説明

クレンジング化粧料

【課題】メーク落ち、すすぎのさっぱりさに優れ、有意な量の水が混入しても乳化や懸濁によって白濁したり、大きく増粘することがなく、安定性に優れた透明な油性クレンジング化粧料を提供する。
【解決手段】(a)分子内にエステル基を含む質量平均分子量200〜400の油分を30〜90質量%、(b)非極性炭化水素油を0〜6質量%、(c)揮発性シリコーン油を1〜20質量%、(d)ポリオキシエチレン分岐脂肪酸グリセリン(EO付加モル数5〜20)を2〜50質量%、(e)ポリオキシエチレン直鎖脂肪酸グリセリン(EO付加モル数5〜20)を2〜30質量%、および(f)水0.1〜5質量%含有し、(d)成分/(e)成分=1.0〜10.0(質量比)であるクレンジング化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクレンジング化粧料に関する。さらに詳しくは、メーク落ち、すすぎのさっぱりさに優れ、有意な量の水が混入しても乳化や懸濁によって白濁したり、大きく増粘することがない、透明な油性クレンジング化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、有意な量の水が混入しても増粘や白濁を起こさず、浴室や洗面台などの手や顔が濡れた環境下で使用してもクレンジング力の低下や外観・使用性の悪化が生じない透明な油性クレンジング化粧料を提供するため多くの研究がなされている。
【0003】
例えば特開2004−238376号公報(特許文献1)には、IOBが0.75〜1.05であるポリアルキレングリコール鎖を有する液状の非イオン界面活性剤、IOBが1.1〜2.0の水溶性非イオン界面活性剤、IOBが0.25〜0.60の非イオン性界面活性剤または高極性油、液状油、および水をそれぞれ特定量含有する透明液状油性組成物が、濡れた手で使用しても白濁せず、マッサージ感、すすぎやすさ等にも優れるということが示されている。しかし該公報の透明液状油性組成物は、液状油として主に流動パラフィンを高配合しており、メーキャップ料の溶解性、特にマスカラなどのシリコーン樹脂配合メーキャップ料の溶解性が十分でなく、またすすぎ時にぬめる、すっきりしないという問題がある。
【0004】
特開2007−39366号公報(特許文献2)には、基油と非イオン界面活性剤を含有するクレンジング化粧料において、上記非イオン界面活性剤として、イソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、およびステアリン酸ソルビタンの中のいずれか1種以上からなる第1の界面活性剤と、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリルからなる第2の界面活性剤をそれぞれ特定量の範囲で用い、ここにさらに所望によりポリグリセリン脂肪酸エステル、水を特定量配合したクレンジング化粧料が、濡れた手で使用しても白濁せず、洗い流しやすさ等にも優れるということが示されている。しかし該公報のクレンジング化粧料は、揮発性シリコーン油を配合しておらず、メーキャップ料の溶解性、特にマスカラなどのシリコーン樹脂配合メーキャップ料の溶解性が十分でなく、またすすぎ時にぬめる、すっきりしないという問題がある。
【0005】
特開2004−26791号公報(特許文献3)には、IOBが0.75〜1.2のポリグリセリン脂肪酸エステル、IOBが1.1以上の非イオン界面活性剤(ただしポリグリセリン脂肪酸エステルを除く)、液体油成分、および水をそれぞれ特定量含有するクレンジング化粧料が、濡れた手で使用しても白濁せず、洗い流し性、メイク落ち等にも優れるということが示されている。しかし該公報のクレンジング化粧料は、液状油として主に流動パラフィンを含有しており、メーキャップ料の溶解性、特にマスカラなどのシリコーン樹脂配合メーキャップ料の溶解性が十分でなく、またすすぎ時にぬめる、すっきりしないという問題がある。
【0006】
特開2004−2292号公報(特許文献4)には、オレイン酸モノグリセリド、リノール酸モノグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリルペンタエリスリルエーテルの中から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤、IOBが1.1以上の非イオン界面活性剤、油性成分を含有し、ここに所望によりさらにIOBが0.6以下の高級アルコール、グリセリン誘導体又は高級脂肪酸、10質量%以下の水を配合したクレンジング化粧料開示されている。しかしながら該公報のクレンジング料は、油性成分として主に流動パラフィンを高配合しており、メーキャップ料の溶解性、特にマスカラなどのシリコーン樹脂配合メーキャップ料の溶解性が十分でなく、またすすぎ時にぬめる、すっきりしないという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2004−238376号公報
【特許文献2】特開2004−238376号公報
