説明

クローポール型モータ、及びクローポール型モータ製造方法

【課題】放熱性の高いクローポール型モータ、及びクローポール型モータ製造方法の提供。
【解決手段】第1コア12と、第1コア12と対向して配置される第2コア16と、第1コア12及び第2コア16に挟持されるリング状コイル14を有するクローポール型モータ200において、第1インシュレータ13と、第2インシュレータ15と、を備え、リング状コイル14は、第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15の外周壁面13B、及び外周壁面15Bの径よりも大きな直径となるようエッジワイズ曲げされて形成され、リング状コイル14の径を巻絞った状態でリング状コイル14を第1コア12及び第1インシュレータ13と第2コア16及び第2インシュレータ15の間に組み付けるためにリング状コイル14の巻初め端と巻終わり端に形成された第1コイル端部14A及び第2コイル端部14Bを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローポール型モータに用いるコイルを工夫することで、固定子の放熱性を改善する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車の駆動力を得る為のモータの開発が盛んに行われている。ハイブリット自動車や電気自動車など、モータの駆動力によって車を走らせたいというニーズが高まっている為である。
しかし、車の駆動力をモータで得る為にはモータに高出力化が求められる。そして、車載する為にはモータの小型化は必須である。特にハイブリッド自動車はエンジンと共にモータもエンジンルーム内に配置する必要がある為、小型化が切望されている。
したがって、小型でハイパワーのモータが切望されるが、モータの小型化及び高出力化を図る場合、コイルに流す電流を高める必要がある。
【0003】
しかし、モータのコイルに流す電流量を増やすと発熱量が多くなるという問題がある。コイルの断面積を増やして発熱量を低減したり、コイルの冷却方法を工夫したりすることで、固定子の冷却は可能である。
特許文献1には、モータ用ステータコアに関する技術が開示されている。
分割式の固定子コアに電線を収容するための電線収容溝が形成され、隣り合ったティース間で対向した巻線収容溝の底面を互いに平行にしたことで、ティース間の電線収容部分におけるデッドスペースを従来よりも減らすことが可能となる。この結果、デッドスペース内の空気による保温効果を押さえてモータの放熱効率の向上を図ることが可能である。
【0004】
また、特許文献2に記載のようにクローポール型の固定子コアを使用する事で冷却効率を上げることも考えられる。
特許文献2には、クローポール型の固定子に関する技術が開示されている。
SPCC等の圧延鋼板を打ち抜いて固定子コアを形成し、平角導線をエッジワイズ曲げしたコイルを固定子コアで挟んで1相を形成する。これを3相分重ねることで3相のモータに用いる固定子とすることができる。
クローポール型を用いることで、コイルの占積率の向上を図ることができる。
また、固定子コアを圧延鋼板ではなく圧粉磁心で構成することで、鉄損を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−117844号公報
【特許文献2】特開2007−181303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の技術には以下に説明する課題があると考えられる。
特許文献2の方法ではクローポール型の固定子コアに対して平角導線をエッジワイズ曲げしたコイルを用いることで占積率の向上を図っているが、コアとコイルとの絶縁はコイルの周囲に形成されたエナメルの厚みに頼ることとなり、厚い被覆膜を形成する必要がある。その結果、巻線間の被覆膜も厚くなってしまい結果的に占積率の向上を図れない虞がある。
また、放熱性についてもコイルとコアとが直接接触する面を確保する必要があるものの、製作精度を考えると適度なクリアランスを要するために、隙間が形成される虞がある。この隙間によって断熱され放熱性を確保することが難しい。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、放熱性の高いクローポール型モータ、及びクローポール型モータ製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明によるクローポール型モータは以下のような特徴を有する。
(1)円周上に複数の爪部を有する第1コアと、前記第1コアと対向して配置される第2コアと、前記第1コア及び前記第2コアに挟持されるリング状コイルを有するクローポール型モータにおいて、
