説明

キノリン誘導体の合成方法

本発明は、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを包含する医薬上活性なキノリン化合物を調製するための新規中間体および方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを包含する医薬上活性なキノリン化合物を調製するための新規な製法および中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、式(I):
【化1】

(I)
[式中、
Arは、置換されていてもよいフェニル基、またはナフチルもしくはC5−7シクロアルカジエニル基、または芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環もしくは縮合環ヘテロサイクリック基であり;
Rは、直鎖または分枝鎖C1−8アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル基またはフェニルC1−6アルキル基、OおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい5員のヘテロ芳香環、ヒドロキシC1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノアルキル、C1−6アシルアミノアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルであるか;または、Ar上に環化する場合、−(CH−基であり、ここに、pは2または3であり;
およびRは、同一または異なっていてもよく、独立して、水素またはC1−6直鎖または分枝鎖アルキルであるか、または一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、nは、3、4または5であり;またはRはRと一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、qは2、3、4または5であり;
は、水素、C1−6直鎖または分枝鎖アルキル、C1−6アルケニル、アリール、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−およびジ−C1−6アルキルアミノ、−O(CH−NTであってもよく、ここに、rは2、3または4であり、TはC1−6アルキルであるか、またはヘテロサイクリック基
【化2】

(式中、VおよびVは水素であり、uは0、1または2である)
を形成し;
は、ヒドロキシルであり;
は、分枝鎖または直鎖C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリールであり、ここに、任意の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルのうちの1つであり、あるいは芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環または縮合環ヘテロサイクリック基である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩形態の調製方法を記載する。該化合物は、NK−3アンタゴニストであり、肺障害(喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気道過敏性、咳)、皮膚障害および掻痒(例えば、アトピー性皮膚炎および皮膚麻疹および紅潮)、神経性炎症、CNS障害(パーキンソン病、運動障害、不安)、痙攣性障害(例えば、癲癇)、腎障害、尿失禁、眼炎症、炎症性疼痛、摂食障害(食物摂取阻害)、アレルギー性鼻炎、神経変性障害(例えば、アルツハイマー病)、乾癬、ハンチントン病、および鬱病の治療に有用である。式(I)の範囲にある特に有用なNK−3受容体アンタゴニストは、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドである。かかる化合物はおよびその製法は、WO 95/32948、WO96/02509およびUS6335448に開示されており、その開示は、出典明示により本明細書一部とされる。
【0003】
(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドなどの式(I)の化合物のための以前に発表された合成経路には、ある種の難点があり、それが、特に大規模な処置が望まれる場合、かかる合成法の魅力を制限することがある。例えば、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの製造のための以前にWO 95/32948に開示された方法は、カルボン酸1とα−ベンジルアミン2とをDCCの存在下にカップリングして(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミド3を得ることを記載し、副生成物4が生じることも報告された(US6335448に報告される)。(スキーム1参照)
【0004】
スキーム1
【化3】

【0005】
式(I)の化合物(特に、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを例とする)の製造のために開示された別の手法は、US6335448に最近記載され、スキーム2に示し、本明細書中に記載される。US6335448に記載の手法において、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミド3の生成は、3−ヒドロキシ−4−キノリンカルボン酸1をトリエチルアミンと反応させ、次いで、SOClと反応させ、次いで、α−ベンジルアミン2で処理したときに起こり、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを溶液中の遊離塩基として80%収率で得、次いで、そのHCl塩形態に変換し、72%収率で単離されたことが報告された。該手法に伴う問題の1つは、非反応性環状三量体不純物5の副生が推定されることである。
【0006】
スキーム2
【化4】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
式(I)のキノリンNK−3受容体アンタゴニストの既知の合成法があっても、上記した非反応性環状三量体のような除去が困難な望ましくない副生成物を抑えて高収率で効率良く規模拡大することのできる合成法に対する満たされていない要望が今だにある。本発明は、望ましくない非反応性環状三量体を抑制し、かくして、高収率、高純度、かつ、短時間で容易な生成物精製をもたらす、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドおよび関連化合物の調製のための新規な合成法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の概要
本発明の目的は、式(I)の化合物の新規な調製方法、ならびに式(I)の化合物の調製において有用な新規中間体を提供することにある。したがって、一の態様において、本発明は、式(I)
【化5】

(I)
[式中、
Arは、置換されていてもよいフェニル基、またはナフチルもしくはC5−7シクロアルカジエニル基、または芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環もしくは縮合環ヘテロサイクリック基であり;
Rは、直鎖または分枝鎖C1−8アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル基またはフェニルC1−6アルキル基、OおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい5員のヘテロ芳香環、ヒドロキシC1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノアルキル、C1−6アシルアミノアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルであるか;または、Ar上に環化する場合、−(CH−基であり、ここに、pは2または3であり;
およびRは、同一または異なっていてもよく、独立して、水素またはC1−6直鎖または分枝鎖アルキルであるか、または一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、nは、3、4または5であり;またはRはRと一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、qは2、3、4または5であり;
は、水素、C1−6直鎖または分枝鎖アルキル、C1−6アルケニル、アリール、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−およびジ−C1−6アルキルアミノ、−O(CH−NTであってもよく、ここに、rは2、3または4であり、TはC1−6アルキルであるか、またはヘテロサイクリック基
【化6】

(式中、VおよびVは水素であり、uは0、1または2である)
を形成し;
は、ヒドロキシルであり;
は、分枝鎖または直鎖C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリールであり、ここに、任意の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルのうちの1つであり、あるいは芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環または縮合環ヘテロサイクリック基である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩形態の調製方法であって、
a)式(IV)
【化7】

(IV)
で示される化合物を任意の塩基および任意の溶媒の存在下、1,1’−カルボニルジイミダゾールと接触させ;次いで、
b)工程a)の生成物を式(III)
【化8】