【特許文献3】特開2004−26791号公報
【特許文献4】特開2004−2292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、メーク落ち、すすぎのさっぱりさに優れ、有意な量の水が混入しても乳化や懸濁によって白濁したり、大きく増粘することがなく、安定性に優れた、透明な油性クレンジング化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、質量平均分子量200〜400のエステル油と揮発性シリコーン油を高配合することにより十分なメーク落ち効果を実現し、非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレン分岐脂肪酸グリセリンとポリオキシエチレン直鎖脂肪酸グリセリンとを特定量範囲で組み合せることで、すすぎ時のさっぱりさと耐水性、系の安定性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、下記(a)〜(f)成分を含有し、(d)成分/(e)成分=1.0〜10.0(質量比)であるクレンジング化粧料に関する。
(a)分子内にエステル基を含む質量平均分子量200〜400の油分を30〜90質量%、
(b)非極性炭化水素油を0〜6質量%、
(c)揮発性シリコーン油を1〜20質量%、
(d)ポリオキシエチレン分岐脂肪酸グリセリン(エチレンオキシド付加モル数5〜20)を2〜50質量%、
(e)ポリオキシエチレン直鎖脂肪酸グリセリン(エチレンオキシド付加モル数5〜20)を2〜30質量%、および
(f)水0.1〜5質量%。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、メーク落ち、すすぎのさっぱりさに優れ、有意な量の水が混入しても乳化や懸濁によって白濁したり、大きく増粘することがない、透明な油性クレンジング化粧料が提供される。
【0012】
なお上記において「有意な量の水」の混入とは、本発明クレンジング化粧料100質量部に対し、概ね10〜60質量部の水の混入をいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について詳述する。
【0014】
本発明の(a)成分は、分子内にエステル基を少なくとも1個含む、質量平均分子量200〜400の油分である。具体的には、オクタン酸セチル(CIO)、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸エチルヘキシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸オクチル等のエステル油が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。中でもさっぱりとした使用性の点から、オクタン酸セチル、パルミチン酸オクチル等が好ましい。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0015】
(a)成分の配合量は、本発明クレンジング化粧料中、30〜90質量%であり、好ましくは50〜70質量%である。配合量が30質量%未満では十分なメーク落とし効果が得られず、一方、90質量%を超えて配合すると、他配合成分、特には界面活性剤を十分に配合することができず、洗い流し性が低下する。
【0016】
なお本発明クレンジング化粧料においては、分子量200未満のエステル油、あるいは分子量400超のエステル油は、配合しないのが望ましいが、本発明の目的、効果を損なわない範囲内で配合することも可能である。これら(a)成分以外のエステル油を配合する場合、その配合量は、一概にいえるものでないが、概ね(a)成分配合量の20%程度以下の低配合とするのが望ましい。
【0017】
(b)成分は非極性炭化水素油である。(b)成分としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。
(b)成分の配合量は、本発明クレンジング化粧料中、0〜6質量%以下であり、(b)成分を配合しない態様も本発明範囲に含まれる。(b)成分が6質量%を超えると他配合成分、特に(a)成分および(c)成分を十分配合することができず、メーク落ちが低下する。(b)成分を配合する場合、1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
(c)成分は揮発性シリコーン油(低沸点シリコーン油)である。(c)成分としては、揮発性環状シリコーン油や揮発性鎖状シリコーン油等が挙げられる。揮発性環状シリコーン油としては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が例示される。揮発性鎖状シリコーン油としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン等が例示され、これらはジメチルポリシロキサン(液状)と総称されることもある。またこれら鎖状シリコーン油のアルキル基が一部フェニル基に置換したメチルフェニルポリシロキサン(液状)も挙げられる。(c)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0019】
