説明

キナゾリンアミド誘導体

式(I)で表され、式中R〜RおよびXが請求項1に示した意味を有する新規なキナゾリンアミド誘導体は、HSP90阻害剤であり、HSP90の阻害、調節および/または変調が作用を奏する疾患の処置のための医薬の製造のために用いることができる。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、有用な特性を有する新規な化合物、特に医薬の製造のために用いることができる化合物を見出す目的に基づいた。
【0002】
本発明は、HSP90の阻害(inhibition)、調節(regulation)および/または変調(modulation)が作用を奏する化合物、さらにこれらの化合物を含む医薬組成物、ならびにHSP90が作用を奏する疾患の処置のための当該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞中のタンパク質の正確な折りたたみおよび高次構造は、分子シャペロンによって確保され、タンパク質合成と分解との間の平衡の調節のために重要である。シャペロンは、細胞の多くの中心的機能、例えば細胞増殖およびアポトーシスの調節のために重要である(Jolly and Morimoto, 2000; Smith et al., 1998; Smith, 2001)。
【0004】
熱ショックタンパク質(HSP)
組織の細胞は、外的ストレス、例えば熱、低酸素、酸化的ストレス、または有害物質、例えば重金属もしくはアルコール類、に対して、「熱ショックタンパク質」(HSP)の用語の下で知られている多数のシャペロンの活性化をもって反応する。
HSPの活性化により、細胞が、かかるストレス因子によって開始される損傷に対して保護され、生理学的状態の回復が加速され、細胞のストレス耐性状態がもたらされる。
【0005】
この最初に発見された、HSPによって促進される外的ストレスに対する防御機構に加えて、やがて、正常でストレスのない条件下における個々のHSPに関するさらに重要なシャペロン機能もまた、記載されてきた。したがって、種々のHSPは、細胞の多数の生物学的に重要なタンパク質の、例えば、正確な折りたたみ、細胞内局在化および機能または調節された分解を調節する。
【0006】
HSPは、異なる細胞において、細胞発現、機能および局在化が異なる個々の遺伝子産物と共に、遺伝子ファミリーを形成する。ファミリー内の命名および分類は、それらの分子量に基づいて行われ、例えばHSP27、HSP70およびHSP90である。
【0007】
いくつかのヒト疾患は、不正確なタンパク質折りたたみに基づく(概説、例えばTytell et al., 2001; Smith et al., 1998を参照)。したがって、シャペロン依存性タンパク質の折りたたみ機構に関与する療法の開発は、かかる場合において有用であり得た。例えば、不正確に折りたたまれたタンパク質により、アルツハイマー病、プリオン病またはハンチントン症候群の場合における神経変性進行を伴うタンパク質の凝集がもたらされる。不正確なタンパク質折りたたみにより、また、不正確に調節された分子的および生理学的機能の結果を有することができる野生型機能の喪失がもたらされ得る。
【0008】
HSPはまた、腫瘍疾患において大きく重要であると見なされる。例えば、特定のHSPの発現が腫瘍の進行の段階と相関するという指摘がある(Martin et al., 2000; Conroy et al., 1996; Kawanishi et al., 1999; Jameel et al., 1992; Hoang et al., 2000; Lebeau et al., 1991)。
【0009】
癌阻害活性標的HSP90を有する細胞および特定の天然の生成物における多数の中心的な発癌性シグナル経路において、HSP90が作用を奏するという事実により、HSP90の機能の阻害が腫瘍疾患の処置において意義があるという概念に至った。
HSP90阻害剤である17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、即ちゲルダナマイシンの誘導体は、現在臨床試験を受けている。
【0010】
HSP90
HSP90は、合計の細胞タンパク質質量の約1〜2%に相当する。それは通常、細胞中で二量体の形態にあり、多様なタンパク質、いわゆるコシャペロンと関連する(例えばPratt, 1997を参照)。HSP90は、細胞の生命力に不可欠であり(Young et al., 2001)、天然の折りたたみが外的ストレス、例えば熱ショックによって修飾された多くのタンパク質との相互作用によって、細胞ストレスに対する応答において重要な作用を奏して、最初の折りたたみを回復するか、またはタンパク質の凝集を防止する(Smith et al.,1998)。
【0011】
また、HSP90が、おそらく突然変異によって生じる不正確なタンパク質折りたたみの矯正によって、突然変異の効果に対する緩衝として重要であるという指摘がある(Rutherford and Lindquist, 1998)。
【0012】
さらに、HSP90はまた、調節的重要性を有する。生理学的条件下において、HSP90は、小胞体におけるその相同体であるGRP94と共に、高次構造の安定性を確実にし、種々のクライアントキータンパク質(client key protein)を成熟させるための細胞均衡において作用を奏する。これらを、3つの群に分けることができる:ステロイドホルモン類に対するレセプター、Ser/Thrまたはチロシンキナーゼ(例えばERBB2、RAF−1、CDK4およびLCK)ならびに種々のタンパク質、例えば突然変異したp53またはテロメラーゼhTERTの触媒サブユニットのコレクション。これらのタンパク質の各々は、細胞の生理学的および生化学的プロセスの調節において重要な役割を担う。
【0013】
ヒトにおける保存されたHSP90ファミリーは、4種の遺伝子、即ちサイトゾルのHSP90α、誘導型HSP90βアイソフォーム(Hickey et al., 1989)、小胞体におけるGRP94(Argon et al., 1999)およびミトコンドリアマトリックスにおけるHSP75/TRAP1(Felts et al., 2000)からなる。ファミリーのすべてのメンバーは、類似の作用の様式を有するが、細胞におけるそれらの局在化に依存して、異なるクライアントタンパク質に結合すると推測される。例えば、ERBB2は、GRP94の特異的なクライアントタンパク質であり(Argon et al., 1999)、一方腫瘍壊死因子の1型レセプター(TNFR1)または網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)は、TRAP1のクライアントであると見出された(Song et al., 1995; Chen et al., 1996)。
【0014】
HSP90は、多数のクライアントタンパク質および調節タンパク質との多数の複雑な相互作用に関与する(Smith, 2001)。正確な分子の詳細は未だ明らかにされていないが、近年の生化学的実験およびX線結晶解析を用いた調査により、HSP90のシャペロン機能の詳細を解釈することがますます可能となってきた(Prodromou et al., 1997; Stebbins et al., 1997)。したがって、HSP90は、ATP依存性分子シャペロンであり(Prodromou et al, 1997)、二量体化は、ATP加水分解のために重要である。ATPの結合の結果、ドーナツ型二量体構造の形成がもたらされ、ここで2つのN末端領域は、互いに密接に接触し、高次構造におけるスイッチとして作用する(Prodromou and Pearl, 2000)。
【0015】
既知のHSP90阻害剤
第1の群の発見するべきHSP90阻害剤は、ベンゾキノンアンサマイシン類、これと共に化合物ハービマイシンAおよびゲルダナマイシンであった。当初、v−Src癌遺伝子での形質転換によって誘導された線維芽細胞における悪性表現型の復帰変異が、それらと共に検出された(Uehara et al., 1985)。
のちに、強度の抗腫瘍活性が、in vitroで(Schulte et al., 1998)および動物モデルにおいてin vivoで(Supko et al., 1995)実証された。
【0016】
次に、免疫沈降およびアフィニティーマトリックス上での調査によって、ゲルダナマイシンの作用の主要な機構がHSP90への結合を伴うことが示された(Whitesell et al., 1994; Schulte and Neckers, 1998)。さらに、X線結晶解析的研究によって、ゲルダナマイシンがATP結合部位について競合し、HSP90の固有ATPアーゼ活性を阻害することが示された(Prodromou et al., 1997; Panaretou et al., 1998)。これによって、多量体HSP90複合体の生成が、クライアントタンパク質に対するシャペロンとして機能するその特性に伴って妨げられる。その結果、クライアントタンパク質は、ユビキチン−プロテアソーム経路を介して分解される。
【0017】
ゲルダナマイシン誘導体17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)は、細胞培養物において、および異種移植腫瘍モデルにおいてHSP90の阻害、クライアントタンパク質の分解および抗腫瘍活性において不変の特性を示した(Schulte et al, 1998; Kelland et al, 1999)が、ゲルダナマイシンよりも顕著に低い肝臓細胞毒性を有していた(Page et al. 1997)。17AAGは、現在第I/II相臨床試験を受けている。
【0018】
ラディシコール、即ち大環状抗生物質は、線維芽細胞のv−Srcおよびv−Ha−Rasによって誘発された悪性表現型の修正を同様に示した(Kwon et al 1992; Zhao et al, 1995)。ラディシコールは、HSP90阻害の結果、多種のシグナルタンパク質を分解する(Schulte et al., 1998)。X線結晶解析的研究によって、ラディシコールが同様にHSP90のN末端領域に結合し、固有のATPアーゼ活性を阻害することが示された(Roe et al., 1998)。
【0019】
公知のように、クマリンタイプの抗生物質は、細菌中のHSP90相同体DNAジャイレースのATP結合部位に結合する。クマリン、ノボビオシンは、HSP90のカルボキシ末端、即ちベンゾキノン−アンサマイシン類およびラディシコールとは異なるHSP90中の部位に結合し、それはHSP90のN末端に結合する(Marcu et al., 2000b)。
【0020】
HSP90のノボビオシンによる阻害の結果、多数のHSP90依存性シグナルタンパク質の分解がもたらされる(Marcu et al., 2000a)。
シグナルタンパク質、例えばERBB2の分解は、PU3を用いて実証され、HSP90阻害剤は、プリンから誘導された。PU3は、乳癌細胞株における細胞周期停止および分化を引き起こす(Chiosis et al., 2001)。
【0021】
治療標的としてのHSP90
腫瘍の表現型において決定的に重要な多数のシグナル経路の調節におけるHSP90の関与、および特定の天然の生成物がHSP90の活性の阻害によってそれらの生物学的効果を発揮するという発見のために、HSP90は現在、腫瘍治療剤の開発のための新規な標的として試験されている(Neckers et al., 1999)。
【0022】
ゲルダナマイシン、17AAGおよびラディシコールの作用の重要な機構は、タンパク質のN末端におけるATP結合部位へのATPの結合の阻害、およびその結果のHSP90の固有のATPアーゼ活性の阻害を含む(例えば、Prodromou et al., 1997; Stebbins et al., 1997; Panaretou et al., 1998を参照)。
【0023】
HSP90のATPアーゼ活性の阻害は、コシャペロンの補充(recruitment)を妨げ、HSP90ヘテロ複合体の生成を助け、それは、クライアントタンパク質がユビキチンプロテアソーム経路を介して分解を受ける原因となる(例えば、Neckers et al., 1999; Kelland et al., 1999を参照)。
【0024】
腫瘍細胞のHSP90阻害剤での処理の結果、プロセス、例えば細胞増殖、細胞サイクルの調節およびアポトーシスについての基本的な重要性を有する重要なタンパク質の選択的分解がもたらされる。これらのプロセスは、しばしば腫瘍において調節解除される(例えば、Hostein et al., 2001を参照)。
【0025】
HSP90の阻害剤を開発するための魅力的な論理的根拠は、強度の腫瘍療法的作用を、形質転換した表現型と関連する複数のタンパク質の同時分解によって達成することができることにある。
【0026】
詳細には、本発明は、HSP90を阻害、調節および/または変調する化合物、これらの化合物を含む組成物、ならびにHSP90によって誘発された疾患、例えば腫瘍疾患、ウイルス性疾患、例えばB型肝炎(Waxman, 2002);移植片における免疫抑制(Bijlmakers, 2000およびYorgin, 2000);炎症によって誘発された疾患(Bucci, 2000)、例えば関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、エリテマトーデス、乾癬および炎症性腸疾患;嚢胞性線維症(Fuller, 2000);血管新生と関連する疾患(Hur, 2002およびKurebayashi, 2001)、例えば糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生;感染症;自己免疫疾患;虚血;神経再生の促進(Rosen et al., WO 02/09696; Degranco et al., WO 99/51223; Gold, US 6,210,974 B1);フィブロジェネティック(fibrogenetic)疾患、例えば強皮症、多発性筋炎、全身性ループス、肝臓の硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症(Strehlow, WO 02/02123)の処置のためのその使用方法に関する。
【0027】
本発明はまた、化学療法によって生じた毒性に対して正常な細胞を保護するための本発明の化合物の使用、および不正確なタンパク質折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患、例えばスクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病(Sittler, Hum. Mol. Genet., 10, 1307, 2001; Tratzelt et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 92, 2944, 1995; Winklhofer et al., J. Biol. Chem., 276, 45160, 2001)における使用に関する。
【0028】
WO 01/72779には、プリン化合物ならびに、癌組織が線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉種、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、レイオ肉腫(leiosarcoma)、横紋筋肉腫、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症および重鎖病からなる群から選択された肉腫または癌腫を含む、GRP94(HSP90の相同体またはパラログ)によって誘発された疾患、例えば腫瘍疾患の処置のためのその使用が記載されている。
【0029】
WO 01/72779にはさらに、ウイルス性疾患の処置のための当該明細書中に述べられている化合物の使用が開示されており、ここで、ウイルス病原体は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス(Echinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス(Huntavirus)、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV−I)およびヒト免疫不全ウイルスII型(HIV−II)からなる群から選択される。
【0030】
WO 01/72779にはさらに、GRP94変調のための当該明細書中に述べられている化合物の使用が記載されており、ここで、変調された生物学的GRP94活性は、個体からの免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養障害からの回復、熱ストレスからの回復またはその組み合わせをもたらし、かつ/またはここで、障害は、1つのタイプの癌、感染症、小胞体からの途絶したタンパク質輸送と関連する障害、虚血/再灌流と関連する障害またはその組み合わせであり、
【0031】
ここで虚血/再灌流と関連する障害は、心停止、アジストリーおよび遅延された心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖症、てんかん重積、てんかんの発作、不安症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児のストレスの結果である。
【0032】
最後に、WO 01/72779には、有効量のGRP94タンパク質モジュレーターの、個体において以降の細胞反応を組織部位における虚血状態に変化させるための医薬の製造のための使用が記載されており、それは、組織部位における細胞のGRP94タンパク質モジュレーターでの処理によるものであり、細胞におけるGRP94活性が虚血状態に対する以降の細胞反応が変化する程度に増大するようにするものであり、
【0033】
ここで、以降の虚血状態は、好ましくは心停止、アジストリーおよび遅延された心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖症、てんかん重積、てんかんの発作、不安症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)もしくは新生児のストレスの結果であるか、またはここで、組織部位は、移植片のための提供者の組織である。
【0034】
A. Kamal et al.は、Trends in Molecular Medicine, 第10巻、No. 6、2004年6月において、HSP90活性化の、とりわけ中枢神経系の疾患の、および心血管疾患の処置のための治療的および診断的用途を記載している。
したがって、HSP90を特異的に阻害、調節および/または変調する小化合物の同定が所望され、本発明の目的である。
【0035】
本発明の化合物およびその塩は、極めて有用な薬理学的特性を有し、同時に良好に耐容されることが見出された。
特に、それらは、HSP90阻害特性を示す。
【0036】
したがって、本発明は、前記疾患の処置および/または予防における医薬および/または医薬活性成分としての本発明の化合物、ならびに本発明の化合物の、前記疾患の処置および/または予防のための医薬の製造のための使用、ならびにまた本発明の1種または2種以上の化合物のそのような投与を必要とする患者への投与を含む、前記疾患の処置のための方法に関する。
【0037】
宿主または患者は、任意の哺乳類種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含む齧歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどに属し得る。動物モデルは、実験的調査に対する興味の対象であり、ここでそれらは、ヒト疾患の処置についてのモデルを提供する。
【0038】
従来技術
WO 00/53169には、クマリンまたはクマリン誘導体を用いたHSP90阻害が記載されている。
WO 03/041643 A2には、HSP90阻害ゼアララノール誘導体が開示されている。
HSP90阻害インダゾール誘導体は、WO 06/010595およびWO 02/083648から知られている。
【0039】
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【発明の概要】
【0061】
本発明は、式I
【化1】