(III)
で示される化合物と接触させることを特徴とする方法を記載する。
【0009】
いくつかの具体例において、式(I)の化合物は、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドまたはその塩もしくは溶媒和物であり、式(IV)の化合物は、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物であり、式(III)の化合物は、S−1−フェニルプロピルアミンまたはその塩もしくは溶媒和物である。
【0010】
いくつかの具体例において、溶媒が本発明の方法の工程a)で使用され、いくつかの具体例において、該溶媒は、エーテル、芳香族炭化水素、アルキルニトリルまたはエステルを含む。ある特定の具体例において、該溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、またはn−プロピルアセテートを含む。いくつかの具体例において、該溶媒はアセトニトリルである。
【0011】
本発明のある特定の態様において、工程a)は、塩基の存在下に行われる。いくつかの具体例において、塩基はアミンである。いくつかの具体例において、アミンは、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、2,3−ルチジン、ピラジン、ピリジン、N−メチルピロール、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)、DBU(ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、イミダゾール、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、2,6−ジメチルピペリジン、トリブチルアミン、およびジシクロヘキシルアミン、およびその組み合わせからなる群から選択される。いくつかの具体例において、アミンは、イミダゾール、N−メチルモルホリン、およびトリエチルアミン、およびその組み合わせからなる群から選択される。いくつかの具体例において、アミンは、トリエチルアミンである。いくつかの具体例において、トリエチルアミンは、1当量より多く存在する。
【0012】
いくつかの具体例において、酸を工程b)の反応混合物に加える。いくつかの具体例において、酸は氷酢酸である。
【0013】
いくつかの具体例において、本発明の方法は、工程a)で溶媒を用い、ここに、該溶媒は、アセトニトリルを含み、工程a)の反応混合物はさらに、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、1,1’−カルボニルジイミダゾールおよびトリエチルアミンを含み、約40〜50℃に加熱され、ここに、該トリエチルアミンは、1当量より多く存在する。本発明の方法の工程b)に関するいくつかの具体例において、S−1−フェニルプロピルアミンが工程a)由来の反応混合物に加えられ、約70〜75℃に加熱される。いくつかの具体例において、工程b)由来の反応混合物を氷酢酸で処理する。
【0014】
ある特定の具体例において、本発明は、式(II)
【化9】

(II)
[式中、R、R、およびRは請求項1の定義通りである]
で示される化合物を記載する。
【0015】
いくつかの具体例において、式(II)の化合物は、4−(1H−イミダゾール−1−イルカルボニル)−2−フェニル−3−キノリノールである。
いくつかの態様において、本発明は、4−(1H−イミダゾール−1−イルカルボニル)−2−フェニル−3−キノリノールおよび3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸を含有する混合物を記載し、ここに、4−(1H−イミダゾール−1−イルカルボニル)−2−フェニル−3−キノリノールと3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸のモル比は1/2より大きい。
【0016】
ある特定の具体例において、本発明は、式(I)の化合物の調製方法であって、式(IV)
【化10】

(IV)
で示される化合物を1,1’カルボニルジイミダゾールと接触させることを特徴とする方法を記載する。
【0017】
いくつかの具体例において、式(IV)の化合物は、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸である。
【0018】
いくつかの具体例において、本発明は、式(I)
【化11】

(I)
[式中、
Arは、置換されていてもよいフェニル基、またはナフチルもしくはC5−7シクロアルカジエニル基、または芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環もしくは縮合環ヘテロサイクリック基であり;
Rは、直鎖または分枝鎖C1−8アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル基またはフェニルC1−6アルキル基、OおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい5員のヘテロ芳香環、ヒドロキシC1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノアルキル、C1−6アシルアミノアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルであるか;または、Ar上に環化する場合、−(CH−基であり、ここに、pは2または3であり;
およびRは、同一または異なっていてもよく、独立して、水素またはC1−6直鎖または分枝鎖アルキルであるか、または一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、nは、3、4または5であり;またはRはRと一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、qは2、3、4または5であり;
は、水素、C1−6直鎖または分枝鎖アルキル、C1−6アルケニル、アリール、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−およびジ−C1−6アルキルアミノ、−O(CH−NTであってもよく、ここに、rは2、3または4であり、TはC1−6アルキルであるか、またはヘテロサイクリック基
【化12】

(式中、VおよびVは水素であり、uは0、1または2である)
を形成し;
は、ヒドロキシルであり;
は、分枝鎖または直鎖C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリールであり、ここに、任意の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルのうちの1つであり、あるいは芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環または縮合環ヘテロサイクリック基である]
で示される化合物の調製方法であって、式(II)
【化13】

(II)
[式中、R、R、およびRは上記の通りである]
で示される化合物を請求項1の式(III)
【化14】

(III)
[式中、Ar、R、R、およびRは、上記の通りである]
で示される化合物と接触させることを特徴とする方法を記載する。
【0019】
ある特定の態様において、本発明は、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの精製方法であって、エステルを含む溶媒系中において(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの混合物を加熱し、次いで、冷却し、生成物を単離することを特徴とする方法を記載する。
【0020】
いくつかの具体例において、該エステルは酢酸n−プロピルである。
いくつかの具体例において、精製混合物は、さらに、活性炭を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の詳細な記載
特に、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドである式(I)の化合物に関して記載されているように、式(I)の化合物の製法は既知であるが、特に、以前の手法では低収率をもたらし、および/または副生成物の分離が困難であったところ、別の手法の発見が大いに望まれている。特に、以前に報告された式(I)の化合物、特に、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの製法の少なくとも1つでは、該生成物が少なくとも一部、環状オリゴマー化された中間体を介して得られ、該中間体が次いで完成した生成物まで進行することができたようである(US6335448参照)。しかしながら、少なくとも1つの環状オリゴマー生成物である式(I)の化合物の環状三量体は、さらなる反応に対して耐性があるようであり、かくして、該反応法において低収率をもたらす可能性がある。US6335448において、α−ヒドロキシ酸をカップリングする困難性が注目され、該文献は、その系の困難な反応性を回避する手段として、反応性環状オリゴマー化中間体の形成を教示した。本発明は、式(I)の所望の化合物をカップリング工程を介して調製するための方法を記載するが、従来法(例えば、DCCカップリング)の報告された低収率および副生成物除去の困難性の両方を回避すると同時に、明らかに少なくとも1つの比較的非反応性の種を生成することができる環状オリゴマー化反応を抑制する。最終生成物への経路において生成される反応性中間体としての環状オリゴマー化に依存する以前に開示された方法(US6335448に記載のように)とは対照的に、明らかに、本発明に開示される方法は、かかる生成を大いに、または完全に抑制し、かくして、非反応性環状三量体中間体の生成を最小限にするか、または回避するが、今だ非常に高収率の生成物を改善された分離容易性という追加の利点と共にもたらす。したがって、本発明は、式(I)
【化15】

