説明

クエン酸亜鉛剤及び/又はトコフェロール剤を含んでなる、改善された口腔用組成物

歯垢、歯石/虫歯、象牙質の過敏性、口臭、及び/又は炎症の1以上を抑えるための方法及び口腔用組成物を提供する。本組成物は、亜鉛塩を含む有効成分を含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001] 本発明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願番号60/752,341(2005年12月21日出願)の利益を主張する。
【0002】
背景技術
[0002] 歯垢(dental plaque)は、細菌増殖の副産物として形成されると一般に考えられていて、歯の表面へ、そして歯肉の縁に付着する多糖マトリックスに埋め込まれた微生物の塊りを含有する密集した微生物の層を含む。歯周病は、歯周病原体と宿主の免疫系応答の間の複雑な相互作用の結果である炎症障害である。歯肉炎は、歯を支える歯肉及び歯槽骨の炎症又は感染症であり、その原因は、口内細菌(特に、歯垢形成に関連する細菌)と細菌/細菌副産物毒素の存在が引き金になる炎症応答の両方であると一般に考えられている。歯周炎は、歯肉炎と比較すると、進行的に悪化する疾患の状態であり、ここでは炎症状態の歯肉が歯から後退し始めて、最終的に骨と歯周靭帯の破壊をもたらす可能性がある。慢性の感染症及び炎症は、潜在的に、後に歯の損失をもたらす。
【0003】
[0003] さらに、細菌は、発酵可能な炭水化物の細菌分解の最終産物として酸を産生する。これらの酸は、ハイドロキシアパタイトを溶かすことができて、セメント質及び/又はエナメル質の喪失をもたらして、虫歯の形成又は象牙質の過敏症を潜在的にもたらす可能性がある。象牙質の過敏症は、象牙質を覆っている保護的なエナメル質又はセメント質が失われて、それにより象牙質細管が口内環境へ曝露されるときに起こり得る。狭い象牙質細管を満たす体液が口内へ曝露されるとき、それは、冷性、触覚性、蒸発性、及び浸透性の刺激が象牙質を通過して歯髄へ伝わることを可能にして、それが次いで神経線維において鋭い痛みとして感じられる。虫歯は、エナメル質/セメント質の損失を伴い、典型的には、基底組織の酵素溶解、次いで、エナメル質、象牙質を貫通し得て、歯髄に達して、最終的には組織壊死をもたらす場合がある空洞形成が続く。
【0004】
[0004] 口腔疾患に寄与する、及び/又はそれを悪化させる多数の病因因子を防ぐか又は抑えることによって口腔疾患の影響を減退させるように機能する有効成分を好ましくは含有する、口腔疾患の発達又は進行を効果的に抑える、口腔用ケア組成物へのニーズがある。口腔用ケアの分野には、歯垢と歯石の両方の形成の治療を改善する口腔用ケア組成物への継続的な関心がある。さらに、象牙質の過敏性、虫歯形成、及び/又は口腔中の炎症も抑える口腔用組成物のような、多数の治療利益を提供する口腔用ケア組成物を有することが望ましい。
【0005】
発明の要約
[0005] ある態様において、本発明は、歯の過敏性を有する口腔表面を治療する方法へ向けられ、該方法は、クエン酸亜鉛剤及びカリウム塩を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と該口腔表面を接触させることを含んでなる。
【0006】
[0006] ある態様において、本発明は、クエン酸亜鉛剤及びカリウム塩を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と口腔表面を接触させることを含んでなる、渋みを抑える方法へ向けられる。
【0007】
[0007] ある態様において、本発明は、クエン酸亜鉛剤及びカリウム塩を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と口腔表面を接触させることを含んでなる、歯垢又は歯石の形成、虫歯、又は口臭を抑える方法へ向けられる。
【0008】
[0008] ある態様において、本発明は、クエン酸亜鉛剤及びトコフェロール剤を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と炎症口腔組織を接触させることを含んでなる、口腔組織中の炎症を治療する方法へ向けられる。
【0009】
[0009] ある態様において、本発明は:
クエン酸亜鉛剤及びクエン酸カリウム剤を含んでなる有効成分;及び
無水マレイン酸及びポリビニルメチルエーテルの共重合体とポリリン酸を含んでなる、抗歯垢及び脱感作性の口腔用組成物へ向けられる。
【0010】
[0010] ある態様において、本発明は、クエン酸亜鉛剤及びトコフェロール剤を含んでなる口腔用ケア有効成分を含んでなる口腔用組成物へ向けられ、ここでトコフェロール剤は、トコール(2−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、α−トコフェロール((+)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、β−トコフェロール((+)−2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、γ−トコフェロール((+)−2,7,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、δ−トコフェロール((+)−8−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、α−トコトリエノール(2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、β−トコトリエノール(2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、又はこれらの誘導体若しくは混合物より選択される少なくとも1つの化合物を含む。
【0011】
[0011] ある態様において、本発明は、亜鉛塩、3以下の平均鎖長を有する直鎖のポリリン酸塩、及びカリウム塩又はビタミンの少なくとも1つを含んでなる口腔用組成物へ向けられる。
【0012】
発明の詳細な説明
[0012] 本開示全体で使用するように、範囲は、その範囲内にある各数値と全数値について記載するための簡略法(shorthand)である。範囲内にあるどの数値もその範囲の末端として選択することができる。さらに、本開示において引用するすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示における定義と引用文献のそれとの間に抵触がある場合は、本開示が基準となる。
【0013】
[0013] 様々な態様において、本発明は、口腔表面を有する口腔を治療する方法と、亜鉛イオン供給源を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物を提供する。
[0014] ある態様において、口腔用組成物は、歯垢及び歯石の少なくとも1つ、又はその両方の口腔表面上での形成を抑える。ある態様において、口腔用組成物は、歯肉炎又は歯周炎の症状を呈している患者のために、そのような疾患を抑えるか又は軽くする。ある態様において、口腔用組成物は、口腔表面、例えば、象牙質の過敏性を有する歯において過敏性を抑える。他の態様において、本方法と口腔用組成物は、口腔表面、例えば、口腔組織の炎症を抑える。
【0014】
