説明

キャップおよび密封具

発明は互いに連結された2つの反応装置の別々の反応装置中でメタロセンを含む触媒系の存在下で製造される、コモノマーを実質的に含まない低分子量、高密度のポリエチレン画分と高分子量、低密度のポリエチレン画分とから成る分子量分布(MWD)が少なくとも3.5、好ましくは4.0以上であるビモダルな高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂に関するものである。メタロセンはビスインデニルまたはビステトラ水素化インデニル成分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形された物品、特にキャップおよび密封具を成形するのに適したビモダル(二峰型の)高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂に関するものである。本発明のキャップおよび密封具はボトル、例えば炭酸飲料およびスチル飲物用のボトルの密封で使用できる。
【背景技術】
【0002】
一般に、キャップおよび密封具はチーグラー-ナッタ(ZN)触媒系を用いて製造されたHDPE樹脂で作られる。この樹脂は十分に高い耐ストレスクラック性(ESCR)を有するが、さらに改良の余地がある。モノモダル(単峰型)のチーグラー-ナッタ(Ziegier Natta)ポリエチレンは平均的なESCR、加工性および寸法安定性しか有しない。特に、感覚刺激性(organoleptic properties)に関しては多くの改善を必要とする。この種の樹脂には例えばLyondeilBasell 社から市販のHostalen (登録商標) GD4755やIneos社から市販のEltex (登録商標) B4020N1331がある。これに対してビモダル(二峰型の)チーグラー-ナッタ・ポリエチレンはより優れたESCRおよび加工性を有するが、寸法安定性および感覚刺激性に難点がある。この種の樹脂には例えばHostalen(登録商標)ACP6541 AまたはEltex(登録商標)Superstress CAP602がある。
【0003】
従って、射出成形の用途、特にキャップおよび密封具の成形で使用するのに適した改良されたESCRと、加工性と、寸法安定性と、感覚刺激性と有する樹脂を見出すというニーズがある。
【0004】
キャップおよび密封具の分野でテストしたモノモダル多分散性指数が3以下の狭いHDPEメタロセン-樹脂は優れた感覚刺激性と寸法安定性を示す(特許文献1(EP 1357136)参照)が、機械特性は限られる。
【0005】
特許文献2(欧州特許第EP 1833908号公報)にはメタロセン-触媒で製造したビモダル高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂から射出成形で製造したキャップおよび密封具が開示されている。この場合のメタロセンはブリッジしたビスインデニルまたはビステトラヒドロインデニルである。これは優れたESCR、感覚刺激性および寸法安定性を有するが、ESCRおよび加工性にはまだ改良の余地がある。特に、そのビモダルポリエチレンの加工性はビモダルチーグラー-ナッタ・ポリエチレンと同等である。
【0006】
従って、加工性がさらに良い樹脂、すなわち生産速度が速く、および/または、エネルギー使用量が少なく、および/または、金型寿命が長く、および/または、金型のメンテナンス頻度を減らすというニーズがある。しかし、加工性を改良したことでキャップおよび密封具の他の性質を犠牲にしてはならない。特に、耐環境ストレスクラック性を低下させず、しかも、感覚刺激性、寸法安定性、フィットのタイトネス(堅固さ)および蓋の開放の容易さを変えずに、加工性を改良する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許第EP 1357136号公報
【特許文献2】欧州特許第EP 1833908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、射出成形によってより速く物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
本発明の他の目的は、金型の磨耗がより少ない、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
本発明の他の目的は、金型の使用寿命が長い、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
本発明の他の目的は、使用する金型の保守頻度を減らすことができる、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
本発明の他の目的は、耐環境ストレスクラック性を有する、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
本発明の他の目的は、タイトネス(堅固さ)が従来のものと同じか、それより改良された、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、寸法安定性が従来のものと同じか、それより改良された、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