(I)
[式中、
Arは、置換されていてもよいフェニル基、またはナフチルもしくはC5−7シクロアルカジエニル基、または芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環もしくは縮合環ヘテロサイクリック基であり;
Rは、直鎖または分枝鎖C1−8アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル基またはフェニルC1−6アルキル基、OおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい5員のヘテロ芳香環、ヒドロキシC1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノアルキル、C1−6アシルアミノアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルであるか;または、Ar上に環化する場合、−(CH−基であり、ここに、pは2または3であり;
およびRは、同一または異なっていてもよく、独立して、水素またはC1−6直鎖または分枝鎖アルキルであるか、または一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、nは、3、4または5であり;またはRはRと一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、qは2、3、4または5であり;
は、水素、C1−6直鎖または分枝鎖アルキル、C1−6アルケニル、アリール、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−およびジ−C1−6アルキルアミノ、−O(CH−NTであってもよく、ここに、rは2、3または4であり、TはC1−6アルキルであるか、またはヘテロサイクリック基
【化16】

(式中、VおよびVは水素であり、uは0、1または2である)
を形成し;
は、ヒドロキシルであり;
は、分枝鎖または直鎖C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリールであり、ここに、任意の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルのうちの1つであり、あるいは芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環または縮合環ヘテロサイクリック基である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩形態の調製方法であって、
a)式(II)
【化17】

(II)
で示される化合物を
b)式(III)
【化18】

(III)
で示される化合物と接触させることを特徴とする方法を提供する。
【0022】
本発明のさらなる具体例において、式(II)の化合物は、式(IV)
【化19】

(IV)
の化合物を任意の塩基および任意の溶媒の存在下、1,1’−カルボニルジイミダゾールと接触させることによって調製される。
【0023】
いくつかの具体例において、本発明は、式(I)の化合物の調製方法であって、
a)式(IV)
【化20】

