説明

クランパ収納溝の直下に冷却管を設けた射出成形装置

【課題】クランパの加熱を阻止し、クランパの保持力を一定に保ち、キャビティ内の汚染を防止した成形同時転写品用の射出成形装置を得る。
【解決手段】A金型21とB金型26からなる一対の金型、A金型のキャビティ面に転写シートを配置する第一転写シート送り装置40、A金型のパート面に突出して設けられ、第一転写シート45をクランプする第一クランパ31と、B金型のパート面に形成された第一クランパ収納溝9を備えた射出成形装置であって、第一クランパ収納溝9の直下に第一クランパ用冷却管9を設け、第一クランパ用冷却管の中を冷媒が通過する射出成形装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形同時転写品を製造するための射出成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、雌型と雄型とからなる一対の金型と、金型間に転写フィルムを送り込む転写フィルム送り装置と、雌型表面に突出して設けられたクランプバーを備えた射出成形同時転写装置が知られている。この装置を用いる成形同時転写品の製造方法では、金型間に位置付けられた転写フィルムをクランプバーと雌型表面とで挟み込んでいる。(例えば、特許文献1の図8)。また、第一転写シートと第二転写シートを使用して、成形同時転写品の両面に転写を行う成形同時転写品の製造方法が知られている。(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
従来の成形同時転写品の製造方法では、連続して成形同時転写品を製造するとクランパに熱が溜まる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−200779号公報
【特許文献2】特開2005−104007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
転写シートの接着層は、通常、熱軟化性の樹脂により製造されている。熱くなったクランパが転写シートに接触すると、クランパと転写シートが当該接着層を介して接着し、転写層がクランパに転写される。
【0006】
クランパに転写層が転写されると、クランパの転写シート保持力が一定しなくなり、成形品の連続製造に障害となる。また、クランパに付着した転写層が剥離して、キャビティ内に侵入するなどの弊害が生じる。
【0007】
解決しようとする問題点は、クランパの加熱を阻止し、クランパの保持力を一定に保ち、キャビティ内の汚染を防止する点である。
【0008】
本発明のその他の課題は、本発明の説明により明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の一の態様にかかる射出成形装置は、
A金型とB金型からなり、A金型のパート面とB金型のパート面で開閉され、キャビティを形成する一対の金型、
A金型のキャビティ面に転写シートを配置する第一転写シート送り装置、
A金型のパート面に突出して設けられ、A金型のパート面から進退し第一転写シートをクランプする第一クランパと、
B金型のパート面に溝状に形成された第一クランパ収納溝
を備えた射出成形装置において、
B金型内部に第一クランパ用冷却管を設け、第一クランパ用冷却管の中を冷媒が通過するものであり、
前記一対の金型が型閉じ状態であって、第一クランパが第一クランパ収納溝に収納された状態にあるとき、第一クランパ表面と第一クランパ用冷却管外周面の最接近箇所での互いの距離が1mm以上10mm以下であることを特徴とする。
【0010】
本発明の好ましい実施態様にかかる射出成形装置は、
A金型とB金型からなり、A金型のパート面とB金型のパート面で開閉され、キャビティを形成する一対の金型、
A金型のキャビティ面に転写シートを配置する第一転写シート送り装置、
A金型のパート面に突出して設けられ、A金型のパート面から進退し第一転写シートをクランプする第一クランパと、
B金型のパート面に溝状に形成された第一クランパ収納溝を備え、
さらに、B金型のキャビティ面に転写シートを配置する第二転写シート送り装置、
B金型のパート面に突出して設けられ、B金型のパート面から進退し第二転写シートをクランプする第二クランパと、
A金型のパート面に溝状に形成された第二クランパ収納溝を
備えた射出成形装置において、
B金型内部に第一クランパ用冷却管を設け、第一クランパ用冷却管の中を冷媒が通過するものであり、
前記一対の金型が型閉じ状態であって、第一クランパが第一クランパ収納溝に収納された状態にあるとき、第一クランパ表面と第一クランパ用冷却管外周面の最接近箇所での互いの距離が1mm以上10mm以下であり、