前記第1コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的として、前記第1コアと前記リング状コイルとの間に配置される第1インシュレータと、前記第2コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的として、前記第2コアと前記リング状コイルとの間に配置される第2インシュレータと、を備え、前記リング状コイルは、前記第1インシュレータ及び前記第2インシュレータの外周壁面の径よりも大きな直径となるよう平角導体がエッジワイズ曲げされて形成され、前記リング状コイルの径が弾性変形の範囲内で縮小するように巻絞った状態で前記リング状コイルを前記第1コア及び前記第1インシュレータと前記第2コア及び前記第2インシュレータの間に組み付けるために前記リング状コイルの巻初め端と巻終わり端に形成された把持部を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記目的を達成するために、本発明によるクローポール型モータ製造方法は以下のような特徴を有する。
(2)円周上に複数の爪部を有する第1コアと、前記第1コアと対向して配置される第2コアと、前記第1コア及び前記第2コアに挟持されるリング状コイルを有するクローポール型モータ製造方法において、
前記リング状コイルが、前記第1コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的とする第1インシュレータ及び前記第2コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的とする第2インシュレータの外周壁面の径よりも大きな直径となるよう平角導体がエッジワイズ曲げすることで形成し、前記リング状コイルに巻初め端と巻終わり端に形成される把持部を、前記リング状コイルの径が弾性変形の範囲内で縮小するように保持した状態で、前記第1コア及び前記第1インシュレータと前記第2インシュレータ及び前記第2コアとの間に配置し、前記把持部を解放することで、前記リング状コイルの外周面が前記リング状コイルの外面を覆う前記第1インシュレータ及び前記第2インシュレータの内周壁面に当接することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このような特徴を有する本発明によるクローポール型モータにより、以下のような作用、効果が得られる。
上記(1)に記載される発明は、円周上に複数の爪部を有する第1コアと、第1コアと対向して配置される第2コアと、第1コア及び第2コアに挟持されるリング状コイルを有するクローポール型モータにおいて、第1コアとリング状コイルとの絶縁を目的として、第1コアとリング状コイルとの間に配置される第1インシュレータと、第2コアとリング状コイルとの絶縁を目的として、第2コアとリング状コイルとの間に配置される第2インシュレータと、を備え、リング状コイルは、第1インシュレータ及び第2インシュレータの外周壁面の径よりも大きな直径となるよう平角導体がエッジワイズ曲げされて形成され、リング状コイルの径が弾性変形の範囲内で縮小するように巻絞った状態でリング状コイルを第1コア及び第1インシュレータと第2コア及び第2インシュレータの間に組み付けるためにリング状コイルの巻初め端と巻終わり端に形成された把持部を有するものであ
る。
【0011】
リング状コイルが第1インシュレータ及び第2インシュレータの外周壁面の径よりも大きな直径となるようエッジワイズ曲げされて形成されていることで、縮径されて第1インシュレータ及び第2インシュレータの内部に組み込まれた後に把持部を解放すると、リング状コイルは拡径して第1インシュレータ及び第2インシュレータの内面に当接した状態で保持される。
このリング状コイルと第1インシュレータ及び第2インシュレータとの当接状態はリンク状コイルの弾性力によって維持されるため、リング状コイルで発生する熱は第1インシュレータ及び第2インシュレータを介して第1コア又は第2コアに伝達される。
熱伝達は、一般的に固体から気体へ熱伝達する場合よりも、固体同士が接触した状態での熱伝達する場合の方が熱伝達効率は高く、冷却出来ることが期待できる。したがって、リング状コイルが発熱した際には、第1インシュレータ及び第2インシュレータを介して素早く外側に配設される第1コア又は第2コアに熱を伝えて熱の上昇を抑えることが可能となる。
したがって、本発明によって放熱性の高いクローポール型モータを提供することが可能となる。
【0012】
また、このような特徴を有する本発明によるクローポール型モータ製造方法により、以下のような作用、効果が得られる。