(IV)
の化合物を任意の塩基および任意の溶媒の存在下、1,1’−カルボニルジイミダゾールと接触させ、次いで
b)工程a)の生成物を式(III)
【化21】

(III)
の化合物と接触させることを特徴とする方法を記載する。
【0024】
いくつかの具体例において、本発明の調製方法は、ArがC1−6アルキルまたはハロゲンで置換されていてもよいフェニル;チエニルまたはC5−7シクロアルカジエニル基であり;
RがC1−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニル、ヒドロキシC1−6アルキルであり;
およびRが各々、水素またはC1−6アルキルであり;Rが水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルであり;Rが水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、アミノアルコキシ、モノ−またはジ−アルキルアミノアルコキシ、モノ−またはジ−アルキルアミノアルキル、フタロイルアルコキシ、モノ−またはジ−アルキルアミノアシルアミノまたはアシルアミノであり;Rがフェニル、チエニル、フリル、ピロイルまたはチアゾリルである式(I)の化合物の製造に適用される。
【0025】
いくつかの具体例において、本発明の調製方法は、Arがフェニルであり;Rがエチルであり;RおよびRが各々、水素であり;Rが水素であり;Rがフェニルである式(I)の化合物の製造に適用される。
【0026】
ある特定の具体例において、本発明は、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの調製方法を記載する。
【0027】
いくつかの具体例において、本発明は、式(II)の化合物を記載する。いくつかの具体例において、式(II)の化合物は、4−(1H−イミダゾール−1−イルカルボニル)−2−フェニル−3−キノリノールである。
【0028】
いくつかの具体例において、式(II)の化合物は単離されない。
【0029】
いくつかの態様において、本発明は、式(I)の化合物、または本明細書中に記載されるその構造具体例の調製方法であって、工程a)において塩基が用いられる調製方法を記載する。いくつかの具体例において、塩基は、有機塩基である。いくつかの具体例において、有機塩基は窒素を含む。ある特定の態様において、窒素を含む塩基は、少なくとも1つの第2級または3級アミンを含有する。アミンが第2級アミンである特定の具体例において、アミンはジアルキルアミンであってもよく、ここに、該アルキル基は各々、独立して、C1−6アルキルであり、ここに、該C1−6アルキル基は、分枝鎖または直鎖であってもよく、または一緒になって全部で3〜7個の原子を含有する環(ここに、該環は、1〜3個のC1−3アルキル基でさらに置換されていてもよい)を形成していてもよい。いくつかの具体例において、第2級アミンは、5員ヘテロ芳香環(ここに、該環は、C1−3アルキルまたはハロゲンから選択される2個までの置換基で置換されていてもよい)の一部であってもよい。使用されるアミンが第3級アミンである具体例において、該アミンは、トリアルキルアミンであってもよく、ここに、各アルキル基は、独立して、C1−6アルキルから選択され、ここに、該C1−6アルキル基は、分枝鎖または直鎖であってもよく、または2つが一緒になって全部で3〜7個の原子を含有する環を形成してもよい(ここに、該環は、さらに、1〜3個のC1−3アルキル基で置換されていてもよい)。他の具体例において、第3級アミンは、5または6員ヘテロ芳香環における骨格原子であってもよく、ここに該ヘテロ芳香族は、C1−3アルキル、ジメチルアミノ、またはハロゲンから選択される3個までの基で置換されていてもよい。本発明に有用ないくつかのアミンのいくつかの非限定的な例は、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、2,3−ルチジン、ピラジン、ピリジン、N−メチルピロール、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)、DBU(ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、イミダゾール、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、2,6−ジメチルピペリジン、トリブチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなど、またはその組み合わせである。いくつかの具体例において、該アミンは、イミダゾール、N−メチルモルホリン、またはトリエチルアミンである。いくつかの具体例において、トリエチルアミンが使用され、1当量より多く存在する。いくつかの具体例において、トリエチルアミンは、1.2〜1.4当量で存在する。いくつかの具体例において、トリエチルアミンが使用され、約1.3当量で存在する。
【0030】
ある特定の具体例において、式(IV)の化合物または本明細書中に記載されるその構造具体例のいずれかと1,1’−カルボニルジイミダゾールおよび窒素を含む塩基との接触は、溶媒中で行われる。いくつかの具体例において、使用される溶媒は、有機溶媒である。いくつかの具体例において、使用される溶媒は、エーテル、芳香族炭化水素、アルキルニトリルまたはエステルである。ある特定の具体例において、溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、またはn−プロピルアセテートを含む。
【0031】
いくつかの具体例において、使用される溶媒はアセトニトリルである。
いくつかの具体例において、溶媒の反応体に対する比率は、溶媒 対 反応体比が最小に維持されるように留意された一般的な選好で最適化される。例えば、使用される溶媒比率が高ければ高いほど、生じる廃液が多くなり、さらに、時々、有効な生成物の収率が低く、または低収量が観察される。したがって、ある特定の具体例において、式(IV)の反応体に対する溶媒の量は、重量/重量基準で、10:1未満に維持される。ある特定の具体例において、該比率は、7:1、または6:1、または5:1、または4:1、または4:1未満に維持される。
【0032】
本発明のある特定の製法の1の態様において、式(IV)の化合物または本明細書中に記載されるその構造具体例のいくつかは、溶媒中に置かれ、次いで、窒素を含む塩基および1,1’−カルボニルジイミダゾールで処理される。いくつかの具体例において、式(IV)の化合物、窒素を含む塩基および1,1’−カルボニルジイミダゾールを含有する混合物を25℃より高温に加熱する。いくつかの具体例において、該混合物を30℃より高温に、または40℃より高温に、または約40℃〜50℃に加熱する。いくつかの具体例において、式(IV)の化合物、窒素を含む塩基および1,1’−カルボニルジイミダゾールを含有する化合物は、不活性雰囲気下で維持される。いくつかの具体例において、不活性雰囲気は窒素である。
【0033】
いくつかの具体例において、式(II)のアシルイミダゾール中間体を形成するための反応を、所望のレベルの完了についてモニターされる。いくつかの具体例において、所望のレベルの完了は、少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%である。いくつかの具体例において、該反応は、反応混合物の試料を取り出し、有機アルコールまたはアミンでクエンチし、クエンチした試料を分析法に付し、それにより、出発材料の対応するエステルまたはアミドに対する比率を決定することによって、完了についてモニターされる。
【0034】
ある特定の具体例において、式(II)の化合物をアミン(III)に添加する。いくつかの具体例において、アミン(III)を式(II)の化合物に添加する。いくつかの具体例において、アミン(III)をそのまま、または本質的にそのまま、式(II)の化合物を含有する混合物に添加する。いくつかの具体例において、式(II)の化合物を混合物または溶液として添加する。いくつかの具体例において、式(III)のアミンを(II)を含有する反応混合物に添加し、該反応混合物は、20℃より高温、または30℃より高温、または40℃より高温、または約40〜50℃である。
