発生回路40のラダー抵抗の抵抗分圧比
が等間隔に刻まれており、当該基準階調電圧発生回路40は、液晶駆動用電源回路60か
らの基準電圧VCOMを均等分割し、その中から前述した図3に示す手順により作成した
ガンマ補正用テーブルに合うように基準階調電圧V1〜Vnを選択し、これらを出力する
ようになっている。
【0059】
例えば、256階調を表現する場合、基準階調電圧発生回路40は、基準電圧VCOM
を1024で均等分割するラダー抵抗と、ラダー抵抗によって均等分割された電圧から、
前記ガンマ補正用テーブルに合うように339箇所選択するための設定値を保持した10
24bitのレジスタ(1024bit中に“1”が339個)とを1つずつ設けるもの
とする。
【0060】
そして、ラダー抵抗から生成された電圧をレジスタの設定値をもとに選択し、これを基
準階調電圧V1〜Vn(256階調の場合、n=339)としてデータ線駆動回路30へ
出力する。
次に、第2の実施形態におけるガンマ補正回路の設計手順について説明する。
図7は、ガンマ補正回路の設計処理手順を示すフローチャートである。
【0061】
先ず、ステップS21で、ラダー抵抗の刻みを等間隔に設計する。このとき、汎用性を
広げるために、ラダー抵抗の刻みが細かくなるように、例えば、1024分割するように
設計する。
次に、ステップS22では、図3に示す手順に基づいて作成されたガンマ補正用テーブ
ル(Step−輝度データ)を参照し、必要なStep数が選択できるようにレジスタを
設計し、ステップS23に移行する。例えば、256階調を表現するためには、339ス
テップのテーブルデータが作成されるため、339箇所選択できるようにレジスタを設計
する。
【0062】
ステップS23では、液晶の印加電圧と輝度との関係を示す電圧−輝度特性データを正
規化し、ステップS24に移行する。
ステップS24では、前記ガンマ補正用テーブル(Step−輝度データ)を参照し、
前記ステップS23で正規化した電圧−輝度特性データをもとに、電圧−Stepデータ
を抽出する。
【0063】
次に、ステップS25で、前記ステップS24で抽出した電圧−Stepデータをもと
に、各Stepの電圧が夫々出るようにレジスタの設定値を決定し、ガンマ補正回路の設
計処理を終了する。
次に、本発明の第2の実施形態の動作について説明する。
先ず、走査線駆動回路20は、液晶パネル10の走査線に選択電圧を順次供給する。具
体的には、コントロール回路50から入力されるクロック信号によってレジスタをシフト
動作させ、レジスタの内部データがHレベルであればTFTのオン電圧を走査線に供給し
、レジスタの内部データがLレベルであればTFTのオフ電圧を走査線に供給する。
【0064】
データ線駆動回路30は、基準階調電圧発生回路40から入力される階調電圧V1〜V
nから、階調データに応じた階調表示電圧を選択し、これをデータ線に出力する。
このように、走査線駆動回路20からのゲート電圧によってTFTが1行ずつオン/オ
フされ、データ線駆動回路30からの出力電圧がデータ線、オン状態のTFTのソース電
極、TFT、ドレイン電極を介してドレイン電極側にある画素電極に印加され、画像表示
が行われる。このとき、画素電極の電位と対向電極の電位との差が液晶層の印加電圧とな
る。
【0065】
ここで、基準階調電圧発生回路40のラダー抵抗の抵抗分圧比は、等間隔に設定されて
おり、基準階調電圧発生回路40では、レジスタの設定値をもとに上記ガンマ補正用テー
ブルに合った基準階調電圧V1〜Vnが選択される。256階調の場合、前述したように
339ステップのテーブルが作成されるため、この基準階調電圧発生回路40からは、3
39レベルの階調電圧V1〜V339が出力されることになる。
【0066】
前述したように、256階調の場合、正規化された輝度Tは前記(1)式で求められる
。よって、第1の実施形態と同様に、γが決まれば、上記(1)式をもとに各階調の輝度
が一義的に決まるため、ラダー抵抗のどのポイントを使用するか即ち階調電圧V1〜V3
39のうちどの値を階調表示電圧として選択するかは一義的に決まることになる。
したがって、データ線駆動回路30のDA変換回路36で、レベルシフタ回路35でレ
ベル変換された表示データに応じた階調表示電圧を選択し、これを、出力バッファ回路3
7を介して液晶パネル10の各ゲート線へ印加することにより、液晶パネル10の各画素
の階調表示が可能となる。
【0067】
ところで、前述したように、ラダー抵抗を等間隔に刻んで基準電圧を例えば1024で
均等分割し、ガンマテーブルをもとに1024分割したうちの例えば256箇所を選択す
ることで、各階調電圧を生成する場合、ガンマテーブルを複数持つことで複数のガンマに
対応することになる。
そして、このように、複数のガンマに対応するために複数のガンマテーブルを持った場
合、対応するガンマの数だけレジスタが必要となり、EEPROM容量としては(102
4bit×ガンマの数)の記憶領域が必要となって、コストアップ要因につながる。
【0068】
これに対して、本実施形態では、表現したいガンマの最小と最大とを考慮し、この範囲
内のガンマをすべて表現可能なガンマ補正用テーブルを作成する。そして、ラダー抵抗を
均等分割すると共に、ガンマ補正用テーブルに合うようにレジスタを設計する。
したがって、複数のラダー抵抗を必要とすることなく、またレジスタもガンマの数だけ
必要とすることなく、複数のガンマを表現することができる。そのため、EEPROM容
量としては1024bitの記憶領域のみで済むので、確実にコストを削減することがで
きる。
【0069】
このように、第2の実施形態では、階調電圧発生回路は、等間隔に刻まれたラダー抵抗
と、前記ガンマ補正用テーブルに合うように設定値が定められたレジスタとを有するので
、必要とするガンマの数だけレジスタを設ける必要がなく、EEPROM容量の増大を抑
制することができると共に、V−T特性に自由度を持たせることができる。