さらに、A金型内部に第二クランパ用冷却管を設け、第二クランパ用冷却管の中を冷媒が通過するものであり、
前記一対の金型が型閉じ状態であって、第二クランパが第二クランパ収納溝に収納された状態にあるとき、第二クランパ表面と第二クランパ用冷却管外周面の最接近箇所での互いの距離が1mm以上10mm以下であることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
以上説明した本発明、本発明の好ましい実施態様、これらに含まれる構成要素は可能な限り組み合わせて実施することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる射出成形装置は、その他の特徴とともに、クランパ収納溝の近傍に冷却管を設け当該冷却管に冷媒を通過させるものであり、クランパがクランパ収納溝内にあるときクランパの表面と冷却管の外周面間の距離が特定範囲内にあるので、射出溶融樹脂に由来する熱は、クランパに伝導することなく金型から取り除かれるという利点がある。このため、連続して成形同時転写品を製造してもクランパに熱が溜まることは無いので、クランパの保持力が一定に保たれ、キャビティ内が汚染することも無い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は第一クランパ用冷却管を具備する片面転写成形品用の第一射出成形装置1aを示した説明図である。
【図2】図2は第一クランパ用冷却管と第二クランパ用冷却管を具備する両面転写成形品用の第二射出成形装置1bを示した説明図である。
【図3】図3は第一クランパが第一クランパ収納溝に収納された状態での第一クランパ表面と第一クランパ冷却管の位置関係などを示す第一射出成形装置1aの部分断面説明図である。
【図4】図4は第一転写シート45の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例にかかる射出成形装置をさらに説明する。本発明の実施例に記載した部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
【0015】
また、部材や部品などに付した符号である数字は部品などを集合的に示す場合があり、個々の実施例において個別の部品などを示す場合に、当該数字のあとにアルファベットの添字を付けているものがある。
【0016】
図1は第一クランパ用冷却管を具備する片面転写成形品用の第一射出成形装置1aを示した説明図である。
【0017】
第一射出成形装置1aは第一クランプ装置30を備えた一対の金型と第一転写シート送り装置40からなる。一対の金型はA金型21とB金型26からなり、それぞれのパート面22と27の間で開閉する。A金型21のパート面22の中央部はキャビティ面23である。B金型26のパート面27の中央部はキャビティ面28である。キャビティ面23とキャビティ面28により形成される空間がキャビティである。
【0018】
第一クランプ装置30は、A金型21のパート面22からB金型のパート面27に向かう方向に突出して設けられた第一クランパ31を有する。第一クランパ31は、パート面22に対面している第一シート接触面32を有する。第一クランパ31は、また、B金型26のパート面27に対面している第一遊離面33を有する。
【0019】
第一クランパ31は第一ロッド34に固定されている。第一ロッド34が動くことにより、第一クランパ31はパート面22に対して進退動する。
【0020】
第一射出成形装置1aの第一クランパ31は、第一転写シート45の2辺を固定するものである。もっとも、第一クランパ31は第一転写シート45の4辺を固定するものであってもよい。
【0021】
B金型26に第一クランパ収納溝29が形成されている。第一クランパ収納溝29はパート面27に穿たれた溝である。図1中には第一クランパ収納溝29を実線で示している。A金型21とB金型26のパート面22、27が相互に当接する型閉じ状態になると、第一クランパ31は第一クランパ収納溝29に収納される。
【0022】
第一クランパ収納溝29の収納溝底面291に近接して第一クランパ用冷却管9が設けられている。図3は第一クランパが第一クランパ収納溝に収納された状態での第一クランパ表面と第一クランパ冷却管の位置関係などを示す第一射出成形装置1aの部分断面説明図である。
【0023】
第一クランパ31が第一クランパ収納溝29内部に収納された状態にあるとき、第一クランパ表面と第一クランパ用冷却管外周面5の最接近箇所での距離が1mm以上10mm以下である。以下の説明において、当該距離を距離D1と表示する場合がある。距離D1が上記の範囲にあれば、キャビティ内への射出溶融樹脂に由来するB金型の温度上昇が生じても、第一クランパ収納溝29の周辺は効率的に冷却される。このため、第一クランパ収納溝29に収納される第一クランパ31が熱せられない。