本発明のさらに他の目的は、蓋の開け方が従来のものと同じか、それより容易である、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
本発明のさらに他の目的は、感覚刺激性が従来のものと同じか、それより優れている、射出成形によって製造される物品、特にキャップおよび密封具を製造するのに使用可能な樹脂を製造することにある。
上記の目的の少なくとも一つは本発明によって達成さる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、メタロセン−含有触媒系の存在下で互いに連結された2つの反応装置の互いに異なる反応装置中で製造された2つのポリエチレン画分AとBから成る、射出成形された物品、特にキャップおよび密封具を製造するためのビモダルな高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂を開示する。上記メタロセンはブリッジされたビスインデニル・メタロセンおよび/またはブリッジしたビス−テトラ水素化インデニル・メタロセンであり、ポリエチレン画分Aはコモノマーを実質的に含まず且つポリエチレン画分Bに対して低分子量および高密度であり、上記ビモダルHDPE樹脂は数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比によって定義される分子量分布(MWD)が少なくとも3.5である。上記メタロセンは下記の式(I)および(II)の中から選択される。
画分Aが直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造される場合、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分AのMI2の比は1.05〜2000の範囲であり、好ましくは1.1〜1000であり、より好ましくは1.2〜500であり,さらに好ましくは1.2〜250である。しかし、画分Bが直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造される場合のビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分BのMI2の比は0.06〜0.95の範囲であり、好ましくは0.06〜0.9であり、より好ましくは0.06〜0.85であり、さらに好ましくは0.06〜0.80である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来法の各種ポリエチレンと本発明のポリエチレンER−1、ER−2およびER−3とを比較した周波数に対するレオロジカル水平物活性エネルギーを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記のビモダルHDPE樹脂は基本的にポリエチレン画分AとBから成るのが好ましい。
【0013】
上記メタロセンはブリッジした未置換のビス(テトラヒドロインデニル)、例えばエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライドおよびエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム二フルオライドから成るのが好ましい。
【0014】
上記の2つの反応装置は互いに直列に連結した2つのループ反応装置、好ましくは2つの液体充填されたループ反応装置すなわち液体充填されたダブルループ反応装置であるのが好ましい。
【0015】
ポリエチレン画分Aは最初の反応装置で製造され、ポリエチレン画分Bは第2の反応装置で製造されるのが好ましい。ポリエチレン画分Aは脱気されないのが好ましい。
【0016】
本発明の他の実施例では、上記ポリエチレン画分Bが最初の反応装置で製造され、ポリエチレン画分Aが第2の反応装置で製造される。この場合にはポリエチレン画分Bは脱気されて、第2の反応装置で製造される画分Aが実質的にコモノマーを含まないようにする。
【0017】
本発明はさらに、本発明方法ではメタロセン-含有触媒系の存在下でエチレンを重合してビモダルHDPE樹脂を製造する方法にも関するものである。上記メタロセンはブリッジしたビスインデニルおよび/またはブリッジしたビステトラ水素化インデニルであり、ポリエチレン画分AおよびBは互いに直列に接続された2つの反応装置の異なる反応装置で製造され、ポリエチレン画分Aはコモノマーを実質的に含まず且つポリエチレン画分Bに比べて低分子量かつ高密度であり、得られたビモダルHDPE樹脂は分子量分布が少なくとも3.5であり、上記メタロセンは下記の式(I)および(II)から選択される。
【0018】