[0015] 本明細書に使用するように、「口腔表面」には、口腔の硬組織と軟組織が含まれる。本明細書に使用するように、「硬組織」は、口腔中の歯や歯周支持体のような組織(哺乳動物のそれのような)を意味する。「軟組織」は、歯肉、舌、頬腔の表面、等のような組織を意味する。例えば、象牙質の過敏性は、典型的には、硬組織、即ち、歯(特に、セメント質により覆われている歯根部中の象牙質組織、及び/又はエナメル質により覆われている歯冠部中の象牙質)に関連する。様々な態様において、本発明の方法及び組成物は、口腔中の様々な口腔表面を治療して、硬組織と軟組織の両方を同時に治療すること、例えば、軟組織の炎症を抑えて、硬組織の歯垢、歯石、虫歯、及び/又は過敏性を予防することを含めることができる。
【0015】
[0016] 様々な態様において、本発明の口腔用組成物は、歯肉炎、歯周炎、口腔の扁平苔癬、シェーグレン症候群、等のような様々な口腔炎症状態を治療する、及び/又は阻害する。口腔用組成物は、歯磨き剤、ペースト剤、ゲル剤、医薬品、パウダー、洗口液、マウスウォッシュ、歯硬化剤、口腔用フィルム、スラリー、注射溶液、及びトローチ剤、並びに当該技術分野で知られた口腔用ケア組成物の他のあらゆる形態が含まれる、様々な異なる形態で提示し得る。
【0016】
[0017] 様々な態様において、口腔用組成物は、亜鉛イオン供給源を含む有効成分を含む。本発明における使用に適した例示の亜鉛イオン供給源には、例えば、クエン酸亜鉛、クエン酸亜鉛ナトリウム、酢酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、グリシン酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、亜鉛バシトラシン、亜鉛トリブロモサリチルアニリド、炭酸亜鉛、フッ化亜鉛、ギ酸亜鉛、乳酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、過酸化亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、塩化亜鉛、又はこれらの混合物のような亜鉛塩が含まれる。
【0017】
[0018] 特別な態様において、亜鉛イオン供給源は、クエン酸亜鉛剤である。本明細書に使用するように、用語「剤」は、望まれる生物学的、生理学的、化学的、及び/又は機械的効果を有する活性化合物を送達する組成物を意味する。剤には、活性化合物を in vivo で生成する活性化合物の前駆体を含めてよく、また剤は、活性化合物、及び/又はその相同体、類似体、又は誘導体を含んでよい。剤は、天然又は合成である活性化合物を含有することができる。当業者に理解されるように、剤は、活性化合物の効力を損なわない他の成分、例えば、緩衝剤、希釈剤をさらに含んでよくて、剤には不純物が存在していてよい。
【0018】
[0019] 様々な態様の文脈において、クエン酸亜鉛が有効成分として有用であるのは、抗菌、抗歯垢、抗歯石、及び抗口臭の活性剤としてそれが特に有効であるからである。亜鉛イオンを in vivo で提供することに加えて、クエン酸アニオンは、有効成分の抗菌効力に特に寄与して、それ自体で口腔用ケア組成物において特に有効であると考えられている。
【0019】
[0020] 従って、クエン酸亜鉛剤には、Zn(Cの一般式を有するクエン酸亜鉛活性化合物を含めることができる。クエン酸亜鉛は、類似の水和型で提供し得て、例えば、それは、クエン酸亜鉛三水和物、Zn(C・3HO又はクエン酸亜鉛二水和物、Zn(C・2HOとして一般に入手可能である。また、クエン酸亜鉛は、クエン酸亜鉛ナトリウム、NaZn(Cとして提供されるときもある。クエン酸亜鉛活性化合物は、口腔用組成物においていくつかのやり方で提供され得る;例えば、それは、前駆体のクエン酸と塩化亜鉛、炭酸亜鉛、又は、クエン酸と結合して望みのクエン酸亜鉛化合物を生成する他の一般的な亜鉛塩より生成することができる。
【0020】
[0021] ある態様において、本発明は、象牙質の過敏性を有する口腔表面を治療する口腔用組成物を提供する。象牙質の過敏性(象牙質過敏症としても知られる)は、典型的には、歯の象牙質を覆っている保護のエナメル質又はセメント質が失われる所で生じる。例えば、セメント質の破裂(breach)は、典型的には、セメント質の口腔への曝露により、セメント質が溶解を受けやすくなることを可能にする、歯肉組織の後退があるときに生じる。象牙質の過敏性は、しばしば、歯の曝露領域(即ち、象牙質)が低温又は高温、高濃度の酸又は糖、又は金属と接触するときに疼痛を引き起こす。歯の過敏性を抑える様々な方法が利用されてきた。一般に、象牙質の過敏性を治療するのに有効な処置は、歯垢の効果的で定期的な除去であると認められている。歯垢の頻繁で定期的な除去は、曝露された象牙質細管の唾液ミネラルからの鉱物成分再補給を可能にして、それにより疼痛の根本原因の多くを軽減する。しかしながら、この治療の方法は、疼痛を軽減するにはさほど迅速でないことが多いので、それ自体が必ずしも有効な治療経過となるわけでないし、この歯垢除去の治療方式は、象牙質の過敏性を体験している被検者にとっては、あまりに厳格であるか無効なものである。
【0021】
[0022] しばしば、象牙質の過敏性への処置は、脱感作剤を含んでなる有効成分を歯磨き剤又は医薬品のような口腔用組成物を介して適用することを伴う。口腔用組成物における脱感作剤の使用は知られていて、例えば、フッ化スズ及びナトリウム、硝酸カリウム、リチウム、又はナトリウム、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、塩化ストロンチウム、酒石酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、クエン酸ナトリウム及びカリウム、及びこれらの混合物のような有効成分が含まれる。
【0022】
[0023] ある態様において、口腔用組成物は、クエン酸亜鉛剤に加えて脱感作活性剤を含む有効成分を含む。そのような口腔用組成物において、治療は、口腔表面、好ましくは歯のそれの過敏性を抑える場合がある。過敏性を抑えることは、象牙質の過敏性に関連した疼痛及び/又は不快感が顕著に抑えられて、好ましくは、使用者が疼痛及び/又は不快感をほとんど又はまったく知覚しないほどに消失することを意味する。ある態様において、脱感作剤は、クエン酸アニオンと複合したアルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンを含む。アルカリ金属又はアルカリ土類金属のクエン酸塩には、例えば、クエン酸カリウム又はナトリウム化合物を含めてよい。
【0023】
[0024] ある態様では、クエン酸カリウム剤を口腔用組成物中の脱感作剤として使用する。クエン酸カリウム化合物はKの一般式を有して、これは水和される可能性もある。本発明に限定するわけではないが、クエン酸アニオンのアルカリ金属カチオン、特にカリウムカチオンは、曝露された細管の歯髄神経線維により産生される疼痛シグナルの伝播に化学的に干渉すると考えられている。さらに、上記に記載したように、クエン酸アニオンは、有効成分全体の抗菌効力に寄与して、それにより、(抑えなければ、象牙質過敏症の根本原因、即ち象牙質上の鉱化層の侵食へさらに寄与する可能性がある)歯垢及び歯石の形成をとりわけ抑えると考えられている。
【0024】
[0025] 様々な態様において、口腔用組成物は、1以上の追加の脱感作剤をさらに含んでよい。ある態様において、そのような追加の脱感作剤(クエン酸カリウム剤に加えて)には、上記に記載したものが含まれる、当該技術分野で知られる化合物を含めてよい。ある態様において、有効成分は、クエン酸カリウム剤と、酒石酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又はこれらの混合物より選択される第二の脱感作剤を含む。