【0024】
図3において、第一クランパ表面と第一クランパ用冷却管外周面5の距離D1を矢印81で示している。距離D1の上限値は、通常10mm、好ましくは7mm、より好ましくは4mmである。距離D1の値を小さくすれば、金型の冷却に必要な時間が短時間となり、成形同時転写品の生産効率が増す。一方、距離D1の下限値は、通常1mm、好ましくは2mm、より好ましくは3mmである。距離D1が大きくなれば金型の強度低下が抑止される利点がある。
【0025】
距離D1の上限値と下限値の組み合わせは、距離D1が、通常1mm以上10mm以下、好ましくは2mm以上7mm以下、より好ましくは3mm以上4mm以下である。
【0026】
第一クランパ表面は、第一遊離面33であっても、クランパ側面35であってもどちらでもよく、第一クランパ用冷却管外周面5と最も接近する箇所での距離が上記の範囲内にあればよい。
【0027】
第一クランパ収納溝29と第一クランパ冷却管9は、互いの長手方向が相互に平行に配置されていることが好ましいが、必ずしも平行でなくてもよい。
【0028】
第一クランパが第一クランパ収納溝に収納された状態で、すなわち第一遊離面33が最もB金型26に接近した状態で、第一遊離面33が収納溝底面291に当接することが好ましい。しかし、第一遊離面33が収納溝底面291に近接していてもよい。第一クランパ用冷却管9の主たる役割は、キャビティ内に射出される溶融樹脂に由来する熱を第一クランパに伝導すること無きように、第一クランパ収納溝29の温度上昇を阻止することにあり、第一クランパの熱を直接第一クランパ用冷却管で冷却するものでは無いからである。
【0029】
第一クランパ用冷却管9の中を冷媒が通過する。冷媒は例えば水である。冷媒は、第一射出成形装置1a運転中、常時流してもよく、間欠的に流してもよい。冷媒は第一クランパ用冷却管9とその周囲の熱を取り除く作用をする。
【0030】
第一転写シート送り装置40は、第一シートロール41から第一転写シート45を巻き出して、A金型21のキャビティ面23に第一転写シート45を位置付ける。第一転写シート45は第一先ガイドローラ43と第一後ガイドローラ44に案内される。第一転写シート45は第一巻取りロール42に巻き取られる。
【0031】
図4を参照して、第一転写シート45は基材シート71の一方表面に剥離層72を形成し、剥離層72の上に部分的な図柄層73と接着層74を形成したものである。基材シート71は帯状であり、その長手方向に上記積層構造が連続して形成されている。第一転写シート45は成形品に装飾を施すものに限られず、例えば、耐磨耗性など、機能の付与や向上を図るものであってもよい。
【0032】
成形同時転写時に、転写層75、すなわち、接着層74、図柄層73と剥離層72が成形品に転写される。第一転写シート45は、上述した転写層が転写されるシートのみならず、転写層と一緒に基材シートも成形品に転写されるインサートシートであってもよい。
【0033】
第一転写シート45は、基材シート71がA金型のキャビティ面23に対面するように、転写シート送り装置にセットされる。
【0034】
第一射出成形装置1aを使用する成形同時転写品の製造方法を説明する。
【0035】
第一転写シート送り装置40によって第一転写シートの単一ショット分がキャビティに送られる。
【0036】
第一クランパ31がパート面22に向かって進む。これにより第一転写シート45が第一シート接触面32とパート面22に挟まれる。こうして第一転写シート45がキャビティに固定される。
【0037】
次に、A金型21とB金型26を型閉じする。型閉じと同時に、第一クランパ31が第一クランパ収納溝29に収納される。続いて、キャビティ内に、溶融した成形樹脂を射出する。成形樹脂射出による圧力と熱により、第一転写シート45の転写層75が成形品に転写される。同時に樹脂が成形される。このとき金型が加熱されるが、第一クランパ用冷却管9の中を冷媒が通過して熱を取り除くので、第一クランパ31が過度に加熱されることがない。
【0038】
成形品を冷却固化させた後、A金型21とB金型26を型開きし、成形品をキャビティから取り出す。引き続いて上記の操作を繰り返し行い、次の成形品を製造する。
【0039】
通常、第一クランパ31の温度が60℃を超えることが無いように、第一クランパ用冷却管9の中を通過する冷媒の温度や流量などを調整することが好ましい。
【0040】
図2は第一クランパ用冷却管と第二クランパ用冷却管を具備する両面転写成形品用の第二射出成形装置1bを示した説明図である。図1における第一射出成形装置1aと同一部品、同一部分には、同一符号を付けている。
【0041】
第二射出成形装置1bについて、主として、第一射出成形装置1aとの相違点を説明する。
