説明

クランプアセンブリを用いて円筒状エレメントを処理する装置および方法

【課題】円筒形状印刷フォームを調製するのに用いる円筒形状エレメントを処理するための処理媒体をエレメントの外側表面に提供する手段と、円筒形状エレメントの支持手段との間の接触圧を軸方向に沿って均一化する。
【解決手段】エレメントの内側表面に接触することで前記エレメントを支持する支持手段と、前記内側表面の反対側のエレメントの外側表面に隣接する処理媒体を提供する手段と、支持手段をその一端のプリセット位置に付勢し、支持手段のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ手段、または前記提供手段をその一端のプリセット位置に付勢し、提供手段のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ手段と、を具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状エレメントを処理するための装置および方法に関するものである。該装置および方法は、特に、熱処理によってエレメントから円筒状印刷フォームを調製するのに用いることができる。前記装置および方法は、特に、円筒状感光性エレメントを調製するのに用いることもできる。
【背景技術】
【0002】
フレキソ印刷版は、種々の基体上に凸版印刷を行う際に用いられることがよく知られており、明細書特許文献1および特許文献2に開示されているように、感光性組成物の層を含む感光性印刷エレメントから調製することができる。感光性エレメントは、概して、支持体とカバーシートまたは多層カバーエレメントとの間に介挿された光重合性組成物の層を有している。化学線に対する感光性エレメントの像形成用曝露(imagewise exposure)を行うと、当該曝露領域で感光性組成物の光重合が生じ、これによって層の曝露領域が硬化および不溶化する。従来は、エレメントは適切な溶液で処理され、曝露されなかった光重合性層の領域を除去して、フレキソ印刷に用いることのできる凸版が残るようにされていた。
【0003】
溶液による現像を行う代わりに、それに続く乾燥工程に費やされる時間を無くすべく、「乾式」の熱現像プロセスが用いられることもある。熱現像プロセスでは、化学線に対して像形成用曝露されている組成物層を十分な温度で吸収材に接触させることで、感光層の非曝露領域が軟化または溶融し、吸収材内に流入する。特許文献3(Burgら)、特許文献4(Cohenら)、特許文献5(Martens)、特許文献6(Martens)および特許文献7(Petersonら)を参照されたい。構成層の曝露部分は、非曝露部分に対する軟化温度では硬化したままであり、すなわち軟化または溶融することはない。吸収材は軟化した未照射材を捕集して、構成層から分離および/または除去する。
【0004】
フレキソ印刷エレメントの熱現像用処理装置は、例えば、特許文献7および特許文献8によって公知となっている。これらに開示された処理装置においては、支持体および構成層を含む被照射感光性エレメントはドラムに取り付けられ、吸収材の連続ウェブは加熱ロール(hot roll)を通過する。感光性エレメントは、最も一般的には平面すなわちプレート様の形状を有しており、ドラムによって十分に支持される。加熱ロールはドラムに対して付勢され、ウェブを平面状感光性エレメントに圧接し、ニップを形成する。熱は、加熱ロールから吸収材を介してこれに接触している感光性エレメントに伝わり、構成層の温度が十分に上昇することで、構成層の未照射部分が液化し、吸収材に吸収されるようになる。ドラムおよび加熱ロールが互いに接触して回転するので、ウェブは感光性エレメントに圧接されて液化した未照射成分を吸収した後、エレメントから離れて行く。未照射成分が除去された後、残余のエレメントは隆起した凸面の硬化領域を有することになり、これは印刷版として好適に使用される。
【0005】
平坦ないしは平面状の感光性エレメントの代わりに、継ぎ目のない感光性樹脂のスリーブあるいは所謂プレート・オン・スリーブ(plate-on-sleeves)などの円筒状感光性印刷エレメントを熱処理することも可能である。継ぎ目のない感光性樹脂のスリーブは少なくとも1つの連続したまたは実質的に連続した光重合性組成物の層を円筒状支持体上に有している。プレートオンスリーブは、円筒状支持体上に取り付けられた平坦な感光性エレメントを有している。異なる直径をもつ感光性印刷エレメントを現像することは難しく、時間がかかり、かつ高価となり得る。しかしながら、特許文献9(特許文献10)は、それらの問題を解決した円筒状感光性印刷エレメントの熱現像用装置および方法を開示している。その方法では、円筒状支持体と、その内表面の反対側で支持体に隣接する組成物層であって部分的に液化可能とされた当該組成物層と、を有する感光性エレメントを処理している。熱処理の間、感光性印刷エレメントは第1支持手段と第2支持手段との間に保持され、加熱ロールが第1支持手段に隣接するようにされることで、支持体とは反対側にある感光性エレメントの外表面を処理し、エレメントに凹凸表面を形成するようになっている。熱現像を通じ、円筒状感光性エレメントは完全には支持されておらず、装置の第1支持手段と第2支持手段とによって部分的に支持されているだけである。円筒状感光性エレメントは支持手段上にしっかりと固定されているのではなく、所謂「ルーズフィット(loose-fit)」の形態で処理される。ルーズフィットの形態では、円筒状感光性エレメントは支持手段に完全には接触および支持されておらず、内側表面の一部またはいくつかの部分が支持手段に接触および支持されているだけである。加熱ロールと支持手段との間にはニップが形成される。
【0006】
種々寸法の円筒状印刷エレメントの装置への取り付けを容易にするために、加熱ロールに隣接する支持手段の一端を固定し、装置の側部すなわちサブフレームから片持ち支持されるようにすることで、印刷エレメントを他端に着脱できるようになっている。特許文献9は、支持手段の他端はサブフレーム上の固定具(fastener)に対して連結および連結解除されることを示しているものの、その固定具についての記載はない。同文献はまた、処理の間、エレメントの幅を通る(across)方向(すなわち軸長方向)のニップで一様な、もしくは実質的に一様な圧力を加えることが望ましいことを示している。圧力は、吸収材を付勢してエレメントに密接させるべく、かつ、吸収材によるエレメントからの未照射成分の除去を増進するべく加えられるものである。
【0007】
しかしながら、熱現像の間に、ニップ部でのエレメントの吸収材との接触により、支持手段および/または加熱ロールに撓みや屈曲が生じるという問題がある。吸収材を付勢してエレメントに密接させるための加圧は、支持手段および/または加熱ロールが呈する撓みや曲げに影響を及ぼし得る。支持手段および/または加熱ロールの撓みは、エレメントの軸長に沿って加えられる圧力が一様でなくなるような程度のものともなり得る。いくつかの場合には、第1の支持手段および加熱ロールが曲がり、印刷エレメントの幅を横切るニップの圧力プロフィールが、両端では高く、中央部では低くなってしまうことがある。不均等な圧力が作用すると。不均一な高さの凹凸部をもつ印刷フォームの凹凸構造が生じる原因となるので、ニップを横切る方向に均等な圧力が確実に作用するようにすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,323,637号明細書
【特許文献2】米国特許第4,427,759号明細書
【特許文献3】米国特許第3,060,023号明細書
【特許文献4】米国特許第3,264,103号明細書
【特許文献5】米国特許第5,015,556号明細書
【特許文献6】米国特許第5,215,859号明細書
【特許文献7】米国特許第5,279,697号明細書
【特許文献8】米国特許第6,797,454号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2006/0104675号公報
【特許文献10】欧州特許第1657593号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2006/0027113号公報
【特許文献12】特開2004−0048199号公報
【特許文献13】特願昭53−008655号公報
【特許文献14】第5,175,072号明細書
【特許文献15】国際公開第98/13730号公報
【特許文献16】米国特許第5,301,610号明細書
【特許文献17】米国特許6,773,859号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、関連技術の問題を解決し、円筒状エレメントの処理を行うための既存装置、特に円筒状エレメントの熱現像による処理を行うための装置を改善する必要がある。とりわけ、処理を通じ支持手段と加熱ロールとの間のニップで円筒状印刷エレメントに加わる接触圧を分散させる解決策を講じる必要がある。処理される円筒状エレメントの幅を横切るニップで圧力の差が生じないようにし、一様な圧力プロフィールを生成または維持して、所望の均一な凹凸部深さをもつ印刷フォームが確実に得られるようにする必要がある。加圧接触に応じエレメントを間に挟むニップを形成する1以上の対向構造物の撓みや曲げを補償する解決策を講じる必要がある。その解決策は、特に1以上の対向構造物の少なくとも1つが片持ち支持されて処理用装置に対するエレメントのアクセスを可能にする場合において、処理の間にエレメントを支持する1以上の対向構造物の撓みや曲げを最小にするものでなければならない。加えて装置は、種々寸法の円筒状エレメントの容易な、または自動の取り付けおよび取り外しを行う能力を持つよう、1側部にアクセス部を有していなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、円筒状エレメントを処理するための装置を提供するものであり、該装置は、前記エレメントの内側表面に接触することで前記エレメントを支持する支持手段と、前記内側表面の反対側の前記エレメントの外側表面に隣接する処理媒体を提供する手段と、を含み、前記支持手段が軸方向の長さを有したものであり、前記提供手段が前記処理媒体と前記支持手段の軸長方向に沿った前記外側表面との間の接触ニップを形成するに適した長さを有している。前記装置はまた、前記支持手段をその一端のプリセット位置に付勢し、前記支持手段のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ手段、あるいは、前記提供手段をその一端のプリセット位置に付勢し、前記提供手段のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ手段を含んでいる。