【0025】
[0026] ある態様において、口腔用組成物はクエン酸亜鉛剤とクエン酸カリウム剤を含み、ここでクエン酸亜鉛剤のクエン酸カリウム剤に対する比は、約1:1〜約1:5である。いくつかの態様において、クエン酸亜鉛のクエン酸カリウム剤に対する比は、約1:2〜約1:3である。
【0026】
[0027] 様々な態様において、口腔用組成物は有効成分を含み、ここでクエン酸亜鉛剤は、口腔用組成物の約0.001重量%〜約5重量%、口腔用組成物の約0.01〜約3重量%、約0.1〜約3重量%、又は約1〜約2重量%の量で存在する。
【0027】
[0028] 様々な態様において、クエン酸カリウム剤は、口腔用組成物の約0.001重量%〜約10重量%、口腔用組成物の約0.1重量%〜約7重量%、約4重量%〜約6重量%、又は約5.5重量%の量で存在する。
【0028】
[0029] 様々な態様において、象牙質の過敏性を有する口腔表面を治療する方法は、クエン酸亜鉛剤及びクエン酸カリウム剤を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物とそのような表面を接触させることを含む。クエン酸亜鉛剤とクエン酸カリウム剤の特に有効な組合せは、過敏な歯の治療の改善された方法を提供する。例えば、口腔表面と口腔用組成物を接触させることは、口腔表面の過敏性だけでなく、象牙質の過敏性を引き起こす、及び/又は増悪させる状態に寄与すると考えられている、歯垢及び/又は歯石の口腔表面での形成を抑える場合がある。
【0029】
[0030] 同様に、本発明のある態様におけるクエン酸亜鉛剤とクエン酸カリウム剤の組合せは、より少ない渋みを有する口腔用組成物をもたらす場合がある。亜鉛イオン供給源を有効成分として含んでなる口腔用組成物は、きわめて渋いことが知られている。審美的に(aesthetically)望ましい口腔用組成物を提供するには、そのような渋い特性の抑制及び/又はマスキングが好ましい。さらに、ある態様によれば、クエン酸アニオン濃度の量は同じままである(クエン酸カリウムとクエン酸亜鉛の両方により寄与される)ので、抗菌効力は、クエン酸亜鉛だけを含んでなる比較組成物に比べるときに、同等のレベルのままである。それ自体では、亜鉛カチオンの相対濃度がより低くなり得るので、望まれる抗菌及び脱感作の効力を依然として維持しながら、組成物の渋みを抑えるのである。
【0030】
[0031] さらに、ある態様によれば、亜鉛イオン供給源、例えば、クエン酸亜鉛剤を含んでなる口腔用組成物は、組成物の渋みを抑えるある成分をさらに含んでよい。そのような成分には、ポリリン酸化合物、及び/又は合成アニオンの直鎖カルボキシレート(carboxylate)ポリマーが含まれる。これらの成分で渋みを抑える方法が、Prencipe et al. への米国特許第5,000,944号と Hoic et al. へのWO02/45678に考察されている。
【0031】
[0032] クエン酸亜鉛、等のような完全又は一部可溶性の亜鉛塩の渋みは、亜鉛イオンとポリリン酸化合物の複合体の形成により抑えられると考えられている。さらに、この複合体には、以下により詳しく記載するように、ポリカルボキシレートポリマーをさらに含めることができる。口腔用組成物において、歯石阻害だけでなく、亜鉛と関連した渋みのような審美的に否定的な側面の抑制が含まれる利益を提供するポリリン酸塩を開示する。本発明に有用な直鎖分子の脱水ポリリン酸化合物は、一般に、2以上の縮合リン酸分子を含む。一般に、環状ポリリン酸は、メタリン酸と呼ばれる。縮合リン酸分子におけるリン原子の数は、2(一般に、ピロリン酸と呼ばれる)〜無限(即ち、ポリリン酸)に及ぶ可能性がある。ポリリン酸塩は、一般に、その全体又は一部が中和された水溶性アルカリ金属の形態(例、カリウム、ナトリウム、又はアンモニウム塩、及びそのあらゆる混合物)で利用される。好適なポリリン酸化合物の例には、トリポリリン酸ナトリウム又はカリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム及びカリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、及びピロリン酸四カリウムがその非水和型、並びに水和型で含まれる。
【0032】
[0033] 亜鉛/ポリリン酸複合体、例えば、亜鉛/ピロリン酸;亜鉛/トリポリリン酸;及び、亜鉛/ヘキサメタリン酸複合体は、個別の有効成分剤のいずれか単独(即ち、Zn+2及びP−4(ピロリン酸)イオン)より有効である、組み合わせた抗歯石活性を提供する。ポリリン酸イオンの亜鉛イオンに対するモル比の範囲は、様々な態様において、約1:1〜約5:1、又は約2:1〜約5:1である。様々な態様において、ポリリン酸化合物は、口腔用組成物の重量の約0.01〜約5重量%、約1〜約4重量%、約1.5〜約3重量%、又は約2〜2.5重量%の量で存在していてもよい。ある態様において、ポリリン酸化合物は、ピロリン酸四カリウム(TKPP)を含む。いくつかの態様において、TKPPは、口腔用組成物の約2〜約3重量%、例えば約2.5%の量で存在する。
【0033】
[0034] 合成アニオンの直鎖ポリカルボキシレートは、亜鉛やポリリン酸化合物複合体と複合することができて、口腔用組成物内の抗菌剤、抗歯石剤、又は他の活性剤が含まれる、ある種の口腔用ケア有効成分の効力増強剤としても知られている。そのようなアニオン性ポリカルボキシレートは、一般に、その遊離酸の形態で、又は一部中和又は完全中和した水溶性アルカリ金属(例、カリウム、及び好ましくはナトリウム)塩又はアンモニウム塩の形態で利用される。用語「合成」及び「直鎖」には、カルボキシメチルセルロースやセルロース及び天然ゴムの他の誘導体、及び架橋連結により溶解性が低下したカルボポールを含んでなる、既知の濃化剤又はゲル化剤が除外される。
【0034】
[0035] 好ましい共重合体は、無水マレイン酸又はマレイン酸と別の重合可能エチレンの不飽和モノマー、好ましくは約30,000〜約5,000,000の分子量(M.W.)を有するメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)との1:4〜4:1の共重合体である。1つの有用な共重合体は、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸である。これら共重合体の例は、ISPコーポレーションより、商品名GANTREZ(登録商標)、例えば、AN139(M.W.1,100,000)、AN119(M.W.200,000);S−97 医薬品グレード(M.W.1,500,000)、AN169(M.W.2,000,000)、及びAN179(M.W.2,400,000)で入手可能なものであり;ここで好ましい共重合体は、S−97 医薬品グレード(M.W.1,500,000)である。様々な態様では、合成のアニオン性ポリカルボキシレートが口腔用組成物に約0.001〜約5重量%、約0.1〜約2.0重量%、又は約1.5重量%の量で含まれる。
【0035】