式中
は、H、(CHHet、(CHAr、HalまたはAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、(CHHet、(CHAr、Hal、OHまたはOAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、A、(CHHet、(CHArまたは(CHOC(=O)(CHNHを示し、
【0062】
およびRは、それらが結合するN原子と共に、また非置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHCOOH、(CHCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CHNHおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、さらに1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい、飽和、不飽和または芳香族の単環式または二環式複素環を示し、またここで、さらに、1個のN原子は酸化されていてもよく、
【0063】
Xは、COまたはSOを示し、
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNHSOA、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCNおよび/または(CHCH(NH)COOHによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されており、
【0064】
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、それは、非置換であるか、またはA、OA、OH、フェニル、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、NH、NHA、NAA’、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、
【0065】
A、A’は、各々、互いに独立して1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで、1〜3個の隣接していないCH基は、O、S、SO、SO、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示す、
で表される化合物、ならびに、それらの薬学的に使用可能な塩および立体異性体、ならびにすべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0066】
本発明は、式Iで表される化合物およびその塩、ならびに、式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体の製造方法であって、
a)式II
【化2】

式中
、R、RおよびXは、請求項1において示した意味を有し、
およびLは、F、Cl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物を、式III
NHR III
式中
およびRは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
【0067】
b)式IV
【化3】

式中、X、R、R、RおよびRは、請求項1において示した意味を有し、
およびHalは、臭素またはヨウ素を示す、
で表される化合物を、
式V
【化4】

式中、Rは、請求項1において示した意味を有し、
およびLは、ボロン酸またはボロン酸エステルラジカルを示す、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
【0068】
c)式VI
【化5】

式中、X、R、R、RおよびRは、請求項1において示した意味を有し、およびLは、ボロン酸またはボロン酸エステルラジカルを示す、
で表される化合物を、
式VII
【化6】

式中、Rは、請求項1において示した意味を有し、
およびHalは、臭素またはヨウ素を示す、
で表される化合物と反応させ、
かつ/または式Iで表される塩基もしくは酸を、その塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法に関する。
【0069】
式Iで表される化合物はまた、これらの化合物、さらに薬学的に使用可能な誘導体の水和物および溶媒和物を意味するものと解釈される。
本発明はまた、これらの化合物の立体異性体(E、Z異性体)ならびに水和物および溶媒和物に関する。化合物の溶媒和物は、それらの相互の引力のために形成される、不活性溶媒分子の化合物上へのアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば一もしくは二水和物またはアルコラートである。
【0070】
薬学的に使用可能な誘導体は、例えば本発明の化合物の塩、およびいわゆるプロドラッグ化合物もまた意味するものと解釈される。
プロドラッグ誘導体は、例えばアルキルまたはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾されており、生命体中で迅速に切断されて本発明の有効な化合物を生成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されているように、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体を含む。
【0071】
「有効量」の表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師によって求められているかまたは所望されている生物学的または薬学的応答を生じる医薬または薬学的に活性な成分の量を意味する。
さらに、「治療的に有効な量」の表現は、この量を施与されていない対応する対象と比較して、以下の結果:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害もしくは副作用の改善された治癒処置、治癒、防止もしくは解消、またはまた疾患、愁訴もしくは障害の進行の低減
を有する量を意味する。
「治療的に有効な量」の用語はまた、正常な生理学的機能を増大させるのに有効である量を包含する。
【0072】
本発明はまた、本発明の式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物に関する。
これらは、特に好ましくは立体異性体@の混合物である。
【0073】
1回よりも多く出現するすべてのラジカルについて、それらの意味は、互いに独立している。
本明細書中、ラジカルおよびパラメーターR、R、R、R、RおよびXは、他に明確に示さない限り式Iについて示した意味を有する。
【0074】
カルバモイルは、アミノカルボニルを示す。
BOCまたはBocは、tert−ブチルオキシカルボニルを示す。
AまたはA’は、好ましくはアルキルを示し、非分枝状(直線状)または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。AまたはA’は、特に好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルを示す。
【0075】
AまたはA’は、極めて特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。
A、A’はまた、各々、互いに独立して、1〜10個のC原子を有し、ここで1〜3個の隣接していないCH基がO、S、SO、SO、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよい非分枝状または分枝状アルキルを示し、例えば2−メトキシエチルまたは3−メチルアミノプロピルである。
【0076】
AまたはA’はまた、環状アルキル(シクロアルキル)を示す。シクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。環状アルキルは、さらに、好ましくはシクロプロピルメチル、シクロペンチルメチルまたはシクロヘキシルメチルを示す。
シクロアルキルアルキレンは、例えばシクロプロピルメチレンまたはシクロヘキシルメチレンを示す。
【0077】
A,A’は、特に好ましくは、各々の場合において互いに独立して、1〜6個のC原子を有し、ここで1〜2個の隣接していないCH基がO、NH、NMeもしくはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子がFおよび/またはClによって置き換えられていてもよい非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示す。
【0078】
は、好ましくはH、HalまたはA、極めて特に好ましくはHを示す。
、Rは、好ましくは、各々の場合において互いに独立してH、Hal、OHまたはOA、極めて特に好ましくはH、F、Cl、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはイソプロポキシを示す。
【0079】
、Rは、好ましくは、各々の場合において互いに独立してH、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2−ヒドロキシエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−メチルアミノエチル、2−アミノエチル、2−ジメチルアミノ−1−メチルエチル、3−メチル−3H−イミダゾール−4−イルメチルまたはアゼチジニルを示す。
【0080】
およびRは、好ましくはまた、それらが結合するN原子と共に、1,3−ジヒドロイソインドリル、ピロリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリルまたはピリミジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHCOOH、(CHCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CHNHおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
またここで、さらに、1個のN原子は酸化されていてもよい。
【0081】
Arは、例えば、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−アセチルフェニル、o−、m−またはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメチルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメトキシフェニル、
【0082】
さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示す。
【0083】
Arは、特に好ましくは非置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニルを示す。
【0084】
他の置換基とは関係なく、Hetは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、
【0085】
さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンゾキサジアゾール−5−イルを示す。
【0086】
複素環式ラジカルはまた、部分的にまたは完全に水素化されていてもよい。
Hetは、したがってまた、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−,−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、
【0087】
さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたはまた3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルを示すことができる。
【0088】
Hetは、好ましくはピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されている。
【0089】
nは、好ましくは0、1または2を示す。
pは、好ましくは1または2を示す。
【0090】
式Iで表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を有していてもよく、従って種々の立体異性体形態で存在し得る。式Iは、すべてのこれらの形態を包含する。
【0091】
したがって、本発明は特に、少なくとも1つの前述のラジカルが前に示した好ましい意味の1つを有する、式Iで表される化合物に関する。いくつかの好ましい群の化合物を、以下の従属式Ia〜Ijにより表すことができ、これは、式Iに適合し、ここで、一層詳細に表していないラジカルは、式Iについて示した意味を有するが、ここで、
【0092】
Iaにおいて、Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており;
【0093】
Ibにおいて、Arは、非置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニルを示し;
Icにおいて、A、Aは、各々、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2個の隣接していないCH基は、O、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し;
【0094】
Idにおいて、Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており;
【0095】
Ieにおいて、RおよびRは、それらが結合するN原子と共に、また1,3−ジヒドロイソインドリル、ピロリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリルまたはピリミジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHCOOH、(CHCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CHNHおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
またここで、さらに、1個のN原子は酸化されていてもよく;
【0096】
Ifにおいて、Rは、H、HalまたはAを示し;
Igにおいて、Rは、Hを示し;
Ihにおいて、R、Rは、各々、互いに独立してH、Hal、OHまたはOAを示し;
Iiにおいて、R、Rは、各々、互いに独立して、H、F、Cl、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはイソプロポキシを示し;
【0097】
Ijにおいて、Rは、H、HalまたはAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、Hal、OHまたはOAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、A、(CHHet、(CHArまたは(CHOC(=O)(CHNHを示し、
およびRは、それらが結合するN原子と共に、また1,3−ジヒドロイソインドリル、ピロリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリルまたはピリミジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHCOOH、(CHCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CHNHおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
またここで、さらに、1個のN原子は酸化されていてもよく、
【0098】
Xは、COまたはSOを示し、
Arは、非置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニルを示し、
Hetは、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
【0099】
A、Aは、各々、互いに独立して1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2個の隣接していないCH基は、O、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示し;
ならびに、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体であり、すべての比率でのそれらの混合物を含む。
【0100】
本発明の化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には前述の反応に適する周知の反応条件の下で、製造される。また、ここで、本明細書中においてこれ以上詳細には述べない自体公知の変法を用いてもよい。
【0101】
所望により、出発物質をまた、それらを反応混合物から単離せず、代わりに直ちにそれらをさらに本発明の化合物に変換することによって、in situで生成することができる。
当該出発化合物は、一般的に知られている。しかし、これらが新規である場合には、これらを、自体公知の方法により製造することができる。
【0102】
式Iで表される化合物は、好ましくは、式IIで表される化合物を式IIIで表される化合物と反応させることにより、得ることができる。
式IIで表される化合物において、Lは、好ましくはF、Cl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に修飾されたOH基、例えば1〜6個のC原子を有する活性化エステル、イミダゾリドまたはアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニルもしくはp−トリルスルホニルオキシ)を示す。式IIで表される化合物において、Lは、好ましくはClを示す。
【0103】
反応を、一般的には、不活性溶媒中で、酸結合剤、好ましくはアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩の、またはアルカリもしくはアルカリ土類金属、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムもしくはセシウムの弱酸の他の塩の存在下で行う。有機塩基、例えば4−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンを加えることがまた、有利であり得る。
【0104】
式IIで表され、式中LがOHを示す化合物をアミンと反応させる場合には、カップリング試薬、例えば2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン−1−カルボン酸エチル、プロパンホスホン酸シクロ無水物(cycloanhydride)またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’,−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)を、好ましくは反応の前および/または間に加える。
【0105】
当該反応を、当業者に周知の方法によって行う。
反応を、最初に好適な溶媒中で行う。
【0106】
好適な溶媒の例は、炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
溶媒は、特に好ましくはアセトニトリルまたはDMFである。
【0107】
用いる条件に依存して、反応時間は数分〜14日であり、反応温度は約0℃〜150℃、通常15℃〜120℃、特に好ましくは50℃〜100℃である。
【0108】
式Iで表される化合物を、さらに、好ましくは式IVで表される化合物を式Vで表される化合物と反応させることによって得ることができる。
当該反応を、スズキ反応として当業者に知られている条件下で行う。
【0109】
式IVおよびVで表される出発化合物は、一般的に知られている。しかし、それらが新規である場合には、それらを、自体公知の方法によって製造することができる。
式Vで表される化合物において、Lは、好ましくは
【化7】