【0011】
本発明の他の形態は、円筒状エレメントを処理するための方法を提供するものであり、該方法は、軸方向の長さを有した支持部材を前記エレメントの内側表面に接触させることで前記エレメントを支持する工程と、接触部材を用いて前記内側表面の反対側の前記エレメントの外側表面に隣接する処理媒体を提供する工程であって、前記接触部材が前記処理媒体と前記支持部材の軸長方向に沿った前記外側表面との間の接触ニップを形成するに適した長さを有している当該提供工程と、前記支持手段をその一端のプリセット位置に付勢し、前記支持部材のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ工程、あるいは、前記提供部材をその一端のプリセット位置に付勢し、前記提供部材のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ工程と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、円筒状印刷フォームを調製するのに用いる円筒状エレメントを処理するための処理媒体をエレメントの外側表面に提供する手段と、円筒状エレメントの支持手段との間の接触圧を、軸方向に沿って一様化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】円筒状エレメントを処理するための装置の一実施形態の正面図であり、バイアス手段をプリセット位置に付勢することのできるクランプ手段の一実施形態を示している。
【図2】クランプ手段の一実施形態の模式的側面図であり、クランプ手段が開放されて支持手段の端部を保持している状態を示している。
【図3】クランプ手段の一実施形態の模式的側面図であり、クランプ手段が閉鎖されて支持手段をプリセット位置に付勢することができるようになっている状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明を通して、すべての図面における同様の参照符号は同様の要素を示すものとする。
【0015】
本発明は円筒状エレメントを処理するための装置および方法に関連している。一実施形態においては、円筒状エレメントは感光層を含んでおり、前記装置および方法は、円筒状感光性エレメントを熱現像することで処理し、フレキソ印刷フォームないし活版印刷などの印刷に適した凸版構造を生成するのに有用である。装置は、部分的に液状化可能な組成物の層を有する感光性エレメントを、何らかの目的のために層の少なくとも一部が溶融または軟化または液化するに十分な温度まで加熱することが可能である。他の実施形態では、円筒状エレメントは円筒の支持体であり、装置および方法は、層の形成または支持体の外側表面に存在する層の改質を行って円筒形状感光フォームを生成するのに有用なものである。装置は、感光性組成物の層またはその他の機能層を適切な手段によって形成することができるものである。該手段は、積層、押し出し、カレンダ加工および被覆を行って未硬化または生の状態の円筒形状感光フォームを生じさせるものを含むが、しかしこれらに限られるものではない。未硬化の円筒形状感光性フォームは、続いて曝露および現像などを行う何らかの手段により操作され、凸表面を有する印刷フォームが形成される。円筒形状エレメントはまた、本明細書において円筒状エレメントあるいは単にエレメントとして参照されることもある。円筒状エレメントは、管状すなわち細長い中空の円筒である。円筒状エレメントは、中空のエレメントを通る長手方向軸に沿って取った軸方向長さを有している。円筒状エレメントの軸方向長さは、本明細書においてエレメントの幅として参照されることもある。円筒状エレメントは内側表面の周(長)である内周を有している。
【0016】
本発明装置の一実施形態において、円筒状エレメントは支持手段の支持部材に、その内側表面が完全に接触または支持されるよう(ないしは、実質的に完全に接触または支持されるよう)、取り付けることができる。この実施形態では、支持部材は円筒形状であり、円筒形状エレメントの内周と等しい、または実質的に等しい外側表面の周長を有している。円筒状エレメントは、支持部材に直接取り付けられたものとすることもできるし、支持部材に取り付けられたアダプタに取り付けられたものとすることもできる。取り付け時における支持部材および/またはアダプタの外側表面上での円筒状エレメントの軸方向移動を円滑にするために、支持部材および/またはアダプタの外側表面にエアを供給して、エレメントが十分に膨張することで所定位置に摺動する一方、エア供給が解除されたときには好適な嵌合(例えば締まり嵌め)状態が得られるようにすることもできる。あるいは、円筒状エレメントがまずアダプタスリーブ状の嵌合部を滑動してから、支持部材の外側表面に供給されるエアを使用することで、アダプタスリーブがエレメントとともに支持部材上に取り付けられるようにすることも可能である。この場合において、円筒状エレメントの内側表面の第1の部分が、円筒状エレメントの内側表面の全体もしくは実質的な全体をなすことになる。
【0017】
本発明装置の他の実施形態では、円筒形状エレメントは、処理の間ドラムあるいはアダプタなどの支持円筒にしっかりと固定されるのではなく、所謂「ルーズフィット」の形態で処理される。ルーズフィットの形態では、円筒状エレメントは支持部材に完全には接触および支持されておらず、内側表面の一部またはいくつかの部分が支持手段に接触および支持されているだけである。ルーズフィットの形態の一例では、円筒状エレメントの内側側面の周の一部分が支持手段に接触または支持されており、エレメントは支持されていない一部の内側表面を有するものとなっている。ルーズフィットの形態の他の例では、円筒状エレメントの内側側面の周の2以上の部分が第1および第2支持手段に接触または支持されており、エレメントは第1および第2支持手段に関してバンド状に存在しているものとなっている。円筒状エレメントは、支持部分の間に、支持されていない1以上の内側表面の部分を有している。ルーズフィットの形態は、直径毎に特別な支持円筒(すなわちドラム)を必要とせずに、異なる直径(すなわち内周長)をもつ円筒状エレメントを同じ装置上で処理するための容易な手法を提供する。このルーズフィットの形態は、円筒形状支持体が可撓性スリーブであり、そのスリーブ上に連続した光重合性層を含んでいる円筒形状感光性エレメントを熱処理する場合に特に有用である。ルーズフィットの形態で円筒形状印刷エレメントの熱現像を行うために好適な装置は、特許文献9(特許文献10)に記載されている。本発明の装置においてエレメントを支持するための手段は、特許文献9(特許文献10)に開示されたような装置の第1支持手段および/または第2支持手段であってもよいことを理解すべきである。
【0018】
本発明の装置および方法は、軸方向の長さを有し、エレメントの内側表面の第1の部分で接触することでエレメントを支持する手段と、内側表面の反対側の前記エレメントの外側表面に隣接する処理媒体を提供する手段であって、処理媒体と支持手段の軸長方向に沿った外側表面との間の接触ニップを形成するに適した長さを有している当該提供手段と、支持手段のためのクランプ手段および/または提供手段のための支持手段と、を含む。一実施形態において、クランプ手段は支持手段をその一端のプリセット位置に付勢し、支持部材のまわりを開放または閉鎖するのに適合している。他の実施形態では、クランプ手段は提供手段をその一端のプリセット位置に付勢し、提供手段のまわりを開放または閉鎖するのに適合している。
【0019】
支持のための手段は、装置におけるエレメントの処理の間に円筒状エレメントを支持する。支持のための手段は、エレメントの内側表面の第1の部分を支持し、処理が行われている間、対向部材、すなわち接触部材などの処理媒体を提供するための手段に接触させる加圧時の荷重に抗する。支持手段はエレメントの内側表面の第1の部分すなわちセグメントに節足する外側表面を含んでいる。いくつかの実施形態において、支持手段の外側表面はアーチ形状を有している。支持手段は支持部材を有し、これは例えばドラム、ローラ、マンドレルおよびプラットフォームとすることができるが、しかしこれらに限られるものではない。支持部材を含んだ支持手段は、軸方向の長さを有しており、円筒状エレメントが着脱される第1端と、処理時に支持部材を回転させる駆動部に結合する第2端とを有する。支持手段の第1端および第2端のそれぞれで、シャフトにベアリングを取り付けることで、円筒状エレメントの処理時に支持部材の回転が可能となる。支持手段の少なくとも第1端で支持手段がクランプ手段に係合しているので、ベアリングはシャフトの第1端に位置づけられて、クランプ手段のクランプ具(clamp fixtures)の各々に一致する。シャフト上に用いられて好適なベアリングは限定されない。いくつかの実施形態では、ベアリングは自動調心性の(すなわち球状の)内部構造を含んでいてもよく、これによれば、軸方向に非直線状の(すなわち屈曲した)プロフィールをもつ供給手段を荷重下に置くことも可能となる。
【0020】
一実施形態において、支持手段の支持部材は装置のサブフレーム上で回転するべく取り付けられたローラであり、その一端がサブフレームにしっかりと保持されるとともに駆動モータに接続されてローラの回転が生じるようになっている。他の実施形態では、支持手段の支持部材は装置のサブフレーム上で回転するべく取り付けられたローラであり、その一端が第2のクランプ手段にしっかりと保持されるとともに駆動モータに接続されてローラの回転が生じるようになっている。ローラを固定端で片持ち支持し、円筒状エレメントの着脱が容易となるようにすることができる。固定端とは反対側のローラの他端は、クランプ手段に係合する。
【0021】