画分Aが直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造される場合、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分AのMI2の比は1.05〜2000の範囲であり、好ましくは1.1〜1000であり、より好ましくは1.2〜500であり,さらに好ましくは1.2〜250である。しかし、画分Bが直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造される場合のビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分BのMI2の比は0.06〜0.95の範囲であり、好ましくは0.06〜0.9であり、より好ましくは0.06〜0.85であり、さらに好ましくは0.06〜0.80である。
【0019】
上記のビモダルHDPE樹脂は基本的にポリエチレン画分AとBから成るのが好ましい。
【0020】
上記メタロセンはブリッジした未置換のビス(テトラヒドロインデニル)、例えばエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライドおよびエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム二フルオライドから成るのが好ましい。
【0021】
上記の2つの反応装置は互いに直列に連結した2つのループ反応装置、好ましくは2つの液体充填されたループ反応装置すなわち液体充填されたダブルループ反応装置であるのが好ましい。
【0022】
ポリエチレン画分Aは最初の反応装置で製造され、ポリエチレン画分Bは第2の反応装置で製造されるのが好ましい。ポリエチレン画分Aは脱気されないのが好ましい。
【0023】
本発明の別の実施例では、ポリエチレン画分Bが最初の反応装置で製造され、ポリエチレン画分Aが第2の反応装置で製造される。この場合、ポリエチレン画分Bは脱気されて、第2の反応装置で製造された画分Aがコモノマーを実質的に含まないようにする。
【0024】
本発明はさらに、本発明のビモダルHDPE樹脂で作られた、射出成形された物品、特にキャップおよび密封具と、本発明のビモダルHDPE樹脂を用いてキャップおよび密封具を製造する射出成形方法にも関するものである。キャップまたは密封具は密封ボトルまたは容器に適したものであるのが好ましい。キャップまたは密封具は炭酸飲料またはスチル飲物用ボトルを密封するのに適しているのが好ましい。上記物品は一体部材のキャップまたは密封具であるのがさらに好ましい。
【0025】
本発明はさらに、射出成形時のサイクルタイムを短くし、および/または、金型寿命を延ばし、および/または、MWDが小さいHDPE樹脂および/またはチーグラー−ナッタまたは他のメタロセン−含有触媒系で作ったものと比較して金型のメンテナンス頻度を少なくすための、本発明のビモダルHDPE樹脂の物品、特にキャップおよび密封具を製造するために射出成形での使用にも関するものである。
【0026】
「ビモダル」という用語は同じポリエチレン中にポリエチレンのマクロ分子の二つの個体群が存在すること、すなわち各々が異なる性質、分子量またはコモノマー含有量を有する例えばポリエチレン画分AとBが存在することを意味する。
【0027】
すなわち、ビモダルHDPE樹脂はポリマー粒子レベルでの混合物であり、互いに異なる画分は異なる重合条件下で運転される2つの反応装置で得ることができる。このビモダルHDPE樹脂はビモダルな分子量分布を有するのが好ましい。
【0028】
2つの反応装置は「逆」(または「反転」ともいう)形態のコモノマー/水素スプリットモードで運転でき、この「逆」形態では最初の低分子量、高密度ポリエチレン画分Aは最初の反応装置で製造され、第2の高分子量、低密度ポリエチレン画分Bは第2の反応装置で製造される。この場合、最初のポリエチレン画分は第2の反応装置へ移す前に脱気する必要はない。ポリエチレン画分Aはコモノマーを実質的に含まない。これは「直接」形態とは逆である。この「直接」形態では、最初の高分子量、低密度ポリエチレン画分Bが最初の反応装置で製造され、第2の低分子量、高密度ポリエチレン画分Aが第2の反応装置で製造される。この場合、最初のポリエチレン画分Bは未重合のコモノマーを実質的に除去するために、従って第2の画分Aがコモノマーを実質的に含まないようにするために、脱気することが必要である。
【0029】
この実施例では互いに直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置で画分Aを製造する時に、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分AのMI2の比(MI2R)は1.05〜2000、好ましくは1.1〜1000、より好ましくは1.2〜500、さらに好ましくは1.2〜250の範囲である。
【0030】
しかし、互いに直列に連結した2つの反応装置の最初の反応装置で画分Bを製造する場合には、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分BのMI2のHLMlの比は0.06〜0.95の範囲、好ましくは0.06〜0.9、より好ましくは0.06〜0.85、さらに好ましくは0.06〜0.80である。
【0031】
本発明のビモダルHDPE樹脂はメタロセン-含有触媒系の存在下で製造される。メタロセンはブリッジしたビスインデニルまたはブリッジしたビス−テトラ水素化インデニル触媒成分から成る。このメタロセンは下記の式(I) または(II)の一つから選択される:

【0032】