[0036] ある態様では、口腔組織において炎症を治療する方法を提供する。特に、口腔用組成物は、好ましくは、1以上の炎症メディエーターを抑えることによって口腔組織の炎症を抑える。口腔組織の炎症は、一般に、組織の損傷又は破壊により誘発される局在化した保護応答(これは、損傷性因子(injurious agent)と損傷組織の両方を破壊する、弱める、又は捕捉することに役立つ)に関連する。急性型では、それは、疼痛、発熱、発赤、腫脹、及び機能損失を特徴として、一方、慢性炎症は、新たな結合組織の形成を主に特徴とする緩慢なプロセスである。慢性炎症は、しばしば、急性炎症の継続であるか又は延長された軽度の炎症形態(歯周炎又は歯肉炎と関連する炎症のような)であり、通常、永続的な組織傷害を引き起こす。組織学的に言えば、炎症は、透過性及び血流の増加を伴う細動脈、毛細血管、及び細静脈の拡張;血漿タンパク質が含まれる体液の滲出、及び炎症部位への白血球遊走が含まれる、複雑なイベントの流れを伴う。炎症は、例えば、抗体と抗原の相互作用の結果として、又は感作白血球と抗原の作用により、好炎症性の細胞メディエーター(細胞より放出される物質)のレベルが亢進することに対応する。
【0036】
[0037] サイトカインは、特異抗原との接触時に、ある細胞集団により放出される非抗体タンパク質であり、哺乳動物の免疫系の応答を誘発する細胞間メディエーターとして作用する。「インターロイキン」は、多様なリンパ様及び非リンパ様細胞により産生される一群の多機能性サイトカインへの名称である。歯肉線維芽細胞により産生されるインターロイキン化合物の例には、インターロイキン−1β、インターロイキン−6、及びインターロイキン−8が含まれる。あるインターロイキン化合物は、プロスタグランジン、ロイコトリエン、及びトロンボキサンのような、シクロオキシゲナーゼ又はリポキシゲナーゼ酵素経路を介して産生されるアラキドン酸代謝産物の産生を刺激するらしい。これらの代謝産物は、歯肉炎、歯周炎、骨髄炎、及び他の炎症疾患における主要メディエーターとして示唆されてきた。
【0037】
[0038] 特にロイコトリエンは、破骨細胞と骨芽細胞活性の阻害剤を活性化して、歯周炎に関連した骨吸収を促進するらしい。プロスタグランジンは、局在化していて、数多くの異なる生理学的プロセスの強力なメディエーターであって、その産生には、特定のインターロイキン化合物が引き金になり得る。腫瘍壊死因子−α(TNF−α)は、感染の間に白血球により産生されるサイトカインであり、骨髄炎の間の骨吸収において重要な役割を担うらしい。TNF−αは、アラキドン酸代謝産物(プロスタグランジンE2(PGE)及びロイコトリエンのような)由来の異なるやり方で骨吸収を調節するらしい。
【0038】
[0039] 同様に、口腔用ケアの抗炎症性の有効成分も、口腔内の反応性オキシド種を抑制又は捕捉するのにある役割を担う可能性がある。活性酸素種(ROS)は、典型的には様々な生化学プロセスの間に産生されるきわめて反応性の産物である好炎症メディエーターでもあり、スーパーオキシドアニオン(O)、過酸化水素(H)、及びヒドロキシルラジカル(・OH)が含まれる。ROSの生成は、薬物や他の化学品の代謝に由来する、ミトコンドリア呼吸、免疫細胞応答、細胞損傷、発熱、多くの起源の放射が含まれる、多くの細胞プロセスの一部として起こり得る。ROSは、老化プロセスにおいてだけでなく、ほとんどすべての疾患プロセスに関与すると考えられている。病理学的状態でのROS生成の増加は、これらのきわめて反応性の分子の作用により、タンパク質を架橋連結すること、DNAを突然変異させること、及び脂質を過酸化することによって細胞傷害を引き起こすと考えられている。
【0039】
[0040] 上記に記載した好炎症メディエーターの1以上の抑制は、組織が炎症状態にあるときに、組織傷害及び/又は組織損失を予防及び/又は治療する。従って、口腔用組成物に有用な好ましい口腔用ケア有効成分は、1以上の炎症メディエーターを抑制するか又は低下させる抗炎症剤として作用してよい。ある態様では、炎症状態の口腔組織と口腔用組成物を接触させることによって、歯垢及び/又は歯石の口腔表面での形成がさらに抑えられる。従って、口腔組織中の炎症を治療する方法は、トコフェロール剤を含む有効成分を有する口腔用組成物を接触させることを含む。ある態様において、有効成分は、上記に記載したようなクエン酸亜鉛剤をさらに含む。有効成分のトコフェロール剤は、1以上の炎症性メディエーターの産生を低下及び/又は抑制して、口腔組織中の炎症を抑える場合がある。
【0040】
[0041] 本明細書に使用するように、「トコフェロール剤」は、構造的に類似した6−クロマノールの誘導体、エナンチオマー、ラセミ体、又は他の類似体のファミリーより派生するあらゆるトコフェロール化合物を意味して、合成と天然由来の化合物が含まれる。そのような化合物には、α−トコフェロール((+)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、β−トコフェロール((+)−2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、γ−トコフェロール((+)−2,7,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、δ−トコフェロール((+)−8−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、α−トコトリエノール(2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、β−トコトリエノール(2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、及びトコール(2−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)が含まれる。一般に、「ビタミンE」は、トコフェロールファミリーの生物学的に活性な化合物を意味して、上記に収載したどの2以上のトコフェロール及び/又はトコトリエノール化合物の混合物も含めることができる。さらに、トコフェロール剤は、ビタミンEのエステル型及び非エステル型、例えば、ビタミンEアセテート((+)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール−アセテート)又はd−ビタミンEアセテート(2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール−アセテート)(このいずれもα−トコフェリルの誘導体である)を含み得る。一般に、α−トコフェロールは、ビタミンEの最活性型として認められていて、本発明での使用に適しているが、いくつかの態様では、異なるトコフェロールファミリー化合物の混合物が特に有効である。
【0041】
[0042] ある態様において、口腔用組成物は、トコフェロールファミリーの少なくとも2つの別個の化合物を含むトコフェロール剤を含む。このように、ある態様において、有効成分は、トコール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、又はこれらの誘導体又は混合物より選択される少なくとも2つの別個のトコフェロール化合物を含む。他の態様において、トコフェロール剤は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、又はδ−トコフェロールより選択される少なくとも2つの化合物を含む。1つのそのような製品が、理研ビタミン株式会社(東京、日本)より、合成及び天然のα、β、γ、及びδ−トコフェロール化合物をともに含有する混合トコフェロール製品として市販されている。他の態様において、トコフェロール剤は、α−トコフェロールとγ−トコフェロールの混合物を含む。トコフェロール化合物の混合物は、抗炎症剤として特に有効である。例えば、α及びγ−トコフェロール化合物の混合物は、口腔用ケア抗炎症有効成分として特に有効であること(炎症状態の口腔組織への高い取込みが含まれる)が見出されたが、そのことはこれまで観察されていなかった。
【0042】