ローラのみの場合よりも大きな最大反復長(repeat length)を実現する目的で、支持部材(例えばローラ)にアダプタスリーブを付加的に取り付けることも可能である。アダプタスリーブはローラに補助表面(alternative surface)を提供し、現像プロセスにおいて補助を行うことができる。アダプタスリーブはまた弾性的ないしは圧縮可能な表面を提供することが可能であり、これにより感光性エレメントにおける凸形状を助けるものとなる。一実施形態においては、ローラはエアシャフトであり、これはローラの外側表面に空気を供給する放射状の通路を有している。外側表面に空気を供給することは、ローラの軸方向に沿った、またはローラのまわりの回転方向の付加的アダプタスリーブの移動に有用である。装置は空気圧システムを含むことができる。一実施形態において、空気圧システムは一般にエアシャフトの端部に接続され、圧縮空気源または発生器からの空気をローラ内の空洞部に供給し、通路を通して外側表面に導くものである。外側表面に空気を供給するための他の実施形態は、当業者であれば予測できる範囲のものである。印刷スリーブやブリッジスリーブを印刷円筒体に取り付けるのと同じ方法または同様の方法で、付加的なアダプタスリーブをエアシャフトに取り付けることができる。エアシャフトとアダプタスリーブとの組み合わせを、以下では「フォーマットシリンダ」として参照する。
【0022】
本発明装置は、第2支持手段を付加的に含むことができ、これは、円筒形状エレメントの内側表面の第1の部分とは異なるエレメント内側表面の第2の部分を支持するものである。第2支持手段は、処理の間にエレメントを支持する、および/または、張るために用いることができる。付加的な第2支持手段は、内側表面の第2の部分と接触する外側表面を含む。いくつかの実施形態では、第2支持手段の外側表面はアーチ状を有し、Tefron(登録商標)フッ素化ポリマーなどの減摩材で処理または被覆されたものとすることができる。第2支持手段は例えばドラム、ローラ、マンドレルおよびプラットフォームを含むことができるが、しかしこれらに限られるものではない。
【0023】
本発明は、第1の支持手段および第2支持手段を含み、第1の部分とは異なる円筒形状エレメントの内側表面の第2の部分を支持する特許文献9の処理装置に有用なものである。円筒状エレメントは、第1の支持手段および第2支持手段の双方によって部分的に支持される。本発明の支持手段は、特許文献9に開示されたような第1の支持手段および第2支持手段とすることができる。いくつかの実施形態において、本発明装置は、特許文献9に開示されたような第1の支持手段および第2支持手段の双方を含み、本発明の支持手段は、特許文献9の第1の支持手段である。
【0024】
処理媒体を提供するための手段は、支持手段(これは円筒形状エレメントを支持している)に隣接して配置され、または配置することが可能であり、処理媒体を提供するための手段は、内側表面とは反対側の円筒形状エレメントの外側表面に隣接するようにされる。装置は、円筒状エレメントを支持するための手段と処理媒体を提供するための手段との間で相対移動する手段を含むことができ、これにより円筒状エレメントの外側表面に隣接して処理媒体を位置づけることができる。相対移動する手段は、処理媒体および/または円筒状エレメントの提供手段または供給手段としても参照される。いくつかの実施形態においては、処理媒体を提供する手段は、支持手段に対して移動しない。支持手段上の円筒状エレメントは、供給手段により処理媒体に向けて移動可能である。他の実施形態では、処理媒体の提供手段が支持手段上の円筒状エレメントに向けて移動可能である。円筒状エレメントと処理媒体とを互いに隣接させる装置を備えることは、当業者であれば予測できる範囲のものである。一実施形態では、支持手段および/または処理媒体の提供手段は、1以上のアクチュエータの付勢によって移動する1以上のキャリッジの1以上のプラットフォームまたは1以上の梁に取り付けられる。1以上のアクチュエータとしては、空気圧シリンダ、ステップモータ、サーボモータなどが好適である。処理媒体と円筒状エレメントの外側表面とが互いに隣接するようにされ、または供給手段によって接触したとき、処理媒体の提供手段と支持手段との間にニップが形成される。
【0025】
本発明装置はまた、処理媒体の提供手段がその機能を果たすのに十分な圧力をもって円筒状エレメントと処理媒体とが接触するようにするための手段を含む。いくつかの実施形態では、組成物層の液状化した材料の少なくとも一部が現像手段に吸収されるのに十分な圧力が加えられる。接触部材が支持手段に隣接すると、エレメントと接触部材との間にニップが形成され、エレメントと接触部材との間に現像媒体が介在した状態となる。現像媒体を円筒状エレメントに密接させるために圧力が加えられる。いくつかの実施形態では、処理媒体を提供する手段の接触部材を介して、ニップの部位に圧力が加えられる。現像媒体の供給手段として用いられる加圧シリンダは、接触部材を現像媒体とともにエレメントに対して押圧する手段としても機能する。あるいは、供給手段が圧力提供手段とは独立して機能するものであってもよい。エレメント表面から現像媒体への吸収を増進する上で、ニップ領域には約0.70kg/cm2〜約24kg/cm2の圧力、好ましくは約2kg/cm2〜約10kg/cm2の圧力が作用するのが適切である。他のいくつかの実施形態においては、成分材料の層が円筒形状支持体に付与または形成されるのに十分な圧力が加えられる。
【0026】
いくつかの実施形態では、処理媒体の提供手段は処理媒体を円筒状エレメントに供給する接触部材を含んでいる。この場合において、処理媒体は、熱処理または熱現像時に、円筒状エレメントから未硬化の材料を除去する、または吸い取る(blot)、または吸い上げる(wick)現像媒体である。接触部材は、装置のサブフレーム(図示しない)に回転可能に取り付けられるものであってもよい。一実施形態では、接触部材はエレメントの外側表面に対して現像媒体を移送するローラである。処理媒体を提供する手段はまた、特許文献11に開示されたような、エレメントの外側表面に接触するよう現像媒体を支持する非回転面を接触部材がもつ実施形態を含むこともできる。接触部材が非回転面をもつことには、コストを低減し、装置の製造、操作および維持を簡単化できるという利点があり、装置の使用方法についても同様である。接触部材の断面形状は、例えば、楕円形状、凸面および凹面を含むアーチ形状、放物線形状、円形状、半円形状、楔形状、三角形状、四角形状およびその他の多角形状とすることができるが、これらに限られるものでもない。接触部材は中実なものであってもよいし、接触部材の加熱源を収納する、または加熱流体を循環させるための空洞部(不図示)を含むものでもよい。接触部材はまた、その重量を最小限にするための、および/または、その熱質量を最小限にして温度変化に対する迅速な応答性をもつようにするため、ないしは望ましくない位置での熱損失を最小限にするための空洞部を有していてもよい。接触部材を構成するための材料としては、熱処理に関連した温度で熱歪に抵抗できるものであればよいが、これに限られるものでもない。
【0027】
他の実施形態では、処理媒体を提供する手段は、円筒形状エレメントの外側表面に処理媒体を付与することでエレメント上に媒体の層を形成する手段を包含している。この場合、処理媒体は、外側表面上に層形成されたときに、円筒形状エレメントに付加的な、または異質の、または改質された機能を提供する成分の材料である。付与手段としては、積層、押し出し、カレンダリングおよびコーティングを含むことができるが、これらに限られるものでもない。成分の材料は感光性のあるもの、すなわち化学線に対し反応するものであってもよいし、非感光性のものでもよい。いくつかの実施形態においては、成分の材料を付与する手段は、円筒状エレメント(すなわち支持体)に感光層を発生させることで未硬化すなわち未加工状態の円筒形状感光フォーム(これは続いて凹凸表面を有する印刷フォームを生成するべく操作されるものである)を生成する。他のいくつかの実施形態においては、成分の材料を付与する手段は、付加的または異なる成分の材料を円筒状エレメントの円筒形状感光層の外側表面に付与することで、円筒形状印刷フォームの外側表面を改質する。
【0028】
いくつかの実施形態においては、熱現像と部分的に関連して、本発明の装置が円筒状エレメントの外側表面を処理する手段をさらに含み、該手段は、組成物の層の未硬化部分に適した温度にエレメントを加熱することで、液状化すなわち軟化または流動化を生じさせるものである。組成物の層の硬化部分から未硬化部分を除去するためには、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8に記載されたような、吸収材に接触を行わせる手法のいずれも用いることができる。処理媒体は吸収体および現像媒体を包んでいる。処理媒体を提供する手段の接触部材を加熱することができ、従ってこれは加熱によりエレメントを処理する手段としても考えることができる。次の処理手段がニップ接触をもたらした結果、対向構造が不均一な圧力プロフィールを有し得る範囲に対しては、本発明は、加圧した気流または液体流により組成物の層の未硬化部分を除去する、他の円筒状エレメント処理手段を含むこともできる。これは、特許文献12に記載されている。真空によるものとしては、特許文献13に記載されたものがある。
【0029】
一実施形態においては、本発明は、支持手段の一端と係合し、支持手段をプリセット位置に付勢するするクランプ手段を含んでいる。クランプ手段は、対向接触部材との接触による圧力または荷重の作用に応じて生じ、ニップ部での不均一な加圧状態をもたらし得る支持部材の撓みや屈曲を補償する。クランプ手段は支持手段と係合してこれを付勢することで、ニップを形成する対向構造間、すなわち支持部材と接触部材との間の円筒形状エレメントの接触ニップに沿って、一様または実質的に一様な加圧状態を維持する。クランプ手段は支持手段の一端を囲むのに適したものとなっているので、クランプ手段は支持手段に係合する。支持手段の一端に係合したとき、また支持手段の他端がしっかりと保持されることとも相俟って、支持手段を付勢することが可能となる。クランプ手段は、円筒状エレメントが支持手段上に適切に支持されるようにするために支持手段の少なくとも一端と係合するだけでなく、クランプ手段は、支持手段をプリセット位置に付勢するに十分な力を提供する目的でも支持手段の少なくとも一端を保持する。支持手段のプリセット位置は支持手段の軸長方向上の位置であり、対向接触部材との接触(加圧)に先立って設定または確立される。いくつかの実施形態では、装置は支持手段の一端上にのみクランプ手段を含むことができる。他の実施形態として、装置が支持手段の各端にクランプ手段を含むようにすることもできるが、開放および閉鎖に適合するようにする上では、単一のクランプ手段とするのがよい。