を示す。
【0110】
当該反応を、スズキカップリングの標準的な条件下で行う。
用いる条件に依存して、反応時間は数分〜14日であり、反応温度は約−30℃〜140℃、通常0℃〜100℃、特に約60℃〜約90℃である。
【0111】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
特に好ましいのは、エタノール、トルエン、ジメトキシエタンおよび/または水である。
【0112】
式Iで表される化合物を、さらに、好ましくは式VIで表される化合物を式VIIで表される化合物と反応させることによって得ることができる。
当該反応を、スズキ反応として当業者に知られている条件下で行う。
【0113】
式VIおよびVIIで表される出発化合物は、一般的に知られている。しかし、それらが新規である場合には、それらを、自体公知の方法によって製造することができる。
式VIで表される化合物において、Lは、好ましくは
【化8】

を示す。
【0114】
当該反応を、スズキカップリングの標準的な条件下で行う。
用いる条件に依存して、反応時間は数分〜14日であり、反応温度は約−30℃〜140℃、通常0℃〜100℃、特に約60℃〜約90℃である。
【0115】
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
特に好ましいのは、エタノール、トルエン、ジメトキシエタンおよび/または水である。
【0116】
さらに、式Iで表される化合物を式Iで表される他の化合物に、例えばニトロ基をアミノ基に、例えばラネーニッケルもしくはPd/炭素上で、不活性溶媒、例えばメタノールもしくはエタノール中で水素化することによって還元すること、および/または
エステル基をカルボキシル基に変換すること、および/または
アルデヒド基をアルキル化されたアミンに、還元的アミノ化によって変換すること、および/または
カルボキシル基をアルコール類との反応によってエステル化すること、および/または
酸塩化物を酸アミドに、アミンとの反応によって変換すること
によって変換することが、可能である。
【0117】
さらに、遊離のアミノ基および/または水酸基を、塩化酸もしくは無水物を用いる慣用の方法においてアシル化するか、または非置換の、もしくは置換されたハロゲン化アルキルを用いて、有利には不活性溶媒、例えばジクロロメタンもしくはTHF中で、かつ/または塩基、例えばトリエチルアミンもしくはピリジンの存在下で、−60〜+30°の温度にてアルキル化することができる。
【0118】
エーテル切断を、当業者に知られている方法によって行う。
当該反応を、上記で示した好適な溶媒中で、好ましくは三臭化ホウ素を加えることによって行う。
当該反応を、特に好ましくはジクロロメタン中で、約−30℃〜50℃、通常−20℃〜20℃、特に約−15℃〜約0℃の反応温度にて行う。
【0119】
本発明はまた、式II
【化9】