【0042】
第二射出成形装置1bは、第一クランプ装置30と第二クランプ装置230を備えた一対の金型、第一転写シート送り装置40と第二転写シート送り装置240からなる。
【0043】
第二クランプ装置230は、B金型26のパート面27からA金型21のパート面22に向かう方向に突出して設けられた第二クランパ231を有する。第二クランパ231はパート面27に対面している第二シート接触面232を有する。第二クランパ231は、また、A金型21のパート面22に対面している第二遊離面233を有する。
【0044】
第二クランパ231は第二ロッド234に固定されている。第二ロッド234が動くことにより、第二クランパ231はパート面27に対して進退動する。
【0045】
A金型21に第二クランパ収納溝24が形成されている。第二クランパ収納溝24はパート面22に穿たれた溝である。A金型21とB金型26のパート面22、27が相互に当接する型閉じ状態になると、第二クランパ231は第二クランパ収納溝24に収納される。
【0046】
B金型26に第一クランパ収納溝29が形成されている。第一クランパ収納溝29はパート面27に穿たれた溝である。図2中には第一クランパ収納溝29を実線で示している。A金型21とB金型26のパート面22、27が相互に当接する型閉じ状態になると、第一クランパ31は第一クランパ収納溝29に収納される。
【0047】
第二クランパ収納溝24の収納溝底面281に近接して第二クランパ用冷却管4が設けられている。
【0048】
第二クランパ231が第二クランパ収納溝24内部に収納された状態にあるとき、第二クランパ表面と第二クランパ用冷却管外周面の最接近箇所での距離が1mm以上10mm以下である。以下の説明において、当該距離を距離D2と表示する場合がある。距離D2が上記の範囲にあれば、キャビティ内への射出溶融樹脂に由来するA金型の温度上昇が生じても、第二クランパ収納溝24の周辺は効率的に冷却される。このため、第二クランパ収納溝24に収納される第二クランパ231が熱せられない。
【0049】
距離D2の上限値は、通常10mm、好ましくは7mm、より好ましくは4mmである。距離D2の値を小さくすれば、金型の冷却に必要な時間が短時間となり、成形同時転写品の生産効率が増す。一方、距離D2の下限値は、通常1mm、好ましくは2mm、より好ましくは3mmである。距離D2が大きくなれば金型の強度低下が抑止される利点がある。
【0050】
距離D2の上限値と下限値の組み合わせは、距離D2が、通常1mm以上10mm以下、好ましくは2mm以上7mm以下、より好ましくは3mm以上4mm以下である。
【0051】
その他、上述した第一クランパ表面と第一クランパ用冷却管外周面との位置関係が、そのまま第二クランパ表面と第二クランパ用冷却管外周面との位置関係に適用される。
【0052】
第二クランパ収納溝24と第二クランパ冷却管4は、互いの長手方向が相互に平行に配置されていることが好ましいが、必ずしも平行でなくてもよい。
【0053】
第二クランパが第二クランパ収納溝に収納された状態で、すなわち第二遊離面233が最もA金型21に接近した状態で、第二遊離面233が収納溝底面281に当接することが好ましい。しかし、第二遊離面233が収納溝底面281に近接していてもよい。その理由は、第一遊離面33と収納溝底面291との当接、近接関係について述べた理由と同じである。
【0054】
第二クランパ用冷却管4の中を冷媒が通過する。冷媒の例、通過間隔などは、第一クランパ用冷却管9について説明したと同じである。
【0055】
第二転写シート送り装置240は、第二シートロール241から第二転写シート245を巻き出して、キャビティに第二転写シート245を配置する。第二転写シート245は第二先ガイドローラ243と第二後ガイドローラ244に案内される。第二転写シート245は第二巻取りロール242に巻き取られる。
【0056】
第二転写シート245の層構成は、第一転写シート45の層構成と同じである。第二転写シート245がインサートシートであってもよい点も、第一転写シート45と同じである。
【0057】
第二射出成形装置1bを使用する成形同時転写品の製造方法を説明する。当該製造方法はその大部分の工程が、第一射出成形装置1aを使用する成形同時転写品の製造方法と共通であり、ここでは相違点を主として説明する。
【0058】
第一転写シート送り装置40によって第一転写シートの単一ショット分がキャビティに送られ、第一クランパ31により、パート面22に固定される。
【0059】
同時平行して、あるいはその後に、第二転写シート送り装置240によって第二転写シートの単一ショット分がキャビティに送られる。
【0060】