【0030】
クランプ手段は、支持手段の両端が装置に固定ないししっかりと締結されていた従来技術の実施形態を超えて、ニップ部の圧力プロフィールの均一性を改善する。クランプ手段は、支持部材と接触部材とのニップ部で軸方向に沿って(すなわち圧力プロフィールにおいて)、少ない、または小さい、または差のない圧力が生じるように一様または実質的に一様な加圧状態を提供するだけでなく、装置に対し円筒状エレメントを容易に着脱できるようにするものである。いくつかの実施形態においては、支持部材の軸長方向がニップ部で対向部材の軸長方向と平行または実質的に平行である場合には、圧力プロフィールが一様または実質的に一様であると考えられる。
【0031】
クランプ手段は、対向構造との加圧接触時に、支持手段の軸長方向を剛にまたは実質的に剛にプリセット位置に維持することができ、クランプ手段が存在しない場合に支持手段に生じる撓みの度合いを制限する。いくつかの実施形態においては、クランプ手段は端から端までまっすぐなプリセット位置に支持手段を維持し、支持手段の軸長方向を直線状にし、弓なりになったり曲がったりしないようにしている。この場合、クランプ手段は支持手段をプリセット位置に維持することで、対向構造との加圧接触時において、支持手段の軸長方向が弓なりになったり曲がったりしないようにするか、もしくはこれらが生じても僅かなものであるようにしている。たとえ支持手段の軸長方向が僅かに弓なりになったり曲がったりしたとしても、支持手段の撓みは、クランプ手段が存在しない場合よりも小さくなり、円筒状エレメントのニップにおける圧力プロフィールの均一性が改善される。他の実施形態においては、クランプ手段は端から端まで(予)屈曲した位置に支持手段を維持し、支持手段の軸長方向が弓形ないし屈曲形状となるようにしている。この他の実施形態のいくつかの場合、対向構造との加圧接触時において、クランプ手段は支持手段を予屈曲位置に維持または実質的に維持することができる。すなわち接触時に、支持手段は予屈曲位置に保持されるか、または予屈曲位置から僅かに屈曲が少なくなった状態となって、接触部材の軸長方向が支持部材の予屈曲位置に一致するようになる。この他の実施形態のいくつかの場合、クランプ手段により支持手段がその予屈曲位置から変化することが可能となり、対向構造との加圧接触時において、支持手段の軸長方向がもはや弓形ないし屈曲形状とならないようにすることができる。すなわち接触時に、支持部材の軸方向位置が変化し、接触部材の軸長方向位置と一致するようになる。本明細書に記載される支持手段のプリセット位置のすべての実施形態において、クランプ手段は支持手段を付勢し、対向構造との加圧接触時において、円筒状エレメントのニップ部の圧力プロフィールを一様または実質的に一様にするようになっている。
【0032】
クランプ手段は、分離した少なくとも2つのクランプ具を有するクランプアセンブリを含んでいる。多くの実施形態では、クランプアセンブリは2つのクランプ具、すなわち第1のクランプ具および第2のクランプ具を含む。いくつかの実施形態では、クランプ手段は、これらクランプ具を引き離し、第1のクランプ具が第2のクランプ具から距離をおいて位置するようにすることで、支持手段をプリセット位置に付勢することができる。主として、この実施形態は支持手段の剛性を高めることを目的とし、支持手段の撓みないしは過度の反りを最小化するものである。他の実施形態では、クランプ手段は、クランプ具の一方をシミングして支持手段をプリセット位置に付勢し、一方のクランプ具から他方のクランプ具まで支持手段のシャフトが存在している高さに差が生じるようにすることができる。主として、この実施形態は、対向部材の軸方向に沿って整合性を維持することを目的としたものである。いずれの実施形態もニップの軸長方向に沿った圧力の均一性を維持する上での有用性を提供できる。いくつかの実施形態は2つのクランプ具の分離した位置づけおよびシミングの組み合わせを用いて支持部材が十分に付勢されるようになし、これによってニップの軸長方向に沿った圧力の均一性が維持されるようにしている。クランプアセンブリの分離したクランプ具間のシミング高さおよび/または距離は、当業者によく知られているように、支持部材のスチフネス、支持部材をプリセット位置に維持するのに必要な力、ベアリングの間隔、シャフトの全長などのファクタに基づいて選択されるが、これらに限られるものでもない。
【0033】
クランプ手段は支持手段の第1の端部のまわりを開放および閉鎖するべく適合しており、これにより装置の一側部での円筒形状エレメントの取り付けおよび交換が容易となる。クランプアセンブリの各クランプ具は互いに結合する上側ブラケットおよび下側ブラケットを一端部に含んでおり、該端部は、ヒンジの態様で上側ブラケットおよび下側ブラケットを離隔および結合させるのに適合している。円筒状エレメントの着脱時には、上側ブラケットおよび下側ブラケットは互いに離隔し、クランプ具は開放位置にある。円筒状エレメントの操作時、すなわち処理時や処理媒体の提供時には、上側ブラケットおよび下側ブラケットは互いに結合し、クランプ具は閉鎖位置にある。上側ブラケットおよび下側ブラケットの各々は、クランプ具が閉鎖位置にあるときに互いに接触することになる結合側部を有している。上側ブラケットおよび下側ブラケットの各々の結合側部は半円筒形状の凹部を含んでおり、これは上側ブラケットおよび下側ブラケットの結合時においてシャフトまたは支持手段の端部と係合する通路を形成する。支持手段の端部上のベアリングの各々がシャフト上に位置決めされ、クランプ手段のクランプ具の各々の通路に結合する。凹部により生成される通路は、ベアリングの外輪のまわりに十分に適合するように寸法が定められている。各クランプ具はまた、上側ブラケットおよび下側ブラケットがヒンジ端とは反対側の端部で互いにロックされるようにするための手段を含んでいる。ブラケットのロック手段がクランプ具を支持する手段の端部またはシャフトをしっかりと捕捉または保持することで、支持手段のプリセット位置への付勢が補助される。
【0034】
クランプ手段のシミングの一実施形態では、クランプアセンブリの第1クランプおよび第2クランプを互いに関連して位置づけることで、支持手段またはシャフトが存在するクランプ具の各々の凹部の高さを異ならせるようにすることができる。クランプアセンブリの第1クランプ(すなわち、図1における外側のクランプ具7A)の下側ブラケットの凹部は、プラットフォームの上面からプラットフォームに最も近い凹部のポイント(すなわち凹部の最低部)までの高さh1を有している。クランプアセンブリの第2クランプ(すなわち、図1における内側のクランプ具7B)の下側ブラケットの凹部は、プラットフォームの上面からプラットフォームに最も近い凹部のポイントまでの高さh2を有しており、これは第1クランプ具の凹部の高さh1とは異なっている。この実施形態では、第1クランプ具の凹部の高さh1は第2クランプ具の凹部の高さh2より大となっている。他の実施形態では、第1クランプ具の凹部の高さh1は第2クランプ具の凹部の高さh2より小とされる。h1およびh2の差は所望の予屈曲度合いに従う。いくつかの実施形態では、第1クランプ具の高さh1と第2クランプ具の高さh2との差を、例えば50μm〜1000μmの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、高さh1と高さh2との差を、100μm〜500μmの範囲とすることができる。h1とh2の高さに差をつけることは、例えば、プラットフォーム上の第2クランプ具の下側ブラケットを第1クランプ具の下側ブラケットよりも低く位置づけること、または第1クランプの下側ブラケットのシミングを行うことによって実現できる。
【0035】
支持手段(例えばフォーマットシリンダ)に関連してクランプ手段を説明したが、クランプ手段を処理媒体の提供手段に用いることも可能であることは勿論である。その場合、他の実施形態として、本発明は、提供手段とその一端で係合し、提供手段をプリセット位置に付勢するクランプ手段を含む。処理媒体の提供手段と組み合わされたクランプ手段は、上述した支持手段に対するクランプ手段と同じまたは実質的に同じ設計および機能のものとすることができる。同様に装置は、処理媒体の提供手段の一端または両端にクランプ手段を含むことができる。処理媒体の提供手段上のクランプ手段は、提供手段とその一端で係合し、プリセット位置に付勢するものとなる。支持手段および処理媒体の提供手段の双方に対してそれぞれのクランプ手段(対向部材の一端または両端に配置し得る)を装置が有していてもよいことも勿論である。
【0036】
付加的に、処理媒体の提供手段および/または支持手段を強化する(buttressing)手段を装置が含んでいてもよい。強化手段は、接触部材および/または支持部材の背部(すなわちニップの反対側)に位置づけた1以上のローラを含むことができる。いくつかの実施形態では、特に円筒状エレメントが支持部材に嵌合しているような場合には、支持部材の強化は問題となり得るが、これが可能な実施形態も考えられる。多くの実施形態では、付加的な強化手段が接触部材の背部に適用される。1以上のローラは接触部材の軸長と同じまたは異なる軸長を有していてもよい。強化手段は、対向部材(すなわち支持部材)との接触による圧力または荷重の作用時に接触部材に生じ得る撓みや曲げを補償する助けとなり、これによりクランプ手段がニップ部で一様な圧力プロフィールを提供する補助となる。接触部材を強化する手段の一実施形態において、該手段は加熱ローラの軸長より短い一対の耐熱ローラを含み、これらは加熱ローラの軸長方向の途中に位置づけられる。耐熱ローラは、フレームの横材上に支持されたものとすることができ、また、加熱ローラに対する耐熱ローラの位置または高さを調整する機構を含むものとすることができる。
【0037】