式中、
は、H、HalまたはAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、Hal、OHまたはOAを示し、
Xは、COまたはSOを示し、
Aは、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2個の隣接していないCH基は、O、NH、NMeまたはNetによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
Lは、F、Cl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物、ならびにその塩に関する。
【0120】
示したラジカルの意味および好ましい意味は、式Iで表される化合物について上記で示したものである。
【0121】
薬学的塩および他の形態
本発明の前述の化合物を、それらの最終的な非塩形態で用いることができる。一方、本発明はまた、これらの化合物を、当該分野において知られている手順により、種々の有機および無機酸類および塩基類から誘導し得るそれらの薬学的に許容し得る塩の形態で用いることを包含する。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、慣用的な方法により製造される。本発明の化合物がカルボキシル基を含む場合には、この好適な塩の1種を、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることによって生成することができる。このような塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびに種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンである。
【0122】
式Iで表される化合物のアルミニウム塩は、同様に包含される。式Iで表される数種の化合物の場合において、これらの化合物を、薬学的に許容し得る有機および無機酸類、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸およびそれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩類、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびこれらの対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することによって、酸付加塩を生成することができる。
【0123】
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩には、以下のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは、限定を表すものではない。
【0124】
さらに、本発明の化合物の塩基性塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩が含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩、カルシウムおよびマグネシウムである。
【0125】
薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される、本発明の化合物の塩には、第一、第二および第三アミン類、また天然に存在する置換アミン類を含む置換アミン類、環状アミン類、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0126】
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物を、剤、例えば(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C〜C)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて四級化することができる。本発明の水溶性および油溶性の化合物を共に、このような塩を用いて製造することができる。
【0127】
好ましい前述の薬学的塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0128】
本発明の塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることによって製造する。塩形態を塩基と接触させ、慣用の方法で遊離塩基を単離することによって、遊離塩基を再生することができる。遊離塩基形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点ではそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
【0129】
上述のとおり、本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類を用いて生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0130】
本発明の酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることによって製造する。塩形態を酸と接触させ、慣用的な方法で遊離酸を単離することによって、遊離酸を再生することができる。遊離酸形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的に関して、塩は、他の点ではそれぞれの遊離酸形態に相当する。
【0131】
本発明の化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を生成することができる1つよりも多い基を含む場合には、本発明はまた、多重塩(multiple salt)を包含する。典型的な多重塩形態には、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0132】
上記で述べたことに関して、本文脈における表現「薬学的に許容し得る塩」は、式Iで表される化合物をこの塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが明らかであり、特に、この塩形態が、活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、このように解釈されることが明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、活性成分に前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を初めて付与することができ、さらに、活性成分の薬力学に対して身体における治療的有効性に関する正の影響を有することができる。
【0133】
本発明の化合物は、それらの分子構造のためにキラルであり得、したがって種々の鏡像異性体形態で存在し得る。したがって、それらは、ラセミ体または光学的に活性な形態で存在し得る。
【0134】
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性が異なり得るため、鏡像異性体を用いることが所望され得る。これらの場合において、最終生成物またはさらに中間体を、当業者に知られている化学的もしくは物理的手段によって鏡像異性体化合物に分離するか、またはさらにそれ自体で合成において用いることができる。
【0135】
ラセミ体アミンの場合において、ジアステレオマーが混合物から、光学的に活性な分割剤との反応によって生成する。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適にN保護されたアミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)または種々の光学的に活性な樟脳スルホン酸のRおよびS形態である。
【0136】
また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースまたはシリカゲル上に固定された炭水化物もしくはキラルに誘導体化されたメタクリレートポリマーの他の誘導体)を用いたクロマトグラフィー的鏡像異性体分割である。この目的のために適する溶離剤は、例えば82:15:3の比率での、水性の、またはアルコール性の溶媒混合物、例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルである。
【0137】
本発明はさらに、医薬(医薬組成物)の製造のための化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩の、特に非化学的方法における使用に関する。それらを、ここで少なくとも1種の固体、液体および/または半液体の賦形剤または補助剤と共に、および所望により1種または2種以上の他の活性成分と組み合わせて好適な投与形態に変換することができる。
【0138】
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明の化合物および/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのそれらの混合物を含む)、ならびに任意に賦形剤および/または補助剤を含む医薬に関する。
【0139】
医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で、投与することができる。そのような単位は、処置される状態、投与の方法、ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.1mg〜3g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含んでもよく、または医薬処方物を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与してもよい。好ましい投与単位処方物は、前に示したように、毎日の用量もしくは部分的用量を含むもの、または活性成分のこの対応する部分である。さらに、このタイプの医薬処方物を、薬学分野において一般的に知られている方法を用いて製造することができる。
【0140】
医薬処方物を、すべての所望の好適な方法による、例えば経口(口腔内もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(口腔内、舌下もしくは経皮的を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与のために適合させることができる。そのような処方物を、薬学分野において知られているすべての方法を用いて、例えば活性成分を賦形剤(1種もしくは2種以上)または補助剤(1種もしくは2種以上)と混ぜ合わせることによって製造することができる。
【0141】
経口投与のために適合された医薬処方物を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;散剤もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして投与することができる。
【0142】
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。散剤を、化合物を好適な微細な大きさに粉砕し、それを同様にして粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することによって製造する。風味剤、保存剤、分散剤および色素が、同時に存在してもよい。
【0143】
カプセルを、上記のように散剤混合物を調製し、成形したゼラチン殻をこれで充填することによって製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に散剤混合物に加えることができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に加えて、カプセルを服用した後の医薬の有効性を改善することができる。
【0144】
さらに、所望により、または所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に包含させることができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから製造された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどを含む。これらの投与形態において用いられる潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は、限定されずに、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどを含む。錠剤を、例えば散剤混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることによって処方する。
【0145】
散剤混合物を、好適な方法で粉砕した化合物を上記のように希釈剤または塩基と、および随意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することによって調製する。散剤混合物を、それを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液(acadia mucilage)またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、それをふるいを通して押圧することによって顆粒化することができる。顆粒化の代替として、散剤混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、それを崩壊させて、顆粒を形成することができる。
【0146】
顆粒を、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることによって潤滑化して、錠剤流延型への粘着を防止することができる。次に、潤滑化した混合物を圧縮して、錠剤を得る。本発明の化合物をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮工程を行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。異なる投与単位間を区別することができるようにするために、色素を、これらのコーティングに加えることができる。
【0147】
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投与単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液に好適な風味剤と共に溶解することによって調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを用いて調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることによって処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
【0148】
経口投与用の投与単位処方物を、所望により、マイクロカプセル中にカプセル封入することができる。処方物をまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなどの中にコーティングするかまたは包埋することによって調製することができる。
【0149】
本発明の化合物および塩、溶媒和物およびこれらの生理学的な機能性誘導体をまた、リポソーム送達系、例えば小さい単層の小胞、大きい単層の小胞、および多層の小胞の形態で投与することができる。リポソームを、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類から生成することができる。
【0150】
本発明の化合物および塩、溶媒和物およびそれらの生理学的な機能性誘導体をまた、化合物分子が結合した個別の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することができる。化合物をまた、標的化された医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。そのようなポリマーは、パルミトイルラジカルにより置換された、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパラタミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリジンを包含することができる。当該化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類、およびヒドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性のブロックコポリマーに結合することができる。
【0151】
経皮的投与用に適合された医薬処方物を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所的投与用に適合された医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として処方することができる。
【0152】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、処方物を、好ましくは、局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための処方物の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に用いることができる。あるいはまた、活性成分を処方して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
【0153】
目への局所的適用のために適合された医薬処方物は、活性成分を好適な担体、特に水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させた点眼剤を含む。
口における局所的適用のために適合された医薬処方物は、薬用キャンデー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与のために適合された医薬処方物を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
【0154】
担体物質が固体である鼻腔内投与のために適合された医薬処方物は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗粉末を含み、それを、嗅ぎ薬を服用する方法で、即ち鼻に近接して保持した散剤を含む容器からの鼻の経路を介しての迅速な吸入によって投与する。担体物質としての液体を有する鼻腔内スプレーまたは点鼻剤としての投与に適する処方物は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
【0155】
吸入による投与のために適合された医薬処方物は、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する種々のタイプの加圧ディスペンサーにより発生することのできる微細な粒子状ダストまたはミストを包含する。
膣内投与のために適合された医薬処方物を、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方物として投与することができる。
【0156】
非経口投与のために適合された医薬処方物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の無菌注射溶液であって、これにより処方物が処置されるべきレシピエントの血液と等張になるもの;ならびに水性の、および非水性の無菌懸濁液であって、懸濁媒体および増粘剤を含むことができるもの、が含まれる。処方物を、単一用量または複数用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルにおいて投与してもよく、使用の直前に無菌の担体液体、例えば注射用水を添加することしか必要としないようにフリーズドライした(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態において貯蔵してもよい。
処方により製造される注射溶液および懸濁液を、無菌の散剤、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0157】
上記で特定的に述べた構成成分に加えて、処方物はまた、処方物の特定のタイプに関して当該分野において普通である他の剤を含むことができることは、言うまでもない;したがって、例えば、経口投与に適する処方物は、風味剤を含んでいてもよい。
【0158】
本発明の化合物の治療的に有効な量は、例えば、ヒトまたは動物の年齢および体重、処置が必要である正確な状態およびその重篤度、処方物の性質および投与の方法を含む多くの要因に依存し、最終的には、処置する医師または獣医師によって決定される。しかし、処置のための本発明の化合物の有効な量は、一般的に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳動物)の体重1kgの範囲内、特に典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。したがって、体重が70kgである成体の哺乳動物についての1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここで、この量を、1日あたり個別の用量として、または通常1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分もしくは6回分)において投与し、したがって合計の日用量が同一であるようにすることができる。塩もしくは溶媒和物の、またはその生理学的な機能的誘導体の有効量を、本発明の化合物自体の有効量の比として決定することができる。同様の用量が、前述の他の状態の処置に適すると、推測することができる。
【0159】
本発明はさらに、本発明の少なくとも1種の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)ならびに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む医薬に関する。
【0160】
他の医薬活性成分は、好ましくは化学療法剤、特に血管新生を阻害し、したがって腫瘍細胞の成長および拡散を阻害するものである;好ましいのは、ここで、VEGFレセプター阻害剤であり、それは、VEGFレセプターを対象とするロボザイム(robozymes)およびアンチセンス、ならびにアンジオスタチンおよびエンドスタチンを含む。
【0161】
本発明の化合物と組み合わせて用いることができる抗悪性腫瘍薬の例は、一般的にアルキル化剤、代謝拮抗薬;エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin);抗悪性腫瘍酵素(antineoplastic enzyme);トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロンまたは白金配位錯体を含む。
【0162】
抗悪性腫瘍薬は、好ましくは以下の群から選択される:
アントラサイクリン、ビンカ医薬、マイトマイシン、ブレオマイシン、細胞障害性ヌクレオシド、エポチロン、ディスコデルモリド、プテリジン、ジイネン(diynene)およびポドフィロトキシン。
【0163】
特に好ましいのは、前記群において、例えばカルミノマイシン(carminomycin)、ダウノルビシン、アミノプテリン、メトトレキサート、メトプテリン(methopterin)、ジクロロメトトレキサート、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、ゲムシタビン、サイトシンアラビノシド(cytosinarabinoside)、ポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシド、リン酸エトポシドまたはテニポシド、メルファラン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、リューロシジン(leurosidine)、ビンデシン、リューロシン(leurosine)およびパクリタキセルである。
【0164】
他の好ましい抗悪性腫瘍薬は、エストラムスチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、ゲムシタビン、イフォスアミド(ifosamide)、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキサート(idatrexate)、トリメトレキサート、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、カンプトテシン、CPT−11、トポテカン、アラビノシルシトシン、ビカルタミド、フルタミド、リュープロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロンおよびインターロイキンの群から選択される。
【0165】
本発明はまた、
(a)本発明の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、
ならびに
(b)さらなる医薬活性成分の有効量
の個別のパックからなる、セット(キット)に関する。
【0166】
当該セットは、好適な容器、例えば箱、個別のビン、袋またはアンプルを含む。このセットは、例えば、各々が溶解したかまたは凍結乾燥された形態での、本発明の化合物および/または、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、
ならびに、さらなる医薬活性成分の有効量を含む個別のアンプルを含んでもよい。
【0167】
使用
本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトのための、HSP90が作用を奏する疾患の処置における医薬活性成分として適する。
【0168】
したがって、本発明は、本発明の化合物ならびに、その薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の、HSP90の阻害、調節および/または変調が作用を奏する疾患の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
【0169】
本発明は、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、腫瘍疾患、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉種、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、レイオ肉腫(leiosarcoma)、横紋筋肉腫、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症および重鎖病;
【0170】
ウイルス病原体がA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エチノウイルス(echinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV−I)およびヒト免疫不全ウイルスII型(HIV−II)からなる群から選択されるウイルス性疾患、の処置のための;
【0171】
移植片における免疫抑制;炎症によって誘発された疾患、例えば関節リウマチ、喘息、敗血症、多発性硬化症、1型糖尿病、エリテマトーデス、乾癬および炎症性腸疾患;嚢胞性線維症;血管新生と関連する疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生;感染症;自己免疫疾患;虚血;神経再生の促進;フィブロジェネティック疾患、例えば強皮症、多発性筋炎、全身性ループス、肝臓の硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症のための、
医薬の製造のための使用を包含する。
【0172】
本発明の化合物は、特に癌、腫瘍細胞および腫瘍転移の成長を阻害することができ、したがって腫瘍療法に適する。
【0173】
本発明はさらに、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、化学療法によって生じた毒性に対して正常な細胞を保護するための、および不正確なタンパク質折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患、例えばスクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病を処置するための医薬の製造のための使用を包含する。
【0174】
本発明はまた、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、中枢神経系の疾患、心血管疾患および悪液質の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
【0175】
さらなる態様において、本発明はまた、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、HSP90変調のための医薬の製造のための使用に関し、ここで、変調された生物学的HSP90活性は、個体からの免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養障害からの回復、熱ストレスからの回復またはその組み合わせをもたらし、かつ/またはここで、障害は、1つのタイプの癌、感染症、小胞体からの途絶したタンパク質輸送と関連する障害、虚血/再灌流と関連する障害またはその組み合わせであり、
【0176】
ここで虚血/再灌流と関連する障害は、心停止、アジストリーおよび遅延された心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖症、てんかん重積、てんかんの発作、不安症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児のストレスの結果である。
【0177】
さらなる態様において、本発明はまた、本発明の化合物および/またはその生理学的に許容し得る塩および溶媒和物の、心停止、アジストリーおよび遅延された心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、脳卒中、血栓塞栓性脳卒中、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖症、てんかん重積、てんかんの発作、不安症、統合失調症、神経変性疾患、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児のストレスの結果としての虚血の処置のための医薬の製造のための使用に関する。
【0178】
HSP90阻害剤の測定のための試験方法
ゲルダナマイシンまたは17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)のHSP90への結合およびその競合的阻害を用いて、本発明の化合物の阻害活性を決定することができる(Carreras et al. 2003, Chiosis et al. 2002)。
【0179】
特定の場合において、放射性リガンドフィルター結合試験を用いる。ここで用いる放射性リガンドは、トリチウムで標識した17−アリルアミノゲルダナマイシン,[3H]17AAGである。このフィルター結合試験によって、ATP結合部位に干渉する阻害剤についての標的とする検索が可能になる。
【0180】
材料
組換え型ヒトHSP90α(大腸菌発現、95%純度);
[3H]17AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、[アリルアミノ−2,3−H。比活性:1.11×1012Bq/mmol(Moravek, MT-1717);
HEPESフィルター緩衝液(50mmのHEPES、pH7.0、5mmのMgCl2、BSA 0.01%)
マルチスクリーンFB(1μm)フィルタープレート(Millipore, MAFBNOB 50)。
【0181】
方法
96ウェルマイクロタイターフィルタープレートを、先ず洗浄し、0.1%のポリエチレンイミンで被覆する。
試験を、以下の条件下で行う:
反応温度22℃
反応時間:30分、800rpmにて振盪
試験容量:50μl
最終濃度:
50mMのHEPES HCl、pH7.0、5mMのMgCl2、0.01%(w/v)のBSA
HSP90:1.5μg/アッセイ
[3H]17AAG:0.08μM。
【0182】
反応の終了時に、フィルタープレート中の上清を、真空マニホールド(マルチスクリーン分離システム、Millipore)を用いて、吸引によって除去し、フィルターを2回洗浄する。
次に、フィルタープレートを、ベータカウンター(Microbeta, Wallac)においてシンチレータ(Microscint 20, Packard)を用いて測定する。
「対照の%」を、「分あたりの計数」の値から決定し、化合物のIC−50値を、それより計算する。
【0183】
表I
本発明の式Iで表される化合物によるHSP90阻害
【表1】

【0184】
【表2】

【0185】
【表3】

【0186】
本明細書中、すべての温度を、℃で示す。以下の例において、「慣用の精製操作」は、以下のことを意味する:水を必要に応じて加え、pHを、最終生成物の構成に依存して、必要に応じて2〜10の値に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、生成物を、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより、および/または結晶化により精製する。
【0187】
LC−MS条件
以下の特徴を有するHewlett Packard HP 1100シリーズシステム:イオン源:エレクトロスプレー(正のモード);走査:100〜1000m/e;断片化電圧:60V;ガス温度:300℃、DAD:220nm。
【0188】
方法1
A=水+0.05%のHCOOH/B=アセトニトリル+0.04%のHCOOH
流量=2.4ml/分
WL=220nm
カラム:Chromolith Speed Rod RP18e 50-4.6
勾配:0分 4%のB、2.8分 100%のB、3.3分 100%のB、3.4分 4%のB
【0189】
方法2
A=水+0.01%のTFA/B=アセトニトリル+0.01%のTFA
流量:1.5ml/分
WL=220nm
カラム:Chromolith Performance RP18 100-3
勾配:0分 1%のB、3.5分 100%のB、5.0分 100%のB、5.5分 10%のB、6分 1%のB
【0190】
勾配極性:
5%のB→100%のB:0分〜3.0分
100%のB:3.0分〜3.3分
100%のB→20%のB:3.3分〜4分
【0191】
一般的合成スキーム:
スキーム1
【化10】

【0192】
スキーム2:カルボキサミド合成
方法A
【化11】

【0193】
方法B
【化12】

【0194】
スキーム3:スルホンアミド合成
方法C
【化13】

【0195】
方法D
【化14】

【0196】
出発物質の製造:
5−ヨード−2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロインドール−1−カルボン酸tert−ブチル(「2」)の合成
【化15】

50gの5−ヨード−1H−インドール−2,3−ジオンを、500mlのTHFに溶解し、10℃に冷却し、43.97gのジ−tert−ブチルジカーボネートを加える。混合物を一晩23℃にて撹拌し、次いで真空で蒸発乾固させる。残留物を、石油エーテルおよびTHF中に吸収させ、−20℃にて結晶化させる。このようにして得られた黄色固体を濾過し、30℃にて乾燥キャビネット中で乾燥する。
【0197】
収量:62.41gのtert−ブチル5−ヨード−2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロインドール−1−カルボキシレート;LC−MS保持時間:2.113分。
【0198】
{2−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−オキソアセチル]−4−ヨード−フェニル}カルバミン酸tert−ブチル(「3」)の合成
【化16】