【0035】
いくつかの具体例において、(II)および(III)を含有する混合物または溶液を30℃より高温、または40℃より高温、または50℃より高温、または60℃より高温、または70℃より高温、または75℃より高温に、または70〜75℃に加熱する。いくつかの具体例において、該反応を実質的な完了についてモニターし、酸で希釈する。いくつかの具体例において、酸は無機酸である。いくつかの具体例において、酸は、水性硫酸または塩酸である。いくつかの具体例において、酸は有機酸である。ある特定の具体例において、有機酸は、カルボン酸官能基を含有する。いくつかの具体例において、有機酸は、プロピオン酸または酢酸である。いくつかの具体例において、酢酸は、水性酢酸である。いくつかの具体例において、酢酸は氷酢酸である。いくつかの具体例において、反応完了が50%、または60%、または70%、または80%、または90%、または95%、または98%、または99%を越えていると思われた時に、酸を反応混合物に添加する。
【0036】
いくつかの具体例において、反応混合物を冷却後、酸を添加し、ここに、冷却とは、式(II)の化合物および式(III)の化合物の反応の間に達した最高温度から温度が低下することをいう。いくつかの具体例において、反応混合物を60℃未満、または50℃未満、または40℃未満、または30℃未満、または20℃未満、または10℃未満、または0℃未満に冷却する。いくつかの具体例において、生成物は、反応混合物のデカンテーションによって単離される。いくつかの具体例において、生成物は、反応混合物の濾過によって単離される。いくつかの具体例において、単離された生成物は、溶媒で洗浄される。いくつかの具体例において、生成物は、アセトニトリルで洗浄される。
【0037】
いくつかの具体例において、式(I)の生成物は、さらに、再結晶化によって精製される。いくつかの具体例において、再結晶化は、溶媒中における式(I)の化合物を活性炭と共に加熱し、次いで、媒体を用いて濾過して活性炭を除去することによって行われる。いくつかの具体例において、再結晶化媒体は、さらにセライトを含む。いくつかの具体例において、セライトは、セライト521である。いくつかの具体例において、再結晶化のための溶媒は、沸点が70℃、または80℃、または90℃を越える有機溶媒を含む。いくつかの具体例において、再結晶化のための溶媒は、極性の非プロトン性溶媒を含む。いくつかの具体例において、該溶媒は、エステル、ケトン、芳香族炭化水素またはエーテルを含む。いくつかの具体例において、芳香族炭化水素はトルエンである。いくつかの具体例において、該溶媒は、酢酸エチル、酢酸プロピル、またはプロピオン酸エチルである。いくつかの具体例において、該溶媒は、酢酸プロピルである。いくつかの具体例において、再結晶化混合物は、セライトによって濾過される。いくつかの具体例において、濾液を冷却し、所望の式(I)の化合物を単離する。いくつかの具体例において、式(I)の化合物の種結晶を再結晶化混合物に加えて、結晶化を誘導または促進する。いくつかの具体例において、必要と思われるならば、再結晶化は、活性炭またはセライトの不在下で行う。かかる場合、典型的に、熱い濾液を濾過する必要はなく、むしろ、直接冷却することができ、次いで、生成物を濾過、デカンテーション、または状況に適当と思われる他の手段によって収集する。
【0038】
本明細書中で使用される場合、「アルキル」なる語は、全ての事象において、鎖長が限定されない限り、1〜10個の炭素原子からなる直鎖および分枝鎖の両方の基を意味し、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどを包含する。
【0039】
本明細書中で使用される場合、「アルコキシ」なる語は、全ての事象において、鎖長が限定されない限り、酸素原子に結合した1〜8個の炭素原子からなる直鎖および分枝鎖の両方の基を意味し、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどを包含する。
【0040】
本明細書中で使用される場合、「ハロゲン」なる語は、全ての事象において、クロロ、フルオロ、ヨードおよびブロモを意味する。
【0041】
本明細書中で使用される場合、「シクロアルキル」なる語は、全ての事象において、好ましくは、3〜7個の炭素からなる、環状基を意味し、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを包含する。
【0042】
本明細書中で使用される場合、「アリール」または「ヘテロアリール」なる語は、全ての事象において、置換および非置換の芳香環または環系を意味し、限定するものではないが、O、NまたはSから選択されるヘテロ原子を含み得る二環系または三環系およびヘテロアリール部分を包含しうる。代表的な例は、限定するものではないが、フェニル、ベンジル、ナフチル、ピリジル、キノリニル、チアジニルおよびフラニルを包含する。
【0043】
本明細書中で使用される場合、「置換されていてもよい」なる語は、全ての事象において、その部分が置換されていても、されていなくてもよいことを意味し、置換されているならば、各部分上の1以上の水素が1以上の置換基で置き換わっており、各置換基は独立して、上記で定義されるヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルから選択される。
【0044】
式(I)の特に好ましい化合物は、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドである。本発明のいくつかの具体例において、式(I)の生成物は、その遊離塩基として調製および単離される。
【0045】
本明細書中に記載される化合物は、不斉中心を有していてもよい。別記しない限り、全てのキラル、ジアステレオ異性体およびラセミ形態が本発明に包含される。大抵の場合、最適な治療活性は、2つのキラル中心のうちの1つの配置によってのみ提供される。したがって、キラル中心の1つの絶対配置のみが非常に富む形態で該物質を製造することが望ましい。光学活性化合物を調製する方法は当該分野で周知であり、例えば、ラセミ混合物の分割、または光学活性な出発材料からの合成などがある。特定のエナンチオマー、例えば、S−1−フェニルプロピルアミンが記載される場合、これは、S−異性体を少なくとも優勢に含有する化合物を示すものと理解される。いくつかの具体例において、該混合物は、少なくとも60%がS−異性体であり、いくつかの具体例において、少なくとも70%、いくつかの具体例において、少なくとも80%、いくつかの具体例において、少なくとも90%、いくつかの具体例において、少なくとも95%、いくつかの具体例において、少なくとも98%がS−異性体である。
【0046】
命名は、一般に、ISIS(登録商標)デスクトップ描画ソフトウェアにプラグインされたACD(登録商標)ネーミングを用いて行われるか、または一般に許容される化合物の一般名称で命名する。以下の実施例は、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【実施例】
【0047】
本発明の調製方法の例
(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの調製
【0048】
実施例1
空気駆動式機械的スターラー、温度計、還流冷却器、添加漏斗および窒素取入口/吹出口を備え付けた1000mLの3口丸底フラスコに、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸(60.0g,0.226mol,1.00当量)、MeCN(240mL,4容量)およびトリエチルアミン(41.0mL,0.294mol,1.30当量)を攪拌しながら室温で加えた。該混合物を室温で、溶液が観察されるまで攪拌した。次いで、1,1’−カルボニルジイミダゾール(40.3g,0.249mol,1.10当量)を一度に加えた。該混合物を25℃に加熱し、同温で5時間維持した。次いで、S−1−フェニルプロピルアミン(33.6g,0.249mol,1.10当量)を25℃で一度に加えた。該混合物を75℃に加熱し、75℃で5時間維持し、室温に冷却し、室温で一晩攪拌した。室温で、氷酢酸(180mL,3.0容量)を一度に加え、溶液温度を〜38℃に上昇させた。該混合物を38℃から0℃に約4.5時間かけてゆっくりと冷却し、懸濁液を真空下、濾紙で濾過した。ケークを冷アセトニトリルで2回(2x120mL,2x2容量)、脱イオン水で1回(120mL,2容量)洗浄し、真空下、70℃で一晩乾燥させて、73.4gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを薄黄色〜オフホワイト色固体として得た(収率84.8%)。