[0043] トコフェロール化合物を含んでなるトコフェロール剤は、口腔用組成物において、組成物全体の重量の約0.001%〜約5%、例えば約0.1%〜約2.5%、又は約0.2%〜約1%の量で存在し得る。例えば、トコフェロール剤がトコフェロールの混合物(少なくとも2つの別個のトコフェロール化合物、例えば、α及びγ−トコフェロールのような)を含む様々な態様において、それぞれのトコフェロール化合物は、口腔用組成物の重量の約0.1%〜約1%、約0.2%〜約0.75%、又は約0.3%〜約0.6%の量で存在する。
【0043】
[0044] 上記に記載の口腔用組成物のいずれでも有効成分として含めることができる、追加の任意選択の口腔用ケア化合物には、例えば、追加の抗菌剤、美白剤、追加の抗虫歯及び歯石制御剤、歯周活性剤、研磨剤、息清涼剤、口臭制御剤、歯脱感作剤、唾液刺激剤、美白剤、及びこれらの組合せが含まれる。どの所与の材料も、このような活性カテゴリーの2以上内の多数の目的に役立ってよい。本発明に有用な活性剤(actives)の例示が、Nabi, et al. への米国特許第4,894,220号、Gaffar, et al. への5,288,480号、Doyle et al. への米国特許公開公報番号2003/0206874、並びに Durga et al. への6,290,933号、及び Lawlor への米国特許第6,685,921号に開示されている。
【0044】
[0045] 本発明に有用な活性剤は、口腔用組成物において、安全で有効な量で存在していてもよい。本発明の文脈で「安全で有効な」量は、組成物を本明細書に記載のように反復して使用するときに、毒性、刺激性、又はアレルギー反応のような不当な副作用を伴うことなく、妥当な利益/リスク比と釣り合った、望ましい利益、例えば、治療、予防、栄養、又は美容上の効果を提供するのに十分な量である。このような安全で有効な量は、必ずではないが通常は、適正な規制当局により承認された範囲に該当するものである。安全で有効な量は、治療されるか又は予防することが求められる状態に望まれる特別な利益、組成物を使用するか又は投与される特別な被検者、使用の頻度及び期間、等に依存するものである。活性剤は、典型的には、組成物の重量の約0.01%〜約80%、例えば約0.05%〜約60%、約0.1%〜約50%、又は約0.5%〜約40%の全体量で存在する。
【0045】
[0046] 具体的には、有用な追加の口腔用ケア化合物には、例えば、非イオン性抗菌剤が含まれ、例えば、ハロゲン化ジフェニルエーテル[トリクロサン(2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル、トリクロカルバン(3,4,4−トリクロロカルバニリド)が含まれる]のようなフェノール系及びビスフェノール系の化合物、並びに2−フェノキシエタノール、安息香酸エステル、及びカルバニリドが含まれる。そのような追加の抗菌剤は、口腔用ケア組成物において、口腔用組成物の約0.01〜約5重量%の量で存在し得る。上記に記載の亜鉛イオン供給源とポリリン酸に追加する有用な抗歯石剤には、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、及びピロリン酸第一スズのような、スズイオン供給源が含まれる。
【0046】
[0047] いくつかの態様において、有効成分は、抗虫歯及び/又は抗歯石剤として、フッ化物イオン供給源又はフッ素供与成分を約25ppm〜5,000ppmのフッ化物イオンを供給するのに十分な量で含んでよい。フッ化物イオン供給源は、可溶性アルカリ金属塩のような無機フッ化物塩、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、フッ化アミン[オラフルル(N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−tris(2−エタノール)−ジフドロフルオリド)が含まれる]、並びにフッ化第一スズのようなスズフッ化物を含む。
【0047】
[0048] 口腔用組成物は、ビタミン、ミネラル、抗酸化剤、及び/又はアミノ酸活性化合物のような栄養素を含んでもよい。有用な栄養素には、限定なしに、ビタミン[アスコルビン酸が含まれるビタミンCの供給源が含まれる];カロテノイド[レチノール(ビタミンA)、レチナール、レチノール酸、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテン、ルテイン、リコペン、リコフィル、リコキサンチン、ロドキサンチン、アスタキサンチン、及びクリプトキサンチンが含まれる];ビタミンBの供給源[チアミン(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、ニコチンアミド及びニコチン酸(ともにナイアシンと呼ばれる)、パントテン酸(ビタミンB)、パンテノール、ピリドキシン(ビタミンB)、ピリドキサール、ピリドキサミン、葉酸、ジヒドロ葉酸、シアノコバラミン(ビタミンB12)及びビオチンが含まれる];バイオフラボノイド[ルチン、ヘスペレチン、ヘスペリジン、エリオジクチオール、クェルセチン、クェルセタゲチン、及びクェルセタギトリン(quercetagitrin)が含まれる];キノン型酵素補助因子[ユビキノン(補酵素Q10)、ピロロキノリンキノン(PQQ)、パラアミノ安息香酸が含まれる];α−リポ酸の供給源;ビタミンDの供給源[カルシフェロール及びコレカルシフェロールが含まれる];上記の塩、エステル(リン酸エステル、酢酸エステル、及び長鎖、例えば、リノール酸及びパルミチン酸のエステルが含まれる)、異性体、エナンチオマー、ラセミ体、及び互変異性体が含まれる。栄養補助剤には、アミノ酸(L−トリプトファン、L−リジン、メチオニン、スレオニン、レボカルニチン、及びL−カルニチンのような)、抗脂向性剤(lipotropics)(コリン、イノシトール、ベタイン、及びリノール酸のような)、魚油(ω−3(N−3)多価不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸のようなその成分が含まれる)、及びこれらの混合物が含まれる。
【0048】
[0049] 栄養成分は、トコフェロール剤に加えて、(a)ビタミンCの供給源;(b)カロテノイド;(c)ビタミンBの供給源;(d)バイオフラボノイド;(e)キノン型酵素補助因子;(f)α−リポ酸の供給源;又は(g)ビタミンDの供給源より選択される複数のビタミン/ビタミン様剤(vitaminoid)を含んでなるマルチビタミン複合体であり得る。
【0049】
[0050] 有効成分がトコフェロール剤を含むある態様において、有効成分は、パントテン酸/パントテノール(ビタミンB)、又はその口腔に許容される塩又はエステルを含んでもよい。ビタミンBの供給源の口腔用組成物における全体濃度は、様々な態様において、約0.005%〜約1%、約0.01%〜約0.5%、約0.03%〜約0.1%、又は約0.05%であってよい。
【0050】
[0051] ある態様において、本発明は、亜鉛塩、3以下の平均鎖長を有する直鎖のポリリン酸塩、及びカリウム塩又はビタミンの少なくとも1つを含んでなる口腔用組成物へ向けられる。ビタミンは、本開示において列挙したものを含めて、当該技術分野で知られているどのビタミンであってもよく、そしてカリウム塩は、本開示において列挙したものを含めて、当該技術分野で知られているどのカリウム塩であってもよい。ある態様において、直鎖のポリリン酸塩は、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、又はテトラポリリン酸塩である。
【0051】