上記(2)に記載の発明は、円周上に複数の爪部を有する第1コアと、第1コアと対向して配置される第2コアと、第1コア及び第2コアに挟持されるリング状コイルを有するクローポール型モータ製造方法において、リング状コイルが、第1コアとリング状コイルとの絶縁を目的とする第1インシュレータ及び第2コアとリング状コイルとの絶縁を目的とする第2インシュレータの外周壁面の径よりも大きな直径となるよう平角導体がエッジワイズ曲げすることで形成し、リング状コイルに巻初め端と巻終わり端に形成される把持部を、リング状コイルの径が弾性変形の範囲内で縮小するように保持した状態で、第1コア及び第1インシュレータと第2インシュレータ及び第2コアとの間に配置し、把持部を解放することで、リング状コイルの外周面がリング状コイルの外面を覆う第1インシュレータ及び第2インシュレータの内周壁面に当接する。
【0013】
この様な製造方法を用いることで、(1)に記載したような、リング状コイルが発熱した際には、第1インシュレータ及び第2インシュレータを介して素早く外側に配設される第1コア又は第2コアに熱を伝えて熱の上昇を抑えることが可能なクローポール型モータを製造する製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の、U相スタックの分解斜視図である。
【図2】本実施形態の、U相スタックの斜視図である。
【図3】本実施形態の、U相スタックの断面図であり、図2のAA断面である。
【図4】本実施形態の、リング状コイルの平面図である。
【図5】本実施形態の、クローポール型モータの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明の実施形態について説明する。
図1に、U相スタックの分解斜視図を示す。図2に、U相スタックの斜視図を示す。また、図3に、U相スタックの断面図を示す。図3は、図2のAA断面である。
U相スタック10は、第1コア12と第1インシュレータ13とリング状コイル14と第2インシュレータ15と第2コア16よりなる。
第1コア12は外周環12Aと円周上に爪状の突起である爪部12Bが12カ所に、外周環12Aの内周側に突出して設けられている。爪部12Bは外周環12Aの軸方向に突出して形成される。具体的には爪部底面12Baと直交するように設けられる内周壁面12Bbとテーパ面12Bcとが交わることで、爪部底面12Baの反対側に交辺が形成され外周環12Aに設けられる。爪部12Bは凹部12Cと交互に外周環12Aに設けられている。
第1コア12には、鉄粉やパーマロイなどの磁性材料を細かく砕いたものと樹脂とを材料とする圧粉磁心が用いられている。このような圧粉磁心を用いることで、U相スタック10を固定子100に組み付けてモータとして使用した際の鉄損を軽減することが出来る。
【0016】
外周環12Aの爪部12Bが突出する側の面には第1切欠部12a及び第2切欠部12bが設けられている。
第2コア16は、第1コア12とほぼ同じ形状であり、第1コア12と対向するように配置される。
第2コア16にも、外周環16Aの内周側に爪部16Bと凹部16Cとが設けられ、第1切欠部16a及び第2切欠部16bが設けられている。外周環16Aは外周環12Aに、爪部16Bは爪部12Bに、凹部16Cは凹部12Cに、第1切欠部16a及び第2切欠部16bは第1切欠部12a及び第2切欠部12bに対応する。
第1インシュレータ13は、絶縁性を有する樹脂で環状に形成されている。断面はコの字状になっており、図3に示すようにリング状コイル14が収まる溝となる溝部13Aが形成されている。
【0017】
第2インシュレータ15は、第1インシュレータ13とほぼ同じ形状をしており、溝部15Aを備えている。なお、第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15が対向して当接する面は斜に切った形状に形成されており、第1インシュレータ13と第1コア12又は第2コア16との絶縁沿面距離を稼ぐのに貢献している。
リング状コイル14は、エナメルなどの絶縁被覆を表面に施された平角導体を、エッジワイズ曲げ形成することで円環状に巻回する。そして、平角導体の端部である第1コイル端部14Aと第2コイル端部14Bは、リング状コイル14の外周側に向かって突出する形状となっている。リング状コイル14に用いる導体は銅やアルミニウムなどの導電性の高い物質が望ましい。
リング状コイル14の外径は、第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15の外周壁面13B及び外周壁面15Bの径よりも大きくなるように設定されている。
第1コア12、第1インシュレータ13、リング状コイル14、第2インシュレータ15、及び第2コア16を図1の順に組み合わせることで、図2に示すようなU相スタック10が形成される。
【0018】
図4に、リング状コイルの平面図を示す。
リング状コイル14を組み付ける際には、図1に示すような状態で第1インシュレータ13と第2インシュレータ15の間に収めることになる。
この際には、図4に示すように把持手段70で第1コイル端部14A及び第2コイル端部14Bを、リング状コイル14が縮径するように矢印方向に力を加えて巻絞る。