[ここで、各Rは互いに同一でも異なっていてもよく、水素またはXR'Vから選択され(ここで、Xは周期律表の第14族(好ましくは炭素)、酸素または窒素の中から選択され、各R'は互いに同一でも異なっていてもよく、水素または炭素原子数が1〜20のヒドロカルビルの中から選択され、v+1はXの価数である)、Rは水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびtert-ブチルの中から選択されるのが好ましく、
R''は立体剛性(stereorigidity)を与える2つのインデニルまたはテトラ水素化されたインデニル間の構造ブリッジであり、C1−C4アルキレン基、ジアルキルゲルマニウム、珪素またはシロキサンまたはアルキルフォスフィンまたはアミン基であり、
Qは炭素原子数が1〜20のヒドロカルビルまたはハロゲン、好ましくはQはCl、FまたはBrであり、
Mは周期律表の第4族遷移金属またはバナジウムである]
【0033】
各インデニルまたはテトラ水素化インデニル成分はシクロペンタジエニル環またはシクロヘキセニル環上の一つまたは複数の位置で同様または互いに異なる方法でRで置換できる。各置換基は独立して選択される。
【0034】
シクロペンタジエニル環が置換される場合、その置換基は金属Mに対するオレフィン・モノマーの配位に影響するような大きなものではならない。シクロペンタジエニル環上の任意の置換基XR'vがメチルであるのが好ましい。より好ましくは、少なくとも一つおよびより好ましくは両方のシクロペンタジエニル環は未置換であるのが好ましい。
【0035】
特に好ましい実施例では、メタロセンはブリッジした未置換すなわち全てのRが水素であるビスインデニルおよび/またはビス−テトラ水素化インデニルから成る。メタロセンはブリッジした未置換のビス−テトラ水素化インデニルから成るのが好ましい。最も好ましくはメタロセンはエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライドまたはエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジフルオライドである。
【0036】
エチレンの重合で使われる活性触媒系は上記の触媒成分とイオン活性を有する適切な活性化剤とから成る。適切な活性化剤は公知で、アルミニウム・アルキル・アルミノキサンまたは硼素-ベースの化合物が含まれる。活性化剤はアルミニウムアルキル、より好ましくは一種または複数のTIBAL、TEALまたはTNOALの中からから選択される。最も好ましい活性化剤はTIBALである。
【0037】
オプションとして、触媒成分は担体に支持できる。担体はシリカ、変成したシリカアルミナまたは変成したシリカ、例えばMAO-変成シリカまたはフッ素化シリカ担体であるのが好ましい。
【0038】
メタロセンを用いた高密度ポリエチレンの重合は気体中、溶液中またはスラリー相で実行できる。高密度ポリエチレンの製造にはスラリー重合が好ましい。重合温は20〜125℃、好ましくは55〜105℃、さらに好ましくは60〜100℃、より好ましくは65〜98℃である。圧力範囲は0.1〜10MPa、好ましくは1〜6MPa、より好ましくは2〜4,5 MPaで、時間は10分から6時間、好ましくは1〜3時間、より好ましくは1〜2.5時間である。
【0039】
重合の実施にはダブルループ反応装置を用いるのが好ましい。互いに直列に連結した2つの反応装置は液体充填したダブルループ反応装置であるのが好ましく、ビモダルなHDPE樹脂を製造するために各ループは異なる条件下で運転する。ダブルループ反応装置は逆相形態で運転でき、ポリエチレン画分Aを最初のループ反応装置で製造され、ポリエチレン画分Bは第2のループ反応装置で製造される。このコンフィグレーションではポリエチレン画分Aは第2の反応装置へ移す前に脱気する必要はなく、コモノマーすでに実質的に存在しない。ダブルループ反応装置を直接形態で運転することもでき、その場合にはポリエチレン画分Bを最初のループ反応装置で製造し、ポリエチレン画分Aを第2のループ反応装置で製造する。このコンフィグレーションでは最初のポリエチレン画分Bは第2の反応装置へ移す前に脱気して、第2のループ反応装置で製造される画分Aがコモノマーを実質的に含まないようにする必要がある。
【0040】
最初の反応装置で製造するポリエチレン画分AのMI2は10〜1000dg/分、好ましくは50〜600dg/分、より好ましくは100〜300 dg/分であるのが好ましい。この画分Aの密度は0.960〜0.980g/cm3、より好ましくは0.965〜0.975g/cm3、さらに好ましくは0.970〜0.975g/cm3である。この画分の比率はビモダルHDPE樹脂の総重量の40〜65重量%、好ましくは45〜65重量%、より好ましくは45〜55重量%、さらに好ましくは45〜53重量%である。ビモダルHDPE樹脂は基本的にポリエチレンの画分Aとポリエチレンの画分Bとから成るのが好ましい。
【0041】