【0049】
実施例2
空気駆動式機械的スターラー、温度計、還流冷却器、添加漏斗および窒素取入口/吹出口を備え付けた1000mLの3口丸底フラスコに、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸(60.0g,0.226mol,1.00当量)、ACN(240mL,4容量)およびトリエチルアミン(41.0mL,0.294mol,1.30当量)を攪拌しながら室温で加えた。該混合物を室温で、溶液が観察されるまで攪拌した。次いで、1,1’−カルボニルジイミダゾール(40.3g,0.249mol,1.10当量)を一度に加えた。該混合物を50℃に加熱し、同温で5時間維持した。次いで、S−1−フェニルプロピルアミン(33.6g,0.249mol,1.10当量)を50℃で一度に加えた。該混合物を50℃で5時間維持し、室温に冷却し、室温で一晩攪拌した。室温で、氷酢酸(180mL,3.0容量)を一度に加えて、溶液温度を〜39℃に上昇させた。該混合物を39℃から0℃へ約2時間かけてゆっくり冷却し、該懸濁液を真空下、濾紙で濾過した。ケークを冷アセトニトリルで2回(2x120mL,2x2容量)、脱イオン水で1回(120mL,2容量)洗浄し、真空下70℃で一晩乾燥させて、71.2gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを薄黄色〜オフホワイト色固体として得た(収率82.3%)。
【0050】
実施例3
空気駆動式機械的スターラー、温度計、還流冷却器、添加漏斗および窒素取入口/吹出口を備え付けた1000mLの3口丸底フラスコに、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸(60.0g,0.226mol,1.00当量)、ACN(240mL,4容量)およびトリエチルアミン(41.0mL,0.294mol,1.30当量)を攪拌しながら室温で加えた。該混合物を室温で、溶液が観察されるまで攪拌した。次いで、1,1’−カルボニルジイミダゾール(40.3g,0.249mol,1.10当量)を一度に加えた。該混合物を37℃に加熱し、同温で5時間維持した。次いで、S−1−フェニルプロピルアミン(33.6g,0.249mol,1.10当量)を37℃で一度に加えた。該混合物を63℃に加熱し、63℃で5時間維持し、室温に冷却し、室温で一晩攪拌した。室温で、氷酢酸(180mL,3.0容量)を一度に加えて、溶液温度を〜39℃に上昇させた。該混合物を39℃から0℃へ約5時間かけてゆっくり冷却し、該懸濁液を真空下、濾紙で濾過した。ケークを冷アセトニトリルで2回(2x120mL,2x2容量)、脱イオン水で1回(120mL,2容量)洗浄し、真空下70℃で一晩乾燥させて、70.3gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを薄黄色〜オフホワイト色固体として得た(収率81.2%)。
【0051】
実施例4
空気駆動式機械的スターラー、温度計、還流冷却器、添加漏斗および窒素取入口/吹出口を備え付けた1000mLの3口丸底フラスコに、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸(60.0g,0.226mol,1.00当量)、ACN(240mL,4容量)およびトリエチルアミン(41.0mL,0.294mol,1.30当量)を攪拌しながら室温で加えた。該混合物を室温で、溶液が観察されるまで攪拌した。次いで、1,1’−カルボニルジイミダゾール(40.3g,0.249mol,1.10当量)を一度に加えた。該混合物を25℃に加熱し、同温で5時間維持した。次いで、S−1−フェニルプロピルアミン(33.6g,0.249mol,1.10当量)を25℃で一度に加えた。該混合物を50℃に加熱し、50℃で5時間維持し、室温に冷却し、室温で一晩攪拌した。室温で、氷酢酸(180mL,3.0容量)を一度に加えて、溶液温度を〜39℃に上昇させた。該混合物を39℃から0℃へ約5.5時間かけてゆっくり冷却し、該懸濁液を真空下、濾紙で濾過した。ケークを冷アセトニトリルで2回(2x120mL,2x2容量)、脱イオン水で1回(120mL,2容量)洗浄し、真空下70℃で一晩乾燥させて、76.4gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを薄黄色〜オフホワイト色固体として得た(収率88.3%)。
【0052】
実施例5
空気駆動式機械的スターラー、温度計、還流冷却器、添加漏斗および窒素取入口/吹出口を備え付けた1000mLの3口丸底フラスコに、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸(60.0g,0.226mol,1.00当量)、ACN(240mL,4容量)およびトリエチルアミン(41.0mL,0.294mol,1.30当量)を攪拌しながら室温で加えた。該混合物を室温で、溶液が観察されるまで攪拌した。次いで、1,1’−カルボニルジイミダゾール(40.3g,0.249mol,1.10当量)を一度に加えた。該混合物を50℃に加熱し、同温で5時間維持した。次いで、S−1−フェニルプロピルアミン(33.6g,0.249mol,1.10当量)を50℃で一度に加えた。該混合物を75℃に加熱し、75℃で5時間維持し、室温に冷却し、室温で一晩攪拌した。室温で、氷酢酸(180mL,3.0容量)を一度に加えて、溶液温度を〜38℃に上昇させた。該混合物を38℃から0℃へ約5時間かけてゆっくり冷却し、該懸濁液を真空下、濾紙で濾過した。ケークを冷アセトニトリルで2回(2x120mL,2x2容量)、脱イオン水で1回(120mL,2容量)洗浄し、真空下70℃で一晩乾燥させて、69.1gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを薄黄色〜オフホワイト色固体として得た(収率79.9%)。
【0053】
実施例6
窒素雰囲気下における反応容器に、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸(60.0kg,1当量)およびアセトニトリル(2400L,4容量)を入れた。トリエチルアミン(29.8kg,1.3当量)を周囲温度で加えた。反応混合物を20〜35℃で〜20分間、濁った茶色溶液が得られるまで攪拌した。1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)(40.3kg,1.1当量)を一度に加えた。反応混合物を40〜50℃に加熱し、40〜50℃で2〜4時間維持した。反応を工程間モニタリング(In-Process-Monitoring)(IPM)試料のHPLC分析によってモニターした。IPM試料は、HPLC等級のメタノールで直ちにクエンチした。IPM結果が3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸メチルと3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸の比率98:1以上を示す場合、最初の反応は完了した。S−1−フェニルプロピルアミン(33.6kg,1.1当量)を40〜50℃で一度に加えた。反応物を窒素下で70〜75℃に加熱し、70〜75℃で2〜3時間維持した。IPM結果が(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸メチルに対する比率が99.5:1を越えるとき、反応は完了したと考えられた。反応混合物を20〜25℃に冷却し、インラインフィルターで濾過した。氷酢酸(1800L,3容量)を上記反応混合物に加え、同時に、工程温度を40〜55℃に維持した。反応混合物を35〜45℃で〜1時間攪拌し、次いで、約0℃に1分あたり〜1℃の速度でゆっくりと冷却した。得られたスラリーを約0℃で2時間攪拌した。粗生成物を遠心における濾過によって単離した。湿ったケークを冷アセトニトリル(約0℃,120L,2容量)で2回洗浄し、脱イオン水(120L,2容量)で洗浄した。粗生成物を真空オーブン中、60〜70℃で乾燥させた。収量:69.2kg,80.1%;および73.9kg,85.5%。