第二クランパ231がパート面27に向かって進む。これにより第二転写シート245が第二シート接触面232とパート面27に挟まれる。こうして第二転写シート245がキャビティに固定される。
【0061】
つづいて、型閉じを行う。型閉じと同時に、第一クランパ31が第一クランパ収納溝9に収納され、第二クランパ231が第二クランパ収納溝4に収納される。次に溶融樹脂の射出を行う。第一転写シート45の転写層75と第二転写シート245の転写層が成形品に転写される。同時に樹脂が成形される。
【0062】
このとき金型が加熱されるが、第一クランパ用冷却管9の中を冷媒が通過して熱を取り除くので、第一クランパ31が過度に加熱されることがない。同様に、第二クランパ用冷却管4の中を冷媒が通過して熱を取り除くので、第二クランパ231が過度に加熱されることがない。
【0063】
成形品を冷却固化させた後、A金型21とB金型26を型開きし、成形品をキャビティから取り出す。引き続いて上述した操作を繰り返し、次の成形品を製造する。
【0064】
通常、第一クランパ31と第二クランパ231の温度が60℃を超えることが無いように、第一クランパ用冷却管9と第二クランパ用冷却管4の中を通過する冷媒の温度や流量などを調整することが好ましい。
【符号の説明】
【0065】
1a 第一射出成形装置
1b 第二射出成形装置
4 第二クランパ用冷却管
5 冷却管外周面
9 第一クランパ用冷却管
21 A金型
22 パート面
23 キャビティ面
24 第二クランパ収納溝
26 B金型
27 パート面
28 キャビティ面
29 第一クランパ収納溝
30 第一クランプ装置
31 第一クランパ
32 第一シート接触面
40 第一転写シート送り装置
45 第一転写シート
71 基材シート
75 転写層
230 第二クランプ装置
231 第二クランパ
232 第二シート接触面
240 第二転写シート送り装置
245 第二転写シート
281 収納溝底面
291 収納溝底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A金型とB金型からなり、A金型のパート面とB金型のパート面で開閉され、キャビティを形成する一対の金型、
A金型のキャビティ面に転写シートを配置する第一転写シート送り装置、
A金型のパート面に突出して設けられ、A金型のパート面から進退し第一転写シートをクランプする第一クランパと、
B金型のパート面に溝状に形成された第一クランパ収納溝
を備えた射出成形装置において、
B金型内部に第一クランパ用冷却管を設け、第一クランパ用冷却管の中を冷媒が通過するものであり、
前記一対の金型が型閉じ状態であって、第一クランパが第一クランパ収納溝に収納された状態にあるとき、第一クランパ表面と第一クランパ用冷却管外周面の最接近箇所での互いの距離が1mm以上10mm以下であることを特徴とする射出成形装置。
【請求項2】
A金型とB金型からなり、A金型のパート面とB金型のパート面で開閉され、キャビティを形成する一対の金型、
A金型のキャビティ面に転写シートを配置する第一転写シート送り装置、
A金型のパート面に突出して設けられ、A金型のパート面から進退し第一転写シートをクランプする第一クランパと、
B金型のパート面に溝状に形成された第一クランパ収納溝を備え、
さらに、B金型のキャビティ面に転写シートを配置する第二転写シート送り装置、
B金型のパート面に突出して設けられ、B金型のパート面から進退し第二転写シートをクランプする第二クランパと、
A金型のパート面に溝状に形成された第二クランパ収納溝を
備えた射出成形装置において、
B金型内部に第一クランパ用冷却管を設け、第一クランパ用冷却管の中を冷媒が通過するものであり、
前記一対の金型が型閉じ状態であって、第一クランパが第一クランパ収納溝に収納された状態にあるとき、第一クランパ表面と第一クランパ用冷却管外周面の最接近箇所での互いの距離が1mm以上10mm以下であり、
さらに、A金型内部に第二クランパ用冷却管を設け、第二クランパ用冷却管の中を冷媒が通過するものであり、
前記一対の金型が型閉じ状態であって、第二クランパが第二クランパ収納溝に収納された状態にあるとき、第二クランパ表面と第二クランパ用冷却管外周面の最接近箇所での互いの距離が1mm以上10mm以下であることを特徴とする射出成形装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−63005(P2011−63005A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218219(P2009−218219)
【出願日】平成21年9月20日(2009.9.20)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】