最初の反応装置で製造する画分BのHLMIは3〜20dg/分、好ましくは5〜15dg/分、より好ましくは5〜10dg/分であるのが好ましく、この画分Bの密度は0.925〜0.940g/cm3、より好ましくは0.930〜0.940g/cm3、さらに好ましくは0.930〜0.935g/cm3である。この画分の比率はビモダルHDPE樹脂の総重量の35〜60重量%、より好ましくは35〜55重量%、さらに好ましくは45〜55重量%、より好ましくは47〜55重量%である。このビモダルHDPE樹脂は基本的に画分AおよびBから成るのが好ましい。
【0042】
第1の反応装置からの最初のポリエチレン画分(AまたはB)は第2の反応装置へ移され、そこで第2のポリエチレン画分(BまたはA)が第1画分の存在下で作られ、化学的にブレンドされたビモダルHDPE樹脂が製造される。
【0043】
上記ビモダルHDPE樹脂の密度は0.940〜0965 g/cm3、好ましくは0.948〜0.957g/cm3、より好ましくは0.950〜0.955g/cm3、さらに好ましくは0.951〜0.954g/cm3であるのが好ましい。ビモダルHDPE樹脂のメルトインデックスMI2は0.5〜50dg/分、好ましくは0.5〜10dg/分、より好ましくは0.5〜8dg/分、さらに好ましくは0.5〜2.5dg/分、さらに好ましくは0.5〜2.4dg/分、より好ましくは0.5〜2.2dg/分である。数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比であるこのビモダルHDPE樹脂の分子量分布(MWD)は少なくとも3.5、好ましくは4.0以上、より好ましくは4.1以上、最も好ましくは4.2以上である。ビモダルHDPE樹脂のMWDは6.0までにすることができる。
【0044】
密度はASTM規格 1505の方法で23℃の温度でビモダルHDPE樹脂のペレットで測定される。メルトインデックスMI2およびHLMIはASTM規格 D 1238の方法で190℃の温度で、ビモダルHDPE樹脂のペレットで2.16および21.6kgの荷重下で測定される。分子量分布(MWDは数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比(すなわちMw/Mn)である。分子量はビモダルHDPE樹脂のペレットでゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で決定する。
【0045】
本発明のビモダルHDPE樹脂は特定のレオロジー(流動)特性を有する。本発明のビモダルHDPE樹脂は1s-1の周波数で45kJ/mo1以上のレオロジカル水平活性エネルギー(rheological horizontal activation energy)を有し、100-1の周波数で45kJ/ mo1以下のレオロジカル水平活性エネルギーを有する。より好ましくは、ビモダルHDPE樹脂は1s-1の周波数で50kJ/mo1以上のレオロジカル水平活性エネルギーを有し、100-1の周波数で40kJ/ mo1以下のレオロジカル水平活性エネルギーを有する。これは[図1]に示してある。レオロジカル水平活性エネルギーはRheometrics(登録商標)ARESレオメータで170、190および21O℃で直線粘弾性(10%変形)領域内で異なる剪断速度で測定し、各剪断速度で複合粘度を記録する。
【0046】
本発明の物品、特にキャップおよび密封具は本発明の樹脂を射出成形して製造される。本発明では公知の任意の射出成形機、例えばENGEL 125Tを使用できる。また、全てのタイプの金型が使用できる。本発明のキャップおよび密封具は特にボトル、特に炭酸飲料およびスチル飲物のボトルを密封するのに適している。本発明樹脂は一体型のキャップおよび密封具(スクリューキャップを含む)に特に適している。
【0047】
射出成形サイクルは3つの段階:充填、パック−保持および冷却に分けることができる。充填中、溶融したポリマーは空の常温のキャビティーに圧入される。キャビティー充填後、追加の原料がキャビティー中にパックされ、高圧下に保持して冷却時に増加する密度を補償する。キャビティーゲートが凝固したポリマーで密封された後、冷却段階を開始する。この冷却段階中に温度はさらに低下し、ポリマーは結晶化する。充填段階での代表的な温度は160〜280℃、好ましくは220〜260℃である。
【0048】
本発明樹脂を用いると、同じ条件下で処理した他の原料と比較してピーク射出圧力が低下することが確認された。すなわち、Ziegler-Natta-触媒を用いたモノモダルおよびビモダル・ポリエチレンや、同じまたは類似の溶融指数および密度および/またはMWD が3.5以下のブリッジしたビスインデニルまたはビステトラヒドロインデニル成分を有するメタロセンを含めた、メタロセン-触媒を使用した中間脱気なしの「直接」反応装置コンフィグレーションで得られるビモダル・ポリエチレンと比較してピーク射出圧力が低下する。この圧力が低下することは金型の磨耗が減少し、従って、金型の寿命が伸び、および/または、の保守頻度が減ることを意味する。
【0049】
あるいは、ピーク射出圧力を高く維持する代わりにポリマーの加工温度を下げ、従って、冷却に必要な時間をものを減らす(それによってサイクルタイムを短くできる)、射出成形サイクルの全エネルギー使用量を減らすこともできる。
【0050】