(c)成分の配合量は、本発明クレンジング化粧料中、1〜20質量%であり、好ましくは1〜15質量%である。配合量が1質量%未満ではメーキャップ料の溶解性、特にマスカラなどのシリコーン樹脂配合メーキャップ料の溶解性が十分でなく、一方、20質量%を超えて配合してもメーク落ちは向上せず、使用時にきしみ感が発生する等、使用性が低下する。
【0020】
(d)成分はポリオキシエチレン分岐脂肪酸グリセリン(EO付加モル数5〜20)である。(d)成分の具体例としては、イソステアリン酸PEG5グリセリル(「エマレックスGWIS−105」;日本エマルジョン社製)、イソステアリン酸PEG6グリセリル(「エマレックスGWIS−106」;日本エマルジョン社製)、イソステアリン酸PEG8グリセリル(「エマレックスGWIS−108」;日本エマルジョン社製)、イソステアリン酸PEG10グリセリル(「エマレックスGWIS−110」;日本エマルジョン社製)、イソステアリン酸PEG15グリセリル(「エマレックスGWIS−115」;日本エマルジョン社製)、イソステアリン酸PEG20グリセリル(「エマレックスGWIS−120」;日本エマルジョン社製)、ジイソステアリン酸PEG10グリセリル(「エマレックスGWIS−210EX」;日本エマルジョン社製)、ジイソステアリン酸PEG20グリセリル(「エマレックスGWIS−220EX」;日本エマルジョン社製)、トリイソステアリン酸PEG5グリセリル(「エマレックスGWIS−305」;日本エマルジョン社製)、トリイソステアリン酸PEG10グリセリル(「エマレックスGWIS−310」;日本エマルジョン社製)、トリイソステアリン酸PEG20グリセリル(「エマレックスGWIS−320」;日本エマルジョン社製)等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。(d)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
(d)成分の配合量は、本発明クレンジング化粧料中、2〜50質量%であり、好ましくは5〜30質量%である。配合量が2質量%未満ではすすぎ後のさっぱりさが得られず有意な量の水が混入した際の外観の透明性も維持できない。一方、50質量%を超えて配合すると油分が十分に配合できず、十分なメーク落ち効果が得られない。
【0022】
(e)成分はポリオキシエチレン直鎖脂肪酸グリセリン(EO付加モル数5〜20)である。(e)成分の具体例としては、ヤシ油脂肪酸PEG7グリセリル(「セチオールHE」;コグニス社製)、ステアリン酸PEG5グリセリル(「エマレックスGM−5」;日本エマルジョン社製)、ステアリン酸PEG5グリセリル(「エマレックスGM−5」;日本エマルジョン社製)、ステアリン酸PEG10グリセリル(「エマレックスGM−10」;日本エマルジョン社製)、ステアリン酸PEG15グリセリル(「エマレックスGM−15」;日本エマルジョン社製)、ステアリン酸PEG20グリセリル(「エマレックスGM−10」;日本エマルジョン社製)、トリステアリン酸PEG5グリセリル(「エマレックスGWS−305」;日本エマルジョン社製)、トリステアリン酸PEG6グリセリル(「エマレックスGWS−306」;日本エマルジョン社製)、トリステアリン酸PEG10グリセリル(「エマレックスGWS−310」;日本エマルジョン社製)、トリステアリン酸PEG20グリセリル(「エマレックスGWS−320」;日本エマルジョン社製)、トリオレイン酸PEG5グリセリル(「エマレックスGWO−305」;日本エマルジョン社製)、トリオレイン酸PEG10グリセリル(「エマレックスGWO−310」;日本エマルジョン社製)、トリオレイン酸PEG20グリセリル(「エマレックスGWO−320」;日本エマルジョン社製)等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。(e)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0023】
(e)成分の配合量は、本発明クレンジング化粧料中、2〜30質量%であり、好ましくは5〜20質量%である。配合量が2質量%未満ではすすぎのさっぱりさが得られず有意な量の水が混入した際の外観の透明性も維持できない。一方、30質量%を超えて配合すると経時安定性が維持できない。
【0024】
上記(d)成分と(e)成分の合計配合量は4〜80質量%であるが、メーク落ち効果、洗い流し効果の点から、両者の合計配合量は5〜40質量%とするのが好ましい。
【0025】
本発明では、(d)成分と(e)成分の配合比(質量比)は(d)成分/(e)成分=1.0〜10.0(質量比)であり、好ましくは1.0〜8.0(質量比)である。(d)成分/(e)成分が上記範囲を逸脱すると均一な1相の系を得ることができない。
【0026】