62.41gの5−ヨード−2,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロインドール−1−カルボン酸tert−ブチルを、乾燥THFに溶解し、18.98mlの2,3−ジヒドロ−1H−イソインドールを加える。混合物を25℃にて30分間撹拌し、真空において蒸発乾固させ、残留物を石油エーテルで粉末にし、濾過によって、82.3gの{2−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−オキソアセチル]−4−ヨードフェニル}−カルバミン酸tert−ブチル(ベージュ色固体)が得られる;
【0199】
LC−MS保持時間:2.63分;
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1): □ [ppm] 8.014 (d, 1H), 7.962 (dd, 1H), 7.913 (d, 1H), 7.391 (d, 1H), 7.326-7.292 (m, 3H), 4.901 (s, 2H), 4.872 (s, 2H), 1.398 (s, 9H).
【0200】
(2−アミノ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「4」)の合成
【化17】

24.50gの{2−[2−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)−2−オキソアセチル]−4−ヨード−フェニル}カルバミン酸tert−ブチルを、500mlのアセトニトリルに、アルゴンの下で溶解する。0.756gのフッ化セシウムを加え、16.887mlのビス(トリメチルシリル)カルボジイミドを、当該溶液に5分にわたり滴加する。混合物を、室温にて15分間撹拌し、400mlのジクロロメタンを加える。400mlの塩酸(1N)を加えた後、生成物が白色固体として沈殿する。収量:14gの(2−アミノ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン;LC−MS保持時間:1.655分;
【0201】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1): δ [ppm] 8.143 (d, 1H), 7.957 (dd, 1H), 7.451 (d, 1H), 7.361-7.256 (m, 4H), 7.213 (s, 2H), 4.993 (s, 2H), 4.745 (s, 2H).
【0202】
[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「5」)の合成
【化18】

10gの(2−アミノ−6−ヨードキナゾリン−4−イル)−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「4」)を、500mlのジメチルスルホキシドに、アルゴン雰囲気下で溶解する。6.1gのビス(ピナコラト)ジボロン、8.017gの酢酸カリウムおよび981mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを、この溶液に加え、次に混合物を、80℃にて60分間加熱する。冷却後、250mlのジエチルエーテルを、混合物に加え、それを次に、各々の回において100mlの水に対して4回抽出する。混ぜ合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濾液を、赤色油が存在するまで蒸発させる。この油を、アセトニトリルで粉末にし、淡いベージュ色の結晶を得る。沈殿物を濾過し、50℃にて12時間乾燥キャビネット中で乾燥する。得られた生成物を、さらに精製せずにさらに反応させる。
【0203】
収量:6.45g(65%)の[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン;
LC−MS保持時間:2.077分(方法1)。
【0204】
方法A
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸エチル(「6」)の合成
【化19】

11.66gの2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチル、10.29gの炭酸カリウム、0.67mlの水および912.4mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを、15gの2−アミノ−6−ヨード−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンを200mlのエタノールに溶解した溶液に、アルゴンの下で加える。混合物を、120℃にて30分間加熱し、透明な溶液を得る。高温の溶液を、珪藻土を通して濾過する。冷却した際に、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸エチルが結晶化する。
【0205】
収量:15.4g(94%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸エチル(LC−MS保持時間:2.056分;「極性勾配」方法)。
【0206】
化合物エチル2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4,5−ジフルオロベンゾアートを、[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノンおよびエチル2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゾアートから、同様にして得る;
収率:67%;LC−MS保持時間:2.09分(方法1)。
【0207】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸(「7」)の製造
【化20】

15.3gの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸エチルを70mlの水酸化ナトリウム溶液(2N)および100mlのTHFに溶解した溶液を、80℃にて6時間撹拌する。混合物を、各々の回において100mlのジエチルエーテルで3回抽出し、水相をpH7に調整し、それによって2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸が沈殿する。沈殿物を濾過し、乾燥キャビネット中で50℃にて乾燥する。
【0208】
収量:8.8g(62%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸;LC−MS保持時間:1.707分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1): δ [ppm] 8.005-7.985 (m, 2H), 7.891 (d, 1H), 7.748 (d, 1H), 7.598 (t, 1H), 7.499 (t, 1H), 7.415-7.389 (m, 2H), 7.327-7.254 (m, 2H), 7.233 (d, 1H), 4.993 (s, 2H), 4.837 (s, 2H).
【0209】
化合物2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4,5−ジフルオロ安息香酸が、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4,5−ジフルオロ安息香酸エチルから、同様にして得られる;収率:61%;LC−MS保持時間:2.09分(方法1)。
化合物2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−フルオロ安息香酸が、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−フルオロ安息香酸エチルから、同様にして得られる;
収率:58%;LC−MS保持時間:2.00分(方法1)。
化合物2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5−フルオロ安息香酸が、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−5−フルオロ安息香酸エチルから、同様にして得られる;
収率:58%;LC−MS保持時間:1.99分(方法1)。
【0210】
{2−アミノ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A34」)の方法Aによる合成:
【化21】

175.9mgのO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N、N、N’、N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、33.8μlのピロリジンおよび200.9μlの4−メチルモルホリンを、150mgの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸を1mlのジメチルホルムアミドに溶解した溶液に加える。その後、混合物を、25℃にて12時間撹拌する。混合物を、真空において蒸発乾固させ、残留物を、1mlのジメチルスルホキシド中に吸収させ、クロマトグラフィー(逆相HPLC)によって精製する。
【0211】
収量:50mg(30%)の{2−アミノ−6−[2−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン;
LC−MS保持時間:1.77分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1): δ [ppm] 8.071 (s, 1H), 8.004 (d, 1H), 7.855 (d, 1H), 7.716 (d, 1H), 7.547-7.498 (m, 2H), 7404-7.377 (m, 2H), 7.303 (t, 1H), 7.264 (t, 1H), 7.205 (d, 1H), 4.988 (s, 2H), 4.803 (s, 2H), 4.274 (s, 2H), 3.360 (s, 2H), 2.798 (bs, 2H), 1.750 (m, 4H).
【0212】
以下の化合物を、同様にして得る。
【表4】

【0213】
【表5】

【0214】
【表6】

【0215】
【表7】

【0216】
【表8】

【0217】
【表9】

【0218】
【表10】

【0219】
【表11】

【0220】
【表12】

【0221】
【表13】

【0222】
【表14】

【0223】
【表15】

【0224】
【表16】

【0225】
【表17】

【0226】
【表18】

【0227】
【表19】

【0228】
方法Bによる「8」の合成:
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジエチル−4,5−ジフルオロベンズアミド(「A69」)の製造
段階1:2−ブロモ−N,N−ジエチル−4,5−ジフルオロベンズアミド
【化22】

5mlのDCM中の1.05gの2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゾイルクロリドを、846.9μlのジエチルアミンを5mlのDCMに溶解した溶液に、撹拌しながら滴加する。次いで、混合物をRTにて1時間撹拌する。次に、混合物を水に対して多数回抽出し(pH9)、有機相を乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって精製する。
収量:1g(83%)の2−ブロモ−N,N−ジエチル−4,5−ジフルオロベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.73分(方法1)。
【0229】
以下のものを、同様にして得る:
【化23】

2−ブロモ−N−エチル−5−フルオロベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.55分(方法1);
【化24】

2−ブロモ−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシベンズアミド;
HPLC保持時間:2.52分(方法2);
【0230】
【化25】

2−ブロモ−N−エチル−4,5−ジメトキシベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.53分(方法1);
【化26】

2−ブロモ−N−tert−ブチル−4,5−ジメトキシベンズアミド;
LC−MS保持時間:2.02分(方法1);
【0231】
【化27】

2−ブロモ−4−クロロ−N,N−ジエチルベンズアミド;
LC−MS保持時間:2.24分(方法1);
【化28】

2−ブロモ−4−クロロ−N−エチルベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.53分(方法1);
【0232】
【化29】

2−ブロモ−4−クロロ−N−tert−ブチルベンズアミド;
HPLC保持時間:2.26分(方法2);
【化30】

2−ブロモ−4−クロロ−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.84分(方法1)。
【0233】
段階2:2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジエチル−4,5−ジフルオロベンズアミド(「A69」)
【化31】

1.05gの2−ブロモ−N,N−ジエチル−4,5−ジフルオロベンズアミド、0.99gの炭酸カリウム、0.6μlの水および146.6mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを、1.2gの2−アミノ−6−ボロニル−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンを100mlのエタノールに溶解した溶液に、アルゴンの下で加える。混合物を、120℃にて30分間加熱し、透明な溶液を得る。高温の溶液を、珪藻土を通して濾過し、カラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0234】
収量:710mg(39%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジエチル−4,5−ジフルオロベンズアミド;
HPLC保持時間:2.72分(方法2);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.07 (dd, J = 2.1, 8.6, 2H), 7.82 (d, J = 9.0, 1H), 7.65 (dd, J = 7.7, 11.3, 1H), 7.53 - 7.44 (m, 2H), 7.36 (t, J = 7.3, 1H), 7.32 (t, J = 7.3, 1H), 7.25 (d, J = 7.4, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.32 - 3.03 (m, 2H), 3.01 - 2.74 (m, 2H), 0.86 - 0.72 (m, 6H).
【0235】
以下のものを、同様にして得る:
【化32】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−4,5−ジフルオロベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.83分(方法1);
【化33】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N,N−ジエチル−4,5−ジメトキシベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.88分(方法1);
【0236】
【化34】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−4,5−ジメトキシベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.69分(方法1);
【化35】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチル−4,5−ジメトキシベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.89分(方法1);
【0237】
【化36】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−クロロ−N,N−ジエチルベンズアミド;
LC−MS保持時間:2.14分(方法1);
【化37】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−クロロ−N−エチルベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.99分(方法1);
【0238】
【化38】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−クロロ−N−tert−ブチルベンズアミド;
LC−MS保持時間:2.13分(方法1);
【化39】

2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4−クロロ−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド;
LC−MS保持時間:1.95分(方法1)。
【0239】
{2−アミノ−6−[2−(3−アミノピロリジン−1−カルボニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A43」)の製造
【化40】

生成物を、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸をピロリジン−3−イルカルバミン酸tert−ブチルと反応させることによって、「A34」と同様にして得る。得られた(1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルを、ジオキサン中の1M HClで直接処理し、保護基を切断させる。精製を、カラムクロマトグラフィーによって行う;
LC−MS保持時間:1.82分(方法1)。
【0240】
1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−2−メチルアミド(「A50」)の製造
【化41】

段階1:1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−2−カルボン酸メチル(「A37」)
生成物を、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]安息香酸をピロリジン−2−カルボン酸メチルと反応させることによって、「A34」と同様にして得る;
LC−MS保持時間:1.78分(方法1)。
【0241】
段階2:1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−2−カルボン酸(「A44」)
段階1からの1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−2−カルボン酸メチルを、アルカリ性条件下で加水分解して、1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−2−カルボン酸を得る;
【0242】
LC−MS保持時間:1.66分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ [ppm] 8.06 (dd, J = 1.9, 8.7, 1H), 7.98 (d, J = 1.9, 1H), 7.77 (d, J = 8.7, 1H), 7.56 - 7.25 (m, 7H), 7.23 (d, J = 7.4, 1H), 5.08 - 4.66 (m, 4H), 4.21 (dd, J = 4.2, 8.5, 1H), 3.26 - 3.11 (m, 2H), 2.15 - 2.00 (m, 1H), 1.79 - 1.48 (m, 3H).
【0243】
段階3:1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−2−メチルアミド(「A50」)
95mgのTBTU(O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、108μlの4−メチルモルホリンおよび197μlのメチルアミン(THF中2M)を、100mgの1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゾイル}ピロリジン−2−カルボン酸を4mlのDMFに溶解した溶液に加える。混合物を22℃にて16時間撹拌し、生成物をカラムクロマトグラフィーによって直接単離する;HPLC保持時間:2.34分(方法2)。
【0244】
スキーム3:スルホンアミド合成
方法C
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホン酸(9)の製造
【化42】