本発明の物品、特に、キャップおよび密封具の特徴はESCRが改良されることにある。すなわち、本発明の物品はモノモダルなZiegier-Nattaポリエチレンや、メタロセンがブリッジしたビスインデニルまたはビステトラヒドロインデニル成分を有する、同じまたは類似の溶融指数と同じ密度を有し、および/または、MWDが3.5未満である高分子量/低密度画分を最初の反応装置で作り、脱気をしない、メタロセン-触媒で作ったビモダルなポリエチレンと比較して、ESCRが改良される。
【0051】
さらに、本発明の樹脂は揮発性有機化合物の含有量が著しく低く、エアレーションを必要とせず、従って、余分な加工段階を必要とせず、従って、生産に必要なエネルギを減らすことができる。本発明樹脂は感覚刺激性(organoleptic properties)が優れているので、ボトル、特に、例えば炭酸飲料およびスチル飲物用ボトルを密封するためのキャップおよび密封具の成形で有利に使用できる。これはチーグラー‐ナッタ触媒で作られた樹脂の利点であるが、その場合には、一般に徹底したエアレーション段階を行って揮発性有機化合物を除去することが必要である。
【0052】
本発明のビモダルHDPE樹脂は添加剤、特に射出成形に適した添加剤を含むことができる。添加剤の例としては加工助剤、離型剤、抗スリップ剤、一次および二次の抗酸化剤、光安定剤、抗UV剤、酸スカベンジャ、難燃剤、充填剤、ナノ複合材料、滑剤、帯電防止剤、核剤/清澄剤、抗菌物質、可塑剤、着色剤/顔料/染料およびこれらの混合物が挙げられる。顔料または着色剤の例には酸化チタン(IV)、カーボンブラック、コバルトブルーのようなコバルトアルミニウム酸化物および酸化クロムグリーンのような酸化クロムが含まれる。ウルトラマリン、フタロシアニンブルーおよび酸化鉄レッドのような顔料も適している。添加剤の例としては特に滑剤、離型剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、SHT、lrgafos 168(登録商標)、Irganox 1010(登録商標)、Irganox 1076(登録商標)のような抗酸化剤、抗スリップ剤、例えばerucamide、光安定剤、例えばtinuvin 622(登録商標)、tinuvin 326(登録商標)、核剤、例えばHPN20E(登録商標)が挙げられる。
【0053】
本発明の射出成形物品で使用可能な添加剤の概要は下記非特許文献を参照できる。
【非特許文献1】Plastics Additives Handbook, ed. H. Zweifel, 5th edition, 2001, Hanser Publishers
【実施例】
【0054】
[表3a]および[表3b]は、各種の比較例のポリエチレンA−1、A−2、B−1、C−1およびC−2およびその特性と、逆相コンフィグレーションでダブルループ反応装置を使用し、メタロセンエチレン−ビス{テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライドを用いて製造した本発明のビモダルHDPE樹脂ER−1、ER−2およびER−3とを比較したものである。
【0055】
C−2では「直接」コンフィグレーションでダブルループ反応装置を使用し、最初のポリエチレン画分を脱気しないで作ったもの、従って、第2の画分(低い重量平均分子量、高密度画分)は最初の反応装置から来るコモノマーの相当量を含むものである点にする必要がある。
【0056】
[表1]はER−1、ER−2およびER−3の重合条件を示す。
【0057】
【表1】

【0058】
樹脂の各種特性は下記の方法で測定した:
TP VOC
樹脂のペレットを15O℃に加熱し、揮発性有機化合物をTenaxトラップで−40℃で吸着した。トラップのフラッシュ脱着を230℃で行い。化合物の検出はガスクロマトグラフィ−炎イオン化検出器(GC−FID)を使用して行った。
【0059】
味覚テスト
5gの樹脂ペレットを1リットルの水中に55℃で8日間放置する。得られた水を基準水を用いて0、33、50および66重量%に希釈し、訓練された専門家のパネラーによって味覚テストを実施した。基準水と比較して味の相違が知覚された場合、下記のテーブルに従ってグレードが付与された。
【0060】
【表2】

【0061】
射出成形法A
単一キャビティー金型を備えてたNetstal Synergy 1000の射出成形機で樹脂を射出成形した。キャップはPCO1810ネックにフィットする炭酸清涼飲料に適したデザインを有する。ビモダルHPDE樹脂にマスターバッチは加えなかった。
射出成形法B
96個のキャビティーを有するNetstai Synergy 4200Kの射出成形機で樹脂を射出成形した。キャップはPCO1810ネックにフィットする炭酸清涼飲料に適したデザインを有する。ビモダルHDPE樹脂には赤色顔料を含むマスターバッチを0.8重量%加えた。
【0062】
開封容易性
訓練されたパネラーに依頼して各キャップを有するボトルの開封の容易さを1〜5の段階で格付けしてもらった。グレード5が開封が最も容易な場合である。
【0063】
上記いがの測定標準および手順は[表3a]および[表3b]に示した。
【表3a】

【表3b】

【0064】
[表3a]および[表3b]の結果の討論
本発明のER−1およびER−3をC−1と比較すると、射出圧力が減り、金型の磨耗が減ることが分かる。すなわち、金型の寿命が延び、および/または、保守頻度が少なくなる。ER−2もC−2と比較して射出圧力が低下している。