図1はルーズフィットの形態にて円筒形状エレメント5を処理するための装置の一実施形態を示す。ここで、エレメントは感光層を有し、装置は円筒形状感光性エレメントを熱現像にて処理し、印刷に好適な凹凸構造を有する印刷フォームを生成するのに有用なものである。装置は一実施形態に係るクランプ手段ないしクランプアセンブリ7を含み、これは支持手段をその第1端でプリセット位置に付勢するとともに、支持手段の第1端に係合して開放および閉鎖するのに適したものである。装置は、エレメント5の円筒形状支持体の第1部分に接触して円筒状エレメント5を支持する第1手段1と、第1部分とは異なる円筒状エレメント5の円筒形状支持体の第2部分に接触してエレメント5を支持する第2手段4と、円筒状エレメントの外側表面に処理媒体を提供する手段3と、を含んでいる。支持を行う第1手段1は、ローラを含み、これはアダプタスリーブ支持を行う第1手段1はまた、フォーマットシリンダまたは支持部材としても参照される。フォーマットシリンダ1は第1端および第2端を有する。装置の駆動側に配置される第2端は、フォーマットシリンダを回転させるための駆動部(不図示)に結合している。フォーマットシリンダ1は第2端で片持ち支持され、フォーマットシリンダ1の第1端に円筒状エレメント5を着脱できるようになっている。
【0038】
支持を行う第2手段4はプラットフォーム部材を含み、これは円筒状エレメント5の第2部分に接触するアーチ形状を有している。支持を行う第2手段4はまた、アークまたはアーク部材4としても参照される。アーク部材は種々の反復長をもつ円筒状エレメントを支持するべく(account for)移動可能である。処理媒体を提供する手段は、処理媒体としての現像媒体の連続ウェブ(不図示)を搬送する加熱ロール3によってエレメント5の外側表面を処理する手段である。クランプアセンブリ7は2つのクランプ具7A,7Bを含み、これらはキャリッジ6に支持されるプラットフォーム8に取り付けられている。プラットフォーム8はキャリッジ6に接続され、クランプアセンブリ7を上昇および下降させるべく矢印9で示すように鉛直方向に移動(昇降)する。キャリッジ6は1以上のベース部材を含むことができる。ベース部材は、クランプアセンブリ7の1以上の構造(ロック手段および/または移動手段)の保持または取り付けを行うために、キャリッジの形態のものおよび/またはキャリッジに結合したものとすることができる。鉛直方向の移動によって、着脱を行うための位置に円筒状エレメントを位置づけることが可能になる。また付加的に、第1支持手段1と第2支持手段4との間で円筒状エレメントを張るために鉛直方向の移動を用いることもできる。プラットフォーム8の移動は、例えばモータ、空気圧システムまたは油圧システムにより駆動することができる。
【0039】
さらに装置は、フォーマットシリンダ1の第2端の部位に第2クランプ手段14を含んでいる。クランプアセンブリ14は装置の駆動側にフォーマットシリンダ1を固定する。クランプアセンブリ14は2つのクランプ具を含んでいる。これら2つのクランプ具は、それらのブラケットがねじ止めされて互いに固定されることで開放および閉鎖できないようになっていること以外は、クランプアセンブリ7のクランプ具7A,7Bと等しいまたはほぼ等しいものである。円筒状エレメント5がフォーマットシリンダ1の第1端から取り付けられるので、クランプ具がフォーマットシリンダ1の駆動側を開放または閉鎖する必要がない。クランプ手段14は、プラットフォーム8にクランプ手段7を取り付けるのと同様にして、キャリッジの可動プラットフォームに取り付け可能である。クランプアセンブリ7のプラットフォーム8およびクランプアセンブリ14のプラットフォームを同期して操作することで、フォーマットシリンダ1の両端を同時に移動させ、フォーマットシリンダを実質的に水平に保持するようにする。クランプ手段がシミングにより付勢される多くの実施形態においては、フォーマットシリンダの各端部でクランプ具を適切にシミングすることも同期して行われるようになし、高さh1およびh2間の所要の差を確保する。
【0040】
図2および図3を参照するに、それぞれ、クランプアセンブリ7の一方のクランプ具7Aの開放位置および閉鎖位置で示されている。クランプアセンブリ7,14のクランプ具の各々は実質的に同じであるので、クランプ具7Aを参照して説明する。クランプ具7Aは、上側ブラケット10と、下側ブラケット10Aと、上側ブラケット10を移動させる手段11と、ブラケット10,10Aを互いにロックする手段13とを含んでいる。上側ブラケット10と下側ブラケット10Aとは、第1端のヒンジ15により互いに接続されている。ヒンジ15は、上側ブラケット10と下側ブラケット10Aとを分離および結合するのに適合している。クランプ具7Aを「閉鎖」位置から「開放」位置にする操作(逆もまた同じ)は、上側ブラケット10を移動させる手段11により決定される。当該移動手段11は、上側ブラケット10の第1端16aに枢支された第1端18aをもつロッド18と、ボルトによりキャリッジ6に固定された第2端18bとを有している。移動手段11は、例えば、空気、流体または基体により作動可能な動作シリンダとすることができるが、これに限られるものでもない。多くの実施形態では、移動手段11は空気により駆動される空気圧シリンダである。クランプ具7Aを開放するために、移動手段11のロッド18が動作シリンダにより後退させられ、ロッド18の第1端18aの側の上側ブラケット10の第1端16aはヒンジ15に関して回動する(図3から図2への時計方向)。クランプ具7Aを閉鎖するために、移動手段11のロッド18が動作シリンダにより伸張し、上側ブラケット10の第1端16aはヒンジ15に関して回動する(図2から図3への反時計方向)。
【0041】
閉鎖位置にあるクランプ具7Aは上側ブラケット10および下側ブラケット10Aをロック手段13により互いにしっかりと保持すべくロックされる。閉鎖位置にあるクランプ具7Aはまた、上側ブラケット10および下側ブラケット10Aの結合側にある凹部19a,19bにより形成される通路19に位置する支持手段1の第1端を固定する。このように、ロック手段13は、装着時に支持手段がプリセット位置へ付勢される状態を適切に維持する。一実施形態のロック手段13は、U字型のラッチ20と、3部品のリンク23と、これらを移動させる手段12とを含むアセンブリである。ロックアセンブリ13を移動させる手段12は、3部品のリンク23に接続された第1端25aおよびキャリッジ6にボルトにより固定された第2端25bをもつロッド25を有する。移動手段12は、移動手段11と同様であり、空気、流体または気体により作動する線形動作シリンダとすることができる。3部品のリンク23は三角形状のリンク23aを含み、その第1頂点がロッド25の第1端25aに接続され、第2頂点がブラケット28に回動可能に結合され、第3頂点がレバー30のに第1端30aに回動可能に結合されている。ブラケット28は、キャリッジ6の固定位置に取り付けられるブロック29に結合する。ブラケット28の鉛直方向位置を調整する手段32がブロック29にブラケットを接続しており、従って該手段は回動結合の位置を変更し、従ってまたリンク23aの頂点の回動点を変更可能である。調整手段32はロック手段13のU字型ラッチ20の位置を微調整し、その回動点を
隣接クランプ具7Bの対応回動点に一致させる調整部として機能することができる。レバー30の第1端とは反対側の第2端30bは、U字型ラッチ20のベース部20aに回動可能に結合する。U字型ラッチ20の第1アーム20bは、ヒンジ端16aとは反対側の下側ブラケット10Aの端部16bに回動可能に結合する。ヒンジ端16aとは反対側の下側ブラケット10の端部16cは、溝(不図示)とクランプ具7Aを横切る方向に取り付けられたピン34とを含み、ピンの一部分が溝内で露出するようになっている。上側ブラケット10と下側ブラケット10Aとは、主に移動手段12の動作シリンダによりロッド25を延伸させることにより互いに結合する。ここで、移動手段12は、3部品リンク23のレバー30および三角形状リンク23aを適切に回動させ、ラッチ20の第1アーム20bを下側ブラケット10Aの端部16bに対する結合部のまわりに回転させるものである。ラッチ20の回転により少なくともU字型ラッチの第2アーム20cの溝内の移動が生じて第2アームがピン34上に位置づけられ、それによって上側ブラケット10が下側ブラケット10Aに対して保持される。上側ブラケット10と下側ブラケット10Aとは、主に移動手段12の動作シリンダによりロッド25を後退させることにより非ロック状態となる。ここで、移動手段12は、3部品リンク23のレバー30および三角形状リンク23aを適切に回動させ、ラッチ20の第1アーム20bを下側ブラケット10Aの端部16bに対する結合部のまわりに回転させ、それによりU字型ラッチの第2アーム20cが溝から移動してピン34の上方に位置しなくなる。
【0042】
クランプ具7A,7Bのロック手段13は図示の実施形態に限られない。当業者であれば、クランプ具のロック手段の他の実施形態を考えつくことができるからである。
【0043】
接触ニップに沿って一様な圧力を維持するプロセスの動作を、図1〜図3に示す実施形態に関連して説明する。プロセスは、第1支持手段1および/または第2支持手段4が十分に近づくよう移動させ、取り付けられている円筒状エレメント5が第1および第2支持手段の双方に包まれるようにすることで開始する。多くの実施形態では、直径方向に対向する第1および第2支持手段の外側表面間の距離がエレメントの内径より小となったときに、第1および第2支持手段が十分に近づいている。単一の支持手段を有する装置の実施形態においては、その支持手段をエレメントの装着を行うための位置に移動させることが有用であるが、これは必須ではない。操作者は、第1支持手段1および第2支持手段4双方の第1端部に関して円筒状エレメント5を配置することで、エレメントを装置に手動で取り付け、エレメントが双方の支持手段に包まれるようにしてから、支持手段の軸長方向に沿ってエレメントをスライドさせる。全エレメントの幅(軸長)の合計が支持手段の軸長未満であれば、装置は支持手段上に2以上の感光性エレメントを収容することができる。フォーマットシリンダ1が第2端に片持ち支持され、フォーマットシリンダの第1たんは支持されていない状態となっている。このとき、クランプアセンブリ7のクランプ具7Aおよび7Bは開放され、プラットフォーム8は下降位置にあって、円筒状エレメント5の装着に干渉しないようになっている。そしてキャリッジ6は、各下側ブラケット10Aの凹部19bがフォーマットシリンダ1の第1端に取り付けられた各ベアリングに接触するまで、クランプアセンブリ7とともにプラットフォーム8を上昇させる。クランプ具7A,7Bの各々について移動手段11を作動させ、ロッド18を突出させてヒンジ15のまわりに上側ブラケット10を回動させると、上側ブラケット10が下側ブラケット10Aに結合することでクランプ具が閉じ、フォーマットシリンダ1の第1端が通路19内に捕捉される。移動手段12のロッド25を突出させて3部品リンク23の回動を生じさせ、ラッチ20を回転させてピン34上にU字型ラッチのアーム20cを位置づけ、下側ブラケット10Aに隣接して上側ブラケット10を保持することにより、上述したように各クランプ具7A,7Bがロックされる。