【0054】
実施例7
空気駆動式機械的スターラー、温度計、還流冷却器、添加漏斗および窒素取入口/吹出口を備え付けた1000mLの3口丸底フラスコに、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸(32.0g,0.121mol,1.00当量)、ACN(128mL,4容量)およびトリエチルアミン(21.8mL,0.156mol,1.30当量)を攪拌しながら室温で加えた。該混合物を室温で、溶液が観察されるまで攪拌した。次いで、1,1’−カルボニルジイミダゾール(21.5g,0.133mol,1.10当量)を一度に加えた。該混合物を50℃に加熱し、同温で2時間維持した。次いで、S−1−フェニルプロピルアミン(17.9g,0.133mol,1.10当量)を50℃で一度に加えた。該混合物を75℃に加熱し、75℃で4時間維持し、室温に冷却し、室温で一晩攪拌した。反応混合物をブフナー漏斗中における1ミクロン紙で濾過した。濾液を30℃に加熱した。氷酢酸(1ミクロン紙で濾過前、96mL,3.0容量)を一度に加えて、溶液温度を〜47℃に上昇させた。該混合物を47℃から0℃へ約3時間かけてゆっくり冷却し、該懸濁液を真空下、濾紙で濾過した。ケークを冷アセトニトリルで2回(2x64mL,2x2容量)、脱イオン水で1回(64mL,2容量)洗浄し、真空下60℃で一晩乾燥させて、37gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを薄黄色〜オフホワイト色固体として得た(収率82.3%)。m.p.122〜125℃。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):9.81(s,1H),9.15(d,1H),7.96−8.02(m,3H),7.44−7.63(m,8H),7.36−7.42(m,2H),7.26−7.32(m,1H),5.01−5.08(q,1H),1.72−1.84(m,3H),0.93−0.98(t,3H)
【0055】
実施例8
(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの再結晶化
反応容器に、粗(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミド(120kg,1当量)、活性炭(6kg,5%w/w,60−100メッシュ)および酢酸n−プロピル(960L,8容量)を入れた。内容物を穏やかに熱還流し(95〜100℃)、約30分間維持した。次いで、該懸濁液を約70〜80℃に冷却し、セライトパッドおよびインラインフィルターで濾過した。反応器、フィルターおよびラインを熱酢酸n−プロピル(120L,1容量,70−80℃)で洗浄した。濾液を大気圧蒸留(102〜107℃)によって約4容量まで濃縮した。該溶液を74〜78℃に冷却し(1.0〜1.5℃/分)、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの種結晶(840g,0.7%w/w)を加え、75℃で60分間維持した。内容物を75〜150分かけて−2〜2℃に冷却し(0.5〜1.0℃/分)、少なくとも30分間維持した。得られたスラリーを約0.5〜1.0バールG圧下、フィルタードライヤー中で濾過した。反応器によってケークをヘプタン(240L,2容量)で2回洗浄した。固体生成物をフィルタードライヤー中、0.5〜1.0バールG圧下、周囲温度で乾燥させた。白色結晶性固体の収量105.8kg、88.0%。
【0056】
実施例9
空気駆動式機械的スターラーおよび温度計を備え付けた250mLの3口フラスコに、30gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを加えた。酢酸n−プロピル(1ミクロン紙で濾過前、120mL,4容量)を加え、得られたスラリーを100℃に加熱した。透明溶液を得た後、該溶液を100℃から0℃に2〜3時間かけて冷却した。結晶を真空下で濾過し、ヘプタン(60mL,2容量)で洗浄し、次いで、真空下、60℃で一晩乾燥させて、25gの(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドを得た(収率83%)。
【0057】
限定するものではないが、本明細書中に引用される特許および特許出願を包含する全ての出版物は、出典明示により、あたかも個々の出版物が詳細かつ個別に完全に示されるかの如く本明細書の一部とされることが示されているかのように、出典明示により本目諫書の一部とされる。
上記の記載は、好ましい具体例を包含する本発明を十分に開示する。本明細書中に特に開示された具体例の修飾および改良は、添付の特許請求の範囲の範囲内である。さらに工夫することなく、当業者は、上記の記載があれば、本発明をその完全な範囲まで利用することができると確信する。したがって、いずれの実施例も単なる例示として解釈されるべきであり、如何なる方法においても本発明の範囲を制限するものではない。排他的所有権または特権が請求される本発明の具体例は、添付の請求の範囲に定義されるとおりである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(I)
[式中、
Arは、置換されていてもよいフェニル基、またはナフチルもしくはC5−7シクロアルカジエニル基、または芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環もしくは縮合環ヘテロサイクリック基であり;
Rは、直鎖または分枝鎖C1−8アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいフェニル基またはフェニルC1−6アルキル基、OおよびNから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい5員のヘテロ芳香環、ヒドロキシC1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノアルキル、C1−6アシルアミノアルキル、C1−6アルコキシアルキル、C1−6アルキルカルボニル、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルコキシカルボニルC1−6アルキル、アミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルであるか;または、Ar上に環化する場合、−(CH−基であり、ここに、pは2または3であり;
およびRは、同一または異なっていてもよく、独立して、水素またはC1−6直鎖または分枝鎖アルキルであるか、または一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、nは、3、4または5であり;またはRはRと一緒になって、−(CH−基を形成し、ここに、qは2、3、4または5であり;
は、水素、C1−6直鎖または分枝鎖アルキル、C1−6アルケニル、アリール、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、トリフルオロメチル、アミノ、モノ−およびジ−C1−6アルキルアミノ、−O(CH−NTであってもよく、ここに、rは2、3または4であり、TはC1−6アルキルであるか、またはヘテロサイクリック基
【化2】