この状態で、リング状コイル14の外径は第1インシュレータ13の溝部13A、及び第2インシュレータ15の溝部15Aに収まるサイズとなるので、第1コア12、第1インシュレータ13、リング状コイル14、第2インシュレータ15、及び第2コア16を順次組み付ける。
その後、把持手段70をお互いに遠ざかるように移動することで、第1コイル端部14A及び第2コイル端部14Bを解放する。
こうしてU相スタック10を形成する。
【0019】
V相スタック20、W相スタック30についてもU相スタック10と同様の構成であるので、此処では説明を省略する。
図5に、クローポール型モータの分解斜視図を示す。
この様にU相スタック10、V相スタック20、W相スタック30を図5に示すように重ね、第1ブラケット61及び第2ブラケット62で挟み、第1固定ボルト63A乃至第3固定ボルト63Cで固定することで固定子100を形成する。
第1ブラケット61及び第2ブラケット62は環状のプレートであり、外周部に第1固定ボルト63A、第2固定ボルト63B及び第3固定ボルト63Cを貫通する穴、及び締結する穴を備える。第1固定ボルト63Aは第2ブラケット62に形成される第1締結穴62Aに、第2固定ボルト63Bは第2締結穴62Bに、第3固定ボルト63Cは第3締結穴62Cにそれぞれ締結される。こうして固定子100として構成される。
固定子100の内周側にはロータ50及びそれに接続される出力軸40が備えられており、クローポール型モータ200として機能する。
【0020】
本実施形態のクローポール型モータ200は上記の通り構成されるので、以下に説明する作用、効果を奏する。
本実施形態のクローポール型モータ200は、円周上に複数の爪部を有する第1コア12と、第1コア12と対向して配置される第2コア16と、第1コア12及び第2コア16に挟持されるリング状コイル14を有するクローポール型モータ200において、第1コア12とリング状コイル14との絶縁を目的として、第1コア12とリング状コイル14との間に配置される第1インシュレータ13と、第2コア16とリング状コイル14との絶縁を目的として、第2コア16とリング状コイル14との間に配置される第2インシュレータ15と、を備え、リング状コイル14は、第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15の外周壁面13B、及び外周壁面15Bの径よりも大きな直径となるようエッジワイズ曲げされて形成され、リング状コイル14の径が弾性変形の範囲内で縮小するように巻絞った状態でリング状コイル14を第1コア12及び第1インシュレータ13と第2コア16及び第2インシュレータ15の間に組み付けるためにリング状コイル14の巻初め端と巻終わり端に形成された第1コイル端部14A及び第2コイル端部14Bを有するものである。
【0021】
リング状コイル14が第1インシュレータ13の外周壁面13B及び第2インシュレータ15の外周壁面15Bの径よりも大きな直径となるようエッジワイズ曲げされて形成されていることで、縮径されて第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15の内部に組み込まれた後に第1コイル端部14A及び第2コイル端部14Bを解放すると、リング状コイル14は拡径して第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15の内面に当接した状態で保持される。
リング状コイル14の材質は銅やアルミニウムであるので、大した弾性力は期待できない。このため、把持手段70で加圧するときには、弾性変形の範囲で加圧する必要がある。ただし、第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15へのリング状コイル14を押し付ける力は、それ程強い力を必要とするわけではない。第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15の材質に比較的柔らかいものを選択すれば、第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15とリング状コイル14との密着性は確保することが可能である。
【0022】
第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15とリング状コイル14が密着することで、第1インシュレータ13は第1コア12へ、第2インシュレータ15は第2コア16に押し付けられる。
クローポール型モータ200に通電して出力軸40を駆動する場合、リング状コイル14は抵抗発熱するため、放熱を要する。