【0044】
いくつかの実施形態では、クランプ具の一方の通路19の高さと、クランプアセンブリの他方のクランプ具の高さとが異なっている。通路の高さは、凹部の最低部位から、クランプアセンブリ7の2つのクランプ具7A,7Bに共通する平面(プラットフォーム8の上面など)までを測ったものである。クランプ具7Aの通路19は高さh1であり、クランプ具7Bの通路19は高さh2(不図示)である。本実施形態では、外側のクランプ具7Aの通路19および内側のクランプ具7Bの通路19は、各クランプ具の下側ブラケット10Aの端部16bとヒンジ15との間の幅方向に関しては整列しているが、h1およびh2間の高さの差により、鉛直軸方向にオフセットしている。いくつかの実施形態では、クランプ具7Aの高さh1は第2クランプ具7Bの高さh2より大である。クランプアセンブリ14の二重クランプ具の各々の下側ブラケットはともに固定され、支持部材の第2端をしっかりと保持する。クランプアセンブリ7と同様に、クランプアセンブリ14の外側クランプ具の通路の高さはクランプアセンブリ14の内側クランプ具の通路の高さより大である。クランプアセンブリのロックに応じ、クランプ具は支持部材の端部に係合し、クランプアセンブリ7,14のクランプ具それぞれの高さh1およびh2の差によって、支持手段の予屈曲位置への付勢が生じる。クランプアセンブリ7,14のそれぞれについて、2つのクランプ具は互いに分離して距離をおいているので、支持手段に十分な剛性(すなわち撓みに対する高い抵抗性)を付与し、支持手段の軸は予屈曲した位置に維持または実質的に維持される。
【0045】
処理媒体の提供手段の加熱ローラ3と支持手段1(および支持手段4)との相対的な動きにより、円筒状エレメント5が現像媒体に接触する部位でニップが形成される。円筒状エレメント5のニップでの支持手段1と加熱ローラ3との接触圧により、支持手段1に対向している加熱ローラが支持手段のプリセット形状に一致するようになり、従って処理時に円筒状エレメントに直面しているニップには一様または実質的に一様な圧力が加わるようになる。処理が完了すると、逆のプロセスが行われ、上述のようにクランプ具7A,7Bのロックが解除されて開放される。キャリッジ6がプラットフォーム8をクランプアセンブリ7とともに下降させることで、円筒状エレメント5を装置から取り外すことができる。
【0046】
熱現像による処理
処理媒体の提供手段の一実施形態は、熱現像により感光性の円筒状エレメントを処理するものである。化学線に対して像形成用曝露を行った後、円筒状エレメントである円筒形状感光性エレメントが熱処理されることで、光重合性層の非重合領域が除去され、これによって凹凸像が形成される。熱処理工程は、光重合性層のうち、化学線に曝露されなかった領域、すなわち未曝露領域ないし未硬化領域における光重合性層を少なくとも除去する。感光性エレメントの組成物層は、その層の一部、すなわち非照射領域または未硬化領域または未重合領域が軟化、溶融、流動化または液状化するに十分な温度に加熱される。光重合性層の重合領域は未重合領域よりも高い融点を有しているので、熱現像温度では溶融、軟化または流動化しない。感光性エレメントの熱現像を行ってフレキソ印刷版を形成することは、特許文献5、特許文献14、特許文献6および特許文献15(Wangら)に記載されている。
【0047】
組成物層の未硬化部分を効果的に軟化、溶融または流動化させるために、感光性エレメントはその表面温度が約40℃以上、好ましくは約40℃から230℃(華氏104〜446度)となるように加熱される。現像媒体により、組成物層の上に配置された1以上の付加的な層が軟化、溶融または流動化して同様に除去されるようにすることもできる。
【0048】
感光性エレメントの外側表面が熱現像装置の1以上の加熱源により加熱されるようにすることもできる。それぞれ独立して、もしくは何らかの組み合わせにおいて、加熱源は、組成物層を部分的に液化させるのに十分な温度に感光性エレメントの外側表面を加熱することができる。少なくとも1つの感光層(および、存在しているならば1以上の付加層)を加熱する手段は、伝導、伝達、輻射またはその他の加熱方法を実施することができる。これらの方法は、未硬化部分を溶融させるには十分であるが、しかし層の硬化部分の歪みを生じさせるほど高くはない温度に、層を加熱する。各加熱源の加熱方法は、例えば電気的コアヒータ(electrical core heater)、電気加熱布(electric heating blanket)、スチーム式、オイル式、温風式(hot air)およびその他の加熱源を含むことができるが、これらに限られるものでもない。これらの加熱源は、組成物層の一部を溶融させるに十分な温度が得られるよう、外側表面の温度を上昇または維持することができる。一実施形態においては、感光性エレメントの外側表面の加熱は、輻射ヒータ(radiant heater)および支持手段の加熱源を伴う。
【0049】
一実施形態においては、加熱源は供給部材と組み合わされる。これは、エレメントに現像媒体を供給しながら組成物層の外側表面を加熱する。接触時に、熱は供給部材から現像媒体を介してエレメントの外側表面に伝導により伝わり、エレメントの温度を上昇させて、エレメントの組成物層の未硬化部分を溶融、軟化または流動化させて現像媒体に向わせる。
【0050】
処理装置は、感光性エレメントの外側表面を向いた1以上の集束輻射ヒータを他の加熱源として含んでいてもよい。輻射ヒータは、加熱が必要な組成物層の外側表面の一部または全体を加熱し、組成物層の非照射部分を溶融させるに十分なだけ組成物層の外側表面温度を上昇させ、層を部分的に液化させることができる。ヒータは端部支持体上に取り付けられた1または複数の管状の赤外線加熱バルブを含むことができる。端部支持体はまた、バルブに対して電気的接続を提供する。ヒータは、バルブに隣接し、赤外線輻射をエレメントの外側表面に集束して向けるべく作用する反射器を含むこともできる。
【0051】
熱現像時に感光性エレメントを支持するベース部材に他の加熱源を組み合わせることができる。ベース部材は布状ヒータ(blanket heater)などのヒータを備えることができ,、これは、周囲環境にかかわらず安定した開始温度に感光性エレメントを保持するべく備えられる。ベース部材は、ベース部材温度を制御するための手段を含むことができ、これは、感光性エレメントにより被る熱的条件を管理する助けとなる。特に、感光性エレメントの支持側温度を維持するために温度制御手段を用いることができる。ベース部材温度の制御手段は、加熱手段、冷却手段およびその組み合わせを含むことができる。ベース部材加熱手段はどのようなものも許容される。
【0052】
熱現像プロセスは一般に、2以上のサイクルのエレメントの加熱および現像媒体に対するエレメントの接触をもって行われる。これは、組成物層の未硬化部分が加熱時に部分的にのみ液状化していることがあることから、未硬化ポリマーを除去して適切な凹凸深さが得られるようにするためである。好適実施形態では、処理はエレメントの最外側表面を吸収体表面に接触させ、軟化、溶融または流動化した部分を吸収または吸い出しにより除去することを含むこともできる。感光性エレメントを加熱する工程およびエレメントの最外側表面を現像媒体に接触させる工程は、同時に行うこともできるし、現像媒体との接触時に光重合性層の未硬化部分が軟化または溶融したままであれば、順次に行うこともできる。まだ加熱状態にある間に、支持層に接触している硬化した光重合性層から現像媒体が分離されることで、凹凸構造が現われる。光重合性層を加熱する工程および溶融した層(の部分)を吸収材に接触させる工程のサイクルは、未硬化材を適切に除去して十分な凹凸深さを生成するのに必要であれば何度でも繰り返すことが可能である。しかしながら、適切なシステム性能に対してサイクル数を最小限にすることが望ましく、一般には光重合性層は5〜15回のサイクルで熱処理される。未硬化部分が溶融している間に光重合性層に対して現像媒体を密に接触させる状態は、層および現像媒体を互いに押圧することによってすることができる。
【0053】
現像媒体は、光重合性層の未硬化部分の溶融温度よりも高い融点を持ち、同じ作動温度で良好な引き裂き抵抗性を有するものが選択される。選択する材料は、加熱を通じて感光性エレメントを処理するに必要な温度に耐えることが好ましい。現像媒体は、不織材、紙原料(paper stocks)、繊維性織材、開放セル発泡剤、多孔質材(多かれ少なかれ空洞容積を実質的な比率でその容量に含んでいるもの)から選択される。現像媒体は、ウェブ状であってもシート状であってもよい。また、現像媒体は、その1平方cmあたりに数ミリグラムのエラストマー成分を吸収できるもののような、溶融したエラストマー成分に対する高い吸収性を有しているべきである。好ましいものは不織布のウェブである。
【0054】
円筒形状エレメント