なお、上記各実施形態においては、本発明を、液晶を用いた電気光学装置に適用する場
合について説明したが、液晶以外の電気光学物質を用いた電気光学装置に適用することも
できる。例えば、有機ELや発光ポリマーなどのOLED素子を電気光学物質として用い
た表示パネルや、着色された液体とこの液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカ
プセルを電気光学物質として用いた電気泳動表示パネル、極性が相違する領域ごとに異な
る色に塗り分けられたツイストボールを電気光学物質として用いたツイストボールディス
プレイパネル、黒色トナーを電気光学物質として用いたトナーディスプレイパネル、ヘリ
ウムやネオン等の高圧ガスを電気光学物質として用いたプラズマディスプレイパネルなど
、各種の電気光学装置に対して本発明を適用することができる。
【0070】
また、上記各実施形態における電気光学装置100は、電子機器に適用することもでき
る。電気光学装置100が適用される電子機器としては、携帯電話や、デジタルスチルカ
メラ、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデ
オレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、
ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げ
られる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図ある。
【図2】データ線駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図3】ガンマ補正用テーブルの作成処理手順を示すフローチャートである。
【図4】256階調の場合における作成テーブルを示す図である。
【図5】第1の実施形態におけるガンマ補正回路の設計処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の効果を説明するための図である。
【図7】第2の実施形態におけるガンマ補正回路の設計処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
10…液晶パネル、15…液晶駆動回路、20…走査線駆動回路、30…データ線駆動
回路、40…基準階調電圧発生回路、50…コントロール回路、60…液晶駆動用電源回
路、100…電気光学装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的とする最大のガンマにおける所定輝度となる階調以下の低階調レベル領域のガンマ
曲線に対して、目的とする最小のガンマにおける前記所定輝度となる階調以上の高階調レ
ベル領域のガンマ曲線をオフセットして結合した特性線に基づいて、ガンマ補正用テーブ
ルを作成することを特徴とするガンマ補正用テーブルの作成方法。
【請求項2】
目的とするガンマの最小及び最大を選択するステップと、
選択した最小ガンマ及び最大ガンマを夫々階調に対する輝度特性として正規化するステ
ップと、
最大ガンマにおける階調に対する輝度特性について、所定階調での単位階調変化当たり
の輝度変化量である第一輝度変化率と、最小ガンマにおける階調に対する輝度特性につい
て、前記最大ガンマにおける前記所定階調での輝度と同一輝度、若しくは直近の高輝度と
なる階調での単位階調変化当たりの輝度変化率である第二輝度変化率とを比較するステッ
プと、
前記第一輝度変化率と前記第二輝度変化率との大小関係が逆転する階調の輝度まで、前
記最大ガンマにおける階調に対する輝度特性と同等の輝度変化率で輝度をプロットし、前
記大小関係が逆転する階調の輝度から、前記最小ガンマにおける階調に対する輝度特性と
同等の輝度変化率で輝度をプロットするステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のガンマ補正用テーブルの作成方法。
【請求項3】
階調を示す表示データに応じた階調表示電圧を、表示パネルに印加する表示装置用駆動
回路であって、
入力電圧を分圧して所定のガンマ補正用テーブルに対応した複数の基準階調電圧を出力
する階調電圧発生回路と、
該階調電圧発生回路で出力した複数の基準階調電圧から、前記表示データに応じた前記
階調表示電圧を選択する選択回路と、を有し、
前記ガンマ補正用テーブルは、目的とする最大のガンマにおける所定輝度となる階調以
下の低階調レベル領域のガンマ曲線に、目的とする最小のガンマにおける前記所定輝度と
なる階調以上の高階調レベル領域のガンマ曲線をオフセットして結合した特性線に基づい
て作成されていることを特徴とする表示装置用駆動回路。
【請求項4】
前記階調電圧発生回路は、入力電圧を所定の抵抗分圧比で抵抗分圧するラダー抵抗を有
し、当該抵抗分圧比が前記ガンマ補正用テーブルに基づいて設定されていることを特徴と
する請求項3に記載の表示装置用駆動回路。
【請求項5】
前記階調電圧発生回路は、入力電圧を等間隔に抵抗分圧するラダー抵抗と、該ラダー抵
抗によって均等分割された電圧から前記基準階調電圧を選択するための設定値を保持する
レジスタとを有し、前記設定値は、前記ガンマ補正用テーブルに基づいて定められている
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置用駆動回路。
【請求項6】
前記請求項3乃至5の何れか1項に記載の表示装置用駆動回路を備えることを特徴とす
る電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−122745(P2008−122745A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307536(P2006−307536)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】