30gの2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)安息香酸エチル、41gの炭酸カリウム、40mlの水および4gの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを、40.8gの2−アミノ−6−ヨード−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンを500mlのエタノールに溶解した溶液に、アルゴンの下で加える。混合物を120℃にて60分間加熱し、透明な溶液を得る。高温の溶液を、珪藻土を通して濾過し、エタノールで洗浄する。濾液を真空において蒸発乾固させ、700mlの水に溶解し、濾過する。濾液を、400mlのHCl(1N)を用いて酸性化し、沈殿物を得る。沈殿物を吸引により濾別し、水で洗浄する。残留物を、50℃にて真空において乾燥する。収量:43.8g(86%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホン酸;
LC−MS保持時間:1.43分(方法1)。
【0245】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニルクロリド(10)の製造
【化43】

40mlの塩化チオニルを1滴のDMFと共に、5gの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホン酸の溶液に加える。混合物を22℃にて16時間撹拌し、真空において蒸発させ、500mlのDCM中に吸収させ、各々の回において300mlの水で2回抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾別し、真空において蒸発乾固させる。残留物を、さらに精製せずに以下の段階において用いる。収量:6.9g(98%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニルクロリド;
HPLC保持時間:2.75分(方法2)。
【0246】
{2−アミノ−6−[2−(2,5−ジメチルピロリジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A64」)の製造
【化44】

58μlのジメチルピロリジンを4mlのTHFに溶解した溶液を、400mgの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニルクロリドを4mlのTHFに溶解した溶液に、氷冷しながら滴加する。混合物を、その後22℃にてさらに1時間撹拌し、真空において蒸発させ、4mlのジエチルエーテル中に吸収させる。溶液を、水酸化ナトリウム溶液(2N)に対して3回洗浄し、最後にカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0247】
収量:63mg(56%)の{2−アミノ−6−[2−(2,5−ジメチルピロリジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン;
LC−MS保持時間:2.24分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.05 (dd, J = 1.9, 8.7, 1H), 7.99 (d, J = 1.8, 1H), 7.98 (dd, J = 1.2, 7.9, 1H), 7.77 (d, J = 8.7, 1H), 7.70 (td, J = 1.3, 7.5, 1H), 7.64 (td, J = 1.4, 7.7, 1H), 7.42 - 7.38 (m, 2H), 7.33 - 7.26 (m, 2H), 7.21 (d, J = 7.3, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.79 (s, 2H), 3.44 - 3.35 (m, 2H), 1.70 - 1.62 (m, 2H), 1.40 - 1.33 (m, 2H), 0.89 (d, J = 6.4, 6H).
【0248】
以下の化合物を、同様にして得る。
【表20】

【0249】
【表21】

【0250】
【表22】

【0251】
【表23】

【0252】
【表24】

【0253】
【表25】

【0254】
【表26】

【0255】
【表27】

【0256】
【表28】

【0257】
【表29】

【0258】
【表30】

【0259】
【表31】

【0260】
【表32】

【0261】
方法D
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−シクロプロピル−N−メチルベンゼンスルホンアミド(「A65」)の製造
段階1:2−ブロモ−N−シクロプロピル−N−メチルベンゼンスルホンアミド
【化45】

450μlのN−シクロプロピル−N−メチルアミンを、640mgの2−ブロモベンゼンスルホニルクロリドを2.5mlのDCMに溶解した溶液に、冷却しながら滴加する。混合物を、その後22℃にて2時間撹拌し、5mlの1N水酸化ナトリウム溶液で2回抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空において蒸発させる。
収量:670mg(96%)の2−ブロモ−N−シクロプロピル−N−メチルベンゼンスルホンアミド;
HPLC保持時間:2.70分(方法2)。
【0262】
段階2:「A65」
【化46】

153mgの2−ブロモ−N−シクロプロピル−N−メチルベンゼンスルホンアミド、0.146gの炭酸カリウム、9μlの水および43mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを、220mgの{2−アミノ−5−[(Z)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)プロペニル]−6−ビニルピリミジン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノンを5mlのエタノールに溶解した溶液に、アルゴンの下で加える。混合物を、120℃にて30分間加熱する。高温の混合物を、その後珪藻土を通して濾過し、濾液を真空において蒸発させ、1mlのDMSO中に吸収させ、カラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0263】
収量:61mg(23%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−シクロプロピル−N−メチルベンゼンスルホンアミド(「A65」);
LC−MS保持時間:2.61分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.02 (dd, J = 1.2, 7.9, 1H), 7.97 (dd, J = 1.9, 8.6, 1H), 7.91 (d, J = 1.8, 1H), 7.77 (d, J = 8.7, 1H), 7.73 (dd, J = 1.3, 7.5, 1H), 7.68 (td, J = 1.4, 7.7, 1H), 7.42 (d, J = 7.2, 1H), 7.40 (dd, J = 1.2, 7.5, 1H), 7.35 - 7.27 (m, 2H), 7.23 (d, J = 7.1, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.80 (s, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.05 (tt, J = 3.6, 6.8, 1H), 0.46 - 0.34 (m, 2H), 0.34 - 0.26 (m, 2H).
【0264】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド(「A1」)の製造を、以下のスキームと同様にして行う。
【化47】

【0265】
段階1:N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミドの製造
合成を、2−ブロモ−N−シクロプロピル−N−メチルベンゼンスルホンアミドの製造と同様にして行う;m.p.77〜78℃。
【0266】
段階2:2−ボロノ−N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド
27mlのn−ブチルリチウム(n−ヘキサンに溶解した15%溶液)を、−5℃にて、4.29gのN−tert−ブチルベンゼンスルホンアミドを25mlのTHFに溶解した溶液に、アルゴンの下で滴加する。混合物を22℃にて1時間撹拌し、−5℃に再び冷却し、2.8gのホウ酸トリメチルを、ゆっくりと滴加する。混合物を22℃にて3時間撹拌し、その後100mlの水性塩化アンモニウム溶液を、滴加する。相を分離し、水相を、MTBエーテルでさらに2回抽出する。混ぜ合わせた有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥する。濾過し、真空において蒸発乾固させる。
収量:42%の2−ボロノ−N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド;
HPLC保持時間:2.42分(方法2)。
【0267】
段階3:2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド(「A1」)
【化48】

1.6gの2−ボロノ−N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド、2.66gの炭酸カリウム、86μlの水および196mgの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドを、2gの2−アミノ−6−ヨード−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イルカルボニル)キナゾリンを100mlのエタノールに溶解した溶液に、アルゴンの下で加える。混合物を、120℃にて16時間加熱し、透明な溶液を得る。高温の溶液を、珪藻土を通して濾過し、エタノールで洗浄する。濾液を、真空において蒸発乾固させる。残留物を5mlのアセトニトリル/水から結晶化させることによって、生成物が得られる。
【0268】
収量:2.3g(95%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミド(「A1」);
LC−MS保持時間:2.04分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6 /TFA) δ [ppm] 8.082 (dd, 1H), 8.032 (d, 1H), 7.985 (dd, 1H), 7.828 (d, 1H), 7.698 (t, 1H), 7.645 (t, 1H), 7.443-7.419 (m, 2H), 7.353-7.295 (m, 2H), 7.255 (d, 1H), 5.002 (s, 2H), 4.853 (s, 2H), 0.867 (s, 9H).
【0269】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホンアミド(「A2」)の製造
【化49】

1gの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチルベンゼンスルホンアミドを、10mlのトリフルオロ酢酸に溶解し、22℃にて16時間撹拌する。10mlのn−ヘプタンを、その後加え、真空において蒸発乾固させる。このようにして得られた粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0270】
収量:2.3g(95%)の2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホンアミド;
LC−MS保持時間:1.64分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.109-8.065 (m, 3H), 7.823 (d, 1H),7.638-7.562 (m, 2H), 7.400-7.368 (m, 2H), 7.326-7.261 (m, 2H), 7.214 (d, 1H), 5.002 (s, 2H), 4.846 (s, 2H).
【0271】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−メチルアミノエチル)ベンゼンスルホンアミド(「A16」)の製造
【化50】

生成物を、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニルクロリドと(2−アミノエチル)メチルカルバミン酸tert−ブチルとの反応によって、「A64」の製造と同様にして得る。得られた(2−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニルアミノ}エチル)メチルカルバミン酸tert−ブチルを、ジオキサン中の1M HClで直接処理し、保護基の切断をもたらす。精製を、分取カラムクロマトグラフィーによって行う。
【0272】
収率:37%;LC−MS保持時間:1.42分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.10 - 8.02 (m, 2H), 7.97 (dd, J = 1.0, 7.9, 1H), 7.81 - 7.77 (m, 1H), 7.68 (dt, J = 3.8, 7.6, 1H), 7.63 (td, J = 1.2, 7.7, 1H), 7.42 (d, J = 7.4, 1H), 7.38 (d, J = 7.0, 1H), 7.33 - 7.24 (m, 2H), 7.22 (d, J = 7.1, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 2.97 (t, J = 6.2, 2H), 2.86 (t, J = 6.3, 2H), 2.47 (s, 3H).
【0273】
以下の化合物を、同様にして得る。
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−アゼチジン−3−イルベンゼンスルホンアミド(「A26」);
LC−MS保持時間:1.43分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.10 - 8.04 (m, 2H), 7.98 (dd, J = 1.1, 7.9, 1H), 7.84 (d, J = 8.4, 1H), 7.74 (td, J = 1.2, 7.5, 1H), 7.67 (td, J = 1.3, 7.8, 1H), 7.46 (dd, J = 1.2, 7.6, 1H), 7.44 (d, J = 7.2, 1H), 7.37 - 7.30 (m, 2H), 7.27 (d, J = 7.0, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.86 (s, 2H), 4.08 - 3.94 (m, 3H), 3.89 - 3.80 (m, 2H);
【0274】
{2−アミノ−6−[2−(3−アミノアゼチジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A29」);
LC−MS保持時間:1.40分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.11 (d, J = 1.8, 1H), 8.05 - 8.00 (m, 2H), 7.79 (d, J = 8.6, 1H), 7.72 (td, J = 1.3, 7.6, 1H), 7.63 (td, J = 1.3, 7.8, 1H), 7.42 - 7.37 (m, 2H), 7.33 - 7.25 (m, 2H), 7.22 (d, J = 7.1, 1H), 4.99 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 4.00 - 3.92 (m, 1H), 3.80 - 3.76 (m, 2H), 3.73 - 3.68 (m, 2H);
【0275】
{2−アミノ−6−[2−(3−アミノピロリジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A33」);
LC−MS保持時間:1.48分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.05 - 8.01 (m, 2H), 7.99 (dd, J = 1.3, 7.9, 1H), 7.80 - 7.77 (m, 1H), 7.72 (td, J = 1.4, 7.5, 1H), 7.65 (td, J = 1.4, 7.7, 1H), 7.44 - 7.37 (m, 2H), 7.35 - 7.25 (m, 2H), 7.23 (d, J = 6.7, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.80 (s, 2H), 3.52 - 3.43 (m, 3H), 3.04 - 2.95 (m, 1H), 2.91 - 2.81 (m, 1H), 2.10 - 2.00 (m, 1H), 1.84 - 1.71 (m, 1H).
【0276】
1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−メチルアミド(「A58」)の製造
【化51】