[0052] 口腔用組成物は、口腔に許容される担体又は運搬体において提供してよい。担体は、洗口液、歯磨き剤(練り歯磨き、歯磨き粉、及び予防用ペースト剤が含まれる)、菓子(トローチ剤及びガムが含まれる)、医薬品、フィルムの形態、又は当業者に知られた他のあらゆる形態において、液相、半固相、又は固相であり得る。具体的な担体成分の選択は、望まれる製品形態に依存する。
【0052】
[0053] 様々な態様において、口腔用組成物は、約6〜10、又は約7〜9のpHを有する口腔に許容される担体を有する。口腔用組成物がすでに上記に記載のようなクエン酸亜鉛剤の渋みを抑えるための成分(ポリリン酸化合物のような)を含む態様では、このことが特に望ましい。pHを約6未満へ下げることは、特にクエン酸亜鉛がポリリン酸塩及び/又はポリカルボキシレートポリマーのいずれかと複合しているときに、その沈殿を潜在的にもたらす可能性がある。ある成分は、口腔用組成物のpHを高めることに役立つ。そのような化合物には、慣用の緩衝剤及び塩、並びにアニオン性の直鎖ポリカルボキシレート(上記に記載した)、および、B.F.Goodrich(オハイオ州クリーブランド)より商標名CARBOPOL(登録商標)で販売されて入手可能であるようなポリアクリレートのような化学品を含み、口腔用組成物に存在するときに、pHを高めることが観察されている。
【0053】
[0054] 慣用の成分を使用して、上記に収載した担体を生成することができる。口腔用組成物には、先に記載した成分に加えて、例えば、界面活性剤(表面活性剤のような)、乳化剤、及びフォーム調節剤、粘度調整剤及び濃化剤、湿潤剤、希釈剤、追加のpH調整剤、軟化剤、保湿剤、マウスフィール剤、甘味剤、芳香剤、着色剤、保存剤、水のような溶媒、及びこれらの組合せが含まれる、他の材料を含めてよい。どの所与の材料も、このような材料カテゴリーの2以上内の多数の目的に役立ってよい。好ましくは、そのような担体材料は、有効成分の構成因子(constituents)のすべてとの適合性及び安定性に照らして選択される。
【0054】
[0055] 有用な界面活性剤は、米国特許第4,894,220号が含まれる、上記に参照して考察した特許文献において開示される。一般に、界面活性剤は、表面活性剤、乳化剤、フォーム調節剤、及び/又は有効成分分散剤として機能し得るので、口腔用組成物の重要な側面である。従って、有効成分の構成因子との適合性に照らしたそれらの選択は、重要である。例えば、口腔用組成物がカチオン性抗菌剤を含んでなる有効成分を有する態様では、担体は、強くアニオン性ではない表面活性剤を含むことが好ましい(強くアニオン性の化合物は、カチオン性の有効成分へ結合して、そのバイオアベイラビリティを潜在的に低下させる可能性があるので)。
【0055】
[0056] 好適な界面活性剤は、広いpH範囲を通して適度に安定であり、泡立つものである。これらの化合物は当該技術分野で知られていて、非石鹸アニオン性(例、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、N−ミリストイル、及びN−パルミトイルサルコシン)、非イオン性(例、Polysorbate 20(ポリオキシエチレン20ソルビタンモノラウレート、TWEEN(登録商標)20)、及びPolysorbate 80(ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート、TWEEN(登録商標)80)、Poloxamer 407、PLURONIC(登録商標)F127の商品名でBASF社より入手可能)、カチオン性、双性イオン性(例、ココアミドプロピルベタイン及びラウラミドプロピルベタイン)、及び両性有機合成洗剤が含まれる。様々な態様において、口腔用組成物には、1以上の界面活性剤が約0.001%〜約5%、又は約0.5%〜約2.5%の範囲で存在する。脂肪親和性の活性化合物(複数)を含んでなる有効成分を口腔用組成物が含む態様では、界面活性剤の量を増加させて、口腔用組成物の担体内での有効成分の十分な乳化を可能にする。担体は、典型的には、水性である。例えば、トコフェロール剤が水性担体中に存在している態様において、界面活性剤(SLSのような)の量は、口腔用組成物の約1〜約3重量%、例えば約1.5%で存在してよい。
【0056】
[0057] 口腔用組成物が洗口液の形態である態様において、例示の担体は、実質的に液体である。用語「洗口液」には、マウスウォッシュ、スプレー剤、等が含まれる。そのような調製物において、口腔に許容される担体は、典型的には、水、又は水及びアルコール混合物のいずれかを含んでなる水相を有する。さらに、様々な態様において、口腔用担体は、典型的には、湿潤剤、表面活性剤、及びpH緩衝化剤を含有する。
【0057】
[0058] 口腔用組成物は、芳香剤を含んでもよい。例示の芳香物質は当業者に知られていて、ある態様では、約0.05重量%〜約5重量%の濃度で存在してよい。
[0059] 口腔用組成物が菓子の形態である態様において、例示の担体は、実質的に固体でも半固体でもよい。菓子の担体は、当該技術分野で知られている。トローチ剤では、担体は、典型的には、トローチ基剤の材料(例えば、非齲食原性ポリオール及び/又はデンプン/糖誘導体を含んでなる)、乳化剤、滑沢剤、芳香剤、濃化剤、及び任意選択的にコーティング材料を含む。チューインガム担体は、一般に、チューインガム基剤、1以上の可塑剤、甘味剤、及び芳香剤を担う。
【0058】
[0060] 口腔用組成物がフィルムの形態である態様において、例示の担体は、実質的には、固体又は半固体である。一般に、そのようなフィルム担体は、親水性ポリマーのような、水溶性又は分散可能性のフィルム形成剤を含む。任意選択的に、フィルム担体は、除去可能な支持層として、又は親水性フィルム形成ポリマーと混合して、疎水性のフィルム形成ポリマーを含んでもよい。フィルム担体は、可塑剤、界面活性剤、充填剤、増嵩剤、及び粘度調整剤を含んでもよい。
【0059】
[0061] 口腔用組成物が歯磨き剤の形態である態様において、例示の担体は、実質的に半固体又は固体である。歯磨き剤は、典型的には、界面活性剤、湿潤剤、粘度調整剤及び/又は濃化剤、研磨剤、水のような溶媒、芳香剤、及び甘味剤を含有する。
【0060】
[0062] 口腔用組成物が医薬品(歯肉の溝又は縁へ適用し得て、創傷包帯剤、ガーゼ剤、フィルム剤、等とともに使用し得る、非研磨性のゲル剤又は軟膏剤のような)の形態である態様において、そのようなゲル剤には、水性と非水性のゲル剤をともに含めてよい。水性ゲル剤は、一般に、ポリマー基剤、濃化剤、湿潤剤、芳香剤、甘味剤、及び溶媒(典型的には、水が含まれる)を含む。
【0061】
[0063] 様々な態様において、本発明の方法は、口腔における口腔の健康を促進して、哺乳動物被検者の口腔表面での歯垢を治療する。1つの態様において、哺乳動物被検者の口腔へ1以上の口腔健康利益を提供する方法は、有効成分がクエン酸亜鉛剤と第二剤を含む、本明細書に記載のような口腔用組成物を調製することを伴う。第二剤は、クエン酸カリウム又はトコフェロール剤であってもよい。調製した口腔用組成物を口腔内の口腔表面と接触させる。有効成分を有する口腔用組成物は、抗歯肉炎、抗歯周炎、抗虫歯、抗歯石、抗炎症、鎮痛、抗老化、及び息清涼化のような、多数の口腔健康利益を提供する場合がある。
【0062】
[0064] このように、上記に記載した口腔用ケア組成物の様々な態様のいずれも、好ましくは少なくとも1日1回、より好ましくは週に数日、そして最も好ましくは長期に連日のベースで口腔表面と接触させるか又はそれへ定期的に適用する。
【0063】