(f)成分は水であり、配合量は0.1〜5質量%である。
【0027】
上記(a)〜(f)成分を含む本発明クレンジング化粧料は、透明で油性のクレンジング化粧料で、化粧品分野、医薬部外品分野および医薬品分野等において、皮膚または頭髪洗浄料として使用することができる。特にメーキャップの洗浄料として使用することが好ましい。本発明クレンジング化粧料は、シリコーン樹脂を配合したマスカラをはじめとする耐水性メーキャップ料など、従来のクレンジング化粧料では十分満足し得る程度にメーク落としができなかったようなメーク化粧料に対しても、濡れた手で使用しても白濁することなく、透明性を維持したまま、確実にメーク落としをすることができるという、極めて優れたメーク落ち効果を発揮することができる。
【0028】
本発明のクレンジング化粧料は、上記配合成分の他に本発明の目的や効果を損なわない範囲において通常、化粧品に配合される成分を任意に配合することができる。このような成分として例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、グリセリン、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、アルキル硫酸エステル塩、アシルグルタミン酸塩、アシルサルコシン塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、N−アルキル−N,N−ジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤のほか、固型油分、保湿剤、油ゲル化剤、高分子、糖類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、ビタミン類、薬剤、植物抽出物、有機酸、有機アミン、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、抗菌剤、防腐剤、清涼剤、香料、エモリエント剤、色素等が挙げられる。
【0029】
本発明のクレンジング化粧料の剤型は、特に限定されず、液状製剤、ペースト状製剤、エアゾール製剤、シート含浸製剤等として用いることができ、肌に塗布しやすくメークとの馴染みが良いことから液状製剤がより好ましい。
【実施例】
【0030】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。化粧品原料は使用のしやすさから水希釈で販売されているが、ここで表記する配合量は全て純分である。
【0031】
実施例に先立ち、本実施例で用いた各評価の試験方法、評価基準について説明する。
【0032】
[メーク落ち効果]
(i)メーク落ち試験用化粧料
メーク落ち効果を評価するため、下記に示す組成のマスカラ(シリコーン樹脂配合マスカラ)をメーク化粧料として用いた。
(試験用化粧料:マスカラ)
水添ポリイソブテン 残余
シクロメチコン 10.0
トリメチルシロキシケイ酸 10.0
パルミチン酸デキストリン 10.0
ジステアリルジアンモニウムヘクライト 5.0
マイクロクリスタリンワックス 5.0
ポリエチレン 3.0
PEG−10ジメチコン 3.0
ナイロン−12 2.0
ブチレングリコール 1.5
水 1.5
トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸 1.0
テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン 0.5
酸化鉄 5.0
香料 0.5
【0033】
(ii)メーク落ち評価試験方法
専門パネラー(10名)により、上記マスカラ(試験用化粧料)をまつ毛に塗布し、3時間経過後、クレンジング化粧料(試料)を用いてメーククレンジングを行い、メーク落とし効果について下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:8名以上が、メーク落とし効果があると認めた
○:6〜7名が、メーク落とし効果があると認めた
△:3〜5名が、メーク落とし効果があると認めた
×:2名以下が、メーク落とし効果があると認めた。
【0034】
[洗い流し性(すすぎ時のさっぱりさ)]
専門パネラー(10名)により、クレンジング化粧料(試料)を用いて洗顔を行い、すすぎ時の洗い流しやすさ(すすぎ時のさっぱりさ)について、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:8名以上が、洗い流しやすい(すすぎ時さっぱりしている)と認めた
○:6〜7名が、洗い流しやすい(すすぎ時さっぱりしている)と認めた
△:3〜5名が、洗い流しやすい(すすぎ時さっぱりしている)と認めた
×:2名以下が、洗い流しやすい(すすぎ時さっぱりしている)と認めた。
【0035】
[安定性]
試料を50mLのスクリューキャップ付の透明ガラス瓶にいれ、0℃、室温(25℃)、および50℃の各温度で1ヶ月間放置し、外観状態を観察することにより行い、下記の評価基準により評価した。
(評価基準)