【0065】
あるいは、射出圧力を高く維持する代わりに加工温度を低下できる。従って、サイクルタイムが短くなり、冷却を速く行うことができる。加工温度が低下するのでエネルギー使用量も減る。
【0066】
ER−1、ER−2およびER−3はA−1、B−1、C−1およびC−2に対して耐ストレス−クラック性が改良されている。ER−1、ER−2およびER−3はA−2と比較して、同じ耐ストレス−クラック性を示す。
【0067】
A−2は優れた耐ストレス−クラック性を示すが、感覚刺激性が悪い。一方、ER−1、ER−2およびER−3は全て加工性および感覚刺激性が優れている。
【0068】
従って、本発明のビモダルHDPE樹脂は加工が容易で、ESCRが改善し、感覚刺激性に変化はない。
【0069】
キャップの寸法安定性と、キャップのフィットの堅固さと、(射出成形法Bで得た)キャップを付けたボトルの開封容易性さも決定した。本発明のキャップは全て比較例に比べて寸法安定性に優れ、フィットの堅固さが良い。また、本発明のキャップを有するボトルは比較例より開封が容易であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのポリエチレン画分AおよびBから成る、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比によって定義される分子量分布(MWD)が少なくとも3.5、好ましくは4.0以上である、ビモダルな高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂であって、画分Aはコモノマーを実質的に含まず且つ画分Bより重量平均分子量が低く、密度は高く、各画分は互いに連結された2つの反応装置の別々の反応装置中でメタロセンを含む触媒系の存在下で製造され、
上記メタロセンは下記の式(I) または(II)の少なくとも一つの中から選択され:

[ここで、各Rは互いに同一でも異なっていてもよく、水素またはXR'Vから選択され(ここで、Xは炭素、珪素、ゲルマニウム、酸素または窒素の中から選択され、各R'は互いに同一でも異なっていてもよく、水素または炭素原子数が1〜20のヒドロカルビルの中から選択され、v+1はXの価数である)、Rは水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびtert-ブチルの中から選択されるのが好ましく、
R''は立体剛性(stereorigidity)を与える2つのインデニルまたはテトラ水素化されたインデニル間の構造ブリッジであり、C1−C4アルキレン基、ジアルキルゲルマニウム、シリコンまたはシロキサンまたはアルキルフォスフィンまたはアミン基であり、
Qは炭素原子数が1〜20のヒドロカルビルまたはハロゲン、好ましくは塩素または弗素であり、
Mは周期律表の第4族遷移金属またはバナジウムである]
画分Aが直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造される場合、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分AのMI2の比は1.05〜2000の範囲であり、
画分Bが直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造される場合、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分BのMI2の比は0.06〜0.95の範囲である、
ことを特徴とするビモダル高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂。
【請求項2】
メタロセンはブリッジした未置換のビス(テトラヒドロインデニル)から成る請求項1に記載のビモダルなHDPE樹脂。
【請求項3】
メタロセンがエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウム・ジクロライドおよびエチレン−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジフルオライドの中から選択されるか請求項2に記載のビモダルHDPE樹脂。
【請求項4】
直列に接続された2つの反応装置が、ダブルループ反応装置、好ましくは液体充填されたダブルループ反応装置である請求項1〜3のいずれか一項に記載のモダルHDPE樹脂。
【請求項5】
メルトインデックスMI2(ASTM規格 D 1238に従って190℃の温度で2.16kgの荷重下で測定)が0.5〜50dg/分であり、密度(ASTM規格 1505の方法に従って23℃の温度で測定)が0.940〜0.965g/cm3である請求項1〜4のいずれか一項に記載のビモダルHDPE樹脂。
【請求項6】
ポリエチレン画分Aが最初の反応装置で得られ、ポリエチレン画分Bが第2の反応装置で得られる請求項1〜5のいずれか一項に記載のビモダルHDPE樹脂。
【請求項7】