[0065] 本発明の口腔用組成物は、成分を組み合わせて口腔用ケア組成物を作製することについて当該技術分野で知られた方法のいずれによっても作製することができる。使用し得る方法の例は、そのそれぞれの内容が参照により本明細書に組み込まれる、Martin et al. への米国特許第6,403,059号、「歯科専門家のための臨床薬理学(Clinical Pharmacology for Dental Professionals)」(モスビー・イヤーブック社、第3版、1989);「モスビーの歯科衛生学:概念、症例、及び適応(Mosby's Dental Hygiene: Concepts, Cases and Competencies)」(Daniel Daniel, S., and Harfst, S., 監修、Elsevier Science Health Science Div. 2002)、及び Ernest W. Flick,「美容及び化粧用の製剤(Cosmetic and Toiletry Formulations)」第2版に示されている。
【0064】
[0066] 歯磨き剤は、典型的には、様々な塩(組成物に含まれる場合、亜鉛及びフッ化物の塩が含まれる)と甘味剤(例、サッカリン)、そしてあらゆる水溶性口腔用ケア有効成分の化合物を水へ加えて、そこでそれを混合することによって製造する。別の容器へすべての湿潤剤、ゴム剤、及びポリマーを一緒に加える。上記に記載した水ベースの混合物を、湿潤剤、ゴム剤、及びポリマーの入った容器へ加える。合わせた成分は、ゴム剤とポリマーを分散させるために、約40℃より高い温度、例えば約60℃〜約70℃へ加熱してもよい。ついで、加熱した混合物をほぼ38℃(約100°F)未満へ冷やす。次いで、この混合物を研磨剤と組み合わせて、ここでそれを真空下の高速で約15〜約20分間混合する。あらゆる脂肪親和性の有効成分をフレーバーオイル(及び/又はアルコール)へ混合する。この混合物を上記の水ベース混合物へ混合して、そこでそれを高速及び真空で混合して、十分に分散させる。表面活性剤(複数)を加えて、この混合物を再び混合して分散させる。
【0065】
[0067] ある態様において、口腔用組成物を作製する方法は、有効成分の一部としての追加の活性化合物を1以上の担体成分へ混合に先立って加えることを含む。他の態様では、そのような追加の口腔用ケア有効成分を脂肪親和性の成分とともに均質な混合物へ加える。均質な混合物を生成するために、追加の口腔用ケア活性剤を、1以上の担体成分へ加えた後でそれらを混合するか、又は混合した後で脂肪親和性の成分とともに混合物へ加えるかは、追加の有効成分の性質(例えば、それが約40℃以上へ加熱することに耐えることができるのか、そしてそれが疎水性、親水性、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性であるのか)に依存する。当業者は、上記の考察に基づいて、口腔用組成物を作製する方法において、有効成分を加えるのに適した時点を容易に決定することができる。例えば、ある態様において、口腔用ケア有効成分が可溶性の亜鉛イオン及びフッ化物イオンの供給源を含む場合、可溶性の亜鉛塩及び/又はフッ化物塩は、それらが実質的に水に溶けるので、混合に先立って1以上の担体成分へ加えることができる。
【0066】
[0068] 以下の非限定的な実施例(複数)により、本発明をさらに例示する。
実施例1
以下の成分を組み合わせることによって、本発明の歯磨き組成物を作製する:
【0067】
【表1】

【0068】
[0069] 歯磨き剤1は、抗歯垢、抗歯石、抗虫歯、及び抗炎症の口腔用組成物を提供する、クエン酸亜鉛剤、α−トコフェロール剤(ビタミンE)、パンテノール(ビタミンB)剤、及びフッ化物供与源(モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP))が含まれる有効成分を含んでなる口腔用組成物に対応する。歯磨き剤2は、少なくとも2つのトコフェロール化合物、即ちα−トコフェロール剤(ビタミンE)とα、β、δ、γ−トコフェロール化合物を含んでなる混合トコフェロール剤、並びにフッ化物供与源(フッ化ナトリウム)を含んでなる有効成分を含む。歯磨き剤2は、とりわけ、抗炎症及び抗虫歯の利益を提供する。歯磨き剤3は、クエン酸亜鉛剤、クエン酸カリウム剤、及びフッ化物供給源(ナトリウムMFP)が含まれる有効成分を含んでなる口腔用組成物であり、これは、象牙質の過敏性の低下、抗歯垢、抗歯石、及び抗虫歯の利益を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯の過敏性を有する口腔表面を治療する方法であって、クエン酸亜鉛剤及びカリウム塩を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と該口腔表面を接触させることを含んでなる、前記方法。
【請求項2】
カリウム塩がクエン酸カリウム剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クエン酸亜鉛剤がZn(Cの一般式を有する化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
クエン酸カリウム剤がKの一般式を有する化合物を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
有効成分が、酒石酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又はこれらの混合物より選択される化合物をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
クエン酸亜鉛剤のカリウム塩に対する比が約0.5:1〜約1:0.5である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
クエン酸亜鉛剤が、口腔用組成物の約0.001重量%〜約5重量%の量で存在して、カリウム塩が口腔用組成物の約0.001重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
口腔用組成物が無水マレイン酸及びポリビニルメチルエーテルの共重合体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
口腔用組成物がポリリン酸(polyphosphate)化合物をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
口腔用組成物が無水マレイン酸及びポリビニルメチルエーテルの共重合体とポリリン酸剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
クエン酸亜鉛剤及びカリウム塩を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と口腔表面を接触させることを含んでなる、渋み(astringency)を抑える方法。
【請求項12】
クエン酸亜鉛剤及びカリウム塩を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と口腔表面を接触させることを含んでなる、歯垢(plaque)又は歯石の形成、虫歯(caries)、又は口臭(malodor)を抑える方法。
【請求項13】
口腔用組成物が非イオン性ハロゲン化ジフェニルエーテルをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
口腔用組成物がトコフェロール剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