○:各温度とも外観状態に変化がみられなかった
×:0℃、室温(25℃)、50℃のいずれかの温度において沈殿の生成、または二層分離状態が認められた
【0036】
[外観(透明性)]
試料を5mm厚になるように透明樹脂容器に流し込み、室温にて容器下に置いたフォント88のTimes New Romanの文字の見える鮮明さを、専門パネラー(10名)により評価した。
(評点)
5点:非常に文字がハッキリと見え、鮮明度が非常に高い
4点:文字がハッキリと見え、鮮明度が高い
3点:文字が見えるが、鮮明度がやや劣る
2点:かろうじて文字が見えるが、鮮明度に劣る
1点:文字が読めず、不透明である
上記評点の合計点を算出した。
(評価基準)
○:合計点が41点以上
△:合計点が21〜40点
×:合計点が20点以下
【0037】
[水混入時の外観(透明性)]
専門パネラー(10名)により、試料2gを、水1.5gで濡らした手で使用した際の、試料の状態を肉眼で観察し、水混入時の外観(透明性)について以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:8名以上が、透明であると認めた
△:3〜7名が、透明であると認めた
×:2名以下が、透明であると認めた
【0038】
[水混入時の粘度変化]
室温にて試料70重量部に対して精製水30重量部を添加し均一になるまで攪拌したものの粘度をB型粘度計により測定し、下記の評価基準により評価した。
(評価基準)
○:水混入による粘度の上昇が20000(mPa・s)未満
×:水混入による粘度の上昇が20000(mPa・s)以上
【0039】
(実施例1〜6、比較例1〜6)
下記表1に示す組成の洗浄料を試料として、上記評価方法、評価基準に従い、メーク落ち、洗い流し性、安定性、外観(透明性)について評価した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜6の試料では本発明効果が得られたが、比較例1〜6の試料では本発明効果が得られなかった。
以下にさらに処方例を示す。
【0042】
(実施例7: メーククレンジング化粧料)
(配 合 成 分) (質量%)
オクタン酸セチル 残余
パルミチン酸オクチル 2
デカメチルシクロペンタシロキサン 5
イソステアリン酸PEG8グリセリル 22
ヤシ油脂肪酸PEG7グリセリル 8
イソステアリン酸 1.5
グリセリン 1
オレンジ油 0.1
グレープシードオイル 0.1
水 0.5
香料 0.3
【0043】
(実施例8: メーククレンジング化粧料)
(配 合 成 分) (質量%)
オクタン酸セチル 残余
パルミチン酸オクチル 5
サフラワー油 1
オリーブ油 1
デカメチルシクロペンタシロキサン 5
イソステアリン酸PEG8グリセリル 20
イソステアリン酸PEG20グリセリル 10
イソステアリルアルコール 2
1,3−ブチレングリコール 2
水 0.5
カミツレ抽出液 0.5
ブチルヒドロキシトルエン 0.5
香料 0.3
【0044】
(実施例9: メーククレンジング化粧料)
(配 合 成 分) (質量%)
オクタン酸セチル 残余
パルミチン酸オクチル 15
メチルフェニルポリシロキサン 7
イソステアリン酸PEG8グリセリル 18
ヤシ油脂肪酸PEG7グリセリル 10
ジプロピレングリコール 4
トコフェロール 0.5
トレハロース 0.5
ショウキョウエキス 0.5
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・
2−オクチルドデシル) 0.1
水 1.5
香料 0.5
【0045】
(実施例10: メーククレンジング化粧料)
(配 合 成 分) (質量%)
オクタン酸セチル 残余
パルミチン酸オクチル 10
流動パラフィン 1
デカメチルシクロペンタシロキサン 5
イソステアリン酸PEG8グリセリル 20
ヤシ油脂肪酸PEG7グリセリル 8
エタノール 2
イソステアリン酸 2
セリン 0.1
アルギニン 0.1
水 1.5
香料 0.5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)〜(f)成分を含有し、(d)成分/(e)成分=1.0〜10.0(質量比)であるクレンジング化粧料。
(a)分子内にエステル基を含む質量平均分子量200〜400の油分を30〜90質量%、
(b)非極性炭化水素油を0〜6質量%、
(c)揮発性シリコーン油を1〜20質量%、
(d)ポリオキシエチレン分岐脂肪酸グリセリン(エチレンオキシド付加モル数5〜20)を2〜50質量%、
(e)ポリオキシエチレン直鎖脂肪酸グリセリン(エチレンオキシド付加モル数5〜20)を2〜30質量%、および
(f)水0.1〜5質量%。

【公開番号】特開2009−235001(P2009−235001A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84162(P2008−84162)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】