本発明の装置において処理されるべき円筒形状エレメントは、円筒形状または実質的に円筒形状との関連性を有している。円筒形状エレメントは、エレメント上に予め存在している1以上の感光層を有する円筒状エレメントおよび支持体もしくはスリーブなど感光層を持たない円筒状エレメントを包含している。一実施形態では、円筒形状エレメントを単なる支持体ないしスリーブとすることができ、装置は1以上の層がスリーブ状支持体上に含まれるようにスリーブ状支持体を処理することによって、円筒形状感光性エレメントを調製する。他の実施形態では、先の実施形態で説明したように、円筒形状エレメントを円筒形状感光性エレメントとし、熱処理を受けて凹凸面をもつ印刷フォームが作製されるものとすることができる。エレメント自体の支持体が円筒形状であってもよいし、円筒形状である少なくとも1つの他の構造物とエレメントがグループをなすものであってもよい。一実施形態では結果物である印刷フォームは最終的に印刷シリンダに取り付けられるものであるので、支持体もしくは構造物の形状も概して円筒形状である。しかしながら、エレメントは円筒形状でなくてもよいし、本発明装置またはプロセスに作動的に係合している間あるいは印刷シリンダに取り付けられていないときに、単に実質的に円筒形状であるものでもよい。エレメントは、継ぎ目のないまたは実質的に継ぎ目のない連続した光重合性層を、円筒形状支持体に隣接して、または円筒形状支持体上に含むことができる。エレメントはまた、プレート・オン・スリーブ(plate-on-sleeve)システムを包含し得る。一般に、プレート・オン・スリーブは、次に円筒形状支持体に取り付けられる平坦な支持体すなわちプレート上に、少なくとも1つの組成物層を含む円筒形状エレメントである。スリーブに巻き付けられたときに、プレートの端部同士が合うまたは結合するものであってもよいし、そうでなくてもよい。プレート・オン・スリーブはまた、2以上のプレートまたはプレート部分が種々の間隔をおいた位置でスリーブ上に取り付けられる実施形態を含む。少なくとも1つの光重合性組成物の層を有し、その縁部同士を突き合せて結合させることによって円筒に形成される感光性プレートをエレメントが有するようなものであってもよい。溶融結合(melt fusing)、テープ結合(taping)、縫合(stitching)、クランプ結合(clamping)、ステイプル結合(stapling)、接着結合(gluing)および縫い合わせ(sewing)などを含むいかなる方法によってもプレート縁部を結合させることができるし、これらに限られるものでもない。本実施形態では、ベース支持体が円筒形状支持体になり得るものとした。本明細書で説明されるような感光層を含む実施形態はいずれも、円筒形状印刷エレメントまたは円筒形状印刷フォームとして参照され得る。円筒形状印刷フォームは内側表面を有し、これは内径および内周(すなわち内側表面の周)を有する。一実施形態では、印刷エレメントが化学線に対して像形成用曝露されることで、曝露領域の感光性組成物層に重合が生じる。
【0055】
感光性エレメント
フレキソ印刷フォームを調製するために使用される感光性エレメントは、少なくとも1層の光重合性組成物を含んでいる。「光重合性」という用語は、化学線に反応して、少なくとも1つの感光層が1以上の反応、特に光化学反応を開始させることのできるいかなるシステムをも包含する。いくつかの実施形態では、感光性エレメントは光重合性層を支持する支持体を含んでいる。いくつかの実施形態では、光重合性層はエラストマー層であり、これはバインダー、少なくとも1つのモノマーおよび光開始剤(photoinitiator)を含んでいる。いくつかの実施形態では、支持体とは反対側の光重合性層に隣接して化学線不透過層を含んでいる。他の実施形態では、感光性エレメントは光重合性層に隣接する既存マスク(in-situ mask)として用いて好適な化学線不透過材の像を含んでいる。
【0056】
特にことわらない限り、「感光性エレメント」と言う用語は、化学線を受けることができ、印刷に好適な表面を形成するべく処理を行うことができる印刷先駆物(printing precursors)を包含する。特にことわらない限り、「感光性エレメント」および「印刷フォーム」は、印刷に好適なものとなる、もしくは印刷に好適である、どのような形態の構造またはエレメントをも含んでおり、平坦なシート、プレート、継ぎ目のない連続フォーム、プレート・オン・スリーブおよびプレート・オン・キャリアを含むが、これらに限られるものではない。感光性エレメントから得られる印刷フォームが、フレキソおよび活版印刷などの凸版印刷用の最終的な印刷アプリケーション(end-use printing applications)を有していることがわかる。凸版印刷は、印刷フォームが画像領域により印刷を行う印刷方法であって、印刷フォームの画像領域は隆起し、非画像領域は沈降しているものである。
【0057】
感光性エレメントは少なくとも1層の光重合性組成物を含む。本明細書で用いられているように、「光重合性」という用語は、光重合性、光架橋性(photocrosslinkable)またはその双方であるシステムを包含することを企図している。光重合性層は固体のエラストマー層であり、これはバインダー、少なくとも1つのモノマーおよび光開始剤(photoinitiator)を含む成分で形成される。光開始剤は化学線に対して感受性がある。本願明細書の全体を通して、化学線とは紫外線および/または可視光を含んでいる。光重合性組成物の固体層は加熱処理され、フレキソ印刷に好適な凹凸を形成する。
【0058】
バインダーは特に限定されず、単一のポリマーあるいは混合したポリマーとすることができる。いくつかの実施形態では、バインダーはエラストマー系バインダーである。一実施形態では、バインダーは化学線に曝露されることでエラストマー系となる。バインダーは共役ジオレフィンポリカーボネート類の天然または合成ポリマーを含み、これはポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、ブタジエン/アクリロニトリルおよびジエン/スチレンの熱可塑性エラストマー系ブロック重合体を含んでいる。いくつかの実施形態では、バインダーはA−B−A型のブロック共重合体のエラストマー系ブロック重合体である。ここで、Aは非エラストマー系ブロックを表し、Bはエラストマー系ブロックを表す。
【0059】
光重合性組成物は、付加重合可能な少なくとも1つの成分を含み、これは清澄で曇りのない感光層が生成される範囲で、バインダーと適合性を有する。付加重合可能な少なくとも1つの成分は、この技術分野でよく知られており、少なくとも1つの末端エチレン基(terminal ethylenic group)をもつ付加重合可能なエチレン性不飽和化合物を含むが、これに限られるものではない。当業者はモノマー類を適切に選択して、光重合性組成物に対するエラストマー系の特性を提供することができる。
【0060】
光開始剤は単一の組成物あるいは複数組成物の組み合わせとすることができ、これは化学線に感受性があり、過度の停止反応(termination)なしにモノマーまたはモノマー類の重合を開始させる遊離基を発生する。公知のクラスの光開始剤のいずれを用いることもでき、特に遊離基光開始剤を用いることができる。あるいは、光開始剤は複数の組成物の混合物であってもよく、その組成物の1つが、照射により活性化する増感剤(sensitizer)によってそれが行われたときに遊離基を提供する。
【0061】
所望の印刷フォームの種類に基づき、光重合性層の厚みを広い範囲で変更することができる。いくつかの実施形態においては、感光層の厚みを約0.002インチ〜約0.250インチ以上(約0.051mm〜約0.64mm以上)とすることができる。感光層の一般的な厚みは、約0.010インチ〜約0.250インチ(約0.025mm〜約0.64mm)である。
【0062】
感光層は、付加的に感光性組成物の層に隣接した支持体を含み得る。支持体は、それ自体が円筒形状のものとすることができる。あるいは、上述のようなプレート・オン・スリーブの場合には、支持体を平坦なものとして円筒形状支持体に取り付けたものでもよいし、平坦なシート状の感光性プレートの端部同士を何らかの方法で留めることにより円筒に形成したものでもよい。支持体は、印刷フォームを調製するべく感光性エレメントとともに従来用いられているものであり、何らかの材料、または複数材料の組み合わせからなるものとすることができる。いくつかの実施形態では、支持体を化学線透過性のあるものとし、支持体を通した「背部曝露」に適合したものとされる。支持体材料の好適な例としては、付加重合体および線状縮合重合体により形成されるような重合体のフィルム、透過性のある発泡体および繊維(ガラス繊維など)が含まれる。金属性支持体は化学線透過性のあるものではないが、最終使用時のある条件下ではアルミニウム、鋼およびニッケルなどの金属類を用いることもできる。いくつかの実施形態では、支持体はポリエステルのフィルムである。一実施形態では、支持体はポリエチレン・テレフタレートのフィルムである。支持体はシートの形態であってもよいし、スリーブなどの円筒形態であってもよい。スリーブは、印刷用スリーブを形成するのに従来用いられている何らかの材料、または複数材料の組み合わせから形成されるものとすることができる。スリーブは、単層、多層、複合または単一の構造を有することができる。一般に化学線透過性を有する重合体のフィルムでスリーブを作製し、円筒形状印刷フォームに基床を形成する背面曝露に適合したものとすることができる。多層構成のスリーブは、特許文献16に開示されているように、可撓性材料の層間に接着層またはテープを含むことができる。スリーブはまた、ニッケルあるいはガラスエポキシのような、非透過性の化学線遮断材料で作製されたものでもよい。スリーブは1層の樹脂成分または複数層の樹脂成分(同じものでも異なるものでもよい)でなるものとすることができ、フィルタおよび/または繊維を組み込んだものとすることができる。樹脂成分として好適な材料の例としては、エポキシ樹脂類;ポリ塩化ビニールおよびポリ酢酸ビニルなどのようなビニル樹脂およびポリスチレン樹脂類;フェノール樹脂類;および芳香族アミンで処理したエポキシ樹脂類(aromatic amine-cured epoxy resins)が挙げられるが、これらに限られるものではない。樹脂成分内に用いられる繊維としては、例えば、ガラス繊維類、アラミド繊維類、炭素繊維類、およびセラミックファイバ類が含まれるが、これらに限られるものではない。スリーブに組み込まれる繊維には、連続性のある、織ったおよび/または巻き付けた材料が含まれる。繊維で強化した樹脂成分で形成された支持体は複合スリーブの一例である。いくつかの実施形態では、支持体は0.002〜0.050インチ以上(約0.0051〜0.127cm)の厚みを有している。スリーブは約0.01〜約6.35mm以上の壁厚を有するものとすることができる。いくつかの実施形態では、スリーブは約0.25〜3mmの壁厚を有している。スリーブの壁厚は、いくつかの実施形態では約10〜80mil(0.25〜2.0mm)であり、他の実施形態では10〜40mil(0.25〜1.0mm)である。