この際に、リング状コイル14が第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15を介して第1コア12及び第2コア16へと熱伝達される。固体を介しての熱伝達は、リング状コイル14と第1インシュレータ13又は第2インシュレータ15との間に隙間があって空気層がある場合に比べて効率が良く、放熱性を改善するには有利である。
【0023】
第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15は樹脂製品であるため、製作精度を確保するのが難しい。また、第1コア12及び第2コア16についても圧粉磁心を使うため、製作精度は型に依存することになる。リング状コイル14についても平角導体をエッジワイズ曲げ加工して形成するために、製作精度を高めることは難しい。
このため、製品公差を大きめに取らざるを得ず、第1コア12、第1インシュレータ13、リング状コイル14、第2インシュレータ15、及び第2コア16の組付け精度では、リング状コイル14の接触面積を確保することが難しいという事情がある。
このため、製作精度を向上させずとも、リング状コイル14を巻絞って組み付けることでリング状コイル14の外周面が第1インシュレータ13及び第2インシュレータ15の内壁面に当接する状態を維持できる点は、放熱性向上において利点となる。
【0024】
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、例示した部品の材質などの変更を妨げない。
【符号の説明】
【0025】
10 U相スタック
12 第1コア
12A 外周環
12B 爪部
12C 凹部
13 第1インシュレータ
13A 溝部
13B 外周壁面
14 リング状コイル
14A 第1コイル端部
14B 第2コイル端部
15 第2インシュレータ
15A 溝部
15B 外周壁面
16 第2コア
16A 外周環
16B 爪部
16C 凹部
20 V相スタック
30 W相スタック
40 出力軸
50 ロータ
61 第1ブラケット
62 第2ブラケット
70 把持手段
100 固定子
200 クローポール型モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周上に複数の爪部を有する第1コアと、前記第1コアと対向して配置される第2コアと、前記第1コア及び前記第2コアに挟持されるリング状コイルを有するクローポール型モータにおいて、
前記第1コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的として、前記第1コアと前記リング状コイルとの間に配置される第1インシュレータと、
前記第2コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的として、前記第2コアと前記リング状コイルとの間に配置される第2インシュレータと、を備え、
前記リング状コイルは、
前記第1インシュレータ及び前記第2インシュレータの外周壁面の径よりも大きな直径となるよう平角導体がエッジワイズ曲げされて形成され、
前記リング状コイルの径が弾性変形の範囲内で縮小するように巻絞った状態で前記リング状コイルを前記第1コア及び前記第1インシュレータと前記第2コア及び前記第2インシュレータの間に組み付けるために前記リング状コイルの巻初め端と巻終わり端に形成された把持部を有することを特徴とするクローポール型モータ。
【請求項2】
円周上に複数の爪部を有する第1コアと、前記第1コアと対向して配置される第2コアと、前記第1コア及び前記第2コアに挟持されるリング状コイルを有するクローポール型モータ製造方法において、
前記リング状コイルが、前記第1コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的とする第1インシュレータ及び前記第2コアと前記リング状コイルとの絶縁を目的とする第2インシュレータの外周壁面の径よりも大きな直径となるよう平角導体がエッジワイズ曲げすることで形成し、
前記リング状コイルに巻初め端と巻終わり端に形成される把持部を、前記リング状コイルの径が弾性変形の範囲内で縮小するように保持した状態で、前記第1コア及び前記第1インシュレータと前記第2インシュレータ及び前記第2コアとの間に配置し、
前記把持部を解放することで、前記リング状コイルの外周面が前記リング状コイルの外面を覆う前記第1インシュレータ及び前記第2インシュレータの内周壁面に当接することを特徴とするクローポール型モータ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−166648(P2010−166648A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5070(P2009−5070)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】