口腔用組成物が約6〜約10のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
口腔用組成物が、洗口液、歯磨き剤、菓子、医薬品、又はフィルムの形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
クエン酸亜鉛剤及びトコフェロール剤を含んでなる有効成分を含んでなる口腔用組成物と炎症口腔組織を接触させることを含んでなる、口腔組織中の炎症を治療する方法。
【請求項18】
トコフェロール剤が、トコール(2−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、α−トコフェロール((+)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、β−トコフェロール((+)−2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、γ−トコフェロール((+)−2,7,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、δ−トコフェロール((+)−8−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、α−トコトリエノール(2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、β−トコトリエノール(2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、又はこれらの誘導体若しくは混合物より選択される化合物を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
トコフェロール剤が、α−トコフェロール((+)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、及びγ−トコフェロール((+)−2,7,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
トコフェロール剤が約0.001%〜約5%の量で存在する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
クエン酸亜鉛剤及びクエン酸カリウム剤を含んでなる有効成分;及び
無水マレイン酸及びポリビニルメチルエーテルの共重合体とポリリン酸を含んでなる、抗歯垢及び脱感作(desensitizing)性の口腔用組成物。
【請求項22】
クエン酸亜鉛剤がZn(Cの一般名称式を有する化合物を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
クエン酸カリウム剤がKの一般名称式を有する化合物を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
有効成分が、酒石酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又はこれらの混合物より選択される化合物をさらに含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
クエン酸亜鉛剤のクエン酸カリウム剤に対する比が約0.5:1〜約1:0.5である、請求項21に記載の組成物。
【請求項26】
クエン酸亜鉛剤がその約0.001重量%〜約5重量%の量で存在して、クエン酸カリウム剤がその約0.001重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項21に記載の口腔用組成物。
【請求項27】
非イオン性ハロゲン化ジフェニルエーテルをさらに含む、請求項21に記載の口腔用組成物。
【請求項28】
洗口液、歯磨き剤、菓子、医薬品、又はフィルムの形態である、請求項21に記載の口腔用組成物。
【請求項29】
クエン酸亜鉛剤及びトコフェロール剤を含んでなる口腔用ケア有効成分を含んでなる口腔用組成物であって、トコフェロール剤は、トコール(2−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、α−トコフェロール((+)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、β−トコフェロール((+)−2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、γ−トコフェロール((+)−2,7,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、δ−トコフェロール((+)−8−メチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、α−トコトリエノール(2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、β−トコトリエノール(2,5,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチル−3,7,11−トリデカトリエニル)−6−クロマノール)、又はこれらの誘導体若しくは混合物より選択される少なくとも1つの化合物を含む、前記口腔用組成物。
【請求項30】
トコフェロール剤が、α−トコフェロール((+)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)、及びγ−トコフェロール((+)−2,7,8−トリメチル−2−(4,8,12−トリメチルトリデシル)−6−クロマノール)を含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
トコフェロール剤が約0.001%〜約5%の量で存在する、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
クエン酸亜鉛剤がその約0.001重量%〜約5重量%の量で存在して、トコフェロール剤がその約0.001重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項29に記載の組成物。
【請求項33】
クエン酸亜鉛剤の渋みを抑えるために無水マレイン酸及びポリビニルメチルエーテルの共重合体とポリリン酸剤をさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項34】
非イオン性ハロゲン化ジフェニルエーテルをさらに含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項35】
亜鉛塩、3以下の平均鎖長を有する直鎖のポリリン酸塩、及びカリウム塩又はビタミンの少なくとも1つを含んでなる口腔用組成物。
【請求項36】
直鎖のポリリン酸塩がピロリン酸塩である、請求項35に記載の口腔用組成物。
【請求項37】
直鎖のポリリン酸塩がトリポリリン酸塩である、請求項36に記載の口腔用組成物。

【公表番号】特表2009−521507(P2009−521507A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547775(P2008−547775)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/062499
【国際公開番号】WO2007/076444
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】