段階1:1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−カルボン酸メチル
生成物を、2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニルクロリドとピロリジン−2−カルボン酸メチルとを反応させることによって、「A64」と同様にして得る;
HPLC保持時間:2.65分(方法2)。
【0277】
段階2:1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−カルボン酸
段階1からの1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−カルボン酸メチルを、アルカリ性条件下で加水分解して、1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−カルボン酸を得る;
HPLC保持時間:2.45分(方法2)。
【0278】
段階3:1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−メチルアミド(「A58」)
88.6mgのTBTU(O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、101μlの4−メチルモルホリンおよび184μlのメチルアミン(THF中2M)を、100mgの1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−カルボン酸を4mlのDMFに溶解した溶液に加える。混合物を22℃にて16時間撹拌し、生成物をカラムクロマトグラフィーによって直接単離する。
【0279】
HPLC保持時間:2.36分(方法2);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.11 - 8.06 (m, 2H), 8.01 (dd, J = 1.1, 7.9, 1H), 7.77 (d, J = 9.1, 1H), 7.67 (td, J = 1.2, 7.5, 1H), 7.59 (td, J = 1.3, 7.8, 1H), 7.38 (d, J = 7.1, 1H), 7.35 (dd, J = 1.1, 7.5, 1H), 7.28 (dt, J = 7.2, 14.7, 2H), 7.20 (d, J = 7.1, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.79 (s, 2H), 3.74 (dd, J = 3.8, 8.4, 1H), 3.01 - 2.92 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 1.88 - 1.79 (m, 1H), 1.73 - 1.65 (m, 1H), 1.64 - 1.57 (m, 1H), 1.57 - 1.48 (m, 1H).
【0280】
化合物
N−(2−ヒドロキシエチル)−1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピロリジン−2−カルボキサミド(「A61」)
を、同様にして得る。
【0281】
HPLC保持時間:2.32分(方法2);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.11 - 8.06 (m, 2H), 8.01 (dd, J = 1.1, 7.9, 1H), 7.77 (d, J = 9.1, 1H), 7.67 (td, J = 1.2, 7.5, 1H), 7.59 (td, J = 1.3, 7.8, 1H), 7.38 (d, J = 7.1, 1H), 7.35 (dd, J = 1.1, 7.5, 1H), 7.28 (dt, J = 7.2, 14.7, 2H), 7.20 (d, J = 7.1, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.79 (s, 2H), 3.74 (dd, J = 3.8, 8.4, 1H), 3.01 - 2.92 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 1.88 - 1.79 (m, 1H), 1.73 - 1.65 (m, 1H), 1.64 - 1.57 (m, 1H), 1.57 - 1.48 (m, 1H).
【0282】
2−({2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}メチルアミノ)エチルアミノアセテート(「A15」)の製造
【化52】

56mgのtert−ブトキシカルボニルアミノ酢酸、33mgのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび2mgのジメチルアミノピリジン(DMAP)を、80mgの2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルベンゼンスルホンアミドを1mlのTHFに溶解した溶液に加える。120分後、混合物を、真空において蒸発させ、残留物を、1mlのDCM:TFA(1:1)中に冷却しながら吸収させ、混合物を、30分間撹拌する。混合物を、真空において蒸発乾固させ、残留物を、500μlのDMSO中に吸収させ、逆相におけるカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0283】
LC−MS保持時間:1.49分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSOd6) δ [ppm] 8.05 - 8.01 (m, 2H), 7.99 (dd, J = 1.2, 7.9, 1H), 7.84 (d, J = 4.6, 1H), 7.74 (td, J = 1.3, 7.5, 1H), 7.67 (td, J = 1.4, 7.8, 1H), 7.46 - 7.41 (m, 2H), 7.33 (dt, J = 7.0, 14.0, 2H), 7.26 (d, J = 7.0, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.87 (s, 2H), 4.17 (t, J = 5.2, 2H), 3.74 (s, 2H), 3.03 (t, J = 5.2, 2H).
【0284】
1−{2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]ベンゼンスルホニル}ピペリジン−4−イルアミノアセテート(「A10」)の製造
【化53】

LC−MS保持時間:1.54分(方法1);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/TFA) δ [ppm] 8.04 (dd, J = 1.9, 8.6, 1H), 8.02 - 7.98 (m, 2H), 7.80 (d, J = 8.7, 1H), 7.75 (td, J = 1.3, 7.5, 1H), 7.68 (td, J = 1.4, 7.7, 1H), 7.46 - 7.41 (m, 2H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.26 (d, J = 6.7, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.88 (s, 3H), 3.82 (s, 2H), 3.13 - 3.01 (m, 2H), 2.86 - 2.76 (m, 2H), 1.74 - 1.62 (m, 2H), 1.56 - 1.42 (m, 2H).
【0285】
以下の化合物を、「A65」、段階1の製造と同様にして得る。
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)−4−メチルピペラジン
【化54】

HPLC保持時間:1.35分(方法1);
4−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)−1,2−ジメチルピペラジン
【化55】

HPLC保持時間:1.41分(方法1);
【0286】
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)ピペリジン−4−オール
【化56】

HPLC保持時間:1.89分(方法1);
4−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化57】

HPLC保持時間:2.24分(方法1);
【0287】
2−ブロモ−N−エチル−4,5−ジフルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミド
【化58】

HPLC保持時間:1.95分(方法1);
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)ピロリジン
【化59】

HPLC保持時間:2.28分(方法1);
【0288】
2−ブロモ−N−tert−ブチル−4,5−ジフルオロ−N−メチルベンゼンスルホンアミド
【化60】

HPLC保持時間:2.49分(方法1);
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)−3,3−ジフルオロピロリジン
【化61】

HPLC保持時間:2.33分(方法1);
【0289】
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)ピロリジン−3−オール
【化62】

HPLC保持時間:1.83分(方法1);
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)−3−メチルピペラジン
【化63】

HPLC保持時間:1.34分(方法1);
【0290】
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)−3−トリフルオロメチルピペラジン
【化64】

HPLC保持時間:2.17分(方法1);
1−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)−3,5−ジメチルピペラジン
【化65】

HPLC保持時間:1.44分(方法1);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.09 (dd, J = 10.2, 8.1, 1H), 8.03 (dd, J = 9.6, 7.0, 1H), 3.90 (dt, J = 11.3, 5.6, 2H), 3.47 - 3.30 (m, 2H), 2.92 (dd, J = 13.6, 11.6, 2H), 1.26 (d, J = 6.4, 6H).
【0291】
以下の化合物を、「A65」、段階2の製造と同様にして得る。
{2−アミノ−6−[4,5−ジフルオロ−2−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A91」)
【化66】

HPLC保持時間:1.68分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.10 (dd, J = 10.1, 7.9, 1H), 8.04 (d, J = 1.5, 1H), 8.02 (dd, J = 8.6, 1.8, 1H), 7.80 (d, J = 8.6, 1H), 7.66 (dd, J = 10.5, 7.5, 1H), 7.45 (d, J = 7.2, 1H), 7.38 - 7.30 (m, 2H), 7.27 (d, J = 7.2, 1H), 5.03 (d, J = 18.0, 2H), 4.82 (d, J = 18.2, 2H), 3.34 (m, 4H), 2.86 (m, 4H), 2.82 (s, 3H);
【0292】
{2−アミノ−6−[2−(3,4−ジメチルピペラジン−1−スルホニル)−4,5−ジフルオロフェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A92」)
【化67】

HPLC保持時間:1.74分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.12 - 8.06 (m, 2H), 8.04 (d, J = 8.6, 1H), 7.84 (d, J = 8.8, 1H), 7.61 (dd, J = 10.4, 7.6, 1H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.38 - 7.30 (m, 2H), 7.27 (d, J = 7.2, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.87 (s, 2H), 3.46 - 3.30 (m, 2H), 3.20 (s, 2H), 3.06 - 2.89 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.76 - 2.65 (m, 2H), 1.21 (d, J = 6.2, 3H);
【0293】
{2−アミノ−6−[4,5−ジフルオロ−2−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A93」)
【化68】

HPLC保持時間:1.97分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.03 (td, J = 4.6, 1.9, 2H), 7.99 (dd, J = 10.3, 7.9, 1H), 7.83 - 7.78 (m, 1H), 7.58 (dd, J = 10.6, 7.5, 1H), 7.44 (d, J = 7.2, 1H), 7.38 - 7.28 (m, 2H), 7.26 (d, J = 7.3, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 3.52 - 3.43 (m, 1H), 3.09 - 3.00 (m, 2H), 2.61 (m, 2H), 1.61 - 1.52 (m, 2H), 1.27 - 1.16 (m, 2H);
【0294】
{2−アミノ−6−[4,5−ジフルオロ−2−(ピペラジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A94」)
【化69】

当該化合物を、4−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルと[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノンとの反応、その後の酸での処理によるBoc切断から得る;
HPLC保持時間:1.71分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.09 (dd, J = 10.3, 7.9, 1H), 8.06 - 8.02 (m, 2H), 7.82 (d, J = 8.8, 1H), 7.64 (dd, J = 10.5, 7.6, 1H), 7.45 (d, J = 7.2, 1H), 7.38 - 7.30 (m, 2H), 7.27 (d, J = 7.2, 1H), 5.04 (d, J = 20.5, 2H), 4.86 (s, 2H), 3.06 (m, 8H);
【0295】
{2−アミノ−6−[5−ブトキシ−4−フルオロ−2−(ピペラジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A95」)
【化70】

当該化合物を、4−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロベンゼンスルホニル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルと[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノンとのブタノール中での反応、その後の酸での処理によるBoc切断から得る;
HPLC保持時間:1.94分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.06 - 8.01 (m, 2H), 7.82 (dd, J = 9.7, 6.1, 2H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.26 (d, J = 7.2, 1H), 7.19 (d, J = 8.1, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.88 (s, 2H), 4.13 (t, J = 6.4, 2H), 3.06 (d, J = 18.2, 8H), 1.77 - 1.68 (m, 2H), 1.48 - 1.36 (m, 2H), 0.91 (t, J = 7.4, 3H);
【0296】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4,5−ジフルオロベンゼンスルホン酸(「A96」)
【化71】

HPLC保持時間:1.68分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.39 (d, J = 1.8, 1H), 8.27 (dd, J = 8.7, 1.9, 1H), 7.88 (dd, J = 11.1, 8.5, 1H), 7.78 (d, J = 8.8, 1H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.40 - 7.28 (m, 3H), 7.24 (d, J = 7.3, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.86 (s, 2H);
【0297】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−エチル−4,5−ジフルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼンスルホンアミド(「A97」)
【化72】

HPLC保持時間:2.01分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.08 - 8.04 (m, 2H), 8.03 - 7.99 (m, 1H), 7.84 (d, J = 8.4, 1H), 7.57 - 7.51 (m, 1H), 7.44 (d, J = 7.5, 1H), 7.38 - 7.28 (m, 2H), 7.24 (d, J = 7.3, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 3.32 (t, J = 6.1, 2H), 2.98 - 2.86 (m, 4H), 0.89 (t, J = 7.1, 3H);
【0298】
{2−アミノ−6−[4,5−ジフルオロ−2−(ピロリジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A98」)
【化73】

HPLC保持時間:2.26分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.05 (dd, J = 4.4, 2.6, 2H), 7.98 (dd, J = 10.2, 8.0, 1H), 7.82 (d, J = 8.3, 1H), 7.60 - 7.54 (m, 2H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.37 - 7.29 (m, 2H), 7.25 (d, J = 7.3, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.82 (s, 2H), 2.85 (t, J = 6.5, 4H), 1.62 (t, J = 6.5, 4H);
【0299】
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−N−tert−ブチル−4,5−ジフルオロ−N−メチルベンゼンスルホンアミド(「A99」)
【化74】

HPLC保持時間:2.38分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.08 - 8.03 (m, 2H), 7.99 (dd, J = 10.4, 8.0, 1H), 7.87 (d, J = 9.4, 1H), 7.51 (dd, J = 10.3, 7.5, 1H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.32 (dd, J = 17.0, 7.8, 2H), 7.24 (d, J = 7.3, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.84 (s, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.09 (s, 9H);
【0300】
{2−アミノ−6−[2−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−スルホニル)−4,5−ジフルオロフェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A100」)
【化75】

HPLC保持時間:2.3分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.05 - 8.01 (m, 1H), 7.99 (dd, J = 10.2, 2.8, 2H), 7.79 (d, J = 8.6, 1H), 7.53 (dd, J = 10.2, 7.6, 1H), 7.38 (d, J = 7.2, 1H), 7.32 - 7.22 (m, 2H), 7.19 (d, J = 7.3, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.78 (s, 2H), 3.30 (t, J = 12.6, 2H), 3.08 (t, J = 7.3, 2H), 2.20 (tt, J = 14.1, 7.2, 2H);
【0301】
{2−アミノ−6−[4,5−ジフルオロ−2−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A101」)
【化76】

HPLC保持時間:1.97分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.07 (s, 3H), 7.84 - 7.80 (m, 1H), 7.57 (dd, J = 10.6, 7.5, 1H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.39 - 7.28 (m, 2H), 7.25 (d, J = 7.3, 1H), 5.02 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 4.14 (s, 1H), 3.09 (dd, J = 16.2, 9.3, 1H), 2.99 (ddd, J = 24.6, 14.7, 6.5, 3H), 1.81 - 1.71 (m, 1H), 1.70 - 1.63 (m, 1H);
【0302】
{2−アミノ−6−[4,5−ジフルオロ−2−(3−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A102」)
【化77】