ポリエチレン画分AのメルトインデックスMI2(ASTM規格 D 1238に従って190℃の温度で2.16kgの荷重下で測定)が10〜1000dg/分であり、密度(ASTM規格 1505の方法に従って23℃の温度で測定)が0.960〜0.980g/cm3である請求項6に記載のビモダルHDPE樹脂。
【請求項8】
ポリエチレン画分Bが最初の反応装置で得られ、ポリエチレン画分Aが第2の反応装置で得られる請求項1〜5のいずれか一項に記載のビモダルHDPE樹脂。
【請求項9】
1s-1の周波数でのレオロジカル水平物活性エネルギーが45kJ/モル以上で、100 s-1の周波数でのレオロジカル水平物活性エネルギーが45kJ/モル以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載のビモダルHDPE樹脂。
【請求項10】
1s-1の周波数でのレオロジカル水平物活性エネルギーが50kJ/モル以上で、100 s-1の周波数でのレオロジカル水平物活性エネルギーが40kJ/モル以下である請求項9に記載のビモダルHDPE樹脂。
【請求項11】
ASTM規格 D1693に従って23℃かつ100%Igepalで測定したBell Environmental Stress Crack Resistance(ESCR)FOが少なくとも1500時間であり且つ下記(1)〜(4)の方法で測定した揮発性有機化合物濃度が最大で250ppmである請求項1〜10のいずれか一項に記載のビモダルHDPE樹脂:
(1) 樹脂のサンプルを150℃まで加熱し、
(2) Tenaxトラップ上でサンプルから放出された揮発性有機化合物を-40℃で吸着し、
(3) トラップを23O℃でフラッシュ脱離させ、
(4) ガスクロマトグラフィ-炎イオン化検出器を使用して脱着させた揮発性有機化合物の量を検出し、決定する。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のビモダルHDPE樹脂を用いて射出成形で製造した物品。
【請求項13】
上記物品がキャップまたは密封具である請求項12に記載の物品。
【請求項14】
下記(1)と(2)の段階を有する、互いに連結された2つの反応装置の別々の反応装置中でメタロセンを含む触媒系の存在下で製造された2つのポリエチレン画分AおよびBから成る、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比によって定義される分子量分布(MWD)が少なくとも3.5、好ましくは4.0以上である、ビモダルな高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂の製造方法:
(1) コモノマーを実質的に含まず且つ画分Bより重量平均分子量が低く、密度は高い画分Aを製造し、
(2) 2つの反応装置の別の反応装置で画分Bを製造し、
上記メタロセンは下記の式(I) または(II)の少なくとも一つの中から選択し:

[ここで、各Rは互いに同一でも異なっていてもよく、水素またはXR'Vから選択され(ここで、Xは炭素、珪素、ゲルマニウム、酸素または窒素の中から選択され、各R'は互いに同一でも異なっていてもよく、水素または炭素原子数が1〜20のヒドロカルビルの中から選択され、v+1はXの価数である)、Rは水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n-ブチルおよびtert-ブチルの中から選択されるのが好ましく、
R''は立体剛性(stereorigidity)を与える2つのインデニルまたはテトラ水素化されたインデニル間の構造ブリッジであり、C1−C4アルキレン基、ジアルキルゲルマニウム、シリコンまたはシロキサンまたはアルキルフォスフィンまたはアミン基であり、
Qは炭素原子数が1〜20のヒドロカルビルまたはハロゲン、好ましくは塩素または弗素であり、
Mは周期律表の第4族遷移金属またはバナジウムである]
画分Aを直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造する場合には、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分AのMI2の比は1.05〜2000の範囲であり、
画分Bが直列に連結された2つの反応装置の最初の反応装置中で製造される場合、ビモダルHDPE樹脂のMI2に対する画分BのMI2の比は0.06〜0.95の範囲である。
【請求項15】
ポリエチレン画分Aを最初の反応装置で製造し、ポリエチレン画分Bを直列に接続した2つの反応装置の第2の反応装置で製造する請求項14に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−532950(P2012−532950A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519023(P2012−519023)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059999
【国際公開番号】WO2011/004032
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(504469606)トタル リサーチ アンド テクノロジー フエリユイ (180)
【Fターム(参考)】