【0063】
付加的に、エレメントは支持体と光重合性層との間に接着層を含んでいる。あるいは、光重合性層に隣接する支持体の表面が接着促進表面を有するものとして、支持体と光重合性層との間に強い接着性を付与する。
【0064】
当業者によく知られているように、感光性エレメントは、感光層の上またはこれに隣接して、すなわち支持体に対向する光重合性層の側の上に、1以上の付加層を含んでいてもよい。これらの層は、特許文献17(Fanら)に開示されているもののように、熱により除去可能な少なくとも1つの層を光重合性層上に含むことができる。所望される使用形態に基づいて、付加層を化学線不透過性または透過性のものとすることができ、感光性エレメントのために1以上の機能を有するものとすることができる。付加層は、リリース層、化学線不透過層、バリア層、赤外線感受層、化学線透過層、接着性調整(adehesion modifying)層、感光性エレメントの表面特性を変える層、およびそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限られるものではない。所望の最終使用形態に従って光重合性層を選択および調製することは当業者が行える範囲である。処理時に、1以上の付加層を、その全体または一部を除去可能にすることも可能である。一以上の付加層は、感光性組成物層を覆う、またはその一部のみを覆うものであってもよい。
【0065】
感光性エレメントは、感光層の最外層上に一時的なカバーシートを付加的に含んでいる。カバーシートは、可撓性のあるポリマーフィルム、一般にはポリエステル、好ましくはポリエチレンテレフタレートから成っている。カバーシートは、むきだし(insubbed)のものであってもよいし、薄いシリコンの膜でサブコートされた(subcoated)ものでもよい。
【0066】
熱処理に先立って、感光層は化学線に曝露される。像形成用曝露時に、光重合性層の化学線曝露領域は不溶状態に変換される一方、未曝露領域では有意の重合または架橋が生じない。慣用的な化学線源をこの曝露に用いることができる。好適な線源の例としては、キセノンランプ、水銀灯、カーボンアーク、アルゴングローランプ、紫外線を放射する蛍光材料を用いる蛍光灯および電子閃光装置、および写真用フラッドランプが挙げられる。
【0067】
これらの線源は、概して310〜400nmの長波の紫外線を放射する。化学線のスペクトルエネルギー分布および強度、感光性エレメントからの距離、および、光重合性材料の量および性質に基づいて、曝露時間は2、3秒から数分まで変化させることができる。像形成用曝露は、像生成マスク(image-bearing mask)を通して感光性エレメントを曝露することにより行うことができる。マスクは、分離したフィルム、すなわちハロゲン化銀フィルムなど像形性の透過性を持つものないしはフォトツールであってもよいし、当業者によく知られているような、ディジタル法により感光性エレメントに一体化されたフォトマスクであってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状エレメントを処理するための装置であって、
前記エレメントの内側表面の第1の部分に接触することで前記エレメントを支持し、軸方向の長さを有する支持手段と、
前記内側表面の反対側の前記エレメントの外側表面に隣接する処理媒体を提供する手段であって、前記処理媒体と前記支持手段の軸長方向に沿った前記外側表面との間に接触ニップを形成するに適した長さを有する提供手段と、
前記支持手段をその一端のプリセット位置に付勢し、前記支持手段のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ手段、または前記提供手段をその一端のプリセット位置に付勢し、前記提供手段のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ手段と、
を具えたことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記プリセット位置は前記支持手段の軸長方向を前記提供手段の軸長方向に平行な固定位置に維持することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記プリセット位置は前記提供手段の軸長方向を前記支持手段の軸長方向に平行な固定位置に維持することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記プリセット位置は前記支持手段をその軸長方向に沿って予め屈曲させることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記プリセット位置は前記提供手段をその軸長方向に沿って予め屈曲させることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
前記クランプ手段は、互いに分離した少なくとも2つのクランプ具をもつクランプアセンブリを具えることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記クランプ具は凹部を持つ上側ブラケットと凹部を持つ下側ブラケットとを具え、前記上側ブラケットおよび前記下側ブラケットが結合して、前記支持手段を保持するための通路が前記凹部により形成されることを特徴とする請求項6に記載の処理装置。
【請求項8】
前記クランプアセンブリはプラットフォーム上に第1のクランプ具および第2のクランプ具を具え、前記第1のクランプ具は、前記プラットフォームからh1の高さに通路を有する上側および下側ブラケットを具え、前記第2のクランプ具は、前記プラットフォームからh2の高さに通路を有する上側および下側ブラケットを具え、前記高さh1と前記高さh2とが異なっていることを特徴とする請求項6に記載の処理装置。
【請求項9】
前記高さh1が前記高さh2より大であることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【請求項10】
前記高さh2が前記高さh1より大であることを特徴とする請求項8に記載の処理装置。
【請求項11】
前記支持手段の前記一端とは反対側の前記支持手段の第2端に、第2のクランプ手段をさらに具えていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項12】
前記第2のクランプ手段は、互いに分離した少なくとも2つのクランプ具をもつクランプアセンブリを具えることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項13】
前記支持手段は、ドラム、ローラ、複数のローラおよびプラットフォーム部材を含む群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項14】
前記第1の部分とは異なる第2の部分で前記内側表面に接触することで前記エレメントを支持する第2の支持手段をさらに具え、前記エレメントは前記第1の部分と前記第2の部分との間に1以上の非支持部分を有することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項15】
前記処理媒体を提供する前記提供手段は、組成物層を有する前記エレメントを加熱する手段と、現像部材を前記外側表面に接触させて前記エレメントに凹凸表面を形成するための手段と、を具えることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項16】
円筒形状エレメントを処理するための装置に使用される方法であって、
軸方向の長さを有した支持部材を前記エレメントの内側表面に接触させることで前記エレメントを支持する工程と、
接触部材を用いて、前記内側表面の反対側の前記エレメントの外側表面に隣接する処理媒体を提供する工程であって、前記接触部材が前記処理媒体と前記支持手段の軸長方向に沿った前記外側表面との間に接触ニップを形成するに適した長さを有している、当該提供工程と、
前記支持部材をその一端のプリセット位置に付勢し、前記支持部材のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ工程、または前記接触部材をその一端のプリセット位置に付勢し、前記接触部材のまわりを開放または閉鎖するのに適合したクランプ工程と、
を具えた方法。
【請求項17】
前記プリセット位置は前記支持部材の軸長方向を前記接触部材の軸長方向に平行な固定位置に維持することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記プリセット位置は前記支持部材をその軸長方向に沿って予め屈曲させていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記プリセット位置は前記接触部材の軸長方向を前記支持部材の軸長方向に平行な固定位置に維持することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記プリセット位置は前記接触部材をその軸長方向に沿って予め屈曲させていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記処理媒体を提供する前記提供工程は、部分的に液状化が可能な組成物層を有する前期エレメントを加熱する工程と、前記層の液状化した部分を除去するために、前記エレメントに現像媒体を接触させる工程と、を具えることを特徴とする請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−288790(P2009−288790A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−128168(P2009−128168)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】