HPLC保持時間:1.68分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.10 - 8.06 (m, 2H), 8.04 (dd, J = 8.7, 1.9, 1H), 7.84 (d, J = 8.6, 1H), 7.61 (dd, J = 10.5, 7.5, 1H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.38 - 7.30 (m, 2H), 7.26 (d, J = 7.2, 1H), 5.03 (s, 2H), 4.88 (s, 2H), 3.33 (d, J = 13.0, 2H), 3.27 - 3.14 (m, 2H), 2.91 (td, J = 12.4, 2.8, 1H), 2.83 (t, J = 11.5, 1H), 2.66 (dd, J = 13.4, 10.6, 1H), 1.14 (d, J = 6.4, 3H);
【0303】
{2−アミノ−6−[4,5−ジフルオロ−2−(3−トリフルオロメチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A103」)
【化78】

HPLC保持時間:2.23分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.18 - 8.09 (m, 3H), 8.06 (d, J = 8.6, 1H), 7.85 (d, J = 8.6, 1H), 7.59 (t, J = 8.8, 1H), 7.44 (d, J = 7.3, 1H), 7.34 (dt, J = 15.0, 7.3, 2H), 7.26 (d, J = 7.3, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.87 (s, 2H), 4.43 (s, 1H), 3.59 (d, J = 12.1, 1H), 3.33 (d, J = 10.8, 2H), 3.17 - 3.01 (m, 2H), 2.97 (t, J = 11.5, 1H);
【0304】
{2−アミノ−6−[2−(3,5−ジメチルピペラジン−1−スルホニル)−4,5−ジフルオロフェニル]キナゾリン−4−イル}−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノン(「A104」)
【化79】

HPLC保持時間:1.74分(方法1);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.09 (t, J = 7.6, 1H), 8.05 (d, J = 1.5, 1H), 8.03 (dd, J = 8.6, 1.8, 1H), 7.80 (d, J = 8.6, 1H), 7.68 - 7.61 (m, 1H), 7.45 (d, J = 7.2, 1H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.26 (d, J = 7.2, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.86 (s, 2H), 3.39 (d, J = 12.5, 2H), 3.18 (s, 2H), 1.24 - 0.99 (m, 6H);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.96 (dd, J = 10.5, 8.1, 1H), 7.74 (d, J = 1.8, 1H), 7.71 (dd, J = 8.8, 2.0, 1H), 7.62 (dd, J = 10.8, 7.7, 1H), 7.52 (d, J = 8.6, 1H), 7.42 (d, J = 7.3, 1H), 7.34 - 7.28 (m, 1H), 7.26 (t, J = 6.0, 2H), 7.18 (s, 2H), 4.93 (s, 2H), 4.73 (s, 2H), 2.95 (d, J = 9.7, 2H), 2.34 - 2.24 (m, 2H), 1.74 (t, J = 11.1, 2H), 0.69 (d, J = 6.2, 6H).
【0305】
以下の化合物を、「A69」、段階2の製造と同様にして得る。
2−[2−アミノ−4−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−カルボニル)キナゾリン−6−イル]−4,5−ジフルオロ安息香酸(「A105」)
【化80】

当該化合物を、2−ブロモ−4,5−ジフルオロ安息香酸エチルと[2−アミノ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]−(1,3−ジヒドロイソインドール−2−イル)メタノンとの反応、エチルエステルのその後の加水分解から得る;
HPLC保持時間:1.98分(方法2);
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/TFA-d1) δ [ppm] 8.06 (d, J = 1.8, 1H), 8.02 (dd, J = 8.6, 2.0, 1H), 7.94 (dd, J = 10.9, 8.2, 1H), 7.81 (dd, J = 9.1, 3.9, 1H), 7.52 (dd, J = 11.0, 7.7, 1H), 7.45 (d, J = 7.2, 1H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.27 (d, J = 7.5, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.87 (s, 2H).
【0306】
以下の例は、医薬組成物に関する:
例A:注射バイアル
100gの本発明の活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの2回蒸留水に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
【0307】
例B:座剤
20gの本発明の活性成分の100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0308】
例C:溶液
1gの本発明の活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの2回蒸留水中に溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
【0309】
例D:軟膏
500mgの本発明の活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
【0310】
例E:錠剤
1kgの活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
【0311】
例F:糖衣錠
例Eと同様にして、錠剤を圧縮し、次に、慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0312】
例G:カプセル
2kgの活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に、慣用の方法で導入して、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
【0313】
例H:アンプル
1kgの本発明の活性成分を60lの2回蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移送し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは、10mgの活性成分を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中
は、H、(CHHet、(CHAr、HalまたはAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、(CHHet、(CHAr、Hal、OHまたはOAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、A、(CHHet、(CHArまたは(CHOC(=O)(CHNHを示し、
およびRは、それらが結合するN原子と共に、また非置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHCOOH、(CHCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CHNHおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、さらに1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を含んでいてもよい、飽和、不飽和または芳香族の単環式または二環式複素環を示し、またここで、さらに、1個のN原子は酸化されていてもよく、
Xは、COまたはSOを示し、
Arは、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルまたはビフェニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはA、Hal、(CHOA、(CHOH、(CHCN、SA、SOA、SOA、NO、C≡CH、(CHCOOH、CHO、(CHCOOA、CONH、CONHA、CONAA’、NHCOA、CH(OH)A、(CHNH、(CHNHA、(CHNAA’、(CHNHSOA、SONH(CHNH、SONH、SONHA、SONAA’、CONH(CHCOOA、CONH(CHCOOH、NHCO(CHCOOA、NHCO(CHCOOH、CONH(CHNH、CONH(CHNHA、CONH(CHNAA’、CONH(CHCNおよび/または(CHCH(NH)COOHによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されており、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、それは、非置換であるか、またはA、OA、OH、フェニル、SH、S(O)A、Hal、NO、CN、COA、COOA、COOベンジル、CONH、CONHA、CONAA’、SONH、NH、NHA、NAA’、NHCOA、NHSOAおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されていてもよく、
A、A’は、各々、互いに独立して1〜10個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで、1〜3個の隣接していないCH基は、O、S、SO、SO、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示す、
で表される化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項2】
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ−1,4−ジオキサニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、インドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々が、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されている、
請求項1に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項3】
Arが、非置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニルを示す、
請求項1または2に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項4】
A、Aが、各々、互いに独立して、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2個の隣接していないCH基が、O、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示す、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項5】
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々が、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されている、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項6】
およびRが、それらが結合するN原子と共に、また1,3−ジヒドロイソインドリル、ピロリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリルまたはピリミジニルを示し、その各々が、非置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHCOOH、(CHCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CHNHおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
またここで、さらに、1個のN原子が酸化されていてもよい、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項7】
が、H、HalまたはAを示す、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項8】
、Rが、各々、互いに独立してH、Hal、OHまたはOAを示す、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項9】
が、H、HalまたはAを示し、
、Rが、各々、互いに独立してH、Hal、OHまたはOAを示し、
、Rが、各々、互いに独立してH、A、(CHHet、(CHArまたは(CHOC(=O)(CHNHを示し、
およびRが、それらが結合するN原子と共に、また1,3−ジヒドロイソインドリル、ピロリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピリジル、ピロリル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリルまたはピリミジニルを示し、その各々が、非置換であるか、またはHal、A、(CHOH、(CHOA、(CHNH、(CHCOOH、(CHCOOA、NHCOA、NA’COA、CONH、CONHA、CONAA’、OC(=O)(CHNHおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
またここで、さらに、1個のN原子が酸化されていてもよく、
Xが、COまたはSOを示し、
Arが、非置換であるか、またはA、Halおよび/またはOAによって単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニルを示し、
Hetが、ピリジル、ピリミジニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、モルホリニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルを示し、その各々が、非置換であるか、またはA、OA、OH、Hal、CNおよび/または=O(カルボニル酸素)によって単置換、二置換もしくは三置換されており、
A、Aが、各々、互いに独立して1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2個の隣接していないCH基が、O、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
nが、0、1、2、3または4を示し、
pが、1、2、3または4を示す、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項10】
以下の群
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

から選択される、請求項1に記載の化合物、あるいは、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体、あるいはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体の製造方法であって、
a)式II
【化2】

式中
、R、RおよびXは、請求項1において示した意味を有し、
およびLは、F、Cl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物を、式III
NHR III
式中
およびRは、請求項1において示した意味を有する、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
b)式IV
【化3】

式中、X、R、R、RおよびRは、請求項1において示した意味を有し、
およびHalは、臭素またはヨウ素を示す、
で表される化合物を、
式V
【化4】

式中、Rは、請求項1において示した意味を有し、
およびLは、ボロン酸またはボロン酸エステルラジカルを示す、
で表される化合物と反応させ、
あるいは、
c)式VI
【化5】

式中、X、R、R、RおよびRは、請求項1において示した意味を有し、およびLは、ボロン酸またはボロン酸エステルラジカルを示す、
で表される化合物を、
式VII
【化6】

式中、Rは、請求項1において示した意味を有し、
およびHalは、臭素またはヨウ素を示す、
で表される化合物と反応させ、
かつ/または式Iで表される塩基もしくは酸を、その塩の1種に変換する
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物、および/または、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比率でのこれらの混合物、ならびに、任意に賦形剤および/または補助剤を含む、医薬。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物あるいは、その薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の、HSP90の阻害、調節および/または変調が作用を奏する疾患の処置および/または予防のための医薬の製造のための使用。
【請求項14】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物あるいは、その薬学的に使用可能な塩、互変異性体または立体異性体(あるいはすべての比率でのその混合物)の、腫瘍疾患、ウイルス性疾患の処置または予防のための、移植片における免疫抑制、炎症によって誘発された疾患、嚢胞性線維症、血管新生と関連する疾患、感染症、自己免疫疾患、虚血、フィブロジェネティック疾患のための、
神経再生の促進のための、
癌、腫瘍細胞および腫瘍転移の成長を阻害するための、
化学療法に起因する毒性に対する正常な細胞の保護のための、
不正確なタンパク質折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患の処置のための
医薬の製造のための、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
腫瘍疾患が、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉種、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、レイオ肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌、気管支原性肺癌、腎細胞癌、肝細胞腫、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫瘍、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症および重鎖病である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
ウイルス性疾患のウイルス病原体が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エチノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV−I)およびヒト免疫不全ウイルスII型(HIV−II)からなる群から選択される、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
炎症によって誘発された疾患が、関節リウマチ、敗血症、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、エリテマトーデス、乾癬および炎症性腸疾患である、請求項14に記載の使用。
【請求項18】
血管新生と関連する疾患が、糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生である、請求項14に記載の使用。
【請求項19】
フィブロジェネティック疾患が、強皮症、多発性筋炎、全身性ループス、肝臓の硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症である、請求項14に記載の使用。
【請求項20】
不正確なタンパク質折りたたみまたは凝集が主要な原因因子である疾患が、スクレイピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病である、請求項14に記載の使用。
【請求項21】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物および/または、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体、すべての比率でのこれらの混合物、ならびに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む、医薬。
【請求項22】
(a)請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物および/または、それらの薬学的に使用可能な塩、互変異性体および立体異性体、すべての比率でのこれらの混合物の有効量、
ならびに
(b)さらなる医薬活性成分の有効量
の個別のパックからなる、セット(キット)。
【請求項23】
式II
【化7】

式中、
は、H、HalまたはAを示し、
、Rは、各々、互いに独立してH、Hal、OHまたはOAを示し、
Xは、COまたはSOを示し、
Aは、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、ここで1〜2個の隣接していないCH基は、O、NH、NMeまたはNEtによって置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置き換えられていてもよく、
あるいは3〜8個のC原子を有する環状アルキルを示し、
Lは、F、Cl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に修飾されたOH基を示す、
で表される化合物、あるいはその塩。

【公表番号】特表2012−511520(P2012−511520A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539912(P2011−539912)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008061
【国際公開番号】WO2010/066324
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】