(式中、VおよびVは水素であり、uは0、1または2である)
を形成し;
は、ヒドロキシルであり;
は、分枝鎖または直鎖C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C4−7シクロアルキルアルキル、置換されていてもよいアリールであり、ここに、任意の置換基は、ヒドロキシ、ハロゲン、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルのうちの1つであり、あるいは芳香族性を有し、5〜12個の環原子を含有し、かつ、S、O、Nから選択される4個までのヘテロ原子を含む置換されていてもよい単環または縮合環ヘテロサイクリック基である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩形態の調製方法であって、
a)式(IV)
【化3】

(IV)
で示される化合物を任意の塩基および任意の溶媒の存在下、1,1’−カルボニルジイミダゾールと接触させ;次いで、
b)工程a)の生成物を式(III)
【化4】

(III)
で示される化合物と接触させることを特徴とする方法。
【請求項2】
式(I)の化合物が(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドまたはその塩もしくは溶媒和物であり、式(IV)の化合物が3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸またはその塩もしくは溶媒和物であり、式(III)の化合物がS−1−フェニルプロピルアミンまたはその塩もしくは溶媒和物である請求項1記載の方法。
【請求項3】
溶媒が使用され、該溶媒がエーテル、芳香族炭化水素、アルキルニトリルまたはエステルを含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
溶媒がテトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエンまたはn−プロピルアセテートを含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
溶媒がアセトニトリルを含む請求項4記載の方法。
【請求項6】
工程a)が塩基の存在下に行われる請求項3記載の方法。
【請求項7】
塩基がアミンである請求項6記載の方法。
【請求項8】
アミンが2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、2,3−ルチジン、ピラジン、ピリジン、N−メチルピロール、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン)、DBU(ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、イミダゾール、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、2,6−ジメチルピペリジン、トリブチルアミン、およびジシクロヘキシルアミン、およびその組み合わせからなる群から選択される請求項7記載の方法。
【請求項9】
アミンがイミダゾール、N−メチルモルホリン、およびトリエチルアミン、およびその組み合わせからなる群から選択される請求項8記載の方法。
【請求項10】
アミンがトリエチルアミンである請求項9記載の方法。
【請求項11】
トリエチルアミンが1当量より多く使用される請求項10記載の方法。
【請求項12】
酸を反応混合物に加える請求項9記載の方法。
【請求項13】
酸が氷酢酸である請求項12記載の方法。
【請求項14】
工程a)において、3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸、1,1’−カルボニルジイミダゾール、トリエチルアミン、およびアセトニトリルを含む反応混合物を40〜50℃に加熱し、ここに、該トリエチルアミンが1当量より多く存在する、請求項5記載の方法。
【請求項15】
工程b)において、S−1−フェニルプロピルアミンを工程a)由来の反応混合物に加え、約70〜75℃に加熱する請求項14記載の方法。
【請求項16】
反応混合物を氷酢酸で処理する請求項15記載の方法。
【請求項17】
式(II)
【化5】

(II)
[式中、R、RおよびRは請求項1の定義通りである]
で示される化合物。
【請求項18】
式(II)の化合物が4−(1H−イミダゾール−1−イルカルボニル)−2−フェニル−3−キノリノールである請求項17記載の化合物。
【請求項19】
請求項18記載の化合物および3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸を含有する混合物であって、請求項18記載の化合物と3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸のモル比が1/2より大きい混合物。
【請求項20】
式(IV)
【化6】

(IV)
で示される化合物を1,1’カルボニルジイミダゾールと接触させることを特徴とする請求項17記載の化合物の調製方法。
【請求項21】
式(IV)の化合物が3−ヒドロキシ−2−フェニル−4−キノリンカルボン酸である請求項20記載の方法。
【請求項22】
請求項1記載の式(I)
【化7】

(I)
[式中、Ar、R、R、R、R、R、およびRは、請求項1の定義通りである]
の化合物の調製方法であって、請求項17記載の式(II)
【化8】

(II)
[式中、R、R、およびRは、請求項1の定義通りである]
の化合物を請求項1記載の式(III)
【化9】

(III)
[式中、Ar、R、R、およびRは、請求項1の定義通りである]
の化合物と接触させることを特徴とする方法。
【請求項23】
エステルを含む溶媒系中において(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの混合物を加熱し、次いで、冷却し、生成物を単離することを特徴とする、(−)−(S)−N−(α−エチルベンジル)−3−ヒドロキシ−2−フェニルキノリン−4−カルボキサミドの精製方法。
【請求項24】
エステルが酢酸n−プロピルである請求項23記載の方法。
【請求項25】
混合物がさらに活性炭を含有する請求項24記載の方法。

【公表番号】特表2009−504572(P2009−504572A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525140(P2008−525140)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/030042
【国際公開番号】WO2007/016609
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(591002957)スミスクライン・ビーチャム・コーポレイション (341)
【氏名又は名称原語表記】SMITHKLINE BEECHAM CORPORATION
【Fターム(参考)】